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特開2015-88147タッチパネル入力装置及び入力処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-88147(P2015-88147A)
(43)【公開日】2015年5月7日
(54)【発明の名称】タッチパネル入力装置及び入力処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20150410BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20150410BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20150410BHJP
【FI】
   G06F3/041 380E
   G06F3/041 330C
   G06F3/048 658A
   G06F3/048 620
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-228866(P2013-228866)
(22)【出願日】2013年11月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391039173
【氏名又は名称】株式会社ジェイアール西日本テクノス
(74)【代理人】
【識別番号】100113712
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 裕弘
(72)【発明者】
【氏名】山下 孝信
(72)【発明者】
【氏名】庄司 啓太
(72)【発明者】
【氏名】上田 博也
【テーマコード(参考)】
5B068
5B087
5E555
【Fターム(参考)】
5B068AA05
5B068AA36
5B068BD17
5B068DE03
5B087AA09
5B087AC05
5B087DD13
5B087DD17
5E555AA04
5E555BA65
5E555BB01
5E555CA13
5E555CB59
5E555FA15
(57)【要約】
【課題】タッチパネルを用いた手書き機能において、線の描画と線の消去とを迅速に切り替え可能にする。
【解決手段】タッチパネル入力装置1は、表示部21及びタッチ状態を検出するためのセンサ22を有するタッチパネル2と、タッチ状態に基づいて表示部21に画像を描画する処理部3とを備える。検出されるタッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる接触面積がある。処理部3は、消去モードを有し、接触面積が所定の閾値を超えたとき、消去モードをオンにし、タッチパネル2へのタッチが解除されたとき、消去モードをオフにする。処理部3は、タッチパネル2がタッチされているときに消去モードがオフであれば、タッチ位置の移動軌跡に沿った線を表示部21に描画し、消去モードがオンのとき、タッチ位置を含む所定範囲内の線を表示部21から消去する。これにより、アイコンをタッチするよりも少ない操作で消去モードのオン・オフが切り替えられる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部及びタッチ状態を検出するためのセンサを有するタッチパネルと、前記タッチ状態に基づいて前記表示部に画像を描画する処理部とを備えるタッチパネル入力装置であって、
検出される前記タッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる接触面積があり、
前記処理部は、消去モードを有し、
前記接触面積が所定の閾値を超えたとき、前記消去モードをオンにし、
前記タッチパネルへのタッチが解除されたとき、前記消去モードをオフにし、
前記タッチパネルがタッチされているときに前記消去モードがオフであれば、前記タッチ位置の移動軌跡に沿った線を前記表示部に描画し、
前記消去モードがオンのとき、前記タッチ位置を含む所定範囲内の線を前記表示部から消去することを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項2】
表示部及びタッチ状態を検出するためのセンサを有するタッチパネルと、前記タッチ状態に基づいて前記表示部に画像を描画する処理部とを備えるタッチパネル入力装置であって、
検出される前記タッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる押圧力があり、
前記処理部は、消去モードを有し、
前記押圧力が所定の閾値を超えたとき、前記消去モードをオンにし、
前記タッチパネルへのタッチが解除されたとき、前記消去モードをオフにし、
前記タッチパネルがタッチされているときに前記消去モードがオフであれば、前記タッチ位置の移動軌跡に沿った線を前記表示部に描画し、
前記消去モードがオンのとき、前記タッチ位置を含む所定範囲内の線を前記表示部から消去することを特徴とするタッチパネル入力装置。
【請求項3】
表示部及びタッチ状態を検出するためのセンサを有するタッチパネルと、前記タッチ状態に基づいて前記表示部に画像を描画する処理部とを備えるタッチパネル入力装置で実行される入力処理プログラムであって、
検出される前記タッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる接触面積があり、
前記処理部において、消去モードを有し、
前記接触面積が所定の閾値を超えたとき、前記消去モードをオンにし、
前記タッチパネルへのタッチが解除されたとき、前記消去モードをオフにし、
前記タッチパネルがタッチされているときに前記消去モードがオフであれば、前記タッチ位置の移動軌跡に沿った線を前記表示部に描画し、
前記消去モードがオンのとき、前記タッチ位置を含む所定範囲内の線を前記表示部から消去する処理を実行させることを特徴とする入力処理プログラム。
【請求項4】
表示部及びタッチ状態を検出するためのセンサを有するタッチパネルと、前記タッチ状態に基づいて前記表示部に画像を描画する処理部とを備えるタッチパネル入力装置で実行される入力処理プログラムであって、
検出される前記タッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる押圧力があり、
前記処理部において、消去モードを有し、
前記押圧力が所定の閾値を超えたとき、前記消去モードをオンにし、
前記タッチパネルへのタッチが解除されたとき、前記消去モードをオフにし、
前記タッチパネルがタッチされているときに前記消去モードがオフであれば、前記タッチ位置の移動軌跡に沿った線を前記表示部に描画し、
前記消去モードがオンのとき、前記タッチ位置を含む所定範囲内の線を前記表示部から消去する処理を実行させることを特徴とする入力処理プログラム。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手書き機能を有するタッチパネル入力装置、及びタッチパネル入力装置で動作する入力処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タブレット端末等の情報端末においてタッチパネルが用いられている。タッチパネルは、表示部としてのディスプレイ上にタッチ位置等を検出するためのセンサを有する。このようなタッチパネルを用いて手書き機能を実現した装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような装置で手書き機能を利用する場合、図8(a)に示されるように、先ず、ユーザは、タッチパネル102のアイコンエリア102aに配置されたペンアイコン23をタッチし、次に、図8(b)に示されるように、手書きエリア102bをタッチし、タッチした指等で線Lを描画する。線Lは、例えば、文字や図形を構成する。線Lを消去する場合、図9(a)に示されるように、先ず、アイコンエリア102aに配置された消しゴムアイコン24をタッチし、次に、図9(b)に示されるように、手書きエリア102bをタッチし、タッチした指等で線Lをなぞって消去する。なお、ペンアイコン23及び消しゴムアイコンとして、図形アイコンの代わりに、文字アイコンが用いられることがある(例えば、特許文献1の図13参照)。
【0004】
タッチパネルを用いた手書き機能には、図10に示されるように、消去モードがオフ(状態S0)と、消去モードがオン(状態S1)の2つの状態がある。消去モードがオフ(状態S0)のとき、ユーザがタッチパネルに線を描画し、消去モードがオン(状態S1)のとき、ユーザが線を消去する。従来の手書き機能では、これら2つの状態間の遷移に、消しゴムアイコンのタッチ(イベントe11)又はペンアイコンのタッチ(イベントe12)が必要であり、アイコンをタッチするために、手書きエリアとアイコンエリアとの間で指等の往復移動がさらに必要であり、時間と手間がかかる。このため、タッチパネルを用いた手書き機能は、迅速性を要する用途に用いることが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−92256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するものであり、タッチパネルを用いた手書き機能において、線の描画と線の消去とを迅速に切り替え可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタッチパネル入力装置は、表示部及びタッチ状態を検出するためのセンサを有するタッチパネルと、前記タッチ状態に基づいて前記表示部に画像を描画する処理部とを備えるものであって、検出される前記タッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる接触面積があり、前記処理部は、消去モードを有し、前記接触面積が所定の閾値を超えたとき、前記消去モードをオンにし、前記タッチパネルへのタッチが解除されたとき、前記消去モードをオフにし、前記タッチパネルがタッチされているときに前記消去モードがオフであれば、前記タッチ位置の移動軌跡に沿った線を前記表示部に描画し、前記消去モードがオンのとき、前記タッチ位置を含む所定範囲内の線を前記表示部から消去することを特徴とする。
【0008】
本発明のタッチパネル入力装置は、表示部及びタッチ状態を検出するためのセンサを有するタッチパネルと、前記タッチ状態に基づいて前記表示部に画像を描画する処理部とを備えるものであって、検出される前記タッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる押圧力があり、前記処理部は、消去モードを有し、前記押圧力が所定の閾値を超えたとき、前記消去モードをオンにし、前記タッチパネルへのタッチが解除されたとき、前記消去モードをオフにし、前記タッチパネルがタッチされているときに前記消去モードがオフであれば、前記タッチ位置の移動軌跡に沿った線を前記表示部に描画し、前記消去モードがオンのとき、前記タッチ位置を含む所定範囲内の線を前記表示部から消去することを特徴とする。
【0009】
本発明の入力処理プログラムは、表示部及びタッチ状態を検出するためのセンサを有するタッチパネルと、前記タッチ状態に基づいて前記表示部に画像を描画する処理部とを備えるタッチパネル入力装置で実行されるものであって、検出される前記タッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる接触面積があり、前記処理部において、消去モードを有し、前記接触面積が所定の閾値を超えたとき、前記消去モードをオンにし、前記タッチパネルへのタッチが解除されたとき、前記消去モードをオフにし、前記タッチパネルがタッチされているときに前記消去モードがオフであれば、前記タッチ位置の移動軌跡に沿った線を前記表示部に描画し、前記消去モードがオンのとき、前記タッチ位置を含む所定範囲内の線を前記表示部から消去する処理を実行させることを特徴とする。
【0010】
本発明の入力処理プログラムは、表示部及びタッチ状態を検出するためのセンサを有するタッチパネルと、前記タッチ状態に基づいて前記表示部に画像を描画する処理部とを備えるタッチパネル入力装置で実行されるものであって、検出される前記タッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる押圧力があり、前記処理部において、消去モードを有し、前記押圧力が所定の閾値を超えたとき、前記消去モードをオンにし、前記タッチパネルへのタッチが解除されたとき、前記消去モードをオフにし、前記タッチパネルがタッチされているときに前記消去モードがオフであれば、前記タッチ位置の移動軌跡に沿った線を前記表示部に描画し、前記消去モードがオンのとき、前記タッチ位置を含む所定範囲内の線を前記表示部から消去する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のタッチパネル入力装置及び入力処理プログラムによれば、線を消去するための消去モードのオンが、タッチパネルをタッチした状態で行なわれ、消去モードのオフが、タッチを解除するだけで行なわれるので、アイコンをタッチするよりも少ない操作で迅速に消去モードのオン・オフを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル入力装置のブロック構成図。
図2】同タッチパネル入力装置の動作を示す状態遷移図。
図3】同タッチパネル入力装置における線の描画を示す画面イメージ図。
図4】同タッチパネル入力装置における線の消去を示す画面イメージ図。
図5】同タッチパネル入力装置で実行される入力処理プログラムの動作を示すフローチャート。
図6】本発明の第2の実施形態に係るタッチパネル入力装置の動作を示す状態遷移図。
図7】同タッチパネル入力装置で実行される入力処理プログラムの動作を示すフローチャート。
図8】(a)(b)は、従来のタッチパネル入力装置における線の描画を時系列に示す画面イメージ図。
図9】(a)(b)は、同タッチパネル入力装置における線の消去を時系列に示す画面イメージ図。
図10】同タッチパネル入力装置の動作を示す状態遷移図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るタッチパネル入力装置及び入力処理プログラムについて、図1乃至図5を参照して説明する。図1に示されるように、タッチパネル入力装置1は、タッチパネル2と、処理部3とを備える。タッチパネル2は、表示部21及びセンサ22を有する。センサ22は、タッチ状態を検出するためのものである。処理部3は、そのタッチ状態に基づいて表示部21に画像を描画する。タッチパネル入力装置1において、検出されるタッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる接触面積がある。
【0014】
図2に示されるように、処理部3は、動作モードとして消去モードを有する。処理部3は、検出された接触面積が所定の閾値を超えたとき(イベントe1)、消去モードをオン(状態S1)にする。処理部3は、タッチパネル2へのタッチが解除されたとき、消去モードをオフ(状態S0)にする(イベントe2)。
【0015】
処理部3は、タッチパネル2がタッチされているときに消去モードがオフであれば(図2の状態S0)、図3に示されるように、タッチ位置Pの移動軌跡に沿った線Lを表示部21に描画する。線Lの描画は、タッチ位置Pを中心とする小さな範囲の色を変更することにより行われる。処理部3は、消去モードがオンのとき(図2の状態S1)、図4に示されるように、タッチ位置Pを含む所定範囲R内の線Lを表示部21から消去する。所定範囲Rは、例えば、タッチ位置Pを中心とする所定半径の円である。
【0016】
なお、消去モードのオフ(状態S0)は、「ペンモード」又は「描画モード」と呼んでもよい。消去モードのオン(状態S1)は、「消しゴムモード」と呼んでもよい。
【0017】
従来の操作方法に慣れたユーザへの配慮として、ペンアイコン23及び消しゴムアイコン24をタッチパネル2に表示してもよい(図3及び図4参照)。この場合、消しゴムアイコン24をタッチすることによって消去モードをオンにする機能(イベントe11)と、ペンアイコン23をタッチすることによって消去モードをオフにする機能(イベントe12)とが付加される(図2参照)。但し、指等を1本だけ使ってタッチする場合には、アイコンをタッチする前にタッチパネル2へのタッチが解除されるので(イベントe2)、ペンアイコン23へのタッチ(イベントe12)は無駄な操作となる。ペンアイコン23や消しゴムアイコン24は、省略しても構わない。
【0018】
タッチパネル入力装置1の構成をさらに詳述する(図1参照)。タッチパネル入力装置1は、例えば、タブレット端末等に設けられる。タッチパネル2は、薄型のタッチパネルであり、タッチされる接触面積を検出可能なものが用いられる。タッチパネル2の表示部21は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部21に有機ELディスプレイを用いてもよい。タッチパネル2のセンサ22は、例えば、静電容量方式である。処理部3は、CPU及びメモリ等で構成され、メモリに記憶された入力処理プログラムを実行することによって動作する。例えば、タブレット端末等において、処理部3のCPU及びメモリとして、タブレット端末等のCPU及びメモリ(ハードウェアリソース)が利用される。
【0019】
タッチパネル2のタッチ状態として検出されるタッチ位置とは、タッチパネル2において、タッチされた箇所のほぼ中央の2次元座標である。
【0020】
タッチパネル2のタッチ状態として検出される接触面積は、タッチされた箇所の面積の大きさである。指でタッチパネル2をタッチする場合、タッチする力を大きくすることによって、接触面積が大きくなる。また、タッチする指の部分を指先から指の腹に変えることによって、接触面積が大きくなる。なお、タッチパネル入力装置1において、この接触面積の値は、面積の単位(平方ミリメートル等)で表される値に限定されず、例えば、センサ22の出力信号の大きさをそのまま用いてもよい。
【0021】
上記のように構成されたタッチパネル入力装置1で実行される入力処理プログラムの動作を、図5を参照して説明する。入力処理プログラムの実行が開始されると(ステップS100)、先ず、処理部3において、入力処理プログラムの初期設定が行われる(ステップS101)。タッチパネル2は、初期状態ではタッチされていないので、タッチが解除されていることになり、初期設定で消去モードがオフ(OFF)にされる。また、初期設定において、消去モードをオン(ON)にする閾値が設定される。この閾値は、処理部3の不揮発性メモリに保存されており、入力処理プログラムによって読み出される。この閾値をユーザの操作によって調節できるようにしてもよい。
【0022】
次に、タッチパネル2がタッチされると(ステップS102でYes)、接触面積が読み取られる(ステップS103)。接触面積が閾値以下のとき(ステップS104でNo)、消去モードがオフのままにされる。接触面積が閾値を超えたとき(ステップS104でYes)、消去モードがオンにされる(ステップS105)。接触面積が閾値以下であっても、消去モードがオンであれば(ステップS104でYes)、消去モードはオンのままにされる(ステップS105)。
【0023】
消去モードがオフのとき、タッチ位置の移動軌跡に沿った線をタッチパネル2の表示部21に描画する(ステップS106)。消去モードがオンのとき、タッチ位置を含む所定範囲内の線を表示部21から消去する(ステップS107)。
【0024】
タッチパネル2へのタッチが解除されたとき(ステップS108でYes)、消去モードがオフにされ(ステップS109)、初期設定直後の状態に戻る。タッチパネル2へのタッチが継続しているとき(ステップS108でNo)、接触面積が読み取られる(ステップS103)。このように、入力処理プログラムが動作している間、無限ループとなる。
【0025】
上記のように、入力処理プログラムの動作において、タッチパネル2をタッチした時、接触面積が閾値以下であれば、消去モードがオフになる。タッチパネル2をタッチした時、接触面積が閾値を超えていると、タッチした時点から消去モードがオンになる。また、タッチが継続しているときに接触面積が閾値を超えると、その時点から消去モードがオンになる。
【0026】
本実施形態では、タッチが継続しているときに、タッチが解除されずに接触面積が閾値以下になっても、消去モードがオフにされない。指等のタッチによる接触面積が常に変動するため、消去モードが一旦オンになったら、接触面積が閾値以下になっても、タッチが解除されるまでは、消去モードがオンの状態を保持し、消去モードのオン・オフが不安定に変化することを防いでいる。
【0027】
以上、本実施形態に係る本実施形態のタッチパネル入力装置1及び入力処理プログラムによれば、線を消去するための消去モードのオンが、タッチパネル2をタッチした状態で行なわれ、消去モードのオフが、タッチを解除するだけで行なわれるので、アイコンをタッチするよりも少ない操作で迅速に消去モードのオン・オフを切り替えることができる。
【0028】
消去モードがオンのとき、接触面積が閾値以下になっても、タッチが解除されるまで消去モードがオンの状態を保持することにより、消去モードの不安定なオン・オフ変化が防がれる。
【0029】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るタッチパネル入力装置1及び入力処理プログラムについて、図1を流用するとともに、図6及び図7を参照して説明する。第1の実施形態と同等の箇所には同じ符号を付している。以下の説明において、第1の実施形態と同等の箇所の詳細な説明は省略する。本実施形態のタッチパネル入力装置1は、第1の実施形態と同様の構成を有する(図1参照)。このタッチパネル入力装置1において、検出されるタッチ状態には、タッチ位置及びタッチされる押圧力がある。この押圧力は、タッチよってタッチパネル2が押圧される力であり、圧力と接触面積との積の物理量である。本実施形態では、タッチパネル入力装置1は、タッチされる押圧力を検出可能なものが用いられる。
【0030】
図6に示されるように、本実施形態では、消去モードをオンにする条件として、第1の実施形態における接触面積の代わりに、タッチパネル2がタッチされる押圧力が用いられる。処理部3は、検出された押圧力が所定の閾値を超えたとき(イベントe21)、消去モードをオン(状態S1)にする。処理部3は、タッチパネル2へのタッチが解除されたとき、消去モードをオフ(状態S0)にする(イベントe2)。
【0031】
図7に示されるように、本実施形態では、入力処理プログラムの動作において、タッチパネル2がタッチされると(ステップS202でYes)、押圧力が読み取られる(ステップS203)。押圧力が閾値以下のとき(ステップS204でNo)、消去モードがオフのままにされる。押圧力が閾値を超えたとき(ステップS204でYes)、消去モードがオンにされる(ステップS205)。押圧力が閾値以下であっても、消去モードがオンであれば(ステップS204でYes)、消去モードはオンのままにされる(ステップS205)。
【0032】
消去モードがオフのとき、タッチ位置の移動軌跡に沿った線をタッチパネル2の表示部21に描画する(ステップS206)。消去モードがオンのとき、タッチ位置を含む所定範囲内の線を表示部21から消去する(ステップS207)。
【0033】
タッチパネル2へのタッチが解除されたとき(ステップS208でYes)、消去モードがオフにされ(ステップS209)、初期設定直後の状態に戻る。タッチパネル2へのタッチが継続しているとき(ステップS208でNo)、押圧力が読み取られる(ステップS203)。このように、入力処理プログラムが動作している間、無限ループとなる。
【0034】
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、タッチが継続しているときに、タッチが解除されずに押圧力が閾値以下になっても、消去モードがオフにされない。指等のタッチによる押圧力が常に変動するため、消去モードが一旦オンになったら、押圧力が閾値以下になっても、タッチが解除されるまでは、消去モードがオンの状態を保持し、消去モードのオン・オフが不安定に変化することを防いでいる。
【0035】
以上、第2の実施形態に係る本実施形態のタッチパネル入力装置1及び入力処理プログラムによれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0036】
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限られず、発明の要旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、タッチパネル入力装置1は、タブレット端末の入力装置に限定されず、パーソナルコンピュータ、電子黒板、携帯電話機、又は携帯ゲーム機等に用いてもよい。タッチパネル入力装置1は、タブレット端末等に手書きのメモを表示するために用いても、タブレット端末等に文字データを入力するための手段に利用してもよい。また、タッチパネル2をタッチする手段は、指に限定されず、例えば、先端が柔軟な棒状のものであってもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 タッチパネル入力装置
2 タッチパネル
21 表示部
22 センサ
3 処理部
L 線
P タッチ位置
R 所定範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10