(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-90704(P2015-90704A)
(43)【公開日】2015年5月11日
(54)【発明の名称】タッチセンサモジュール
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20150414BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/041 495
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-120201(P2014-120201)
(22)【出願日】2014年6月11日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0133590
(32)【優先日】2013年11月5日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジ ス
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ギョン ス
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヨン アン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,スン フン
(72)【発明者】
【氏名】ホン,ユン キ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,グァン ハ
(57)【要約】
【課題】電極パッドの外周面に沿って保護層を形成することで、電極パッドとフレキシブルケーブルとの間の湿気による断線及び接触不良が防止できるタッチセンサモジュールを提供する。
【解決手段】本発明のタッチセンサモジュール1は、1個以上の端子部320が形成されたフレキシブルケーブルと、端子部320の一面上に接して電気的信号を伝達するように形成された接着層200と、接着層200の他面上に接して、端子部320に対応するように形成された電極パッド140を備えるベース基板110と、電極パッド140の縁部に沿って形成された保護層400と、を含むものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個以上の端子部が形成されたフレキシブルケーブルと、
前記端子部の一面上に接して電気的信号を伝達するように形成された接着層と、
前記接着層の他面上に接して、前記端子部に対応するように形成された電極パッドを備えるベース基板と、
前記電極パッドの縁部に沿って形成された保護層と、を含むタッチセンサモジュール。
【請求項2】
前記接着層は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)からなる、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項3】
前記保護層は、異方性導電フィルムまたは異方性導電接着剤からなる導電性ボールの直径より大きい距離だけ前記電極パッドの縁部から離隔するように前記電極パッドの縁部に沿って形成されることで、ショートを防止する、請求項2に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項4】
前記保護層は、前記電極パッドと同一の材質からなるか、または、前記電極パッドの腐食を防止するために、前記電極パッドの材質より密な多孔性材質からなる、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項5】
前記保護層は、1個以上の前記電極パッドのそれぞれの縁部に沿って形成される、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項6】
前記保護層は、1個以上の電極パッドの領域毎に形成される、請求項1に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項7】
電極パターンの電気的信号を外部に伝達する1個以上の電極パッド、及び前記電極パッドの外周面に沿って形成された第1保護層を備えるベース基板と、
前記電極パッドの一面上に接して電気的信号を伝達するように形成された接着層と、
前記接着層の他面に接して、前記電極パッドに対応するように形成された端子部、及び前記端子部の外周面に沿って形成された第2保護層を備えるフレキシブルケーブルと、を含むタッチセンサモジュール。
【請求項8】
前記接着層は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)からなる、請求項7に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項9】
前記第1保護層及び第2保護層はそれぞれ、異方性導電フィルムまたは異方性導電接着剤からなる導電性ボールの直径より大きい距離だけ前記電極パッド及び端子部の縁部から離隔するように前記電極パッド及び端子部の縁部に沿って形成されることで、ショートを防止する、請求項7に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項10】
前記第1保護層及び第2保護層はそれぞれ、前記電極パッド及び前記端子部と同一の材質からなるか、または、前記電極パッド及び前記端子部の腐食を防止するために、前記電極パッド及び前記端子部の材質より密な多孔性材質からなる、請求項7に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項11】
前記第1保護層及び第2保護層は、1個以上の前記電極パッド及び前記端子部のそれぞれの縁部に沿って形成される、請求項7に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項12】
前記第1保護層及び第2保護層は、1個以上の前記電極パッド及び前記端子部の領域毎にそれぞれ縁部に沿って形成される、請求項7に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項13】
電極パターンの電気的信号を外部に伝達する1個以上の電極パッドを備えるベース基板と、
前記電極パッドの一面上に接して電気的信号を伝達するように形成された接着層と、
前記接着層の他面上に接して、前記電極パッドに対応するように形成された端子部を備えるフレキシブルケーブルと、
前記端子部の縁部に沿って形成された保護層と、を含むタッチセンサモジュール。
【請求項14】
前記接着層は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)からなる、請求項13に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項15】
前記保護層は、異方性導電フィルムまたは異方性導電接着剤からなる導電性ボールの直径より大きい距離だけ前記電極パッドの縁部から離隔するように前記電極パッドの縁部に沿って形成されることで、ショートを防止する、請求項14に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項16】
前記保護層は、前記端子部と同一の材質からなるか、または、前記端子部の腐食を防止するために、前記端子部の材質より密な多孔性材質からなる、請求項13に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項17】
前記保護層は、1個以上の前記端子部のそれぞれの縁部に沿って形成される、請求項13に記載のタッチセンサモジュール。
【請求項18】
前記保護層は、1個以上の前記端子部の領域毎に形成される、請求項13に記載のタッチセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、携帯用送信装置、その他の個人用の情報処理装置などは、キーボード、マウスなどの様々な入力装置(Input Device)を利用してテキスト及びグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途が益々拡大する傾向にあるため、現在、入力装置の役割を担当しているキーボード及びマウスだけでは、効率的な製品の駆動が困難であるという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報を入力することができる機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的な機能を満たす水準を越えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計及び加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するために、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能な入力装置として、タッチセンサ(touch seonsor)が開発された。
【0005】
このようなタッチセンサは、電子手帳、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display Device)、PDP(Plasma Display Panel)、El(Electroluminescence)などの平板ディスプレイ装置及びCRT(Cathode Ray Tube)などの画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが画像表示装置を見ながら所望の情報を選択するようにするために利用される機器である。
【0006】
また、タッチセンサの種類は、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、電磁方式(Electro−Magnetic Type)、表面弾性波方式(SAW Type;Surface Acoustic Wave Type)及び赤外線方式(Infrared Type)に区分される。
【0007】
このような多様な方式のタッチセンサは、信号増幅の問題、解像度の差、設計及び加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性及び経済性を考慮して電子製品に採用されるが、現在、もっとも幅広い分野で用いられている方式は、抵抗膜方式タッチセンサ及び静電容量方式タッチセンサである。
【0008】
従来技術によるタッチセンサの具体的な一例として、特許文献1に開示されたタッチセンサが挙げられる。
【0009】
前記特許文献1の内容のうち、従来技術による技術として開示されているタッチセンサの構造は、基板と、基板に形成された電極と、電極から延びて基板の一端に集結された電極配線と、電極配線及びフレキシブル印刷回路基板(Flexible Printed Circuit Board、以下「フレキシブルケーブル」)を介して連結されたコントローラと、を含んでなる。
【0010】
ここで、フレキシブルケーブルは、電極で発生した信号を電極配線を介して制御部に伝達する役割をする。この際、フレキシブルケーブルは、信号を伝達するために、電極配線と電気的に接続して連結される。しかし、フレキシブルケーブルと電極配線との間では湿気の浸透により接続不良が頻繁に発生し、このような接続不良によって製品の信頼性が低下するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2011−0107590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決するためのものであって、電極パッドの外周面に沿って保護層を形成することで、電極パッドとフレキシブルケーブルとの間の湿気による断線及び接触不良が防止できるタッチセンサモジュールを提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールは、1個以上の端子部が形成されたフレキシブルケーブルと、前記端子部の一面上に接して電気的信号を伝達するように形成された接着層と、前記接着層の他面上に接して、前記端子部に対応するように形成された電極パッドを備えるベース基板と、前記電極パッドの縁部に沿って形成された保護層と、を含む。
【0014】
本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記接着層は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)からなる。
【0015】
本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記保護層は、異方性導電フィルムまたは異方性導電接着剤からなる導電性ボールの直径より大きい距離だけ前記電極パッドの縁部から離隔するように前記電極パッドの縁部に沿って形成されることで、ショートを防止する。
【0016】
本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記保護層は、前記電極パッドと同一の材質からなるか、または、前記電極パッドの腐食を防止するために、前記電極パッドの材質より密な多孔性材質からなる。
【0017】
本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記保護層は、1個以上の前記電極パッドのそれぞれの縁部に沿って形成される。
【0018】
本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記保護層は、1個以上の電極パッドの領域毎に形成される。
【0019】
本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュールは、電極パターンの電気的信号を外部に伝達する1個以上の電極パッド、及び前記電極パッドの外周面に沿って形成された第1保護層を備えるベース基板と、前記電極パッドの一面上に接して電気的信号を伝達するように形成された接着層と、前記接着層の他面に接して、前記電極パッドに対応するように形成された端子部、及び前記端子部の外周面に沿って形成された第2保護層を備えるフレキシブルケーブルと、を含む。
【0020】
本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記接着層は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)からなる。
【0021】
本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記第1保護層及び第2保護層はそれぞれ、異方性導電フィルムまたは異方性導電接着剤からなる導電性ボールの直径より大きい距離だけ前記電極パッド及び端子部の縁部から離隔するように前記電極パッド及び端子部の縁部に沿って形成されることで、ショートを防止する。
【0022】
本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記第1保護層及び第2保護層はそれぞれ、前記電極パッド及び前記端子部と同一の材質からなるか、または、前記電極パッド及び前記端子部の腐食を防止するために、前記電極パッド及び前記端子部の材質より密な多孔性材質からなる。
【0023】
本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記第1保護層及び第2保護層は、1個以上の前記電極パッド及び前記端子部のそれぞれの縁部に沿って形成される。
【0024】
本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記第1保護層及び第2保護層は、1個以上の前記電極パッド及び前記端子部の領域毎にそれぞれ縁部に沿って形成される。
【0025】
本発明の第3実施例によるタッチセンサモジュールは、電極パターンの電気的信号を外部に伝達する1個以上の電極パッドを備えるベース基板と、前記電極パッドの一面上に接して電気的信号を伝達するように形成された接着層と、前記接着層の他面上に接して、前記電極パッドに対応するように形成された端子部を備えるベース基板と、前記端子部の縁部に沿って形成された保護層と、を含む。
【0026】
本発明の第3実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記接着層は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)または異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)からなる。
【0027】
本発明の第3実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記保護層は、異方性導電フィルムまたは異方性導電接着剤からなる導電性ボールの直径より大きい距離だけ前記電極パッドの縁部から離隔するように前記電極パッドの縁部に沿って形成されることで、ショートを防止する。
【0028】
本発明の第3実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記保護層は、前記端子部と同一の材質からなるか、または、前記端子部の腐食を防止するために、前記端子部の材質より密な多孔性材質からなる。
【0029】
本発明の第3実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記保護層は、1個以上の前記端子部のそれぞれの縁部に沿って形成される。
【0030】
本発明の第3実施例によるタッチセンサモジュールにおいて、前記保護層は、1個以上の前記端子部の領域毎に形成される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、電極パッドの外周面に沿って保護層を形成することで、電極パッドとフレキシブルケーブルとの間の断線及び接触不良を防止することができる。
【0032】
また、電極パッドの外周面に沿って保護層を形成することで、電極パッドとフレキシブルケーブルとの間の電気的ショートが防止されて、製品の信頼性を確保することができる。
【0033】
また、電極パッドの外周面に沿って保護層を形成することで、電極パッド及びフレキシブルケーブルに湿気が浸透することを防止することができる。
【0034】
また、電極パッドの外周面に沿って保護層を形成することで、電極パッド及びフレキシブルケーブルの腐食を防止または抑制することができる。
【0035】
また、電極パッドの外周面に沿って保護層を形成することで、タッチセンサの使用中に水分や汗が浸透することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールのベース基板の一部を示す図面である。
【
図2】
図1のA−Aに沿ったベース基板とフレキシブルケーブルとの上部結合断面図である。
【
図3】
図1のB−Bに沿ったベース基板とフレキシブルケーブルとの下部結合断面図である。
【
図4】
図1のベース基板の保護層においてC部分の拡大図である。
【
図5】
図4のベース基板の保護層の第1変形例示図である。
【
図6】本発明の第1実施例によるフレキシブルケーブルの平面図である。
【
図7】本発明の第2実施例によるベース基板とフレキシブルケーブルとの結合断面図である。
【
図9】本発明の第3実施例によるベース基板とフレキシブルケーブルとの結合断面図である。
【
図10】本発明の第4実施例によるベース基板とフレキシブルケーブルとの結合断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の目的、特定の長所及び新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明及び好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0038】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0039】
図1は、本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールのベース基板の一部を示す図面であり、
図2は、
図1のA−Aに沿ったベース基板とフレキシブルケーブルとの上部結合断面図であり、
図3は、
図1のB−Bに沿ったベース基板とフレキシブルケーブルとの下部結合断面図であり、
図4は、
図1のベース基板の保護層のC部分の拡大図であり、
図5は、
図4のベース基板の保護層の第1変形例示図であり、
図6は、本発明の第1実施例によるフレキシブルケーブルの平面図であり、
図7は、本発明の第2実施例によるベース基板とフレキシブルケーブルとの結合断面図であり、
図8は、
図7の電極パターンの平面図であり、
図9は、本発明の第3実施例によるベース基板とフレキシブルケーブルとの結合断面図であり、
図10は、本発明の第4実施例によるベース基板とフレキシブルケーブルとの結合断面図である。
【0040】
本明細書全体に亘って用いられる「タッチ」という用語は、接触収容面への直接的な接触だけでなく、入力手段が接触収容面に相当な距離だけ近接することも意味すると、広く解釈されるべきである。
【0041】
本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュール1は、1個以上の端子部320、330が形成されたフレキシブルケーブル300と、端子部320、330の一面上に接して電気的信号を伝達するように形成された接着層200と、前記接着層200の他面上に接して、前記端子部320、330に対応するように形成された電極パッド140を備えるベース基板110と、前記電極パッド140及び端子部320、330の縁部に沿って形成された保護層400と、を含む。
【0042】
本発明は、タッチセンサモジュール1の耐湿性を始めとする耐環境性などの特性をより向上させるためのものであって、タッチセンサモジュール1の内部に水分などが浸透することを最小化するためのものである。したがって、高温多湿の環境でもその作動信頼性を維持することができ、ユーザの便宜及びタッチセンサモジュール1の適用製品の分野をより多様化することができる。
【0043】
本発明の実施例では、タッチセンサ100として、抵抗膜方式や静電容量方式などの多様なタッチセンサを用いることができるが、タッチセンサ100の形態及び種類が特に限定されるものではない。但し、本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュール1では、透明基板110の両面に電極パターン120、130が形成された静電容量方式のタッチセンサ100を一例として説明する。
【0044】
図1を参照すれば、ベース基板110は、電極パターン120、130及び電極配線150、160が形成される領域を提供する役割をする。
【0045】
ここで、ベース基板110は、活性領域とベゼル領域とに区画される。活性領域は、入力手段のタッチが認識できるように電極パターン120、130が形成される部分であって、ベース基板110の中心部に備える。また、ベゼル領域は、電極パターン120、130から延びる電極配線150、160が形成される部分であって、活性領域の縁部に備える。
【0046】
この際、ベース基板110は、電極パターン120、130及び電極配線150、160を支持できる支持力、及び画像表示装置(不図示)から提供される画像をユーザが認識できるようにする透明性を備えなければならない。
【0047】
上述の支持力及び透明性を考慮して、ベース基板110は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、二軸延伸ポリスチレン(K樹脂含有biaxially oriented PS;BOPS)、ガラスまたは強化ガラスなどで形成されることが好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0048】
図1〜
図4を参照すれば、電極パターン120、130は、入力手段によりタッチされた際に信号を発生させて、コントローラでタッチ座標が認識されるようにする役割をし、ベース基板110に形成される。本発明の実施例では、ベース基板110のX軸方向に形成された電極パターンを第1電極パターン120とし、ベース基板110のY軸方向に形成された電極パターンを第2電極パターン130とする。
【0049】
電極パターン120、130は、めっき工程やスパッタ(Sputter)を用いた蒸着工程により形成することができる。電極パターン120、130は、銀塩乳剤層を露光/現像して形成された金属からなることができる。より具体的に、電極パターン120、130は、伝導性を有し、メッシュパターンを形成できる様々な種類の金属からなることができるということは、当業者にとって自明である。電極パターン120、130は、菱形、四角形、三角形、円形等の当業界で公知された全ての形状に形成することができる。
【0050】
一方向のバーパターンと直交するバーパターンが電極パターン120、130としてベース基板110上に形成される。電極パターン120、130がベース基板110の両面に形成されて、タッチセンサをミューチュアル(Mutual type)方式でタッチ及び駆動させることができる。また、ベース基板110の一面上に、絶縁材質からなるブリッジを用いてダイヤモンド状のパターンを互いに直交するように配列することで、一つのベース基板110に電極パターン120を形成して、タッチセンサモジュール1を具現してもよい。
【0051】
電極配線150、160は、フレキシブルケーブル300を介して上述の電極パターン120、130と電気的に連結される。電極配線150、160は、シルクスクリーン法、グラビア印刷法、またはインクジェット印刷法などの様々な印刷方法によりベース基板110上に形成されることができる(
図3参照)。
【0052】
電極配線150、160の材質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)を用いることができる。電極配線150、160は、電気伝導度に優れた銀ペースト(Ag paste)または有機銀からなることができるが、これに限定されず、伝導性高分子、カーボンブラック(CNTを含む)、ITOのような金属酸化物や金属類などの低抵抗金属材質からなることができる。
【0053】
タッチセンサモジュール1の方式に応じて、電極パターン120の一端にのみ電極配線160が連結される。電極配線150、160の末端部には、フレキシブルケーブル300と電気的に連結される電極パッド140が配置される。換言すれば、電極配線150、160の一部に電極パッド140が形成され、フレキシブルケーブル300と電気的に連結される。
【0054】
電極パッド140は、電極配線150、160に連結されてベース基板110上に形成される(
図1を参照)。電極パッド140は、フレキシブルケーブル300及びベース基板110の活性領域、即ち、ユーザのタッチが認識される領域を侵さないように形成される。電極パッド140は、ベース基板110の一側端部に位置して電極配線150、160と連結される。
【0055】
また、電極パッド140は、接着層200に接してフレキシブルケーブル300と通電されるように形成される。電極パッド140は、フレキシブルケーブル300を加圧することで接着層200に結合される。この際、電極パッド140は、ベース基板110の積層方向に接着層200に結合される。電極パッド140は、接着層200の導電性ボール210と接する接触面を有し、この接触面は、導電性ボール210の直径より大きく形成される。また、多数個の電極パッド140が、ベース基板110の一側端部に配置される。この際、隣接する電極パッドの間で電気的干渉が発生しないように、電極パッド140は、所定距離だけ離隔して形成される。
【0056】
本発明は、タッチセンサモジュール1の耐湿性を始めとする耐環境性などの特性をより向上させるために、電極パッド及び端子部に保護層を形成することで、水分の浸透を防止するためのものである。
【0057】
保護層400は、電極パッド140及び端子部320、330の外周面に沿って形成される。保護層400は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)からなることができる。保護層400は、電気伝導度に優れた銀ペースト(Ag paste)または有機銀からなることができるが、これに限定されず、伝導性高分子、カーボンブラック(CNTを含む)、ITOのような金属酸化物や金属類などの低抵抗金属材質からなることができる。これは、保護層400の材質を限定するためのものではない。
【0058】
電極パッド140及び端子部320、330の腐食を防止するために、保護層400は電極パッド140及び端子部320、330の材質より密な多孔性材質で形成される。多孔性材質からなる保護層400により、電極パッド140及び端子部320、330に水分が浸透することが抑制または防止できる。
【0059】
保護層400により、電極パターン120、130、電極配線150、160、及び電極パッド140に水分が浸透することを防止することができる。即ち、タッチセンサの使用中に水分や汗が浸透することを防止することで、水分による電気的ショートを防止することができる。
【0060】
保護層400は、電極パッド140の縁部から所定距離だけ離隔するように、電極パッド140の縁部に沿って形成される。この際、上記の所定距離は、後述する導電性ボール210の直径Dより大きくなければならない。これは、保護層400と電極パッド140との間で導電性ボール210が保護層400及び電極パッド140と接触してショートが発生することを防止するためである。保護層400は、電極パッド140に電気的干渉が発生しないように形成される。
【0061】
例として、
図5を参照して保護層と電極パッドの関係を説明する。電極パッド間の距離をA、保護層の保護線の幅をC、電極パッドと保護層との間の距離をB、保護層間の距離をL、導電性ボールの直径をDと定義すると、以下の式を満たすことができる。
【0062】
関係式1)1μm<D<120μm
関係式2)B>D
関係式3)L<A/2
関係式4)C+B<A/2
関係式5)0<C<A/2−B
【0063】
即ち、保護層400と電極パッド140との間の距離は導電性ボールの直径より大きくなければならない。また、保護層400は、電気的ショートが発生せず、電極パッド140をくるむように形成されるべきであることが分かる。また、上述の関係式は、端子部320、330に保護層400を形成する際にも適用される。
【0064】
場合に応じて、
図6に図示されたように、多数個の電極パッド140領域に沿って保護層を形成することができる。即ち、多数個の電極パッド140領域の外周面に沿って保護層400が形成される。
【0065】
この際、以下の式を満たすことができる。
【0066】
関係式1)1μm<導電性ボールの直径D<120μm
関係式2)B>D
【0067】
即ち、保護層400と電極パッド140との間の距離は、導電性ボールの直径より大きい。
【0068】
図3及び
図4を参照すれば、接着層200は、電極パッド140に接して電気的に連結される。接着層200が加圧により結合または接着される際に、その内部に導電性を有する導電性ボール210を備える。導電性ボール210は、電極パッド140と端子部320との結合過程中に加圧により接合されながら一方向に通電させる。
【0069】
接着層200の下端面は電極パッド140に連結され、接着層200の上端面は端子部320に結合されて接着される。即ち、接着層200の内部の導電性ボール210の一面は電極パッド140に接着され、他面は端子部320に接着される。これは、接着層200が電極パッド140及び端子部320に接着される形態を限定するためのものではない。
【0070】
接着層200は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)からなることが好ましく、場合に応じて、異方性導電接着剤(Anisotropic Conductive Adhesive;ACA)などの導電性材質からなってもよい。
【0071】
図4を参照すれば、フレキシブルケーブル300は、電極パッド140に対応して結合される。フレキシブルケーブル300は、接着層200に接する端子部320、330を含む。フレキシブルケーブル300は、電極パッド140に電気的に連結されて、電極パターン120、130と制御部(不図示)とを電気的に連結する。端子部320、330は、導電性ボール210に接して電気的に連結される。
【0072】
端子部320、330は、多数個の電極パッド140と対応する位置に形成される。端子部320、330は、加圧により生じたレジンにより接着層200を介して電極パッド140に結合される。ここで、端子部320、330と電極パッド140の段差により容易に結合される際に、力が均一に加えることができる。フレキシブルケーブル300には、電極パッド140の外周面に沿って形成された保護層400と対応する保護層を備える。即ち、電極パッド140に形成された保護層400と対応する保護層がフレキシブルケーブル300に形成される。
【0073】
以下、本発明の第2実施例によるタッチセンサモジュール1を説明するにあたり、本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールと同一の構成要素であるベース基板110、接着層200、フレキシブルケーブル300、及び保護層400の構造及び材質についての説明は省略し、
図7及び
図8を参照して、本発明の第2実施例による電極パターン120、130について詳細に説明する。
【0074】
電極パターン120、130がベース基板110の一面上に形成され、タッチセンサは、単層の電極パターン120、130を有するように形成される。本発明による第1変形例によるタッチセンサモジュールは、X軸方向の第1電極パターン120と、第1電極パターン120に交差するY軸方向の第2電極パターン130とを、ベース基板110上に形成することができる(
図8参照)。
【0075】
単一面に第1電極パターン120と第2電極パターン130とが交差して形成されるように、第1電極パターン120と第2電極パターン130とが交差する部分には、何れか一つの電極パターン上に絶縁パターンIが形成され、絶縁パターンI上で他の電極パターンが電気的に連結されるようにすることで、交差する第1電極パターン120と第2電極パターン130との電気的連結を具現することができる。
【0076】
図面では、第1電極パターン120と第2電極パターン130とが垂直して交差する場合を図示したが、その交差角は特に限定されず、2次元平面での座標を抽出するために、X軸座標及びY軸座標が抽出できるように適切な角度で交差することが好ましい。電極パターン120、130の形成方法及び材質についての説明は、上述の第1実施例の電極パターンと同様であるため省略する。
【0077】
本発明の第3実施例によるタッチセンサモジュール1を説明するにあたり、本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールと同一の構成要素である電極パターン120、130、ベース基板110、及び接着層200の構造及び材質についての説明は省略し、
図9を参照して、本発明の第3実施例によるタッチセンサモジュール1の保護層400について詳細に説明する。
【0078】
本発明の第3実施例によるタッチセンサモジュール1は、1個以上の端子部が形成されたフレキシブルケーブルと、前記端子部の一面上に接して電気的信号を伝達するように形成された接着層と、前記接着層の他面上に接して、前記端子部に対応するように形成された電極パッドを備えるベース基板と、前記電極パッドの縁部に沿って形成された保護層と、を含む。
【0079】
保護層400は、電極パッド140の外周面に沿って形成される。電極パッド140の腐食を防止するために、保護層400は、電極パッド140の材質より密な多孔性材質で形成される。多孔性材質からなる保護層400により、電極パッド140に水分が浸透することを抑制または防止することができる。
【0080】
保護層400により、電極パターン120、130、電極配線150、160、及び電極パッド140に水分が浸透することを防止することができる。即ち、タッチセンサの使用中に水分や汗が浸透することを防止することで、水分による電気的ショートを防止することができる。
【0081】
保護層400は、電極パッド140の縁部から所定距離だけ離隔するように、電極パッド140の縁部に沿って形成される。この際、上記の所定距離は、後述する導電性ボール210の直径Dより大きくなければならない。これは、保護層400と電極パッド140との間で導電性ボール210が保護層400及び電極パッド140に接触してショートが発生することを防止するためである。保護層400は、電極パッド140に電気的干渉が発生しないように形成される。
【0082】
例として、
図4を参照して保護層と電極パッドの関係を説明する。電極パッド間の距離をA、保護層の保護線の幅をC、電極パッドと保護層との間の距離をB、保護層間の距離をL、導電性ボールの直径をDと定義すると、以下の式を満たすことができる。
【0083】
関係式1)1μm<D<120μm
関係式2)B>D
関係式3)L<A/2
関係式4)C+B<A/2
関係式5)0<C<A/2−B
【0084】
即ち、保護層400と電極パッド140との間の距離は、導電性ボールの直径より大きくなければならない。また、保護層400は、電気的ショートが発生せず、電極パッド140をくるむように形成されるべきであることが分かる。また、上述の関係式は、端子部320、330に保護層400を形成する際にも適用される。
【0085】
場合に応じて、
図6に図示されたように、多数個の電極パッド140領域に沿って保護層を形成することができる。即ち、多数個の電極パッド140領域の外周面に沿って保護層400が形成される。
【0086】
この際、以下の式を満たすことができる。
【0087】
関係式1)1μm<導電性ボールの直径D<120μm
関係式2)B>D
【0088】
即ち、保護層400と電極パッド140との間の距離は、導電性ボールの直径より大きい。
【0089】
本発明の第4実施例によるタッチセンサモジュール1を説明するにあたり、本発明の第1実施例によるタッチセンサモジュールと同一の構成要素である電極パターン120、130、ベース基板110、及び接着層200の構造及び材質についての説明は省略し、
図10を参照して、本発明の第4実施例によるタッチセンサモジュール1の保護層400について詳細に説明する。
【0090】
本発明の第4実施例によるタッチセンサモジュール1は、電極パターンの電気的信号を外部に伝達する1個以上の電極パッドを備えるベース基板と、前記電極パッドの一面上に接して電気的信号を伝達するように形成された接着層と、前記接着層の他面上に接して、前記電極パッドに対応するように形成された端子部を備えるベース基板と、前記端子部の縁部に沿って形成された保護層と、を含む。
【0091】
フレキシブルケーブル300は、電極パッド140に対応して結合される。フレキシブルケーブル300は、接着層200に接する端子部320、330を含む。フレキシブルケーブル300は、電極パッド140に電気的に連結されて、電極パターン120、130と制御部(不図示)とを電気的に連結する。端子部320、330は、導電性ボール210に接して電気的に連結される。また、端子部320、330の外周面に沿って保護層400が形成される。
【0092】
保護層400は、端子部320、330の外周面に沿って形成される。端子部320、330の腐食を防止するために、保護層400は、端子部320、330の材質より密な多孔性材質で形成される。多孔性材質からなる保護層400により、端子部320、330に水分が浸透することを抑制または防止することができる。
【0093】
保護層400により、電極パターン120、130、電極配線150、160、及び端子部320、330に水分が浸透することを防止することができる。即ち、タッチセンサの使用中に水分や汗が浸透することを防止することで、水分による電気的ショートを防止することができる。
【0094】
保護層400は、端子部320、330の縁部から所定距離だけ離隔するように、端子部320、330の縁部に沿って形成される。この際、上記の所定距離は、後述する導電性ボール210の直径Dより大きくなければならない。これは、保護層400と端子部320、330との間で導電性ボール210が保護層400及び端子部320、330に接してショートが発生することを防止するためである。保護層400は、端子部320、330に電気的干渉が発生しないように形成される。
【0095】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0096】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、タッチセンサモジュールに適用可能である。
【符号の説明】
【0098】
1 タッチセンサモジュール
100 タッチセンサ
110 ベース基板
120 第1電極パターン(電極パターン)
130 第2電極パターン(電極パターン)
140 電極パッド
150 第1電極配線(電極配線)
160 第2電極配線(電極配線)
200 接着層
210 導電性ボール
300 フレキシブルケーブル
320 第1端子部(端子部)
330 第2端子部(端子部)
400 保護層