特開2015-90780(P2015-90780A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-90780(P2015-90780A)
(43)【公開日】2015年5月11日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150414BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20150414BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20150414BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20150414BHJP
   F21V 21/116 20060101ALI20150414BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150414BHJP
【FI】
   F21S2/00 610
   F21S8/04 100
   F21V19/00 510
   F21V19/00 230
   F21V23/00 120
   F21V21/116
   F21Y101:02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-229747(P2013-229747)
(22)【出願日】2013年11月5日
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000126115
【氏名又は名称】エア・ウォーター株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390010342
【氏名又は名称】エア・ウォーター防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121692
【弁理士】
【氏名又は名称】田口 勝美
(74)【代理人】
【識別番号】100125221
【弁理士】
【氏名又は名称】水田 愼一
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】西村 唯史
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 良徳
(72)【発明者】
【氏名】山村 泰典
(72)【発明者】
【氏名】戸田 直宏
(72)【発明者】
【氏名】岡田 正
(72)【発明者】
【氏名】馬場 秀運
(72)【発明者】
【氏名】原 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】井手 圭一
(72)【発明者】
【氏名】名取 卓也
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
3K243
【Fターム(参考)】
3K013AA03
3K013BA01
3K013EA01
3K013EA16
3K014AA01
3K243MA01
(57)【要約】
【課題】照明器具において、医療処置が行われる現場の周囲を照明することができ、且つ既存の医療設備に取り付けることができるようにする。
【解決手段】照明器具1は、長箱形状の筐体11の上面に配され、筐体11の上面に取り付けられる長尺状の器具本体2と、器具本体2上に設けられる光源ユニット3と、筐体11に対して器具本体2を着脱可能に固定する固定部4と、を備える。光源ユニット3は、光を出射する発光部31と、発光部31を覆い発光部31からの光を出射するカバー32と、を有する。固定部4は、カバー32の光出射面が筐体11の外側の位置となるように器具本体2を固定する。この構成によれば、光を出射する光源ユニット3のカバー32が、筐体11の外側の位置となるので、医療処置が行われる現場の周囲を照明することができる。また、照明器具1は、固定部4により筐体11に着脱できるので、既存の医療設備に取り付けることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長箱形状の架設構造体の上面に配される照明器具であって、
前記架設構造体の上面に取り付けられる長尺状の器具本体と、前記器具本体上に設けられる光源ユニットと、前記架設構造体に対して前記器具本体を着脱可能に固定する固定部と、を備え、
前記光源ユニットは、光を出射する発光部と、前記発光部を覆い該発光部からの光を出射するカバーと、を有し、
固定部は、前記カバーの光出射面が前記架設構造体の外側の位置となるように前記器具本体を固定することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記光源ユニットは、前記器具本体の長手方向に沿って設けられる複数のライン状光源を有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記光源ライン状光源は、相関色温度が3250K以下である低色温度光を出射する低色温度光源と、相関色温度が4600K以上である高色温度光を出射する高色温度光源と、を含むことを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記高色温度光源が前記器具本体の外縁側に、前記低色温度光源が内方側に配されていることを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記複数のライン状光源を一括して覆う外部カバーを更に備え、
前記外部カバーは、光出射方向に凸となる樋形状であることを特徴とする請求項2乃至請求4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記固定部は、前記器具本体の長手方向の一方の縁部に設けられた蝶番を有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記光源ユニットの発光部を点灯させるための電源ユニットを更に備え、
前記器具本体は、前記電源ユニットを前記架設構造体の内側の位置で保持することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に照明器具。
【請求項8】
前記架設構造体は、該架設構造体を施工面に固定するための複数の支柱を有し、
前記器具本体の長手方向の長さは、前記複数の支柱の間隔よりも短いことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に照明器具。
【請求項9】
前記発光部は、固体発光素子を光源とすることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療施設の集中治療室(ICU:Intensive Care Unit)等で用いられる医療用供給システムに適用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療施設の集中治療室(ICU:Intensive Care Unit)等では、患者に対する酸素等の医療ガスや、医療器具や検査装置等への電源を供給する医療用システムが用いられている。この種のものとして、医療用ガス供給弁や電源コンセントをシステマチックに壁面や天井に組み込んだ医療用システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような医療用システムは、ベッドや各種医療器具、検査装置等が頻繁に搬送されるICUにおいて、医療ガスの供給用配管や電源コードを吊り下げることにより、それらが床面に散在してベッド等の搬送の邪魔になることを抑制している。特に、天井から架設される懸架式の医療用供給システムは、その直下位置に患者を乗せたベッドを配置することにより、医療処置の現場の近くに医療用ガス供給弁や電源コンセントを置くことができる。
【0004】
ところで、ICU内は、一般的には、天井に設置されたベースライト等により照明がなされる。このようなベースライトは、ベッドに仰向けに載せられた患者が眩しくないように、光拡散カバー等が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−192245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ベースライトのような直接照明では、例えば、ICUにおける治療期間が長くなると、患者に不快感を与えることがある。ところが、壁面取付型の間接照明では、例えば、医療処置が行われるベッドがICUの中央寄りの位置にある場合、ベッド周囲を明るくすることができない。また、上述したように、ICUの壁面や天井には、医療用ガス供給弁等が組み込まれているので、間接照明器具を固定する場所が制限されることもある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、医療処置が行われる現場の周囲を、患者に不快感を与えることなく照明することができ、且つ既存の医療設備に取り付けることができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、長箱形状の架設構造体の上面に配される照明器具であって、前記架設構造体の上面に取り付けられる長尺状の器具本体と、前記器具本体上に設けられる光源ユニットと、前記架設構造体に対して前記器具本体を着脱可能に固定する固定部と、を備え、前記光源ユニットは、光を出射する発光部と、前記発光部を覆い該発光部からの光を出射するカバーと、を有し、固定部は、前記カバーの光出射面が前記架設構造体の外側の位置となるように前記器具本体を固定することを特徴とする。
【0009】
上記照明器具において、前記光源ユニットは、前記器具本体の長手方向に沿って設けられる複数のライン状光源を有することが好ましい。
【0010】
上記照明器具において、前記ライン状光源は、相関色温度が3250K以下である低色温度光を出射する低色温度光源と、相関色温度が4600K以上である高色温度光を出射する高色温度光源と、を含むことが好ましい。
【0011】
前記高色温度光源が前記器具本体の外縁側に、前記低色温度光源が内方側に配されていることが好ましい。
【0012】
上記照明器具において、前記複数のライン状光源を一括して覆う外部カバーを更に備え、前記外部カバーは、光出射方向に凸となる樋形状であることが好ましい。
【0013】
上記照明器具において、前記固定部は、前記器具本体の長手方向の一方の縁部に設けられた蝶番を有することが好ましい。
【0014】
上記照明器具において、前記光源ユニットの発光部を点灯させるための電源ユニットを更に備え、前記器具本体は、前記電源ユニットを前記架設構造体の内側の位置で保持することが好ましい。
【0015】
上記照明器具において、前記架設構造体は、該架設構造体を施工面に固定するための複数の支柱を有し、前記器具本体の長手方向の長さは、前記複数の支柱の間隔よりも短いことが好ましい。
【0016】
上記照明器具において、前記発光部は、固体発光素子を光源とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光を出射する光源ユニットのカバーが、架設構造体の外側の位置となるので、照明器具の長手方向に垂直な面における配光を広くすることができ、架設構造体の上方(例えば、天井)を広く照明することができる。従って、医療処置が行われる現場の周囲を、患者に不快感を与えることなく照明することができる。また、照明器具は、固定部により筐体に着脱できるので、既存の医療設備に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る照明器具を取り付けた医療用供給システムの構成を示す一点投影図。
図2】上記照明器具の外観の一部を示す一点投影図。
図3】同照明器具を取り付けた医療用供給システムの長手方向に直交する側断面構成図。
図4】(a)は上記照明器具の上面図、(b)は短手方向から視た側面図、(c)は、長手方向から視た側面図。
図5】上記照明器具の光源から出射される光の分光スペクトルを示す図。
図6】(a)(b)は上記実施形態の変形例に係る照明器具を取り付けた医療用供給システムの側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の一実施形態に係る照明器具について、図1乃至図5を参照して説明する。図1に示すように、照明器具1は、天井懸架式の医療用供給システム10の筐体11の上面に配される。筐体11は、長箱形状の架設構造体であり、天井に架設された2本の支柱12により天井(施工面)に固定される。
【0020】
筐体11の上面には、配管等をメンテナンスするための開口11a(後述する図3参照)が設けられており、照明器具1は、この開口に適合するように設計されている。筐体11の下面には、筐体11の長手方向に伸びたレール(不図示)を介して、医療用ガス用接続端子13aや電源コンセント13bが組み込まれたアクセサリーユニット13が、上記レール方向に沿って移動可能に吊り下げられる。筐体11内には、酸素等の医療ガスを供給するためのガス管や、医療器具や検査装置等へ電源を供給するための配線、アクセサリーユニット13を移動させるための駆動機構(不図示)等が収納される。
【0021】
図2に示すように、照明器具1は、医療用供給システム10の筐体11の上面に取り付けられる長尺状の器具本体2と、器具本体2上に設けられる光源ユニット3と、筐体11に対して器具本体2を着脱可能に固定する固定部4と、を備える。
【0022】
器具本体2は、光源ユニット3が配置される底面21と、底面21上に設けられた上面樋形状の枠体22と、光源ユニット3から出射した光を枠体22外へ放射する開口23と、を有する。開口23には、透明な外部カバー24が設けられる。この外部カバー24により、光源ユニット3への埃等が侵入することを防止することができる。
【0023】
固定部4は、底面21の下面から器具本体2の長手方向の両縁から外方へ延設された鍔部41と、この鍔部41に形成されたネジ孔42と、ネジ孔42に挿通されて筐体11の上面と鍔部41とを固定するネジ43と、を有する。器具本体2の底面21と鍔部41は同平面に存在する。
【0024】
図3に示すように、鍔部41は、筐体11の上面に形成された開口11aよりも大きく、枠体22の上面における開口11aの周縁と重なり合うように形成されている。ネジ孔42は、鍔部41の最隅に形成されており、また、開口11a周縁にネジ孔42に対応するようにネジ受け部44が設けられる。ネジ受け部44は、筐体11にネジ孔を形成すれば、既存の筐体11に取り付けることができる。
【0025】
鍔部41は、器具本体2と別体であってもよいし、一体的に形成されていてもよい。鍔部41が器具本体2と別体である場合、大きさが異なる複数種の鍔部41を用いることにより、固定対象の医療用供給システム10の開口11aの大きさが異なっていても、開口11aの大きさに対応して、適宜に照明器具1を取り付けることができる。また、鍔部41が器具本体2と一体的に形成されている場合、鍔部41よりも大きなアダプター板(不図示)を用いることで、上記と同様に、適宜に照明器具1を取り付けることができる。
【0026】
図4(a)乃至(c)に示すように、光源ユニット3は、器具本体2の長手方向に沿って設けられる複数のライン状光源30を有する。本実施形態では、図示したように、3列のライン状光源が用いられる。光源ユニット3は、光を出射する発光部31と、発光部31を覆い発光部31からの光を出射するカバー32と、を有する。
【0027】
発光部31は、列状に配された複数のLEDを有する(特に、図4(c)参照)。発光部31を成すLEDは、LEDチップの出射光の波長を変換する波長変換部材が被覆されて、LEDパッケージとして構成される。なお、発光部31は、LEDに限らず、照明器具1として所望の光色の発光を可能とする光源であれば特に限定されない。カバー32は、列状に配された複数のLEDを一括して覆う樋形状のカバーであり、適宜に顔料等が添加された透光性樹脂等から形成される。カバー32を設けることにより、個々のLEDからの光が拡散され、LED特有の粒々感を与え難いライン列光源を得ることができる。また、カバー32が樋形状なので、照明器具1の長手方向に垂直な面における配光を広くすることができる。
【0028】
カバー32は、器具本体2の底面21上に配されている。底面21は、鍔部41(固定部4)を介して筐体11の上面に固定されているので、筐体11の上面と実質同平面に位置する。また、カバー32は樋形状なので、カバー32の光出射面が、筐体11(架設構造体)の外側の位置となる。従って、光源ユニット3は、一列でも照明器具1の長手方向に垂直な面における配光を広くすることができ、これを複数列配したことにより、医療用供給システム10の上方の天井を広く照明することができる。従って、照明器具1は、医療処置が行われる現場の周囲を、間接照明により患者に不快感を与えることなく照明することができる。また、照明器具1は、固定部4(鍔部41及びネジ43等)により筐体11に着脱できるので、既存の医療設備に取り付けることができる。
【0029】
また、枠体22の上面及び外部カバー24は、樋形状なので、中央寄りの位置よりも側面側の高さが低く、側面視において高さを感じ難い。なお、器具本体2や外部カバー24の寸法は、医療用供給システム10の筐体11の形状や大きさにも依存するが、枠体22の側部の高さは20mm以内、外部カバー24の最大高さは30mm以内であることが望ましい。こうすれば、医療用供給システム10の外観を視たとき、筐体11の上面に設けられた照明器具1が殆ど目立たず、全体の見栄えを良くすることができる(図1参照)。
【0030】
照明器具1は、光源ユニット3の発光部31を点灯させるための電源ユニット5を更に備える。また、器具本体2の底面21の、光源ユニット3が設けられる面とは反対側の面に電源ユニット5は取り付けされる。底面21は、上述したように、筐体11の上面と実質同平面に位置するので、電源ユニット5は、筐体11の内側の位置で保持される。この構成によれば、電源ユニット5を筐体11内に収容できるので、医療用供給システム10の外観に電源ユニット5が露出せず、見栄えを良くすることができる。なお、電源ユニット5は、底面21の片縁に設けられることが好ましい。筐体11内には、医療用ガスの配管といった比較的容積の大きな機器は、筐体11内の片側に収納されることが多い。そこで、電源ユニット5を底面21の片縁に設けることにより、容積の大きな機器が設けられていない片側の空間に電源ユニット5を収容することができる。なお、電源ユニット5に電源を供給する電源端子台51は、電源ユニット5と同様に、光源ユニット3が設けられる面とは反対側の面に設けられる。
【0031】
なお、器具本体2の長手方向の長さは、支柱12(図1参照)の間隔よりも短い。こうすれば、照明器具1を、一対の支柱12の間に配置することできる。また、ICUにおいて、通常、ベッドは、医療用供給システム10(照明器具1)の長手方向と直交する方向に置かれる。そのため、医療処置がなされる現場では、ベッドの長さ方向には、ある程度広い範囲をカバーできるように照明されることが望ましいが、ベッドの幅方向には、一定程度の範囲をカバーできれば十分である。そこで、上記配置によれば、支柱12が照明器具1の長手方向に放射される光を遮り、照明器具1の長手方向、すなわちベッドの幅方向へ光が照射されることを抑制することができる。
【0032】
上述した光源ユニット3(複数のライン状光源30)は、相関色温度が3250K以下である低色温度光を出射する低色温度光源3Lと、相関色温度が4600K以上である高色温度光を出射する高色温度光源3Hと、を含むように構成されることが好ましい。ここに示す3列のライン状光源30を用いた形態においては、高色温度光源3Hが器具本体2の外縁側に2列、低色温度光源3Lが内方側に1列配置されている。また、これら低色温度光源3L及び高色温度光源3Hは、個別に点灯させることができる。
【0033】
図5は、低色温度光源3L及び高色温度光源3Hの各分光スペクトルの例を示す。低色温度光源3Lは、相関色温度が3250K以下、好ましくは2000〜2500Kである光を出射する。相関色温度2000Kは、夕日の色温度に該当し、自然光の色温度の最低値である。また、相関色温度2500Kは、ICU内を看護師等が看視するのに必要十分な照度を確保することができる値である。また、例えば、2500Kで100lx確保した時の生体作用量(メラノプシン神経節細胞への刺激量)は、一般的な白色光(5000K)で20lxの時のそれと同等であることが知られている。そこで、照明光を上記色温度にすることにより、患者(特に新生児)に対して暗状態に近い環境を実現することができる。
【0034】
低色温度光L(実線)が出射する低色温度光Lは、550〜700nmの波長域に分光放射のピーク波長を有し、440〜500nmの波長域の分光放射が上記ピーク波長の1/5以下である。また、好ましくは、低色温度光Lは、600〜700nmの波長域に分光放射のピーク波長を有し、440〜500nmの波長域の分光放射が上記ピーク波長の1/10以下である。このときの平均演色評価数Raは60以上となるように設定される。また、高色温度光源2Hが出射する高色温度光(1点鎖線)は、440〜480nmの波長域に分光放射のピーク波長を有し、480〜520nmの最大強度が上記ピーク波長の0.4以上1.0未満以下である。また、このときの平均演色評価数Raは80以上となるように設定される。
【0035】
高色温度光源3Hは、主に日中に好適に用いられるので、比較的高い照度を必要とし、より多くの光源ユニット3(ライン状光源30)を必要とする。一方、低色温度光源3Lは、主に夜間に好適に用いられるので、あまり高い照度を必要としない。従って、光源ユニット3の数は、低色温度光源3Lが高色温度光源3Hよりも少なくてよい。なお、光源ユニット3の数は、図示した構成に限られない。例えば、高色温度光源3Hが器具本体2の外縁側に夫々複数列、低色温度光源3Lが内方側に複数列配置されていてもよい。また、低色温度光源3Lが器具内方側(中心付近)に配置され、高色温度光源3Hが低色温度光源3Lを挟み込むように両外側に配置されることにより、両方を点灯させたときの光の混ざり方が良くなり、天井面における色ムラの発生を抑制することができる。
【0036】
上記実施形態の変形例に係る照明器具について、図6を参照して説明する。この変形例は、固定部4が、器具本体2の長手方向の一方の縁部に設けられた蝶番45を有するものである。器具本体2の他方の縁部は、図6(a)に示すように、ネジ43により固定される。筐体11内をメンテナンス等する際には、図6(b)に示すように、片側のネジ43を外すだけで、蝶番45を軸として、照明器具1を回動させると、筐体11の開口11aを開くことができる。なお、器具本体2を回動させた状態で保持するため、開口11aの周縁にステー(不図示)が設けられていてもよい。
【0037】
天井懸架式の医療用供給システム10は、床面からある程度の高さで懸架されているので、メンテナンス毎に、その上面に設けられた照明器具1を取り外し、それを別の場所に載置して、メンテナンス終了後に再び取り付けることは、作業者にとって大変な手間である。一方、本変形例によれば、片側のネジ43を外すだけで、開口11aを開けることができ、照明器具1を別の場所に載置させる必要もないので、メンテナンスの際の手間を削減することができる。
【0038】
なお、本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、上述した実施形態においては、光源ユニット3として、低色温度光源3L及び高色温度光源3Hの色温度の異なる2種の光源を用いた構成について説明した。照明器具1は、これらの光源を所定のタイムスケジュールに沿って予め設定された点灯パターンで点灯させる制御装置(不図示)が組み込まれていてもよい。照明器具1は、これらの光源を所定のタイムスケジュールに沿って予め設定された点灯パターンで点灯させる制御装置(不図示)が組み込まれていてもよい。例えば、昼間は高色温度光源3Hを主として点灯させて比較的高い照度で照明し、夜間は低色温度光源3Lを主として点灯させて比較的低い照度に抑えて照明すれば、照明光の制御により、昼夜の区別をつけることができる。このような昼夜の区別は、人に対して好影響を与えることが知られている。例えば、このような照明光の制御を新生児特定集中治療室(NICU:Neonatal Intensive Care Unit)で用いれば、未熟児の健全な発育に好影響を与えることができるとされている(例えば、小澤美緒:NICUとGCUの光環境が早産児に及ぼす影響に関する文献的考察、日本新生児看護学会誌vol.13、No.3、2007参照)。また、上記照明光の制御を、成人を対象としたICUで用いれば、術後せん妄の発生率を低下させ、早期離床を図れる可能性がある(例えば、田口豊恵ら:サーカディアンリズムを考慮した術後ブライトケアの有効性、第49回日本集中治療医学会近畿地方会 プログラム・抄録集p.102、2004参照)。更には、厚生労働省の「集中治療室(ICU)における安全管理指針」においても、照明は「せん妄の予防のために、昼夜の別がつけられるように工夫すること。」と規定している。なお、上記低色温度光源3L及び高色温度光源3Hに限らず、上記とは異なる色温度帯、例えば、上記低色温度光源3L及び高色温度光源3Hの中間の色温度帯の照明光が用いられてもよい。また、光源ユニット3は、一列のライン状光源30に低色温度光源3L及び低色温度光源3Lの両方が含まれた構成であってもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 照明器具
11 医療用供給システムの筐体(長尺形状の架設構造体)
12 支柱
2 器具本体
24 外部カバー
3 光源ユニット
30 ライン状光源
31 発光部
32 カバー
3L 低色温度光源
3H 高色温度光源
4 固定部
45 蝶番
5 電源ユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6