【解決手段】電線30と回路基板100を、回路基板100に形成されるスルーホール101に圧入されるプレスフィット端子(クリップ)10を介して、電気的に接続する接続構造であって、プレスフィット端子10は、スルーホールに101先行して挿入される案内部15と、互いに対向する一対の弾性圧接片12a,12bの間に電線挿入空隙13を備えるプレスフィット部12と、を備える。電線31は、回路基板100のスルーホール101に圧入されるプレスフィット部12の電線挿入空隙13の内部に保持される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでプレスフィット端子は、他の端子と接続される端子接続部を備えているか、または、電線と直接的に接続される場合には、端子接続部に相当する部分に圧接又は圧着により電線が接続されていた。
本発明は、プレスフィット構造がスルーホールに挿入されると生じる弾性力を有効に利用して、電線と相手側の電子機器との新規な接続構造を提供することを目的とする。
また、本発明は、この新規な接続構造に好適な電線接続用のクリップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもとなされた本発明の電線と電子機器の接続構造は、電線と電子機器を、電子機器に形成される挿入孔に圧入されるクリップを介して、電気的に接続するものである。
本発明におけるクリップは、挿入孔に先行して挿入される案内部と、案内部に連なり、互いに対向する一対の圧接片の間に撓み空隙を備えるプレスフィット部と、を備える。
また、本発明における電線は、回路基板の挿入孔に圧入されるプレスフィット部の撓み空隙の内部に保持される。
本発明の接続構造は、クリップを挿入するだけで、つまり、はんだ付け、あるいは、圧着といった手間をかけることなく、極めて簡易な手順により、電線と電子機器の接続を実現できる。
【0007】
本発明の好ましい接続構造において、クリップは、一対の圧接片に、撓み空隙に向かって突出する、複数の突起を設ける。
突起を設けることにより、突起が電線(芯線)同士の間に食い込み、又は、電線に突き当たるので、良好な電気的な接続と機械的な接続を確保する。
【0008】
本発明の好ましい接続構造において、クリップは、一対の圧接片に、撓み空隙に向かって突出する、複数のピアス刃を設ける。
絶縁被覆を備えたままの電線を用いても、ピアス刃が絶縁被覆を突き破って、内部の電線に接触するので、クリップを介して電線と電子機器とを電気的に接続することができる。
【0009】
本発明の好ましい接続構造において、クリップは、プレスフィット部が、案内部の側に配置される基板接続部と、基板接続部に連なる電線保持部と、を備える。そして、基板接続部は、挿入孔に圧入され、電線保持部は、挿入孔の外側において、プレスフィット機能により電線を保持する。
このクリップは、電線の接続部分である電線保持部が、電子機器の挿入孔の外部にあるので、挿入孔について電線30の引き出しを考慮する必要がない。
【0010】
本発明の好ましい接続構造において、クリップは、案内部の先端が、一対の圧接片に対応して先割れしている。
電線保持部に電線を挿入する際に、先割れ部分を操作すると、一対の圧接片の間隔を拡げることができるので、電線の挿入操作が容易になる。
【0011】
本発明は、以上説明した電線と電子機器の接続構造に用いられる以下のクリップを提供する。
本発明のクリップは、プレスフィット部が、一対の圧接片に、撓み空隙に向かって突出する複数の突起が設けられることを特徴とする。
本発明の他のクリップは、プレスフィット部が、一対の圧接片に、撓み空隙に向かって突出する複数のピアス刃が設けられることを特徴とするクリップ。
【0012】
また本発明の他のクリップは、プレスフィット部が、案内部の側に配置される基板接続部と、基板接続部に連なり、基板接続部よりもプレスフィット径の大きい電線保持部と、を備える。
また本発明の他のクリップは、案内部の先端が、一対の圧接片に対応して先割れがなされている。
【発明の効果】
【0013】
本発明の接続構造によれば、クリップを挿入するだけで、つまり、はんだ付け、あるいは、圧着といった手間をかけることなく、極めて簡易な手順により、電線と電子機器の接続を実現できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
第1実施形態にかかるプレスフィット端子(クリップ)10は、
図2(d)に示すように、回路基板100のスルーホール101の内部に圧入されることで、スルーホール101の周囲に設けられる接点部103と接触し、接点部103に対応する導電パターンと電気的な接触が得られるようになっている。
【0016】
[構成]
プレスフィット端子10は、ニードルアイ型とも称される形状の部材であり、
図1に示すように、プレスフィット部12と、プレスフィット部12の一方に連なる案内部15と、プレスフィット部12の他方に連なる操作部17と、から構成される。プレスフィット端子10は、導電性及び弾性に優れた銅合金からなる板材を打ち抜き加工することで、プレスフィット部12、案内部15及び操作部17が一体的に形成される。第2実施形態のプレスフィット端子20も同様である。
【0017】
プレスフィット部12は、一対の弾性圧接片12a,12bと、弾性圧接片12a,12bの間に挟まれる電線挿入空隙13と、を備える。
弾性圧接片12a,12bは、各々、肉厚の両持ち梁の構造をなしており、電線挿入空隙13を挟んで外側へ弧状に湾曲して形成されている。したがって、弾性圧接片12a,12bは、電線挿入空隙13の案内部15の側の支持端Aと操作部17の側の支持端Bを基準にして、内側又は外側へ撓み、弾性変形が可能とされる。
弾性圧接片12a,12bは、負荷のかからない自由状態において、その外周面同士の間隔(以下、単に間隔)がスルーホール101の内径より大きく設定されている。したがって、プレスフィット部12をスルーホール101に挿入すると、電線挿入空隙13を撓み空隙として弾性圧接片12a,12bが内側へ弾性変形し、その反力により弾性圧接片12a,12bの各々の外周面がスルーホール101に臨む接点部103に圧接される。
【0018】
さて、プレスフィット部12は、プレスフィット機能を備えるのに加えて、電線30を保持する機能を備えている。つまり、本実施形態のプレスフィット端子10は、弾性圧接片12a,12bの間の空隙であるプレスフィット部12に電線30を挿入しておいて、スルーホール101に挿入する。そうすると、弾性圧接片12a,12bは、内側へ弾性変形するので、電線挿入空隙13が狭くなり、電線30を保持する。
【0019】
電線挿入空隙13は、支持端Aの側の湾曲よりも支持端Bの側の湾曲の曲率半径が大きく設定されている。この理由については、プレスフィット端子10を回路基板100に装着する手順のところで説明する。
【0020】
弾性圧接片12a,12bは、保持する電線30との電気的な接続状態及び機械的な拘束力を向上する目的で、複数の突起12cを備える。突起12cは、弾性圧接片12a,12bの各々の内周面から電線挿入空隙13に向けて微少量だけ突出する。突起12cは、電線30の隣接する芯線31の間に挿入されることで、電気的な接触面積を増加させたり、機械的な拘束力を増加させたりすることができる。また、大気中に露出している芯線31の表面には酸化膜が形成されるが、突起12cの尖った先端が接触することにより酸化膜を突き破るので、プレスフィット端子10と電線30との電気的な接続の確保に有効である。
複数の突起12cは、弾性圧接片12a,12bの軸線方向における中心よりも偏心して設けられており、全体として操作部17に近い側に配置されている。
【0021】
案内部15は、プレスフィット端子10をスルーホール101に挿入する向きの前方に位置し、プレスフィット端子10をスルーホール101に挿入する際のガイドとして機能する。そのために、案内部15は、先端が先細りになっている。
【0022】
操作部17は、プレスフィット端子10をスルーホール101に挿入する向きの後方に位置し、プレスフィット端子10をスルーホール101に挿入する際に、ここに挿入する力を作用させる。そのために、操作部17は、後端に他の部分よりも幅広で、プレスフィット端子10の軸線方向に垂直なフランジ17aを備えている。
【0023】
[装着手順]
次に、
図2を参照して、プレスフィット端子10を回路基板100に装着する手順を説明する。
回路基板100のスルーホール101は、長孔に形成されている。一般的なプレスフィット端子用のスルーホールは真円であるが、本実施形態の場合、プレスフィット端子10が保持する電線30を引き出すスペースを考慮して長孔とされている。
【0024】
はじめに、
図2(a)に示すように、プレスフィット端子10の電線挿入空隙13に電線30の芯線31を挿入する。このとき、芯線31は、概ね複数の突起12cに挟まれる領域に向けて挿入される。
【0025】
次に、
図2(b)に示すように、電線挿入空隙13に芯線31を挿入したままで、プレスフィット端子10を案内部15から回路基板100のスルーホール101に挿入する。このとき、操作部17のフランジ17aを押す。
弾性圧接片12a,12bはその間隔がスルーホール101の内径より大きく設定されているので、挿入の過程で弾性圧接片12a,12bは、スルーホール101に設けられた接点部103に接触して内側に向けて押圧されるので間隔が狭くなる。そうすると、挿入されている芯線31は、弾性圧接片12a,12bにより機械的に拘束されるとともに、電気的な接触が確保される。このとき、芯線31は応力を受ける。しかし、芯線31が配置される位置に近い支持端Bの側の湾曲の曲率半径が大きく設定されているので、芯線31が過剰な応力によって切断されるのを防ぐことができる。
【0026】
図2(c),(d)に示すように、プレスフィット端子10を必要な深さまで押し込むと、プレスフィット端子10の回路基板100への装着が完了する。
プレスフィット端子10は、プレスフィット機能を有するプレスフィット部12が、スルーホール101を貫通しており、弾性圧接片12a,12bの弾性変形の復元力によりスルーホール101の周囲にある接点部103に圧接され、機械的、電気的な接続が確保される。一方で、電線挿入空隙13の内部に挿入された電線30の芯線31は、弾性圧接片12a,12bに締め付けられることで、プレスフィット端子10と機械的、電気的な接続が確保される。結果として、電線30は、回路基板100の図示を省略する導電パターンと電気的に接続される。
【0027】
プレスフィット部12に保持される芯線31の先端部分はスルーホール101の内部に位置するが、先端部分に連なる部分は、スルーホール101から外部に引き出される。この引き出しができるスペースを確保するために、スルーホール101は長孔とされている。
【0028】
[効果]
以上で説明したプレスフィット端子10は、以下の効果を奏する。
プレスフィット端子10は、電線30が電線挿入空隙13に挿入されたままでスルーホール101に挿入すれば、回路基板100に装着することができる。したがって、本実施形態によれば、はんだ付け、あるいは、圧着といった手間をかけることなく、極めて簡易な手順により、電線30と回路基板100の接続構造を実現できる。この効果は、第2実施形態にも共通する本発明の基本的な効果である。
また、プレスフィット端子10は、弾性圧接片12a,12bに設けた突起12cが芯線31同士の間に食い込み、又は、芯線31に突き当たるので、良好な電気的な接続と機械的な接続を確保できる。
また、プレスフィット端子10は、芯線31が配置される位置に近い支持端Bの側の曲率半径が大きいので、芯線31が過剰な応力によって切断されるのを防ぐことができる。
さらに、プレスフィット端子10は、弾性圧接片12a,12bと芯線31との接続部分がスルーホール101の内部、つまり回路基板100の厚さの範囲に収まるので、当該接続部分が回路基板100の外に置かれるのに比べて、回路基板100からの突出高さを抑えることができる。
【0029】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態にかかるプレスフィット端子20を説明する。プレスフィット端子20は、スルーホール101が真円であっても挿入できる点で、第1実施形態のプレスフィット端子10と相違する。以下、
図3を参照して主にプレスフィット端子20の構成を説明した後に、
図4を参照してプレスフィット端子20を回路基板100に装着する手順を説明する。なお、プレスフィット端子10と同じ要素については、プレスフィット端子10と同じ符号を付けることで、説明を省略することがある。
【0030】
[構成]
プレスフィット端子20は、プレスフィット部21と、プレスフィット部21の一方に連なる案内部15と、プレスフィット部21の他方に連なる操作部17と、が一体的に構成されている。
【0031】
プレスフィット部21は、基板接続部23と、基板接続部23に連なる電線保持部25と、を備える。基板接続部23は案内部15の側に配置され、電線保持部25は操作部17の側に配置される。基板接続部23と電線保持部25はともにプレスフィット機能を有するが、基板接続部23はこの機能を回路基板100との接続に発揮し、電線保持部25はこの機能を電線30の保持に発揮する。つまり、第1実施形態のプレスフィット端子10は、プレスフィット部12が基板との接続及び電線の保持の両者を兼ねていたが、プレスフィット端子20は、基板との接続の役割と電線の保持の役割を分離して各々基板接続部23と電線保持部25に持たせている。
【0032】
基板接続部23は、一対の弾性圧接片23a,23bと、弾性圧接片23a,23bの間に挟まれる撓み空隙24と、を備える。
弾性圧接片23a,23bは、各々、撓み空隙24を挟んで概ねV字状に形成されている。弾性圧接片23a,23bの一方の支持端は案内部15に繋がり、他方の支持端は電線保持部25の弾性圧接片25a,25bに繋がっている。したがって、弾性圧接片23a,23bは、撓み空隙24の内側又は外側へ撓むことができる。
弾性圧接片23a,23bは、負荷のかからない自由状態において、その間隔がスルーホール101の内径より大きく設定されている。したがって、プレスフィット部21をスルーホール101に挿入すると、弾性圧接片23a,23bが撓み空隙24の中心に向けて弾性変形し、その反力により弾性圧接片23a,23bの各々の外周面がスルーホール101に臨む接点部103に圧接される。
【0033】
次に、電線保持部25は、一対の弾性圧接片25a,25bと、弾性圧接片25a,25bの間に挟まれる電線挿入空隙26と、を備える。
弾性圧接片25a,25bは、各々、電線挿入空隙26を挟んで外側へ弧状に湾曲して形成されている。弾性圧接片25a,25bの一方の支持端は基板接続部23の弾性圧接片23a,23bに繋がり、他方の支持端は操作部17に繋がっている。したがって、弾性圧接片25a,25bは、電線挿入空隙26の内側又は外側へ撓むことができる。弾性圧接片25a,25bで取り囲まれる電線挿入空隙26は、概ね真円に近い形をしている。
電線挿入空隙26の開口径、つまり弾性圧接片25a,25bの間隔は、芯線31を保持するために、弾性圧接片23a,23bの間隔よりも広い。
【0034】
したがって、プレスフィット部21の基板接続部23をスルーホール101に挿入すると、まずは弾性圧接片23a,23bが撓み空隙24の中心に向けて弾性変形し、その反力により弾性圧接片23a,23bの各々の外周面がスルーホール101に臨む接点部103に圧接される。さらに、弾性圧接片23a,23bの弾性変形に追従して、弾性圧接片25a,25bが電線挿入空隙26の中心に向けて弾性変形することで、電線30を保持する。
なお、弾性圧接片25a,25bに第1実施形態の突起12cを設けてもよい。
【0035】
[装着手順]
次に、
図4を参照して、プレスフィット端子20を回路基板100に装着する手順を説明する。
はじめに、
図4(a)に示すように、プレスフィット部21の電線挿入空隙26に電線30の芯線31を挿入する。
次に、
図4(b)に示すように、プレスフィット部21の電線挿入空隙26に芯線31を挿入したままで、プレスフィット端子20を案内部15から回路基板100のスルーホール101に挿入する。挿入は、基板接続部23がスルーホール101を貫通するまで行なう。なお、回路基板100のスルーホール101は真円である。
弾性圧接片23a,23bはその間隔がスルーホール101の内径より大きいで、挿入の過程で弾性圧接片23a,23bは、スルーホール101に設けられた接点部103に接触して撓み空隙24の内側に向けて弾性変形し、間隔が狭くなる。
弾性圧接片23a,23bの間隔が狭くなるのに追従して、弾性圧接片25a,25bの間隔、特に、弾性圧接片23a,23bと連なる側の間隔が狭くなり、電線挿入空隙26に挿入された芯線31を周囲から締め付ける。
【0036】
図4(c),(d)に示すように、プレスフィット端子20を必要な深さまで押し込むと、プレスフィット端子20の回路基板100への装着が完了する。
プレスフィット端子20は、プレスフィット部21の中で基板接続部23が、スルーホール101を貫通しており、弾性圧接片23a,23bの弾性変形の復元力によりスルーホール101の周囲にある接点部103に圧接され、機械的、電気的な接続が確保される。一方で、電線挿入空隙26の内部に挿入された電線30の芯線31は、弾性圧接片25a,25bに締め付けられることで、プレスフィット端子20と電気的な接続が確保される。
【0037】
[効果]
以上で説明したプレスフィット端子20により得られる効果を説明する。ただし、第1実施形態で述べた基本的な効果は除く。
はじめに、プレスフィット端子20は、回路基板100との接続を電線30が挿入されない基板接続部23が担うので、スルーホール101は電線30の引き出しを考慮する必要がない。したがって、第2実施形態の場合、スルーホール101は長孔でなくて真円でよいので、スルーホール101の形成が容易である。つまり、切削によりスルーホール101を形成する場合、真円であれば一般的なドリルで容易に形成できるが、長孔の場合には、例えば、真円を複数回にわたり穿孔する必要がある。
次に、プレスフィット端子20は、電線保持部25による芯線31の締め付けは、弾性圧接片25a,25bに連なる弾性圧接片23a,23bの弾性変形によるものであるから、過剰な力が芯線31に加わることは考えにくい。
また、プレスフィット端子20は、電線保持部25が回路基板100よりも上方に置かれるので、第1実施形態とは異なり、電線30の接続部分は外部に露出する。したがって、プレスフィット端子20と電線30の接続状態を容易に確認することができる。加えて、電線保持部25はスルーホール101の大きさに比べ大きくとることができるため、電線30を複数本挿入することができる。
【0038】
[変更例]
本発明は、以上で説明した実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることができる。
例えば、回路基板100の接点部103と接続する例について説明したが、複数枚の回路基板をスルーホールが一致するように配列し、そのスルーホールに本実施形態によるプレスフィット端子を挿入することで、複数枚の回路基板における導電パターンを電気的に接続することもできる。
また、以上では、回路基板100の一部に装着される一つのプレスフィット端子10について説明したが、本発明は、回路基板100に複数のプレスフィット端子10,20を装着できる。
また、本発明は回路基板を含む電子機器に広く適用することができ、また、プレスフィット端子10,20が圧入されるのもスルーホールに限らず底のある穴に圧入することもできる。
また、本発明は、
図5(a)に示すように、弾性圧接片12a,12bに設けた突起12cを先端が鋭利なピアス刃12dに代えることもできる。絶縁被覆33を被ったままの電線30が電線挿入空隙13に挿入されたプレスフィット端子10をスルーホール101に挿入すると、弾性圧接片12a,12bが電線30を締め付けるとともに、ピアス刃12dが絶縁被覆33を突き破って内部の芯線31に接触する。
【0039】
また、第2実施形態のプレスフィット端子20において、
図5(b)に示すように、案内部15の先端に先割れ15aを設けることができる。そうすれば、電線保持部25に芯線31を挿入する際に、弾性圧接片23a,23bを介して弾性圧接片25a,25bの間隔を拡げることができるので、芯線31の挿入操作が容易になる。
以上の変形例以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。