エチレン性不飽和カルボン酸(a1)及び/又はエチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)を必須構成単量体とする共重合体(A)と、水(B)とを含有することを特徴とする造粒助剤を用いる。さらに、共重合体(A)を構成する単量体としてエチレン性不飽和カルボン酸エステル(a3)及び/又はエチレン性芳香族不飽和単量体(a4)を含有することが好ましい。エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位、エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位のモル数に基づいて、エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位の含有量が1〜80モル%、エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位の含有量が20〜99モル%が好ましい。
さらに、共重合体(A)を構成する単量体としてエチレン性不飽和カルボン酸エステル(a3)及び/又はエチレン性芳香族不飽和単量体(a4)を含有してなる請求項1に記載の造粒助剤。
エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位、エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位のモル数に基づいて、エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位の含有量が1〜80モル%、エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位の含有量が20〜99モル%である請求項1又は2に記載の造粒助剤。
エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位、エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位のモル数に基づいて、エチレン性不飽和カルボン酸エステル(a3)単位の含有量が30〜250モル%である請求項2又は3に記載の造粒助剤。
エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位、エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位のモル数に基づいて、エチレン性不飽和芳香族(a4)単位の含有量が150〜400モル%である請求項2〜4のいずれかに記載の造粒助剤。
親水性アルコールが、一般式(1)で表されるアルコール(C1)、一般式(2)で表されるアルコール(C2)、一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール、四価アルコール、六価アルコール、八価アルコール及びグリコールモノアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項6に記載の造粒助剤。
R1-(OP)p− OH (1)
R1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアルケニル基、OPはオキシプロピレン基、pは1〜4の整数、OHは水酸基を表す。
R2-(OE)m−(OA)n− OH (2)
R2は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアルケニル基、OEはオキシエチレン基、OAは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、mは1〜100の整数、nは0〜20の整数、m+nは1〜100の整数、m/(m+n)は0.8〜1、OHは水酸基を表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
エチレン性不飽和カルボン酸(a1)としては、エチレン性不飽和モノカルボン酸及びエチレン性不飽和ジカルボン酸等が含まれる。
【0013】
エチレン性不飽和モノカルボン酸としては、脂肪族モノカルボン酸、脂環式モノカルボン酸及び芳香族モノカルボン酸等が使用できる。
【0014】
脂肪族モノカルボン酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、3−ブテン酸、2−ペンテン酸、3−ペンテン酸、4−ペンテン酸、3−メチル−2−ブテン酸、3−メチル−3−ブテン酸、2−メチル−3−ブテン酸、2−メチル−2−ブテン酸、2−エチル−2−プロペン酸、2−ヘキセン酸、4−メチル−2−ペンテン酸、2−メチル−2−ペンテン酸、2−ヘプテン酸、4,4−ジメチル−2−ペンテン酸、2−オクテン酸、3−メチル−2−ヘプテン酸、2−ノネン酸、3−メチル−2−オクテン酸、2−デケン酸及び2−ヒドロキシプロペン酸等が挙げられる。
「(メタ)アクリ・・」とは、メタクリ・・、アクリ・・を意味する(以後も同様とする)。
【0015】
脂環式モノカルボン酸としては、1−シクロペンテンカルボン酸、3−シクロペンテンカルボン酸、4−シクロペンテンカルボン酸、1−シクロヘキセンカルボン酸、3−シクロヘキセンカルボン酸、4−シクロヘキセンカルボン酸、1−シクロヘプテンカルボン酸、3−シクロヘプテンカルボン酸、4−シクロヘプテンカルボン酸、5−シクロヘプテンカルボン酸、1−シクロオクテンカルボン酸、3−シクロオクテンカルボン酸、4−シクロオクテンカルボン酸、5−シクロオクテンカルボン酸、1−シクロノネンカルボン酸、3−シクロノネンカルボン酸、4−シクロノネンカルボン酸、5−シクロノネンカルボン酸、1−シクロデケンカルボン酸、3−シクロデケンカルボン酸、4−シクロデケンカルボン酸及び5−シクロデケンカルボン酸等が挙げられる。
【0016】
芳香族モノカルボン酸としては、o−スチレンカルボン酸、p−スチレンカルボン酸、桂皮酸、アトロパ酸、5−ビニル−1−ナフタレンカルボン酸、4−ビニル−1−ナフタレンカルボン酸及び4−ビニル−1−アントラキノンカルボン酸等が挙げられる。
【0017】
エチレン性不飽和ジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及びこれらの分子内酸無水物等が含まれる。
【0018】
脂肪族ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ブテン二酸、2−ペンテン二酸、3−ペンテン酸、4−ペンテン酸、2−メチル−2−ブテン二酸、2−エチル−2−プロペン酸、2−ヘキセン二酸、2−ヘプテン二酸、2−オクテン酸、3−メチル−2−ヘプテン二酸、2−ノネン二酸、2−デケン二酸及び2−ヒドロキシプテンロ二酸等が挙げられる。
【0019】
脂環式ジカルボン酸としては、1,2−シクロペンテンジカルボン酸、1,3−シクロペンテンジカルボン酸、1,4−シクロペンテンジカルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、1,3−シクロヘキセンジカルボン酸、1,4−シクロヘキセンジカルボン酸、1,2−シクロヘプテンジカルボン酸、1,3−シクロヘプテンジカルボン酸、1,4−シクロヘプテンジカルボン酸、1,5−シクロヘプテンジカルボン酸、1,2−シクロオクテンジカルボン酸、1,3−シクロオクテンジカルボン酸、1,4−シクロオクテンジカルボン酸、1,5−シクロオクテンジカルボン酸、1,2−シクロノネンジカルボン酸、1,3−シクロノネンジカルボン酸、1,4−シクロノネンジカルボン酸、1,5−シクロノネンジカルボン酸、1,2−シクロデケンジカルボン酸、1,3−シクロデケンジカルボン酸、1,4−シクロデケンジカルボン酸及び1,5−シクロデケンジカルボン酸等が挙げられる。
【0020】
芳香族ジカルボン酸としては、o,p−スチレンジカルボン酸、o,p−スチレンジカルボン酸、4−ビニル−1,2−ナフタレンジカルボン酸及び4−ビニル−1,3−アントラキノンジカルボン酸等が挙げられる。
【0021】
これらの分子内酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸及び無水シトラコン酸等が挙げられる。
【0022】
これらのエチレン性不飽和カルボン酸のうち、氷点下でもブロッキングを起こさない無機造粒物を容易に得ることができるという造粒性等(以下、単に「造粒性」と略する。)の観点から、脂肪族モノカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸、特に好ましくはアクリル酸である。
【0023】
エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)としては、エチレン性不飽和カルボン酸(a1)のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩及び/又は第4級有機アンモニウム塩等が含まれる。
【0024】
アルカリ金属塩としては、リチウム、カリウム又はナトリウム等の塩が挙げられる。
アルカリ土類金属塩としては、カルシウム又はマグネシウム等の塩が挙げられる。
アミン塩としては、炭素数2〜6の脂肪族アミン、炭素数3〜6の脂環式アミン又は炭素数6〜8の芳香族アミン等の塩が使用できる。
【0025】
炭素数2〜6の脂肪族アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン及びエチレンジアミン等が挙げられる。
【0026】
炭素数3〜6の脂環式アミンとしては、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン及びシクロへキシルアミン等が挙げられる。
【0027】
炭素数6〜8の芳香族アミンとしては、アニリン、ピリジン、ピペリジン、ベンジルアミン及びフェニレンジアミン等が挙げられる。
【0028】
第4級有機アンモニウム塩としては、炭素数4〜8の第4級有機アンモニウム塩等が使用でき、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩、N−メチルピリジニウム塩及びN−メチルイミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0029】
これらの塩のうち、アルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩及び第4級有機アンモニウム塩が好ましく、さらに好ましくはリチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩及びアンモニウム塩、特に好ましくはナトリウム塩及びアンモニウム塩である。
【0030】
すなわち、エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)のうち、脂肪族モノカルボン酸又は脂肪族ジカルボン酸のアルカリ金属塩、アミン塩及び/又は第4級有機アンモニウム塩が好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリル酸又はマレイン酸のアルカリ金属塩、アミン塩及び/又は第4級有機アンモニウム塩、特に好ましくはアクリル酸のナトリウム塩又はアンモニウム塩である。
【0031】
エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位の含有量(モル%)は、エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位及びエチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位のモル数に基づいて、1〜80が好ましく、さらに好ましくは2〜70、特に好ましくは3〜60、最も好ましくは4〜50である。この範囲内であると、造粒性がさらに良好となる。
【0032】
エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位の含有量(モル%)は、エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位及びエチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位のモル数に基づいて、20〜99が好ましく、さらに好ましくは30〜98、特に40〜97、最も好ましくは50〜96である。この範囲内であると、造粒性がさらに良好となる。
【0033】
共重合体(A)を構成する単量体として、エチレン性不飽和カルボン酸エステル(a3)及び/又はエチレン性芳香族不飽和単量体(a4)を含有してもよい。
【0034】
エチレン性不飽和カルボン酸エステル(a3)としては、エチレン性不飽和カルボン酸アルコキシポリオキシアルキレンエステルが含まれ、エチレン性不飽和モノカルボン酸アルコキシアルキレンエステル、エチレン性不飽和ジカルボン酸アルコキシポリオキシアルキレンエステル(このジカルボン酸エステルは、モノエステルの中和塩、モノエステル又はジエステルのいずれでもよい。)及びこれらの混合物等が使用できる。
【0035】
アルコキシポリオキシアルキレン中のオキシアルキレンとしては、炭素数2〜4のオキシアルキレン(オキシエチレン、オキシプロピレン及びオキシブチレン)が含まれる。
【0036】
アルコキシポリオキシアルキレンは、1種のオキシアルキレンから構成されてもよく、2種以上のオキシアルキレンから構成されてもよい。2種以上のオキシアルキレンから構成される場合、オキシアルキレンの結合様式はブロック、ランダム及びこれの混合のいずれでもよい。
【0037】
オキシアルキレン基の重合度としては、造粒性の観点から、1〜80が好ましく、さらに好ましくは2〜40、特に好ましくは2〜20である。
【0038】
アルコキシポリオキシアルキレン中のアルコキシ基としては、炭素数1〜30のアルキルオキシ基等が含まれ、直鎖アルキルオキシ基及び分岐鎖アルキルオキシ基等が使用できる。
【0039】
直鎖アルキルアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、ヘプタデシルオキシ、オクタデシルオキシ、ノナデシルオキシ、イコシルオキシ、ヘニコシルオキシ、ドコシルオキシ、トリコシルオキシ、テトラコシルオキシ、ヘプタコシルオキシ、ヘキサコシルオキシ、ヘプタコシルオキシ、オクタコシルオキシ、ノナコシルオキシ及びトリアコンシルオキシ等が挙げられる。
【0040】
分岐鎖アルキルアルコキシ基としては、イソプロピルオキシ、イソブチルオキシ、t−ブチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、イソヘキシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソトリデシルオキシ、イソオクタデシルオキシ及びイソトリアコンシルオキシ等が挙げられる。
【0041】
これらのアルコキシ基のうち、造粒性の観点から、直鎖アルキルオキシ基が好ましく、さらに好ましくは炭素数1〜18の直鎖アルキルオキシ基、特に好ましくはメトキシ、エトキシ及びオクタデシルオキシである。
【0042】
エチレン性不飽和芳香族単量体(a4)としては、炭素数8〜12のビニル基含有芳香族炭化水素等が含まれ、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、エチルスチレン、ビニルキシレン、ブロモスチレン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、クロルスチレン及び2,4―ジブロモスチレン等が挙げられる。
【0043】
これらのエチレン性不飽和芳香族単量体のうち、造粒性の観点から、スチレン及びα−メチルスチレンが好ましく、さらに好ましくはスチレンである。
【0044】
共重合体(A)を構成する単量体としてエチレン性不飽和カルボン酸エステル(a3)を含有する場合、エチレン性不飽和カルボン酸エステル(a3)単位の含有量(モル%)は、エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位及びエチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位のモル数に基づいて、30〜250が好ましく、さらに好ましくは35〜200、特に好ましくは40〜160である。この範囲内であると、造粒性がさらに良好となる。
【0045】
共重合体(A)を構成する単量体としてエチレン性芳香族不飽和単量体(a4)を含有する場合、エチレン性芳香族不飽和単量体(a4)の含有量(モル%)は、エチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位及びエチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位のモル数に基づいて、150〜400が好ましく、さらに好ましくは160〜350、特に好ましくは170〜300である。この範囲内であると、造粒性がさらに良好となる。
【0046】
共重合体(A)の重量平均分子量(Mw)は、造粒性の観点から、5,000〜100,000が好ましく、さらに好ましくは7,000〜70,000、特に好ましくは、9,000〜40,000、最も好ましくは10,000〜20,000である。この範囲であると、造粒性が著しく優れ、かつその初期粒子形態を長期間にわたって維持することができる。
【0047】
なお、重量平均分子量(Mw)は、エチレングリコール及び分子量既知のポリエチレングリコールを標準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される(カラム温度40℃、溶離液 メタノール:イオン交換水:酢酸ナトリウム=800:1200:15(重量比)、流速0.8ml/分、試料濃度:0.4重量%溶離液溶液。)。
【0048】
共重合体(A)は、通常のビニルモノマーの重合方法を用いて得ることができ、重合方法としては懸濁重合、塊状重合及び溶液重合等が適用でき、生産性の観点等から、溶液重合が好ましい。
【0049】
共重合体(A)は、エチレン性不飽和カルボン酸(a1)及びエチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)、並びに必要により、エチレン性不飽和カルボン酸エステル(a3)及び/又はエチレン性芳香族不飽和単量体(a4)を共重合して製造する方法(方法1);エチレン性不飽和カルボン酸(a1)を重合してから、または必要によりエチレン性不飽和カルボン酸(a1)とエチレン性不飽和カルボン酸エステル(a3)及び/又はエチレン性芳香族不飽和単量体(a4)とを共重合してから、塩基(アルカリ金属水酸化物やアンモニア等)で中和して製造する方法(方法2);並びにこれらの(方法1)及び(方法2)を併用する方法(方法3)等により得ることができる。すなわち、エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)単位は、エチレン性不飽和カルボン酸塩(a2)を共重合することによって構成してもよく、エチレン性不飽和カルボン酸(a1)を(共)重合してからエチレン性不飽和カルボン酸(a1)単位を塩基で中和することによって構成してもよい。
【0050】
重合には、重合触媒を使用することができる。重合触媒としては、通常の重合触媒等が用いられ、アゾ化合物、過硫酸塩、無機過酸化物、レドックス触媒及び有機過酸化物等が含まれる。アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリン酸、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−アルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]及び1,1’−アゾビス(1ーアセトキシー1−フェニルエタン)等が挙げられる。過硫酸塩としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等が挙げられる。無機過酸化物としては、過硼酸塩及び過酸化水素等が挙げられる。レドックス触媒としては、アスコルビン酸−過酸化水素等が挙げられる。有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル等が挙げられる。これらの重合触媒は、単独又は混合して用いられてもよい。これらのうち、過硫酸塩及びアゾ化合物が好ましく、さらに好ましくは過硫酸塩及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、特に好ましくは過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムである。
【0051】
重合触媒を使用する場合、重合触媒の使用量(重量%)は、構成単量体の重量に基づいて、3〜100が好ましく、さらに好ましくは8〜80、特に好ましくは10〜60である。
【0052】
必要によりラジカル重合用連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては、チオカルボン酸(n−ラウリルメルカプタン、メルカプトエタノール及びメルカプトプロパノール等)、チオール酸(チオグリコール酸及びチオリンゴ酸等)、2級アルコール(イソプロパノ−ル等)、アミン(ジブチルアミン等)、次亜燐酸塩(次亜燐酸ナトリウム等)等が挙げられる。
【0053】
連鎖移動剤を使用する場合、連鎖移動剤の使用量(重量%)は、構成単量体の重量に基づいて、0.01〜10が好ましく、さらに好ましくは0.05〜5、特に好ましくは0.1〜1である。
【0054】
溶液重合及び懸濁重合の場合、重合溶媒として、水(水道水、イオン交換水及び工業用水等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコール等)及び/又は芳香族溶剤(トルエン及びキシレン等)等が使用できる。これらのうち、水、水及びアルコール溶剤の混合溶媒が好ましく、さらに好ましくは水及びアルコールの混合溶媒、特に好ましくはイオン交換水及びイソプロピルアルコールの混合溶媒である。
重合溶媒を使用する場合、この使用量(重量%)は、構成単量体の全重量に基づいて、50〜900が好ましく、さらに好ましくは60〜800、特に好ましくは100〜600である。
【0055】
重合反応温度は、40〜130℃程度が好ましく、重合反応時間は、1〜15時間程度が好ましい。
【0056】
なお、構成単量体の全量又は一部を滴下しながら重合してもよい。また、重合触媒の全量又は一部を滴下しながら重合してもよい。また、重合溶媒の全量又は一部を構成単量体又は重合触媒と共に滴下しながら重合してもよい。一方、重合溶媒の全量を重合槽に仕込んでおき重合溶媒を除去しながら重合してもよい。これらのうち、生産性の観点等から、構成単量体と重合触媒との全量を滴下する方法及び重合溶媒の一部を構成単量体又は重合触媒と共に滴下する方法が好ましく、さらに好ましくは構成単量体と重合触媒との全量を重合溶剤の一部と共に滴下する方法である。
【0057】
水(B)としては、水道水、イオン交換水及び工業用水等が使用できる。
【0058】
共重合体(A)の含有量(重量%)は、共重合体(A)及び水(B)の重量に基づいて、10〜65が好ましく、さらに好ましくは20〜55、特に好ましくは30〜45である。また、水(B)の含有量(重量%)は、共重合体(A)及び水(B)の重量に基づいて、35〜90が好ましく、さらに好ましくは45〜80、特に好ましくは55〜70である。これらの範囲であると、造粒性がさらに良好となる。
【0059】
本発明の造粒助剤には、さらに、親水性アルコールを含有してもよい。親水性アルコールを含有すると、造粒性が著しく優れ、かつその初期粒子形態を長期間にわたって維持することができる。
【0060】
親水性アルコールとは、25℃の水に少なくとも1重量%の濃度で均一に溶解する水酸基含有化合物を意味する。
【0061】
好ましい親水性アルコールとしては、一般式(1)で表されるアルコール(C1)、一般式(2)で表されるアルコール(C2)、一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール、四価アルコール、六価アルコール、八価アルコール及びグリコールモノアルキルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも一種が含まれる。
【0063】
R
1は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアルケニル基、OPはオキシプロピレン、pは1〜4の整数、OHは水酸基を表す。
【0064】
R
2-(OE)m−(OA)n− OH (2)
【0065】
R
2は炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアルケニル基、OEはオキシエチレン、OAは炭素数3〜4のオキシアルキレン基、mは1〜100の整数、nは0〜20の整数、m+nは1〜100の整数、m/(m+n)は0.8〜1、OHは水酸基を表す。
【0066】
炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアルケニル基(R
1、R
2)のうち、炭素数1〜4のアルキル基としては、直鎖アルキル基及び分岐鎖アルキル基等が使用できる。
【0067】
直鎖アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル及びブチル等が挙げられる。
【0068】
分岐鎖アルキル基としては、イソプロピル、イソブチル及びt−ブチル等が挙げられる。
【0069】
また、(R
1、R
2)のうち、炭素数2〜4のアルケニル基としては、直鎖アルケニル基及び分岐アルケニル基等が使用できる。
【0070】
直鎖アルケニル基としては、ビニル、アリル、プロペニル及びブテニル等が挙げられる。
【0071】
分岐アルケニル基としては、プロペン−2−イル及びイソブテニル等が挙げられる。
【0072】
これらのうち、氷点下でのブロッキングを起こさない造粒物を容易に得る等の観点から、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基が好ましく、さらに好ましくは直鎖アルキル基、特に好ましくは炭素数1〜3の直鎖アルキル基、最も好ましくはメチル及びエチルである。
【0073】
一般式(1)で表されるアルコール(C1)は、1種のpを持つ単一化合物でもよく、2種以上のpを持つ混合物(すなわち、分布を持つ混合物等)でもよい(製造しやすさの観点等から、分布のある化合物が好ましい)。また、アルキル基又はアルケニル基の種類が異なる化合物同士の混合物でもよい。
【0074】
一般式(1)で表されるアルコール(C1)は、公知のアルキレンオキシド付加反応により得られる(特開2005−054128公報等)。
【0075】
一般式(1)で表されるアルコール(C1)としては、ポリオキシプロピレンメチルエーテル、ポリオキシプロピレンエチルエーテル及びポリオキシプロピレンブチルエーテル等が好ましく例示できる。
【0076】
炭素数3〜4のオキシアルキレン基(OA)としては、オキシプロピレン、オキシブチレン及びこれらの混合等が含まれる。これらのうち、造粒性の観点から、オキシプロピレンが好ましい。
【0077】
mは、1〜100の整数であり、4〜90の整数が好ましい。nは、0〜20の整数であり、0〜18の整数が好ましい。これらの範囲であると、造粒性がさらに良好となる。
【0078】
m+nは、1〜100の整数であり、5〜95の整数が好ましい。この範囲であると、造粒性がさらに良好となる。
【0079】
オキシアルキレン基(OA)として複数種類のオキシアルキレン基を含む場合、これらのオキシアルキレン基の結合順序(ブロック状、ランダム状及びこれらの組合せ)に制限ないが、ブロック状又はブロック状とランダム状との組合せを含むことが好ましい。
【0080】
m/(m+n)は、0.8〜1であり、0.9〜1が好ましい。この範囲であると、造粒性がさらに良好となる。
【0081】
一般式(2)で表されるアルコール(C2)は、1種のm及びnを持つ単一化合物でもよく、2種以上のm及び/又はnを持つ混合物(すなわち、分布を持つ混合物等)でもよい(製造しやすさの観点等から、分布のある化合物が好ましい)。また、アルキル基又はアルケニル基の種類が異なる化合物同士の混合物でもよい。
【0082】
一般式(2)で表されるアルコール(C2)は、公知のアルキレンオキシド付加反応により得られる(特開2005−054128公報等)。
【0083】
一般式(2)で表されるアルコール(C2)としては、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルエーテル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエチルエーテル等が好ましく例示できる。
【0084】
一価アルコールとしては、炭素数1〜4のモノオールが含まれ、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール及びn−ブタノール等が挙げられる。
二価アルコールとしては、炭素数2〜4のジオール及びポリエチレングルコールが含まれ、エチレングリコール、ジエチレングリコール及び数平均分子量132〜10万のポリエチレングリコール等が挙げられる。
三価アルコールとしては、炭素数3〜6のトリオール及びポリグリセリンが含まれ、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン及びテトラグリセリン等が挙げられる。
四価アルコールとして、炭素数5〜6のテトラオール及びソルビタンが含まれ、ペンタエリストール、ヘキサンテトラオール及びソルビタン等が挙げられる。
六価アルコールとして、炭素数6〜8のヘキサオールが含まれ、ソルビトール等が挙げられる。
八価アルコールとして、炭素数10〜12のオクタオールが含まれ、デカンオクタノール及びショ糖等が挙げられる。
グリコールモノアルキルエーテルとしては、プロピレングリコール、ブチレングリコール及びエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
【0085】
一価アルコール、二価アルコール、三価アルコール、四価アルコール、六価アルコール、八価アルコール及びグリコールモノアルキルエーテルのうち、造粒性の観点から、二価アルコール及び三価アルコールが好ましく、さらに好ましくはエチレングリコール、グリセリンである。
【0086】
親水性アルコールを含有する場合、親水性アルコールの含有量(重量%)は、共重合体(A)及び水(B)の重量に基づいて、30〜300が好ましく、さらに好ましくは50〜250、特に好ましくは70〜200である。この範囲であると、造粒性がさらに良好となる。
【0087】
本発明の造粒助剤は、共重合体(A)及び水(B)並びに、必要により親水性アルコールを均一混合(均一溶解又は均一分散)することにより得られる。
【0088】
本発明の造粒助剤の形態としては特に限定はなく、液状でも、固状でもよい。
造粒助剤が液状の場合、水(B)及び/又は水性溶媒に造粒助剤が溶解又は分散した状態を意味する。この場合、共重合体(A)を懸濁重合又は溶液重合等によって得て、重合溶媒をすべて除去しないで得てもよいし{この場合、水性溶媒として重合溶媒が含まれる。}、重合溶媒を全て他の水性溶媒に置換してもよい。塊状重合等によって得た共重合体(A)を水及び/又は水性溶媒に溶解又は分散させて得てもよい。水性溶媒としては、炭素数1〜6のケトン(メチルイソブチルケトン及びアセトン等)等が挙げられ、これらは単独又は混合して用いてもよい。
【0089】
一方、造粒助剤が固状の場合、造粒助剤からなる固体であってもよく、液状の造粒助剤を粉体に担持させた粉であってもよい。
造粒助剤からなる固体の場合、塊状重合によって得てもよいし、共重合体(A)を含む溶液又は分散液を懸濁重合又は溶液重合等によって得てから、重合溶媒を除去することにより得てもよい。
【0090】
造粒助剤を含む溶液又は分散液から重合溶媒を除去する方法としては、乾燥粉砕法、凍結粉砕法、スプレイドライヤー法及びドラムドライヤー法等の公知の方法を用いることができる。これらのうち、乾燥粉砕法及びスプレイドライヤー法が好ましい。
【0091】
液状の造粒助剤を粉体に担持させる場合、粉体としては、活性炭、炭酸カルシウム、シリカ、ゼオライト、シラスバルーン及びベントナイト等が挙げられる。
これらの粉体に液状の造粒助剤を担持させる方法としては、公知の撹拌混合機(リボンミキサー及びヘンシェルミキサー等)を使用して、粉体と液状の造粒助剤とを撹拌混合する方法等が適用できる。
【0092】
固状の造粒助剤の大きさ(mm;最大長)は、造粒性の観点から、0.01〜5が好ましく、さらに好ましくは0.05〜3、特に好ましくは0.08〜1である。
【0093】
造粒助剤の形態のうち、液状が好ましく、さらに好ましくは水性溶媒に造粒助剤が溶解した状態である。
【0094】
本発明の造粒助剤を用いると、氷点下でもブロッキングを起こさない無機造粒体を容易に得ることができる。したがって、冬場の氷点下での保管においても、優れたハンドリングを付与することができる。
【0095】
無機造粒体は、融雪剤及び土壌改質剤等として使用される。
【実施例】
【0096】
次に、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下、特記しない限り部は重量部を、%は重量%を意味する。
【0097】
<製造例1>
滴下ライン、蒸留装置、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水120部及びイソプロピルアルコール420部を投入し、窒素置換後、密閉し、100℃に昇温した。攪拌下、アクリル酸305部及び4%過硫酸ナトリウム水溶液80部を、それぞれ別々の滴下ラインから3時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は98〜105℃を保った。滴下終了後、40℃まで冷却し、重合体(a)の溶液を得た。
【0098】
重合体(a)の溶液を撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に48%水酸化ナトリウム水溶液[試薬特級、関東化学(株)製]349部を分割投入し中和した後、イソプロピルアルコールを留去し、そして加水して濃度を45%に調整して、本発明の共重合体(A1)[アクリル酸(1モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(99モル%)共重合体]の水溶液を得た。なお、重量平均分子量は13,000であった。
【0099】
<製造例2>
製造例1と同様にして得た重合体(a)の溶液を撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に48%水酸化ナトリウム水溶液[試薬特級、関東化学(株)製]71部を分割投入し中和した後、イソプロピルアルコールを留去し、そして加水して濃度を40%に調整して、本発明の共重合体(A2)[アクリル酸(80モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(20モル%)共重合体]の水溶液を得た。なお、重量平均分子量は13,000であった。
【0100】
<製造例3>
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの耐圧反応容器にイオン交換水500部、イソプロピルアルコール200部及び2−メルカプタノール1部を投入し、撹拌下、アクリル酸200部、アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル[ブレンマーAE−90、日油(株)製;「ブレンマー」は同社の登録商標である。]722部及び40%過硫酸ナトリウム水溶液100部をそれぞれ別々の滴下ラインから2時間かけて一定速度で滴下しながら密閉下で反応させた。反応温度は80〜100℃を保った。滴下終了後、3時間95〜100℃に保ち、その後、150部のイオン交換水を滴下(加水)しながらイソプロピルアルコールを減圧除去した。ついで、30℃まで冷却し、重合体(b)の水溶液を得た。
【0101】
重合体(b)の溶液を撹拌下、40℃以下に保ちながら、徐々に48%水酸化ナトリウム水溶液[試薬特級、関東化学(株)製]221部を分割投入して、中和した後、加水して濃度を40%に調整して、本発明の重合体(A3)[アクリル酸(1.9モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(38.2モル%)−アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル(59.9モル%)共重合体]の水溶液を得た。なお、重量平均分子量は20,000であった。
【0102】
<製造例4>
滴下ライン、撹拌装置及び温度計付きの反応容器にイオン交換水4部、無水マレイン酸50部及びエチレングリコールモノブチルエーテル36.1部を投入し、密閉下で撹拌しながら70〜90℃で3時間加熱して、マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステルの水溶液を得た後、撹拌下でメチルエチルケトン100部を投入した。続いて、70〜80℃の温度維持したまま、スチレン62.6部と、40%過硫酸ナトリウム水溶液100部とをそれぞれ別々の滴下ラインから一定速度で2時間かけて滴下した。滴下終了後、密閉下で80〜100℃まで加熱し、この温度を3時間維持した。続いて、80〜100℃を維持しながら徐々に圧力を抜きながらメチルエチルケトンを留去し、同時にイオン交換水100部を滴下ラインから投入した(イオン交換水の滴下速度の制御は行わなかった)。メチルエチルケトンの留去が無くなった後に30℃まで冷却し、重合体(c)の水溶液を得た。留去したメチルエチルケトンの合計重量は100部であった。
【0103】
重合体(c)の水溶液を撹拌しながら28%アンモニア水溶液24.1部を40℃以上にならないように徐々に滴下して中和した後、イオン交換水を加えて濃度が30%となるように調整して、重合体(A4)[マレイン酸(0.8モル%)−マレイン酸アンモニウム塩(17.2モル%)−マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステル(1.2モル%)−マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステルアンモニウム塩(26.8モル%)−スチレン(54モル%)]の水溶液を得た。この共重合体の重量平均分子量は、10,000であった。
【0104】
<製造例5>
「アクリル酸200部」を「アクリル酸470部」に変更したこと、「アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル[ブレンマーAE−90]722部」を「アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル[ブレンマーAE−90]455部」に変更したこと、及び「48%水酸化ナトリウム水溶液[試薬特級、関東化学(株)製]221部」を「48%水酸化ナトリウム水溶液[試薬特級、関東化学(株)製]518部」に変更したこと以外、製造例3と同様にして、本発明の共重合体(A5)[アクリル酸(3.3モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(68.1モル%)−アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル(28.6モル%)共重合体]の水溶液(40%)を得た。なお、重量平均分子量は20,000であった。
【0105】
<製造例6>
「スチレン62.6部」を、「スチレン35.5部」に変更したこと以外、製造例4と同様にして、本発明の共重合体(A6)[マレイン酸(1モル%)−マレイン酸アンモニウム塩(22.5モル%)−マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステルアンモニウム塩(36.5モル%)−スチレン(40モル%)]の水溶液(30%)を得た。この共重合体の重量平均分子量は、12,000であった。
【0106】
<実施例1>
製造例1で得た共重合体(A1)[アクリル酸(1モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(99モル%)共重合体]の水溶液を本発明の造粒助剤(1)とした。
【0107】
<実施例2>
製造例2で得た共重合体(A2)[アクリル酸(80モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(20モル%)共重合体]の水溶液を本発明の造粒助剤(2)とした。
【0108】
<実施例3>
製造例3で得た共重合体(A3)[アクリル酸(1.9モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(38.2モル%)−アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル(59.9モル%)共重合体]の水溶液を本発明の造粒助剤(3)とした。
【0109】
<実施例4>
製造例4で得た共重合体(A4)[マレイン酸(0.8モル%)−マレイン酸アンモニウム塩(17.2モル%)−マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステルアンモニウム塩(28モル%)−スチレン(54モル%)共重合体]の水溶液を本発明の造粒助剤(4)とした。
【0110】
<実施例5>
製造例5で得た共重合体(A5)[アクリル酸(3.3モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(68.1モル%)−アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル(28.6モル%)共重合体]の水溶液を本発明の造粒助剤(5)とした。
【0111】
<実施例6>
製造例6で得た共重合体(A6)[マレイン酸(1モル%)−マレイン酸アンモニウム塩(22.5モル%)−マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステルアンモニウム塩(36.5モル%)−スチレン(40モル%)]の水溶液を本発明の造粒助剤(6)とした。
【0112】
<実施例7>
製造例1で得た共重合体(A1)[アクリル酸(1モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(99モル%)共重合体]の水溶液150部と、アルコール(C11){ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、日本乳化剤(株)製}190部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(7)を得た。
【0113】
<実施例8>
製造例1で得た共重合体(A1)[アクリル酸(1モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(99モル%)共重合体]の水溶液200部と、アルコール(C11)150部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(8)を得た。
【0114】
<実施例9>
製造例3で得た共重合体(A3)[アクリル酸(1.9モル%−アクリル酸ナトリウム塩(38.2モル%)−アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル(59.9モル%)共重合体]の水溶液200部と、アルコール(C11)150部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(9)を得た。
【0115】
<実施例10>
製造例4で得た共重合体(A4)[マレイン酸(0.8モル%)−マレイン酸アンモニウム塩(17.2モル%)−マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステルアンモニウム塩(28モル%)−スチレン(54モル%)]の水溶液200部と、アルコール(C11)150部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(10)を得た。
【0116】
<実施例11>
製造例1で得た共重合体(A1)[アクリル酸(1モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(99モル%)共重合体]の水溶液200部と、アルコール(C21){メタノール・エチレンオキシド10モル・プロピレンオキシド2モルブロック付加体}150部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(11)を得た。
【0117】
なお、アルコール(C21)は以下のようにして得た。
メチルトリグリコール{トリエチレングリコールモノメチルエーテル、日本乳化剤(株)製}(1モル部)164部及び水酸化カリウム{試薬特級(有効成分85%)、以下同じ}0.5部(水分を減じた有効成分量、以下同じ)を均一混合しながら、130℃、1333〜2666Paの減圧下で1時間脱水した後、同減圧下でエチレンオキシド308部(7モル部)を100〜120℃にて約4時間で滴下し、引き続き、プロピレンオキシド118部(2モル部)を100〜120℃にて約2時間で滴下し、さらに約2時間同温度に保ち残存するプロピレンオキシドを反応させて、粗アルコールを得た。
引き続き、アルカリ吸着剤{キョーワード700、協和化学工業(株)製、「キョーワード」は登録商標である。}200部を加え、同温度にて1時間均一攪拌した後、同温度にてNo.2濾紙{東洋濾紙(株)製}を用いて濾過してアルカリ吸着剤を取り除き、さらに1333〜2666Paの減圧下120℃にて1時間脱水して、アルコール(C21)[メタノール・エチレンオキシド10モルプロピレンオキシド2モル付加体]を得た。
【0118】
<実施例12>
製造例2で得た共重合体(A2)[アクリル酸(80モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(20モル%)共重合体]の水溶液220部と、アルコール(C21)68部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(12)を得た。
【0119】
<実施例13>
製造例3で得た共重合体(A3)[アクリル酸(1.9モル%−アクリル酸ナトリウム塩(38.2モル%)−アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル(59.9モル%)共重合体]の水溶液110部と、アルコール(C21)330部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(13)を得た。
【0120】
<実施例14>
製造例4で得た共重合体(A4)[マレイン酸(0.8モル%)マレイン酸アンモニウム塩(17.2モル%)−マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステルアンモニウム塩(28モル%)−スチレン(54モル%)]の水溶液180部と、アルコール(C21)162部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(14)を得た。
【0121】
<実施例15>
製造例1で得た共重合体(A1)[アクリル酸(1モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(99モル%)共重合体]の水溶液220部と、アルコール(C31){エチレングリコール}68部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(15)を得た。
【0122】
<実施例16>
製造例1で得た共重合体(A1)[アクリル酸(1モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(99モル%)共重合体]の水溶液200部と、アルコール(C31)150部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(16)を得た。
【0123】
<実施例17>
製造例3で得た共重合体(A3)[アクリル酸(1.9モル%−アクリル酸ナトリウム塩(38.2モル%)−アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル(59.9モル%)共重合体]の水溶液150部と、アルコール(C31)180部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(17)を得た。
【0124】
<実施例18>
製造例4で得た共重合体(A4)[マレイン酸(0.8モル%)マレイン酸アンモニウム塩(17.2モル%)−マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステルアンモニウム塩(28モル%)−スチレン(54モル%)]の水溶液200部と、アルコール(C31)150部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(18)を得た。
【0125】
<実施例19>
製造例1で得た共重合体(A1)[アクリル酸(1モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(99モル%)共重合体]の水溶液300部と、アルコール(C41){グリセリン}92部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(19)を得た。
【0126】
<実施例20>
製造例1で得た共重合体(A1)[アクリル酸(1モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(99モル%)共重合体]の水溶液214部と、アルコール(C41)150部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(20)を得た。
【0127】
<実施例21>
製造例3で得た共重合体(A3)[アクリル酸(1.9モル%−アクリル酸ナトリウム塩(38.2モル%)−アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル(59.9モル%)共重合体]の水溶液200部と、アルコール(C41)150部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(21)を得た。
【0128】
<実施例22>
製造例4で得た共重合体(A4)[マレイン酸(0.8モル%)−マレイン酸アンモニウム塩(17.2モル%)−マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステルアンモニウム塩(28モル%)−スチレン(54モル%)]の水溶液120部と、アルコール(C41)240部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(22)を得た。
【0129】
<実施例23>
製造例5で得た共重合体(A5)[アクリル酸(3.3モル%)−アクリル酸ナトリウム塩(68.1モル%)−アクリル酸メトキシポリオキシエチレン(オキシエチレン:2モル)エステル(28.6モル%)共重合体]の水溶液120部とアルコール(C31)240部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(23)を得た。
【0130】
<実施例24>
製造例6で得た共重合体(A6)[マレイン酸(1モル%)−マレイン酸アンモニウム塩(22.5モル%)−マレイン酸モノブトキシエチレングリコールエステルアンモニウム塩(36.5モル%)−スチレン(40モル%)]の水溶液100部とアルコール(C41)250部とを攪拌しながら40℃まで昇温し、この温度にて均一攪拌混合して、本発明の造粒助剤(24)を得た。
【0131】
<無機造粒体の調製1>
混練機{プライミックス株式会社製、ハイビスミックス2P−03/1型}を用いて、日本国内の製紙工場から入手した焼却灰250部及び炭酸カルシウム30部を含有する無機微細粒子280部に、公転30rpm、自転100rpmで攪拌しながら、本発明の造粒助剤(1)〜(24)のいずれか2部及び水112部を徐々に加えた後、更に同じ公転速度、自転速度で3分間攪拌し、篩で直径5mm以下の微細造粒体を除き無機造粒体(1)〜(24)を得た。
また、本発明の造粒助剤を加えなかったこと以外、上記と同様にして、無機造流体(ブランク1)を得た。
【0132】
<無機造粒体の調製2>
混練機{プライミックス株式会社製、ハイビスミックス2P−03/1型}を用いて、日本国内の製紙工場から入手した焼却灰及び炭酸カルシウムを含有する無機微細粒子280部に、公転30rpm、自転100rpmで攪拌しながら、キレート剤{アッシュナイト S−803、栗田工業(株)製、「アッシュナイト」は同社の登録商標である。}0.2部、本発明の造粒助剤(1)〜(24)のいずれか2部及び水112部を徐々に加えた後、更に同じ公転速度、自転速度で3分間攪拌して、篩で直径5mm以下の微細造粒体を除き無機造粒体(25)〜(48)を得た。
また、本発明の造粒助剤を加えなかったこと以外、上記と同様にして、無機造流体(ブランク2)を得た。
【0133】
無機造粒体(1)〜(48)、(ブランク1)及び(ブランク2)を用いて、ブロッキング試験を行い、これらの結果を以下に示す。
【0134】
<ブロッキング試験>
評価試料(無機造粒体)を3日間、自然乾燥(24〜26℃、63〜67%RH)させて乾燥試料を得た。
ポリエチレン袋(規格3号、厚み0.03、横80×縦150mm)に乾燥試料200gを入れ密閉し、長さ30cm、幅5.5cm、高さ15cmのU字管(厚み5mmのポリプロピレン製板をU字状に折り曲げたもの;
図1参照)内にポリエチレン袋の80mmの一辺を底に自立できるよう設置した(U字管内に3つのポリエチレン袋を設置した)。袋全体に負荷がかかるよう、ポリエチレン袋(規格13号、厚み0.03、横260×縦380mm)に入った1kgバラスト(砂)を載せた状態のまま、−18〜−20℃に温度設定した冷凍庫に2日間静置した(
図2参照)。乾燥試料入りのポリエチレン袋を冷凍庫から取り出した直後にポリエチレン袋ごと1mの高さから底部分が床に衝突するようコンクリート床に落下させて、最長径1辺3cm以上の乾燥試料のブロッキング物を回収し乾燥試料のブロッキング物の重量を測定した。同じ乾燥試料で3回実施した平均値を下表に示した。
数値の小さい方がブロッキング防止性が高いことを意味し好ましい。
【0135】
【表1】