【実施例】
【0047】
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は以下のようなものに限定されるものでもない。
【0048】
(実施例1)
下記のごとく発泡シートを製造した。
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を70質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(PSJ社製、商品名:「SC−004」)を30質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いた。
このポリスチレン系樹脂100質量部に対して、気泡調整剤としてタルク練り込みポリスチレン(ポリスチレン樹脂:60質量%、タルク含有量:40質量%)(東洋スチレン社製、商品名:「DSM1401A」)0.5質量部をドライブレンドして混合物とした。
次に、二台の押出機が接続されたタンデム押出機(上流側の第1押出機がφ115mmの単軸押出機、下流側の第2押出機がφ150mmの単軸押出機)を用い、上記混合物を、第1押出機のホッパーに供給し、最高温度設定が230℃になるように前記第1押出機内で混合物を加熱し溶融混練した。
さらに、発泡剤としてブタンガス(イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンガス)を前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が4.6質量部となるように第1押出機に圧入して前記混合物との溶融混練を続けた。
続いて、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて145℃まで低下させ、該第2押出機の先端に装着されたサーキュラーダイ(口径:φ160mm、スリットクリアランス:0.4mm)から発泡剤を含んだ前記溶融混練物を吐出量210kg/hで押出発泡させて円筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体の内方側及び外方側に、内方側2.2N・m
3/分、外方側2.2N・m
3/分となる風量で冷却エア(温度30℃)を吹き付け、その後、φ675mm、長さ800mmの冷却マンドレルの外周面を前記発泡体の内面に摺接させて該発泡体を内側から冷却し、該冷却マンドレルの後段側においてこの円筒状の発泡体の左右2箇所を押出方向に沿って連続的に切断し、該発泡体を上下に分割して2枚の長尺帯状の発泡シートを得、これらをそれぞれロール状に巻き取った。
【0049】
(実施例2)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を90質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(PSJ社製、商品名:「SC−004」)を10質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて147℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
【0050】
(実施例3)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を80質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(PSJ社製、商品名:「SC−004」)を20質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて146℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
【0051】
(実施例4)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を60質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(PSJ社製、商品名:「SC−004」)を40質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて144℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
【0052】
(実施例5)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を30質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(DIC社製、商品名:「HP250」)を70質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
【0053】
(実施例6)
ポリスチレン系樹脂として、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(DIC社製、商品名:「HP250」)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて142℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
【0054】
(実施例7)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を50質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体(PSJ社製、商品名:「SC−004」)を50質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて142℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
【0055】
(比較例1)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)(アクリル酸ブチルの含有量:0質量%)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて152℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
【0056】
(比較例2)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(PSJ社製、商品名:「HH102」)(アクリル酸ブチルの含有量:0質量%)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて152℃まで低下させたこと以外は、実施例1と同様にして発泡シートを製造した。
【0057】
(実施例8)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を60質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(DIC社製、商品名:「HP−250」)を40質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いた。
このポリスチレン系樹脂100質量部に対して、気泡調整剤としてタルク練り込みポリスチレン(ポリスチレン樹脂:60質量%、タルク含有量:40質量%)(東洋スチレン社製、商品名:「DSM1401A」)0.55質量部をドライブレンドして混合物とした。
次に、二台の押出機が接続されたタンデム押出機(上流側の第1押出機がφ115mmの単軸押出機、下流側の第2押出機がφ180mmの単軸押出機)を用い、上記混合物を、第1押出機のホッパーに供給し、最高温度設定が240℃になるように前記第1押出機内で混合物を加熱し溶融混練した。
さらに、発泡剤としてブタンガス(イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンガス)を前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が5.0質量部となるように第1押出機に圧入して前記混合物との溶融混練を続けた。
続いて、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて146℃まで低下させ、該第2押出機の先端に装着されたサーキュラーダイ(口径:φ160mm、スリットクリアランス:0.5mm)から発泡剤を含んだ前記溶融混練物を吐出量400kg/hで押出発泡させて円筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体の内方側及び外方側に、内方側2.4N・m
3/分、外方側2.4N・m
3/分となる風量で冷却エア(温度30℃)を吹き付け、その後、φ675mm、長さ800mmの冷却マンドレルの外周面を前記発泡体の内面に摺接させて該発泡体を内側から冷却し、該冷却マンドレルの後段側においてこの円筒状の発泡体の左右2箇所を押出方向に沿って連続的に切断し、該発泡体を上下に分割して2枚の長尺帯状の発泡シートを得、これらをそれぞれロール状に巻き取った。
【0058】
(比較例3)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)(アクリル酸ブチルの含有量:0質量%)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて152℃まで低下させたこと以外は、実施例8と同様にして発泡シートを製造した。
【0059】
(比較例4)
サーキュラーダイ(口径:φ145mm、スリットクリアランス:0.6mm)を用いたこと以外は、実施例8と同様にして発泡シートを製造した。
【0060】
(実施例9)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製、商品名:「HRM−26」)を60質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(DIC社製、商品名:「HP−250」)を40質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いた。
このポリスチレン系樹脂100質量部に対して、気泡調整剤としてタルク練り込みポリスチレン(ポリスチレン樹脂:60質量%、タルク含有量:40質量%)(東洋スチレン社製、商品名:「DSM1401A」)0.5質量部をドライブレンドして混合物とした。
次に、二台の押出機が接続されたタンデム押出機(上流側の第1押出機がφ115mmの単軸押出機、下流側の第2押出機がφ150mmの単軸押出機)を用い、上記混合物を、第1押出機のホッパーに供給し、最高温度設定が230℃になるように前記第1押出機内で混合物を加熱し溶融混練した。
さらに、発泡剤としてブタンガス(イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンガス)を前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が3.8質量部となるように第1押出機に圧入して前記混合物との溶融混練を続けた。
続いて、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて154℃まで低下させ、該第2押出機の先端に装着されたサーキュラーダイ(口径:φ190mm、スリットクリアランス:0.3mm)から発泡剤を含んだ前記溶融混練物を吐出量200kg/hで押出発泡させて円筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体の内方側及び外方側に、内方側0.5N・m
3/分、外方側0.5N・m
3/分となる風量で冷却エア(温度30℃)を吹き付け、その後、φ675mm、長さ800mmの冷却マンドレルの外周面を前記発泡体の内面に摺接させて該発泡体を内側から冷却し、該冷却マンドレルの後段側においてこの円筒状の発泡体の左右2箇所を押出方向に沿って連続的に切断し、該発泡体を上下に分割して2枚の長尺帯状の発泡シートを得、これらをそれぞれロール状に巻き取った。
【0061】
(比較例5)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(東洋スチレン社製、商品名:「HRM−26」)(アクリル酸ブチルの含有量:0質量%)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて158℃まで低下させたこと以外は、実施例9と同様にして発泡シートを製造した。
【0062】
(比較例6)
サーキュラーダイ(口径:φ180mm、スリットクリアランス:0.3mm)を用いたこと以外は、実施例9と同様にして発泡シートを製造した。
【0063】
(実施例10)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)を60質量%、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体樹脂(DIC社製、商品名:「HP−250」)を40質量%含有するポリスチレン系樹脂を用いた。
このポリスチレン系樹脂100質量部に対して、気泡調整剤としてタルク練り込みポリスチレン(ポリスチレン樹脂:60質量%、タルク含有量:40質量%)(東洋スチレン社製、商品名:「DSM1401A」)0.6質量部をドライブレンドして混合物とした。
次に、二台の押出機が接続されたタンデム押出機(上流側の第1押出機がφ115mmの単軸押出機、下流側の第2押出機がφ150mmの単軸押出機)を用い、上記混合物を、第1押出機のホッパーに供給し、最高温度設定が230℃になるように前記第1押出機内で混合物を加熱し溶融混練した。
さらに、発泡剤としてブタンガス(イソブタンとノルマルブタンとの混合ブタンガス)を前記ポリスチレン系樹脂100質量部に対する割合が3.5質量部となるように第1押出機に圧入して前記混合物との溶融混練を続けた。
続いて、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて153℃まで低下させ、該第2押出機の先端に装着されたサーキュラーダイ(口径:φ175mm、スリットクリアランス:0.5mm)から発泡剤を含んだ前記溶融混練物を吐出量350kg/hで押出発泡させて円筒状の発泡体を形成させた後、該発泡体の内方側及び外方側に、内方側2.6N・m
3/分、外方側2.6N・m
3/分となる風量で冷却エア(温度30℃)を吹き付け、その後、φ675mm、長さ800mmの冷却マンドレルの外周面を前記発泡体の内面に摺接させて該発泡体を内側から冷却し、該冷却マンドレルの後段側においてこの円筒状の発泡体の左右2箇所を押出方向に沿って連続的に切断し、該発泡体を上下に分割して2枚の長尺帯状の発泡シートを得、これらをそれぞれロール状に巻き取った。
【0064】
(比較例7)
ポリスチレン系樹脂として、ポリスチレン樹脂(DIC社製、商品名:「LP−6000」)(アクリル酸ブチルの含有量:0質量%)を用いたこと、及び、第1押出機での混合物と発泡剤との溶融混練後に、樹脂組成物の溶融混練物の温度を第2押出機にて157℃まで低下させたこと以外は、実施例10と同様にして発泡シートを製造した。
【0065】
各実施例及び各比較例の発泡シートの各種パラメータを上述した方法で求めた。測定結果を表1〜4に示す。また、各実施例及び各比較例の発泡シートを下記試験に供した。試験結果も表1〜4に示す。
【0066】
<低温成形性>
発泡シートを27±3℃、相対湿度60±5%にて24時間に亘って放置した。
次に、発泡シートから縦700mm×横1040mmの平面長方形状の試験片を切り出した。
そして、単発成形機(東成産業社製 商品名「ユニック自動成形機 FM−3A」)を用意し、この単発成形機の上側ヒーターの平均温度を255℃、下側ヒーターの平均温度を210℃、上側雰囲気温度を175℃、下側雰囲気温度を168℃にした。
次に、実施例1〜7及び比較例1〜2については、上記試験片を単発成形機に導入して5秒間加熱した後に熱成形により上部に開口部を有する直方体状の発泡容器(縦140mm×横90mm×高さ17mm)を作製した。
そして、得られた容器を目視し下記基準で成形性を評価した。
○:ひび割れが見られなかった。
△:わずかにひび割れや皺が見られた。
×:○及び△以外
【0067】
実施例8及び比較例3、4については、上記試験片を単発成形機に導入して6秒間加熱した後に熱成形により上部に開口部を有する直方体状の発泡容器(縦140mm×横90mm×高さ40mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に低温成形性を評価した。
【0068】
実施例9及び比較例5、6については、上記試験片を単発成形機に導入して5秒間加熱した後に熱成形により上部に開口部を有し、底面が正方形状である直方体状の発泡容器(縦80mm×横80mm×高さ25mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に低温成形性を評価した。
【0069】
実施例10及び比較例7については、上記試験片を単発成形機に導入して9秒間加熱した後に熱成形により上部に開口部を有し、円筒状の発泡容器(直径:175mm、高さ:90mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に低温成形性を評価した。
【0070】
<容器腰強度>
発泡シートを27±3℃、相対湿度60±5%にて24時間に亘って放置した。
次に、発泡シートから縦700mm×横1040mmの平面長方形状の試験片を切り出した。
そして、実施例1〜7及び比較例1〜2については、上記試験片を単発成形機に導入して加熱した時の試験片の厚みが略4.0mmになるように単発成型機のヒーター温度を調整した後に、熱成形により上部に開口部を有する直方体状の発泡容器(縦140mm×横90mm×高さ17mm)を作製した。
得られた容器の腰強度は、アイコーエンジニアリング社製:小型卓上荷重測定機(FTN1−13A/500、解析ソフト:FTN−3000)を用い、本評価で作製した発泡容器について、対応する開口部の長辺側の中央部どうしを接近する方向に400mm/minの速度で10mm圧縮したときの最大荷重を測定し、発泡容器30個の算術平均値より求めた。
【0071】
実施例8及び比較例3、4については、上記試験片を単発成形機に導入して加熱した時の試験片の厚みが略4.5mmになるように単発成型機のヒーター温度を調整した後に、熱成形により上部に開口部を有する直方体状の発泡容器(縦140mm×横90mm×高さ40mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に容器腰強度を評価した。
【0072】
実施例9及び比較例5、6については、上記試験片を単発成形機に導入して加熱した時の試験片の厚みが略2.5mmになるように単発成型機のヒーター温度を調整した後に、熱成形により上部に開口部を有する直方体状の発泡容器(縦80mm×横80mm×高さ25mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に容器腰強度を評価した。
【0073】
実施例10及び比較例7については、上記試験片を単発成形機に導入して加熱した時の試験片の厚みが略4.5mmになるように単発成型機のヒーター温度を調整した後に、熱成形により上部に開口部を有する円筒状の発泡容器(直径:175mm、高さ:90mm)を作製したこと以外は、実施例1と同様に容器腰強度を評価した。但し、腰強度の測定箇所は、開口部の直径線上の端点どうしとした。
【0074】
<加熱寸法変化率>
加熱寸法変化率は、容器腰強度の評価用に作製した発泡容器を用いて、上述した方法で求めた。
【0075】
<スチレン−アクリル酸ブチル吸光度比の測定方法>
スチレンとのアクリル酸ブチルとの吸光度比測定は以下の方法により行った。
具体的には、3cm×3cmにカットしたポリスチレン系樹脂発泡シートの表面のみを下記の測定装置および測定条件により、一回反射型ATR法にて赤外吸収スペクトルを得た。
・測定装置:フーリエ変換赤外分光光度計 Nicolet iS10(Thermo SSCIENTIFIC社製)および一回反射型水平状ATR Smart−iTR(Thermo SSCIENTIFIC社製)
・ATRクリスタル:ダイヤモンド貼付KRS−5(角度=45°)
・測定法:一回ATR法
・測定波数領域:4000cm
−1〜400cm
−1
・測定深度の波数依存性:補正せず
・検出器:重水素化硫酸トリグリシン(DTGS)検出器およびKBrビームスプリッター
・分解能:4cm
−1
・積算回数:16回(バックグランド測定時も同様)
得られた赤外吸収スペクトルにより、スチレンとアクリル酸ブチルの吸光度比=D1728/D1600を求める。
D1728とは、赤外吸収スペクトル曲線における波数1770cm
−1±5cm
−1での最低吸収位置と、赤外吸収スペクトル曲線における波数1515cm
−1±5cm
−1での最低吸収位置とを結ぶ直線をベースラインとした波数1728cm
−1±5cm
−1の領域の赤外吸収スペクトル曲線におけるベースラインとの吸光度差(測定された吸光度−ベースラインの吸光度)の最大値のことであり、それを波数1728cm
−1での吸光度D1728とする。
また、D1600とは、赤外吸収スペクトル曲線における波数1770cm
−1±5cm
−1での最低吸収位置と、赤外吸収スペクトル曲線における波数1515cm
−1±5cm
−1での最低吸収位置とを結ぶ直線をベースラインとした波数1600cm
−1±5cm
−1の領域の赤外吸収スペクトル曲線におけるベースラインとの吸光度差(測定された吸光度−ベースラインの吸光度)の最大値のことであり、それを波数1600cm
−1での吸光度D1600とする。なお、得られたアクリル酸ブチル吸光度比は、ポリスチレンのみを対象とした値である。
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】
表1〜4に示すように、本発明の範囲内である実施例のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて発泡容器を作製した場合は、比較例1〜7のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて発泡容器を作製した場合に比して、低温での成形性に優れていた。
このことから、本発明によれば、低温下での熱成形においても成形性に優れるポリスチレン系樹脂発泡シート、及び、低温下での熱成形で成形しても成形性に優れた発泡容器を提供することができることがわかる。
また、実施例1〜6のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて発泡容器を作製した場合は、実施例7のポリスチレン系樹脂発泡シートを用いて発泡容器を作製した場合に比して、加熱寸法変化率が小さかった。