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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-87434(P2015-87434A)
(43)【公開日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20150410BHJP
   G02F 1/1368 20060101ALI20150410BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20150410BHJP
【FI】
   G02F1/1345
   G02F1/1368
   G09F9/00 346A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-223712(P2013-223712)
(22)【出願日】2013年10月28日
(71)【出願人】
【識別番号】506087819
【氏名又は名称】パナソニック液晶ディスプレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】喜田 和夫
(72)【発明者】
【氏名】桶 隆太郎
(72)【発明者】
【氏名】河内 玄士朗
【テーマコード(参考)】
2H092
2H192
5G435
【Fターム(参考)】
2H092GA33
2H092GA35
2H092GA41
2H092GA43
2H092GA48
2H092GA55
2H092GA60
2H092NA25
2H192AA24
2H192EA43
2H192FA65
2H192FA73
2H192FB25
2H192FB27
5G435AA18
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE37
5G435HH12
5G435HH14
5G435HH20
(57)【要約】
【課題】表示パネルの狭額縁化を図る。
【解決手段】TFT基板SUB1には、画像表示領域に配置される複数のデータ線を駆動する複数のデータドライバIC−Dが形成されており、データドライバIC−Dは、平面的に見てTFT基板SUB1におけるデータドライバIC−Dと重なる領域内において、TFT基板SUB1に形成された金属配線MT1に電気的に接続されており、金属配線MT1は、前記領域内において、TFT基板SUB1における金属配線MT1とは異なる層に形成された引き出し配線D1に、コンタクトホールCONT1を介して電気的に接続されており、引き出し配線D1は、前記領域外に延在するとともに、データ線と電気的に接続されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された、背面側の第1基板と表示面側の第2基板とを備え、
前記第1基板には、画像表示領域に配置される複数の信号線と、該複数の信号線を駆動する複数の駆動回路と、が形成されており、
前記駆動回路は、平面的に見て前記第1基板における該駆動回路と重なる領域内において、前記第1基板に形成された金属配線に電気的に接続されており、
前記金属配線は、前記領域内において、前記第1基板における該金属配線とは異なる層に形成された引き出し配線に、コンタクトホールを介して電気的に接続されており、
前記引き出し配線は、前記領域外に延在するとともに、前記信号線と電気的に接続されている、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記金属配線は、前記領域内に形成された第1コンタクトホールを介して前記引き出し配線に電気的に接続されており、
前記駆動回路は、前記領域内に形成された第2コンタクトホールを介して前記金属配線に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記金属配線は、前記信号線に含まれるデータ線と同一層に形成されており、
前記引き出し配線は、前記信号線に含まれるゲート線と同一層に形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1基板のガラス基板上に、前記引き出し配線が形成されおり、
前記引き出し配線を覆うように、第1絶縁膜が形成されており、
前記第1絶縁膜上に、前記金属配線が形成されており、
前記金属配線を覆うように、第2絶縁膜が形成されており、
前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜には、前記第1コンタクトホールが形成されており、
前記第2絶縁膜には、前記第2コンタクトホールが形成されており、
前記金属配線と前記引き出し配線とは、前記第1コンタクトホール内に形成された第1透明電極を介して電気的に接続されており、
前記金属配線と前記駆動回路とは、前記第2コンタクトホール内に形成された第2透明電極を介して電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1透明電極及び前記第2透明電極は、前記領域内において、前記駆動回路を前記第1基板に接続するための樹脂性接着剤に覆われている、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
複数の前記引き出し配線は、互いに異なる2つの層に交互に形成されており、
隣り合う前記引き出し配線の間には、絶縁膜が形成されている、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第2コンタクトホールは、前記第1コンタクトホールよりも前記画像表示領域に近い位置に形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特には、ドライバICの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、表示装置では、装置全体の小型化及び薄型化を図るために、表示パネルを駆動する駆動回路(以下、ドライバICという。)を、表示パネルのガラス基板上に直接搭載する、所謂COG(Chip On Glass)と呼ばれる実装方式が採用されている。
【0003】
例えば特許文献1には、データ線を駆動するドライバICと、ゲート線を駆動するドライバICとがTFT基板上に直接搭載された液晶表示装置が開示されている。この液晶表示装置において、各ドライバICは、各ドライバICの端子に接続された引き出し配線を介して、データ線又はゲート線に電気的に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−98464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された液晶表示装置では、引き出し配線と信号線(データ線又はゲート線)とが互いに異なる層に形成される場合、引き出し配線と信号線とは、コンタクトホールを介して互いに電気的に接続されている。このコンタクトホールの領域(コンタクト領域)は、一般的に、液晶パネルにおける画像表示領域の周囲の額縁領域に形成される。そのため、従来の液晶表示装置では、ドライバICの端子に接続される引き出し配線と、液晶パネルを駆動するための信号線とを電気的に接続するためのコンタクト領域が、液晶パネルの狭額縁化の妨げとなっている。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示パネルの狭額縁化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る表示装置は、上記課題を解決するために、対向配置された、背面側の第1基板と表示面側の第2基板とを備え、前記第1基板には、画像表示領域に配置される複数の信号線と、該複数の信号線を駆動する複数の駆動回路と、が形成されており、前記駆動回路は、平面的に見て前記第1基板における該駆動回路と重なる領域内において、前記第1基板に形成された金属配線に電気的に接続されており、前記金属配線は、前記領域内において、前記第1基板における該金属配線とは異なる層に形成された引き出し配線に、コンタクトホールを介して電気的に接続されており、前記引き出し配線は、前記領域外に延在するとともに、前記信号線と電気的に接続されている、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る表示装置では、前記金属配線は、前記領域内に形成された第1コンタクトホールを介して前記引き出し配線に電気的に接続されており、前記駆動回路は、前記領域内に形成された第2コンタクトホールを介して前記金属配線に電気的に接続されていてもよい。
【0009】
本発明に係る表示装置では、前記金属配線は、前記信号線に含まれるデータ線と同一層に形成されており、前記引き出し配線は、前記信号線に含まれるゲート線と同一層に形成されていてもよい。
【0010】
本発明に係る表示装置では、前記第1基板のガラス基板上に、前記引き出し配線が形成されおり、前記引き出し配線を覆うように、第1絶縁膜が形成されており、前記第1絶縁膜上に、前記金属配線が形成されており、前記金属配線を覆うように、第2絶縁膜が形成されており、前記第1絶縁膜及び前記第2絶縁膜には、前記第1コンタクトホールが形成されており、前記第2絶縁膜には、前記第2コンタクトホールが形成されており、前記金属配線と前記引き出し配線とは、前記第1コンタクトホール内に形成された第1透明電極を介して電気的に接続されており、前記金属配線と前記駆動回路とは、前記第2コンタクトホール内に形成された第2透明電極を介して電気的に接続されていてもよい。
【0011】
本発明に係る表示装置では、前記第1透明電極及び前記第2透明電極は、前記領域内において、前記駆動回路を前記第1基板に接続するための樹脂性接着剤に覆われていてもよい。
【0012】
本発明に係る表示装置では、複数の前記引き出し配線は、互いに異なる2つの層に交互に形成されており、隣り合う前記引き出し配線の間には、絶縁膜が形成されていてもよい。
【0013】
本発明に係る表示装置では、前記第2コンタクトホールは、前記第1コンタクトホールよりも前記画像表示領域に近い位置に形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る表示装置の構成によれば、金属配線と引き出し配線とを接続するためのコンタクト領域が、第1基板における駆動回路と重なる領域(駆動回路の投影領域)内に設けられている。よって、表示パネルの狭額縁化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の全体構成を示す図である。
図2】データドライバIC−Dの構成を示す平面図である。
図3図2のA−A´断面図である。
図4図2のB−B´断面図である。
図5図2のC−C´断面図である。
図6図2のX−X´断面図である。
図7】額縁領域を示す平面図である。
図8】引き出し配線及び金属配線の構成を示す平面図である。
図9】ゲートドライバIC−Gの構成を示す平面図である。
図10図9のD−D´断面図である。
図11図9のE−E´断面図である。
図12】引き出し配線及び金属配線の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を用いて以下に説明する。本発明の実施形態では、液晶表示装置を例に挙げるが、本発明に係る表示装置は液晶表示装置に限定されるものではなく、例えば有機EL表示装置等であってもよい。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の全体構成を示す図である。液晶表示装置LCDは、機能で領域を大別すると、画像表示領域DIAと、画像表示領域DIAの周囲の額縁領域とからなる。
【0018】
画像表示領域DIAには、隣り合うゲート線GL(信号線)と隣り合うデータ線DL(信号線)とで囲まれた画素領域が、行方向及び列方向にマトリクス状に複数配列されている。なお、ゲート線GLが延在する方向を列方向、データ線DLが延在する方向を行方向とする。
【0019】
額縁領域には、画像表示領域DIAにおいて画像を表示させるための駆動回路である、ドライバIC(ゲートドライバIC−G、データドライバIC−D)と、シフトレジスタSRとが設けられている。なお、本液晶表示装置LCDでは、ドライバICがTFT基板SUB1(第1基板)のガラス基板上に直接搭載されるCOG方式が採用されている。
【0020】
ドライバICは、データ線DLを駆動する複数のデータドライバIC−Dと、ゲート線を駆動する複数のゲートドライバIC−Gとを含んでいる。なお、図1では、データドライバIC−D及びゲートドライバIC−Gが、液晶表示装置LCDの一側面側(左側面側)において列方向に一列に並んで配置されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、データドライバIC−Dが、液晶表示装置LCDの左側面側において列方向に並んで配置され、ゲートドライバIC−Gが、液晶表示装置LCDの上側面側において行方向に並んで配置されていてもよい。
【0021】
シフトレジスタSRは、各ゲート線GLに対応する単位回路(図示せず)が複数設けられており、複数の単位回路は、ゲートバスライン(図示せず)を介して縦続接続されている。
【0022】
TFT基板SUB1に対向して、表示面側にCF基板SUB2(第2基板)が設けられ、TFT基板SUB1とCF基板SUB2との間に、液晶層LCが挟持されている。TFT基板SUB1の背面側には、液晶パネル(表示パネル)に光を照射するバックライト(図示せず)が設けられている。
【0023】
各画素領域では、次のようにしてアクティブマトリクス表示が行われる。ゲートドライバIC−Gは、ゲートバスラインに出力電圧を供給する。シフトレジスタSRの各単位回路は、供給された出力電圧に基づいてシフト動作を行い、各ゲート線GLへ順次、ゲート電圧を供給する。データドライバIC−Dは、出力電圧(データ電圧)をデータ線DLへ供給する。ゲート電圧による薄膜トランジスタTFTのオン/オフによりデータ電圧を画素電極PITに供給する。画素電極PITに供給されたデータ電圧と、コモンドライバ(図示せず)から共通電極CITに供給された共通(コモン)電圧との差により生じる電界により液晶層LCの液晶分子を駆動する。これにより、光の透過率を制御して画像表示を行う。カラー表示を行う場合は、縦ストライプ状のカラーフィルタで形成された赤(R)色、緑(G)色、青(B)色に対応するそれぞれの画素領域の画素電極PITに接続されたデータ線DL(R),DL(G),DL(B)に所望のデータ電圧を供給することにより実現される。なお、共通電極CITは、TFT基板SUB1に形成されていてもよいし、CF基板SUB2に形成されていてもよい。上記の表示方法は、一例であり、他の周知の方法を適用することもできる。
【0024】
ここで、ドライバICをTFT基板SUB1に搭載するための具体的な構成について説明する。
【0025】
図2は、1つのデータドライバIC−Dの構成を示す平面図である。図3は、図2のA−A´断面図である。図4は、図2のB−B´断面図である。図5は、図2のC−C´断面図である。
【0026】
図2に示すように、データドライバIC−Dは、入力端子部INと出力端子部OUTとを備えている。入力端子部INは、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)に接続されている。出力端子部OUTは、引き出し配線D0,D1,D2に接続されており、引き出し配線D1,D2は、データドライバIC−Dの搭載領域(TFT基板SUB1への投影領域)外でデータ線DLに電気的に接続されている。引き出し配線D1,D2にはそれぞれ、1本のデータ線DLが電気的に接続されている。引き出し配線D1,D2とデータ線DLとは、同一層で直接接続されていてもよいし、異なる層でコンタクトホール又は金属配線を介して接続されていてもよい。
【0027】
引き出し配線D0は、表示に寄与しない、例えば接地用の配線である。データ線DLに電気的に接続される、引き出し配線D1と引き出し配線D2とは、互いに異なる層に形成されている。具体的には、引き出し配線D1は、ゲート線GLと同一層(ゲート層)に形成されており、引き出し配線D2は、データ線DLと同一層(ドレイン層)に形成されている。引き出し配線D1と引き出し配線D2との間には、絶縁膜GSN(第1絶縁膜)が形成されている。
【0028】
引き出し配線D1と引き出し配線D2とは、同一層に形成されていてもよいが、上記のように互いに異なる層に形成されていることが好ましい。その理由は以下の通りである。すなわち、図1に示すように、引き出し配線Dは複数本ずつ束ねられて1つのデータドライバIC−Dに接続される構造上、複数の引き出し配線Dの中には、延在方向がデータ線DLの延在方向(行方向)に対して斜め方向になる引き出し配線D(斜め配線)が存在する。隣り合う複数の引き出し配線Dが斜め方向の場合、これら引き出し配線Dの間隔が狭くなり、隣り合う引き出し配線同士が互いに接触したり、この接触を防ぐために配線を細くすることによる断線が生じたりする問題がある。この点、図6の断面図に示すように、引き出し配線D1と引き出し配線D2とが絶縁膜を介して互いに異なる層に形成されていれば、異なる層に亘って隣り合う引き出し配線D1,D2同士の間には絶縁膜(GSN)が介在しているため、これら引き出し配線D1,D2同士の接触を防ぐことができる。また、同一層において隣り合う引き出し配線D1,D1(又はD2とD2)同士の間隔が広くなるため、これら隣り合う引き出し配線D1,D1(又はD2とD2)同士の接触を防ぐことができる。よって、引き出し配線D1と引き出し配線D2とは、互いに異なる層に形成されていることが好ましい。
【0029】
次に、データドライバIC−Dの接続構造について説明する。まず、図3を用いて、A−A´断面に係る出力端子部OUTの構成について説明する。TFT基板SUB1において、ガラス基板GB上には、ゲート線GLと同一層の金属配線MT2が形成されている。金属配線MT2を覆うように、絶縁膜GSNが形成されている。ゲート絶縁膜GSN上には、データ線DLと同一層の引き出し配線D2が形成されている。引き出し配線D2を覆うように、絶縁膜PAS(第2絶縁膜)が形成されている。図3には図示していないが、画像表示領域DIAの絶縁膜PAS上には、画素電極PITが形成されている。
【0030】
データドライバIC−Dの下部、すなわち平面的に見てTFT基板SUB1におけるデータドライバIC−Dと重なる領域(投影領域)内において、絶縁膜GSN及び絶縁膜PASには、コンタクトホールCONT1(第1コンタクトホール)が形成されており、コンタクトホールCONT1内には、透明電極ITO1(第1透明電極)が形成されている。これにより、引き出し配線D2と金属配線MT2とが互いに電気的に接続されている。
【0031】
また、絶縁膜PASにはコンタクトホールCONT2(第2コンタクトホール)が形成されており、コンタクトホールCONT2内には、透明電極ITO2(第2透明電極)が形成されている。透明電極ITO2には、異方性導電膜ACF(Anisotropy Conductive
Film)(樹脂性接着剤)に含まれる導電粒子DBの一部が接触しており、導電粒子DBの他の部分にデータドライバIC−DのバンプBP(例えば、金)が接触している。これにより、引き出し配線D2とデータドライバIC−Dの出力端子部OUTとが、互いに電気的に接続されている。引き出し配線D2は、画像表示領域DIA側へ延伸しており、上記投影領域外において、データ線DLに電気的に接続されている。
【0032】
これにより、図3の出力端子部OUTでは、データドライバIC−Dから出力された出力電圧が、引き出し配線D2を介してデータ線DLに供給される。なお、データドライバIC−DとTFT基板SUB1とは異方性導電膜ACFにより接続されている。透明電極ITO1,ITO2は、上記投影領域内において、異方性導電膜ACFの樹脂材料に覆われている。このため、透明電極ITO1,ITO2の腐食を防ぐことができる。
【0033】
次に、図4を用いて、B−B´断面に係る出力端子部OUTの構成について説明する。図3の出力端子部OUTの構成と異なる点は、金属配線MT1がドレイン層において、透明電極ITO1,ITO2同士を電気的に接続するように形成されており、引き出し配線D1が、ゲート層に形成されており、画像表示領域DIA側に延伸している点である。図4の出力端子部OUTでは、コンタクトホールCONT2に形成された透明電極ITO2と、これに電気的に接続された導電粒子DBとを介して、金属配線MT1とデータドライバIC−Dの出力端子部OUTとが、電気的に接続されている。また、金属配線MT1と引き出し配線D1とが、コンタクトホールCONT1に形成された透明電極ITO1を介して電気的に接続されている。これにより、引き出し配線D1とデータドライバIC−Dの出力端子部OUTとが、電気的に接続されている。引き出し配線D1は、画像表示領域DIA側へ延伸しており、上記投影領域外において、データ線DLに電気的に接続されている。引き出し配線D1とデータ線DLとは、コンタクトホールを介して接続されていてもよいし、両者の端部を覆う金属配線(ITO)を介して接続されていてもよい。
【0034】
図4に示す構成では、金属配線MT1が形成されるドレイン層から、引き出し配線D1が形成されるゲート層への変換(層変換)を行うためのコンタクトホールCONT1(コンタクト領域)が、データドライバIC−Dの下部(上記投影領域内)に設けられている。すなわち、図7(b)に示すように、平面的に見て、層変換のためのコンタクト領域が、データドライバIC−Dの上記投影領域内に設けられている。よって、本液晶表示装置LCDによれば、上記コンタクト領域がデータドライバIC−Dの上記投影領域外に設けられている従来の液晶表示装置(例えば図7(a)参照)と比較して、液晶パネルの狭額縁化を図ることができる。
【0035】
なお、図3の金属配線MT2と図4の引き出し配線D1とは、同一工程において同一層かつ同一材料で形成されており、図3の引き出し配線D2と図4の金属配線MT1とは、同一工程において同一層かつ同一材料で形成されている。また、図3の金属配線MT2は、出力電圧の伝送には寄与しないが、その上方に形成される引き出し配線D2と、これに隣接する領域に形成される金属配線MT1(図4参照)との高さを均一化するために設けられている。
【0036】
図5に示すC−C´断面に係る出力端子部OUTでは、引き出し配線D0は、表示に寄与せず、例えば接地用の配線であるため、上記層変換を行う必要がない。そのため、図3に示す出力端子部OUTと比較して、コンタクトホールCONT1が省略されている。金属配線MT0は、図3の金属配線MT2と同様、引き出し配線D0,D2(図3参照)及び金属配線MT1(図4参照)の高さを均一化するために設けられている。
【0037】
なお、引き出し配線D0,D1,D2及び金属配線MT0,MT1,MT2は、同一の金属材料で形成することができる。
【0038】
ここで、引き出し配線D1,D2の幅の関係について説明する。図8(a)は、図3に示すA−A´断面に係る出力端子部OUTに対応する引き出し配線D2と金属配線MT2とを示す平面図である。図8(b)は、図4に示すB−B´断面に係る出力端子部OUTに対応する引き出し配線D1と金属配線MT1とを示す平面図である。図8(c)は、図5に示すC−C´断面に係る出力端子部OUTに対応する引き出し配線D0と金属配線MT0とを示す平面図である。
【0039】
図8(a)において、データドライバIC−D側(上方)から見て、手前側に配置される引き出し配線D2を実線で示し、奥側に配置される金属配線MT2を、引き出し配線D2に重なる部分は点線、引き出し配線D2に重ならない部分は実線で示している。引き出し配線D2と金属配線MT2との間に配置される絶縁膜GSNは省略している。図8(a)に示すように、引き出し配線D2のエッジE2は、金属配線MT2のエッジE1を覆っている。これにより、引き出し配線D2の延伸部d2とエッジE2との接続部の断線を防ぐことができる。また、金属配線MT2の中継部c1の列方向の幅は、引き出し配線D2の中継部c2の列方向の幅よりも大きい。これにより、中継部c1と中継部c2とが適切に積層される。
【0040】
図8(b)も同様に、金属配線MT1のエッジE2は、引き出し配線D1のエッジE1を覆っており、引き出し配線D1の中継部c1の列方向の幅は、金属配線MT1の中継部c2の列方向の幅よりも大きい。また、図8(c)に示すように、引き出し配線D0は、金属配線MT0を覆うように形成されている。
【0041】
次に、ゲートドライバIC−Gの具体的な構成について説明する。図9は、1つのゲートドライバIC−Gの構成を示す平面図である。図10は、図9のD−D´断面図である。図11は、図9のE−E´断面図である。
【0042】
図9に示すように、ゲートドライバIC−Gは、入力端子部INと出力端子部OUTとを備えている。入力端子部INは、例えばFPCに接続されている。出力端子部OUTは、引き出し配線G0,G1に接続されており、引き出し配線G1は、額縁領域内で、シフトレジスタSRに接続されるゲートバスラインに接続されている。引き出し配線G1とゲートバスラインとは、同一層(ゲート層)に形成されており、互いに直接接続されていてもよいし、金属配線を介して接続されていてもよい。
【0043】
引き出し配線G0は、表示に寄与しない、例えば電源用の配線である。引き出し配線G0と引き出し配線G1とは、互いに異なる層に形成されている。具体的には、引き出し配線G1は、ゲートバスライン及びゲート線GLと同一層(ゲート層)に形成されており、引き出し配線G0は、データ線DLと同一層(ドレイン層)に形成されている。引き出し配線G1と引き出し配線G0との間には、絶縁膜GSN(第1絶縁膜)が形成されている。
【0044】
次に、ゲートドライバIC−Gの接続構造について説明する。まず、図10を用いて、D−D´断面に係る出力端子部OUTの構成について説明する。TFT基板SUB1において、ガラス基板GB上には、ゲート線GLと同一層の引き出し配線G1が形成されている。引き出し配線G1を覆うように、絶縁膜GSNが形成されている。ゲート絶縁膜GSN上には、データ線DLと同一層の金属配線MT3が形成されている。金属配線MT3を覆うように、絶縁膜PAS(第2絶縁膜)が形成されている。図10には図示していないが、画像表示領域DIAの絶縁膜PAS上には、画素電極PITが形成されている。
【0045】
ゲートドライバIC−Gの下部、すなわち平面的に見てTFT基板SUB1におけるゲートドライバIC−Gと重なる領域(投影領域)内において、絶縁膜GSN及び絶縁膜PASには、コンタクトホールCONT3(第1コンタクトホール)が形成されており、コンタクトホールCONT3内には、透明電極ITO3(第1透明電極)が形成されている。これにより、引き出し配線G1と金属配線MT3とが互いに電気的に接続されている。
【0046】
また、絶縁膜PASにはコンタクトホールCONT4(第2コンタクトホール)が形成されており、コンタクトホールCONT4内には、透明電極ITO4(第2透明電極)が形成されている。透明電極ITO4には、異方性導電膜ACFに含まれる導電粒子DBの一部が接触しており、導電粒子DBの他の部分にゲートドライバIC−GのバンプBP(例えば、金)が接触している。これにより、金属配線MT3とゲートドライバIC−Gの出力端子部OUTとが、互いに電気的に接続されている。引き出し配線G1は、画像表示領域DIA側へ延伸しており、上記投影領域外において、ゲートバスラインに電気的に接続されている。
【0047】
上記のように、図10の出力端子部OUTでは、引き出し配線G1とゲートドライバIC−Gの出力端子部OUTとが、金属配線MT3を介して互いに電気的に接続されており、引き出し配線G1が、ゲートバスラインに電気的に接続されている。これにより、ゲートドライバIC−Gから出力された出力電圧が、引き出し配線G1を介してシフトレジスタSRに入力される。なお、引き出し配線G1とゲートバスラインとは、コンタクトホールを介して接続されていてもよいし、両者の端部を覆う金属配線(ITO)を介して接続されていてもよい。また、ゲートドライバIC−GとTFT基板SUB1とは異方性導電膜ACF(樹脂性接着剤)により接続されている。透明電極ITO3,ITO4は、上記投影領域内において、異方性導電膜ACFの樹脂材料に覆われている。このため、透明電極ITO3,ITO4の腐食を防ぐことができる。
【0048】
図10に示す構成では、金属配線MT3が形成されるドレイン層から、引き出し配線G1が形成されるゲート層への変換(層変換)を行うためのコンタクトホールCONT3(コンタクト領域)が、ゲートドライバIC−Gの下部(上記投影領域内)に設けられている。すなわち、図7(b)に示すように、平面的に見て、層変換のためのコンタクト領域が、ゲートドライバIC−Gの上記投影領域内に設けられている。よって、本液晶表示装置LCDによれば、上記コンタクト領域がゲートドライバIC−Gの上記投影領域外に設けられている従来の液晶表示装置(例えば図7(a)参照)と比較して、液晶パネルの狭額縁化を図ることができる。
【0049】
図11に示すE−E´断面に係る出力端子部OUTでは、引き出し配線G0は表示に寄与しないため、層変換を行う必要がない。よって、図11に示す構成は、図5に示す構成と同様とすることができる。また、金属配線MT4は、図5の金属配線MT0と同様、引き出し配線G0(図5参照)及び金属配線MT3(図10参照)の高さを均一化するために設けられている。
【0050】
ここで、引き出し配線G1,G2の幅の関係について説明する。図12(a)は、図10に示すD−D´断面に係る出力端子部OUTに対応する引き出し配線G1と金属配線MT3とを示す平面図である。図12(b)は、図11に示すE−E´断面に係る出力端子部OUTに対応する引き出し配線G0と金属配線MT4とを示す平面図である。
【0051】
図12(a)において、ゲートドライバIC−G側(上方)から見て、手前側に配置される金属配線MT3を実線で示し、奥側に配置される引き出し配線G1を、金属配線MT3に重なる部分は点線、金属配線MT3に重ならない部分は実線で示している。引き出し配線G1と金属配線MT3との間に配置される絶縁膜GSNは省略している。図12(a)に示すように、金属配線MT3のエッジE2は、引き出し配線G1のエッジE1を覆っており、引き出し配線G1の中継部c1の列方向の幅は、金属配線MT3の中継部c2の列方向の幅よりも大きい。これにより、中継部c1と中継部c2とが適切に積層される。また、図12(b)に示すように、引き出し配線G0は、金属配線MT4を覆うように形成されている。
【0052】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。例えば、本発明に係る表示装置は、冒頭に示したように、有機EL表示装置であってもよい。また、TFT基板(第1基板)に用いる半導体層は、アモルファスシリコン、低温ポリシリコン、又は酸化物半導体等であってもよい。
【符号の説明】
【0053】
LCD 液晶表示装置、DIA 画像表示領域、SUB1 TFT基板、SUB2 CF基板、IC−D データドライバ、IC−G ゲートドライバ、SR シフトレジスタ、LC 液晶層、GL ゲート線、DL データ線、GB ガラス基板、GSN 絶縁膜、PAS 絶縁膜、PIT 画素電極、CIT 共通電極、CONT コンタクトホール、D 引き出し配線、G 引き出し配線、MT 金属配線、ITO 透明電極、BP バンプ、DB 導電粒子、ACF 異方性導電膜。
図1
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