【解決手段】 本発明の一態様に係る照明ランプは、筒状の第1筐体部318と、第1筐体318上の端部31s1を露出させるように第1筐体318上に配置された、上端部の外径寸法R2が下端部の外径寸法R1より小さい錐状の第2筐体部317と、第2筐体部317上に配置された光源部1と、光源部1を覆うように端部に沿って配置された透光性のカバー2と、を備え、光源部1は、カバー2の頂部bと端部31s1とを結んで形成された錐状空間g内に収められるように配置した。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態に係る照明ランプ、および照明ランプが取り付けられた照明装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの主要な構成を示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態1に係るカバーの斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態1に係る点灯装置の側面図である。
図4は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの主要な構成を示す正面視断面図であって、
図5におけるC−C断面図である。
図5は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの主要な構成を示す側面視断面図であって、
図4におけるA−A断面図である。
図6は、
図4、5におけるB−B断面図である。
図7は、
図6におけるH1部およびH2部の部分拡大断面図である。
なお、
図4〜7における点灯装置5は、説明に必要となる点灯回路基板500のみを図示したものである。
【0012】
図1および
図4〜6に示すように、実施の形態1に係る照明ランプ100は、光源部1、カバー2、筐体部3、口金4、および筐体部に収納される点灯装置5を有する電球形の照明ランプである。
実施の形態1において、光源部1は、光源である発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下、LED)素子10と、LED素子10が実装されるLED基板11とを備えている。LED基板11は円板形状をしており、板面が照明ランプ100の軸方向と直交するように配置されている。LED基板11は、LED素子が実装される一面側がLED実装部113であり、LED実装部と対向する他面側が後述する金属筐体31に取り付けられる金属筐体取付け部114である。LED基板11のLED実装部113には、複数のLED素子10がLED基板11の外周と同心の円周上に実装されている。LED基板11の形状や寸法、LED素子10の個数や配置位置などは、照明ランプ100の設計仕様に応じて適宜決定される。
【0013】
LED基板11は、所定の間隔で設けられた第1貫通孔110および第2貫通孔111と、ワイヤーハーネスなどの配線部材(図示せず)等を通過させるための第3貫通孔112を有する。第1貫通孔110および第2貫通孔111には、光源部1を筐体部3に取り付けるために用いる、ねじ9を挿通する。
【0014】
LED基板11の第1貫通孔110および第2貫通孔111は、後述する金属筐体31の光源取付け部313に設けられた第1貫通孔310および第2貫通孔311とそれぞれ連通するように所定の間隔で配置されており、後述する樹脂筐体30に設けられた第1ボス303および第2ボス304のねじ孔にさらに連通している。光源部1は、連通した第1貫通孔310および第2貫通孔311に挿通し、ねじ孔にねじ込まれる2つのねじ9を用いて、光源取付け部313に取り付けられる。なお、ねじは2つに限らず、LED基板11、金属筐体31、および樹脂筐体30が相互に固定されていればよい。
【0015】
光源部1の構成要素には、LED素子10とLED基板11のほか、点灯装置5と電気的に接続されてLED素子10を点灯させるための点灯電力を点灯装置5から光源部1に伝達するワイヤーハーネスやコネクタなどの配線部材(図示せず)、および照明ランプ100の設計仕様に応じて必要となる電子部品などが含まれる。
なお、本実施の形態における照明ランプ100は、光源としてLED素子以外の素子が用いられてもよい。光源として用いられるLED素子以外の素子としては、例えば、レーザダイオード(Laser Diode)、有機EL(Organic Electro−Luminescence)などがあり、光を発するものであれば、これら以外のものを用いてもよい。
また、LED基板11の面積やLED基板11に実装されるLED素子10の配置や数によっては、LED基板11に貫通孔を設けることが困難な場合がある。このような場合は、光源部1は、ねじ以外に両面テープなどの接着部材を用いて金属筐体31(後述)の光源取付け部313に取り付けられてもよい。
【0016】
カバー2は、LED素子10から出射した光を透過する透光性の素材(例えばガラスや樹脂など)で構成され、光源部1の光の出射側を覆うように金属筐体31に取り付けられている。カバー2を樹脂で構成する場合は、例えばポリカーボネートやアクリル等が製品仕様に応じて用いられる。本実施の形態に係るカバー2は、
図2に示すように、外形が曲面形状であって全体として半球状の形状をなしている。そして、カバー2の開口端部22は、後述する金属筐体31の最大外径部31s1に設けられたカバー取付け部314に取り付けられている。カバー2は、開口端部22から頂部bまでの距離(深さ寸法)がL3である。
カバー2は、透光性(光を透過する性質)を有し、光源部1から出射される光を透過させるとともに、照明ランプ100の仕様に応じて、光を拡散、反射、集光、反射、散乱させる機能を有してもよい。これらの機能は、拡散層(あるいは面)、反射層(あるいは面)、レンズとして、ガラスまたは樹脂をなどの基材を用いてカバー2を成形する際に基材自身に直接形成してもよいし、基材の表面にこれらの機能を有する別の部材を組み合わせて付設する構成としてもよい。
カバー2が有する機能として、カバー外面部20から出射される光の向きは、カバー内面部21に入射される光の向きに依存するように調整される。
【0017】
筐体部3は、内部に点灯装置5が収納される樹脂筐体30と、樹脂筐体30の外周を覆うように取り付けられる金属筐体31とを備える。
樹脂筐体30は、電気絶縁性を有し、アクリルやポリカーボネートなどの樹脂素材やセラミックなどを用いて形成される。樹脂筐体30は筒状の形状をなし、筒状の外周部に金属筐体31が取付けられる金属筐体取付け部306Aと、筒状の外周部に口金4を取付けられる口金取付け部306Bと、両者を連接する第3錐状部307とで構成されている。
【0018】
樹脂筐体30は、内部に点灯装置5を収納できるように収納空間を有するとともに、光源部1側と口金4側とに開口部が形成される。収納空間は内径が大きい光源部1側の第1収納空間と、第1収納空間の内径よりその内径が小さい口金4側の第2収納空間と、その間に位置してこれら2つの空間を連接する錐状の第3収納空間から構成され、直径が大きい光源部1側の開口部から点灯装置5が挿入される。第1収納空間は金属筐体取付け部306Aによって、第2収納空間は口金取付け部306Bによって、第3収納空間は第3錐状部307によって、それぞれ覆われている。
【0019】
樹脂筐体30の光源部1側の開口部には、樹脂筐体内周面部300から樹脂筐体30の中心軸に向かって突設するように第1ボス303および第2ボス304が形成されている。第1ボス303と第2ボス304とは、樹脂筐体30の周方向において180度離れた位置に、樹脂筐体30の中心軸を挟んで対向する2箇所に設けられている。樹脂筐体30の中心軸は、照明ランプ100の中心軸Oに重なる。第1ボス303および第2ボス304の中心軸に設けられるねじ孔(図示せず)には、LED基板11と金属筐体31とを、樹脂筐体30に固定するためのねじ9がねじ込まれる。これらを締結して固定するための締結部材は、ねじ9の他に、リベットや圧入ボルトなどが用いられてもよく、その場合は、適宜ねじ孔(図示せず)の形状を代えて第1ボス303と第2ボス304とが形成される。第1ボス303および第2ボス304は、樹脂筐体30中心軸に平行に第3錐状部307まで延伸して第1リブ301と第2リブ302とが形成され、樹脂筐体30を補強するとともに変形を抑制している。
【0020】
また、
図5〜7に示すように、点灯装置5は、点灯回路基板500の長辺縁部の少なくとも一部を、第1ボス303および第2ボス304、あるいは、第1リブ301および第2リブ302に当接させて樹脂筐体30内に保持される。点灯回路基板500は、樹脂筐体30の第1収納空間の形状に対応した幅広部、樹脂筐体30の第2収納空間の形状に対応した幅狭部、および樹脂筐体30の第3収納空間の形状に対応し、幅広部と幅狭部とを連接するテーパー部を有している。
なお、樹脂筐体30は、好適に成形を行うために、第1リブ301および第2リブ302に対向する樹脂筐体外周面部306に溝部(図示せず)を設けてもよい。
【0021】
点灯装置5は、点灯回路基板500に複数の点灯回路部品50が実装されて、樹脂筐体30の光源部1側から樹脂筐体30に挿入される。そして、点灯回路基板500の長辺縁部の少なくとも一部が、第1当接部80を構成する第1ボス303や第1リブ301、第2当接部81を構成する第2ボス304や第2リブ302に当接する。そして、点灯回路基板500の長辺縁部の少なくとも一部は、第3当接部82および第4当接部83を構成する樹脂筐体内周面部300に当接する。
このように、実施の形態1に係る照明ランプ100において、樹脂筐体30の内部に設けられ、LED基板11、樹脂筐体30、金属筐体31を相互に固定(締結)する際に用いるねじ9をねじ込む第1ボス303および第2ボス304は、点灯回路基板500を保持する構成を兼ねて形成されている。また、点灯回路基板500は上述した第1当接部80、第2当接部81、第3当接部82、第4当接部83の4つの当接部によって保持される。なお、点灯回路基板500が樹脂筐体30内で安定に保持されていれば、必ずしも4つの当接部の全てが点灯回路基板500の長辺縁部に当接していなくてもよい。
【0022】
口金4は、樹脂筐体30の口金取付け部306Bと嵌合するとともに、点灯装置5へ接続される第1給電線(図示せず)を挟持し固定する挟持部40と、点灯装置5へ接続される第2給電線(図示せず)を固定する中心電極41とを有する。
口金4は、照明装置150(例えば、
図23を参照)が備えるランプソケット160に螺合して取り付けられる構造を有している。そして口金4は、商用電源などから供給される電力を、照明装置150を経由して照明ランプ100に入力するための入力端である。
【0023】
金属筐体31は、熱伝導性を有する金属材料(例えば、アルミニウム)などを用いて有底筒状に一体成形されている。底部の外面側には、光源部1(LED基板11)が取り付けられる光源取付け部313として、平坦な面が形成されており、金属筐体31は、外面側と対向する底面部の内面側がくり抜かれた有底筒状の凹形状をしている。
【0024】
本実施の形態において、金属筐体31は、口金4側に配置される第1筐体部318と、光源部1側に配置される第2筐体部317とが一体的に形成されている。金属筐体31は、第1筐体部318の光源部1側の端部を露出するように、第1筐体部318の光源部1側の端部に第2筐体部317が配置されている。第1筐体部318の光源部1側の端部は、金属筐体31の最大の外径寸法R1を有する最大外径部31s1である。第1筐体部318は、口金4側の端部が外径寸法R1より小さい外径寸法である錐状の形状に形成されている。そして、第2筐体部317は、光源部1側の端部が外径寸法R1より小さい外径寸法R2である錐状の形状に形成されている。
【0025】
換言すると、金属筐体31の筒状の外周部の形状は、最大の外径寸法R1を共有する円形の底面どうしを重ねた、光源部1側に向かって円形の断面形状を維持しながら徐々に外径寸法が小さくなる第1錐状部317sと、口金4側の開口端部31Bに向かって円形の断面形状を維持しながら徐々に外径寸法が小さくなる第2錐状部318sとを組み合せた形状である。すなわち、光源取付け部313の直径寸法R2は、金属筐体31の最大の外径寸法R1より小さい。そして、光源取付け部313に取り付けられるLED基板11の直径寸法(
図8のR4)は、光源取付け部313の直径寸法R2より小さい。
【0026】
好ましくは、第2筐体部317の光源取付け部313や第1錐状部317sの表面、さらにLED基板11のLED実装部113には、光の反射や拡散を促進する反射部材や拡散部材を敷設する処理が施される。
【0027】
金属筐体31の凹部には、開口側から樹脂筐体30の金属筐体取付け部306Aが挿入される。樹脂筐体30が金属筐体31に挿入され、樹脂筐体30と金属筐体31とで形成される空間に点灯装置5が収納される。金属筐体31の光源取付け部313には、樹脂筐体30の内部に収納された点灯装置5と光源部1とを電気的に接続するためのワイヤーハーネスなどの配線材(図示せず)を通過させる第3貫通孔312が設けられている。
【0028】
さらに、金属筐体31の光源取付け部313には、第1貫通孔310と第2貫通孔311とが、それぞれ樹脂筐体30の第1ボス303および第2ボス304に対応する位置に設けられている。2つのねじ9の一方は貫通したLED基板11の第1貫通孔110と金属筐体31の第1貫通孔310とに挿通させて第1ボス303にねじ込まれ、他方は貫通したLED基板11の第2貫通孔111と金属筐体31の第2貫通孔311とに挿通させて第2ボス304にねじ込まれることで、LED基板11と樹脂筐体30と金属筐体31とを固定することができる。
【0029】
また、点灯装置5と金属筐体31の間には樹脂蓋(図示せず)を設けてもよく、樹脂筐体30と金属筐体31とで形成される空間に点灯装置5が収納された際に、点灯装置5が挿入方向にぐらつくことを抑制できる。樹脂蓋(図示せず)は、樹脂筐体30の光源部1側の開口部側から樹脂筐体30の内部に挿入されたり、樹脂筐体30の光源部1側の開口端部30Aに一面を当接させたりして、樹脂筐体30の光源部1側の開口部を塞ぐように配設される。樹脂蓋(図示せず)の配線筒部(図示せず)は、金属筐体31の光源取付け部313に設けられた第3貫通孔312と嵌合し、樹脂筐体30の内部に収納された点灯装置5と光源部1とを電気的に接続するためのワイヤーハーネスなどの配線材(図示せず)は、配線筒部(図示せず)の内部を通過させる。
【0030】
そして、金属筐体31の最大の外径寸法R1を有する最大外径部31s1には、全周に渡ってカバー取付け部314が形成されており、光源部1、光源取付け部313、および第2筐体部317(第1錐状部317s)を覆って、カバー2が取付けられる。このように、カバー2、筐体部3(樹脂筐体30、金属筐体31)および口金4は、全体として電球形の外形をなしている。
このような複雑な形状をした金属筐体31は、一体形成されているので製造工程は簡素であり安価に製造できる。
なお、本実施の形態に係る筐体部3は円筒形状の例を図示しているが、これに限定されるものではない。
【0031】
また、
図1〜7に示した金属筐体31の第1筐体部318(第2錐状部318s)は、口金4側の開口端部31Bに向かって円形の断面形状を維持しながら、略直線的に徐々に外径寸法が小さくなるように描かれているが、これに限定されるものではない。すなわち、第1筐体部318(第2錐状部318s)の外周部は、外側にわずかに膨らんだ凸状の曲面でもよいし、内側にわずかにへこんだ凹状の曲面でもよい。さらに、凸状の曲面と凹状の曲面とを組み合せた複合曲面でもよい。
【0032】
点灯装置5は、点灯回路基板500に点灯回路部品50を実装して構成される。点灯装置5は、点灯回路部品50によって構成され、商用電源などから供給される交流電力を、LED素子10を駆動する直流電力に変換するAC−DCコンバータ回路(図示せず)を備える。すなわち、点灯装置5は、口金4から入力された商用電力を、LED素子10を駆動する駆動電力に変換して、LED素子10に供給する。
点灯回路部品50には、FETなどのスイッチング素子、商用電源などから供給される交流電力を整流する整流ダイオード、脈流を平滑するコンデンサ、スイッチング素子の駆動制御を行う制御ICなどが含まれる。
好ましくは、点灯装置5は、LED素子10を安定駆動するために、負荷変動の検出機能、負荷変動に応じてAC−DCコンバータ回路から出力される駆動電流を制御する制御機能、および商用電力の供給経路を介して流入および/または流出するノイズを除去または低減するフィルタ機能などをさらに有する。
【0033】
図5〜7に示すように、点灯回路基板500の第1当接部580は、第1ボス303の第1当接部380と当接する(第1当接部80)。点灯回路基板500の第2当接部581は、第2ボス304の第2当接部381と当接する(第2当接部81)。点灯回路基板500の第3当接部582は、第1ボス303の第1当接部380近傍の樹脂筐体内周面部300である第3当接部382と当接する(第3当接部82)。点灯回路基板500の第4当接部583は、第2ボス304の第4当接部383近傍の樹脂筐体内周面部300である第4当接部383と当接する(第4当接部83)。このように、点灯回路基板500の4つの当接部は、樹脂筐体30の4つの当接部、すなわち樹脂筐体内周面部300の2つの当接部と、第1ボス303と第2ボス304との当接部とにそれぞれ当接することによって、樹脂筐体30の内部に保持される。
【0034】
そして、第1当接部80、第2当接部81、第3当接部82、および第4当接部83を除いて、樹脂筐体内周面部300と、点灯回路基板500および点灯回路基板500に実装される点灯回路部品50との間に所定の空間が設けられ、点灯回路基板500および点灯回路部品50には機械的応力(ストレス)が加わらないように点灯装置5が配設されている。
【0035】
以上のように、本実施の形態に係る照明ランプ100は、点灯装置5(点灯回路基板500)を保持する構造と、光源1(光源基板11)を固定する構造とを兼用しているので、筐体部3の樹脂筐体30が簡素に構成できる。
すなわち、樹脂筐体30の内面部には複雑な保持構造を必要としないため、長尺の点灯装置5(点灯回路基板500)を樹脂筐体30の長尺狭小の内部空間に安定的に保持する構造として好適である。
【0036】
本実施の形態に係る照明ランプ100の組み立てについて説明する。
点灯装置5を樹脂筐体30に挿入し、口金4を樹脂筐体30に嵌合し、第1給電線(図示せず)および第2給電線(図示せず)を用いて点灯装置5と口金4とを電気的に接続し、点灯回路基板500を固定する。
その後、ねじ9を樹脂筐体30の第1ボス303および第2ボス304に連通するLED基板11と金属筐体31との開孔(第1貫通孔110、310、第2貫通孔111、311)から貫通させ、第1ボス303および第2ボス304にねじ込むことにより、LED基板11と樹脂筐体30と金属筐体31とを相互に固定する。
そして、発光手段であるLED素子10が実装されるLED基板11と第2筐体部317(第1錐状部317s)とを覆うように、金属筐体31のカバー取付け部314にカバー2が取り付けられる。照明ランプ100は、このようにして組み立てられる。
【0037】
以上のように、本実施の形態に係る照明ランプ100は、一体形成された金属筐体31と、点灯装置5を保持する構造と光源1を固定する構造とを兼用した樹脂筐体30を用いたことによって、照明ランプ100の組立工程も簡素になる。このため、製造コストを削減することができる。
【0038】
なお、点灯装置5の機械的固定や点灯装置5が発する動作熱の放伝達放散などを目的として、樹脂筐体30内の樹脂筐体内周面部300と点灯装置5との間隙に熱伝導性の充填部材(図示せず)のなどを充填しても良い。これによって、樹脂筐体30内での点灯装置5のガタツキを防止したり、点灯装置5の動作品質を向上させたりすることができる。
【0039】
(第1の特徴と効果)
次に、
図8、9を参照して、本発明の第1の特徴と効果について説明する。
図8は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの第1の特徴の全体を説明する図である。
図9は、本発明の第1の特徴と効果の細部を説明する図である。
【0040】
図8、9に示すように、点aはLED基板11の中心点であり、点bはカバー2のカバー内面部21の頂点(頂部)であり、いずれも照明ランプ100の中心軸O(一点鎖線)と交差する点である。
上述したとおり、LED基板11は円板形状をなす。また、光源取付け部313は円形状をなし、第2筐体部317(第1錐状部317s)の最大外径部31s1(すなわち金属筐体31の最大外径部31s1)は、照明ランプ100の中心軸Oと直交する断面形状が円形の形状をなしている。第2筐体部317(第1錐状部317s)の最大外径部31s1(すなわち金属筐体31の最大外径部31s1)は、照明ランプ100の最大外径部である。
【0041】
点cはLED基板11の外周縁部の、点dは光源取付け部313の外周縁部の、点eは第1錐状部317の最大外径部の、点Fは金属筐体31の最大外径部31s1の、それぞれ本断面図上の1点を示しており、点c、点d、点e、点fは、それぞれ周方向に連続した周縁部を形成している。
そして、本断面図上の点bと点fと結ぶ点線s−sは、照明ランプ100の中心軸O(一点鎖線)との間に角度θ1を有しており、周方向に連続して点Bを頂点とする円錐形の仮想側面部を形成している(
図1における錐状空間gの側面部)。
【0042】
実施の形態1に係る照明ランプ100は、断面が(最大の外径寸法である)直径R1の円形をなす最大外径部31s1を有し、R1より小さい直径R2である円形の光源取付け部313が、最大外径部31s1を基準としてカバー2の頂部b側にL2だけ変移させて形成されており、LED素子10が実装されたLED基板11は光源取付け部313に取付けられている。このとき、光源取付け部313と頂部bとの距離(最小寸法)はL1である。
【0043】
このとき、光源取付け部313の外周縁部の本断面図上の1点である点dは、点線s−s上に位置している。すなわち、光源取付け部313の周方向に連続する周縁部は、頂部bを頂点とする点線s−sを含む円錐形の仮想側面上に位置している。
また、LED基板11の外周縁部の本断面図上の1点である点cは、点線s−s上に位置している。すなわち、LED基板11周方向に連続する周縁部は、頂部bを頂点とする点線s−sを含む円錐の仮想側面上に位置している。
【0044】
LED素子10から出射された光が、カバー2によって拡散されたり反射されたりした拡散光や反射光の一例として、カバー内面部21の頂部bから口金4側に出射される光は、その一部が頂部b→点c→点d→点e→点fの経路を介して、照明ランプ100から、LED素子10よりも口金4側の領域に出射される(
図8の矢印xの向きに出射)。つまり、本実施の形態における理論上の光の照射角度は、
360−(2*θ1)〔度〕 ・・・(1)
で定義される。
【0045】
このように、照明ランプ100を構成することによって、LED素子10から出射された光が、カバー2によって拡散されたり反射されたりした拡散光や反射光は、LED素子10よりも口金4側の領域に効率的に出射されるので、照明ランプ100の配光を広げることができる。
さらに、金属筐体31は一体成形によって製造できる形状としているため、構成が簡素であるとともに、照明ランプ100の組み立ての工程も簡素にできる。このため、本発明は、照明ランプの製造コストを抑制する効果も合せて奏するものである。
【0046】
以上、
図8を用いて、頂部b、点c、点d、点e、点fを点線s−s上に位置させた構成について例示して本実施の形態を説明したが、この構成に限定されるものではない。本発明は、LED素子10を除く光源部1の構成要素(LED基板11)や筐体部3などの遮光性を有する構成要素を、中心軸Oと点線s−sで挟まれた領域に形成することによっても、同様の効果を奏するものである。
つまり、光源取付け部313の周方向に連続する周縁部は、頂部bを頂点とする点線s−sを含む円錐の仮想側面より中心軸O側に位置するように構成してもよいし、LED基板11周方向に連続する周縁部は、頂部bを頂点とする点線s−sを含む円錐の仮想側面より中心軸O側に位置するように構成してもよい。
【0047】
ここで、R1>R2の関係を維持しながらR2をより大きな寸法としてLED素子10をLED基板11のさらに周縁部側に実装したり、L1をより大きな寸法としたり、θ1をより小さな角度としたりすることなどは、照明ランプ100の配光を広げるために有効であるが、照明器具への装着を踏まえた照明ランプ100の外観形状や外観寸法、LED素子10や点灯装置5が発する動作熱の伝達や放散とのバランスなどが勘案されるべきであることは言うまでもない。
【0048】
(第2の特徴と効果)
次に、
図10〜13を参照して、本発明の第2の特徴と効果について説明する。
図10は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの第2の特徴を説明する断面図である。
図11〜13は、本発明の特徴を説明するために例示した、従来の照明ランプの主要な構成を示す断面図である。
【0049】
上述したように、本実施の形態に係る照明ランプ100は、熱伝導性を有する金属材料(例えば、アルミニウム)などを用いて有底筒状に一体成形された金属筐体31を備えている。底面部の外面側には光源部1が取り付けられる光源取付け部313としての平坦な面が形成されており、外面側と対向する底面部の内面側がくり抜かれた凹形状をなしている。
【0050】
また、金属筐体31の筒状の外周部の形状は、最大の外径寸法R1を共有する円形の底面どうしを重ねた、光源部1側に向かって円形の断面形状を維持しながら徐々に外径寸法が小さくなる第1錐状部317sと、口金4側の開口端部31Bに向かって円形の断面形状を維持しながら徐々に外径寸法が小さくなる第2錐状部318sとを組み合せた形状である。すなわち、光源取付け部313の直径寸法R2は、金属筐体31の最大の外径寸法R1より小さい。そして、光源取付け部313に取り付けられるLED基板11の直径寸法(それぞれ
図8のR4)は、光源取付け部313の直径寸法R2より小さい。
【0051】
金属筐体31の凹部には、開口部側から樹脂筐体30の金属筐体取付け部306Aが挿入される。樹脂筐体30が金属筐体31に挿入され、樹脂筐体30と金属筐体31とで形成される空間に点灯装置5が収納される。
【0052】
図10に示すように、照明ランプ100の長尺方向の最大寸法はLt1である。また、点灯装置5を構成し点灯回路部品(図示せず)が実装される点灯回路基板500は、樹脂筐体30に収納可能な外形形状を有しており、点灯回路基板500の長尺方向の最大寸法はLp1である。そして、理論上の光の照射角度は、
360−(2*θ1)〔度〕 ・・・(1)
である。
【0053】
本実施の形態における金属筐体31は、錐状の第2筐体部317(第1錐状部317s)を有しており、金属筐体31の凹部は第2筐体部317(第1錐状部317s)の領域まで深く延在させて形成されている。そして、樹脂筐体30の金属筐体取付け部306Aは、第2筐体部317(第1錐状部317s)の領域まで深く延在した金属筐体31の凹部に挿入され、金属筐体取付け部306Aを含む樹脂筐体30の内部に点灯装置5が収納される。
【0054】
このように、金属筐体31は錐状の第2筐体部317(第1錐状部317s)を有しているため、金属筐体31の第2筐体部317(第1錐状部317s)の領域まで深く延在させて凹部を形成することができる。これによって、点灯装置5を収納するための収納空間を、照明ランプ100の軸方向の光源部1側に大きく延在させて形成することができる。
さらに、金属筐体31は一体成形によって製造できる形状としているため、構成が簡素であるとともに、LED素子10や点灯装置5から発せられる動作熱を効率的に伝達して照明ランプ100の外部へ放散させることができる。このため、本発明は、照明ランプの製造コストを抑制したり、動作品質を向上させたりする効果も合せて奏するものである。
【0055】
ここで、
図11〜13を参照して、従来技術の課題について補足的に説明する。
図11は、錐状の第2筐体部(第1錐状部)を備えない金属筐体36を用いて構成される、従来の照明ランプの一例を示す断面図である。
図11に示すように、照明ランプ600の長尺方向の最大寸法はLt1である。また、理論上の光の照射角度は、
360−(2*θ1)〔度〕 ・・・(1)
である。
照明ランプ600は、錐状の第2筐体部(第1錐状部)を備えない金属筐体36を用いて構成されているため、点灯回路基板506の長尺方向の最大寸法はLp2である。従来技術における点灯回路基板506の長尺方向の最大寸法Lp2と、本発明における点灯回路基板500の長尺方向の最大寸法Lp1とを比較すると、
Lp2<Lp1 ・・・(2)
である。
【0056】
つまり、従来技術における点灯回路基板506の長尺方向の最大寸法は、本発明における点灯回路基板500の長尺方向の最大寸法Lp1よりも大きくできないため、回路基板506に実装できる点灯回路部品の大きさや数に制約を受ける。このため、従来技術の照明ランプ600は小型の点灯装置しか収納することができないので、充分な出力特性を得ることが困難である。
【0057】
図12は、錐状の第2筐体部(第1錐状部)を備えない金属筐体36aを用いて構成される、従来の照明ランプの別の一例を示す断面図である。
図12に示すように、照明ランプ600aの長尺方向の最大寸法はLt2である。また、理論上の光の照射角度は、
360−(2*θ1)〔度〕 ・・・(1)
である。
照明ランプ600aは、本発明における点灯回路基板500を用いた点灯装置5を備えている。点灯回路基板500の長尺方向の最大寸法はLp1である。従来技術における照明ランプ600aは、錐状の第2筐体部(第1錐状部)を備えない金属筐体36aを用いて構成されるため、照明ランプ600aの長尺方向の最大寸法はLt2となっている。照明ランプ600aの長尺方向の最大寸法Lt2と、本発明における照明ランプ600の長尺方向の最大寸法Lt1とを比較すると、
Lt2>Lt1 ・・・(3)
である。
【0058】
つまり、従来技術における照明ランプ600aの長尺方向の最大寸法は、本発明における照明ランプ600の長尺方向の最大寸法Lt1よりも大きくなるため、照明ランプ600aは外形寸法が大きくなる。このため、照明器具によっては、照明ランプ600aを取り付けることができないことがあるほか、包装容積も大きくなることから物流効率を悪化させる要因ともなる。
【0059】
図13は、錐状の第2筐体部(第1錐状部)を備えない金属筐体36aを用いて構成される、従来の照明ランプのさらに別の一例を示す断面図である。
図13に示すように、照明ランプ600bの長尺方向の最大寸法はLt1である。
照明ランプ600bは、本発明における点灯回路基板500を用いた点灯装置5を備えている。点灯回路基板500の長尺方向の最大寸法はLp1である。従来技術における照明ランプ600bは、長尺方向の最大寸法をLt1としているものの、錐状の第2筐体部(第1錐状部)を備えない金属筐体36aを用いて構成されているため、理論上の光の照射角度は、
360−(2*θ2)〔度〕 ・・・(4)
である。
ここで、θ2>θ1であり、照明ランプ600bの理論上の光の照射角度と、本発明における照明ランプ600の理論上の光の照射角度とを比較すると、
360−(2*θ2)〔度〕<360−(2*θ1)〔度〕 ・・・(3)
である。
【0060】
つまり、従来技術における照明ランプ600bの理論上の光の照射角度は、本発明における照明ランプ600の理論上の光の照射角度よりも小さくなるため、照明ランプ600bは光の照射範囲が狭くなる。このため、用途が限定され商品性を低くしてしまう要因ともなる。
【0061】
以上、いくつかの従来技術に係る照明ランプとの比較からも明らかなように、本発明における照明ランプ100は、錐状の第2筐体部(第1錐状部317)を備えた金属筐体31を用いて構成されることによって、小型で広配光の特性を有するとともに、大きな内部空間を備えることがでるため、大型で大出力の点灯装置5を収納することができる。すなわち、本発明は、高輝度の照明ランプを提供する効果を合せて奏するものである。
【0062】
(第3の特徴と効果)
さらに、
図14,15を参照して、本発明の第3の特徴と効果について説明する。
図14は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの第3の特徴を説明する図である。
図15は、本発明の特徴を説明するために例示した、従来の照明ランプの主要な構成を示す断面図である。
【0063】
図14に示すように、本実施の形態に係る照明ランプ100において、LED素子10から出射された光が、カバー2によって拡散されたり反射されたりした拡散光や反射光の一例として、カバー内面部21の点b2から口金4側に出射される光は、その一部が矢印x2の向きで出射される。ここで、直線O2(一点鎖線)は点bと交差する、照明ランプ100の中心軸O(一点鎖線)と平行は直線である。カバー内面部21の点b2から、直線O2(一点鎖線)に対して角度θ3を有して出射される光は、矢印x2の向きに第1錐状部317上の点Mに入射する。入射した光は、錐状の第2筐体部317(第1錐状部317s)に対する入射角度と等しい出射角度を有して点Mで反射し、基準線Tより口金4側の領域に向かって出射される。
【0064】
カバー2によって拡散されたり反射されたりした拡散光や反射光が、錐状の第2筐体部317(第1錐状部317s)に入射されると、反射して入射された光の殆どは口金4側の領域に出射される。つまり、錐状の第2筐体部317(第1錐状部317s)を有する金属筐体31で構成された照明ランプ100において、金属筐体31のカバー取付け部314付近に到達する光は、その殆どは錐状の第2筐体部317(第1錐状部317s)によって反射された光であって、口金4側の領域に出射される。
【0065】
ここで、
図15を参照して、従来技術の課題について補足的に説明する。
図15に示すように、従来技術における照明ランプ600において、LED素子10から出射された光が、カバー2によって拡散されたり反射されたりした拡散光や反射光の一例として、カバー内面部21の点b2から口金4側に出射される光は、その一部が矢印x2の向きで出射される。ここで、直線O2(一点鎖線)は点bと交差する、照明ランプ100の中心軸O(一点鎖線)と平行は直線である。カバー内面部21の点b2から、直線O2(一点鎖線)に対して角度θ3を有して出射される光は、矢印x2の向きに光源取付け部上の点Mcに入射する。入射した光は、光源取付け部に対する入射角度と等しい出射角度を有して点Mcで反射し、基準線Tよりカバー2側の領域に向かって出射される。
【0066】
従来技術における照明ランプ600において、カバー2によって拡散されたり反射されたりした拡散光や反射光が、光源取付け部やLED基板などに入射されると、反射して入射された光の殆どはカバー2側の領域に出射される。つまり、錐状の第2筐体部(第1錐状部)を備えない金属筐体36で構成された照明ランプ600において、金属筐体36のカバー取付け部付近に到達する光は、その殆どは光源取付け部やLED基板によって反射され、カバー2側の領域に出射される。
このため、口金4側の領域への光の照射量が少なく、また、カバー2の開口端部22付近には、光源取付け部の周部の影が造影されて帯状の暗帯領域Bdが形成されていた。つまり、カバー2の開口端部22付近は不自然に暗くなっていた。
【0067】
ここで、再び
図14を参照すると本発明に係る照明ランプ100は、第1錐状部317を備える金属筐体31を用いて構成されているため、カバー2の開口端部22付近に帯状の暗帯領域Bdは形成されないため配光の不連続性が解消される。これにより、カバー2の表面全体から光が出射されてより自然な発光感を得ることができる。
本発明では、口金側への配光のために専用の発光素子を設ける必要がなく、非常に簡素な構成で自然な発光感を有する照明ランプを提供することができる。
【0068】
以上のように、本発明に係る照明ランプ100は構成されたので、小型かつ軽量を維持しながら簡素な構成によって配光を広げることができる。
【0069】
(実施の形態1の変形例)
実施の形態1に係るいくつかの変形例について、
図16〜22を参照しながら説明する。
図16〜22は、本発明の実施の形態1に係る照明ランプの変形例を説明する図である。
【0070】
(第1の変形例)
第1の変形例は、実施の形態1に係る照明ランプ100の樹脂筐体30に設けられた2つのボス部の配置箇所を変更させたものである。
図16は、第1変形例に係る照明ランプの構成を説明する断面図である。
図16を参照しながら、第2変形例に係る照明ランプ100aについて説明する。なお、第1変形例は、実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一の構成については同一の符号を用い、説明を省略する。
【0071】
図16に示すように、第1変形例に係る照明ランプ100aの第1ボス303aおよび第2ボス304aは、実施の形態1において、樹脂筐体30の中心を挟んで対向する2箇所に形成されている2つのボス(303a、304a)のいずれか一方を他方側に寄せて形成されている。第1変形例に係る照明ランプ100aは、高背部品(図示せず)を実装した点灯回路基板500aを樹脂筐体30aの内部に中心から変移させて、安定的に保持するのに好適である。また、樹脂筐体内周面部300と2つのボス(303a、304a)のそれぞれとで形成される角度が、実施の形態1に係る照明ランプ100より小さくなるため、点灯回路基板500aをより強く挟持することができる。すなわち、点灯回路基板500aをより安定的に保持することができる。
【0072】
なお、第1ボス303aおよび第2ボス304aは、中心軸に平行に第3錐状部307aまで延伸して第1リブ301aと第2リブ302aとを形成し、樹脂筐体30aを補強して変形し難くする。2つのボス(303a、304a)の寸法や配置箇所は、点灯回路基板500aの寸法や点灯回路基板500aに実装される点灯回路部品(図示せず)の寸法や配置などの設計仕様に応じて適宜調整すればよい。
【0073】
(第2変形例)
第2変形例に係る照明ランプ100bは、実施の形態1または2に係る照明ランプ100、100aの樹脂筐体30、30aの周部の厚さを一部変更したものである。
図17は、第2変形例に係る照明ランプの構成を説明する断面図である。
図17を参照して、第2変形例に係る照明ランプ100bについて説明する。なお、第2変形例は、上述の実施の形態1または変形例との相違点を中心に説明し、同一の構成については同一の符号を用い、説明を省略する。
【0074】
図17に示すように、第2変形例に係る照明ランプ100bの樹脂筐体30bは、周部の樹脂筐体内周面部300側の厚さを一部厚くした肉厚部308が設けられている。また、肉厚部308は、第1ボス303bおよび第2ボス304bの間の周部の厚さが同一となる様に設けられている。この肉厚部308の第1ボス303bの端部である肉厚端部309と第1ボス303bとの間には、点灯回路基板500の幅広部が挿入されて幅広部の端部が嵌合される凹状の嵌合箇所Aが形成されている。また、同様に、肉厚部308の第2ボス304b側の端部である肉厚端部309と第2ボス304bとの間には、点灯回路基板500の幅広部が挿入されて幅広部の端部が嵌合される凹状の嵌合箇所Bが形成されている。
【0075】
これらの嵌合箇所Aおよび嵌合箇所Bに点灯回路基板500を挿入することで、樹脂筐体30b内で点灯回路基板500を保持することができる。第2変形例3に係る照明ランプ100bは、樹脂筐体内周面部300よりも高さが高い肉厚端部309、および点灯回路基板500の幅広部が挿入されて幅広部の端部が嵌合される凹状の嵌合箇所A、嵌合箇所Bを有するので、実施の形態1または2よりもさらに安定的に樹脂筐体30b内に点灯回路基板500を保持することができる。
【0076】
なお、第1ボス303b、第2ボス304b、および肉厚部308は、中心軸に平行に第3錐状部307bまで延伸して第1リブ301bと第2リブ302bとを形成し、樹脂筐体30bを補強して変形し難くする。
【0077】
(第3変形例)
第3変形例に係る照明ランプ100cは、第2変形例に係る照明ランプ100bの樹脂筐体30bの肉厚部308の位置を変更したものである。
図18は、第3変形例に係る照明ランプの構成を説明する断面図である。
図18を参照して、第3変形例に係る照明ランプ100cについて説明する。なお、第3変形例は、第2変形例との相違点を中心に説明し、同一の構成については同一の符号を用い、説明を省略する。
【0078】
図18(c)に示すように、第3変形例に係る照明ランプ100cにおいて、肉厚部308cは、第1ボス303cおよび第2ボス304cの近傍に、樹脂筐体30cの中心軸に対して回転対象となる箇所に部分的に形成される。肉厚部308cの第1ボス303c側の端部である肉厚端部309cと第1ボス303cとの間には、点灯回路基板500cの幅広部が挿入されて幅広部の端部が嵌合される凹状の嵌合箇所Cが形成されている。また、同様に、肉厚部308cの第2ボス304c側の端部である肉厚端部309cと第2ボス304cの間には、点灯回路基板500cの幅広部が挿入されて幅広部の端部が嵌合される凹状の嵌合箇所Dが形成されている。なお、嵌合箇所Cと嵌合箇所Dは、樹脂筐体30cの中心軸に対して回転対象となる箇所に形成されている。これらの嵌合箇所Cおよび嵌合箇所Dに点灯回路基板500を挿入することで、樹脂筐体30cで点灯回路基板500cを保持することができる。
【0079】
第3変形例に係る照明ランプ100cは、樹脂筐体内周面部300よりも高さが高い肉厚端部309c、および点灯回路基板500cが挿入されて幅広部500cの端部が嵌合される凹状の嵌合箇所C、嵌合箇所Dを有するので、上述の実施の形態1または変形例よりもさらに安定的に樹脂筐体30c内に点灯回路基板500cを保持することができる。さらに、嵌合箇所Cと嵌合箇所Dは、樹脂筐体30cの中心軸に対して回転対象に形成されるので、樹脂筐体30cの内径により近い幅広部の幅寸法を有する点灯回路基板500cを樹脂筐体30c内に保持することができる。すなわち、点灯回路部品(図示せず)の、点灯回路基板500cに対する実装の自由度が向上する。
【0080】
(第4変形例)
第4変形例に係る照明ランプは、実施の形態1における照明ランプ100の2つのボス部の構成を変更したものである。
図19は、第4変形例に係る照明ランプの構成を説明する断面図である。
図19を参照して、第4変形例に係る照明ランプ100dについて説明する。なお、第4変形例は、実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一の構成については同一の符号を用い、説明を省略する。
【0081】
図19に示すように、第4変形例に係る照明ランプ100dにおいて、樹脂筐体30dに設けられた第1ボス303dおよび第2ボス304dは、樹脂筐体30dの円筒の内面である樹脂筐体内周面部300から樹脂筐体30dの内側に向かって突出しているとともに、樹脂筐体30dの円筒の外面である樹脂筐体外周面部306から樹脂筐体30dの外側に向かって突出している。また、金属筐体31dの内壁面の2箇所には、金属筐体31dの外側に向かって凹状の形状をなす嵌合箇所Eが形成されており、樹脂筐体30dの外側に突出させた第1ボス303dおよび第2ボス304dと嵌合するように構成されている。すなわち、樹脂筐体30dの外面と金属筐体31dの内面とは相互に干渉しないようになっている。
【0082】
このように構成されたことにより、実施の形態1に述べた効果に加え、樹脂筐体30dが金属筐体31dの凹部に挿入される際に、第1ボス303dおよび第2ボス304dが挿入ガイドとしての機能を果たすため、照明ランプ100dは、製品の組み立てをスムーズに行うことができる。そして、樹脂筐体30dが金属筐体31dの凹部に挿入されると、樹脂筐体30dと金属筐体31dとの相互の位置が決定されるとともに、相互の回動が規制される。このため、配線材を第3貫通孔112、312に挿通するなどの組み立て作業をスムーズに行うことができるので、安定した組み立て品質を得ることができる。
【0083】
(第5変形例)
第5変形例に係る照明ランプは、実施の形態1における照明ランプ100の筐体部の筒周部の形状の一部を変更したものである。
図20は、第5変形例に係る照明ランプの構成を説明する断面図で、
図21のB−B断面図である。
図21は、第5変形例における筐体部の構成を説明する側面視断面図であり、
図22は、第5変形例における樹脂筐体の構成を説明する拡大斜視図である。
図20〜22を参照して、第5変形例に係る照明ランプ100eについて説明する。なお、第5変形例は、実施の形態1との相違点を中心に説明し、同一の構成については同一の符号を用い、説明を省略する。
【0084】
図20、21に示すように、第5変形例に係る照明ランプ100eにおいて、金属筐体31eの金属筐体内周面部316の一部に平面部315が、樹脂筐体30eの金属筐体取付け部306Aの一部に平面部305が、それぞれ設けられている。
図22に示すように、樹脂筐体30eの金属筐体取付け部306Aは、円筒状の周部の一部に平面部305を有しており、その断面形状は所謂蒲鉾形状をなしている。
【0085】
金属筐体31eの凹部の内表面は、樹脂筐体30eを金属筐体31eの凹部に挿入した際に、樹脂筐体30eの金属筐体取付け部306Aの外周部と当接可能な形状に形成されている。すなわち、樹脂筐体30eを金属筐体31eの凹部に挿入したときに。平面部315と平面部305とは互いに対向するように構成されている。そして平面部305に対向する金属筐体31eの周部は肉厚部を構成する。
【0086】
このように構成されたことにより、実施の形態1に述べた効果に加え、樹脂筐体30eが金属筐体31eの凹部に挿入される際に、平面部305が挿入ガイドとしての機能を果たすため、照明ランプ100eは、製品の組み立てをスムーズに行うことができる。そして、樹脂筐体30eが金属筐体31eの凹部に挿入されると、樹脂筐体30eと金属筐体31eとの相互の位置が決定されるとともに、相互の回動が規制される。このため、配線材を第3貫通孔112、312に挿通するなどの組み立て作業をスムーズに行うことができるので、安定した組み立て品質を得ることができる。
【0087】
平面部305に対向する金属筐体31eの周部は肉厚部を構成しており、金属筐体31eは熱容量が増加する。このため、LED素子10や点灯装置5の動作熱を低下させる効果をさらに得る。すなわち、照明ランプ100eは、動作信頼性を向上させることができる。
【0088】
実施の形態2.
上述した、実施の形態1に係る照明ランプ100〜100eは、この照明ランプの口金に嵌合するランプソケットおよび1つあるいは複数の照明ランプを収容する筐体と組み合わされて、照明装置を構成することができる。
図23は、実施の形態1に係る照明ランプ100〜100eが適用された照明装置150の構成を示す断面図である。なお、
図23では、実施の形態1に係る照明ランプ100が適用された場合を例に示している。
【0089】
図23に示すように、照明装置150は、照明ランプ100を内包する器具本体170と、照明ランプ100の口金4(図示せず)が取り付けられるランプソケット160と、器具本体170内に設けられ照明ランプ100から出射される光を反射するリフレクタ180とを備える。
図23に例示する照明装置150は、天井など形成された器具取付け部190である開口部に挿入され、器具取付け部190側から室内を照明する照明装置である。このような天井取り付け型の照明装置のほか、例えば、壁に設置される照明装置や卓上に載置される照明装置などに、実施の形態1に示した照明ランプ100〜100eを適用することができる。
【0090】
以上、本発明の実施の形態を、電球形照明ランプ(電球形LEDランプ)を例示して説明したが、本発明は照明ランプの形態を限定するものではない。