特開2015-91734(P2015-91734A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-91734(P2015-91734A)
(43)【公開日】2015年5月14日
(54)【発明の名称】物品搬送送出方法、物品搬送送出装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/46 20060101AFI20150417BHJP
   B07C 5/36 20060101ALI20150417BHJP
【FI】
   B65G47/46 H
   B07C5/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-392(P2015-392)
(22)【出願日】2015年1月5日
(62)【分割の表示】特願2012-253726(P2012-253726)の分割
【原出願日】2007年9月19日
(31)【優先権主張番号】特願2006-253590(P2006-253590)
(32)【優先日】2006年9月19日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2006-298503(P2006-298503)
(32)【優先日】2006年11月2日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391017702
【氏名又は名称】日本協同企画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(72)【発明者】
【氏名】宮田 和男
(72)【発明者】
【氏名】山岡 和彦
【テーマコード(参考)】
3F015
3F079
【Fターム(参考)】
3F015AA07
3F015FA02
3F015GA01
3F079AC21
3F079AC23
3F079CA21
3F079CA23
3F079CA32
3F079CA34
3F079CB11
3F079CB24
3F079CB29
3F079CC04
3F079CC06
3F079DA12
3F079DA13
3F079DA16
3F079DA18
3F079DA19
3F079DA21
3F079DA25
3F079DA31
3F079DA33
3F079EA02
3F079EA09
(57)【要約】
【課題】 従来の果菜選別装置では乗継ぎコンベアを必要としていたため、構造が複雑となってコスト高となったり、装置全体が大型化したりするという課題があった。
【解決手段】 本件出願の物品搬送送出方法は、物品搬送体の物品載せ体に載せて搬送中の物品を、その物品載せ体を搬送方向斜め後方に稼働させて、同方向に送り出す方法である。この場合、物品搬送体の搬送中に物品搬送体とは別体の送出体を搬送方向斜め後方に移動させることにより搬送中の物品を同方向に送り出すこともできる。前記いずれの場合も搬送方向斜め後方に送り出す物品は、物品搬送体の側方に配置されている物品受体に載るようにすることができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品搬送体の物品載せ体に載せて搬送中の物品を、その物品載せ体を搬送方向斜め後方に稼働させて、同方向に送り出すことを特徴とする物品搬送送出方法。
【請求項2】
物品搬送体で搬送中の物品を、搬送方向斜め後方に移動する送出体により、同方向に送り出すことを特徴とする物品搬送送出方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の物品搬送送出方法において、
物品搬送体で搬送中の物品を、物品搬送体から搬送方向斜め後方に送り出して、物品搬送体の側方に配置されている物品受体に送り出すことを特徴とする物品搬送送出方法。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の物品搬送送出方法において、
物品搬送体から搬送方向斜め後方に送り出される物品の送り速度を減速させることを特徴とする物品搬送送出方法。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の物品搬送送出方法において、
搬送中の物品を判別部において判別項目別に自動的に判別し、判別済みの物品を判別内容別に搬送方向斜め後方に送り出すことを特徴とする物品搬送送出方法。
【請求項6】
物品搬送体が、多数の物品載せ体と、それらが装備された無端走行体を備え、物品載せ体は無端走行体の走行により走行して物品載せ体上の物品を搬送し、物品搬送中に物品載せ体自体が稼働して、物品載せ体上の物品を搬送方向斜め後方に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項7】
物品搬送体が、多数の物品載せ体と、それらが装備された無端走行体と、物品載せ体を稼働させる駆動体を備え、物品載せ体は無端走行体の走行により走行して物品載せ体上の物品を搬送し、駆動体は物品搬送中の物品載せ体を稼動させて、物品載せ体上の物品を搬送方向斜め後方に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7記載の物品搬送送出装置において、
物品載せ体がベルトコンベアであり、ベルトコンベアは移動又は回転して、物品載せ体上の物品を搬送方向斜め後方に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項9】
請求項6記載の物品搬送送出装置において、
物品載せ体がベルトコンベアであり、そのベルトコンベアの下側に係止具が突設され、その係止具はベルトコンベアの走行と共に走行し、ベルトコンベアとは別の案内体にガイドされて搬送方向斜め前方に移動し、前記係止具の移動に伴って前記ベルトコンベアの上側が搬送方向斜め後方に移動又は回転して、前記ベルトコンベア上の物品を搬送方向斜め後方に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9記載の物品搬送送出装置において、
ベルトコンベアに物品支持具が設けられ、ベルトコンベアは移動又は回転して、物品支持具に支持された前記ベルトコンベア上の物品を、物品支持具で支持しながら搬送方向斜め後方に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項11】
請求項7記載の物品搬送送出装置において、
物品載せ体がローラーコンベアであり、ローラーコンベアとは別に回転駆動体が設けられ、ローラーコンベアは回転駆動体に接触し、回転駆動体の回転に伴ってローラーコンベアが回転して、ローラーコンベア上の物品を搬送方向斜め後方に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項12】
請求項7記載の物品搬送送出装置において、
物品載せ体がローラーコンベアであり、ローラーコンベアとは別にローラーコンベアを搬送方向斜め後方に下り傾斜にさせる傾斜駆動体を設け、その傾斜駆動体によりローラーコンベアを搬送方向斜め後方に下り傾斜にして、ローラーコンベア上の物品を同方向に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項13】
請求項7記載の物品搬送送出装置において、
物品載せ体が鍵盤状に首振り可能な多数の支持具であり、支持具とは別に首振り駆動体を設け、その首振り駆動体により支持具を搬送方向斜め後方に下り傾斜に首振りさせ、支持具上の物品を同方向に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項14】
物品搬送体が多数の物品載せ体と、それらが装備された無端走行体と、物品載せ体上の物品を送り出す送出体を備え、物品載せ体は無端走行体の走行により走行して物品載せ体上の物品を搬送し、物品搬送中に送出体が搬送方向斜め後方に移動して、物品載せ体上の物品を同方向に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項15】
請求項14記載の物品搬送送出装置において、
物品載せ体がプレート、二本以上のバー等の固定具であり、固定具とは別に送出体が設けられ、物品搬送中に送出体が搬送方向斜め後方に移動して、固定具の上に載せた物品を同方向に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項16】
請求項14記載の物品搬送送出装置において、
物品載せ体がローラーコンベアであり、ローラーコンベアとは別に送出体が設けられ、物品搬送中に送出体が搬送方向斜め後方に移動して、ローラーコンベア上の物品を同方向に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項17】
請求項6乃至請求項16のいずれかに記載の物品搬送送出装置において、
多数設けられた物品載せ体のうち、隣接する二以上の物品載せ体が一組のユニットとされ、夫々のユニットは一又は二以上の物品を載せることができる広さであり、各ユニットの物品載せ体が稼動して物品載せ体上の物品を搬送方向斜め後方に送り出し可能であることを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項18】
請求項6乃至請求項17のいずれかに記載の物品搬送送出装置において、
物品搬送体の側方に、物品載せ体から搬送方向斜め後方に送り出される物品を受ける物品受体が配置されたことを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項19】
請求項18記載の物品搬送送出装置において、
物品受体の上面を物品載せ体側から上り傾斜にして、又は、物品受体の上面を物品載せ体よりも高くして、物品載せ体から物品受体に搬送方向斜め後方に送り出される物品の送り速度を減速可能としたことを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項20】
請求項18又は請求項19記載の物品搬送送出装置において、
物品受体の上面に、物品載せ体から物品受体に搬送方向斜め後方に送り出される物品の送り速度を減速させる減速体が設けられたことを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項21】
請求項18乃至請求項20のいずれかに記載の物品搬送送出装置において、
物品搬送体の物品載せ体の出口側、又は物品載せ体と物品受体の間、又は物品受体の入口側のいずれか一箇所或いは二箇所以上に、物品載せ体から物品受体に搬送方向斜め後方に送り出される物品の送り速度を減速させる減速体が設けられたことを特徴とする物品搬送送出装置。
【請求項22】
請求項6乃至請求項21のいずれかに記載の物品搬送送出装置において、
物品搬送体の途中に、搬送中の物品を判別項目別に自動的に判別する判別部を設け、判別部よりも先方で、判別済みの物品を判別項目別に搬送方向斜め後方に送り出して、物品搬送体の側方に配置された物品受体に送り出すことを特徴とする物品搬送送出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農産物、海産物等の一次産業品、工業製品のような二次産業品といった各種物品を搬送し、その搬送中の所定位置で物品を搬送方向側方へ送り出し可能とする物品搬送送出方法、特に、トマト、桃、梨、イチゴ等の丸玉系の果菜や、胡瓜、茄子等の長尺系の果菜を、サイズ別、形状別、色別、糖度別といった各種規格別(等級別)に自動的に選別し、規格別に送り出して並べる果菜選別用として利用するのに適する物品搬送送出方法と、その実施に用いる物品搬送送出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
物品を搬送し、その搬送中に所定位置で物品を搬送方向側方へ送り出す物品搬送送出装置や、その物品搬送送出装置を用いた果菜選別装置は従来から各種ある。そのような果菜選別装置の一つとして図17(a)〜(c)に示すようなバケット方式の果菜選別装置がある。この果菜選別装置は、チェーンBに取り付けられたバケットCに果菜Aを載せて搬送し、搬送中にその果菜Aのサイズ、形状等の規格を計測手段Dで計測して判別し、判別後の果菜Aが受体(プール部)Eまで搬送されてくると、バケットCが図17(c)に示すように横に倒れてバケットCの上の果菜Aが受体Eに排出されるようにしたものである。この場合、果菜Aの規格数の受体EがチェーンBの横に配置され、判別された果菜Aが規格別に夫々の受体Eに排出されるようにしてある。この果菜選別装置では果菜排出時に果菜Aが受体Eの上を転がって、受体Eに先に排出されている果菜Aに衝突して損傷することがあった。
【0003】
本件出願人は先に前記課題を解決すべく種々の果菜選別装置を開発して特許出願した(特許文献1)。
【0004】
特許文献1記載の果菜選別装置は、図18(a)(b)に示すように、チェーンBに果菜Aを載せる果菜載せ体Fを多数取り付け、該果菜載せ体Fをベルトコンベア式としたものであり、それに載せた果菜Aが所定位置まで搬送されると、果菜載せ体Fがその移動方向(矢印a方向)と90度直交する方向(矢印b方向)に回転して果菜AをチェーンBの側方に配置したプールコンベアGに送り出すようにしてある。この場合も、果菜Aの規格数のプールコンベアGがチェーンBの横に配置され、判別された果菜Aが規格別に夫々のプールコンベアGに排出されるようにしてある。この果菜選別装置では、果菜載せ体Fの上の果菜AをプールコンベアGに送り出す際に、果菜Aに送り出し方向への勢いが付いて果菜Aが横向きに転倒したり、果菜Aに傷がついたりする虞があった。
【0005】
本件出願人は前記課題を解消すべく特許文献2記載の果菜選別装置を開発した。これは図19に示すようにベルトコンベア式の果菜載せ体FとプールコンベアGとの間に前方斜め向きの乗継ぎコンベアHを配置し、果菜載せ体Fの上から搬送方向側方(矢印b方向)に排出される果菜Aが乗継ぎコンベアHの上を斜め前方(矢印c方向)に通過して、その前方に配置されて矢印d方向に回転するプールコンベアG上に送り込まれるようにしてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−53275号公報。
【特許文献2】特開2004−99285号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献2記載の果菜選別装置は果菜排出時に果菜が傷んだり別の果菜と衝突したりすることはなくなるが、乗継ぎコンベアHを必要とする分、構造が複雑となってコスト高となったり、装置全体が大型化したりするという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本件出願の物品搬送送出方法は、物品搬送体の物品載せ体に載せて搬送中の物品を、その物品載せ体を搬送方向斜め後方に稼働させて、同方向に送り出す方法である。この場合、物品搬送体の搬送中に物品搬送体とは別体の送出体を搬送方向斜め後方に移動させることにより搬送中の物品を同方向に送り出すこともできる。前記いずれの場合も搬送方向斜め後方に送り出す物品は、物品搬送体の側方に配置されている物品受体に載るようにすることができる。搬送方向斜め後方へ送り出す物品は送り速度を減速させることもできる。本件出願の物品搬送送出方法は、搬送中の果菜を判別部において規格別に自動的に判別し、判別済みの果菜を規格別に搬送方向斜め後方へ送り出す果菜自動選別方法として使用することもできる。
【0009】
本件出願の物品搬送送出装置は、物品搬送体で搬送中の物品を搬送方向斜め後方に送り出し可能としたものである。物品搬送体はチェーン等の無端走行体に多数の物品載せ体を取り付けたものであり、物品載せ体が搬送中に搬送方向斜め後方に稼動して物品載せ体の上の物品を同方向に送り出し可能としてある。駆動体を備え、この駆動体により物品載せ体を搬送方向斜め後方に稼働させて、物品載せ体の上の物品を同方向に送り出し可能とすることもできる。
【0010】
物品載せ体をベルトコンベアとし、ベルトコンベアが物品搬送方向斜め後方に移動又は回転すると、物品載せ体上の物品が同方向に送り出されるようにすることもできる。ベルトコンベアの下側から係止具を突設し、係止具とは別に案内体を設け、そのベルトコンベアが走行すると係止具が案内体によりガイドされて前記係止具が搬送方向斜め前方に移動し、前記係止具の移動に伴って前記ベルトコンベアの上側が搬送方向斜め後方に移動又は回転してベルトコンベアの上の物品が同方向に送り出されるようにすることもできる。ベルトコンベアの上面に物品支持具を設け、物品をその物品支持具に支持させてベルトコンベアの上に載せ、ベルトコンベアを搬送方向斜め後方に移動又は回転させて物品支持具を同方向に移動させると、ベルトコンベア上の物品が同方向に送り出されるようにすることもできる。
【0011】
物品載せ体をローラーコンベアとし、ローラーコンベアは駆動回転体に接触して搬送方向斜め後方に回転し、その回転によりローラーコンベア上の物品が同方向に送り出されるようにすることもできる。ローラーコンベアを駆動体により搬送方向斜め後方に下り傾斜させることによりローラーコンベア上の物品が同方向に送り出されるようにすることもできる。
【0012】
物品載せ体を鍵盤状に首振り可能な多数の支持体とし、その支持体を首振り駆動体により搬送方向斜め後方に下り傾斜に首振りさせると、物品載せ体上の物品が搬送方向斜め後方に送り出されるようにすることもできる。
【0013】
物品載せ体とは別に物品搬送方向斜め後方に移動可能な送出体を設け、送出体の移動で物品載せ体上の物品が同方向に送り出されるようにすることもできる。物品載せ体は板材、間隔をあけて配置した二本以上のバー等の固定具にし、それら物品載せ体を搬送方向斜め後方に向けて配置し、送出体が搬送方向斜め後方に稼動すると物品載せ体上の物品が同方向に送り出されるようにすることもできる。また、物品載せ体をローラーコンベアとし、ローラーコンベアとは別に設けられた送出体が搬送方向斜め後方に移動して、ローラーコンベア上の物品を同方向に送り出されるようにすることもできる。
【0014】
走行体に取り付けられた多数の物品載せ体のうち、隣接する二以上の物品載せ体を一組のユニットとし、各ユニットを一又は二以上の物品を載せることができる広さにし、各ユニットの物品載せ体を稼動させると物品が搬送方向斜め後方に送り出されるようにすることもできる。
【0015】
物品搬送体の側方に物品受体を配置して、物品載せ体から斜め後方に送出される物品がその物品受体に載るようにすることもできる。
【0016】
物品載せ体の出口側、又は物品載せ体と物品受体の間、又は物品受体の入口側のいずれか一箇所或いは二箇所以上に、物品載せ体から物品受体に搬送方向斜め後方に送り出される物品の送り速度を減速させる減速体を設けることもできる。本件出願の物品搬送送出装置では減速体を設けるのではなく、物品受体の上面を物品載せ体側から上り傾斜にして、又は物品受体の上面を物品載せ体よりも高くして、物品載せ体から物品受体に搬送方向斜め後方に送り出される物品の送り速度を減速可能とすることもできる。また、物品受体の上面に減速体を設けることもできる。
【0017】
本発明の物品搬送送出装置は、果菜自動選別装置として利用することができ、その場合は、物品搬送体で搬送中の果菜を判別部において規格別に自動的に判別し、判別済みの果菜を物品搬送体で判別部よりも先方まで搬送して、搬送方向斜め後方の受体に規格別に送り出すようにすることもできる。
【発明の効果】
【0018】
本件出願の物品搬送送出方法は次のような効果がある。
(1)物品搬送体で搬送中の物品を搬送方向斜め後方に送り出すため、物品の送り出し速度が減速され、物品が勢いあまって横転したり、損傷したりしにくくなり、物品が傷つき易い果菜の場合であっても損傷が殆ど無い。
(2)物品搬送体を搬送方向斜め後方に駆動させて物品を送り出す場合は、搬送中の物品を確実に送り出すことができる。
(3)搬送中の物品を搬送方向斜め後方に移動する送出体により同方向に送り出す場合は、物品は搬送体の上に載ったまま送り出されるため送り出される物品が安定する。
(4)物品搬送体から搬送方向斜め後方に送り出される物品を、物品搬送体の側方に配置した物品受体に送出する場合は、物品搬送体と物品受体の間に乗継ぎコンベアを設ける必要がなく簡潔な構成で物品を物品受体に送出することができる。また、物品受体を物品搬送体の側方に二以上用意しておけば、それら物品受体に物品を区分して送出することもできる。
(5)物品搬送体から搬送方向斜め後方に送り出される物品を、その送出速度を減速させて送出す場合は、搬送方向斜め後方に送り出されることにより減速する物品が更に減速されるため、物品が果菜であっても、送出し時に横転したり、他の果菜に衝突して損傷したりすることが殆どなくなり、損傷の心配もない。
(6)搬送中の果菜を判別部において規格別に自動的に判別し、判別済みの果菜を規格別に搬送方向斜め後方へ送り出す果菜自動選別方法とした場合は、果菜の自動判別、判別ごとの送り出しを確実に行うことができる。
【0019】
本件出願の物品搬送送出装置は次のような効果がある。
(1)物品載せ体自体が搬送方向斜め後方に作動して同方向に物品を送り出す場合、物品載せ体を駆動体により搬送方向斜め後方に駆動させて同方向に物品を送り出す場合、送出体を搬送方向斜め後方に移動させて同方向に物品を送り出す装置の場合、のいずれの場合も、物品の送り出し方向が搬送方向と斜め逆方向であるため、送り出される物品が自動的に減速し安定する。
(2)物品載せ体自体の駆動又はそれとは別の送出体の移動により物品載せ体上の物品を搬送方向斜め後方に送り出す構成であるため、その構成が簡潔になる。
(3)物品載せ体をベルトコンベアとし、そのベルトコンベアにそれと共に作動する物品支持具を設けたので、物品を物品支持具に支持させてベルトコンベアに載せれば、物品がその支持状態のまま移動されるため、物品は静止したまま搬送方向斜め後方に送り出される。
(4)物品載せ体をベルトコンベアとし、ベルトコンベアから突出させた係止具が案内体にガイドされて搬送方向斜め後方に移動してベルトコンベアを同方向に移動又は回転させる場合も、ベルトコンベア上の物品が安定して確実に送り出される。
(5)ベルトコンベアを往復移動可能とすれば、物品送り出し後にベルトコンベアを自動的に元の位置に戻して、次に物品を載せる状態に待機させることができ、作業のスピードアップを図ることができる。
(6)物品載せ体を無端走行体と共に移動する板材、二本以上のバー等にし、それとは別に、搬送方向斜め後方に移動してバーの上の物品を同方向に送り出す送出体を設けたので、二本以上のバーの上の物品を静止したままの安定した状態で送り出すことができる。
(7)物品載せ体をローラーコンベアとし、ローラーコンベアを搬送方向斜め後方に回転させる駆動回転体を設けたので、簡潔な構成で確実に物品を送出することができる。
(8)物品載せ体をローラーコンベアとし、それらローラーコンベアは物品搬送方向斜め後方に回転可能に配置し、送出体によりローラーコンベア上の物品を同方向に送り出すようにしたので、搬送中の物品を送出体によって確実に送り出すことができる。
(9)物品載せ体をローラーコンベアとし、ローラーコンベアを傾斜させる傾斜駆動体を設けたので、傾斜駆動体でローラーコンベアを傾斜させるだけで、ローラーコンベア上の果菜を物品搬送方向斜め後方に確実に送り出すことができる。
(10)物品載せ体を鍵盤状に首振り可能な多数の支持具とし、支持具を首振り駆動体により搬送方向斜め後方に下り傾斜に首振り駆動できるようにしたので、支持具を首振りさせるだけで支持具上の物品を搬送方向斜め後方に送り出すことができる。
(11)走行体に取り付けた多数の物品載せ体の二以上を一組のユニットとし、各ユニットに一又は二以上の物品を載せられるようにしたので、個々の物品を各ユニットに一つずつ載せて確実に送り出すことができる。
(12)物品搬送体の側方に、物品載せ体から斜め後方に送出される物品を受ける物品受体を配置した場合は物品搬送体と物品受体の間に乗継ぎコンベアを設ける必要がなく、簡潔な構成で物品を確実に物品受体に送り出すことができる。
(13)物品載せ体から搬送方向斜め後方に送り出される物品の送り速度を減速させる減速体を設けたので、物品載せ体から送り出される果菜の勢いを更に減ずることができ、果菜が勢いあまって横転したり損傷したりするおそれが殆どなくなる。
(14)物品受体の上面を物品載せ体側から上り傾斜にして、又は、物品受体の上面を物品載せ体よりも高くして、物品載せ体から物品受体に搬送方向斜め後方に送り出される物品の送り速度を減速可能とした場合も、送り出される果菜の勢いを更に減ずることができ、果菜が勢いあまって横転したり損傷したりするおそれが殆どなくなる。
(15)上り傾斜にした物品受体の上面に、又は、物品載せ体よりも高くした物品受体の上面に、物品載せ体から物品受体に搬送方向斜め後方に送り出される物品の送り速度を減速させる減速体を設けた場合も、送り出される果菜の勢いを更に減ずることができ、果菜が勢いあまって横転したり損傷したりするおそれが殆どなくなる。
(16)物品載せ体が搬送方向に多数並んでいる場合は、物品をいずれの物品載せ体に載せても物品を搬送でき、搬送中に斜め後方向に送り出すことができる。
【0020】
本件出願の物品搬送送出装置を、果菜自動選別装置に利用した場合は、物品搬送体で搬送される果菜を搬送中に規格別に判別し、判別結果に基づいて物品を物品搬送体の側方に配置された物品受体に搬送方向斜め後方に向けて送り出すので、送り出される果菜が自動的に減速され、果菜が勢いあまって物品受体から横転落下したり、先に送り出されている他の果菜に衝突して損傷したりすることが殆どなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の物品搬送送出装置を果菜選別に利用した場合の一例を示す平面図。
図2】本発明の物品搬送送出装置における物品搬送体から物品受体への物品送出し方法の説明平面図。
図3】本発明の物品搬送送出装置の他の例であり、(a)は物品載せ体から物品を搬送方向斜め後方に送出す前の切換レバーの斜視説明図、(b)は、物品載せ体から果菜を送り出す場合の切換レバー切替え後の斜視説明図。
図4図3(a)、(b)に示す物品載せ体の詳細説明図。
図5図3(a)、(b)に示す物品載せ体上の物品を物品受体に送出す状態の斜視説明図。
図6図3(a)、(b)に示す物品載せ体の分解斜視説明図。
図7図6に示す物品載せ体の組み立て斜視説明図。
図8】(a)、(b)は物品載せ体に異なる物品を載せた状態の平面説明図。
図9】(a)は二本一組のベルトコンベアを一ユニットにした物品載せ体に載せた物品を、搬送方向後方に回転するベルトコンベアで同方向に送り出す場合の一例を示す平面説明図。(b)は(a)の詳細図。
図10】数本のベルトコンベアを一ユニットにした物品載せ体に載せた物品を支持体で支持し、その物品を支持体で支持したまま、搬送方向後方に回転するベルトコンベアで同方向に送り出す場合の一例を示す平面説明図。
図11】ベルト裏面の係止具を搬送方向後方に移動させることにより、ベルトを同方向に移動させて、ベルトの上の物品を同方向に送り出し可能とした物品載せ体の平面説明図。
図12】(a)は本発明の物品搬送送出装置の物品載せ体がローラーコンベアの場合の平面説明図、(b)は(a)に示すローラーコンベアを回転ベルトで回転させてローラーコンベアの上の物品を搬送方向斜め後方に送り出す場合の側面説明図。
図13】(a)は本発明の物品搬送送出装置の物品載せ体がローラーコンベアの場合の平面説明図、(b)は(a)に示すローラーコンベアを傾斜させてローラーコンベアの上の物品を搬送方向斜め後方に送り出す場合の側面説明図。
図14】本発明の物品搬送送出装置において、二本のバーで構成された物品載せ体の上の物品を、搬送方向斜め後方に移動する送出体で同方向に送り出す場合の平面説明図。
図15】(a)は本発明の物品搬送送出装置において、鍵盤状に首振りする支持具の上に物品を載せて搬送する場合の平面説明図、(b)は支持具を鍵盤状に下り傾斜に首振りさせて支持具の上の物品を搬送方向斜め後方に送り出す場合の側面説明図。
図16】(a)は本発明の物品搬送送出装置で物品搬送中の平面図、(b)は搬送中の物品を物品搬送体の上から減速体の上を通して、その側方の物品受体に送り出す場合の側面説明図。
図17】(a)は従来の果菜選別装置の一例を示す平面図、(b)は(a)の装置におけるバケット式果菜載せ体の正面図、(c)は(b)の果菜載せ体を横倒しにして果菜を送出す状態の正面図。
図18】(a)は従来の果菜選別装置の他例を示す平面図、(b)は(a)の装置におけるコンベア式果菜載せ体で果菜を送出す状態の正面図。
図19】従来の果菜選別装置であり、搬送体で搬送中の果菜を乗継ぎコンベアにより、果菜受体に送出す状態の平面説明図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の物品搬送送出方法は、各種物品を物品搬送体で搬送し、所定の位置で搬送方向斜め後方に送り出す方法であり、物品搬送送出装置はその方法を実現するための装置である。これら方法及び装置は、例えば、トマト、桃、梨、イチゴ等の丸玉系の果菜や、胡瓜、茄子等の長尺系の果菜を、サイズ別、形状別、色別、糖度別といった各種規格別(等級別)に自動的に選別する果菜自動選別方法、果菜自動選別装置として利用するのに適するものである。
【実施例】
【0023】
(物品搬送送出方法の実施形態1)
本発明の物品搬送送出方法の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。本例では、物品搬送送出方法をトマト、桃、梨、イチゴ等の丸玉系の果菜や、胡瓜、茄子等の長尺系の果菜を、サイズ別、形状別、色別、糖度別といった各種規格別(等級別)に自動的に選別するための果菜自動選別方法として用いた例について説明する。この物品搬送送出方法は、図1に示すように、物品(果菜)1を物品搬送体2の物品載せ体3上に載せて矢印a方向に搬送し、搬送中の果菜1を判別部6において規格別に自動的に判別し、判別後の果菜1を物品搬送体側方に配置されたプールコンベア(物品受体)4の横まで搬送すると、図2に示すように、物品載せ体3を搬送方向斜め後方に駆動させて、物品載せ体3上の果菜1を規格別に同方向に送り出して物品受体4に載せ換える方法である。物品受体4は図1に示すように果菜の規格別に物品搬送体2の側方数箇所に配置されており、果菜1は規格別に夫々の物品受体4に送り出されるようにしてある。この方法では、前記物品載せ体3を図2図3に示すように無端ベルト18とし、その上面に物品支持具5を取付けて無端ベルト18の上に載せた果菜1をその物品支持具5で支持できるようにしてある。また、無端ベルト18の送り出し側を図1図3に示すように物品受体4の後方に向けて斜めに配置し、無端ベルト18が回転或は移動すると、その上の果菜1を搬送方向斜め後方に送出できるようにし、果菜1の送出し速度を減速させて果菜1の勢いがセーブされるようにした。
【0024】
(物品搬送送出方法の実施形態2)
本発明の物品搬送送出方法では、物品搬送体2によって搬送されている果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、前記実施形態1記載のように、ベルトコンベアを一本備える物品載せ体3によって行う方法には限られず、例えば、図9(a)(b)のように、隣接する二本のベルトコンベア式の物品載せ体3を一組のユニット50としたり、図10のように、隣接する四本のベルトコンベア式の物品載せ体3を一組のユニット50としたりして、夫々のユニット50に二以上の果菜1を載せることができるようにして、各ベルトコンベアを搬送方向斜め後方へ動かして送り出すようにすることもできる。
【0025】
(物品搬送送出方法の実施形態3)
果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、図11(a)(b)のような幅の細い無端ベルト18を二本平行に並べたベルトコンベア式の物品載せ体3によって行うこともできる。
【0026】
(物品搬送送出方法の実施形態4)
果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、図12(a)(b)のような各ローラーを回転可能に備えたローラーコンベア式の物品載せ体3によって行うこともできる。
【0027】
(物品搬送送出方法の実施形態5)
果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、図13(a)(b)のような傾斜機構によって斜め後方に傾斜可能としたローラーコンベア式の物品載せ体3によって行うこともできる。傾斜機構は判別結果に基づいて作動して物品を斜め後方に送出させる。
【0028】
(物品搬送送出方法の実施形態6)
本発明の物品搬送送出方法では、物品搬送体2によって搬送されている果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、図14に示すように、二本のバーを搬送方向斜め後方に向けて平行に配置して果菜1を載置可能とした載置台62と、載置台62に沿って往復移動可能な送出体63で構成された物品載せ体3を用い、載置台62上にのせた果菜1を送出体63の移動によって矢印方向に押して搬送方向斜め後方に物品受体4に送り出し可能なものとすることもできる。物品載せ体3は、図14に示すものには限られず、送出体63によって載置台62上の果菜1を押して果菜1を斜め後方に送出可能なものであれば、例えば、載置台を、プレート等の固定具としたり、搬送方向斜め後方に回転可能に配置されたローラーコンベアとしたりするなど、任意のものとすることができる。
【0029】
(物品搬送送出方法の実施形態7)
本発明の物品搬送送出方法では、物品搬送体2で搬送中の果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、前記各実施形態記載の方法には限られず、図15(a)(b)に示すような鍵盤状の物品載せ体3によって行うこともできる。この場合、図15(a)に示すように、物品載せ体3を、搬送方向斜め後方向きに配置された角棒状の支持材100とし、その支持材100を搬送方向斜め後方に向けて多数枚並べ、各支持材100を首振り駆動体(図示しない)により支持軸101を中心に鍵盤状に首振り可能にして物品載せ体3上の果菜1を搬送方向斜め後方に滑落可能とすることもできる。
【0030】
(物品搬送送出方法の実施形態8)
本発明の物品搬送送出方法では、図16(a)(b)に示すように、物品搬送体2の物品載せ体3と物品受体4の間に設けられた減速体110によって、物品載せ体3から物品受体4に搬送方向斜め後方に送り出される果菜1の送り出し速度を減速させることもできる。このとき、減速体110としては、表面がフッ素樹脂加工等された板材やテープ等を用いることができる。減速体110は、物品載せ体3から物品受体4に向けて上り傾斜に配置することもできる。その場合、同図に示すように、物品受体4の上面を物品載せ体3の上面より高くなるようにしたり、更にその物品受体4自体を上り傾斜にしたりすることができる。減速体110は、物品載せ体3の出口側や物品受体4の入口側に備えることもできる。また、果菜1の送り速度の減速は、減速体110によるものには限られず、減速体110を設けずに、物品受体4の上面を物品載せ体3の上面より高くなるようにしたり、物品受体4自体を上り傾斜にしたりして行うこともできる。
【0031】
(物品搬送送出方法のその他の実施形態)
本発明の物品搬送送出方法では、物品搬送体2で搬送中の果菜1の搬送方向斜め後方への送り出しは、前記各実施形態記載のものには限られず、他の任意の手段によって行うことができる。
【0032】
本発明の物品搬送送出方法では、物品搬送体2から搬送方向斜め後方への果菜1の送り出しは、物品受体4の上に限られず他の任意の場所への送り出しとすることもできる。場合によっては、物品受体4を省略することもできる。
【0033】
(物品搬送送出装置の実施形態1)
本発明の物品搬送送出装置の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。本例では、物品搬送送出装置をトマト、桃、梨、イチゴ等の丸玉系の果菜や、胡瓜、茄子等の長尺系の果菜を、サイズ別、形状別、色別、糖度別といった各種規格別(等級別)に自動的に選別するための果菜自動選別装置として用いた例について説明する。この物品搬送送出装置は図1に示すように、果菜1を、物品搬送体2の物品載せ体3に載せて矢印a方向に搬送し、搬送中の果菜1を判別部6において形状、サイズ、色といった規格別に自動的に判別し、判別後の果菜1が物品搬送体2の側方に配置されたプールコンベア(物品受体)4の横まで搬送されると、図2に示すように、物品載せ体3を駆動させて、物品載せ体3上の果菜1を搬送方向斜め後方に送り出して物品受体4に載せ換えるようにしたものである。物品受体4は図1に示すように果菜の規格別に物品搬送体2の側方数箇所に配置されており、果菜1は規格別に夫々の物品受体4に送り出されるようにしてある。物品載せ体3は、図2図3に示すようなベルトコンベア式であり、その無端ベルト18の上面に物品支持具5を取付け、物品載せ体3に乗せた果菜1を支持できるようにしてあり、また、無端ベルト18の下面から下方に係止具35を突設し、それを図3に示す案内体43に沿って図4のように物品受体4と反対側(図4の右側)に移動させると無端ベルト18の上走行部が物品受体4側に回転(図4では左回転)して上走行部の上に載せてある果菜1が物品受体4に送り出されるようにしてある。この場合、物品載せ体3の送り出し側を図1図3に示すように物品受体4の後方に向けて斜めに配置して、物品載せ体3から送り出される果菜1の送出し速度が減速されて果菜1の勢いがセーブされるようにしてある。以下に、物品搬送体2、物品載せ体3等について詳細に説明する。
【0034】
図1の物品搬送体2は駆動スプロケット10aと従動スプロケット10bに架設された無端状のチェーン11に、細長の物品載せ体3が多数本取り付けられており、この物品載せ体3はモータMの回転により駆動スプロケット10aが回転し、チェーン11が矢印a方向に移動すると同方向に移動する。前記物品載せ体3はいずれも送出し側3aをチェーン11の移動方向斜め後ろ向きにして取り付けてある(図2参照。)。
【0035】
前記搬送チェーン11は図3に示すように上走行部が上方開口の角型樋状のチェーンガイド14内に収容されてその内部を走行するようにしてある。チェーンガイド14は図5に示すように物品搬送送出装置の主フレーム13の上面に設置されている。チェーン11には図2図6に示すようにアタッチメント15が一定間隔で取り付けられており、このアタッチメント15に物品載せ体3のフレーム16(図6)を取り付けてある。
【0036】
図1図5に示す物品載せ体3は図7に示すように支持板19と無端ベルト18を備えたベルトコンベアであり、無端ベルト18の回転によりその上面に載せた果菜1を無端ベルト18の回転方向先方(受体4側)へ送り出すものである。
【0037】
支持板19は図6に示すように細長い中央板20の外側に前方側板21、後方側板22があり、後方側板22の前端に平面形状ほぼ三角形のガイド部23を形成し、ガイド部23を前方側板21の前端部より先方まで突出させてある。支持板19の先端側には前方空間部24が、後端側には後方空間部25が形成されている。
【0038】
無端ベルト18は図6に示すように前方フリーローラー26とガイドローラ27と後方フリーローラー28の外周に巻いて先端部下側を上向き傾斜にしてあり、その無端ベルト18を支持板19の中央板20の外周に周回させ、無端ベルト18の先端部と前方フリーローラー26及びガイドローラ27を支持板19の前方空間部24内に、後端部と後方フリーローラー28を支持板19の後方空間部25内に配置してある。この果菜載せ体3は図4に示す上方開口のコンベアフレーム16内に収容し、前方フリーローラー26の回転軸29をコンベアフレーム16の前方受け溝30に回転可能に支持し、ガイドローラ27の回転軸31をコンベアフレーム16の支持孔32に回転可能に貫通し、後方フリーローラー28の回転軸33をコンベアフレーム16の後方受け溝34に夫々回転可能に支持して、図6のようにセットされている。
【0039】
前記無端ベルト18の上面には物品支持具5が接着剤やネジ等の固定手段で固定されている。物品支持具5はスポンジ製、ゴム製、軟質樹脂製等にして果菜1に傷がつかないようにしてあり、円錐台形にして、果菜1が例えばトマトや林檎等のように下部が細く上部が膨らんでいる形状の果菜であっても安定して支持できるようにしてある。物品支持具5の材質や形状はこれには限られず任意とすることができる。物品支持具5を省略することも可能である。
【0040】
無端ベルト18の下面には係止具35(図6)が取り付けられている。図示した係止具35にはボルトが使用されており、そのボルトが図6に示すように、コンベアフレーム16の底板36に配置した保持具37、保持具37の上下に宛がった上当て板38、下当て板39を貫通したボルトの下端ネジにナット40を締付けてコンベアフレーム16の底板36に固定してその下方まで突出させてある。係止具35は図2図3に示すように、チェーンガイド14と平行に設けられた上方開口の角型樋状の係止具ガイド41内をガイドされて移動するようにしてある。係止具ガイド41は図5に示すように物品搬送送出装置の主フレーム13の上面にチェーンガイド14と平行に配置され固定されている。また、係止具ガイド41は、図5に示すように、案内体43の設置部分には設けられていない。
【0041】
図7のように形成された物品載せ体3は、そのコンベアフレーム16(図4)をチェーン11のアタッチメント15にネジ42(図6)で取付けることによりチェーン11に固定してある。この場合、物品載せ体3の送出し側3aをチェーン11の搬送方向後方に向けて斜めに取付けて、物品載せ体3の上の果菜1が搬送方向斜め後方に送り出されるようにしてある。物品載せ体3の前記取り付け角度(図2中θ)は果菜1を搬送方向斜め後方に送り出し可能であれば任意の角度とすることができ、例えば30°〜60°程度とすることができる。この実施例では、図6に示すように、物品載せ体3の後方側板22の先端部に、前方側板21の先端よりも先方まで突出している三角形のガイド部23が形成されているため、物品載せ体3の送出し側3aを物品搬送体2に対して後方向きに斜めに配置しても、物品載せ体3の先端と物品搬送体2との間が三角形のガイド部23で閉塞されて隙間が殆ど生じない。このため、物品載せ体3の無端ベルト18から送出される果菜1が物品受体4に乗り移りにくいとか、果菜1が落下してしまうといったことが無い。
【0042】
物品載せ体3の幅と、物品載せ体3の隣接間隔は、載せる果菜1のサイズ、形状等によっても異なるが、基本的には物品載せ体3の幅は図8(a)に示すように一つの果菜1を載せることができる広さにし、隣接間隔は図8(b)に示すように細長な一本の果菜1を二本以上の物品載せ体3に跨がせて載せることができ、例えば、図2に示すようにサイズの大きな丸玉系の果菜1などを二本以上の物品載せ体3に跨がせて載せることができるように設定するのがよい。
【0043】
前記判別部6は、物品搬送体2の搬送路上に設けられた、搬送中の果菜1を規格別に自動的に判別する部分である。判別部6は、既存の判別装置と同様にカメラ、糖度センサ、重量計等、判別に必要な各種装置を備え、搬送されてくる果菜1の形状、サイズ、重量、色、糖度等を計測し、自動的に規格を判別できるものである。
【0044】
図1に示す判別部6の先方には、多数本の案内体43が平行に、しかも物品搬送体2の搬送方向に対して後方斜め向きに配置されている。夫々の案内体43の先端側には切換レバー44が配置されている。切換レバー44は、判別部6の判別結果に基づいて物品載せ体3の係止具35の移動方向を切り替えるものであり、案内体43は係止具35の移動をそれに沿ってガイドするものである。案内体43は図3に示すL字状の細長板であり、その先端側を図5に示すように選別装置の主フレーム13の上のチェーンガイド14に対して斜め後方に向けて配置してある。切換レバー44は図2図3に示すように回転体45に取り付けられており、回転体45を回転させることにより物品搬送体2と平行な向きの進路不変位置(図3a)と、物品搬送体2と交差する向きの進路変更位置(図3b)とに切替えられるようにして、進路不変位置(図3a)にあるときは物品搬送体2で搬送されてくる物品載せ体3の底面下方に突出している係止具35が切換レバー44及び案内体43に触れることなくそのまま直進し、物品載せ体3の無端ベルト18は動作せずその上の果菜は送り出されない。切換レバー44が進路変更位置(図3b)に切替えられると、物品搬送体2で搬送されてくる物品載せ体3の係止具35が切換レバー44に当たって直進が阻止され、案内体43側に導かれて案内体43に沿って進行して図3(b)、図4の矢印A方向に移動し、同時に無端ベルト18の下側も同方向に移動し、無端ベルト18の上面が搬送体の側方に配置されている物品受体4方向(送り出し方向:図4の矢印B方向)に移動し、無端ベルト18の上の果菜1が物品受体4に送出されるようにしてある。前記回転体45の回転による切換レバー44の切換えは、前記判別部6での判別結果に応じて制御装置によって制御される。
【0045】
物品搬送体2の側方に配置されている物品受体4は、図1に示すように物品搬送体2の排出部7から送出される果菜1を受け継いでそのまま搬送したり一旦プールしたりしておくためのものであり、図1の場合は多数本のベルトコンベアが使用され、それらベルトコンベアを物品搬送体2と直交させて二箇所に平行に配置してある。図1では物品受体4が物品搬送体2の搬送方向二箇所に設けられているが、物品受体4は、果菜1の種類や規格毎に物品搬送体2の搬送方向に数箇所に設け、夫々の箇所の物品受体4に果菜1を種類や規格別に送り出すことできるようにすることができる。全ての物品受体4のベルトコンベアの本数を同じにするのではなく、数や種類の多い果菜1を引き継ぐ物品受体4のベルトコンベアは本数を多くし、少ない果菜1を引き継ぐ物品受体4のベルトコンベアは本数を少なくすることができる。物品受体4のベルトコンベアは常時回転させておくことも可能であるが、果菜1が送出されないときは一時停止にして待機させておき、物品載せ体3から果菜1が送出されるときに果菜一個分だけ回転して果菜1が載るように制御することもできる。ベルトコンベアの回転制御は前記判別部6による判別結果に応じて制御装置によって行われる。
【0046】
物品搬送体2の排出部7の搬送方向先方には、図1に示すように戻し用案内体46が配置されている。戻し用案内体46は前記案内体43とは逆向き斜めに配置されている。果菜1を物品受体4に送り出した物品載せ体3は、物品1を物品受体4へ送り出した後に物品搬送体2によって排出部7の先方へ搬送されていくと、案内体43によってガイドされて物品受体4から離れた方向に位置している係止具35を逆方向へガイドして元の位置まで戻すことができるようにしてある。
【0047】
図1に示す物品搬送体2の搬送開始地点付近(図1の左端側)は果菜1を物品載せ体3に載せる投入部8としてあり、投入部8は作業員が数人並ぶことができる程度の長さが確保されている。
【0048】
図1の物品受体4の側方には物品受体4にプールされた果菜1を作業者が手作業で取出して箱詰作業をする作業空間が確保されており、ここも数人が並んで作業できる広さのスペースにしてある。なお、物品受体4は、前記のようなベルトコンベアを複数本並べて備えたものには限られず、ローラーコンベアとする等、任意のものとすることができる。また、物品受体4に代えて、別の装置の搬送ラインを備えることも可能である。また、物品受体4を省略することも可能である。
【0049】
(物品搬送送出装置の使用例)
本発明の物品搬送送出装置を利用した果菜自動選別装置によって果菜を搬送、選別するには次のようにする。
(1)投入部8において、搬送中の物品搬送体2の物品載せ体3の上に果菜1を載せる。この場合、果菜1の形状、サイズ等により、一つの果菜1を一つの物品載せ体3に載せたり、二以上の物品載せ体3に跨がせて載せたりする。
(2)投入部8で載せた果菜1は物品搬送体2で搬送され、判別部6でその形状、大きさ、重量、糖度等が計測され、自動的に規格が判別される。
(3)計測された果菜1は物品搬送体2によって排出部7に搬送される。
(4)排出部7において、前記判別結果に基づいて、どの物品載せ体3の果菜1をどの物品受体4へ送り出すか指示され、この指示に基づいて、切換操作具(回転体)45が作動して切換レバー44が進路変更位置に切換えられ、果菜1を載せた物品載せ体3の係止具35が切換レバー44に当たって案内体43へガイドされる(図4参照。)。このとき、果菜1が二以上の物品載せ体3に跨がって載っている場合は、二以上の切換操作具(回転体)45が同期して動作して、二以上の物品載せ体3の係止具35が夫々の案内体43へガイドされるように指示する。
(5)物品載せ体3の係止具35が案内体43にガイドされると、物品載せ体3の無端ベルト18の下側(下走行部)が係止具35と同方向に移動し、それにより無端ベルト18の上側(上走行部)が下走行部と反対側に回転し、上走行部に載せてある果菜1が物品受体4へ送り出される。このとき、果菜1が引き継がれる物品受体4のベルトコンベアは果菜一個分だけ回転して、ベルトコンベアに果菜1を一個だけ載せることができるようにする。この繰り返しにより果菜1が物品受体4に順次送り込まれ、果菜1が判別結果に応じて所定規格の物品受体4のベルトコンベアにプールされる。また、物品載せ体3が物品搬送体2の搬送方向斜め後方に向いているため、物品載せ体3の上の果菜1はその方向(物品搬送体2の搬送方向と逆方向)へ送り出されて、送出し速度が減速され、勢いが付きすぎて横転するとか、物品受体4にプールされている果菜1に衝突するとかして果菜1が傷つくことがない。
(6)果菜1を送り出した物品載せ体3は物品搬送体2によって更に先方へ搬送され、搬送路の途中に配置してある戻し用案内体46によって、物品受体4から離れた方向に位置している係止具35を逆方向へガイドして元の位置まで戻され、物品搬送体2の始端部へ戻る。
(7)前記(4)において、物品載せ体3をそのまま前進させる旨の指示があったときは、切換操作具(回転体)45が作動せず切換レバー44が進路不変位置に停止したままとなり、果菜1を載せた物品載せ体3の係止具35が切換レバー44に接触することなくその前を通過して、その搬送が継続される。所定位置まで搬送されて、送出し位置まで到来すると、前記計測結果に基づいて切換レバー44を進路変更位置に切り替えるよう指示が出され、物品載せ体3の係止具35が前記(5)のように案内体43にガイドされ、物品載せ体3の無端ベルト18が前記(5)の場合と同様に移動して果菜1が物品受体4へ送り出される。
【0050】
(物品搬送送出装置の実施形態2)
本発明の物品搬送送出装置の実施形態の他の例を図11に示す。この物品搬送送出装置の物品載せ体3は幅の細い無端ベルト18を二本平行に並べたベルトコンベア方式にしたものである。二本のベルト18は搬送方向手前方のもの(図11中左側)を搬送方向先方のもの(図11中右側)よりも先端位置を長くして、両ベルト18を搬送体2に後ろ向き傾斜に配置しても両ベルト18の先端部が物品受体4に近づいて物品載せ体3と物品受体4との間の隙間51に殆ど隙間ができないようにし、物品載せ体3から物品受体4に果菜1がスムースに引き継がれるようにしてある。無端ベルト18は三本以上にすることもできる。
【0051】
(物品搬送送出装置の実施形態3)
本発明の物品搬送送出装置の第3の実施形態を図12(a)(b)に示す。この物品搬送送出装置の物品載せ体は多数本のローラー52を回動可能に設けたローラーコンベア構造であり、ローラー52の下にベルトコンベア53を各ローラー52と接触させて設け、ベルトコンベア53が回転すると各ローラー52が回転してローラーコンベア上の果菜1が物品受体4に送り出されるようにしてある。ベルトコンベア53は図12(b)に示すようにベルトコンベア53の下走行部に設けた係止具54を任意の手段で同図(b)の左右方向に移動させることにより回転させることができ、係止具54を左側に移動させるとベルトコンベアが右回転し、各ローラー52が左回転し、その上の果菜1が図12(b)の左側に(物品受体4側)に送り出されるようにしてある。
【0052】
(物品搬送送出装置の実施形態4)
本発明の物品搬送送出装置の第4の実施形態を図13(a)(b)に示す。この物品搬送送出装置の物品載せ体は、多数のローラー55がフレーム57に回動可能に設けられたローラーコンベア56であり、図13(b)に示すようにフレーム57を支持軸58を中心に左右に回動可能(シーソー式)に支持台59に設け、フレーム42のうち支持軸58の左右両側をバネ60で支持台59に連結してフレーム57を水平に保持し、フレーム57の軸方向一端の下に駆動ピン61を設け、その駆動ピン61を下から持ち上げる(押し上げる)とローラーコンベア56が図13(b)の左側(受体4側)に下り傾斜になって、ローラー55の上の果菜1が物品受体4に落下するようにしてある。駆動ピン61の持ち上げ(押し上げ)を解除するとローラーコンベア56はバネ60の引っ張り力によって水平に戻るようにしてある。
【0053】
(物品搬送送出装置の実施形態5)
本発明の物品搬送送出装置の第5の実施形態を図14に示す。この物品搬送送出装置の物品載せ体3は、二本のバーを平行に配置して果菜1を載置可能とした載置台62と、載置台62に沿って往復移動可能な送出体63で構成され、載置台62上に載せた果菜1を送出体63の移動で矢印方向に押して物品受体4に送り出し可能としてある。送出体63は果菜1が安定するように当接面64を円弧状に湾曲させてある。載置台62に用いられるバーは滑り抵抗が小さくて果菜1が滑り易いものが好ましく、例えば、金属棒の外周にフッ素樹脂をコートしたものとか、樹脂製の棒などが適する。送出体63はその下側に設けた係止具65を任意の駆動機構で往復移動させることができる。図14の物品載せ体3もブラケット66により物品搬送体2の搬送方向に対して後ろ斜め向きに取り付けてある。載置台62は果菜1を載置可能であれば三本以上のバーやプレート等の固定具としたり、搬送方向斜め後方に回転可能に配置されたローラーコンベアとしたりするなど、任意のものとすることができる。
【0054】
(物品搬送送出装置の実施形態6)
本発明の物品搬送送出装置の第6の実施形態を図15(a)(b)に示す。この物品搬送送出装置の物品載せ体3は、搬送方向斜め後方向きに配置された鍵盤状(角棒状)の支持材100であって、その支持材100を搬送方向に多数枚鍵盤状に並べて備えたものである。各支持材100は、図15(b)に示すように、首振り駆動体(図示しない)により、支持軸101を中心に鍵盤状に首振り可能とされており、その首振りによって物品載せ体3上の果菜1を搬送方向斜め後方に送り出し可能としている。支持材100の下側には、首振りした支持材100が係止して必要以上に首振りしないようにする係止具102が備えられている。多数の支持材100は接近させて配置することにより、どの位置の一又は二以上の支持材100にも果菜1を載せることができるようにしてある。また、この支持材100は細長平板状であってもよい。
【0055】
(物品搬送送出装置の実施形態7)
本発明の物品搬送送出装置の第7の実施形態を図9(a)(b)に示す。この物品搬送送出装置では、隣接する二本のベルトコンベア式の物品載せ体3を一組のユニット50として、夫々のユニット50に二以上の果菜1を載せることができるようにし、各ユニット50の二本以上の物品載せ体3が同期作動して果菜1を物品受体4に送り出し可能としたことである。前記ユニット50は三本以上を一組とすることもできる。各ユニット50の物品載せ体3は図9(b)に示すようにフレームにセットされ、両フレームを斜め平行に並べて連結してある。また、ユニット50は、図10に示すように、隣接する四本のベルトコンベア式の物品載せ体3を一組のユニット50とすることもできる。この図10に示すユニット50においては、四本のベルトコンベア式の物品載せ体3に跨るようにして物品支持体5が設けられている。この場合も、四本のベルトコンベアを同期作動させて果菜1を物品受体4に送り出し可能である。さらに、ユニット50は、前記のベルトコンベア式の物品載せ体3を組合わせたものには限られず、前記各実施形態のいずれに記載された物品載せ体3を組合わせて形成することもできる。
【0056】
(物品搬送送出装置の実施形態8)
本発明の物品搬送送出装置の第7の実施形態を図16(a)(b)に示す。この物品搬送送出装置では、物品搬送体2の物品載せ体3と物品受体4の間に減速体110が設けられている。この減速体110は、表面がフッ素樹脂加工等された板材などが用いられ、図16(b)に示すように物品載せ体3から物品受体4に向けて上り傾斜に配置されている。この場合、物品受体4の上面を物品載せ体3の上面より高くなるようにする。減速体110の傾斜角度は、任意とすることができ、例えば1°〜10°とすることができるが、3°程度が望ましい。減速体110を傾斜させずに備えることもできる。この減速体110は、物品載せ体3の出口側や物品受体4の入口側に備えることもできる。この減速体110によって、物品載せ体3から物品受体4に搬送方向斜め後方に送り出される果菜1の送り速度を減速させることができる。また、減速体110を省略し、物品受体4の上面を物品載せ体3の上面より高くなるようにしたり、物品受体4自体を上り傾斜にしたりして果菜1の送り速度を減速させることもできる。
【0057】
(物品搬送送出装置のその他の実施形態)
本発明の物品搬送送出装置では、物品搬送体2で搬送中の果菜1の搬送方向斜め後方への送り出し手段は、前記各実施形態記載のものには限られず、他の任意の手段によって行うことができる。
【0058】
本発明の物品搬送送出装置では、物品受体4を省略して、物品搬送体2から搬送方向斜め後方へ送り出される果菜1が任意の場所へ送り出されるようにすることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の物品搬送送出方法、果菜選別方法、前記方法の実施に用いる物品搬送送出装置、果菜選別装置は、果菜の選別に限られず、農産物、海産物等の一次産業品、工業製品のような二次産業品といった各種物品の搬送、送出、選別に応用することもできる。
【符号の説明】
【0060】
1 物品(果菜)
2 物品搬送体
3 物品載せ体
4 物品受体
5 物品支持具
6 判別部
7 排出部
8 投入部
11 チェーン
13 主フレーム
14 チェーンガイド
15 アタッチメント
18 無端ベルト
35 係止具
41 係止具ガイド
43 案内体
44 切換レバー
45 回転体
50 ユニット
52 ローラー
53 ベルトコンベア
54 係止具
56 ローラーコンベア
61 駆動ピン
62 載置台
63 送出体
65 係止具
100 支持材
101 支持軸
102 係止具
110 減速体
図1
図2
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図4
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