【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の液体吐出ノズルの間隔検出方法は、
液体吐出ノズルのノズル先端部の実像と、当該液体吐出ノズルに対峙する液体吐出対象
物の対象面に映る前記ノズル先端部の鏡像とを撮像し、
撮像した前記ノズル先端部のノズル先端縁の実像および鏡像の間の距離に基づき、前記ノズル先端縁と前記対象面の間の間隔を検出し、
前記鏡像が不鮮明あるいは前記鏡像を撮像できない場合には、前記対象面における吐出液体の付着位置にマーカー光を照射し、
前記ノズル先端部の実像と前記対象面上に形成された前記マーカー光の光スポットの実像を撮像し、
撮像した前記ノズル先端部の前記ノズル先端縁と前記光スポットとの間の距離に基づき、前記ノズル先端縁と前記対象面の間の間隔を検出することを特徴としている。
【0010】
本発明の方法によれば、照明光の光量、液体吐出ノズルの素材・表面性状、対象面の面性状等によって、鮮明なノズル先端部の鏡像を取得できない場合においても、マーカー光を用いて間隔を検出できる。
【0011】
ここで、液体吐出ノズルから吐出した液体が、ノズル先端と対象面の間に繋がった状態となる場合には、吐出された液体によってスポット光を観察できない場合がある。このような場合には、マーカーの光スポットの形成位置を、付着位置に対して対象面に沿った方向にシフトさせた位置とすれば、確実にスポット光を観察できる。
【0012】
次に、本発明の液体吐出ノズルの間隔検出方法は、
液体吐出ノズルのノズル先端部の実像と、当該液体吐出ノズルに対峙する液体吐出対象物の対象面に映る前記ノズル先端部の鏡像とを撮像し、
撮像した前記ノズル先端部のノズル先端縁の実像および鏡像の間の距離に基づき、前記ノズル先端縁と前記対象面の間の間隔を検出し、
前記液体吐出ノズルから吐出される吐出液体が障害となって、撮像した前記ノズル先端部のノズル先端縁を画像解析により識別できない場合には、
前記ノズル先端部のノズル先端縁の実像および鏡像の間の距離の代わりに、前記液体吐出ノズルにおけるノズル先端縁から外れた位置に形成されている間隔検出用のインジケーターの実像および鏡像の間の距離を測定し、
前記距離に基づき、前記ノズル先端縁と前記対象面との間の間隔を検出することを特徴としている。
【0013】
本発明によれば、ノズル先端縁と対象面の間において吐出液体が繋がった状態となっている場合においても、インジケーターの実像と鏡像の間の距離に基づき、液体吐出ノズルと対象面の間の間隔を検出できる。また、インジケーターを反射率の高い塗料等を用いて形成しておくことが望ましい。このようにすれば、照明光の光量、液体吐出ノズルの素材・表面性状、対象面の面性状等によって、鮮明なノズル先端部の鏡像を取得できない場合においても、インジケーターの鮮明な鏡像、すなわち、精度良く画像認識可能な鏡像を取得できる。
【0014】
次に、本発明の液体吐出装置は、
液体吐出ノズルと、
液体吐出対象の対象面を備えた対象物を、前記対象面が前記液体吐出ノズルに対峙する状態に載せるワークテーブルと、
前記ワークテーブルに載せた前記対象物の前記対象面および当該対象面に対峙する前記液体吐出ノズルに対して、前記対象面および前記液体吐出ノズルのノズル中心軸線の双方に対して斜めの方向から照明光を照射する斜め照明光学系と、
前記対象面に対して、前記ノズル中心軸線を中心光軸とするマーカー光を結像照射するマーカー光結像照射光学系と、
前記照明光によって照射される前記液体吐出ノズルのノズル先端部像、および、前記対
象面上に結像する前記マーカー光の光スポット像を、同一視野内で同時観察可能なノズル観察光学系と、
前記ノズル観察光学系によって観察される前記ノズル先端部像のノズル先端縁から前記光スポット像までの距離を測定し、当該距離に基づき、前記液体吐出ノズルのノズル先端縁から前記対象面までの間隔を検出する第1画像処理部と、
を有していることを特徴としている。
【0015】
ここで、液体吐出装置は、吐出された液体の状態を観察するために、液体吐出ノズルと同軸に配置した観察光学系を備えている場合がある。この場合には、当該観察光学系と同一の光路を経由させてマーカー光を対象面に結像照射させることが望ましい。このようにすれば、液体吐出位置にマーカー光が結像照射され、また、装置構成が小型でコンパクトになる。
【0016】
この構成を実現するために、本発明の液体吐出装置は、
前記液体吐出ノズルのノズル中心軸線を中心光軸とし、前記対象面に吐出された液体の状態を観察する吐出液体観察光学系を有し、
前記吐出液体観察光学系は前記液体吐出ノズルと同軸に配置され、
前記マーカー光結像照射光学系は、光源、および、前記吐出液体観察光学系の光路上に配置したビームスプリッターを備え、
前記光源からの射出光は、前記ビームスプリッターによって前記吐出液体観察光学系の光軸に沿った方向に偏向され、前記吐出液体観察光学系の対物レンズを介して前記対象面上に結像するようになっている。
【0017】
また、マーカー光の結像照射位置を、液体吐出位置(対象面上の液体付着位置)からシフトできるように、前記ビームスプリッターを前記吐出液体観察光学系の中心光軸に対して直交する方向に移動させて、前記マーカー光の前記対象面上での結像位置を調整可能な結像位置調整機構を有していることが望ましい。
【0018】
ここで、対象面に映るノズル先端部の鮮明な鏡像が得られる場合には、マーカー光を用いずに、当該鏡像を用いて間隔検出を行うこともできる。このためには、前記観察光学系により、前記照明光によって照射される前記液体吐出ノズルのノズル先端の前記対象面に映る鏡像を観察できるようにし、画像処理部として、前記観察光学系によって観察される前記ノズル先端の実像および鏡像の間の距離を測定し、当該距離に基づき、前記ノズル先端と前記対象面の間の間隔を検出する第2画像処理部を追加し、また、前記間隔の算出を、前記第1画像処理部および前記第2画像処理部のうちの少なくともいずれか一方によって行なわせる制御部を追加すればよい。
【0019】
また、液体吐出装置は、前記斜め照明光学系によって前記対象面に照射された照明光の正反射光成分を回帰反射させる対向ミラーを有し、前記斜め照明光学系と前記ノズル観察光学系は同軸上に配置されていることが望ましい。
【0020】
このようにすれば、斜め照明光学系とノズル観察光学系を、吐出液体観察光学系および液体吐出ノズルに対して同一の側に同軸に配置できる。よって、装置構成の小型化、コンパクト化を図ることができる。
【0021】
次に、本発明の液体吐出装置は、
液体吐出ノズルと、
前記液体吐出ノズルにおけるノズル先端縁から離れた部位に形成したインジケーターと、
液体吐出対象の対象面を備えた対象物を、前記対象面が前記液体吐出ノズルに対峙する
状態に載せるワークテーブルと、
前記ワークテーブルに載せた前記対象物の前記対象面および当該対象面に対峙する前記液体吐出ノズルに対して、前記対象面および前記液体吐出ノズルのノズル中心軸線の双方に対して斜めの方向から照明光を照射する斜め照明光学系と、
前記照明光によって照射された前記液体吐出ノズルの前記インジケーターの像および、前記対象面に映る前記インジケーターの鏡像を観察するノズル観察光学系と、
前記ノズル観察光学系によって観察される前記インジケーターの実像および鏡像の間の距離を測定し、当該距離に基づき、前記液体吐出ノズルのノズル先端縁から前記対象面までの間隔を検出する第1画像処理部とを有していることを特徴としている。
【0022】
ここで、上記構成の液体吐出装置は、前記斜め照明光学系によって前記対象面に照射された照明光の正反射光成分を回帰反射させる対向ミラーを有し、前記斜め照明光学系と前記ノズル観察光学系は同軸上に配置されていることが望ましい。
【0023】
また、液体吐出装置は、前記観察光学系によって観察される前記ノズル先端の実像および鏡像の間の距離を測定し、当該距離に基づき、前記ノズル先端と前記対象面の間の間隔を検出する第2画像処理部と、前記間隔の算出を、前記第1画像処理部および前記第2画像処理部のうちの少なくともいずれか一方によって行なわせる制御部とを有していることが望ましい。
【0024】
さらに、液体吐出装置は、前記液体吐出ノズルのノズル中心軸線を中心光軸とし、前記対象面に吐出された液体の状態を観察する吐出液体観察光学系を有していることが望ましい。