(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-89417(P2015-89417A)
(43)【公開日】2015年5月11日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/15 20060101AFI20150414BHJP
【FI】
A41B13/02 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-229695(P2013-229695)
(22)【出願日】2013年11月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 浩二
(72)【発明者】
【氏名】平野 めぐみ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA14
3B200BA01
3B200BB09
3B200CA12
3B200CA13
3B200CA14
3B200DB01
3B200DB02
3B200DB24
(57)【要約】
【課題】装着した際に嵩張りにくく、蒸れや横漏れが生じにくい吸収性物品を提供する。
【解決手段】液透過性のトップシート2と、不液透過性のバックシート4と、トップシート2とバックシート4の間に配置された吸収体3を備える吸収性物品1であって、下着の前部から後部の内側に取付けられ、後方側に向かって狭まる略三角形の形状が前後方向に延在する中央部5と、中央部5の左右に設けられ、使用者の大腿部内側に当たる一対の端部6と、を有し、前方側において、中央部5と一対の端部6との接続部Lに内側に向かって一対の第1凹部81を設け、後方側において、中央部5と一対の端部6との接続部Lに内側に向かって第2凹部82を設け、一対の端部6の後部と第2凹部82とが滑らかにつながっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシートと、
不液透過性のバックシートと、
前記トップシートと前記バックシートの間に配置された吸収体を備える吸収性物品であって、
下着の前部から後部の内側に取付けられ、後方側に向かって狭まる略三角形の形状が前後方向に延在する中央部と、
前記中央部の左右に設けられ、使用者の大腿部内側に当たる一対の端部と、を有し、
前方側において、前記中央部と前記一対の端部との接続部に内側に向かって一対の第1凹部を設け、
後方側において、前記中央部と前記一対の端部との接続部に内側に向かって第2凹部を設け、前記一対の端部の後部と前記第2凹部とが滑らかにつながっていることを特徴とする吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収体は、前記中央部と前記一対の端部とで分割されることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記バックシートは、中央部領域に接着部を備え、前記接着部が後方側に向かって幅が狭まる形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性物品が5mm以下の厚さであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記トップシートと前記吸収体との間に液拡散性シートを備え、
前記液拡散性シートは、厚さが0.1mm以上であり、坪量が15g/m2以上80g/m2以下の親水性不織布であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
さらに、前後方向に折り曲げるための折れ線部を有し、
前記折れ線部は、前記中央部と前記一対の端部との接続部に沿って設けられることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記一対の端部の前記吸収体は、前記中央部の前記吸収体より薄い厚みを有することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記吸収性物品は、男性用の吸収性物品である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、咳やクシャミをしたときや、重い物を持ったときに起こる腹圧性尿失禁や、前立腺肥大症等による尿失禁を引き起こす中高年が増加している。尿失禁の場合、例え少量であっても下着に吸収しきれないことが多く、ボトムスや下着へのシミとなったり、においが漏れたりすることから、その対策として、尿取り体や失禁ガードのような吸収性物品を装着することとなる。
【0003】
尿失禁用の吸収性物品は、生理用ナプキン等の吸収性物品と同形状、すなわち、略長方形かつ平面状のものが多い(特許文献1参照。)。しかしながら、略長方形状かつ平面状の吸収性物品は、局所へのフィット感が得られにくいため、尿失禁が生じた際に、横漏れが起こりやすい、という問題があった。そこで、男女間における局所の構造上の相違点を踏まえた、吸収性物品も開発されている。
【0004】
例えば、特許文献2には、前後方向を有し、ペニスを前後方向Zから被覆する前面部と後面部とを有し、前後面部側のうちの少なくとも一方側の開口縁部において、ペニス収容部内に延びる弾性反発部材が配置されており、弾性反発部材が配置された開口縁部には、所要の厚さを有する防漏堤が設けられている男性用尿取りパッドの発明が開示されている。
【0005】
また、特許文献3には、不織布シートを熱成型してなるカップ状の外装体と、液透過性のトップシートと、前記外装体と前記トップシートの間に配置される吸収層とを備えた男性用尿取り体であって、外装体の長手方向中央がその隣接部より狭幅になっていて、かつ該外装体の側縁に着用者の肌と接触する平坦部が設けられている男性用尿取り体の発明が開示されている。
【0006】
しかしながら、男性用吸収性物品が袋状に成型されている場合、吸収性物品がペニス全体を覆うために嵩張ることで、吸収性物品の装着が目立ってしまい、使用者に対して着用に抵抗感を与えることがあった。
【0007】
また、男性用吸収性物品がカップ状に成型されている場合も、吸収性物品の装着が目立ってしまい、さらに、使用者が装着した際に、蒸れや横漏れが発生しやすかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−148441号公報
【特許文献2】特開2012−152248号公報
【特許文献3】特開2011−062225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、装着した際に嵩張りにくく、蒸れや横漏れが生じにくい吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本願発明に係る1つの態様は、液透過性のトップシートと、不液透過性のバックシートと、トップシートとバックシートの間に配置された吸収体を備える吸収性物品であって、下着の前部から後部の内側に取付けられ、後方側に向かって狭まる略三角形の形状が前後方向に延在する中央部と、中央部の左右に設けられ、使用者の大腿部内側に当たる一対の端部と、を有し、前方側において、中央部と一対の端部との接続部に内側に向かって一対の第1凹部を設け、後方側において、中央部と一対の端部との接続部に内側に向かって第2凹部を設け、一対の端部の後部と第2凹部とが滑らかにつながっている吸収性物品を提供する。
【0011】
(2)吸収体は、上記(1)に記載の吸収性物品において、中央部と一対の端部とで分割されてもよい。
【0012】
(3)バックシートは、上記(1)または(2)に記載の吸収性物品において、中央部領域に接着部を備え、接着部が後方側に向かって幅が狭まる形状であってもよい。
【0013】
(4)上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の吸収性物品において、5mm以下の厚さであってもよい。
【0014】
(5)上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の吸収性物品において、トップシートと吸収体との間に液拡散性シートを備え、液拡散性シートは、厚さが0.1mm以上であり、坪量が15g/m
2以上80g/m
2以下の親水性不織布であってもよい。
【0015】
(6)上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の吸収性物品において、さらに、前後方向に折り曲げるための折れ線部を有し、折れ線部は、接続部に沿って設けられてもよい。
【0016】
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の吸収性物品において、一対の端部の吸収体は、中央部の吸収体より薄い厚みを有してもよい。
【0017】
(8)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の吸収性物品において、男性用の吸収性物品であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、装着した際に嵩張りにくく、蒸れや横漏れが生じにくい吸収性物品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態にかかる吸収性物品の外観を示す平面図。
【
図2】
図1に示す吸収性物品における、X−X断面図。
【
図4】他の実施形態にかかる吸収性物品の外観を示す平面図。
【
図5】本発明にかかる吸収性物品を男性に装着した場合の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の吸収性物品の好ましい実施の形態(以下、実施形態という)を、以下に詳細に説明する。実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。また、実施形態において、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、使用者から見た方向を示す。
【0021】
(吸収性物品1の全体構成)
まず、本発明における吸収性物品1の一実施形態について、
図1及び
図2に基づいて説明する。
【0022】
図1に示すように、吸収性物品1は、下着の前部から後部の内側に取付けられ、後方側に向かって狭まる略三角形の形状であって、前後方向に延在する中央部5と、中央部5の左右に設けられ、使用者の大腿部内側に当たる一対の端部6とを有している。吸収性物品1の前方側において、中央部5と一対の端部6との接続部7に内側に向かって一対の第1凹部81、81を設け、後方側において、中央部5と一対の端部6との接続部7に内側に向かって第2凹部82を設け、一対の端部6の後部と第2凹部82とが滑らかにつながっている構成をとっている。
【0023】
吸収性物品1の厚さを5mm以下とすることにより、使用者が装着したときに発生する違和感を減少させることができる。
【0024】
本発明の吸収性物品1としては、特に制限はないが、例えば、軽失禁パッド、尿吸収パッド、尿吸収ライナー等をあげることができる。
【0025】
(吸収性物品1の各部構成)
次に、吸収性物品1の各部構成を
図1ないし
図6に基づいて説明する。
【0026】
図2に示すように、吸収性物品1は、肌と接触する側から順に、液透過性のトップシート2、液拡散性シート9、液保持性の吸収体3、不液透過性のバックシート4が積層されて配置されている。吸収性物品1は、各要素を積層し、その周囲を一部あるいは全周に渡ってホットメルト系接着剤を用いて固定することにより形成する。ホットメルト系接着剤の種類及び塗布方法は特に限定されないが、ノズルから溶融状態の接着剤を非接触で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、また、接触式では、スロット法等の公知の方法が適用できる。
【0027】
(中央部および一対の端部)
図1に示すように、吸収性物品1は、後方側に向かって狭まる略三角形の形状が前後方向に延在する中央部5と、中央部5の左右に設けられる一対の端部6とを有している。
【0028】
中央部5は下着の前部から後部の内側に取付けられ、陰部を収容するものである。また、一対の端部6は、使用者の両大腿部の内側に当たるように形成している。
【0029】
(一対の第1凹部及び第2凹部)
図1に示すように、吸収性物品1の前方側において、一対の第1凹部81は、中央部5と一対の端部6との接続部Lに、内側に向かって設けられている。また、吸収性物品1の後方側において、第2凹部82は、中央部5と一対の端部6との接続部7に、内側に向かって設けられ、さらに、一対の端部6の後部と第2凹部82とは、滑らかにつながっている構造となっている。
【0030】
(折れ線部)
吸収性物品1を前後方向に折り曲げ、陰部を包みむような変形を容易とする観点から、中央部5と一対の端部6との接続部Lに沿って、かつ、トップシート2側からバックシート4側に凹む溝状の折れ線部を形成してもよい。折れ線部は、例えば、吸収性物品1の前部から後部にかけて、接続部Lを高い圧力で圧縮した1対の圧搾溝により、形成することができる。なお、折れ線部の本数、長さ等は、この例に格別に限定されるものではなく、吸収性物品1に求められる仕様に応じて任意に変更可能である。
【0031】
(トップシート)
トップシート2の基材は、尿等の液体が吸収体へと移動するような液透過性を備えていればよく、例えば、サーマルボンド不織布等の不織布、サーマルボンド/スパンボンドを積層した複合不織布、開口ポリエチレンフィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム、あるいは、これらを積層した複合シートといった材料から形成される。液透過性を向上させるために、トップシート2にエンボス加工や穿孔加工を施すことが好ましい。その加工方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。また、肌への刺激を低減させるために、トップシート2に、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等を含有させることも好ましい。さらに、強度および加工性の点から、トップシート2の坪量は、10g/m
2以上50g/m
2以下、好ましくは15g/m
2以上30g/m
2以下である。
【0032】
トップシート2の形状としては、特に制限はないが、尿等の液体を吸収体3に誘導するため、吸収体3を覆う形状であればよい。
【0033】
(吸収体)
吸収体3の基材は、一般に生理用ナプキンやおむつ、尿パッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、高吸水性樹脂(Super Absorbent Polymer;以下、「SAP」と記す。)、親水性シートといった材料から形成される。かかるフラッフパルプとしては、木材パルプ及び合成繊維、ポリマー繊維等の非木材パルプを綿状に解繊したもの、SAPとしては、ポリアクリル酸ナトリウム、親水性シートとしては、ティシュ、吸収紙、親水性不織布があげられる。
【0034】
吸収体3は、上記の基材を用いて、単層あるいは複層のシート状で構成される。これらの中でも、木材フラッフパルプのような、フラッフパルプのウェブの親水性繊維マトリックスをSAP粒子と混合して形成したもの、あるいは、親水性シートにSAP粒子を塗布したSAPシートが好ましい。フラッフパルプあるいは親水性シートと、SAP粒子との吸水力のバランスを得るために、フラッフパルプあるいは親水性シートを100質量部に対して、SAP粒子を5質量部以上60質量部以下、さらに好ましくは10質量部以上40質量部以下で混合する。また、SAP粒子の漏洩防止や吸収体3の形状を安定させるために、吸収体3をティシュのような親水性シート(図示せず)に包むことが好ましい。さらに、吸収体3の表面にエンボス加工を施すと、尿等の液体の拡散をコントロールすると共に、使用者の体型に応じて吸収体3が容易に変形するので好ましい。
【0035】
また、
図4に示すように、折り曲げを容易にし、使用者に対するフィット感向上の観点から、吸収体3を中央部5と一対の端部6とで分割し、中央部の吸収体35、一対の端部の吸収体36、36と形成してもよい。
【0036】
さらに、一対の端部6領域の吸収体3は、中央部5領域の吸収体3より薄い厚みを有してもよい。吸収体3の厚みに差を有するためには、例えば、(1)吸収体3を作製する際に、中央部5領域の基材の積層数あるいは基材量を増加させる、(2)中央部の吸収体35と一対の端部の吸収体36、36で厚みの異なる基材を用いる等があげられる。
【0037】
(液拡散性シート)
吸収体3の上面への尿等の液体の拡散を促進するために、トップシート2と吸収体3の間に、液拡散性シート9を設けることができる。かかる液拡散性シート9としては、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドを積層した複合不織布があげられる。液拡散性シート9の厚さは、0.1mm以上が好ましく、その坪量は15g/m
2以上80g/m
2以下が好ましい。厚さが0.1mm未満、あるいは、坪量が15g/m
2未満であると、吸収体3の上面全体への液体の拡散が十分に行われないので好ましくない。一方、坪量が80g/m
2を超えると、液拡散性シート9への液体移行量が減少し、さらっとした装着感が減少する。また、液拡散性シート9の形状は、特に制限はないが、尿等の液体が、くまなく吸収体3に拡散するように、吸収体3の表面を完全に覆うことができる形状であることが好ましい。
【0038】
(バックシート)
本実施形態のバックシート4の基材は、吸収体3が保持している尿等の液体が下着に漏れないような液不透過性を備えたものであればよく、不織布、樹脂フィルム、あるいはこれらを積層した複合シートといった材料から形成される。かかる不織布は、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンドやメルトブロー不織布、あるいは、スパンボンド/メルトブロー、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドを積層した複合不織布及びこれらの複合材料があげられる。また、かかる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等があげられる。
【0039】
強度および加工性の点から、バックシート4の坪量は、15g/m
2以上40g/m
2以下であることが好ましい。また、装着時の蒸れを防止するため、バックシート4は透湿性を持たせることが好ましい。透湿性を備えさせるために、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合することや、バックシート4にエンボス加工を施すことがあげられる。フィラーとしては、炭酸カルシウムをあげることができ、その加工方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
【0040】
(接着部)
バックシート4は、
図3に示すように、非肌当接面の中央部5の領域に接着部41を備えている。接着部41は、吸収性物品1を下着に貼り付けて装着する際に、ズレ止めの役割を有している。接着部41を形成する粘着剤は、特に制限なく用いることができるが、例えば、ポリアクリル酸エステル、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、スチレンーアクリル系共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ブタジエン−スチレン共重合体等のホットメルト系粘着剤があげられる。これらを、1種のみを使用しても、複数をブレンドして使用してもよい。上記の粘着剤をバックシート4に塗布することで、接着部41を形成することができる。
【0041】
また、接着部41の形状としては、略長方形や円形、楕円形等、特に制限なく選択することができる。例えば、
図3に示すように、ズレ防止の観点から、中央部5の範囲に収まる後方側に向かって幅が狭まる形状であってもよい。また、吸収性物品1を個包装する場合、接着部41には、接着部41を保護する剥離紙を設けることもできる。
【0042】
(吸収性物品の装着)
吸収性物品1を下着に貼り付けて装着する際には、
図6に示すように、接続部Lを折り曲げの起点とし、中央部5が凹状の形状となる。このとき、中央部5が吸収性物品1の後方側に向かって狭まる略三角形の形状であるので、吸収性物品1の後方は陰部まで包み込む構造をとることができる。この構造をとることにより、吸収性物品1の後部と使用者の陰部との間の隙間を埋め、後方に流れた尿等をしっかりと吸収し、横漏れを防ぐことが可能となる。
【0043】
一対の端部6は、
図5に示すように、例えば男性の使用者Hの両大腿部に当たる構造をとることで、左右方向の伝い漏れを軽減することが可能となる。使用者Hの両大腿部に当たる領域は、一対の端部6の全部に限るものでは無く、一部でも当たっていれば上記の効果を奏することができる。
【0044】
また、接続部L上に配置された一対の第1凹部81は、吸収性物品1の折り曲げを誘導するため、陰部を包み込みやすい形状へと容易に変形することが可能となり、使用者の装着感が向上する。さらに、一対の第1凹部81と第2凹部82が対向しないよう配置する構造を採用することで、中央部5が凹状の形状となるよう誘導するため、フィット感が向上することとなる。
【0045】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0046】
1 吸収性物品
2 トップシート
3 吸収体
35 中央部の吸収体
36 一対の端部の吸収体
4 バックシート
41 接着部
5 中央部
6 一対の端部
81 一対の第1凹部
82 第2凹部
9 液拡散性シート
L 接続部
H 使用者
P 下着