(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-83486(P2015-83486A)
(43)【公開日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】紙容器の製造法及び紙容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/40 20060101AFI20150403BHJP
B65D 5/02 20060101ALI20150403BHJP
【FI】
B65D5/40 Z
B65D5/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-222629(P2013-222629)
(22)【出願日】2013年10月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000229232
【氏名又は名称】日本テトラパック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087479
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 好人
(74)【代理人】
【識別番号】100088111
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 正三
(72)【発明者】
【氏名】佐川 大輔
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA05
3E060AB04
3E060BA12
3E060BC04
3E060CF02
3E060DA30
3E060EA03
3E060EA13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】新規な断面三角形状の紙容器及びその容器の製造法を提供する。
【解決手段】折目線が付されたブランクから空容器に成形され、空容器に液体が充填され、上部がシールされて得られる紙容器であって、ブランクが、3枚の側パネル21,22,23と、3枚の底パネル24,25,26と、頂壁及び注ぎ口を形成する頂パネル28,29,30と、上部のシールに供されるフィンパネル31,32,33とを有し、3枚の側パネルとで縦シールされて、三角柱状本体が形成され、紙容器本体の横断方向の断面が三角形であることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折目線が付されたブランクから空容器に成形され、空容器に液体が充填され、上部がシールされて得られる紙容器であって、
該ブランクが、側壁に対応し隣接する3枚の側パネルと、各該側パネルから下方に延設され底壁を形成する3枚の底パネルと、該側パネルの側縁に延設され縦シールのための縦余白パネルと、各該側パネルから上方に延設され頂壁及び注ぎ口を形成する頂パネルと、各該頂パネルから上方に延設され上部のシールに供されるフィンパネルとを有し、
該頂パネルが、中央の側パネルの矩形注ぎ口用頂パネルと、それぞれ隣接する該側パネルの2枚の三角形屋根用頂パネルとを有し、
該縦余白パネルと3枚の該側パネルとで縦シールされて、三角柱状本体が形成され、
3枚の該底パネルが折畳まれシールされて三角柱状本体に底壁が形成され、
該矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する該三角形屋根用頂パネルの縁とが突き合せて容器上部開口部が形成され、
該矩形注ぎ口用頂パネルの中央フィンパネルが谷折りされて、該三角形屋根用頂パネルの2枚の両フィンパネルで挟み、外方から押圧されて上部シールが形成され、
該頂壁の3角点と該底壁の3角点とを結ぶ3稜線で形成される紙容器本体の横断方向の断面が三角形であることを特徴とする紙容器。
【請求項2】
該矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する該三角形屋根用頂パネルの縁との間に、谷折りパネルが設けられ、谷折りによって突き合せられ該容器上部開口部が形成される、請求項1記載の紙容器。
【請求項3】
該矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する該三角形屋根用頂パネルの縁との間に、突き合せ余白パネルが設けられ、該突き合せ余白パネルのシールによって突き合せられ該容器上部開口部が形成される、請求項1記載の紙容器。
【請求項4】
該矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する該三角形屋根用頂パネルの縁との端面を突き合せ、接着して該容器上部開口部が形成される、請求項1記載の紙容器。
【請求項5】
折目線が付されたブランクから空容器を成形し、空容器に液体を充填し、上部をシールして紙容器を得る方法であって、
側壁に対応し隣接する3枚の側パネルと、各該側パネルから下方に延設され底壁を形成する3枚の底パネルと、該側パネルの側縁に延設され縦シールのための縦余白パネルと、各該側パネルから上方に延設され頂壁及び注ぎ口を形成する頂パネルと、各該頂パネルから上方に延設され上部のシールに供されるフィンパネルとを有し、
該頂パネルが、中央の該側パネルの矩形注ぎ口用頂パネルと、それぞれ隣接する該側パネルの2枚の該三角形屋根用頂パネルとを有するブランクを準備し、
該縦余白パネルと3枚の該側パネルとで縦シールして、三角柱状本体を形成し、
3枚の該底パネルを折畳みシールして三角柱状本体に底壁を形成し、
該矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する該三角形屋根用頂パネルの縁とを突き合せて容器上部開口部を形成し、
該矩形注ぎ口用頂パネルの該中央フィンパネルを谷折りして、該三角形屋根用頂パネルの2枚の両側フィンパネルで挟み、外方から押圧して上部シールを形成し、
該頂壁の3角点と該底壁の3角点とを結ぶ3稜線で形成される紙容器本体の横断方向の断面が三角形であることを特徴とする紙容器の製造法。
【請求項6】
該矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する該三角形屋根用頂パネルの縁との端面を突き合せ、該縁部及びその近傍を少なくとも内側から覆うフィルムを貼着して接着し、該容器上部開口部が形成される、請求項5記載の紙容器の製造法。
【請求項7】
該矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する該三角形屋根用頂パネルの縁との端面を突き合せ、該縁部及びその近傍に樹脂を少なくとも内側から射出成形して接着し、該容器上部開口部が形成される、請求項5記載の紙容器の製造法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛乳、ジュース、アルコール飲料、ミネラルウォータ、緑茶などの他、液体製品を充填する紙容器の製造方法及びその紙容器に関する。
【背景技術】
【0002】
柔軟性に富んだ紙製包装積層材料は多年にわたって液体食品の他、液体製品を包装するために用いられてきた。
屋根型紙容器に関しては、内外面に熱可塑性樹脂層を設けた紙包装材料からなる底有り角筒状体容器を準備し、容器底を下に容器開口が上になるように容器(空容器)を垂直に正立させ、容器の内部を滅菌し、容器の上部の開口から内溶液の牛乳、ジュース等飲料を充填し、上部容器内面の密封部分に熱風を吹きつけて、熱可塑性樹脂層を軟化/溶融し、押圧して上部開口を密封し、液体を充填した屋根型紙容器を得る。上記の一連の工程(容器準備、容器正立、滅菌、液体充填、上部密封など)が包装充填機内部で行われる。
【0003】
図4に示す紙容器9は、最外熱可塑性層と紙層と最内熱可塑性層とからなる帯状包装材料を裁断して得られたブランク12から成形される。
図4(A)に示すように、ブランク12は、紙容器9を展開した形状、及び複数の折込み線を備える。
詳細には、
図4(A)に示すように、ブランク12は、一方の対向する2つの容器側壁に相当する第1パネル1及び第3パネル3の各下端辺から延びる第1底部パネル1b及び第3底部パネル3bと、他方の対向する2つの容器側壁に相当する第2パネル2及び第4パネル4の各下端辺から延びる第2底部パネル2b及び第4底部パネル4bとを有し、容器9の上部10に対応する複数の上部パネル1t、2t、3t及び4tを有する。
図4(A)に示すように、第1パネル1、第2パネル2、第3パネル3及び第4パネル4が順次、隣接して接合しており、第1パネル1と第4パネル4とを縦シールすることによって、4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である筒状本体を成形する。縦シールのために、第4パネルの側端辺から延びる第5パネル5を有する。
第5パネル5で縦シールされた筒状本体8を、
図4(B)に示す。
【0004】
図4(C)及び(D)に示すように、4枚の側壁を有し断面が実質的に正方形である底有り角筒状体容器(空容器)14を、次いで、上部10及び底部11を有する紙容器9を形成する。
紙容器の上部形状が、屋根型形状である場合、紙容器は、屋根型紙容器であり、牛乳、ジュース等液体食品を包装充填することができる。
【0005】
紙容器9を包装充填する装置は、
図7の概念図に示すように、縦シールされ平たくされた複数のブランクの供給された束から1つのブランク13を取出して筒状ブランク8を装入する装入手段15と、筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器14を得る底部成形手段16、上部開口から液体食品を充填する充填手段17と、上部開口をヒートシールする上部密封手段18とを備える。
【0006】
上記の屋根型容器の他、レンガ形容器、片流れ屋根型容器、3角柱状容器、5角柱形状容器、6角柱形状容器、8角柱形状容器などがある。(特許文献参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−91792号公報
【特許文献2】特開平11−236027号公報
【特許文献3】実開平4―53602号公報
【特許文献4】国際公開WO2002/010020号公報
【特許文献5】特願平7−187181号公報
【特許文献6】特開2012−136291号公報
【特許文献7】実開昭64−42216号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、既存する製造方法や製造装置を転用して、斬新なデザインを備え、親しみ易い容器形状を有し、使いやすい容器機能を発揮する、新規な形状の紙容器及びその容器の製造法を提供することである。
【0009】
この発明の別の目的は、上記の容器であって、新規な三角柱の形状であって、消費者が持ち易い、注ぎ易い容器及びその容器の製造法を提供することである。
【0010】
この発明のさらに別の目的は、既存する製造方法や製造装置を利用して、簡易に成形することできる容器及びその容器の製造法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の紙容器は、折目線が付されたブランクから空容器に成形され、空容器に液体が充填され、上部がシールされて得られる紙容器であって、
ブランクが、側壁に対応し隣接する3枚の側パネルと、各側パネルから下方に延設され底壁を形成する3枚の底パネルと、側パネルの側縁に延設され縦シールのための縦余白パネルと、各側パネルから上方に延設され頂壁及び注ぎ口を形成する頂パネルと、各頂パネルから上方に延設され上部のシールに供されるフィンパネルとを有し、
頂パネルが、中央の側パネルの矩形注ぎ口用頂パネルと、それぞれ隣接する側パネルの2枚の三角形屋根用頂パネルとを有し、
縦余白パネルと3枚の側パネルとで縦シールされて、三角柱状本体が形成され、
3枚の底パネルが折畳まれシールされて三角柱状本体に底壁が形成され、
矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁とが突き合せて容器上部開口部が形成され、
矩形注ぎ口用頂パネルの中央フィンパネルが谷折りされて、三角形屋根用頂パネルの2枚の両フィンパネルで挟み、外方から押圧されて上部シールが形成され、
頂壁の3角点と底壁の3角点とを結ぶ3稜線で形成される紙容器本体の横断方向の断面が三角形であることを特徴とする。
【0012】
この発明の好ましい態様において、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁との間に、谷折りパネルが設けられ、谷折りによって突き合せられ容器上部開口部が形成される。
【0013】
この発明の好ましい態様において、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁との間に、突き合せ余白パネルが設けられ、突き合せ余白パネルのシールによって突き合せられ容器上部開口部が形成される。
【0014】
この発明の好ましい態様において、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁との端面を突き合せ、接着して容器上部開口部が形成される。
【0015】
この発明による紙容器の製造法は、折目線が付されたブランクから空容器を成形し、空容器に液体を充填し、上部をシールして紙容器を得る方法であって、
側壁に対応し隣接する3枚の側パネルと、各側パネルから下方に延設され底壁を形成する3枚の底パネルと、側パネルの側縁に延設され縦シールのための縦余白パネルと、各側パネルから上方に延設され頂壁及び注ぎ口を形成する頂パネルと、各頂パネルから上方に延設され上部のシールに供されるフィンパネルとを有し、
頂パネルが、中央の側パネルの矩形注ぎ口用頂パネルと、それぞれ隣接する側パネルの2枚の三角形屋根用頂パネルとを有するブランクを準備し、
縦余白パネルと3枚の側パネルとで縦シールして、三角柱状本体を形成し、
3枚の底パネルを折畳みシールして三角柱状本体に底壁を形成し、
矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁とを突き合せて容器上部開口部を形成し、
矩形注ぎ口用頂パネルの中央フィンパネルを谷折りして、三角形屋根用頂パネルの2枚の両側フィンパネルで挟み、外方から押圧して上部シールを形成し、
頂壁の3角点と底壁の3角点とを結ぶ3稜線で形成される紙容器本体の横断方向の断面が三角形であることを特徴とする。
【0016】
この発明の好ましい態様において、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁との端面を突き合せ、縁部及びその近傍を少なくとも内側から覆うフィルムを貼着して接着し、容器上部開口部が形成される。
【0017】
この発明の好ましい態様において、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁との端面を突き合せ、縁部及びその近傍に樹脂を少なくとも内側から射出成形して接着し、容器上部開口部が形成される。
【発明の効果】
【0018】
上記構成の本発明によれば、以下の作用機能を発揮し、有利な効果が得られる。
本発明の紙容器は、折目線が付されたブランクから空容器に成形され、空容器に液体が充填され、上部がシールされて得られる紙容器である。
牛乳、ジュース、アルコール飲料、ミネラルウォータ、緑茶などの他、液体食品を充填することができる。
【0019】
この発明によるブランクは、側壁に対応し隣接する3枚の側パネルと、各側パネルから下方に延設され底壁を形成する3枚の底パネルと、側パネルの側縁に延設され縦シールのための縦余白パネルと、各側パネルから上方に延設され頂壁及び注ぎ口を形成する頂パネルと、各頂パネルから上方に延設され上部のシールに供されるフィンパネルとを有し、頂パネルが、中央の側パネルの矩形注ぎ口用頂パネルと、それぞれ隣接する側パネルの2枚の三角形屋根用頂パネルとを有する。
基本的に、側パネルが容器本体を形成し、底パネルが容器底壁を形成し、頂パネルが容器頂壁を形成することができる。
【0020】
この発明によって、縦余白パネルと3枚の側パネルとで縦シールし、三角柱状本体を形成する。
すなわち、頂壁の3角点と底壁の3角点とを結ぶ3稜線で形成される紙容器本体の横断方向の断面が三角形である特徴を備える。
容器本体の断面形状が三角形であるので、容器を把持する手の三角形と、すなわち、手の甲を奥にし親指とその他の指で広げた三角形と、一致し、例え小さい幼児子供が消費者であっても、比較的に把持し易く、持ち易い容器を提供することができる。
【0021】
この発明によって、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁とが突き合せて容器上部開口部が形成される。
容器上部開口部の形成によって、開口部から、容易に、液体食品などを充填することができる。
【0022】
この発明によって、矩形注ぎ口用頂パネルの中央フィンパネルが谷折りされて、三角形屋根用頂パネルの2枚の両側フィンパネルで挟み、外方から押圧されて上部シールが形成される。
谷折りされて重なった中央フィンパネルを、外から両側フィンパネルで挟みトップシールすることができる。
【0023】
この発明において、上記構成を有するので、谷折りされて重なった中央フィンパネルを、両側フィンパネルと共に、広げ、谷折り部分を山折りに変えることによって、注ぎ口を形成することができる。
【0024】
この発明の好ましい態様において、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁との間に、谷折りパネルが設けられ、谷折りによって突き合せられ容器上部開口部が形成される。
谷折りパネルを谷折りに折畳むことによって、夫々の縁を突き合せ、容器上部開口部を形成することができる。
【0025】
この発明の好ましい態様において、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁との間に、突き合せ余白パネルが設けられ、突き合せ余白パネルのシールによって突き合せられ容器上部開口部が形成される。
突き合せ余白パネルを、対向する縁の近傍面にシールすることによって、夫々の縁を突き合せ、容器上部開口部を形成することができる。
【0026】
この発明の好ましい態様において、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁と、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁との端面を突き合せ、接着して容器上部開口部が形成される。
この態様では、縁部及びその近傍を少なくとも内側から覆うフィルムを貼着して接着することができ、また、縁部及びその近傍に樹脂を少なくとも内側から射出成形して接着することができる。
【0027】
この発明の紙製紙容器により、斬新な容器デザインを提供することができ、小売店舗の商品陳列棚で消費者により顧客吸引力のある容器にすることができる。
容器本体の断面形状が三角形であるので、手が小さい幼児子供が消費者であっても、比較的に把持し易く、持ち易い容器を提供することができる。
紙製紙容器は、小売店舗の背の低い奥のある商品陳列棚に、奥に直列に並べられ、消費者が購入時に取り出しにくいが、両側の側壁を把持て容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】この発明による紙容器例の第1実施例の展開平面図である。
【
図2】この発明による紙容器例の第2実施例の展開平面図である。
【
図3】この発明による紙容器例の第3実施例の展開平面図である。
【
図4】従来の屋根型紙容器に関しての、展開された形状のブランクの平面図(A)、筒状ブランクの斜視図(B)、上部開口し底部形成された空容器の斜視図(C)、充填され密封された紙容器の斜視図(D)である。
【
図6】この発明による紙容器例であって、開封されて注ぎ口が形成された様子を示す斜視図である。
【
図7】この発明で使用できる包装充填装置例の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施態様の紙容器は、折目線が付されたブランクから空容器に成形され、空容器に液体が充填され、上部がシールされて得られる紙容器である。
包装充填装置例は、
図7の概念図に示すように、ブランク13を取出して筒状ブランク8を装入する装入手段15と、筒状ブランクの底部を成形して上部開口及び底部を有する容器(空容器)14を得る底部成形手段16、上部開口から液体食品を充填する充填手段17と、上部開口をヒートシールする上部密封手段18とを備える。
液体食品には、牛乳、ジュース、アルコール飲料、ミネラルウォータ、緑茶などがある。
【0030】
この実施態様によるブランクは、側壁に対応し隣接する3枚の側パネル21、22、23と、各側パネルから下方に延設され底壁を形成する3枚の底パネル24、25、26と、側パネルの側縁に延設され縦シールのための縦余白パネル27と、各側パネルから上方に延設され頂壁及び注ぎ口を形成する頂パネルと、各頂パネルから上方に延設され上部のシールに供されるフィンパネルとを有し、頂パネルが、中央の側パネルの矩形注ぎ口用頂パネル28と、それぞれ隣接する側パネルの2枚の三角形屋根用頂パネル30、29とを有する。
側パネルが容器本体を形成し、底パネルが容器底壁を形成し、頂パネルが容器頂壁を形成する。
【0031】
この実施態様によって、縦余白パネルと3枚の側パネルとで縦シールし、三角柱状本体を形成する。
すなわち、頂壁の3角点と底壁の3角点とを結ぶ3稜線で形成される紙容器本体の横断方向の断面が三角形である。
図5の紙容器例の斜視図及び
図10の平面図が図示するように、3枚の側パネル21、22、23で三角柱状本体が形成される。
【0032】
この実施態様によって、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁28a、28bと、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁29a、30bとが突き合せて容器上部開口部(図示せず)が形成される。
容器上部開口部の形成によって、開口部から、容易に、液体食品などを充填する。
【0033】
この実施態様によって、矩形注ぎ口用頂パネルの中央フィンパネル31が谷折りされて、三角形屋根用頂パネルの2枚の両側フィンパネル32、33で挟み、外方から押圧されて上部シールが形成される。
谷折りされて重なった中央フィンパネル31を、外から両側フィンパネル32、33で挟みトップシールする。
【0034】
この実施態様において、開封時には、
図6に示すように、谷折りされて重なった中央フィンパネル31を、両側フィンパネル32、33と共に、開封用折目線38に沿って谷折りして広げ、中央フィンパネル31の谷折り部分を山折りに変えることによって、注ぎ口34を形成する。
注ぎ口34は、容器上部開口部のうち、前方部分が開口され、両側フィンパネル32、33の後方部分がまだシールされた状態に相当する。
【0035】
この実施態様において、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁28a、28bと、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁29a、30bとの間に、
図1に示すように、谷折りパネル35、35が設けられ、谷折りによって突き合せられ容器上部開口部が形成される。
谷折りパネルを谷折りに折畳むことによって、夫々の縁に突き合せ36を形成し、容器上部開口部を形成するこ。
【0036】
別の態様において、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁28a、28bと、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁29a、30bとの間に、
図2に示すように、突き合せ余白パネル37、37が設けられ、突き合せ余白パネルのシールによって突き合せられ容器上部開口部が形成される。
突き合せ余白パネル37、37を、対向する縁の近傍面にシールすることによって、夫々の縁28aと29a、28bと30bを突き合せ、容器上部開口部を形成する。
【0037】
更に別の態様において、
図3に示すようなブランクを用い、矩形注ぎ口用頂パネルの両縁28a、28bと、隣接する三角形屋根用頂パネルの縁29a、30bとの端面を突き合せ、接着して容器上部開口部が形成される。
この態様では、縁部及びその近傍を少なくとも内側から覆うフィルムを貼着して接着する。また、縁部及びその近傍に樹脂を少なくとも内側から射出成形して接着する。
【0038】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
この発明は、液体食品の包装充填の製造に適用することができる。
【符号の説明】
【0040】
9 紙容器
12、13 ブランク
21、22、23 側パネル
24、25、26 底パネル
27 縦余白パネル
28 矩形注ぎ口用頂パネル
30、29 三角形屋根用頂パネル