(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-81737(P2015-81737A)
(43)【公開日】2015年4月27日
(54)【発明の名称】温風暖房機
(51)【国際特許分類】
F24H 9/02 20060101AFI20150331BHJP
F24H 3/02 20060101ALI20150331BHJP
F24H 9/20 20060101ALI20150331BHJP
【FI】
F24H9/02 302Z
F24H3/02
F24H9/20 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-220330(P2013-220330)
(22)【出願日】2013年10月23日
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕悦
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 篤
【テーマコード(参考)】
3L037
【Fターム(参考)】
3L037BA04
(57)【要約】
【課題】 ネジを使用せずにユニットの外れを防止できる温風暖房機を提供する。
【解決手段】
温風暖房機本体1内に固定される操作部取り付け金具19に、受信部ユニット12の差し込み爪15と引っ掛け爪18が差し込まれる差し込み爪用孔26と引っ掛け爪用孔27が形成され、前記操作部ユニット6の一端が差し込み爪用孔26上に位置して差し込み爪用孔26に嵌合した差し込み爪15に近接するので、差し込み爪15に何らかの荷重がかかって押し曲げられようとすると、差し込み爪15が操作部ユニット6の固定部11の先端に当接し、それにより差し込み爪15のくさび状の部分が差し込み爪用孔26から外れず、差し込み爪15が外れるのを防止できるものである。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体内に固定される操作部取り付け金具に、操作部ユニットと受信部ユニットとを取り付けるものに於いて、前記操作部取り付け金具に受信部ユニットの差し込み爪と引っ掛け爪が差し込まれる差し込み爪用孔と引っ掛け爪用孔が形成され、前記操作部ユニットの一端が差し込み爪用孔上に位置して差し込み爪用孔に嵌合した差し込み爪に近接することを特徴とする温風暖房機。
【請求項2】
前記引っ掛け爪は、略L字状の引っ掛け部と、該引っ掛け部の基部の引っ掛け部基部とからなり、該引っ掛け部基部を引っ掛け爪用孔と略同寸法に設けたことを特徴とする請求項1記載の温風暖房機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、温風を吹き出して室内を暖房する温風暖房機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものに於いては、樹脂ケースの背面側一部にガイド爪を設け、その爪の両側に切込みを設けるとともに、その周側面の段部にくさび形のリブを複数個設け、さらに器体内に固定した取付板に前記ガイド爪を挿入する角穴を設け、リブと対向する器体外板の窓穴の周囲の一部に樹脂ケースのリブの傾斜に合せた傾斜部を設けたものがあった。(例えば特許文献1参照)
【0003】
又、ワイヤレスリモコンが温風暖房機本体に着脱自在に装着されるものでは、温風暖房機本体の前面パネルの右側上方部にホルダーを設け、該ホルダーに形成されているリモコン装着部の中央より上方に、ワイヤレスリモコンからの赤外線を受光するための受光部を有し、前記リモコン装着部の外周に設けた複数の角孔を、前面パネルに設けられている複数の爪と嵌合させて、ホルダーを前面パネルに固定するものがあった。(例えば特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−25619号公報
【特許文献2】特開2001−349612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来のものでは、角孔に爪を嵌合させることで固定するが、この固定された状態で爪に何らかの荷重がかかった時、角孔から爪が外れてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、本体内に固定される操作部取り付け金具に、操作部ユニットと受信部ユニットとを取り付けるものに於いて、前記操作部取り付け金具に受信部ユニットの差し込み爪と引っ掛け爪が差し込まれる差し込み爪用孔と引っ掛け爪用孔が形成され、前記操作部ユニットの一端が差し込み爪用孔上に位置して差し込み爪用孔に嵌合した差し込み爪に近接するものである。
【0007】
また、請求項2では、前記引っ掛け爪は、略L字状の引っ掛け部と、該引っ掛け部の基部の引っ掛け部基部とからなり、該引っ掛け部基部を引っ掛け爪用孔と略同寸法に設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、操作部取り付け金具に受信部ユニットの差し込み爪と引っ掛け爪が差し込まれる差し込み爪用孔と引っ掛け爪用孔が形成され、前記操作部ユニットの一端が差し込み爪用孔上に位置して差し込み爪用孔に嵌合した差し込み爪に近接するので、差し込み爪に何らかの荷重がかかって押し曲げられようとすると、差し込み爪が操作部ユニットの固定部の先端に当接し、それにより差し込み爪のくさび状の部分が差し込み爪用孔から外れず、差し込み爪が外れるのを防止できるものである。
【0009】
また、請求項2によれば、引っ掛け爪は、略L字状の引っ掛け部と、該引っ掛け部の基部の引っ掛け部基部とからなり、該引っ掛け部基部を引っ掛け爪用孔と略同寸法に設けたので、引っ掛け爪用孔に引っ掛け爪を取り付けた時、引っ掛け爪の引っ掛け部基部が引っ掛け爪用孔と係合するので、引っ掛け爪が引っ掛け爪用孔から外れる方向に動くことがなく、引っ掛け爪が外れるのを防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図9】同操作部取り付け金具に操作部ユニットと受信部ユニットを取り付けた状態の要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次にこの発明に係る温風暖房機を図面に示す一実施例で説明する。
1は略直方体状の温風暖房機本体で、正面の前パネル2の略中央には温風吹き出し口(図示せず)を開閉する開閉シャッター3が設けられると共に、前パネル2の上部略中央には設定温度や室温などの温度や時刻、警報、その他の情報を表示する表示部ユニット4が設けられ、更に前パネル2の上部右側にはリモコン(図示せず)を操作した時の信号を受信する受信センサ5が設けられているものである。
【0012】
6は操作部ユニットで、合成樹脂からなる操作部本体7と、該操作部本体7の上面に取り付けられ、運転スイッチ8等の各種スイッチが設けられたスイッチ部9とからなり、前記操作部本体7の両端には固定ネジ用孔10が形成された固定部11が設けられているものである。
【0013】
12は合成樹脂からなる受信部ユニットで、受信センサ5を備えた受信基板(図示せず)を取り付ける基板取り付け部13と、該基板取り付け部13の上部に設けられた受信部取り付け部14とからなり、該受信部取り付け部14の温風暖房機本体1の外側方向には、略くさび状の差し込み爪15を設けると共に、温風暖房機本体1の内側方向には、略L字状の引っ掛け部16と該引っ掛け部16の基部の引っ掛け部基部17とからなる引っ掛け爪18が設けられているものである。
【0014】
19は操作部取り付け金具で、垂直面で構成され、温風暖房機本体1の枠にネジ(図示せず)にて固定される本体枠取付面20と、該本体枠取付面20に対して水平面で構成され、操作部ユニット6を取り付ける操作部取付面21と、該操作部取付面21に対して垂直面で構成され、略中央に表示部ユニット4を取り付ける表示部取付面22と、操作部取付面21の両端に形成され、温風暖房機本体1の枠にネジ(図示せず)にて固定される側部取付面23とからなり、前記操作部取付面21の両端には操作部6をネジ24にて固定するための操作固定孔25が形成され、前記操作部取付面21の右端部分には、受信部12の差し込み爪15が差し込まれる差し込み爪用孔26と、受信部12の引っ掛け爪18が差し込まれる引っ掛け爪用孔27が形成されているものである。
【0015】
次に、本実施例の受信部12の取り付け構造について説明する。
まず、温風暖房機本体1の枠に操作部取り付け金具19をネジにて固定し、この固定された操作部取り付け金具19の引っ掛け爪用孔27に受信部ユニット12の引っ掛け爪18の引っ掛け部16を差し込んで、引っ掛け爪18の引っ掛け部16が引っ掛け爪用孔27に引っ掛かった状態で、差し込み爪用孔26に受信部ユニット12の差し込み爪15を差し込んで、操作部取り付け金具19に受信部12を固定する。
【0016】
この時、差し込み爪15は先端部分が略くさび状なので、差し込み爪用孔26に差し込んだ時、差し込み爪用孔26が差し込み爪15のくさび状の部分に当接して差し込み爪15を押し曲げ、差し込み爪15を所定の位置まで差し込むと、差し込み爪15のくさび状の部分に当接していた差し込み爪用孔26がくさび状の首部分の細いところに位置し、差し込み爪用孔26に押し曲げられていた差し込み爪15が元の状態に戻ることで、差し込み爪15が差し込み爪用孔26から抜けなくなり、受信部ユニット12が操作部取り付け金具19に固定されるものである。
【0017】
又、この時、引っ掛け爪18は、引っ掛け爪用孔27の寸法と略同寸法の引っ掛け部基部17が引っ掛け爪用孔27と係合するので、引っ掛け爪18が引っ掛け爪用孔27から外れる方向に動くことがなく、引っ掛け爪18が外れるのを防止できるものである。
【0018】
そして次に、操作部ユニット6を操作部取り付け金具19の操作部取付面21の上に置いて、操作部ユニット6の固定部11の固定ネジ用孔10にネジ24を差し込んで、ネジ24にて操作部6を操作部取り付け金具19に取り付ける。
【0019】
この時、操作部ユニット6の固定部11の先端と差し込み爪15との隙間は約0.5mmとなり、差し込み爪15に何らかの荷重がかかって押し曲げられようとすると、差し込み爪15が操作部ユニット6の固定部11の先端に当接し、それにより差し込み爪15のくさび状の部分が差し込み爪用孔26から外れず、差し込み爪15が外れるのを防止できるものである。
【0020】
以上のように、角孔に爪を嵌合させることで固定する構造で、引っ掛け爪用孔27に引っ掛け爪18を嵌合させることで固定する構造では、引っ掛け爪18の基部の引っ掛け部基部17が引っ掛け爪用孔27の寸法と略同寸法で、この引っ掛け部基部17が引っ掛け爪用孔27と係合するので、引っ掛け爪18が引っ掛け爪用孔27から外れる方向に動くことがなく、引っ掛け爪18が外れるのを防止できるものである。
【0021】
又、差し込み爪用孔26に差し込み爪15を嵌合させることで固定する構造では、差し込み爪15に何らかの荷重がかかって押し曲げられようとすると、差し込み爪15が操作部6の固定部11の先端に当接し、それにより差し込み爪15のくさび状の部分が差し込み爪用孔26から外れず、差し込み爪15が外れるのを防止できるものである。
【0022】
したがって、ネジ等で直接受信部12を操作部取り付け金具19に取り付けることなく、受信部ユニット12が操作部取り付け金具19から外れるのを防止できるものである。
【符号の説明】
【0023】
1 温風暖房機本体
6 操作部ユニット
12 受信部ユニット
15 差し込み爪
18 引っ掛け爪
19 操作部取り付け金具
26 差し込み爪用孔
27 引っ掛け爪用孔