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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-82268(P2015-82268A)
(43)【公開日】2015年4月27日
(54)【発明の名称】施工履歴の管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20150331BHJP
   G06K 1/12 20060101ALI20150331BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20150331BHJP
【FI】
   G06Q50/08
   G06K1/12 A
   G06K17/00 F
   G06K17/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-220750(P2013-220750)
(22)【出願日】2013年10月24日
(11)【特許番号】特許第5628396号(P5628396)
(45)【特許公報発行日】2014年11月19日
(71)【出願人】
【識別番号】509145978
【氏名又は名称】株式会社GIR
(71)【出願人】
【識別番号】705000293
【氏名又は名称】サムシングホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098682
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 賢次
(74)【代理人】
【識別番号】100071663
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 保夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131255
【弁理士】
【氏名又は名称】阪田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】青木 宏
【テーマコード(参考)】
5B058
5L049
【Fターム(参考)】
5B058CA17
5L049CC07
(57)【要約】
【解決課題】サーバーを使用せずに、住宅建築における施工履歴を管理することができる施工履歴の管理システムを提供すること。
【解決手段】建築現場に付設されるICタグと、検査結果が入力されるデータ入力部、該データ入力部に入力された検査結果データをQRコード(登録商標)に変換する演算部、該QRコード(登録商標)を検査対象に刻印するレーザーマーカー部、及び該レーザーマーカー部により該QRコードを該検査対象に刻印すると同時に、該検査結果データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機と、該電子計算機の該データ送信部から送信される該検査結果データを、該ICタグに書き込むライターと、からなることを特徴とする施工履歴の管理システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築現場に付設されるICタグと、
検査結果が入力されるデータ入力部、該データ入力部に入力された検査結果データをQRコード(登録商標)に変換する演算部、該QRコード(登録商標)を検査対象に刻印するレーザーマーカー部、及び該レーザーマーカー部により該QRコードを該検査対象に刻印すると同時に、該検査結果データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機と、
該電子計算機の該データ送信部から送信される該検査結果データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システム。
【請求項2】
建築現場に付設されるICタグと、
建築資材に付されている資材データを読み取るデータ読み取り部、読み取られた資材データが入力されるデータ入力部及び該データ入力部に入力された資材データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機と、
該電子計算機の該データ送信部から送信される該資材データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の建築において、住宅建築の施工履歴を管理するための施工履歴の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅の建築においては、建築過程が複数の工程に分けられ、各工程の施工が終了する毎に、適切な施工がされているか否かの検査が行われる。そして、検査において、全ての検査項目が適切と判断されたときに、適切な施工が行われたとして、次の工程へと移る。
【0003】
施工主にとって、住宅が完成するまでに、どのような施工が行われ、どのような検査を経たのかをまとめておくこと、すなわち、住宅建築の施工履歴を管理することは、重要なことである。
【0004】
そして、1つの住宅が完成するまでに行われる検査は複数回あり、また、その検査の項目数も多い。
【0005】
従来、このような多数の検査結果データを管理する方法としては、検査結果データをサーバーに保存し、管理するということが行われていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
サーバーへの検査結果データの保存及び管理にあたっては、外部サーバーを使用する必要があるため、外部サーバーを管理するサーバー管理会社へのサーバー使用料が必要となり、また、外部サーバーにデータを入力し管理するためには、データの入力及び管理をするための管理システムが必要となるが、そのような管理システム管理する会社へのシステム使用料が必要となる。
【0007】
そのため、サーバーで検査結果データを保存及び管理する方法では、住宅の建築そのものにかかる費用に加えて、住宅建築過程の検査結果データ等の施工履歴の管理のための費用が、多く発生してしまうという問題があった。
【0008】
従って、本発明の課題は、サーバーを使用せずに、住宅建築における施工履歴を管理することができる施工履歴の管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題は、以下の発明によって、解決される。すなわち、本発明(1)は、建築現場に付設されるICタグと、
検査結果が入力されるデータ入力部、該データ入力部に入力された検査結果データをQRコード(登録商標)に変換する演算部、該QRコード(登録商標)を検査対象に刻印するレーザーマーカー部、及び該レーザーマーカー部により該QRコード(登録商標)を該検査対象に刻印すると同時に、該検査結果データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機と、
該電子計算機の該データ送信部から送信される該検査結果データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システムを提供するものである。
【0010】
また、本発明(2)は、建築現場に付設されるICタグと、
建築資材に付されている資材データを読み取るデータ読み取り部、読み取られた資材データが入力されるデータ入力部及び該データ入力部に入力された資材データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機と、
該電子計算機の該データ送信部から送信される該資材データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システムを提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、サーバーを使用せずに、住宅建築における施工履歴を管理することができる施工履歴の管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の施工履歴の管理システム(1)を示す模式図である。
図2】本発明の施工履歴の管理システム(1)を用いて、施工履歴の管理を行っている様子を示す模式図である。
図3】本発明の施工履歴の管理システム(1)を用いて、施工履歴の管理を行っている様子を示す模式図である。
図4】本発明の施工履歴の管理システム(1)を用いて、施工履歴の管理を行っている様子を示す模式図である。
図5】本発明の施工履歴の管理システム(1)を用いて、施工履歴の管理を行っている様子を示す模式図である。
図6】本発明の施工履歴の管理システム(1)を用いて、施工履歴の管理を行っている様子を示す模式図である。
図7】本発明の施工履歴の管理システム(1)を用いて、施工履歴の管理を行っている様子を示す模式図である。
図8】本発明の施工履歴の管理システム(1)を用いて、施工履歴の管理を行っている様子を示す模式図である。
図9】本発明の施工履歴の管理システム(2)を示す模式図である。
図10】本発明の施工履歴の管理システム(2)を用いて、施工履歴の管理を行っている様子を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第一の形態の施工履歴の管理システム(以下、本発明の施工履歴の管理システム(1)とも記載する。)は、建築現場に付設されるICタグと、
検査結果が入力されるデータ入力部、該データ入力部に入力された検査結果データをQRコード(登録商標)に変換する演算部、該QRコード(登録商標)を検査対象に刻印するレーザーマーカー部、及び該レーザーマーカー部により該QRコード(登録商標)を該検査対象に刻印すると同時に、該検査結果データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機と、
該電子計算機の該データ送信部から送信される該検査結果データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システムである。
【0014】
本発明の施工履歴の管理システム(1)について、図1図8を参照して説明する。図1は、本発明の施工履歴の管理システム(1)を示す模式図である。図2図8は、本発明の施工履歴の管理システム(1)を用いて、施工履歴の管理を行っている様子を示す模式図である。
【0015】
図1中、施工履歴の管理システム10は、ICタグ1と、ライター2と、電子計算機3と、からなる。
【0016】
ICタグ1は、住宅の建築過程において、施工検査が行われる毎に、その検査結果データが書き込まれ、保存される記憶媒体である。ICタグ1は、住宅の建築現場に付設される。
【0017】
電子計算機3は、検査結果が入力されるデータ入力部6と、データ入力部6に入力された検査結果データをQRコード(登録商標)に変換する演算部9と、検査結果データのQRコード(登録商標)のパターンのレーザービーム8を検査対象に照射して、検査結果データのQRコード(登録商標)を検査対象20に刻印するためのレーザーマーカー部5と、レーザーマーカー部5によりQRコード(登録商標)を検査対象20に刻印すると同時に、検査結果データ7をライター2に送信するデータ送信部4と、からなる。つまり、電子計算機3は、データ入力部6と演算部9とを有する電子計算機であり、レーザーマーカー部5とデータ送信部4とが取り付けられており、演算部9とデータ入力部6、演算部9とレーザーマーカー部5、及び演算部9とデータ送信部4が、電気的又は電子的に繋がっている。
【0018】
ライター2は、電子計算機3のデータ送信部4から送信される検査結果データ7を受信し、ICタグ1に検査結果データ7を書き込む手段である。
【0019】
次に、本発明の施工履歴の管理システム(1)を用いて、住宅建築における施工履歴の管理を行う方法について説明する。
【0020】
住宅の建築では、住宅の建築に先立って、住宅の完成までの建築過程が、いくつかの建築工程に分割され、定められた建築工程毎に、施工と施工状態の検査が行われる。以下では、住宅の建築過程が、基礎工事工程と、躯体工事工程と、内装下地工事工程と、外装工事工程と、仕上工事工程とに、分割された場合を例に説明する。なお、住宅の建築過程の分割方法は、これに制限されるものではない。
【0021】
先ず、図2に示すように、建築現場12に、ICタグ1を収納するためのICタグ収納ボックス11が設置される。そして、ICタグ収納ボックス11内に、ICタグ1が収納されることにより、建築現場12に、ICタグ1が付設される。
【0022】
次いで、図3に示すように、建築現場12に、基礎工事工程が施工されて、基礎13が形成される。基礎工事工程の施工が終了すると、検査員により基礎工事工程の施工状態についての検査が行われる。具体的には、基礎工事工程の施工が終了したと認定されるために必要な検査項目がリストアップされ、各検査項目について、適切な施工が行われているか否かが検査員により判定される。そして、全ての検査項目が「適切な施工」と判断された場合に、基礎工事工程の施工が終了と認定される。
【0023】
検査員により基礎工事工程の施工が終了と認定されると、図4に示すように、建築現場12に、ICタグ1と、ライター2と、データ入力部6、演算部9、レーザーマーカー部5及びデータ送信部4を有する電子計算機3と、からなる施工履歴の管理システム10が構築される。そして、電子計算機3のデータ入力部6に検査結果データが入力される。データ入力部6に入力された検査結果データは、演算部9で、QRコード(登録商標)に変換される。次いで、検査結果データのQRコード(登録商標)を検査対象である基礎13に刻印するためのレーザービーム8が、レーザーマーカー部5により、基礎13に向けて照射されて、基礎13に検査結果データのQRコード(登録商標)が刻印される。また、レーザーマーカー部5によりQRコード(登録商標)を検査対象に刻印すると同時に、検査結果データ7が、データ送信部4により、ライター2に送信される。ライター2に送信された検査結果データ7は、ライター2により、ICタグ1に書き込まれる。
【0024】
なお、検査の結果、基礎工事工程が終了と認定されなかった場合、つまり、基礎工事工程の検査項目のいずれかが、「不適切な施工」と判断された場合は、不適切な施工と判断された項目について、再施工が行われ、再施工が終了すると、検査員による再検査が行われる。そして、再施工と検査員による再検査は、全ての検査項目が「適切な施工」と判断されるまで、繰り返し行われる。これらの再施工及び再検査は、以下に述べる工程においても同様である。
【0025】
基礎工事工程の施工が終了と認定されると、次に、図5に示すように、基礎13の上に、躯体工事工程が施工されて、躯体14が形成される。躯体工事工程の施工が終了すると、検査員により躯体工事工程の施工状態についての検査が行われる。具体的には、基礎工事工程と同様に躯体工事工程の施工が終了したと認定されるために必要な検査項目がリストアップされ、各検査項目について、適切な施工が行われたか否かが検査員により判定される。そして、全ての検査項目が「適切な施工」と判断された場合に、躯体工事工程の施工が終了と認定される。
【0026】
検査員により躯体工事工程の施工が終了と認定されると、図6に示すように、建築現場12に、ICタグ1と、ライター2と、データ入力部6、演算部9、レーザーマーカー部5及びデータ送信部4を有する電子計算機3と、からなる施工履歴の管理システム10が構築される。そして、電子計算機3のデータ入力部6に検査結果データが入力される。データ入力部6に入力された検査結果データは、演算部9で、QRコード(登録商標)に変換される。次いで、検査結果データのQRコード(登録商標)を検査対象である躯体14に刻印するためのレーザービーム8が、レーザーマーカー部5により、躯体14に向けて照射されて、躯体14に検査結果データのQRコード(登録商標)が刻印される。また、レーザーマーカー部5によりQRコード(登録商標)を検査対象に刻印すると同時に、検査結果データ7が、データ送信部4により、ライター2に送信される。ライター2に送信された検査結果データ7は、ライター2により、ICタグ1に書き込まれる。
【0027】
躯体工事工程の施工が終了と認定されると、次に、図7に示すように、内装下地工事工程が施工されて、内装下地15が形成される。内装下地工事工程の施工が終了すると、検査員により内装下地工事工程の施工状態についての検査が行われる。具体的には、基礎工事工程と同様に内装下地工事工程の施工が終了したと認定されるために必要な検査項目がリストアップされ、各検査項目について、適切な施工が行われたか否かが検査員により判定される。そして、全ての検査項目が「適切な施工」と判断された場合に、内装下地工事工程の施工が終了と認定される。
【0028】
検査員により内装下地工事工程の施工が終了と認定されると、図8に示すように、建築現場12に、ICタグ1と、ライター2と、データ入力部6、演算部9、レーザーマーカー部5及びデータ送信部4を有する電子計算機3と、からなる施工履歴の管理システム10が構築される。そして、電子計算機3のデータ入力部6に検査結果データが入力される。データ入力部6に入力された検査結果データは、演算部9で、(登録商標)に変換される。次いで、検査結果データのQRコード(登録商標)を検査対象である内装下地15に刻印するためのレーザービーム8が、レーザーマーカー部5により、内装下地15に向けて照射されて、内装下地15に検査結果データのQRコード(登録商標)が刻印される。また、レーザーマーカー部5によりQRコード(登録商標)を検査対象に刻印すると同時に、検査結果データ7が、データ送信部4により、ライター2に送信される。ライター2に送信された検査結果データ7は、ライター2により、ICタグ1に書き込まれる。
【0029】
以降、同様にして、外装工事工程及び仕上工事工程の施工と検査が行われ、全ての工程が終了となると、住宅が完成する。
【0030】
本発明の施工履歴の管理システム(1)は、建築現場に付設されるICタグと、
検査結果が入力されるデータ入力部、該データ入力部に入力された検査結果データをQRコード(登録商標)に変換する演算部、該QRコード(登録商標)を検査対象に刻印するレーザーマーカー部、及び該レーザーマーカー部により該QRコード(登録商標)を該検査対象に刻印すると同時に、該検査結果データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機(1)と、
該電子計算機(1)の該データ送信部から送信される該検査結果データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システムである。
【0031】
ICタグは、特に制限されず、記憶部、電源整流部、送信部及び受信部とからなるICチップと、コイル状の小型アンテナと、で構成される記憶媒体である。ICタグの付設場所及び付設方法は、特に制限されず、例えば、ICタグの収納ボックスが建築現場に設置され、そのICタグの収納ボックス内にICタグが収納されることにより、ICタグが建築現場に付設される。
【0032】
QRコード(登録商標)に変換される検査結果データは、各建築工程、各建築工程の検査項目、検査結果、建築対象の図面、現場写真等の検査結果に関するデータである。また、検査結果データには、検査を行った検査員の署名や捺印等をデータ化したものを付すこともできる。
【0033】
レーザーマーカー部は、電子計算機(1)の演算部で、QRコード(登録商標)に変換された検査結果データのQRコード(登録商標)を、検査対象に刻印するためのレーザービームを照射する手段である。レーザーマーカー部による刻印は、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属に対して可能なため、検査対象の材質が、鉄、ステンレス、アルミニウム等の金属の場合は、検査対象に直接刻印され、また、検査対象の材質が、木、プラスチック樹脂等の非金属の場合、検査対象に付設される金属材に刻印がされる。
【0034】
レーザーマーカー部から検査対象に向かって照射されるレーザービームの種類は、対象に刻印できるものであれば、特に制限されず、適宜選択される。
【0035】
電子計算機(1)は、レーザーマーカー部によりQRコード(登録商標)を検査対象に刻印するためのレーザービームを、検査対象に照射すると同時に、検査結果データをライターに送信するデータ送信部を有する。レーザーマーカー部によりQRコード(登録商標)を検査対象に刻印するためのレーザービームを、検査対象に照射すると同時に、検査結果データをライターに送信する手段としては、特に制限されず、例えば、電子計算機(1)に、レーザービーム照射の命令が入力されると、レーザーマーカー部へのレーザービームの照射命令と、データ送信部への検査結果データの送信命令とを、電子計算機(1)が同時に送るようにプログラムされたプログラムが挙げられる。
【0036】
ライターは、特に制限されず、電子計算機(1)から送信された計算結果データを、ICタグに書き込む手段であり、電子計算機(1)から送信された計算結果データの受信と、受信した検査算結果データのICタグへの書き込みが可能なものであればよい。
【0037】
住宅の建築過程の施工管理においては、各建築工程が施工された後、検査員による検査が行われる。そして、検査結果データの入力、検査対象へのQRコード(登録商標)の刻印及びICタグへの検査結果データの書き込みに当たっては、建築現場に付設されているICタグの近傍に、ライターが置かれ、電子計算機(1)のデータ送信部とライターとが、無線LANで繋がれることにより、本発明の施工履歴の管理システム(1)が構築される。次いで、電子計算機(1)のデータ入力部への検査結果データの入力が行われ、次いで、検査対象へのQRコード(登録商標)の刻印及びICタグへの検査結果データの書き込み行われる。このような、建築工程の施工、検査、検査結果の入力、検査対象へのQRコード(登録商標)の刻印及びICタグへの検査結果データの書き込みが、各建築工程毎に行われて、検査対象へのQRコード(登録商標)の刻印とICタグへの検査結果データの保存がされることにより、施工履歴が管理される。
【0038】
本発明の施工履歴の管理システム(1)によれば、施工履歴の管理が、建築現場に付設されるICタグと検査対象、すなわち、建築住宅そのものを媒体として行われるため、外部サーバーが不要である。また、本発明の施工履歴の管理システム(1)では、検査対象へのQRコード(登録商標)の刻印とICタグへの検査結果データの保存が、同時に行われるため、検査結果データの改ざんが防止される。
【0039】
本発明の第二の形態の施工履歴の管理システム(以下、本発明の施工履歴の管理システム(2)とも記載する。)は、建築現場に付設されるICタグと、
建築資材に付されている資材データを読み取る読み取り部、読み取られた資材データが入力されるデータ入力部、及び該データ入力部に入力された資材データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機(2)と、
該電子計算機(2)の該データ送信部から送信される該資材データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システムである。
【0040】
本発明の施工履歴の管理システム(2)について、図9図10を参照して説明する。図9は、本発明の施工履歴の管理システム(2)を示す模式図である。図10は、本発明の施工履歴の管理システム(2)を用いて、施工履歴の管理を行っている様子を示す模式図である。
【0041】
図9中、施工履歴の管理システム30は、ICタグ1と、ライター2と、電子計算機33と、からなる。
【0042】
ICタグ1は、住宅の建築過程において、建築現場に建築資材、すなわち、住宅の建築材料が運び込まれる毎に、その建築資材に付されている資材データを読み取り、読み取られた資材データが保存される記憶媒体である。ICタグ1は、住宅の建築現場に付設される。
【0043】
電子計算機33は、建築資材に付されている資材データを読み取る読み取り部31と、資材データが入力されるデータ入力部36と、データ入力部36に入力された資材データ37をライター2に送信するデータ送信部4と、からなる。つまり、電子計算機33は、データ入力部36を有する電子計算機であり、読み取り部31とデータ送信部4とが取り付けられており、データ入力部36と読み取り部31、及びデータ入力部36とデータ送信部4が、電気的又は電子的に繋がっている。
【0044】
ライター2は、電子計算機33のデータ送信部4から送信される資材データ37を受信し、ICタグ1に資材データ37を書き込む手段である。
【0045】
次に、本発明の施工履歴の管理システム(2)を用いて、住宅建築における施工管理を行う方法について説明する。
【0046】
図10に示すように、先ず、建築現場12に、ICタグ1を収納するためのICタグ収納ボックス11が設置される。そして、ICタグ収納ボックス11内に、ICタグ1が収納されることにより、建築現場12に、ICタグ1が付設される。
【0047】
図10に示すように、建築現場12に住宅建築の工程を施工するに当たっては、各工程の施工に必要な建築資材16が、建築現場12に運び込まれる。建築資材16が建築現場12に運び込まれると、建築現場12に、ICタグ1と、ライター2と、読み取り部31、データ入力部36及びデータ送信部4を有する電子計算機33と、からなる施工履歴の管理システム30が構築される。そして、建築資材16に付されている資材データが、読み取り部31により読み取られ、読み取り部31により読み取られた資材データが、電子計算機33のデータ入力部36に入力される。データ入力部36に入力された資材データ37は、データ送信部4により、ライター2に送信される。ライター2に送信された資材データ37は、ライター2により、ICタグ1に書き込まれる。
【0048】
以降、同様にして、建築現場12に、資材データが付された建築資材が運び込まれる毎に、資材データの読み込み及びICタグへの資材データの書き込みが行われる。
【0049】
本発明の施工履歴の管理システム(2)は、建築現場に付設されるICタグと、
建築資材に付されている資材データを読み取る読み取り部、読み取られた資材データが入力されるデータ入力部及び該データ入力部に入力された資材データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機(2)と、
該電子計算機(2)の該データ送信部から送信される該資材データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システムである。
【0050】
ICタグは、特に制限されず、記憶部、電源整流部、送信部及び受信部とからなるICチップと、コイル状の小型アンテナと、で構成される記憶媒体である。ICタグの付設場所及び付設方法は、特に制限されず、例えば、ICタグの収納ボックスが建築現場に設置され、そのICタグの収納ボックス内にICタグが収納されることにより、ICタグが建築現場に付設される。
【0051】
建築資材に付されている資材データは、建築現場に運び込まれる建築資材のデータであり、その資材の材質、原材料、製造元、製造日、ロットナンバー、性能、性質等の建築資材に関するデータである。資材データは、バーコード、QRコード(登録商標)等に変換されて建築資材に付されていても、建築資材に付されているICタグ等の記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0052】
電子計算機(2)は、建築資材に付されている資材データを読み取る読み取り部を有する。資材データに付されている資材データが、バーコード又はQRコード(登録商標)の場合、読み取り部は、読み込んだバーコード又はQRコード(登録商標)を、資材データに変換して、変換された資材データが、電子計算機(2)のデータ入力部に入力される。また、資材データに付されている資材データが、建築資材に付されているICタグに記憶されている場合、読み取り部は、ICタグに記憶されているデータを読み取るリーダーを有し、このリーダーにより資材データを読み取り、読み取られた資材データが、電子計算機(2)のデータ入力部に入力される。
【0053】
ライターは、特に制限されず、電子計算機(2)から送信された資材データを、ICタグに書き込む手段であり、電子計算機(2)から送信された資材データの受信と、受信した資材データのICタグへの書き込みが可能なものであればよい。
【0054】
住宅の建築過程の施工管理においては、各建築工程の施工に必要な建築資材が建築現場に運び込まれた後、建築現場に付設されているICタグの近傍に、ライターが置かれ、電子計算機(2)のデータ送信部とライターとが、無線LANで繋がれることにより、本発明の施工履歴の管理システム(2)が構築される。次いで、電子計算機の読み取り部により資材データの読み取りが行われ、次いで、ICタグへの資材データの書き込み行われる。このような、資材データの読み込み及びICタグへの資材データの書き込みが、資材データが付されている建築資材が建築現場に運び込まれる毎に行われて、ICタグへの資材データの保存がされることにより、施工履歴が管理される。
【0055】
本発明の施工履歴の管理システム(2)によれば、施工履歴の管理は、建築現場に付設されるICタグを媒体として行われるため、外部サーバーが不要である。
【0056】
また、本発明の施工履歴の管理システム(1)と本発明の施工履歴の管理システム(2)を組み合わせて、建築住宅の施工履歴を管理することもできる。すなわち、各建築工程の施工が行われる前又は行われているときに、建築現場に資材データが付されている建築資材が運び込まれたときには、本発明の施工履歴の管理システム(2)が構築され、資材データの読み取り及びICタグへの書き込みが行われ、且つ、各建築工程の施工が終了したときには、検査、検査結果の入力、検査対象へのQRコード(登録商標)の刻印及びICタグへの検査結果データの書き込みが、行われる。
【符号の説明】
【0057】
1 ICタグ
2 ライター
3、33 電子計算機
4 データ送信部
5 レーザーマーカー部
6 データ入力部
7 検査結果データ
8 レーザービーム
9 演算部
10、30 施工履歴の管理システム
11 ICタグ収納ボックス
12 建築現場
13 基礎
14 躯体
15 内装下地
16 建築資材
20 検査対象
31 読み取り部
37 資材データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2014年7月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築現場に設置されるICタグ収納ボックス内に収納されることにより、建築現場に付設されるICタグと、
検査結果が入力されるデータ入力部、該データ入力部に入力された検査結果データをQRコード(登録商標)に変換する演算部、該QRコード(登録商標)を検査対象に刻印するレーザーマーカー部、及び該レーザーマーカー部により該QRコード(登録商標)を該検査対象に刻印すると同時に、該検査結果データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機と、
該電子計算機の該データ送信部から送信される該検査結果データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システム。
【請求項2】
建築現場に設置されるICタグ収納ボックス内に収納されることにより、建築現場に付設されるICタグと、
建築資材に付されている資材データを読み取るデータ読み取り部、読み取られた資材データが入力されるデータ入力部及び該データ入力部に入力された資材データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機と、
該電子計算機の該データ送信部から送信される該資材データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
このような課題は、以下の発明によって、解決される。すなわち、本発明(1)は、建築現場に設置されるICタグ収納ボックス内に収納されることにより、建築現場に付設されるICタグと、
検査結果が入力されるデータ入力部、該データ入力部に入力された検査結果データをQRコード(登録商標)に変換する演算部、該QRコード(登録商標)を検査対象に刻印するレーザーマーカー部、及び該レーザーマーカー部により該QRコード(登録商標)を該検査対象に刻印すると同時に、該検査結果データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機と、
該電子計算機の該データ送信部から送信される該検査結果データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システムを提供するものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、本発明(2)は、建築現場に設置されるICタグ収納ボックス内に収納されることにより、建築現場に付設されるICタグと、
建築資材に付されている資材データを読み取るデータ読み取り部、読み取られた資材データが入力されるデータ入力部及び該データ入力部に入力された資材データをライターに送信するデータ送信部を有する電子計算機と、
該電子計算機の該データ送信部から送信される該資材データを、該ICタグに書き込むライターと、
からなることを特徴とする施工履歴の管理システムを提供するものである。