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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-83178(P2015-83178A)
(43)【公開日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】患者固有のインプラント
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/38 20060101AFI20150403BHJP
【FI】
   A61F2/38
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-257600(P2014-257600)
(22)【出願日】2014年12月19日
(62)【分割の表示】特願2013-537691(P2013-537691)の分割
【原出願日】2011年10月21日
(31)【優先権主張番号】12/938,905
(32)【優先日】2010年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】504278927
【氏名又は名称】バイオメット マニュファクチャリング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】メッツガー,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ウトゲナント,ブライアン エー.
(72)【発明者】
【氏名】フォックス,デューク エー.
(72)【発明者】
【氏名】メイ,ブライアン エム.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】半月板インプラントなどの患者固有の人工装具装置およびカスタマイズされた様々な脛骨インプラントを提供する。
【解決手段】人工装具装置は、患者固有の側面を有する脛骨ベアリング250と、患者固有の側面を有する脛骨トレー205を含む脛骨コンポーネント200と、上記脛骨トレーに対して患者固有の向きを有する脛骨ステム210とを備える。上記患者固有の側面は、患者の3次元骨格画像に基づいたコンピュータモデリングを用いて形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工装具装置であって、
患者固有の側面を有する脛骨ベアリングと、
患者固有の側面を有する脛骨トレーを含む脛骨コンポーネントと、
上記脛骨トレーに対して患者固有の向きを有する脛骨ステムとを備え、
上記患者固有の側面は、患者の3次元骨格画像に基づいたコンピュータモデリングを用いて形成されていることを特徴とする人工装具装置。
【請求項2】
上記脛骨トレーは、異なるサイズの脛骨トレーに対応可能なトレーブランクから機械加工され、脛骨用ブランクは当該脛骨ベアリングに設けられている溝にそれぞれ対応して係合可能な複数の固定タブを有することを特徴とする請求項1に記載の人工装具装置。
【請求項3】
上記固定タブは、患者固有ではないことを特徴とする請求項2に記載の人工装具装置。
【請求項4】
上記脛骨ベアリングは、患者固有の関節接合面を有することを特徴とする請求項1に記載の人工装具装置。
【請求項5】
製造方法であって、
患者の3次元骨格画像に基づいたコンピュータモデリングを用いて形成された患者固有の側面を有する脛骨トレーよりも大きなサイズを有する脛骨トレーブランクから当該脛骨トレーを機械加工する工程と、
上記脛骨トレーと結合させるステムブランクから、カスタマイズされた脛骨ステムを機械加工する工程とを備えることを特徴とする製造方法。
【請求項6】
上記脛骨トレーに対して上記脛骨ステムが患者固有の向きを有するように当該脛骨ステムを機械加工する工程をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
患者固有の長さを有するように上記脛骨ステムを機械加工する工程をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
患者固有の形状を有するように上記脛骨ステムを機械加工する工程をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項9】
脛骨トレーブランクから患者固有の側面を有する脛骨トレーを機械加工する上記工程は、脛骨トレーブランクに設けられている複数の固定タブを上記脛骨トレーに組み込む工程を含むことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
【請求項10】
上記固定タブを個別調整する工程をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、半月板インプラントなどの患者固有の人工装具装置およびカスタマイズされた様々な脛骨インプラントを教示する。
【0002】
〔背景技術〕
〔発明の概要〕
本発明は、モノリシックな半月板インプラントを備える人工装具装置を教示する。上記半月板インプラントは、患者の脛骨近位端の近位表面に対して補完的に入れ子状になっている三次元の患者固有の脛骨係合面と、脛骨係合面とは反対側に位置し、患者の大腿顆と関節接合するための大腿関節接合面とを有する。上記半月板インプラントは、第1の部分と残余部分である第2の部分とを含み、当該第1の部分は、当該第2の部分に比べて圧縮性を有する。
【0003】
本発明は、第1の部分と残余部分である第2の部分とを含む半月板インプラントを教示する。上記第1の部分は、患者の大腿顆と関節接合するための大腿関節接合面を含む。上記第1の部分は、当該第2の部分に比べて圧縮性を有する。上記第2の部分は、患者固有の脛骨係合面を含み、当該脛骨係合面は患者の脛骨近位面に補完的に係合可能である。
【0004】
本発明は、患者固有の側面を有する脛骨ベアリングと、患者固有の側面を有する脛骨トレーを含む脛骨コンポーネントと、上記脛骨トレーに対して患者固有の向きを有する脛骨ステムとを備える人工装具装置を教示する。
【0005】
また、本発明は、患者固有の側面を有する脛骨トレーよりも大きなサイズを有する脛骨トレーブランクから当該脛骨トレーを機械加工する工程と、上記脛骨トレーと結合させるステムブランクから、カスタマイズされた脛骨ステムを機械加工する工程とを備える製造方法を教示する。
【0006】
本発明の教示にかかる、さらなる産業上の利用可能性は、以下に示す説明から明白となるであろう。なお、以下に示す説明および具体例は、あくまでも例を示すものであり、本発明の教示の範囲を限定するものではない。
【0007】
〔図面の簡単な説明〕
本発明の教示への理解は、詳細の説明および添付図面からいっそう深まるであろう。
【0008】
図1は、本発明の教示にかかる患者固有のインプラントの環境斜視図である。
【0009】
図2は、本発明の教示による患者固有のインプラントの斜視図である。
【0010】
図3は、図2に示す患者固有のインプラントの斜視図であって、仮想線で当該インプラントの変形を示す図である。
【0011】
図4は、患者固有の脛骨インプラントの分解斜視図である。
【0012】
図5は、患者固有の脛骨インプラント用のブランクの斜視図である。
【0013】
図6は、患者固有の脛骨インプラント用のブランクの側面図である。
【0014】
〔発明を実施するための形態〕
以下に示す説明は、性質上あくまでも例示的なものにすぎず、本発明の教示、利用可能性、または使用を限定するものではない。
【0015】
本発明は、患者固有の膝の人工装具装置または患者固有のインプラントを概ね教示するものである。上記患者固有のインプラントとは、半月板交換用部品またはその他の挿入膝インプラントであり、上記患者固有のインプラントは、従来の大腿インプラント部品または脛骨インプラント部品、あるいはコンピュータ支援画像の方法で作成された患者固有の大腿インプラント部品または脛骨インプラント部品のいずれかと共に用いられ、もしくはその他のインプラントを用いずに患者の天然の膝関節に直接移植される。患者の骨格のMRIやCTスキャンを用いた、患者の骨格の三次元画像、患者固有のプロテーゼ部品、ならびにそれらに関連する患者固有の器具、ガイド、およびテンプレートを得るためのコンピュータモデリングは、例えば、マテリアライズ社(米国ミシガン州アンアーバー)製の様々なCADプログラムおよび/またはソフトウェアを用いて設計することができる。
【0016】
患者固有のインプラント、位置調整ガイド、およびその他の器具は、特定の患者の骨格と一致するように構成されていることが一般的である。上記患者固有のインプラントは、一般的に、患者の三次元(3−D)の骨格画像に基づいたコンピュータモデリングを用いて作成され、前述のコンピュータによる方法で、患者の骨表面(軟骨や他の軟組織の有無に関わらず)の三次元画像とぴったりと密着して一致するような係合面を有している。様々な術前計画手順や患者固有の器具が、同一出願人による同時係属中の米国特許出願第11/756,057号(出願日:2007年5月31日)、米国特許出願第12/211,407号(出願日:2008年9月16日)、米国特許出願第11/971,390号(出願日:2008年1月9日)、米国特許出願第11/363,548号(出願日:2006年2月27日)、および米国特許出願第12/025,414号(出願日:2008年2月4日)に開示されている。上記出願の開示内容が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
上記米国特許出願第11/756,057号(出願日:2007年5月31日)に開示されるように、関節置換手順または関節修正手順の術前計画段階において、例えば、再建すべき関節の脚全体など、患者の対象となる骨格について、MRIスキャンまたは一連のCTスキャンが医療施設や診療所で行われる。得られたスキャンデータはメーカーに送られる。 上記スキャンデータを用いて、上記関節の三次元画像の構築、ならびにコンピュータファイル形式またはその他のコンピュータ表現による初期のインプラントの嵌合(フィッティング)および位置調整の提供を行う。上記初期のインプラントの嵌合および位置調整は、個々の外科医が用いるアライメント・プロトコルを含む位置調整方法によって得られる。
【0018】
上記初期の嵌合の結果が、印刷した状態、あるいは電子化された形で対応閲覧ソフトを用いて提供される初期の手術計画書となる。上記初期の手術計画書は、外科医専用のアライメント・プロトコルを用いると、外科医専用になる。上記初期の手術計画書は、双方向的ソフトウェアに関連付けられたコンピュータファイルの形式で外科医または他の医療従事者に送られ、確認される。外科医は、関節の双方向的な画像でのインプラント部品の画像上の位置を追加的に編集することができる。また、外科医は、切除面、インプラントの種類、およびインプラントの挿入方向の選択または変更ができる。外科医は、上記手術計画の変更および/または承認を行った後、承認した最終計画書をメーカーに送信する。
【0019】
上記手術計画書が外科医によって承認された後、CADプログラムや、例えば、マテリアライズ社が提供するソフトウェアなどの、その他のイメージングソフトウェアを用いて、患者固有の位置調整ガイドまたはその他の器具が、上記手術計画書に従って開発される。
【0020】
上記患者固有のインプラントを機械加工するためのツールパスのコンピュータ命令が生成され、ツールパスデータファイルに格納される。上記ツールパスは、CNCミルまたはその他の自動機械加工システムへの入力として提供され、上記インプラントが、ポリマー、セラミック、金属、あるいは他の好適な材料から機械加工され、滅菌される。
【0021】
図1において、患者の大腿骨遠位端80と脛骨近位端70との間の膝関節の周辺に、本発明の教示による、例示的な患者固有の挿入インプラント100を示す。図1の例示的な実例において、上記挿入インプラント100は、半月板インプラント100である。2つの半月板インプラント、すなわち内側と外側の半月板インプラントを、内側大腿顆82および外側大腿顆84と、これらに対応する、右(または左)膝の脛骨70の脛骨近位端の表面76の内側近位表面72および外側近位表面74との間に、それぞれ図示しているが、内側半月板および外側半月板のうち、一方を交換する必要がない場合、内側および外側の挿入インプラント100のうち、いずれか一方のみを使用してもよい。
【0022】
図1ないし図3によると、上記患者固有の半月板インプラント100は、特定の患者の正常な外側半月板または内側半月板に対応した形状および大きさを有する。上記インプラントは、概ねまたは全体的にインゲン豆のような形状をしている。上記患者固有の半月板インプラント100は、上述のような患者の事前術前計画書に基づいて、脛骨の対応する近位表面72または74に対して、補完的であって、ぴったりと適合し、かつ入れ子状となって、ほぼ接触した状態が維持されるように設計された、患者固有の三次元の脛骨係合面102を含む。上記患者固有の半月板インプラント100は、上記脛骨係合面102の反対側に、対応する天然の大腿顆82または84と関節接合を成すための大腿関節接合面104を含む。上記大腿関節接合面104も、患者特有の天然の顆と一致するように患者固有のものとなっており、あるいは大腿骨インプラントと関節接合を成すように作られてできる。さらに、上記半月板インプラント100の形状および/または外周についても、患者固有のものにすることができる。一実施形態では、靭帯が適切に伸長するように、上記半月板インプラント100の厚さを患者固有のものにすることができる。
【0023】
上記患者固有の半月板インプラント100は、例えば、コバルトクロムなど、生体適合性を有し、比較的硬い材料によってモノリシックかつ一体的に構成される。そのような材料と患者固有の脛骨係合面102との組み合わせによって、上記半月板インプラント100が関節で正確な位置を保つことができ、運動中における転位の程度を軽減して、緩衝効果や衝撃吸収効果により圧縮力を伝達することができる。この点において、上記患者固有の脛骨係合面102は、運動中に脛骨の近位表面と実質的に係合して接触した状態を保つことができる。さらに、上記患者固有の半月板インプラント100の上部または上位部分106は、転位のリスクをさらに軽減し、関節運動中に大腿顆に対してさらに良好な適合性を付与することによって接触応力を減らし、緩衝効果により圧縮力を伝達するように柔軟性を持たせている。具体的には、上記患者固有の半月板インプラント100の第1の部分または上位部分106は、例えば、放電機械加工(EDM)または放電加工を用いて、連続的に、または多数並んだ切り欠き、切り込み、脆弱領域、またはスリット108を形成することによって、柔軟性または可撓性を持ち、なおかつ圧縮可能にすることができる。上記スリット108は、完全に上記関節接合面104の下に位置し、上記関節接合面104を突き破ってはみ出すことはない。そのため、上記スリット108は、原形を保ち、大腿骨インプラントまたは患者の天然の大腿顆と関節接合を成すために、高度に研磨することができる。上記スリット108を含む第1の部分106は、上記半月板インプラント100の厚さの約4分の1にまで及ぶ。上記スリット108は、図2に示すように、前後軸Bに沿って前後方向、あるいは該前後軸Bに垂直な軸(図示せず)に沿って内側・外側方向のいずれかの方向に配置される。上記スリット108は、互いに平行で独立しているか、千鳥状に相互接続している。また、上記スリット108は湾曲していてもよい。上記第1の部分106は、上記関節接合面104を含み、直接隣接して上記関節接合面104の下に位置しており、上記半月板インプラント100全体の厚さ方向に途中まで延びるが、完全にはみ出すことはない。したがって、上記脛骨係合面102を含み、当該脛骨係合面102に隣接している第2の部分である下位部分または残余部分110は、第1の部分106と比べると、変形可能ではなく、圧縮可能でもない。上記EDMは、ワイヤータイプのものとすることができ、数値制御可能である。多数並んだ上記脆弱領域108によって、上記半月板インプラント100の第1の部分106に可撓性、弾力性、柔軟性、および弾性変形性または回復可能な変形性が付与されるため、上記患者固有の半月板インプラント100の第2の部分である残余部分110に対して、上記第1の部分106が第2の形状106’(概略図)へと移動、変形、または圧縮できる。上記スリット108によって、上下方向への上記半月板インプラント100の高さ全体に対して約30%の圧縮性が付与され、上記半月板インプラント100に沿って均等に圧縮荷重を伝えて分散させることができる。
【0024】
図4ないし図6に、カスタマイズされた脛骨インプラントを示す。上記脛骨インプラントは、完全にカスタマイズされた部位/患者固有の部位、準カスタム仕様の部位、および/または市販の部位であってもよい。例えば、上記脛骨インプラントは、脛骨ベアリング250と、脛骨トレー205および脛骨ステム210を有する脛骨コンポーネント200とを含む。同一出願人による米国特許出願公開公報第2008/0262,624号(公開日:2008年10月23日)に開示されるように、上記脛骨ベアリング250および脛骨トレー204は、患者の骨の三次元画像データに基づく患者の骨格と一致して適合する患者固有の外周部/周辺部または側面252、202をそれぞれ有する。また、上記脛骨ベアリング250は、患者固有の厚さを有し、天然の大腿顆と関節接合を成すための患者固有の関節接合面253を有する。上記脛骨コンポーネント200は、標準規格仕様であるか、またはカスタマイズされた脛骨ベアリング250の、対応する凹凸やその他の形状254に係合することができる標準規格仕様、すなわち非患者固有の固定タブ、または他の固定部材204a、204b、204cを有する。この点において、上記脛骨ベアリング250と脛骨コンポーネント200は、患者固有の部材や要素と標準規格仕様の(非患者固有の)部材や要素とを組み合わせることができ、準カスタム仕様のインプラントとして特徴付けることができる。いくつかの実施形態では、上記脛骨トレー204は、患者の特定の輪郭に適合するように、患者固有の骨係合面203、患者固有の外周部202、および患者固有のステム210を有する。
【0025】
図5および図6によると、上記カスタマイズされた脛骨コンポーネント200は、汎用の脛骨用ブランクまたは汎用の脛骨用キャスティング200’から製造することができ、これにより患者固有のデータによる数値制御を用いて様々なサイズのカスタマイズされた脛骨コンポーネントを機械加工することができる。上記汎用の脛骨用ブランク200’に、最終の標準化固定タブ204a、204b、204cを含めるようにすることができるが、上記汎用の脛骨用ブランク200’はより大きいサイズのトレーブランク205’を有することもできる。これによって、患者固有の外周部または側面202を有する上記トレー205を機械加工または他の方法によって製造することができる。上記脛骨トレー205を上記トレーブランク205’から機械加工すると、上記脛骨トレー205には上記固定タブ204a、204b、204cがそのまま組み込まれている。一実施形態では、上記固定タブ204cのうちの1つは、上記トレーブランク205’に対して内側に向いている。
【0026】
また、他の実施形態では、上記固定タブ204a、204b、204cは、非標準規格仕様すなわち患者固有の溝254に合うように、別の方法で形状を持たせたり、形を整えたり、個別調整してもよく、浮動ベアリングと共に使用できるように構成することも可能である。
【0027】
同様に、上記脛骨ステム210は、脛骨用ブランク200’のトレーブランク205’に垂直であるとともに、標準化されている軸Aに対する患者固有の軸A’に沿って患者固有のステムの向きを対応させることができる、より大きなステムブランク210’からカスタマイズすることができる。上記患者固有の軸A’は、例えば、個別調整した後方傾斜で配向させることができる。さらに、患者固有のステム210は、特定の患者に合わせて設計した、厚さや長さなどの形状や大きさを有するように、上記ステムブランク210’から作成される。上記患者固有のステム210は、ビルトイン方式またはモジュール方式で上記脛骨トレー205と結合されており、I−ビームタイプ、十字フィンタイプ、または細長いテーパ状のステムタイプなどの所望のタイプに加工することができる。さらに、上記患者固有のステム210は、前後方向および/または内側・外側方向に対して、患者特定の向きに合わせて個別調整することができる。
【0028】
上記トレーブランク205’および/または上記ステムブランク210’は、多孔質チタンなどの多孔質金属や、チタンなどの固体金属から作成することができる。
【0029】
上述の説明では、本発明の教示にかかる例示的な構成を記載しているだけにすぎない。また、種々の実施形態間での特徴、要素および/または機能の混合および一致が本明細書において明示的に意図されているので、特に記載しない限り、一実施形態の特徴、要素および/または機能を必要に応じて他の実施形態に組み込んでもよいことは、当業者であれば本開示から容易に理解できるであろう。さらに、本発明の教示の本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本発明の教示に適応させるための多数の変更が可能である。当業者であれば、上述の説明ならびに添付の図面および特許請求の範囲から、特許請求の範囲に規定される本発明の教示の精神および範囲から逸脱することなく種々の修正、変更および変形が可能であることが容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の教示にかかる患者固有のインプラントの環境斜視図である。
図2】本発明の教示による患者固有のインプラントの斜視図である。
図3図2に示す患者固有のインプラントの斜視図であって、仮想線で当該インプラントの変形を示す図である。
図4】患者固有の脛骨インプラントの分解斜視図である。
図5】患者固有の脛骨インプラント用のブランクの斜視図である。
図6】患者固有の脛骨インプラント用のブランクの側面図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6