【解決手段】携帯端末側の情報処理部は、車載装置の画面の一部に割り当てた表示エリアを表示先に指定する表示エリア番号(表示先指定情報)を車載装置に送信するとともに、携帯端末の表示イメージ情報(表示情報に相当)を、表示先の表示エリアに合わせた情報にして車載装置に送信する(ステップS16)。また、車載装置側の情報処理部は、表示部により、表示エリア番号(表示先指定情報)で指定された表示エリアに、受信した表示イメージ情報に対応する画像を表示させる(ステップS17)。
前記携帯側情報処理部は、前記表示情報を、前記表示エリアの画面サイズ、画素数および色数の少なくともいずれかに合わせた情報に変換して、前記車載装置に送信することを特徴とする請求項1に記載の情報表示システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の情報表示システムの一実施形態に係る車載情報表示システムを示す図である。
この車載情報表示システム10は、自動車などの車両に搭載されるシステムであり、車両に設置されるとともに無線通信機能を備えた車載装置11と、車載装置11と無線通信可能な携帯端末21とを備える。車載装置11は、車両内に固定される装置であり、各種情報を表示する画面11Xを有するとともに、複数のハードキー(ハードウェアキーとも言う)を構成する操作スイッチ11A〜11Eを備えている。例えば、この車載装置11は、経路案内などを行うカーナビゲーション装置や、CDなどの記録媒体に記録された音声やラジオ音声を車両に配置されたスピーカーから放音させるカーオーディオ装置である。
携帯端末21は、ユーザー(車両の搭乗者)が持ち運び可能な携帯型の装置であり、各種情報を表示する画面21Xを有している。この携帯端末21は、例えば、スマートフォンである。
【0015】
図2は、車載装置11と携帯端末21の概要構成を示すブロック図である。
車載装置11および携帯端末21のそれぞれは、情報処理部12、22と、表示部13、23と、操作部14、24と、音声出力部15、25と、記憶部16、26と、無線通信部17、27とを備えている。情報処理部12、22は、CPU、RAM、ROMおよび周辺回路を有し、車載装置11および携帯端末21のそれぞれを中枢的に制御するコンピューターとして機能し、各種の処理を実行する。
例えば、車載装置11の情報処理部12は、公知のカーナビゲーション装置やカーオーディオ装置が実行する経路案内処理や音声処理などの処理を実行する。また、携帯端末21の情報処理部22は、公知の携帯端末が実行する通話のための各種処理や、インターネットをブラウジングするブラウジング処理や、インターネットなどから取得した各種アプリケーションプログラムを実行する処理などを実行する。
【0016】
表示部13、23は、情報処理部12、22の制御の下、各種の画像を表示させる表示装置であり、例えば液晶表示装置で構成される。なお、一般に、車載装置11の表示部13は、携帯端末21の表示部23よりも大画面の表示装置が適用され、画面サイズ(アスペクト比や解像度)や表示色数などの仕様が異なる。
例えば、車載装置11の表示部13の画面サイズ(解像度)はワイド7型VGA(800×480ピクセル)であり、表示色数は65536色(16ビットカラー)である。これに対し、携帯端末21の表示部23の画面サイズ(解像度)は960×640ピクセルであり、表示色数は16777216色(24ビットカラー)である。
【0017】
操作部14、24は、ユーザー操作を検出して情報処理部12、22に通知する装置であり、タッチパネル14A、24Aや操作スイッチ11A〜11E(
図1)を有する。タッチパネル14A、24Aは、各表示部13、23の画面11X、21Xに重ねて配置された透過性のパネルであり、各表示部13、23の画面11X、21X上でユーザーが指で触れた位置を検出する。
【0018】
音声出力部15、25は、デコーダやアンプなどを備え、情報処理部12、22の制御の下、各種の音声をスピーカーから出力させる。具体的には、車載装置11の音声出力部15は、各種音声フォーマットの音声データから所定チャンネル数(モノラル、ステレオ、や5.1チャンネルなど)の音声信号を生成し、車両に設置されたスピーカーから放音させる。この音声の具体例としては、ナビゲーション用の案内音声、CD音声、ラジオ音声、携帯端末21から送信された各種の音声である。
また、携帯端末21の音声出力部25は、各種音声フォーマットの音声データから音声信号を生成し、携帯端末21に設けられたスピーカーから放音させる。この音声の具体例としては、通話音声や、携帯端末21に記憶された映像や音楽の各種音声である。
【0019】
記憶部16、26は、情報処理部12、22が実行する制御プログラムや各種のデータを記憶する。この記憶部16、26には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、CD-ROM、又は、DVD-ROMが適用される。
無線通信部17、27は、情報処理部12、22の制御の下、BluetoothやWi-Fi(登録商標)などの近距離無線通信を行うための無線通信インターフェースである。これら無線通信部17、27により、車載装置11と車両内の携帯端末21との間で無線通信することができる。
なお、車載装置11および携帯端末21は、公知の車載装置および携帯端末がそれぞれ具備する他の構成を具備していても良い。
【0020】
ところで、近年、車載装置や携帯端末の高機能化に伴い、携帯端末の画面に表示される表示情報を車載装置の画面に表示させる機能(連携機能とも言う)が車載装置および携帯端末に徐々に搭載されている。これにより、車両内のユーザーは、携帯端末の画面よりも大きくて見やすい車載装置の画面で、携帯端末の表示画像(例えば、インターネットのブラウジング画像、携帯端末で再生中の映像や楽曲のタイトルなどの情報)を確認することができる。
本実施形態の車載装置11および携帯端末21も上記連携機能を具備している。つまり、車載情報表示システム10は、車載装置11と携帯端末21とが通信接続された状態で、携帯端末21の所定のアプリケーションプログラムを実行することにより、車載装置11でも対応するアプリケーションプログラムを実行し、携帯端末21の画面21Xに表示される表示情報を、車載装置11の画面11Xに表示させる連携処理が実行される。
【0021】
図3は、連携処理時の車載装置11の機能的構成を示した図であり、
図4は、携帯端末21の機能的構成を示したブロック図である。なお、
図3および
図4は、連携機能に関わる構成を示している。
図3において、車載装置11内の各構成は、車載装置11の情報処理部12が、記憶部16に記憶されたアプリケーションプログラムを実行することにより、表示部13、操作部14、記憶部16および無線通信部17などの各種ハードウェアを適宜に利用して構築される。
また、
図4において、携帯端末21内の各構成についても、携帯端末21の情報処理部22が、記憶部26に記憶された所定のアプリケーションプログラムを実行することによって、表示部23、操作部24、記憶部26および無線通信部27などの各種ハードウェアを適宜に利用して構築される。なお、
図3および
図4中、
図2に示す構成と同様の構成は同一の符号を付して示している。
【0022】
この車載情報表示システム10においては、車載装置11の画面11Xに対応する表示テンプレートを予め設定し、この表示テンプレートの一部を、携帯端末21の表示画像に相当する表示イメージ情報の表示エリアに割り当てている。
図5は、表示テンプレートを示す図である。
図5に示すように、本構成では、番号(1)〜(3)で各々特定される複数(3個)の表示テンプレートを設定し、各表示テンプレートに、複数の表示エリア(
図5中、番号(I)、(II)、(III)、(IV)で特定される表示エリア)を設定している。
この表示テンプレートは、車載装置1の画面11X全体に相当し、各表示エリアが画面11Xの一部の領域に相当する。ここで、番号(1)の表示テンプレートを説明すると、表示エリア(I)は、携帯端末21の表示画像中のメイン画像を表示するのに好適なエリアに設定され、表示エリア(II)〜(IV)は、携帯端末21の表示画像中の操作画像(ソフトキー(ソフトウェアキー)に対応する操作画像)を表示するのに好適なエリアに設定されている。
【0023】
このように、表示テンプレートに、メイン画像の表示に好適な表示エリア(I)と、操作画像といったサブ画像の表示に好適な表示エリア(II)〜(IV)とをそれぞれ設定したので、携帯端末21の表示画像全体を表示しなくても、実質的に同等の内容を表示させることが可能になる。これにより、本実施形態では、携帯端末21の表示画像全体のうち、重要度の低い画像を車載装置1に送信することを不要にし、表示画像全体の一部の画像(表示イメージ情報)だけで、車載装置11に携帯端末21とほぼ同等の画像を表示させる。
また、本実施形態では、複数の表示テンプレートを備えるため、表示テンプレート毎に表示エリアの位置や大きさを変更することができ、表示形態にバリエーションを持たせることができる。
【0024】
この表示テンプレートの情報D1、より具体的には、テンプレート番号と表示エリアとを対応づけた情報D1は、少なくとも携帯端末21の記憶部16に記憶されている。また、この情報D1は、携帯端末21から車載装置11に無線送信することによって車載装置11の記憶部16にも適宜に記憶される。
また、携帯端末21の記憶部16には、携帯端末21および車載装置11の画面情報D2と、各表示テンプレートの管理情報D3も記憶されている。なお、車載装置11の画面情報D2は、車載装置11から取得するようにしても良いし、携帯端末21がアクセス可能なサーバーからダウンロードして取得するようにしても良い。
【0025】
ここで、画面情報D2は、携帯端末21および車載装置11の画面サイズ(解像度、アスペクト比)、表示色数、画素数(密度)などの画面11X、21Xの仕様情報である。また、管理情報D3は、表示テンプレート毎の画面遷移を規定した情報である。
なお、
図5中、表示テンプレートの下方の領域(A)〜(E)は、
図1に示すハードキー(操作スイッチ11B)の領域を示している。
【0026】
図6は、テンプレート番号(1)の管理情報D3を示す図である。また、
図7は、テンプレート番号(2)の管理情報D3を示す図である。
図6および
図7に示すように、管理情報D3は、イベント番号と、ユーザー操作と、各表示エリア(I)〜(IV)(
図7では3つの表示エリア(I)〜(III))の表示内容とを対応づけた情報である。ここで、イベント番号は、操作部14の操作により発生する割り込みを管理する情報(イベント特定情報)である。
また、
図6および
図7中、小文字の英字で示す情報(a)〜(l)は、各値に予め対応づけられた表示イメージ情報を示し、数字(1)〜(3)は、その数字のテンプレート番号への切り替えを示し、「−」は、画面遷移をしないことを示している。
【0027】
具体例を挙げると、
図6に示す管理情報D3では、起動時(イベント番号17のイベント発生時)に表示エリア(I)に表示イメージ情報(a)を表示し、表示エリア(II)に表示イメージ情報(d)を表示し、表示エリア(III)に表示イメージ情報(f)を表示し、表示エリア(IV)に表示イメージ情報(h)を表示すること、その後に、イベント番号(2)のイベントが発生すると、表示エリア(I)を表示イメージ情報(b)に切り替え、表示エリア(II)〜(IV)については画面遷移しないことが記述されている。また、その後、イベント番号(4)のイベントが発生すると、テンプレート番号(2)へ切り替えることなどが記述されている。
【0028】
一方、
図7に示す管理情報D3では、起動時(イベント番号14のイベント発生時)に表示エリア(I)に表示イメージ情報(i)を表示し、表示エリア(II)に表示イメージ情報(k)を表示し、表示エリア(III)に表示イメージ情報(l)を表示すること、その後に、イベント番号(2)のイベントが発生すると、表示エリア(I)を表示イメージ情報(j)に切り替え、表示エリア(II)、(III)については画面遷移しないことが記述されている。また、その後、イベント番号(5)のイベントが発生すると、テンプレート番号(1)へ切り替えることなどが記述されている。
このように、イベントによっては、全ての表示エリアの表示を切り替えるのではなく、一部の表示エリアだけを切り替えるので、切り替えに必要な表示イメージ情報のデータ量が少なくて済む。
【0029】
なお、携帯端末21には、
図8(A)に示す利用テンプレート管理表D4や、
図8(B)に示す表示状態管理表D5が、記憶部26またはRAMに記憶されている。
図8(A)に示すように、利用テンプレート管理表D4は、利用中の表示テンプレートの番号を記述した情報である。これによって、携帯端末21は、車載装置11で利用中の表示テンプレートを把握することができる。
また、
図8(B)に示すように、表示状態管理表D5は、各表示エリア(I)〜(IV)の表示状態(表示イメージ情報を示す情報)を記述した情報である。これによって、携帯端末21は、車載装置11の各表示エリアに表示中の情報を把握することができる。
【0030】
次いで、
図3および
図4に示した構成を用いて連携処理時の動作を説明する。
図9は、連携処理の流れを示す図であり、
図10はその続きを示している。
まず、
図9に示すように、車載装置11では、起動処理を開始すると、イベント番号送信部51(
図3)が、操作部14(
図2)の操作により発生するイベントを特定するイベント番号(イベント特定情報)を、送信制御部52および無線通信部17を介して携帯端末21に無線送信する(ステップS1)。
【0031】
携帯端末21では、イベント番号受信部71(
図4)が、車載装置11から無線送信されたイベント番号を無線通信部27および受信制御部72を介して受信すると、テンプレート番号判定部73(
図4)が、イベント番号と利用テンプレート管理表D4(
図8(A))とに基づいて管理情報D3(
図6)を参照し、該当するテンプレート番号を取得する(ステップS2)。
なお、初回起動時は、利用テンプレート管理表D4がデフォルト値(テンプレート番号(1))に設定される。このため、ステップS2ではテンプレート番号(1)が取得される。
そして、携帯端末21では、テンプレート番号送信部74(
図4)が、取得したテンプレート番号(テンプレート指定情報)を、送信制御部75および無線通信部27を介して携帯端末21に無線送信する(ステップS3)。
【0032】
車載装置11では、テンプレート番号受信部53(
図3)が、携帯端末21から無線送信されたテンプレート番号を無線通信部17および受信制御部54(
図3)を介して受信し、テンプレート有無判定部55(
図3)が、受信したテンプレート番号が存在するか否かを判定する(ステップS4)。
この場合、車載装置11では、受信したテンプレート番号に対応する表示テンプレートが、記憶部16に記憶されているか否かを判定する。そして、その表示テンプレートが存在しない場合にテンプレート番号が存在しないと判定し、表示テンプレートが存在した場合にテンプレート番号が存在したと判定する。
【0033】
テンプレート番号が存在しなかった場合、車載装置11では、表示テンプレート要求送信部56(
図3)が、上記テンプレートの要求を、送信制御部52および無線通信部17を介して携帯端末21に行う(ステップS5)。この場合、携帯端末21では、表示テンプレート要求受信部76(
図4)が、その要求を受信すると、表示テンプレート送信部77(
図4)が、要求された表示テンプレートの情報D1を車載装置11に無線送信する(
図8のステップS6)。
これによって、車載装置11の表示テンプレート受信部57により、表示テンプレートの情報D1が受信され、記憶部16に格納された後、表示部13によりそのテンプレート番号に対応する表示テンプレートを、画面11Xに描画する処理が実行される(ステップS7)。
【0034】
一方、テンプレート番号が存在する場合、ステップS7へ移行し、車載装置11では、表示テンプレートを画面11Xに描画する処理が実行される。以上のステップS2〜S7が、「テンプレート判定処理+テンプレート描画処理」である。
【0035】
次に、携帯端末21では、表示状態取得部78(
図4)が、表示状態管理表D5により各表示エリア(テンプレート番号(1)の表示エリア(I)〜(IV))を取得する(ステップS8)。また、表示イメージ番号判定部79が、イベント番号と表示状態管理表D5とに基づいて管理情報D3を参照し、表示または画面遷移させる表示イメージ情報(
図6中の(a)〜(f))などの情報を取得する(ステップS9)。この場合、利用テンプレート取得部80が、表示状態管理表D5を参照することによって、利用中の表示テンプレートを特定する。
【0036】
ステップS9で取得した情報が「−(画面遷移なし)」の場合(ステップS10;YES)、次の表示エリアを確認すべく、ステップS8の処理へ移行する。
一方、ステップS9で取得した情報が「(別のテンプレートに遷移)」の場合(ステップS11;YES)、利用テンプレート管理表D4(
図8(A))を更新し(ステップS12)、イベント番号17を設定し(ステップS13)、全ての表示エリアの表示状態を表示無しに設定する(ステップS14)。そして、ステップS2へと移行する。
【0037】
また、ステップS9で取得した情報が「表示イメージ」の場合(ステップS15;YES)、表示イメージ取得部81(
図4)が、その表示イメージに対応する表示イメージ情報を取得する(ステップS15)。ここで、表示イメージ情報は、携帯端末21内(アプリケーションプログラム内)に保持している情報(例えば、ソフトキーに対応する操作画像)や、携帯端末21がサーバーから取得した情報(例えば、インターネットのブラウジング画像)などである。
このとき、表示イメージ取得部81は、表示イメージ情報を、表示先の表示エリアの画面サイズ(アスペクト比や解像度)、画素数(密度)、色数に合わせたデータに変換するデータ変換処理も行う。つまり、表示イメージ取得部81は、表示イメージ情報を、表示エリアに合わせた情報に変換する変換処理部としても機能する。
【0038】
次いで、携帯端末21では、表示エリア番号送信部82(
図4)により、表示先を示す表示エリア番号(表示先指定情報)を車載装置11に無線送信するとともに、表示イメージ送信部83により、表示エリアに合わせた表示イメージ情報を車載装置11に無線送信する(ステップS16)。
【0039】
続いて、車載装置11では、表示エリア番号受信部58(
図3)により表示エリア番号を受信するとともに、表示イメージ受信部59により表示イメージ情報を受信すると、その表示エリア番号に対応する表示領域に、受信した表示イメージ情報に対応する画像を表示させる(ステップS17)。
その後、車載装置11では、表示描画判定部60により描画結果を判定し、描画結果送信部61により、描画結果(描画した表示エリア番号と、描画した表示イメージを特定する情報)を携帯端末21に無線送信する(ステップS18)。
【0040】
携帯端末21では、描画結果受信部84(
図4)が、受信した描画結果を判定し、指定した通りに描画されたか否か(ステップS16の送信結果との整合性)を判定する(ステップS19)。そして、描画結果がOKの場合、表示エリアの表示エリアを更新すべく表示状態管理表D5(
図8(B))を更新し(ステップS20)、次の表示エリアの表示を行うべく、ステップS8へと移行する。
一方、描画結果がNOの場合は、ステップS20を行わずにステップS8へと移行する。このようにして、上記ステップS8からステップS20の処理を、表示エリアの数だけ繰り返す。以上のステップS8〜S20が「表示エリアへの描画イメージ判定処理+表示エリア描画処理」である。
【0041】
また、車載装置11において、割込処理判定部50(
図3)は、操作部14(
図2)の操作を監視し、操作を検出すると割込処理を行う。この割込時には、車載装置11のイベント番号送信部51(
図3)が、その操作に応じたイベント番号を、携帯端末21に無線送信する(ステップS21)。
このようにイベント番号が携帯端末21に送信されると、このイベント番号に基づき上記のステップS2〜S7の「テンプレート判定処理+テンプレート描画処理」の処理、および、ステップS8〜S20の「表示エリアへの描画イメージ判定処理+表示エリア描画処理」が実行される。これによって、車載装置11の画面11Xの各表示エリアに、携帯端末21から送信された表示イメージ画像に対応する画像が表示される。従って、車載装置11の画面11Xにて、携帯端末21の表示画像(例えば、インターネットのブラウジング画像、携帯端末21で再生中の映像や楽曲のタイトルなどの情報)を確認することが可能になる。
【0042】
図11は、車載装置11の起動処理時(
図6のイベント番号17)の画面遷移を示す図である。
この場合、上記ステップS2に記載したように、テンプレート番号(1)が設定されるため、車載装置11の画面11Xには、まず、テンプレート番号(1)の表示テンプレートが表示される。
次に、携帯端末21は、テンプレート番号(1)の管理情報D3(
図6参照)に基づき、各表示エリア(I)〜(IV)の表示イメージ情報を順に車載装置11に無線送信する。
【0043】
具体的には、携帯端末21は、表示エリア(I)に対応する表示イメージ情報として、情報(a)に対応する表示イメージ情報を無線送信し、車載装置11は、情報(a)の画像を表示エリア(I)に表示する。次に、携帯端末21は、表示エリア(II)に対応する表示イメージ情報として、情報(d)に対応する表示イメージ情報を無線送信し、車載装置11は、情報(d)の画像を表示エリア(II)に表示する。続いて、携帯端末21は、表示エリア(III)に対応する表示イメージ情報として、情報(f)に対応する表示イメージ情報を無線送信し、車載装置11では、情報(f)の画像を表示エリア(f)に表示する。その後、携帯端末21は、表示エリア(IV)に対応する表示イメージ情報として、情報(h)に対応する表示イメージ情報を無線送信し、車載装置11では、情報(h)の画像を表示エリア(IV)に表示する。
【0044】
図11に示すように、上記表示エリア(II)〜(IV)に表示した画像(d、f、h)は、ソフトキーの操作画像に相当している。
図12は、
図11の続きの画面遷移を示す図である。
表示エリア(II)のソフトキー(d)がユーザーにタッチ操作されると、車載装置11は、そのタッチ操作に応じたイベント番号2を、携帯端末21に無線送信する。この場合、携帯端末21は、テンプレート番号(1)の管理情報D3(
図6参照)に基づき、表示エリア(I)に対応する表示イメージ情報として、情報(b)に対応する表示イメージ情報を無線送信し、車載装置11は、情報(b)の画像を表示エリア(I)に表示する。
なお、管理情報D3(
図6参照)には、表示エリア(II)〜(IV)については画面遷移しないことが記述されるので、表示エリア(II)〜(IV)の表示画像はそのままである。
【0045】
一方、表示エリア(IV)のソフトキー(h)がユーザーにタッチ操作されると、車載装置11は、そのタッチ操作に応じたイベント番号4を、携帯端末21に無線送信する。この場合、携帯端末21は、管理情報D3(
図6参照)に基づき、テンプレート番号(2)を通知することにより、車載装置11の画面11Xに、テンプレート番号(2)の表示テンプレートを表示させる。
次に、携帯端末21は、テンプレート番号(2)の管理情報D3(
図7参照)に基づき、各表示エリア(I)〜(III)の表示イメージ情報を順に車載装置11に無線送信する。
【0046】
具体的には、携帯端末21は、表示エリア(I)に対応する表示イメージ情報として、情報(i)に対応する表示イメージ情報を無線送信し、車載装置11は、情報(i)の画像を表示エリア(I)に表示する。次に、携帯端末21は、表示エリア(II)に対応する表示イメージ情報として、情報(k)に対応する表示イメージ情報を無線送信し、車載装置11は、情報(k)の画像を表示エリア(II)に表示する。続いて、携帯端末21は、表示エリア(III)に対応する表示イメージ情報として、情報(l)に対応する表示イメージ情報を無線送信し、車載装置11では、情報(l)の画像を表示エリア(f)に表示する。
これによって、イベント番号4に応じて車載装置11の画面11Xが切り替えられる。なお、上記表示エリア(II)〜(III)に表示した画像(k、l)は、ソフトキーの操作画像に相当している。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態によれば、携帯端末21側の情報処理部(携帯側情報処理部)22は、車載装置11の画面11Xの一部に割り当てた表示エリアを表示先に指定する表示エリア番号(表示先指定情報)を車載装置11に送信する表示エリア番号送信部82と、携帯端末21の表示イメージ情報(表示情報に相当)を、表示先の表示エリアに合わせた情報にする表示イメージ取得部81と、表示イメージ情報を車載装置11に送信する表示イメージ送信部83として機能する。また、車載装置11側の情報処理部(車載側情報処理部)12は、表示部13により、表示エリア番号(表示先指定情報)で指定された表示エリアに、受信した表示イメージ情報に対応する画像を表示させる。
【0048】
これらにより、携帯端末21の表示画像全体を車載装置11に送信する必要がなく、送信データ量を低減できる。また、携帯端末21の表示イメージ情報(表示情報)を、表示先の表示エリアに合わせた情報にして車載装置11に送信するので、車載装置11側で表示エリアに合わせる画像変換処理を不要または低減することができ、車載装置11側の処理負担を低減することができる。従って、携帯端末21から車載装置11に送信するデータ量を低減し易く、且つ、車載装置11側でスムーズに表示し易くなる。
【0049】
しかも、携帯端末21側では、表示イメージ情報(表示情報)を、車載装置11の表示エリアの画面サイズ、画素数および色数に合わせた情報に変換するので、車載装置11側の処理負担を効率良く軽減することができ、車載装置11側でスムーズに表示し易くなる。
また、表示エリア番号は、車載装置11の画面11Xの異なる領域に設定された複数の表示エリアのうちの少なくともいずれかを指定する情報であり、携帯端末21側の情報処理部22は、表示エリア番号で指定された表示エリア毎に、前記表示エリアに合わせた表示イメージ情報を車載装置11に送信するので、表示エリア毎の表示更新が可能である。この構成によれば、一部の表示エリアのみを更新することが可能になり、車載装置11に送信するデータ量を低減し、車載装置11側でスムーズに表示し易くなる。
【0050】
携帯端末21側の情報処理部22は、一又は複数の表示エリアが設定された複数の表示テンプレートのいずれかを指定するテンプレート番号(テンプレート指定情報)を、車載装置11に送信し、車載装置11に送信される表示エリア番号は、指定された表示テンプレートにある表示先の表示エリアを指定する情報であるため、表示テンプレートを変更することにより、表示のバリエーションを増やすことができる。
また、車載装置11側の情報処理部12は、発生したイベントを特定するイベント番号(イベント特定情報)を携帯端末21に送信し、携帯端末21側の情報処理部22は、イベント番号に基づいていずれかの表示エリアまたは表示テンプレートを選択し、選択した表示エリアを指定する表示エリア番号、または、選択した表示テンプレートを指定するテンプレート番号を、車載装置11に送信するので、イベントに応じて表示エリアの表示を更新したり、表示テンプレートを変更したりすることができる。
【0051】
上述した実施形態は、あくまで本発明の一態様に過ぎず、本発明の範囲内で任意に変形が可能である。例えば、上述の実施形態では、携帯端末21の画像を車載装置11に表示させる場合を説明したが、画像に加えて、或いは、画像に代えて、携帯端末21の音声を車載装置11から出力させることも可能である。
具体的には、
図9に示すステップS2などにおいて、さらに、車載装置11より、車載装置11の音声出力形態を示すチャンネル情報(モノラル、ステレオ、5.1チャンネル、スピーカー数など)を、携帯端末21に無線送信する。そして、携帯端末21が、携帯端末21の音声に対応する音声情報を、受信したチャンネル情報に合わせた音声情報に変換し、車載装置11に無線送信するようにすれば良い。この場合、車載装置11は、受信した音声情報を、音声出力部25により再生し、対応する音声をスピーカーから出力させる。これによって、車載装置11側の音声処理に要する処理負担を低減でき、車載装置11側でスムーズに再生し易くなる。
【0052】
このように、携帯端末21側の情報処理部22が、携帯端末21の音声情報を、車載装置11の音声出力形態に合わせた音声情報にして車載装置11に送信し、車載装置11側の情報処理部12が、受信した音声情報に基づいて音声を出力させるので、携帯端末21の音声情報を車載装置11側でスムーズに再生し易くなる。
なお、車載装置11のチャンネル情報を車載装置11から携帯端末21に送信する場合を説明したが、インターネット上のサーバーから携帯端末21がダウンロードしても良く、チャンネル情報の入手方法は適宜に変更が可能である。
【0053】
また、上述の実施形態では、表示エリアを指定する表示先指定情報として、表示エリア番号を使用し、表示テンプレートを指定するテンプレート指定情報として、テンプレート番号を使用し、発生したイベントを特定するイベント特定情報として、イベント番号を使用する場合を説明したが、番号に限らず、表示エリア、表示テンプレートおよびイベントを一意に特定可能な情報を広く使用できる。
また、上述の実施形態では、携帯端末21側(表示イメージ取得部81)が、表示イメージ情報(表示情報)を、車載装置11の表示エリアの画面サイズ、画素数および色数に合わせた情報に変換する場合を説明したが、少なくともいずれかに合わせた変換だけを行うようにしても良い。この場合も、車載装置11側で、全ての変換を行う場合に比して処理負担を軽減できるので、スムーズに表示し易くなる、といった効果が得られる。このように一部の変換だけを行う場合、通信データ量を低減する観点からは、画面サイズに合わせた変換を少なくとも行うことが好ましい。
【0054】
また、上述の実施形態では、イベント番号に応じて表示テンプレートを選択する場合を説明したが、車載装置11の仕向け情報(地域、メーカ)を携帯端末21が取得し、仕向け情報に基づいて表示テンプレートを選択するようにしても良い。
また、上述の実施形態では、車載装置11と携帯端末21とが無線通信する場合を説明したが、有線通信する場合に本発明を適用しても良い。また、車載装置11は、車両に固定設置される装置に限らず、車両から移動可能な装置であっても良い。