【解決手段】ピッキングされた物品を順次検知することで得られた、複数の物品についてのピッキング順を示す情報を取得し、前記ピッキング順とは逆の順で、前記複数の物品のそれぞれを示す情報を出力する、処理をコンピュータに実行させる。
前記複数の物品は、前記ピッキング順に荷車に搭載され、出力される前記情報に従って、該荷車から取り出されることを特徴とする請求項1又は2記載の検品支援プログラム。
前記情報を出力する処理は、物品の属性に基づいて前記複数の物品が分類されるグループごとに、前記ピッキング順とは逆順で、前記複数の物品のそれぞれの情報を出力する、ことを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項記載の検品支援プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、第一の実施の形態における検品支援システムの構成例を示す図である。
図1に示される情報出力システム1おいて、サーバ装置30は、ネットワークN1に接続されている。また、ピッキング用端末20及び検品用端末10は、ネットワークN1に接続されたアクセスポイント40との無線通信を介してネットワークN1に接続可能である。したがって、サーバ装置30と、ピッキング用端末20及び検品用端末10とは、通信可能である。
【0011】
ピッキング用端末20は、例えば、物流センタ等における倉庫に保管されている商品又は製品等の物品(本実施の形態では、「商品」として説明する。)をピッキングする作業者が利用する端末である。ピッキング用端末20は、作業者によってピッキングされた商品から当該商品の識別情報(以下、「商品コード」という。)を読み取り、読み取られた商品コードをサーバ装置30に送信する。なお、ピッキングとは、出荷指示の対象とされた商品を、在庫から取り出すことをいう。本実施の形態において、出荷指示の対象とされた商品のリスト(一覧)を、「ピッキングリスト」という。作業者は、ピッキングリストに基づいて、ピッキング作業を行ない、ピッキングした商品を荷車に積載する。
【0012】
検品用端末10は、ピッキングされた商品の検品作業を支援する端末である。検品用端末10は、検品作業を行う作業者によって利用される。
【0013】
なお、ピッキング用端末20及び検品用端末10は、それぞれ、専用の端末であってもよいし、例えば、タブレット型端末、スマートフォン、又は携帯電話等、汎用的な端末であってもよい。また、ピッキング用端末20と、検品用端末10とは、同一の端末であってもよい。例えば、ピッキング作業と検品作業とが同じ作業者によって行われる場合、ピッキング用端末20と検品用端末10とが同じ端末であると端末の持ち替えなどの必要がなくなり便利である。
【0014】
サーバ装置30は、ピッキングや検品に関する各種の情報を記憶するコンピュータである。
【0015】
図2は、第一の実施の形態における検品用端末のハードウェア構成例を示す図である。
図2の検品用端末10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、インタフェース装置105、表示装置106、及び入力装置107等を有する。
【0016】
検品用端末10での処理を実現するプログラムは、補助記憶装置102に記憶されている。メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って検品用端末10に係る機能を実現する。インタフェース装置105は、無線通信をするためのインタフェースとして用いられる。表示装置106はプログラムによるGUI(Graphical User Interface)等を表示する。入力装置107は、タッチパネル又はボタン等であり、ユーザからの操作指示の入力を受け付けるために用いられる。
【0017】
なお、ピッキング用端末20も、
図2に示されるハードウェア構成を有していてもよい。
【0018】
図3は、第一の実施の形態における各端末及びサーバ装置の機能構成例を示す図である。
図3において、ピッキング用端末20は、商品情報読取部21及びピッキング情報送信部22等を有する。これら各部は、ピッキング用端末20にインストールされたプログラムが、ピッキング用端末20のCPUに実行させる処理により実現される。
【0019】
商品情報読取部21は、ピッキング用端末20が有するバーコードリーダ又はデジタルカメラ等を利用して、例えば、商品に貼付されているバーコードからの商品コードの読み取りを制御する。なお、商品に貼付されている商品コードは、バーコードによって表現されなくてもよい。例えば、商品には、商品コードが文字列として記載されていてもよい。この場合、当該文字列を含む画像から、例えば、OCR(Optical Character Recognition)等を利用して、商品コードが抽出されてもよい。
【0020】
ピッキング情報送信部22は、商品情報読取部21によって読み取られた商品コードを、サーバ装置30に送信する。
【0021】
サーバ装置30は、ピッキング情報受信部31、ピッキング履歴記憶部32、及びピッキングリスト記憶部33等を有する。ピッキング情報受信部31は、サーバ装置30にインストールされたプログラムが、サーバ装置30のCPUに実行させる処理により実現される。ピッキング履歴記憶部32及びピッキングリスト記憶部33は、サーバ装置30が有する補助記憶装置、又はサーバ装置30にネットワークを介して接続する記憶装置等を用いて実現可能である。
【0022】
ピッキング情報受信部31は、ピッキング用端末20のピッキング情報送信部22から送信される商品コードを受信する。ピッキング履歴記憶部32は、受信した商品コードを、ピッキング履歴記憶部32に記憶する。したがって、ピッキング履歴記憶部32には、ピッキングされた商品の商品コードの履歴(以下、「ピッキング履歴」という。)が記憶される。
【0023】
ピッキングリスト記憶部33は、ピッキングリストを示す電子データ(以下、単に「ピッキングリスト」という。)を記憶する。
【0024】
検品用端末10は、情報取得部11、ピッキングリストソート部12、及びピッキングリスト出力部13等を有する。これら各部は、検品用端末10にインストールされたプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。
【0025】
情報取得部11は、ピッキング履歴及びピッキングリストを、サーバ装置30から取得(ダウンロード)する。ピッキングリストソート部12は、複数の商品に関するピッキング履歴に基づいて、ピッキングリストを、ピッキング順(取り出し順)の逆順にソートする。ピッキングリスト出力部13は、ソートされたピッキングリストの順番で、商品コードを音声出力する。なお、音声出力の対象は、商品コードでなく、商品名等、各商品を特定可能な他の情報であってもよい。この場合、当該他の情報は、サーバ装置30等からダウンロードされてもよい。
【0026】
以下、各端末及びサーバ装置30が実行する処理手順について説明する。
図4は、ピッキング作業時にピッキング用端末が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0027】
作業者は、ピッキングリストに含まれている一つの商品をピッキングすると、当該商品に貼付されているバーコードの読み取り指示を、ピッキング用端末20に入力する。ピッキング用端末20の商品情報読取部21は、読み取り指示に応じ(S101でYes)、バーコードの読み取りを制御し、当該バーコードから商品コードを抽出する(S102)。続いて、ピッキング情報送信部22は、抽出された商品コードをサーバ装置30に送信する(S103)。
【0028】
なお、ピッキングの作業者は、ピッキングリストをピッキング用端末20にダウンロードし、当該ピッキングリストをピッキング用端末20に表示させて、ピッキング対象の商品を特定してもよい。または、ピッキングリストが印刷された用紙を参照して、ピッキング対象の商品を特定してもよい。
【0029】
上記処理手順に従えば、ピッキングの作業者は、それぞれの商品が格納されている倉庫や棚などを回りながら、ピッキングリストに載っている商品をピッキングして荷車に積んでいく際に、商品のバーコードの読み取り作業を行うことになる。ここで、ピッキングする順序は、必ずしもピッキングリストに載っている順に行われるとは限らない。例えば、作業者は、商品が管理されている倉庫や棚などの位置を考慮し、一筆書きのようなルートで回りながらピッキングリストに載っている商品をピッキングすれば、作業時間を短くすることができよう。ピッキングする順序は作業者が任意に決定してもよい。
【0030】
ここで、商品はピッキングされた順に荷車に積み込まれることになる。従って、先にピッキングされた商品は荷車内の底の方に置かれ、その上に、後からピッキングされた商品が積まれることになる。即ち、先にピッキングされた商品は、検品の際に荷車から取り出しにくい位置に置かれる可能性が高いと言える。
【0031】
図5は、ピッキング作業時にサーバ装置が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0032】
サーバ装置30のピッキング情報受信部31は、ピッキング用端末20から送信される商品コードの受信を待機している(S201)。ピッキング情報受信部31は、商品コードを受信すると(S201でYes)、当該商品コードを、ピッキング履歴記憶部32に記憶する(S202)。例えば、ピッキング情報受信部31は、商品コードの受信順が保持されるように、商品コードをピッキング履歴記憶部32に記憶する。
【0033】
以上のように、ピッキング用端末20は、商品がピッキングされるたびに、商品コードの送信を逐次的に実行する。また、ピッキング履歴記憶部32には、複数の商品コードの受信順が保持されるように商品コードが記憶される。したがって、ピッキング履歴記憶部32には、商品のピッキング順が保持されるように商品コードが記憶される。
【0034】
例えば、
図6は、ピッキング順の一例を示す図である。
図6では、作業者W1が、商品が保管されている倉庫内を、経路r1に従って移動し、商品をピッキングした例が示されている。
図6において、小文字のアルファベットと数字との組み合わせによる符号は、商品コードを示す。すなわち、
図6には、a2、a1、c3、c1、b2、b3、c2、及びb1の順で、商品がピッキングされた例が示されている。
【0035】
この場合、ピッキング履歴記憶部32には、例えば、
図7に示されるようなピッキング履歴が記憶される。
【0036】
図7は、ピッキング履歴記憶部の構成例を示す図である。
図7において、ピッキング履歴記憶部32は、ピッキングされた商品ごとに、ピッキング順、ピッキング時刻、及び商品コード等を記憶する。ピッキング時刻は、サーバ装置30が、商品コードを受信した時刻でもよいし、ピッキング用端末20が商品コードを読み取った時刻でもよい。後者の場合、ピッキング情報送信部22は、商品コードに加えて、商品コードを読み取った時刻を、サーバ装置30に送信してもよい。ここで、ピッキング履歴記憶部32では、ピッキングされた順番が分かるように、商品コードが記憶されていればよい。従って、ピッキング順とピッキング時刻との両方を商品コードと対応づけて記憶していなくてもよい。もしくは、ピッキングした順に従って商品コードを順に記憶する、すなわち、記憶部に格納された順番がピッキングされた順番と同義であれば、ピッキング順やピッキング時刻の情報を記憶しなくても良い。
【0037】
なお、ピッキング用端末20は、一つの商品ごとに、商品コード等を送信しなくてもよい。例えば、ピッキング用端末20は、ピッキング作業の終了時に、ピッキングされた全ての商品の商品コードの一覧をサーバ装置30に送信してもよい。この場合、ピッキング用端末20は、ピッキング順が保持されるように、商品コードを記憶しておけばよい。
【0038】
続いて、検品時に実行される処理手順について説明する。
図8は、第一の実施の形態において検品時に検品用端末が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図8の処理手順は、例えば、検品作業の作業者による指示が検品用端末10に入力されると開始される。
【0039】
ステップS310において、情報取得部11は、ピッキングリスト記憶部33に記憶されているピッキングリストと、ピッキング履歴記憶部32に記憶されているピッキング履歴(
図7)とをダウンロードする(S310)。
【0040】
図9は、ピッキングリストの一例を示す図である。
図9において、ピッキングリストは、出荷指示の対象とされた商品ごとに、商品コード及び個数等を含む。
【0041】
続いて、ピッキングリストソート部12は、ステップS310において取得されたピッキング履歴が示すピッキング順の降順又はピッキング時刻の降順(すなわち、ピッキング順の逆順)に、ピッキングリストの商品コードをソートする(S320)。
【0042】
図10は、ピッキングリストのソート結果の一例を示す図である。
図10では、
図9に示したピッキングリストが、
図7に示したピッキング順の降順にソートされた例が示されている。なお、
図10では、ピッキングリストの「個数」の項目は、便宜上、省略されている。
【0043】
続いて、ピッキングリスト出力部13は、変数iに1を代入する(S330)。続いて、ピッキングリスト出力部13は、ソート後のピッキングリストのi番目の商品コードを音声出力する(S340)。すなわち、当該商品コードが、読み上げられるため、読み上げられた順に荷車から商品を取り上げ、ピッキングされた商品が、ピッキングリスト通りであるか等の検品作業を行うことができる。例えば、ピッキングされた商品の商品コードが、ピッキングリストに含まれており、当該商品コードに係る商品の個数が、ピッキングリスト通りであるか否かが確認される。検品の結果、正しいことが確認された商品は、例えば、出荷される。誤ってピッキングされた商品は、例えば、元の保管場所に戻される。
【0044】
続いて、ピッキングリスト出力部13は、変数iの値が、ピッキングリストの要素数以上であるか否かを判定する(S350)。ピッキングリストの要素数とは、ピッキングリストを構成する商品コードの数をいう。
図10の例において、ピッキングリストの要素数は、「8」である。したがって、ステップS350における判定は、ピッキングリストに含まれている全ての商品コードについて、音声出力が行われたか否かの判定に相当する。
【0045】
変数iの値が、ピッキングリストの要素数未満である場合(S350でNo)、ピッキングリスト出力部13は、変数iに1を加算して(S360)、ステップS350を繰り返す。変数iの値が、ピッキングリストの要素数以上である場合(S350でYes)、検品用端末10は、
図8の処理を終了させる。
【0046】
なお、ピッキングリストのソートは、サーバ装置30において行われてもよい。この場合、ステップS310では、ソート後のピッキングリストが取得されればよい。また、この場合、ステップS320は、実行されなくてよい。
【0047】
上述したように、第一の実施の形態によれば、検品用端末10は、ピッキング順とは逆順に、ピッキングリストに含まれている各商品コード等を読み上げる。したがって、検品用端末10は、ピッキングによってカート又はカーゴ等の荷車に積載された商品の配列状況に適した順序で、商品コード等を読み上げることができる。
【0048】
例えば、
図6に示されるような順番でピッキングが行われた場合、荷車には、
図11に示されるように、商品が積載される傾向に有る。
【0049】
図11は、荷車における商品の積載状況の第一の例を示す図である。
図11に示されるように、ピッキング順が先である商品ほど下層に、ピッキング順が後である商品ほど上層に積載される傾向に有る。
図11に示される積載状況において、
図10に示される順番で、商品コードが読み上げられれば、作業者は、上層に有る商品から順に、検品を行うことができる。したがって、下層に有る商品を検品するために上層の商品を避けるといった作業が必要とされる頻度の低下を期待することができる。その結果、ピッキング作業を効率化することができる。
【0050】
次に、第二の実施の形態について説明する。第二の実施の形態では第一の実施の形態と異なる点について説明する。したがって、特に言及されない点については、第一の実施の形態と同様でもよい。
【0051】
図12は、第二の実施の形態における各端末及びサーバ装置の機能構成例を示す図である。
図12中、
図3と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0052】
図12において、サーバ装置30は、商品情報記憶部34を有する。商品情報記憶部34は、各商品の属性情報を記憶する。第二の実施の形態では、検品時において、商品の属性情報(以下、「商品属性」という。)をも勘案されて、商品コードの読み上げ順序が決定される。
【0053】
図13は、第二の実施の形態において検品時に検品用端末が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図13中、
図8と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明は省略する。
【0054】
ステップS310aにおいて、情報取得部11は、ピッキングリスト記憶部33に記憶されているピッキングリストと、ピッキング履歴記憶部32に記憶されているピッキング履歴(
図7)と、商品情報記憶部34に記憶されている商品属性とをダウンロードする。
【0055】
図14は、商品情報記憶部の構成例を示す図である。
図14において、商品情報記憶部34は、各商品の商品コードに対応付けて、重さ、サイズ、商品分類、及び梱包形態等の商品属性を記憶する。
【0056】
重さは、商品の重さである。サイズは、商品のサイズである。サイズは、商品の外形を示す情報の一例である。サイズは、容積によって表現されてもよいし、外寸によって表現されてもよい。または、サイズは、大、中、小等の区分を示す値であってもよい。この場合、大、中、小は、例えば、商品間の相対的な大小関係を示す値でもよい。商品分類は、例えば、用途及び機能に基づく商品の種別を示す情報である。商品分類の値一例として、「飲料品」、「衣料品」、「電気製品」等が挙げられる。梱包形態は、商品の梱包の態様を示す情報である。梱包形態も、商品の外形を示す情報の一例であるといえる。
【0057】
なお、ステップS310aでは、ピッキングリストに含まれている商品コードに係る商品の商品属性が取得されればよい。
【0058】
続いて、ピッキングリストソート部12は、ピッキングリストに含まれる商品コードを、当該商品コードに対応付いている商品属性に含まれる重さの降順にソートする(S311)。続いて、ピッキングリストソート部12は、重さでのソート後のピッキングリストに含まれる商品コードを、重さに関する1以上の閾値に基づいて、2又は3以上のグループに分類する。
【0059】
図15は、商品の重さに基づく商品コードの分類例を示す図である。
図15では、1000gを閾値として、ピッキングリストが、1000g以上のグループAと1000g未満のグループBとに分類された例が示されている。なお、閾値が、2以上である場合は、3つ以上のグループに分類される。
【0060】
続いて、ピッキングリストソート部12は、ステップS310において取得されたピッキング履歴が示すピッキング順の降順又はピッキング時刻の降順(すなわち、ピッキング順の逆順)に、グループごとに、ピッキングリストの商品コードをソートする(S320)。すなわち、グループ間を跨っての商品コードの入れ替えは行われない。
【0061】
図16は、グループ単位でのピッキングリストのソート結果の一例を示す図である。
図16では、グループA内で、ピッキング順の逆順にソートされ、グループB内で、ピッキング順の逆順にソートされた例が示されている。
【0062】
以降、
図16に示されるピッキングリストの順番で、商品コードの音声出力が実行される(S330〜S360)。
【0063】
第二の実施の形態は、ピッキングの作業者は、商品の変形の回避等のため、重い商品と軽い商品とを分別して荷車に積載する傾向に有るという考えに基づく
例えば、
図17は、荷車における商品の積載状況の第二の例を示す図である。
図17では、重さが閾値以上である商品群であるグループAと、重さが閾値未満である商品群であるグループBとが分別されて積載された例が示されている。
【0064】
このような場合、第二の実施の形態によれば、検品用端末10は、分別状況に適した順序で、商品コード等を読み上げることができる。
【0065】
なお、ピッキング順に拘わらず、後からピッキングされた重い商品は、既に積載されている軽い商品の下層に積載されることも考えられる。この場合、ステップS311では、重さの昇順にピッキングリストがソートされればよい。そうすることで、上層に有る可能性の高い軽い商品の商品コードが、下層に有る可能性の高い重い商品の商品コードよりも先に読み上げられるようにすることができる。
【0066】
また、重さ以外の商品属性に基づいて、グループ分けが行われてもよい。例えば、サイズのような外形に基づいてグループ分けが行われてもよい。サイズが容積である場合、容積に対する閾値に基づいてグループ分けが行われてもよい。サイズが、大、中、小といった区分である場合、サイズの共通性に基づいてグループ分けが行われてもよい。但し、閾値に基づくグループ分けも、閾値以上であるという共通性、又は閾値未満であるという共通性の基づくグループ分けであると考えることができる。
【0067】
また、商品分類又は梱包形態の共通性に基づいて、グループ分けが行われてもよい。ピッキングの作業者が、商品分類別に商品を積載すること、又は梱包形態別に商品を積載することも考えられるからである。
【0068】
また、商品属性を構成する2以上の項目の組み合わせによってグループ分けが行われてもよい。また、
図14に示されていない他の属性に基づいて、グループ分けが行われてもよい。
【0069】
更に、検品用端末10は、いずれの商品属性に基づいてグループ分けを行うか、又はグループ分けを行わないかを、作業者に選択させてもよい。
【0070】
また、ソートされたピッキングリストは、音声出力以外の出力形態によって出力されてもよい。例えば、検品用端末10の表示装置106に、ソートされたピッキングリストを含む画面が出力されてもよい。又は、プリンタ等を用いて、ソートされたピッキングリストが印刷(紙出力)されてもよい。この場合、印刷されたピッキングリストを用いて検品作業が行われてもよい。
【0071】
なお、上記各実施の形態において、検品用端末10は、検品支援装置の一例である。情報取得部11は、取得部の一例である。ピッキングリスト出力部13は、出力部の一例である。商品情報読取部21は、読取部の一例である。ピッキング履歴記憶部32は、記憶部の一例である。
【0072】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0073】
以上の説明に関し、更に以下の項を開示する。
(付記1)
ピッキングされた物品を順次検知することで得られた、複数の物品についてのピッキング順を示す情報を取得し、
前記ピッキング順とは逆の順で、前記複数の物品のそれぞれを示す情報を出力する、
処理をコンピュータに実行させるピッキングされた物品の検品支援プログラム。
(付記2)
前記複数の物品のそれぞれを示す情報は、音声出力、リスト出力、画面出力のいずれかである、ことを特徴とする付記1記載の検品支援プログラム。
(付記3)
前記複数の物品は、前記ピッキング順に荷車に搭載され、出力される前記情報に従って、該荷車から取り出されることを特徴とする付記1又は2記載の検品支援プログラム。
(付記4)
前記情報を出力する処理は、物品の属性に基づいて前記複数の物品が分類されるグループごとに、前記ピッキング順とは逆順で、前記複数の物品のそれぞれの情報を出力する、ことを特徴とする付記1乃至3いずれか一項記載の検品支援プログラム。
(付記5)
前記物品の属性は、物品の重さ、外形、又は物品の種別であることを特徴とする付記4記載の検品支援プログラム。
(付記6)
ピッキングされた物品を順次検知することで得られた、複数の物品についてのピッキング順を示す情報を取得し、
前記ピッキング順とは逆の順で、前記複数の物品のそれぞれを示す情報を出力する、
処理をコンピュータが実行するピッキングされた物品の検品支援方法。
(付記7)
前記複数の物品のそれぞれを示す情報は、音声出力、リスト出力、画面出力のいずれかである、ことを特徴とする付記6記載の検品支援方法。
(付記8)
前記複数の物品は、前記ピッキング順に荷車に搭載され、出力される前記情報に従って、該荷車から取り出されることを特徴とする付記6又は7記載の検品支援方法。
(付記9)
前記情報を出力する処理は、物品の属性に基づいて前記複数の物品が分類されるグループごとに、前記ピッキング順とは逆順で、前記複数の物品のそれぞれの情報を出力する、ことを特徴とする付記6乃至8いずれか一項記載の検品支援方法。
(付記10)
前記物品の属性は、物品の重さ、外形、又は物品の種別であることを特徴とする付記9記載の検品支援方法。
(付記11)
ピッキングされた物品を順次検知することで得られた、複数の物品についてのピッキング順を示す情報を取得する取得部と、
前記ピッキング順とは逆の順で、前記複数の物品のそれぞれを示す情報を出力する出力部と、
を有するピッキングされた物品の検品支援装置。
(付記12)
前記複数の物品のそれぞれを示す情報は、音声出力、リスト出力、画面出力のいずれかである、ことを特徴とする付記11記載の検品支援装置。
(付記13)
前記複数の物品は、前記ピッキング順に荷車に搭載され、出力される前記情報に従って、該荷車から取り出されることを特徴とする付記11又は12記載の検品支援装置。
(付記14)
前記出力部は、物品の属性に基づいて前記複数の物品が分類されるグループごとに、前記ピッキング順とは逆順で、前記複数の物品のそれぞれの情報を出力する、ことを特徴とする付記11乃至13いずれか一項記載の検品支援装置。
(付記15)
前記物品の属性は、物品の重さ、外形、又は物品の種別であることを特徴とする付記14記載の検品支援装置。
(付記16)
置かれている場所がそれぞれ異なる複数の物品が、該置かれている場所から取り出され荷車に積載される際に、該物品の識別子を読み込む読取部と、
前記読取部により読み込まれた識別子を、該識別子が読み込まれた順序を特定可能に記憶する記憶部と、
前記荷車に積載された物品についての検品作業を開始する旨の指示を付け付けると、前記記憶部に記憶された順序の逆順に、前記記憶部に記憶された前記識別子により特定される物品の情報を出力する出力部と、
を有することを特徴とする物品の検品支援システム。