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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-91694(P2015-91694A)
(43)【公開日】2015年5月14日
(54)【発明の名称】車両の窓ワイパー用の縦本体
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/38 20060101AFI20150417BHJP
【FI】
   B60S1/38 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-220301(P2014-220301)
(22)【出願日】2014年10月29日
(31)【優先権主張番号】1360646
(32)【優先日】2013年10月30日
(33)【優先権主張国】FR
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(72)【発明者】
【氏名】リオネル、クロ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】製造が簡単で、十分な可撓性を有するワイパーーを提供する。
【解決手段】車両、特に自動車の窓のためのワイパー用の縦本体114であって、前記縦本体が、ワイパーブレードを握持する、および/または補強バーティブラを保持するための手段140,142と一体に形成され、前記手段が、バーティブラまたはワイパーブレードのヒールを受ける少なくとも1つのハウジング144,145を画定する縦本体において、前記本体が、前記ハウジングから外側へ延びる少なくとも1つの内部縦方向キャビティ146を画定し、前記キャビティが、前記ハウジングを画定する垂直壁142’を通る縦方向の平面Pによって交差されることを特徴とする縦本体。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両、特に自動車の窓のワイパー(10)のための縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)であって、前記縦本体は、ワイパーブレード(16)を握持するための手段(140,140’,240,240’,340,340’)および/または補強バーティブラ(18)を保持するための手段(142,142’,242,242’,342,342’)と一体に形成され、前記手段は、前記バーティブラ(18)または前記ワイパーブレード(16)のヒールを受ける少なくとも1つのハウジング(144,144’,145,145’,244,244’,245,245’,344,344’,345,345’)を画定し、前記ハウジング(144,144’,145,145’,244,244’,245,245’,344,344’,345,345’)は、少なくとも部分的に、水平壁(134,134’,234,234’,334,334’)と2つの垂直壁(160,160’,162,162’,260,260’,262,262’,360,360’,362,362’)とによって画定され、前記垂直壁のそれぞれが断面で見て前記水平壁よりも短い、縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)において、前記本体は、前記ハウジング(144,144’,145,145’,244,244’,245,245’,344,344’,345,345’)の外側へ延びる少なくとも1つの内部縦方向キャビティ(146,146’,246,246’,346,346’)を画定し、前記キャビティ(146,146’,246,246’,346,346’)は、前記垂直壁(160,160’,162,162’,260,260’,262,262’,360,360’,362,362’)を通る縦方向の平面(P,P’)と交差することを特徴とする縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの縦方向キャビティ(146,146’,246,246’,346,346’)は、ワイパーブレード(16)を握持するための前記手段(140,140’,240,240’,340,340’)および/または補強バーティブラ(18)を保持するための前記手段(142,142’,242,242’,342,342’)の両側に位置する、請求項1に記載の縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)。
【請求項3】
前記手段(140,140’,142,142’,240,240’,242,242’,340,340’,342,342’)は、前記バーティブラ(18)を受ける第1のハウジング(144,144’,244,244’,344,344’)と前記ブレード(16)の前記ヒールを受ける第2のハウジング(145,145’,245,245’,345,345’)とを画定し、前記少なくとも1つのキャビティ(146,146’,246,246’,346,346’)は、前記ハウジングのうちの一方の少なくとも全ての高さにわたって延び、任意に、前記ハウジングのうちの他方の高さの少なくとも一部にわたって延び、各ハウジング(144,144’,145,145’,244,244’,245,245’,344,344’,345,345’)の高さは、前記平面(P,P’)に対して略垂直な方向で測定される、請求項1または請求項2に記載の縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)。
【請求項4】
前記手段が少なくとも2つの縦フック(140,140’,142,142’,240,240’,242,242’,340,340’,342,342’)を含み、前記少なくとも1つのキャビティ(146,146’,246,246’,346,346’)は、少なくとも部分的に、これらのフックのうちの一つと前記本体の横壁(136,136’,236,236’,336,336’)との間に延びる、請求項2または請求項3に記載の縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)。
【請求項5】
前記本体の前記各横壁(136,136’,236,236’,336,336’)は、断面が略U−形状、C−形状、または、V−形状であり、その形状の開放側が前記本体の向かい合う横壁(136,136’,236,236’,336,336’)の方へ向けられている、請求項4に記載の縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)。
【請求項6】
前記本体は、前記平面(P,P’)に対して略垂直な対称の縦方向の平面Uを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのキャビティ(146,146’,246,246’,346,346’)を境界付ける前記本体の外周の一部が、空力デフレクタ(120,120’,220,220’,320,320’)を形成する、請求項1から6のいずれか一項に記載の縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)。
【請求項8】
この本体は、例えば押し出し成形または共押し出し成形によって1つまたは2つの材料から形成される、請求項1から7のいずれか一項に記載の縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)。
【請求項9】
前記バーティブラ(18)を受ける前記ハウジング(144,244,344)は、前記少なくとも1つのキャビティ(146,246,346)と連通する、請求項1から8のいずれか一項に記載の縦本体(114,214,314)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのキャビティ(146’,246’,346’)は、前記バーティブラ(18)を受ける前記ハウジング(144’,244’,344’)から分離されるとともに、ウインドスクリーン洗浄液が供給されるように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載の縦本体(114’,214’,314’)。
【請求項11】
前記少なくとも1つのキャビティ(146’,246’,346’)に通じるウインドスクリーン洗浄液噴射オリフィス(156’,256’,356’)を含む、請求項10に記載の縦本体(114’,214’,314’)。
【請求項12】
前記手段は、前記バーティブラを保持するためのフック(142’,242’,342’)を含み、前記バーティブラを保持するための少なくとも1つのフック、好ましくは前記バーティブラを保持するための各フックは、前記少なくとも1つのキャビティ(146’,246’,346’)を分離するために、少なくとも1つの縦ウェブ(154’,254’,354’,A)によって前記本体の上壁(138’,238’,338’)または横壁(136’,236’,336’)に接続される、請求項10または請求項11に記載の縦本体(114’,214’,314’)。
【請求項13】
前記少なくとも1つのキャビティ(146,146’,246,246’,346,346’)は、断面において、その上端または上側端部よりも幅広い下端または下側端部を有する、請求項1から12のいずれか一項に記載の縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)。
【請求項14】
断面において、2つの部分、すなわち、上側部分(130,130’,230,230’,330,330’)および下側部分(128,128’,228,228’,328,328’)のそれぞれを備える形状を有し、前記上側部分が略三角形であり、前記下側部分が略台形または略六角形である、請求項1から13のいずれか一項に記載の縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の縦本体(114,114’,214,214’,314,314’)と、ワイパーブレード(16)と、補強バーティブラ(18)とを含む車両の窓ワイパー(10)であって、前記ブレード(16)または前記バーティブラ(18)が前記ハウジング(144,144’,145,145’,244,244’,245,245’,344,344’,345,345’)内に受けられる、車両の窓ワイパー(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用、特に自動車用の窓ワイパー用の縦本体(longitudinal body)、および、そのような本体を含むワイパーに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のウインドスクリーンなどの窓用のワイパーは、一般に、縦本体と、ワイパーブレードを保持するための手段とを含み、ワイパーブレードは、全体的にゴムから形成されるとともに、車両の窓に擦り付いて、水を払い出し、その水をドライバーの視界から除去するようになっている。また、ワイパーは、ウインドスクリーンに対するこのブレードの付着に有利に作用するべくワイパーブレードを補強する縦バーティブラを保持するための手段を更に含む。ワイパーは、角度をもった往復動作を伴ってモータにより駆動されるアームによって支持される。ワイパーをアームに接続する手段は、一般に、本体に締結されるコネクタと、本体に対して関節結合されてアームの一端に固定されるアダプタとを含む。
【0003】
ワイパーの製造を簡略化するために、本体と、ワイパーブレードを握持するための手段と、補強バーティブラ(stiffener vertebra)を保持するための手段とを一体に形成することが既に提案されてきた。
【0004】
しかしながら、このタイプの従来技術のワイパーの主な欠点は、それらの本体が十分に可撓性を有さず、そのため、ウインドスクリーンを拭き取る効果が低下されるという点である。この問題は冬場に悪化される。これは、低温がこれらのワイパーの可撓性を制限するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この問題に対する簡単で、効果的な、経済的解決策を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両、特に自動車の窓用のワイパー用の縦本体であって、前記縦本体が、ワイパーブレードを握持するための手段および/または補強バーティブラを保持するための手段と一体に形成され、前記手段が、バーティブラまたはワイパーブレードのヒールを受ける少なくとも1つのハウジングを画定し、前記ハウジングが、少なくとも部分的に、水平壁と2つの垂直壁とによって画定され、前記垂直壁のそれぞれが断面で見て前記水平壁よりも短い、縦本体において、前記本体が、前記ハウジングから外側へ延びる少なくとも1つの内部縦方向キャビティを画定し、前記キャビティが、前記垂直壁を通る縦方向の平面(縦断面)P,P’によって交差されることを特徴とする縦本体を提案する。
【0007】
本出願において、内部キャビティとは、ワイパーの本体の内側に位置されるキャビティのことを意味する。前記手段は、ワイパーブレードを握持するための第1の手段および/または補強バーティブラを保持するための第2の手段を備える。これらの手段は、少なくとも部分的に水平壁と2つの垂直壁とによって画定される少なくとも1つのハウジングを形成し、垂直壁は、随意的には、水平壁に対して略垂直であり、あるいは、水平壁に対して傾けられる。握持手段および/または保持手段は、例えば、ワイパーブレードおよび/または補強バーティブラを前記水平壁および垂直壁のうちの1つ以上に対して接着することにある。ワイパーブレードを握持するための手段および/または補強バーティブラを保持するための手段のそれぞれが、ブレードを握持する、および/またはバーティブラを保持するための縦フックを備えれば更に好ましく、これらのフックは、前記水平壁および前記垂直壁と共に、バーティブラおよび/またはワイパーブレードのヒールを受ける前記ハウジングを画定する。
【0008】
1または複数の内部キャビティの存在は、本体の剛性を減少させることができるようにし、したがって、本体の可撓性を更に高くでき、それにより、冬季中であっても拭き取り効果を向上させることができる。本発明によれば、これらのキャビティは、バーティブラまたはブレードのヒールを受けるハウジングを画定する垂直壁を通る縦方向の平面P,P’によって交差される。したがって、これらのキャビティは、実質的に、本体の両側に位置され、それにより、本体の幅を従来技術のワイパーの幅と比べて増大させることができる。
【0009】
従来技術において、補強バーティブラは、縦方向空間を画定するワイパーの本体の横クリアランスを用いて装着されてもよい。これらの空間は、それらがバーティブラを受けるハウジングの外側に位置されないため、本発明で言うところのキャビティを画定しない。これらの空間は、本体の可撓性を最適化するようになっておらず、バーティブラをそのハウジング内へスライドすることによって装着することを容易にするようになっているにすぎない。
【0010】
本発明の1つの好ましい実施形態によれば、前記少なくとも1つの縦方向キャビティは、ワイパーブレードを握持するための前記手段および/または補強バーティブラを保持するための前記手段の両側に位置する。
【0011】
前述した握持手段および保持手段は、バーティブラを受ける第1のハウジングとブレードのヒールを受ける第2のハウジングとを画定してもよく、前記少なくとも1つのキャビティは、前記ハウジングのうちの一方の少なくとも全ての高さにわたって延び、随意的には、前記ハウジングのうちの他方の高さの少なくとも一部にわたって延びる。各ハウジングの高さは、平面P,P’に対して略垂直な方向で測定される。本体の可撓性は、特に、この高さの関数であってもよい。
【0012】
キャビティまたは各キャビティは、断面において、その上端または上側端部よりも幅広い下端または下側端部を有してもよい。
【0013】
本体の握持手段および/または保持手段が少なくとも2つの縦フックを含んでもよい。前記少なくとも1つのキャビティは、少なくとも部分的に、これらのフックのうちの一つと本体の横壁との間で延びることが好ましい。各横壁は断面が略U−形状、C−形状、または、V−形状であってもよく、その形状の開放側が本体の向かい合う横壁の方へ向けられる。
【0014】
ワイパーの本体は、好適には、平面P,P’に対して略垂直な対称の縦方向の平面Uを有する。
【0015】
前記少なくとも1つのキャビティを境界付ける本体の壁または外周の一部が空力デフレクタを形成してもよい。空力デフレクタは、好適には、そのショアA硬度が70〜83であるエラストマー系材料から形成される。
【0016】
ワイパーの本体は、例えば押し出し成形または共押し出し成形によって、1または2つの材料、特にエラストマー系材料から形成されてもよい。2つの材料から成る本体は、その可撓性の最適化を容易にできるようにする。例えば、ワイパーの本体は、その下側部分よりも可撓性があるか、または柔軟な上側部分を含んでもよい。上側部分は、ワイパーのコネクタを受けるハウジングを形成するためにその切断を容易にするべく十分に硬質であることが好ましく、それにより、この切断が行われる際に本体が潰れる危険性が回避される。
【0017】
1つの実施形態では、バーティブラを受けるハウジングが前記少なくとも1つのキャビティと連通する。
【0018】
あるいは、前記少なくとも1つのキャビティは、バーティブラを受ける前記ハウジングから分離されるとともに、ウインドスクリーン洗浄液が供給されるように構成される。1または複数のキャビティの分離とは、1または複数のキャビティが保持手段により画定されるバーティブラを受けるハウジングと連通しないことを意味する。したがって、1または複数のキャビティは、ワイパーの本体内に収容されてワイパーに取り付けられないウインドスクリーン洗浄液の循環のための手段を形成し、それにより、本体が簡略化されるとともに、本体を更に幅広くすることが回避される。
【0019】
この後者の場合、ワイパーの本体は、例えば、その横壁の高さに、少なくとも1つのキャビティに通じるウインドスクリーン洗浄液噴射オリフィスを含んでもよい。
【0020】
前述した手段は、バーティブラを保持するためのフックを含んでもよく、バーティブラを保持するための少なくとも1つのフック、好ましくはバーティブラを保持するための各フックは、前記少なくとも1つのキャビティを分離するために、少なくとも1つの縦ウェブによって本体の上壁または横壁に接続される。このウェブは、本体を製造するときに、例えば押し出し成形または共押し出し成形によって形成されてもよい。
【0021】
ワイパーの本体は、断面において、2つの部分、すなわち、上側部分および下側部分のそれぞれを備える形状を有してもよく、上側部分が略三角形であり、下側部分が略台形または略六角形である。前記上側部分は、前記下側部分よりも可撓性があるか、または柔軟であることが好ましい。
【0022】
また、本発明は、前述した縦本体であって、前記少なくとも1つの縦方向キャビティが断面において本体の外周と略同一の形状の輪郭を有する、縦本体に関する。
【0023】
また、本発明は、前述した縦本体と、ワイパーブレードと、補強バーティブラとを含む車両の窓ワイパーであって、前記ブレードまたは前記バーティブラが前記ハウジング内に受けられる車両の窓ワイパーに関する。
【0024】
ワイパーは、例えばコネクタのためのハウジングとしての機能を果たすべく少なくとも1つの切り欠きが形成される単一の縦本体を備えてもよい。
【0025】
別の実施形態では、縦本体は、特に締結手段を備える中間コネクタにより互いに接続される、互いに隣り合って縦方向に配置される幾つかの別個の部分、例えば2〜10個の部分で形成される。
【0026】
縦本体、または、それぞれの独立した部分は、例えば100mmよりも長い長さを有する。
【0027】
最後に、本発明は、前述した少なくとも1つのワイパーを含む、車両用、特に自動車用の車両窓ワイピングシステムに関する。
【0028】
非限定的な例として添付図面に関連して与えられる以下の説明を読むと、本発明をより良く理解できるとともに、本発明の他の詳細、特徴、および、利点が明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】従来技術のワイパーシステムの分解斜視図である。
図2】本発明に係るワイパー縦本体の概略断面図である。
図3】本発明の変形実施形態のワイパー縦本体の概略断面図である。
図4】本発明の変形実施形態のワイパー縦本体の概略断面図である。
図5】本発明の変形実施形態のワイパー縦本体の概略断面図である。
図6】本発明の変形実施形態のワイパー縦本体の概略断面図である。
図7】本発明の変形実施形態のワイパー縦本体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
これらの図が発明を実施する目的で発明を詳細に示していることに留意すべきであり、また、前記図は、勿論、必要に応じて発明を更に明確に規定する。
【0031】
以下の説明において、縦または横への言及は、本発明に係るワイパーの方向についてのものである。縦方向はワイパーの主軸に対応し、この主軸に沿ってワイパーが延び、また、横方向は、同一点で相交わる、すなわち、縦方向と交わる、特にワイパーの回転面内でワイパーの縦軸に対して垂直である、直線状の線分に対応する。縦方向に関して、外部および内部という用語は、ワイパーがワイパーアームに固定されるポイントに対するものであり、内部という用語は、アームとワイパーの1/2とが延びる部分に対応する。最後に、上および下と称される方向は、ワイパーの回転面に対して垂直な方向に対応し、下という用語は、ウインドスクリーンの面を包含する。
【0032】
図1には、車両、特に自動車のウインドスクリーンを拭くための従来技術のシステムが示される。このシステムはウインドスクリーンワイパー10とワイパーアーム12とを含み、ワイパーアーム12は、部分的に表わされるとともに、ウインドスクリーンを覆う水および場合により他の望ましくない要素を払い出すために角度をもった往復動作を実行するべくモータにより駆動されるようになっている。
【0033】
ここで、ワイパー10は、縦本体14と、一般的にゴムから形成されるワイパーブレード16と、ブレード16を補強するとともにウインドスクリーンに対するブレードの付着に有利に作用する少なくとも1つのバーティブラ18とを含む。
【0034】
ワイパー10の本体14は、ワイパーシステムの動作を改善させるようになっている上側空力デフレクタ20を含み、このデフレクタ20の目的は、ワイパーをウインドスクリーン上に更にしっかりと押し付けることであり、したがって、システムの空力性能を高めることである。
【0035】
ワイパー10は、ブレード16およびバーティブラ18を本体に対して取り付けるためのエンドピースまたはクリップ22を更に含み、これらのクリップ22は、本体14の縦方向端部のそれぞれに位置される。
【0036】
ここで、ワイパーの本体14は、ほぼ端と端を接して配置されるとともに中間コネクタ24によって互いに接続される2つの独立した部分で形成される。したがって、このコネクタ24は、本体14の2つの部分間に挿入されるとともに、これらの部分に対してコネクタを固定するための手段を含む。本発明は、単一の本体14を含むウインドスクリーンワイパーにも関係するとして理解されなければならず、その場合には、中間コネクタ24のためのハウジングとしての機能を果たすようになっている切り欠きが形成される(この変形例は示されない)。
【0037】
ワイパー10は、それをアーム12に装着するために、コネクタ24に装着されて、アーム12に対するワイパー10の関節結合を可能にするアダプタ26を含む。アーム12に対するワイパー10の関節結合は、ワイパー10の縦軸に対して垂直な回転軸Y周りの回転動作を可能にする。ワイパー10は、実際には、ワイパー10がウインドスクリーンの曲率にしたがうことができるようにするべく、アーム12に対する回転、より具体的にはアーム12の端部28に対する回転において少なくとも1つの自由度を有さなければならない。
【0038】
本発明は、バーティブラ18を保持するための手段および/またはワイパーブレード16を握持するための手段と本体14が一体に形成される特定のタイプのワイパーに関する。
【0039】
図2図7は本発明に係るワイパー縦本体の変形実施形態を表わし、この本体は、ここでは、ワイパーブレードを握持するための手段、補強バーティブラを保持するための手段、および、空力デフレクタと一体に形成される。
【0040】
既に前述した要素は、以下では、少なくとも100だけ増加された同じ参照数字によって示される。したがって、図2において、参照符号114,120はそれぞれ、本発明に係るワイパーの本体およびデフレクタを示す。
【0041】
図2の実施形態において、本体114は、例えば押し出し成形によって単一材料から一体に形成される。
【0042】
本体114は、断面では、実質的に2つの部分、すなわち、それぞれ下側部分128と上側部分130とを有する形状を有する。上側部分130はデフレクタ120を含む。ここでは、このデフレクタは、断面において、三角形状または二面体形状を有し、その頂点または上端は略垂直な縦リブ132に接続される。この二面体は、10°〜120°、好ましくは20°〜100°、より好ましくは40°〜100°、更に好ましくは60°〜100°の角度を成す2つの傾斜した横壁、すなわち、それぞれ前壁と後壁とを備える。ここに表わされる角度はほぼ80°〜90°である。
【0043】
本体の下側部分128は台形の全体形状を有し、その長い方の底面が下端を形成するとともに、その短い方の底面が上側部分130と同じ側に位置される。この下側部分128は、前述した長い方の底部を規定するとともにそれぞれの縦方向の横縁によって2つの縦方向の横壁136の縦方向の下縁に接続される略平坦な下水平壁134を含む。これらの横壁136は傾けられるとともに、横壁のそれぞれの縦方向の上縁は、下壁134と略平行な2つの水平な上壁138によって、上側部分130の横壁の縦方向の下縁に接続される。
【0044】
ここで、ブレードを握持するための手段は、下壁134から下方へ延びる2つの第1の縦方向の横フック140を含む。各フック140は垂直壁160を含み、垂直壁の縦方向の上縁は下壁134に接続されるとともに、垂直壁の縦方向の下縁は、他方のフック140へ向けて方向付けられる水平リムに接続される。したがって、これらの第1のフック140は、略平行であり、それぞれが略L形状断面を有する。これらの第1のフックは、それらの間に、ワイパーブレードのヒールを受けるハウジング145を画定する。
【0045】
バーティブラを保持するための手段は、ここでは、下壁134から上方へ延びる2つの第2の縦方向の横フック142を含む。これらの第2のフック142は、略平行であり、それぞれが略L形状断面を有する。ここでは、これらの第2のフックは、それぞれの上壁138の下側に位置される。各フック142は垂直壁162を含み、垂直壁の縦方向の下縁は下壁134に接続されるとともに、垂直壁の縦方向の上縁は、他方のフック142へ向けて方向付けられる水平リムに接続される。縦方向の平面Pが、ここでは垂直壁の断面におけるほぼ中間の高さで垂直壁162を通過する。ここでは、幾何学的な平面Pが下壁134と略平行である。
【0046】
これらのフック142は、それらの間に、バーティブラを受けるハウジング144を画定する。図2から分かるように、このハウジング144は、断面では、縦方向の平面P内で細長い形状を有する。
【0047】
横壁136は、フック142から距離を隔てて延びるとともに、フック142と共に縦方向キャビティ146を画定し、したがって、縦方向キャビティ146は、バーティブラを保持するための手段の両側で延びるとともに、平面Pが交差する。
【0048】
上壁138は、フック142から距離を隔てるとともに、フック142と共に縦方向通路148を画定する。保持手段の両側に位置されるキャビティ146の部分が、これらの通路148を介して、ハウジング144と、デフレクタ120により画定される内部空間149とに連通するのが分かる。
【0049】
図2において、本体114は、略垂直な縦方向の対称平面Uを有する。
【0050】
図3の変形実施形態は、特に、ワイパーの本体214が2つの異なる材料から、例えば押し出し成形によって一体に形成され、第1の材料が握持手段および保持手段のフック240,242のためのものであり、第2の材料が本体の残りの部分のためのものであるという点において、先の実施形態とは異なる。
【0051】
ここでは、本体214の横方向キャビティ246が、保持手段(フック242)の両側と、握持手段(フック240)の上側部分の両側とに位置する。
【0052】
ここでは、本体214が水平な下壁234を含み、下壁の縦方向の横縁はそれぞれ、一方では、フック242の縦方向の下縁に接続されるとともに、他方では、略垂直な縦リム250の縦方向の上縁に接続される。フック240は、この下壁234から下方へ延びる。下壁234、フック240,242、および、リム250は、第1の材料から形成される。
【0053】
本体214の横壁236の縦方向の下縁は、握持手段(フック240)の両側で延びる横ラグ252に接続される。これらのラグ252、横壁236、および、本体214の上側部分の残りは、第1の材料から形成される。ここでは、2つの材料間の接続領域がラグ252とリム250との間に位置される。
【0054】
図4の変形実施形態は、ここでは略六角形である本体314の下側部分の形状において、および、本体の2つの材料を接続する領域によって、先の実施形態とは異なる。また、本体214の横方向キャビティ346は、ここでは、保持手段(フック342)および握持手段(フック340)の両側にこれらの手段のほぼ全体の高さ(平面Pに対して垂直な方向で測定される)にわたって位置する。
【0055】
ここでは、各フック340は、その縦方向の下縁によって、水平な横壁364に接続され、この横壁364は、他方のフック340とは反対の側から延びるとともに、この他方のフックとは反対側のその端部で上方へ傾けられる横リム350に接続される。下壁364、フック340,342、および、リム350は、第1の材料から形成される。
【0056】
本体314の横壁336の縦方向の下縁は、握持手段(フック340)の両側で延びる横ラグ352に接続される。ラグ352、横壁336、および、本体の上側部分の残りは、第2の材料から形成される。ここでは、2つの材料間の接続領域は、ラグ352とリム350との間に位置される。本体314の下側部分328の六角形形状は、特に、横壁336、ラグ352、および、リム350の傾きによってもたらされる。
【0057】
ここでは、キャビティ346は、バーティブラ18を受けるハウジング344を画定する垂直壁362を通る縦方向の平面Pと、ブレード16のヒールを受けるハウジング345を画定する垂直壁360を通る縦方向の平面P’との両方によって交差される。
【0058】
図2図4の実施形態のそれぞれにおいて、本体は、その上側部分と下側部分とを接続する領域の数および位置に起因して比較的可撓性がある。実際には、本体の上側部分130,230,330は、本体の横壁136,236,336のみによって本体の下側部分128,228,328に接続される。これらの横壁の可撓性に起因して、本体は良好な可撓性を有する。図3および図4の変形例において、本体の上側部分230,330の材料は、本体の可撓性を更に高めるために、下側部分228,328の材料よりも可撓性または柔軟性があってもよい。
【0059】
図5の変形実施形態は、本質的に、保持手段の各フック142’が、材料の縦ウェブ154’によって、その真上に配置される本体114’の上壁138’に接続されるという点において図2の実施形態とは異なる。これらのウェブ154’は、例えば押し出し成形によって本体114’の残りの部分と同時に形成されるのが好ましい。
【0060】
ウェブ154’は、2つの独立したキャビティ146’を画定できるようにするとともに、これらのキャビティを本体114’の内部空間149’の残りの部分とハウジング144’とから分離できるようにし、それにより、これらのキャビティを例えばウインドスクリーン洗浄液を循環させるために使用できる。この場合、本体の横壁136’および/または下壁134’がウインドスクリーン洗浄液噴射オリフィス156’を含んでもよく、これらのオリフィス156’の一端がキャビティ146’のうちの一方へと通じる。
【0061】
図6の変形実施形態は、本質的に、保持手段の各フック242’が、材料の縦ウェブ254’によって、その真上に配置される本体214’の上壁238’に接続されるという点において図3の実施形態とは異なる。これらのウェブ254’は、例えば押し出し成形によって本体214’の残りの部分と同時に形成されるのが好ましい。
【0062】
ウェブ254’は、上壁238’の材料またはフック242’の材料から形成されてもよい。図示された例では、これらのウェブは、上壁238’の材料から形成される。ここでは、2つの材料間の接続領域は、一方では、ラグ252’とリム250’との間に位置されるとともに、他方では、ウェブ254’とフック242’との間に位置される。
【0063】
ウェブ254’は、2つの独立したキャビティ246’を画定できるようにするとともに、これらのキャビティを本体214’の内部空間249’の残りの部分とハウジング244’とから分離できるようにし、それにより、これらのキャビティを例えばウインドスクリーン洗浄液を循環させるために使用できる。この場合、本体の横壁236’および/またはラグ252’がウインドスクリーン洗浄液噴射オリフィス256’を含んでもよく、これらのオリフィス256’の一端がキャビティ246’のうちの一方へと通じる。
【0064】
図7の変形実施形態は、本質的に、保持手段の各フック342’が、材料の縦ウェブ354’によって、その真上に配置される本体314’の上壁338’に接続されるという点において図4の実施形態とは異なる。これらのウェブ354’は、例えば押し出し成形によって本体314’の残りの部分と同時に形成されるのが好ましい。
【0065】
ウェブ354’は、上壁338’の材料またはフック342’の材料から形成されてもよい。図示の例では、これらのウェブは、上壁338’の材料から形成される。ここでは、2つの材料間の接続領域は、一方では、ラグ352’とリム350’との間に位置されるとともに、他方では、ウェブ354’とフック342’との間に位置される。
【0066】
ウェブ354’は、2つの独立したキャビティ346’を画定できるようにするとともに、これらのキャビティを本体314’の内部空間349’の残りの部分とハウジング344’とから分離できるようにし、それにより、これらのキャビティを例えばウインドスクリーン洗浄液を循環させるために使用できる。この場合、本体の横壁336’および/またはラグ352’がウインドスクリーン洗浄液噴射オリフィス356’を含んでもよく、これらのオリフィス356’の一端がキャビティ346’のうちの一方へと通じる。
【0067】
図5図7における変形例の本体は、該本体の上側部分130’,230’,330’と下側部分128’,228’,328’とを接続するウェブ154’,254’,354’に起因して、図2図4における本体よりも剛性が高い。これらのウェブの位置は、この可撓性を最適化するように決定されてもよい。図5図7における一点鎖線Aは、これらのウェブのための他の位置を示す。また、これらのウェブの位置は、それぞれのウインドスクリーン洗浄液循環キャビティのために必要とされる容積および/または流れ断面にも依存する。この流れ断面は、必ずしも図示のように円形形状を有する必要はなく、約1mm〜5mm、好ましくは約2mm〜4mm、より好ましくは約2.5mm〜3.5mmの幅および高さの寸法を有してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】
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