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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-83871(P2015-83871A)
(43)【公開日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】ラジアル磁気軸受および製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 32/04 20060101AFI20150403BHJP
【FI】
   F16C32/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-211497(P2014-211497)
(22)【出願日】2014年10月16日
(31)【優先権主張番号】13306427.9
(32)【優先日】2013年10月17日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】513157198
【氏名又は名称】エスカエフ・マニュティック・メシャトロニク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ステファーヌ・アイ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・スーリエ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】負荷容量に関して最適化された形状を有しながらも、組み立てやすいラジアル磁気軸受を提供する。
【解決手段】ラジアル磁気軸受は、中央シャフト110に取り付けられた強磁性電機子111を有する内側回転子101と、半径方向内方に突出した強磁性材料製の磁極121の端面と強磁性電機子111の端面との間に空隙eが残される磁極121と、磁極121の周りに巻き回されたコイル122とを含む複数の電磁石を備える外側固定子102とを備える。各磁極121およびその対応する各外側部分123は、強磁性材料製の薄片層の積層体で構成され、外側部分123は、隣接する分割モジュールの外側部分123と接触し、全分割モジュールの外側部分123は、挟持リング127によって組み立てられ、磁極121の周りの自由空間に位置するコイル122は、ストリング状に取り付けられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を有し、かつ外周を有する中央シャフト(110)および前記中央シャフト(110)の前記外周に取り付けられた強磁性電機子(111)を含む内側回転子(101)と、
前記内側回転子(101)の方へと半径方向内方に突出した、強磁性材料またはステンレス強磁性材料製の磁極(121)であり、前記磁極(121)の端面と前記強磁性電機子(111)の端面との間に空隙(e)が残される磁極(121)と、前記磁極(121)の周りに巻き回されたコイル(122)とを含む複数の電磁石を備える外側固定子(102)と
を備え、前記磁極(121)が、支持部材(127)に取り付けられる外側部分(123)まで延在するラジアル磁気軸受において、各磁極(121)および前記対応する各外側部分(123)が、強磁性材料またはステンレス強磁性材料製の薄片層の積層体を備える角度分割モジュール(120、120A、120B)に含まれ、前記外側部分(123)が前記磁極(121)に対して肩部(125)を画定し、前記外側部分(123)が隣接する分割モジュール(120、120A、120B)の外側部分(123)と接触し、全分割モジュール(120、120A、120B)の前記外側部分(123)が、挟持リング(127、128)によって組み立てられ、前記磁極(121)の周りの自由空間に位置する前記コイル(122)が、ストリング状に取り付けられることを特徴とする、ラジアル磁気軸受。
【請求項2】
各分割モジュール(120、120A、120B)の各外側部分(123)が、丸みを帯びた外側隅部(126)を備える、請求項1に記載のラジアル磁気軸受。
【請求項3】
各分割モジュール(120、120A、120B)の各外側部分(123)が、取付け目的のために前記薄片層の積層体に設けられた中央孔(124)を備える、請求項1または2に記載のラジアル磁気軸受。
【請求項4】
前記挟持リングが、前記分割モジュール(120、120A、120B)の前記中央孔(124)と位置が合うように設計された複数の孔(134)を有する第1の挟持リング(127)と、前記分割モジュール(120、120A、120B)の前記中央孔(124)、および前記第1の挟持リング(127)の前記複数の孔(134)を受けるように設計された複数のガイド(129)を有する第2の挟持リング(128)とを備える、請求項3に記載のラジアル磁気軸受。
【請求項5】
前記角度分割モジュール(120)が全て、同じ形状を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のラジアル磁気軸受。
【請求項6】
前記角度分割モジュール(120A、120B)が、半径方向に同じ寸法を有するが、前記角度分割モジュール(120A、120B)の円周方向には異なる寸法を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のラジアル磁気軸受。
【請求項7】
前記角度分割モジュールの前記磁極(121)が、第1の組の角度分割モジュール(120A)の幅が低減した第1の数の磁極(121)対と、前記幅が低減した磁極(121)対間に挿設される、第2の組の角度分割モジュール(120B)の幅がより広い第2の数の磁極(121)とを備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のラジアル磁気軸受。
【請求項8】
前記角度分割モジュール(120、120A、120B)の数、および前記対応する磁極(121)の数が、12、16、または20に等しい、請求項1から7のいずれか一項に記載のラジアル磁気軸受。
【請求項9】
前記第1の組の角度分割モジュール(120A)の幅が低減した磁極(121)対の数が4に等しく、前記幅が低減した磁極(121)対間に挿設される、前記第2の組の角度分割モジュール(120B)の幅がより広い前記磁極(121)の数が1、2、または3に等しい、請求項7に記載のラジアル磁気軸受。
【請求項10】
前記内側回転子(101)の前記強磁性電機子(111)が、高品質の磁気薄片層の積層体で作製される、請求項1から9のいずれか一項に記載のラジアル磁気軸受。
【請求項11】
請求項1に記載のラジアル磁気軸受を作製する方法であって、
強磁性材料またはステンレス強磁性材料製の薄片層の積層体で作製された磁極(121)および外側部分(123)をそれぞれが備え、前記外側部分(123)が前記磁極(121)に対して肩部(125)を画定している、複数の角度分割モジュール(120、120A、120B)を形成するステップと、
第1の挟持リング(127)および第2の挟持リング(128)を形成するステップと、
前記磁極(121)の数に等しい数の、ストリング状に接続された複数のコイル(122)を形成するステップと、
前記外側部分(123)がそれぞれ、隣接する分割モジュール(120、120A、120B)の外側部分(123)と接触し、隣接する分割モジュール(120、120A、120B)の前記磁極(121)間には自由空間が画定されるように、前記角度分割モジュール(120、120A、120B)を配置するステップと、
前記角度分割モジュール(120、120A、120B)を前記第1および第2の挟持リング(127、128)と一体に組み立てるステップと、
ストリング状に相互接続された前記複数のコイル(122)を、前記分割モジュール(120、120A、120B)の前記複数の磁極(121)の周りの前記自由空間に挿入するステップと
を含む、方法。
【請求項12】
前記角度分割モジュール(120、120A、120B)を組み立てる前記ステップが、前記第2の挟持リング(128)の複数のガイド(129)を、前記分割モジュール(120、120A、120B)の中央孔(124)、および前記第1の挟持リング(127)の複数の孔(134)に挿入するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
角度分割モジュール(120A、120B)の形状および寸法が、ラジアル負荷容量を最適化し、かつ連続生産が可能となるように選択される、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記磁極(121)が、幅が低減した第1の数のモジュール(120A)対と、前記幅が低減した磁極(120A)対間に挿設される、幅がより広い第2の数のモジュール(120B)とを備える、請求項11から13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラジアル磁気軸受、およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知のラジアル磁気軸受の一例が、特許文献1に開示されている。かかる種類の公知のラジアル磁気軸受の一部分(四分円)が図9に示されている。かかるラジアル磁気軸受は、回転子1を取り囲む固定子2を備える。回転子1は、中央シャフト10を備え、中央シャフト10はその周囲に高品質の磁気薄片層11の積層体を有し、この薄片層は、ステンレスフェライト鉄またはシリコン鉄などの材料で作製されている。固定子2は、周囲部分23を有する磁気回路を備え、この周囲部分23は、半径方向内方に回転子1の方へと突出した複数対の磁極21を相互接続している。電磁巻線22が、様々な磁極21の周りに配設されている。この固定子は、全体では、互いに垂直な2本の軸に沿って配設された少なくとも4対の磁極21を備え、それによって回転子1を所定の半径方向位置に保持することが可能となっている。固定子2は、ケーシング24に収容されている。固定子2の磁極21および周囲部分23は、ディスク状プレートまたはワッシャの積層体から作製されている。
【0003】
その製造工程は、いわゆるホーン軸受(horn bearing)を構成し、大径を有することがあるディスク状プレートの積層体21、23などの鋼シート要素の組立てを含む。さらに、コイル22の実装は、多数の相互接続点を含み、費用効果が良くない。したがって、その製造および組立て時間は、連続生産には適さない。さらに、コイル22を磁極21の周りに取り付ける工程には、スロットとホーン薄片層またはディスク状プレートとの形状を適合させる必要があるが、この適合によって、その磁気軸受のラジアル負荷容量の性能が全体的に落ちることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4720649A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決すべき技術的課題は、上述の欠点を是正するラジアル磁気軸受、およびその製造方法を提供することである。
【0006】
より具体的には、本発明は、負荷容量に関して最適化された形状を有しながらも、組み立てやすいラジアル磁気軸受を提供することを目的とする。
【0007】
特に、本発明は、製造工程の容易さを向上させ、費用をより低く、かつ連続製造工程を高めることを可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、添付の特許請求の範囲で規定される。
【0009】
本発明は、より具体的には、回転軸を有し、かつ外周を有する中央シャフトおよび前記シャフトの前記外周に取り付けられた強磁性電機子を含む内側回転子と、前記回転子の方へと半径方向内方に突出した強磁性材料製の磁極であり、前記磁極の端面と前記強磁性電機子の端面との間に空隙(e)が残される磁極と、前記磁極の周りに巻き回されたコイルとを含む複数の電磁石を備える外側固定子とを備え、前記磁極が、支持部材に取り付けられる外側部分まで延在するラジアル磁気軸受において、各磁極および前記対応する各外側部分が、強磁性材料またはステンレス強磁性材料製の薄片層の積層体を備える角度分割モジュール(angularly segmented module)に含まれ、前記外側部分が前記磁極に対して肩部を画定し、前記外側部分が隣接する分割モジュールの外側部分と接触し、全分割モジュールの外側部分が、挟持リングによって組み立てられ、前記磁極の周りの自由空間に位置する前記コイルが、ストリング状に(in a string)取り付けられることを特徴とする、ラジアル磁気軸受に関する。
【0010】
本発明の有利な一特徴によれば、各分割モジュールの各外側部分は、丸みを帯びた外側隅部を備える。
【0011】
本発明の特定の実施形態によれば、各分割モジュールの各外側部分は、取付けの目的のために薄片層の積層体に設けられた中央孔を備える。
【0012】
このような場合、有利には、前記挟持リングは、前記分割モジュールの前記中央孔と位置が合うように設計された複数の孔を有する第1の挟持リングと、前記分割モジュールの前記中央孔、および前記第1の挟持リングの前記複数の孔を受けるように設計された複数のガイドを有する第2の挟持リングとを備える。
【0013】
実施可能な実施形態によれば、角度分割モジュールは全て、同じ形状を有する。
【0014】
実施可能な別の実施形態によれば、角度分割モジュールは、半径方向に同じ寸法を有するが、角度分割モジュールの円周方向には異なる寸法を有する。
【0015】
より具体的には、実施可能な実施形態によれば、角度分割モジュールの磁極は、第1の組の角度分割モジュールの幅が低減した第1の数の磁極対と、前記幅が低減した磁極対間に挿設される、第2の組の角度分割モジュールの幅がより広い第2の数の磁極とを備える。
【0016】
角度分割モジュールの数、およびその対応する磁極の数は、例えば12、16、または20に等しくすることができる。
【0017】
特定の実施形態によれば、前記第1の組の角度分割モジュールの幅が低減した磁極対の数は4に等しく、前記幅が低減した磁極対間に挿設される、第2の組の角度分割モジュールの幅がより広い磁極の数は1、2、または3に等しい。
【0018】
内側回転子の強磁性電機子は、フェライト鋼またはステンレス強磁性鉄などの高品質の磁気薄片層の積層体で作製することができる。
【0019】
本発明はさらに、上記で規定されたラジアル磁気軸受を作製する方法であって、
強磁性材料またはステンレス強磁性材料製の薄片層の積層体で作製された磁極および外側部分を備え、前記外側部分が前記磁極に対して肩部を画定している、複数の角度分割モジュールを形成するステップと、
第1の挟持リングおよび第2の挟持リングを形成するステップと、
前記磁極の数に等しい数の、ストリング状に接続された複数のコイルを形成するステップと、
前記外側部分がそれぞれ、隣接する分割モジュールの外側部分と接触し、一方隣接する分割モジュールの磁極間には自由空間が画定されるように、前記角度分割モジュールを配置するステップと、
前記角度分割モジュールを前記第1および第2の挟持リングと一体に組み立てるステップと、
ストリング状に相互接続された前記複数のコイルを、前記分割モジュールの前記複数の磁極の周りの前記自由空間に挿入するステップと
を含む、方法に関する。
【0020】
より具体的には、前記角度分割モジュールを組み立てるステップは、前記第2の挟持リングの複数のガイドを、前記分割モジュールの中央孔、および前記第1の挟持リングの複数の孔に挿入するステップを含むことができる。
【0021】
角度分割モジュールの形状および寸法は、ラジアル負荷容量を最適化し、かつ連続生産が可能となるように選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施形態によるラジアル磁気軸受の四分円の正面図である。
図2図1の正面図と同様であるが、図1のラジアル磁気軸受の磁気回路の磁束線をさらに示す図である。
図3図1の第1の実施形態によるラジアル磁気軸受の固定子の全体正面図である。
図4】本発明の第2の実施形態によるラジアル磁気軸受の固定子の全体正面図である。
図5】本発明の第3の実施形態によるラジアル磁気軸受の固定子の全体正面図である。
図6図5の固定子の組立て工程を示す分解図である。
図7】本発明によるラジアル磁気軸受の固定子の個々のモジュールの組立て工程を示す分解図である。
図8】本発明によるラジアル磁気軸受の固定子の複数の個々のモジュールの組立て工程を示す分解図である。
図9】従来技術によるラジアル磁気軸受の四分円の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明について、例によって示す好ましい実施形態に関して説明する。
【0024】
本発明の第1の実施形態の典型的な構成が図1に示され、この図は、回転軸を有し、かつ外周を有する中央シャフト110を含む内側回転子101を備える、本発明によるラジアル磁気軸受の四分円を示す。ステンレス強磁性鉄、フェライト鋼、またはシリコン鉄などの高品質の磁気薄片層の積層体で作製することができる強磁性電機子111が、中央シャフト110の外周に取り付けられている。外側固定子102は、回転子101の方へと半径方向内方に突出した、強磁性材料またはステンレス強磁性材料製の磁極121であり、磁極121の端面と強磁性電機子111の端面との間に空隙(e)が残される磁極121と、磁極121の周りに巻き回されたコイル122とを含む複数の電磁石を備える。したがって、磁極121の第1の端面は、回転子101の強磁性電機子と対向し、空隙eを画定している。磁極121のもう一方の端部は、外側部分123まで延在し、この外側部分123は支持部材127に固定されている。各磁極121およびその対応する各外側部分123は、強磁性材料製の薄片層の積層体を備える角度分割モジュール120Aまたは120Bに含まれる。外側部分123は、その対応する磁極121に対して肩部125を画定しており、したがって磁極121の両側には自由空間が設けられている。分割モジュール120Aまたは120Bの外側部分123は、隣接する分割モジュール120Aまたは120Bの外側部分123と、本質的に空隙なしに、かつ絶縁分離部なしに接触している。しかし、実際には、隣接する2つの分割モジュールの外側部分123間には、例えば0.1mmの空隙などの極小値の空隙が許容され得る。全分割モジュール120A、120Bの外側部分123は、挟持リング127、128によって組み立てられる。磁極121の周りの自由空間に位置するコイル122は、ストリング状に取り付けられている。
【0025】
図1に示すように、各分割モジュール120A、120Bの各外側部分123は、有利には丸みを帯びた外側隅部126を備える。このように隅部が丸みを帯びていることによって、磁気特異性(magnetic singularity)が排除され、分割モジュール120A、120Bが組み立てやすくなる。
【0026】
図2には、図1に関して説明した実施形態などの一実施形態の磁束線が示されている。
【0027】
図1から図8に示すように、各分割モジュール120A、120B、または120の各外側部分123は、取付けの目的のために薄片層の積層体に設けられた中央孔124を備える。
【0028】
図1のラジアル軸受の取付け方法の一例について、図6から図8に関して説明する。
【0029】
第1の挟持リング127は、分割モジュール120、120A、120Bの中央孔124と位置が合うように設計された複数の孔134を有し、第2の挟持リング128は、分割モジュール120、120A、120Bの中央孔、および第1の挟持リング127の複数の孔134を受けるように設計されたスタッドまたはスピンドルなどの複数のガイド129を有する。
【0030】
したがって、本発明によるラジアル磁気軸受を作製する方法は、本質的に、
強磁性材料製の薄片層の積層体で作製された磁極121および外側部分123をそれぞれが備え、この外側部分123が磁極121に対して肩部125を画定している、複数の角度分割モジュール120、120A、120Bを形成するステップと、
第1の挟持リング127および第2の挟持リング128を形成するステップと、
磁極121の数に等しい数の、ストリング状に接続された複数のコイル122を形成するステップと、
外側部分123がそれぞれ、隣接する分割モジュール120、120A、120Bの外側部分123と、本質的に空隙なしに、かつ絶縁分離部なしに接触し、隣接する分割モジュール120、120A、120Bの磁極121間には自由空間が画定されるように、角度分割モジュール120、120A、120Bを配置するステップと、
角度分割モジュール120、120A、120Bを第1の挟持リング127および第2の挟持リング128と一体に組み立てるステップと、
ストリング状に相互接続された複数のコイル122を、分割モジュール120、120A、120Bの複数の磁極121の周りの自由空間に挿入するステップと
を含む。
【0031】
先に述べたように、実際には、隣接する2つの分割モジュール120、120A、120Bの外側部分123間には、例えば0.1mmの空隙などの極小値の空隙が許容され得る。
【0032】
より具体的には、角度分割モジュール120、120A、120Bを組み立てるステップは、第2の挟持リング128の複数のガイド129を、分割モジュール120、120A、120Bの中央孔124、および第1の挟持リング127の複数の孔134に挿入するステップを含む。
【0033】
一般的に言えば、角度分割モジュール120、120A、120Bの形状および寸法は、ラジアル負荷容量を最適化し、一方で連続生産が可能となるように選択される。
【0034】
巻線分割モジュール120、120A、120Bを設けることによって、最適な負荷容量を得ることを目指した正しい形状を画定することが可能となり、一方でこの種の磁気軸受モジュールにコイル組み込むことが容易になり、したがって連続生産が可能となる。
【0035】
さらに、コイル122の取付けはストリング状のコイルによって実現されるので、相互接続点の数が減少している。
【0036】
最後に、第1の挟持リング127および第2の挟持リング128を、スタッドまたは他の案内手段と協働するように設けることによって、分割モジュールを、いかなる絶縁分離部または空隙もなく、隣接した接触位置で正確に組み立てることが可能となる。分割モジュール120、120A、120Bと、挟持リング127、128とは、組立ての最終ステップにおいて半径方向かつ軸方向に係止される。
【0037】
本発明による角度分割モジュールのシステムは、あらゆる種類のラジアル能動型磁気軸受、およびあらゆる種類の磁気材料に適用可能である。
【0038】
コイル122と、磁極121および外側部分123を形成する薄片層の積層体を備えるモジュール120との具体例が、この外側部分123に形成された中央孔124および丸みを帯びた隅部126とともに、図7に示されている。
【0039】
特定の実施形態によれば、角度分割モジュール120は全て、同じ形状および同じ寸法を有し、したがって製造工程が容易になっている(例えば図8参照)。
【0040】
しかしながら、角度分割モジュール120Aと120Bとはまた、半径方向に同じ寸法を有するが、角度分割モジュール120A、120Bの円周方向には異なる寸法を有することも可能である。したがって、負荷容量を最適化するために、様々な形状の様々な種類のモジュールをラジアル磁気軸受の固定子102に組み込むことができる。
【0041】
例えば、図1から図5に示すように、2種類の分割モジュール120A、120Bを設計することが可能である。
【0042】
図1から図5の実施形態では、磁極121は、例えば直交する方向X’−XおよびY’−Yに沿って配置することができる、幅が低減した磁極121を有する第1の組の角度分割モジュール120Aの対と、第1の組の角度分割モジュール120Aの幅が低減した磁極121の対間に挿設される、幅がより広い磁極121を有する第2の組の角度分割モジュール120Bとを備える。
【0043】
例えば、第1の組の角度分割モジュール120Aの幅が低減した磁極121の対の数は4に等しくすることができる一方、幅が低減した磁極121の対間に挿設される第2の組の角度分割モジュール120Bの幅がより広い磁極121の数は1(図5参照)、2(図1から図3参照)、または3(図4参照)に等しくすることができる。
【0044】
したがって、本発明の特定の実施形態によれば、角度分割モジュール120、120A、120Bの総数、およびその対応する磁極121の総数は、12、16、または20に等しくすることができるが、分割モジュール120、または120A、120Bは他の数とすることも可能である。
【0045】
一般的に言えば、本発明によって、製造工程の簡略化が実現され、性能が向上し、かつ費用が削減される。
【0046】
以下の非限定的な利点の一覧は、本発明の実装と関連付けられる。
− ラジアル負荷容量が標準設計に比べて30%程度最適化される。
− 同じ負荷容量の従来版のラジアル磁気軸受に比べて長さが30%から40%減少する。
− 相互接続点の数が大幅に減少し、ロザリオ状(in rosary)の巻線による不良が大幅に減少し(すなわちコイルをストリング状に配置する)、したがって費用削減が実現される。
− 巻線モジュールを有する固定子を備えるラジアル磁気軸受の組立ておよび分解が容易になる。
− あらゆる磁気材料に適合する。
− あらゆるモデルおよび種類のラジアル磁気軸受に適合する。
− コイルとモジュールとの組立てを自動化することが可能となる。
− モジュールをタイトリングまたはシュランクカン(shrunk can)によって組み立てることが可能となる。
− 熱センサなどの追加のセンサを容易に組み込むことが可能となる。
【0047】
好ましい実施形態について示し、説明してきたが、上記実施形態に対するいかなる変更または改変も、添付の特許請求の範囲に規定の本発明の範囲から逸脱せずに行うことができることを理解されたい。したがって、様々な実施形態の特徴を組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0048】
1 回転子
2 固定子
10 中央シャフト
11 磁気薄片層
21 磁極
22 電磁巻線(コイル)
23 周囲部分
24 ケーシング
101 内側回転子
102 外側固定子
110 中央シャフト
111 強磁性電機子
120、120A、120B 角度分割モジュール
121 磁極
122 コイル
123 外側部分
124 中央孔
125 肩部
126 外側隅部
127 第1の挟持リング(支持部材)
128 第2の挟持リング
129 ガイド
134 孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】
2015083871000001.pdf