(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-83891(P2015-83891A)
(43)【公開日】2015年4月30日
(54)【発明の名称】集中制御システム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/02 20060101AFI20150403BHJP
【FI】
F24F11/02 103D
F24F11/02 105Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-222016(P2013-222016)
(22)【出願日】2013年10月25日
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】中野 稔
(72)【発明者】
【氏名】須賀 徹
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA64
3L260BA73
3L260GA06
3L260GA15
3L260GA17
3L260GA22
3L260GA26
3L260JA14
3L260JA17
3L260JA19
3L260JA23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】エラー表示及びエラー履歴表示が行われる集中制御システムを提供する。
【解決手段】集中制御盤に複数台の空調機器を接続し、前記集中制御盤には空調機器の各種の運転設定及びこの設定の表示を行う表示兼用の操作画面2を備え、空調機器4は、前記操作画面2で設定された月日や時間で運転開始や停止を制御するプログラム運転と、その場で各空調機器の運転開始と停止を制御するマニュアル運転とを選択して運転可能としたもので、前記空調機器のエラー内容を操作画面2に表示するエラー表示21と、このエラー内容を発生した日時と共に記憶し、発生の新しい順に操作画面2に表示する情報表示とを行うものである。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集中制御盤に複数台の空調機器を接続し、前記集中制御盤には空調機器の各種の運転設定及びこの設定の表示を行う表示兼用の操作画面を備え、空調機器は、前記操作画面で設定された月日や時間で運転開始や停止を制御するプログラム運転と、その場で各空調機器の運転開始と停止を制御するマニュアル運転とを選択して運転可能としたものに於いて、前記空調機器のエラー内容を操作画面に表示するエラー表示と、このエラー内容を発生した日時と共に記憶し、発生の新しい順に操作画面に表示する情報表示とを行う事を特徴とする集中制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、多数の区画された部屋を有する学校や病院、公共施設などで、この各部屋に設置されたエアコンやストーブを一箇所で集中的に制御する集中制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種のものに於いては、各暖房機の運転及び停止状態を、集中制御盤の表示部に各暖房機の現在の運転及び停止状態を表示して、運転状態が表示部を見れば一目で分かるようにしたものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−165493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところでこの従来のものでは、暖房機のエラー表示は集中制御盤ではなく、該暖房機本体側に備えられた表示部に表示し、この表示を見て使用者及び修理業者は、必要な処置を暖房機に対して行うようにしたので、暖房機の設置場所にいちいち行かないとエラー内容を把握出来ず、使用勝手が極めて悪いものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記課題を解決するために、特にその構成を、集中制御盤に複数台の空調機器を接続し、前記集中制御盤には空調機器の各種の運転設定及びこの設定の表示を行う表示兼用の操作画面を備え、空調機器は、前記操作画面で設定された月日や時間で運転開始や停止を制御するプログラム運転と、その場で各空調機器の運転開始と停止を制御するマニュアル運転とを選択して運転可能としたものに於いて、前記空調機器のエラー内容を操作画面に表示するエラー表示と、このエラー内容を発生した日時と共に記憶し、発生の新しい順に操作画面に表示する情報表示とを行うようにしたものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のようにこの発明によれば、空調機器のエラー内容が集中制御盤の操作画面に表示されることで、エラー内容をいちいち空調機器の設置場所まで確認に行く必要がなく、管理者は集中制御盤の操作画面を見るだけで、エラー内容は勿論でその措置対応まで知ることが出来、使用勝手が良いものであり、更に過去のエラー内容まで確認出来るので、故障の修理がスムーズに確実に行われ、安心して使用出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】この発明の一実施形態の集中制御システムの概略構成図。
【
図4】同操作画面の週間タイマー設定画面の説明図。
【
図5】同操作画面のグループ別モニター画面の説明図。
【
図7】同本日の運転終了スイッチ操作時のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明の集中制御システムの一実施形態を図面に基づき説明する。
1はパネルコンピューターから成る集中制御盤で、15インチのタッチパネル方式の表示兼用の操作画面2を有し、初期設定時にはキーボード(図示せず)を接続可能とし、文字や数字入力によって各種の設定を可能として、後述する複数の空調機器の運転開始/停止及び室温制御等の集中制御を行うものである。
3は前記操作画面2と共に集中制御盤1を構成する分配器で、各部屋に設置されているFF式の石油ストーブからなる空調機器4を最大32台接続した制御信号線5が2本ずつ接続されており、この分配器3を4個有し最大で256台の空調機器4が接続可能で、運転開始/停止及び室温制御等の集中制御を行うものである。
【0009】
6は操作画面2中の初期設定スイッチで、集中制御の初期設定を行うものであり、続いてシステム設定スイッチ7を押圧することで、操作画面2がシステム設定画面に切り替わり、システムの物件名、導入年月日等が入力可能でフォルダー内に格納される。
8は型式設定スイッチで、初期設定スイッチ6に続いて押圧されることで、操作画面2が型式設定画面に切り替わり、最大20種類の型式を登録することが出来るものである。
【0010】
9はグループ設定スイッチで、初期設定スイッチ6に続いて押圧されることで、操作画面2がグループ設定画面に切り替わり、1階西や2階東等の20項目のグループが設定可能で、1グループにつき30台の空調機器4を分けることが出来る。
【0011】
10は操作画面2中のプログラム設定スイッチで、押圧されるとプログラム設定画面に切り替わり、週間タイマースイッチ11、年間タイマースイッチ12、日付・時刻スイッチ13が表示され、続けて週間タイマースイッチ11が押圧されれば、プログラム表示に例えば1年生の一週間の時間割が表示され、プログラム運転で運転したい各曜日と各時間に渡って運転するか停止するかを設定可能で、年間タイマースイッチ12を続いて押圧すれば、4ヶ月前と4ヶ月後が表示され、現在の月を基準として最大13年後まで表示されて、運転したい日にちのプログラム運転を設定可能で、続いて日付・時刻スイッチ13を押圧すれば、日付と時刻が表示されこの画面で日付と時刻の設定が行われるものである。
【0012】
14はモニタースイッチで、予めグループ分けされたグループ毎に現在の設定や運転状態が表示され、マニュアル運転の運転開始や停止、マニュアル運転からプログラム運転への切替及びこの逆も変更可能で、更にグループで一括運転や停止の操作及び設定温度の変更も行うことが出来るものである。
【0013】
15はプログラム運転スイッチで、プログラム運転に設定された空調機器4をプログラム、即ち予め設定した日時や温度で運転開始/停止を行う運転を開始させるものであり、設定された期間に渡って設定された通りに運転制御されるものである。
【0014】
16は異常状態等の緊急時に押圧されることにより全空調機器4を強制的に停止させる全停止スイッチで、マニュアル運転やプログラム運転に関係なく全ての運転が停止されるものであり、プログラム運転で運転停止による時刻待ち中でも停止され、再度プログラム運転スイッチ15が押圧されないとプログラム運転は再開されないものである。
【0015】
17は本日の運転終了スイッチで、同じく緊急時に押圧されることにより全空調機器4の運転を強制的に停止するものであるが、プログラム運転については、深夜12時を回り日付が翌日の日付に変わることで、何ら別の追加操作をすることなく自動的にプログラム運転が再開されるもので、即ち本日の運転終了スイッチ17の押圧で本日の集中制御運転は全て停止されるが、少なくともプログラム運転は翌日には運転開始され、極めて使用勝手が良いものである。
【0016】
18は分配器3とグループ分けされた空調機器4とをつなぐ制御信号線5途中に接続される外部警報器からなる子機ユニットで、地震を感知して通電を停止させる感震器や緊急停止スイッチが接続されるものであり、各分配器3につき3台まで設置可能としているものである。
【0017】
前記モニタースイッチ14は、空調機器4の故障時に押圧されると操作画面2がモニター画面19に切り替わり、グループ別モニタースイッチ20の押圧により、グループ別の空調機器4のナンバーやエラーコードや、エラー内容及び処理方法がエラー表示21されるものであり、エラー状態をいちいち空調機器4の設置場所まで行って確認する必要がなく、集中制御盤1で確認することが出来るようにしたものである。
【0018】
22は情報スイッチで、押圧されることで操作画面2が情報画面23に切り替わり、エラー履歴スイッチ24の押圧により、エラー内容を発生した日時と共に記憶し、この記憶した内容を発生の新しい順にソートがかけられて情報画面23に情報表示25して、過去のエラー内容まで確認出来るので、故障の修理がスムーズに確実に行われ、安心して使用出来るものである。
【0019】
次にこの集中制御システムの作動について説明すれば、今集中制御盤1でマニュアル運転やプログラム運転の各種設定を行った後、この集中制御により各空調機器4を運転制御している状態で、
図6のフローチャートに示すように、緊急事態が発生し全空調機器4の運転を停止させる必要が生じた場合には、操作画面2に常時表示されている全停止スイッチ16を押圧すれば(ステップ26)、YESでステップ27に進みマニュアル運転やプログラム運転に関係なく全ての空調機器4の運転が停止されるものであり、プログラム運転で運転停止による時刻待ち中でも停止され、再度プログラム運転スイッチ15が押圧されないとプログラム運転は再開されないものである。
【0020】
又緊急状態であるので全空調機器4は一担全て停止させるが、停止させるのは今日だけでプログラム運転は明日以降は再開させたい場合には、
図7のフローチャートに示すように、操作画面2に常時表示されている本日の運転終了スイッチ17を押圧すれば(ステップ28)、YESでステップ29に進みマニュアル運転やプログラム運転に関係なく全ての空調機器4の運転が停止されるが、プログラム運転は解除されずステップ30に進んで現在時刻が深夜12時を回り翌日に成ったかを判断し、YESでステップ31に進みプログラム運転を再開するものである。
【0021】
これによって、プログラム運転を再開することなく全空調機器4の運転を停止させる時には、全停止スイッチ16を押圧して全停止させて、災害時等の緊急時に対応出来て安全の確保が簡単に行われるものであり、又全停止ではあるがそれ程緊急用しない時や今日1日だけ停止させて置けば良い時には、本日の運転終了スイッチ17を押圧して全停止させるが、プログラム運転については、再設定の必要もなく、その日の日付が変わることでプログラム運転が自動的に再開され、極めて使用勝手が良く安心して使用出来るものである。
【0022】
一方空調機器4が故障した場合には、モニタースイッチ14を押圧することで、操作画面2がモニター画面19に切り替わり、グループ別モニタースイッチ20を更に押圧すると、エラー内容及び処理方法がエラー表示21されるので、エラー状態をいちいち空調機器4の設置場所まで行って確認する必要がなく、集中制御盤1で確認することが出来るようにしたものである。
【0023】
又情報スイッチ22が押圧されることで、操作画面2が情報画面23に切り替わり、更にエラー履歴スイッチ24が押圧されると、記憶されたエラー内容を発生した日時と共に、発生の新しい順にソートがかけられて情報画面23に情報表示25として表示され、過去のエラー内容まで確認しながら補修、修理が出来るので、故障の修理がスムーズに確実に行われ、安心して使用出来るものである。
【符号の説明】
【0024】
1 集中制御盤
2 操作画面
4 空調機器
14 モニタースイッチ
21 エラー表示
24 エラー履歴スイッチ
25 情報表示