【課題】紙幣搬送の障害が発生した場合、繰出分離前の残留紙幣を含む金種や枚数が確定していない紙幣を顧客に返却し、装置内の取扱紙幣の有高情報を確定させる自動取引装置及び自動取引システムを提供する。
【解決手段】紙幣の入金部と、紙幣の情報を判別する紙幣判別部と、前記判別された紙幣を一時的に保留する一時保留部と、前記入金部、前記紙幣判別部及び前記一時保留部を接続し、紙幣を搬送する紙幣搬送部と、前記紙幣搬送部における紙幣搬送の障害を検出する検出部と、を備え、前記検出部により障害が検出された場合、前記入金部は、該入金部の内部に残留した紙幣を返却することを特徴とする。
紙幣の入金部と、紙幣の情報を判別する紙幣判別部と、前記判別された紙幣を一時的に保留する一時保留部と、前記入金部、前記紙幣判別部及び前記一時保留部を接続し、紙幣を搬送する紙幣搬送部と、前記紙幣搬送部における紙幣搬送の障害を検出する検出部と、を備え、
前記検出部により障害が検出された場合、前記入金部は、該入金部の内部に残留した紙幣を返却することを特徴とする自動取引装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施例1]
以下、
図1〜9を用いて、本発明の一実施例について説明する。本実施例は、金融機関の店舗や、デパート、コンビニエンスストア等の小売店舗、駅の構内等に設置される、ATM(以下、ATM(Automated Teller Machine))等の自動取引装置に関する。
【0012】
(1)自動取引システム、自動取引装置の基本構成
図1は、本実施例に係る自動取引システムの構成図である。自動取引システムSは、ATM1と、ホストコンピュータ2と、情報蓄積サーバ52と、情報蓄積サーバ52に接続された参照端末53とを備える。これらの構成のうち、ATM1とホストコンピュータ2とは、ネットワーク3を介して接続され、ATM1と情報蓄積サーバ52とは、ネットワーク51を介して接続される。
【0013】
ATM1は、利用者の操作により、紙幣や硬貨の入金取引、出金取引等を行う装置であり、操作案内を表示すると同時に利用者の入力を検出する表示入力部11と、利用明細を印刷発行する明細書発行部12と、現金の入出金を行う紙幣部13と、利用者の口座番号などの情報が記録された記録媒体であるカードを取り扱うカード部14と、を備える。
【0014】
ホストコンピュータ2は、複数のATM1と接続されるコンピュータであり、ATM1の利用者の口座や残高に関する情報などが記録されている。
【0015】
情報蓄積サーバ52は、後述するように、紙幣搬送の障害が発生した場合において、銀行員に提供する詳細な情報(取引の情報を示す取引情報、紙幣の搬送障害が発生した際に紙幣部13に残留する残留紙幣の情報を示す残留紙幣情報)を記憶する。また、参照端末53は、情報蓄積サーバ52に記憶された情報を出力し、銀行員に対して提供する端末である。
【0016】
図2は、自動取引システムSのうち、ATM1と、ネットワーク51と、情報蓄積サーバ52と、参照端末53とを示した機能ブロック図である。
【0017】
ATM1は、表示入力部11と、明細書発行部12と、紙幣部13と、カード部14との他に、ホストコンピュータ2及び情報蓄積サーバ52と接続された通信制御部15と、ATM1の制御プログラム、取引記録、ATM1内の紙幣情報などを記憶する記憶部16と、これらの部位を制御する本体制御部20とを備える。
【0018】
また、紙幣部13は、入金処理時に利用者により投入された紙幣(入金紙幣)の受け付けと出金処理時に利用者に対して出金される紙幣(出金紙幣)の払い出しを行う入出金部110と、入金処理時、出金処理時及び精査処理時に紙幣の金種、正損、真偽、折れ・破れなどの紙幣状態などを判別する紙幣判別部120と、紙幣判別部120で読み取った入金紙幣の金種、枚数、合計金額などを利用者により確認され、ホストコンピュータ2にて入金処理が確定するまでの間、紙幣を一時的に収納する一時保留部130と、紙幣の収納を行う収納部200と、紙幣を各部に搬送する紙幣搬送部300と、これらの部位を制御する紙幣制御部400とを備える。
【0019】
端末53は、表示部531と、入力部532と、情報蓄積サーバ52と接続された通信制御部533と、これらの部位を制御する制御部534とを備える。
【0020】
(2)紙幣部の内部構成
図3は、紙幣部13の内部構成図である。紙幣部13の上部前方(
図3の右上側)には、入出金部110が設けられている。入出金部110の上部には、シャッタ111を設けられており、シャッタ111の下方には、紙幣投入ホッパ112と紙幣払出スタッカ114とが設けられている。紙幣投入ホッパ112は、入金紙幣が収納される入金部であり、紙幣払出スタッカ114は、出金紙幣が収納される出金部である。
【0021】
なお、
図3に示す入出金部110の場合、紙幣投入ホッパ112と紙幣払出スタッカ114とは、装置の前後方向(
図3の左右方向)に移動可能な押板113で仕切られているが、当該押板を有していない構成(すなわち、紙幣投入ホッパ112と紙幣払出スタッカ114とを兼用とする構成)としても良い。また、
図3においては、後述する紙幣収納部から紙幣払出スタッカ114に対して紙幣を放出する紙幣放出口と、紙幣投入ホッパ112に収納された紙幣を紙幣収納部に繰り出す紙幣繰出口とを異なる口として図示しているが、紙幣放出口と紙幣繰出口とを共通としても良い。
【0022】
紙幣部13の上部中央部には、紙幣判別部120が設けられている。また、紙幣部13の上部後方(
図3の左上側)には、一時保留部130が設けられている。
【0023】
一時保留部130は、テープと、テープ上に紙幣を乗せた状態で巻き取るホイールと、テープのみを巻き取るリールとを備える巻取り式の一時保留部や、搬送された紙幣を集積して一時的に収納するスタック式の一時保留部などの構成を用いることが可能である。なお、スタック式の一時保留部の場合、障害が発生した後に、係員により一時保留部130に収納された紙幣が取り出されたことを検出することが容易となる。
【0024】
収納部200は、紙幣部13の下部前方から下部後方にかけて配置された紙幣収納庫201及び不適切紙幣収納庫204と、紙幣部13の上部後方であって、一時保留部130の下部に配置した取り忘れ紙幣収納庫220から構成されている。これらの収納部200のうち、紙幣収納庫201と不適切紙幣収納庫204とは、トレイ(図示せず)に収納されている。
【0025】
紙幣収納庫201は、入金紙幣のうち、出金処理に適した紙幣を収納する入出金兼用収納庫(リサイクル庫)、または入金紙幣のうち、出金処理を行わない紙幣を収納する入金専用収納庫(入金庫)である。入出金兼用収納庫の場合、入金処理時に金種別に紙葉類が収納され、出金処理時に指定された枚数の紙葉類が分離され、放出される。
【0026】
不適切紙幣収納庫204は、入金処理時及び出金処理時に発生したリジェクト紙幣を収納する収納庫である。ここで、「リジェクト紙幣」とは、紙幣判別部120で、紙幣部13の内部に収納することは適切であるが、例えば、折れや破れ等による品質の低下により、出金処理時に利用者に提供するには適さないと判別された紙幣のことである。なお、不適切紙幣収納庫204を設けずに、上述の紙幣入金専用収納庫201を入金専用収納庫として使用し、リジェクト紙幣を収納する構成としても良い。
【0027】
取り忘れ紙幣収納庫220は、紙幣判別部120にて読み取られた入金紙幣のうち、紙幣部13の内部に収納することが不適切であると判別された紙幣(返却紙幣)や、出金紙幣を利用者が入出金部110から取り出すことを忘れた際に、当該紙幣が収納される収納庫である。
【0028】
紙幣搬送部300は、以下の搬送部を備える。すなわち、(1)入出金部110、紙幣判別部120及び一時保留部130の間を接続する紙幣搬送部301〜306と、(2)紙幣搬送部301及び302の間から分岐し、紙幣収納庫201及び不適切紙幣収納庫204の間を接続する紙幣搬送部321〜324と、(3)紙幣搬送部302〜305及び321〜323に接続され、これらの紙幣搬送部と共に、環状の紙幣搬送部を構成する紙幣搬送部341と、(4)紙幣搬送部303及び308の間を接続する紙幣搬送部361と、(5)紙幣搬送部305及び341の間から分岐し、取り忘れ紙幣収納庫220の間を接続する紙幣搬送部362とを備える。これらの紙幣搬送部は、図示しない駆動源により駆動される。また、紙幣搬送部の分岐点には、ゲートが設けられており、ゲートの向きが切り替わることにより、紙幣の搬送先が切り替わる。
【0029】
各搬送部上には、紙幣の存在を検出するためのセンサ601〜662を備える。センサ601〜662は、例えば、赤外光発光部と、赤外光発光部に対向する位置に設けられた赤外光受光部とから構成され、赤外光受光部のダーク/ライトを検出することにより、紙幣の通過と残留を検出するセンサである。これらのセンサのうち、センサ610は、入出金部110内部の残留紙幣を検出するセンサであり、他のセンサは、搬送部上の紙幣を検出するセンサである。
【0030】
(3)紙幣の搬送制御
各処理において、紙幣制御部400は、以下のように紙幣を搬送する。最初に、入金処理と出金処理とについて説明する。入金処理は、利用者により投入された紙幣を計数する処理(入金計数処理)と、計数された紙幣を紙幣収納庫201または不適切紙幣収納庫204に収納する処理(入金収納処理)とに分けられる。
【0031】
以下、入金計数処理について説明する。入出金部110の紙幣投入ホッパ112に投入された紙幣は、分離機構にて一枚ずつ分離される。
【0032】
その後、分離された紙幣は、紙幣搬送部301〜303を経由し、紙幣判別部120に搬送される。紙幣判別部120では、金種、正損、真偽、折れ・破れなどの紙幣状態などが判別される。紙幣判別部120は、判別結果を紙幣制御部400に出力する。紙幣制御部400は、受け取った判別結果により、以下のように紙幣を搬送する。
【0033】
紙幣が真紙幣であると判別された場合、当該紙幣は、紙幣搬送部304〜306を経由し、一時保留部130に一時的に収納される。一方、紙幣の金種が判別できなかった場合、紙幣が偽紙幣であると判別された場合、傾き異常や紙幣同士の間隔異常・破れなどにより寸法が異常であると判別された場合、または紙幣が複数枚重なっていると判別された場合、当該紙幣は、一時保留部130に搬送されず、紙幣搬送部304、307及び308を経由し、入出金部110の紙幣払出スタッカ114に搬送され、利用者に返却される。
【0034】
続いて、入金収納処理について詳細に説明する。入金計数処理の後に、紙幣判別部120で読み取った入金紙幣の金種、枚数、合計金額などが利用者により確認され、ホストコンピュータ2にて入金処理が確定された場合、入金収納処理が実行される。
【0035】
一時保留部130に収納された紙幣は、分離機構にて一枚ずつ分離される。その後、分離された紙幣は、紙幣搬送部306〜304を経由し、紙幣判別部120で金種、正損、真偽、折れ・破れなどの紙幣状態などが再度判別される。紙幣判別部120は、判別結果を紙幣制御部400に出力する。紙幣制御部400は、受け取った判別結果により、紙幣は以下のように搬送される。
【0036】
紙幣の金種が確定し、搬送状態が正常であり、紙幣が複数枚重なっていないと判別された場合(すなわち、紙幣収納部201への収納に適していると判別された場合)、当該紙幣は、紙幣搬送部303〜302及び321〜322を経由し、紙幣収納庫201のいずれかに収納される。一方、上記以外の判別結果である場合、当該紙幣は、紙幣搬送部303〜302及び321〜324を経由し、不適切紙幣収納庫204に収納される。紙幣収納庫201あるいは、不適切紙幣収納庫204に収納された紙幣の金種と枚数とは、記憶部16に記憶される。このような紙幣搬送の間、搬送部センサ601〜662は通過紙幣を監視しており紙幣が通過した枚数をカウントする。
【0037】
続いて、出金処理について説明する。紙幣収納庫201に収納された紙幣は、分離機構にて一枚ずつ分離され、所定枚数の紙幣が繰り出される。
【0038】
その後、分離された紙幣は、紙幣搬送部322〜321及び302〜303を経由し、紙幣判別部120で判別される。紙幣判別部120は、判別結果を紙幣制御部400に出力する。紙幣制御部400は、受け取った判別結果により、紙幣は以下のように搬送される。
【0039】
判別された紙幣が出金可能であると判別された場合、当該紙幣は、紙幣搬送部304、307、308を経由し、入出金部110の紙幣払出スタッカ114に搬送され、利用者に出金される。一方、判別された紙幣が出金可能でないと判別された場合、当該紙幣は、紙幣搬送部304〜305及び341〜324を経由し、不適切紙幣収納庫204に収納される。入金計数と同様に紙幣搬送の間、搬送部センサ601〜662は通過紙幣を監視しており紙幣が通過した枚数をカウントする。
【0040】
続いて、取り忘れ紙幣の回収動作について説明する。入金処理時に発生したリジェクト紙幣や出金紙幣が入出金部110の紙幣払出スタッカ114に収納された状態のまま、所定時間が経過した場合、入出金部110の紙幣払出スタッカ114を一枚ずつ分離する。その後、分離された紙幣は、紙幣搬送部308、361、303〜305及び362を経由し、取り忘れ紙幣収納庫220に収納される。また、入金計数と同様に紙幣搬送の間、搬送部センサ601〜662は通過紙幣を監視しており紙幣が通過した枚数をカウントする。
【0041】
(4)紙幣搬送の障害発生時における処理
次に、上述の入金計数処理時に、紙幣搬送の障害が発生した場合における処理を、
図3、
図4を用いて説明する。
図4は、紙幣搬送の障害発生時における処理を示すフローチャートである。
【0042】
入出金部110の紙幣投入ホッパ112に投入された紙幣は、分離機構にて一枚ずつ分離され紙幣搬送が開始される(S101)。紙幣制御部400は、搬送部センサ601〜662の状態から、紙幣搬送部300で紙幣ジャムが発生しているかを監視する(S102)。紙幣ジャムが発生せずに入金計数が終了した場合には(S103:Yes)、入金計数処理を正常終了する。一方、紙幣のジャムが発生した場合には(S102:Yes)、紙幣ジャムが発生した紙幣搬送部を停止する(S104)。例えば、紙幣搬送部304でジャムが発生した場合には、ジャムが発生した紙幣搬送部304を含む上流側の紙幣搬送部304〜301及び識別部120は搬送できなくなるので、搬送を停止する。
【0043】
その後、ジャムが発生した紙幣搬送部の下流側の紙幣搬送部(上記の例では、紙幣搬送部305〜308)に存在する紙幣が一時保留部130および、紙幣払出スタッカ114に搬送された後に、全ての紙幣搬送部を停止する(S105)。この動作により、ジャムが発生した紙幣搬送部の下流側の紙幣搬送部には紙幣は残留せず、係員が紙幣搬送部を開閉する際の除去対象から外すことができる。このとき、紙幣制御部400は、制御部20に対して、取引の情報を示す取引情報(
図8参照)と、紙幣の搬送障害が発生した際に紙幣部13に残留する残留紙幣の情報を示す残留紙幣情報(
図9、10参照)とを送信し、制御部20は、これらの情報を記憶部16に記録する(S106)。なお、後述する、紙幣部13の自動復旧処理の進行に応じて、取引情報と紙幣残留情報とが記憶部16に順次追加される。
【0044】
次に、紙幣部13の自動復旧処理を開始する(S107)。紙幣部13の自動復旧処理は、紙幣搬送部の駆動を逆転させ、ジャム紙幣及びジャム紙幣より上流側の紙幣を、搬送してきた方向と反対方向に搬送することにより、ジャム除去を実施する動作(すなわち、紙幣搬送部に残留する紙幣を入出金口110に紙幣を戻す動作)を含む。すなわち、ジャムが発生した紙幣搬送部を含む上流側の紙幣搬送部の駆動を逆転させることにより、紙幣を紙幣投入ホッパ112に搬送する処理を実行する。
【0045】
自動復旧動作中において、紙幣制御部400は、装置内の残留紙幣情報を記録する(S108)。自動復旧処理が成功した場合、全ての紙幣が紙幣投入ホッパ112に収納されてる一方、自動復旧動作に失敗した場合、少なくとも一部の紙幣が紙幣搬送部上に残留する。そのため、後に銀行員がS108において記録された紙幣残留情報を参照することにより、自動復旧処理の成功(全ての紙幣が紙幣搬送部に残留していないこと)/失敗(一部の紙幣が紙幣搬送部に残留したこと)を判断することが可能となる。
【0046】
全ての紙幣が残留せずに紙幣投入ホッパ112に搬送することができた場合(S109:Yes)、入出金口110に収納された紙幣を顧客に返却する(S110)。その後、一時保留部130の紙幣について枚数と金種とを確定し、入金収納処理を実行して入金処理を終了させる(S111)。一方、自動復旧処理を実行しても、紙幣搬送部301〜308に紙幣が残留した場合(S109:No)、以下のS120〜S128の処理を実行する。
【0047】
入出金部110に顧客投入紙幣(入出金部110から繰り出されなかった紙幣、又は入金計数処理時に識別部120で不適切紙幣と判断され、入出金部110に返却された紙幣、自動復旧処理により返却された紙幣)が収納されている場合には(S120:Yes)、入出金部110に収納された紙幣を顧客に返却可能であるか判断する(S121)。
【0048】
例えば、紙幣投入ホッパ112の紙幣分離・繰出の異常や、ジャム紙幣の返却動作時に入出金部110への収納に失敗することにより、紙幣投入ホッパ112と紙幣搬送部301との間でジャムが発生する場合がある。この場合、顧客に紙幣を返却するために、入出金部110のシャッタ111を開けたとしても、紙幣投入ホッパ112の後方(顧客側から見て紙幣投入ホッパ112の奥の方)に紙幣が詰まってしまい、顧客が紙幣を取り出すことができない。また、顧客が当該紙幣を強引に引っ張ると、当該紙幣が破損する場合もある。そのため、紙幣ジャムが入出金部110で発生している場合は、入出金部110に収納された紙幣を顧客に返却できないと判断し(S121:No)、シャッタ111を開ける動作を実行しないで、後述するS127以降の処理を実行する。
【0049】
一方、入出金部110に収納された紙幣を顧客に返却可能と判断した場合(S121:Yes)、当該紙幣を顧客に返却するためにシャッタ111を開ける(S122)。ここで、残留紙幣情報(
図9、10参照)には、シャッタが開かれた旨を示す情報を記録する(S123)。この情報更新処理は、S126において実行することも可能であるため、必須の処理ではない。
【0050】
次に、入出金部110の紙幣が顧客に返却されたことを確認後(S124:Yes)、シャッタ111を閉じる(S125)。S124の処理は、例えば、入出金部110内に紙幣が残留しているか否かを、搬送部センサ610により検出する処理である。
【0051】
S124の処理により、入出金部110内に紙幣が残留していないことを確認し、再度残留紙幣情報を更新する(S126)。入出金部110に収納された紙幣は、顧客に返却される(すなわち、装置内から取り除かれる紙幣である)ため、入出金部110に収納された紙幣を0枚として更新する。すなわち、装置の停止処理の実行後の紙幣残留情報は、S126の処理までに記録された情報である。このとき、入出金部110に収納された紙幣は0枚として更新されているため、残留紙幣情報には、一時保留部130に収納された紙幣の情報と、紙幣搬送部301〜308に残留している紙幣の情報とが含まれていることになる。
【0052】
これらの情報のうち、識別部120を通過した紙幣については、入金計数時に識別部120で取得した金種の情報と枚数の情報とが記録される。一方、識別部120を通過する前の紙幣は、搬送部センサ601〜605及び607の通過枚数から、各紙幣搬送部301〜308における残留紙幣枚数が算出され、記憶部16に記録される。
【0053】
例えば、入金紙幣搬送時の搬送部センサ603の紙幣通過枚数が3枚で、搬送部センサ601の通過枚数が2枚であるなら、差分の1枚が紙幣搬送部301と紙幣搬送部302とのいずれかに残留したものとして記録される。
【0054】
その後、取引継続不可及び残留紙幣に関する情報(残留紙幣の枚数など)を表示入力部11に表示し(S127)、顧客カード返却などの装置停止処理を実行する(S128)。
【0055】
S127において、表示入力部11に表示される画面の例を
図5、6に示す。
図5に示す取引継続不可画面500は、取引が開始された日付501と、取引を実施した顧客の口座情報502と、紙幣部13に残留する残留紙幣の枚数を示す残留紙幣枚数503とを含む。また、取引継続不可画面500は、入金手続に所定の時間が掛かることを示す情報(
図5の場合、「3営業日以内にご入金のお手続を致します。」)も含む。
【0056】
また、
図6に示す取引継続不可画面510は、
図5に示す取引継続不可画面500に加え、顧客により入力された残留紙幣の申告金額511が表示される。顧客により残留紙幣の申告金額が入力されることにより、装置内の取扱紙幣の有高情報と比較し、顧客による残留紙幣の申告金額に間違いが無いかを銀行員が把握することが容易となる。
【0057】
なお、取引継続不可画面500、510の代わりに、明細書発行部12にて、上記内容が印字された明細票を発行しても良い。このとき、表示入力部11に明細票の印字発行有無の選択画面(図示せず)を表示し、顧客の選択に応じて、取引継続不可画面500(510)の表示と、明細票の印字発行との一方を選択して実行しても良い。
【0058】
(5)ジャム紙幣の除去時の係員の操作情報を取得する処理
装置停止処理(S128)が実行された後、係員により、ジャム紙幣の除去などが行われる。装置停止処理後に実行されるATM1の処理について、
図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0059】
最初に、係員の操作により、ATM1が係員操作モードに変更されたことを検出された場合(S151:Yes)、係員操作モードに変更した旨を記憶部16に記録する(S152)。その後、紙幣部13がATM1から引き出されたり、紙幣部13の搬送部が開閉された等、紙幣部13の操作が検出した場合(S153:Yes)、当該操作を操作情報として、記憶部16に記録する(S154)。ジャム紙幣が除去され、係員の操作により、ATM1が動作モードに変更されたことを検出された場合(S155:Yes)、ジャム除去が完了したと判断し、動作モードに切り替える直前の動作で記録された紙幣残留情報と、装置停止処理が行われた時の紙幣残留情報とから、顧客返却紙幣の情報を算出し(S156)、取引情報として記憶部16に記録する(S157)。
【0060】
(6)取引情報と残留紙幣情報
次に、取引情報と残留紙幣情報とについて、
図8〜10を用いて説明する。上述では、取引の情報を示す取引情報と、ジャムが発生した際に紙幣部13に残留する残留紙幣の情報を示す残留紙幣情報とは、記憶部16に記録されることを説明したが、これらの情報は、情報蓄積サーバ52に送信され、記録されることにより、参照端末53において確認することが可能となる。
【0061】
図8は、取引情報を示す画面例であり、参照端末53のディスプレイに表示される画面である。なお、これらの情報を示すテーブル図については、詳細な説明を省略する。
【0062】
取引情報画面700には、各々のATM1に固有の装置番号711と、取引が開始された日付712及び時刻713と、取引を実施した顧客の口座情報714(残留紙幣を戻し入れ、口座残高の変更をする際に必要)と、自動復旧の成功/失敗/未処理を示す自動復旧情報715と、紙幣部13に残留した残留紙幣の所有者(顧客/銀行)を示す紙幣所有者情報716と、取引種別(入金計数/入金収納/その他)を示す取引種別情報717と、残留紙幣のうち、金種が判明している紙幣の合計額を示す残留紙幣金額718とが含まれている。
【0063】
これらのうち、紙幣所有者情報716は、例えば、入金計数処理時における紙幣は、顧客の保有物であり、入金収納処理における紙幣は、銀行の保有物である。また、残留紙幣金額718は金種不明や鑑別通過前の紙幣が存在する場合には、残留紙幣金額が不確定である旨を表す記号(
図8では、アスタリスクを用いた記号としているが、任意の記号で良い)が合わせて表示される。
【0064】
また、取引情報画面700には、紙幣搬送の障害が発生した際のエラー内容を示すエラー内容情報730と、各エラーに対して予め割り当てられたエラーコード731と、紙幣搬送の障害が発生した際におけるシャッタ111の開閉状態を示すシャッタ情報732と、紙幣搬送の障害が発生した際の残留紙幣の情報を示す残留紙幣情報733と、係員が持ち帰ったジャム紙幣の情報を示す係員持ち帰り紙幣情報734と、顧客返却のために取り忘れ紙幣収納庫220に搬送された紙幣の情報を示す返却紙幣情報735が含まれている。
【0065】
これらのうち、残留紙幣情報733には、識別部120を通過して、金種と枚数が確定した紙幣は、それぞれの金種の枚数が記録される。また、識別部120を通過したが、紙幣の汚れなどが原因で金種が判別できなかった紙幣は、「金種不明」として枚数のみが記録される。また、識別部120を通過せずに残留した紙幣の枚数は、「識別部通過前」として枚数のみが記録される。本実施例の場合、例えば、入金計数処理において「識別部通過前」に記録される紙幣の枚数は、紙幣搬送部301〜303に残留した紙幣の枚数に対応する。なお、「識別部通過前」の紙幣は、金種と枚数とが確定されていないため、枚数が不確定である旨を示す記号(
図8では、アスタリスクを用いた記号としているが、任意の記号で良い)が合わせて表示される。
【0066】
また、係員持ち帰り紙幣情報734は、S126において更新された残留紙幣情報と、S157において記録された残留紙幣情報との差分に相当する。
【0067】
図9、10は、ジャムが発生した取引に関する残留紙幣情報を示す図である。残留紙幣情報800は、紙幣搬送の障害が発生した取引について、紙幣搬送の障害が発生してから、ジャム紙幣を除去するまでの間の、紙幣部13の紙幣残留情報と、ジャム発生時の除去に関するATM1の状態変化とを含む情報である。なお、
図9、10に示す残留紙幣情報は、上述する取引情報と関連付けられて記憶部16や情報蓄積サーバ52に記録される内容を示すテーブル図である。
【0068】
残留紙幣情報800には、各々のイベントに付与されたデータNo.801と、各々のイベントの発生時刻802と、各々のイベントの種類を示すイベント種類情報803と、各々のイベントの内容を示すイベント情報804と、各々のイベントに対しての正常/エラーを示すエラー情報805と、入出金部110内の残留紙幣情報806と、一時保留部130内の残留紙幣情報807と、各紙幣搬送部上の残留紙幣情報808と、取り忘れ紙幣収納庫220内の残留紙幣情報809と、取引に用いられている紙幣の合計枚数810と、取引に用いられている紙幣の合計金額811とが含まれている。
【0069】
これらのうち、イベント種類情報803は、装置が実行したイベントであるか、係員が実行したイベントであるかを区別する情報である。例えば、
図9、10の場合、装置が実行したイベントに対しては「M」が記録され、係員の操作に対しては「H」が記録される。
【0070】
また、各紙幣搬送部上の残留紙幣情報808は、全ての紙幣搬送部に残留した紙幣の合計枚数、または、それぞれの紙幣搬送部別に残留した紙幣の枚数を記録する。また、入金計数処理における合計枚数810は、入出金部110から取り込まれた紙幣の枚数に加え、紙幣投入ホッパ112から繰り出されていない顧客投入残紙幣の有無も含むものとする。また、合計金額811は、識別部120を通過していない紙幣がある場合における、識別部通過前の紙幣の枚数や、紙幣投入ホッパ112から繰り出されていない紙幣の有無も含むものとする。
【0071】
次に、紙幣残留情報の具体的な内容について、
図9、10を用いて説明する。
図9は、
図4のS101〜S128を実行した場合における紙幣残留情報であり、
図10は、
図7のS151〜S157を実行した場合における紙幣残留情報である。
【0072】
データNo.1001の情報は、13時06分03秒に、シャッタ111が閉じたことを示しており、エラーは特に発生していない。
【0073】
次に、データNo.1002の情報は、13時06分04秒に、入金計数処理において、紙幣搬送部304でジャムが発生したことを示している。この時、入出金部110の紙幣投入ホッパ112から繰り出された55枚の紙幣のうち、入出金部110の紙幣払出スタッカ114には、$1,000紙幣が2枚、$100紙幣が1枚、合計3枚の紙幣が収納されており、一時保留部130には、$1,000紙幣が1枚、$100紙幣が49枚、合計50枚の紙幣が収納されており、紙幣搬送部301〜304には、金種が不明である紙幣が2枚残留していることを示す。
【0074】
合計枚数810は、入出金部110の紙幣投入ホッパ112から繰り出された55枚に加え、入出金部110の紙幣投入ホッパ112から繰り出されていない顧客投入紙幣があることを示している。また、合計金額811は、識別部120で識別された紙幣の合計金額である$8,000に加え、識別部120で識別していない紙幣が2枚、入出金部110の紙幣投入ホッパ112から繰り出されていない顧客投入紙幣があることを示している。
【0075】
次に、データNo.1003の情報は、13時06分25秒に、自動復旧処理に失敗して、紙幣搬送部303でジャムが発生したことを示している。この時、入出金部110の紙幣投入ホッパ112には、自動復旧処理により1枚の紙幣が収納され、入出金部110全体としては、$1,000紙幣が2枚、$100紙幣が1枚、金額不明券が1枚、未計数の顧客投入残紙幣が収納されており、一時保留部130は、自動復旧処理では紙幣の集積・繰出は無いため、$1,000紙幣が1枚、$100紙幣が49枚、合計50枚の紙幣が収納された状態を維持しており、紙幣搬送部303には、入出金部110の紙幣投入ホッパ112に搬送されていない1枚の紙幣が残留している。また、合計枚数810と合計金額811とは、自動復旧処理前から変化していない。
【0076】
次に、データNo.1004の情報は、13時07分15秒に、シャッタ111が開いたことを示しており、エラーは特に発生していない。
【0077】
次に、データNo.1005の情報は、13時07分23秒にシャッタ111が閉じたことを示しており、エラーは特に発生していない。このとき、入出金部110の紙幣は顧客により装置外に取り出されたため、入出金部110の残留紙幣は0枚である。そのため、紙幣部13に残留している紙幣は、一時保留部130に収納されている$1,000紙幣が1枚、$100紙幣が49枚、合計50枚の紙幣と、紙幣搬送部303に残留している金額が不明な紙幣1枚である。また、合計金額811は$5,900と1枚である。
【0078】
次に、データNo.1006の情報は、14時17分11秒に、係員モードに変更したことを示しており、エラーは特に発生していない。また、データNo.1007の情報は、14時17分35秒に、紙幣部13がATM1の筐体外側に引き出されたことを示しており、エラーは特に発生していない。
【0079】
次に、データNo.1008の情報は、14時18分21秒に、紙幣搬送部303が開いたことを示す。この時、係員による紙幣の除去が行われていると想定して、紙幣搬送部における残留紙幣の枚数を0枚とする。但し、一時保留部130に収納されている紙幣の枚数は確定されている状況に対して、紙幣搬送部301〜308における残留紙幣の枚数が0枚であることは推定に過ぎないため、後述する残留紙幣情報の画面において、残留紙幣の金額が推定であることを明確にしている(例えば、
図11〜15の「残留紙幣金額」において、金額に「+」の符号を付して表示する)。したがって、合計枚数811は、一時保留部130に収納されている$1,000紙幣が1枚、$100紙幣が49枚、合計50枚の紙幣と、金額が不明な紙幣が推定0枚である。また、合計金額811は、少なくとも$5,900である。
【0080】
次に、データNo.1009の情報は、14時18分55秒に、紙幣搬送部303を閉じた事を示しており、エラーは特に発生していない。
【0081】
次に、データNo.1010の情報は、14時20分15秒に、リセット処理が実行され、一時保留部130に収納されていた紙幣が、顧客返却のために取り忘れ紙幣収納庫220に搬送されたことを示す。また、エラーは特に発生していない。
【0082】
係員モードにおいて係員が除去した紙幣は、S126において更新された残留紙幣情報と、S157において記録された残留紙幣情報との差分から求める。すなわち、S126の処理後、係員モードに切替わった時には、$1,000紙幣が1枚、$100紙幣が49枚、金種が不明な紙幣が1枚であったが、係員モード終了時には、$1,000紙幣が1枚、$100紙幣が49枚、金種が不明な紙幣が0枚であるため、差分は金種が判明していない紙幣が1枚となる。
【0083】
次に、データNo.1011では、14時22分20秒に、運用モードに変更したことを示しており、エラーは特に発生していない。
【0084】
以上に示した取引情報と残留紙幣情報とを用いて、銀行員は、顧客から一時的に預かった紙幣の妥当性を確認することが可能となる。すなわち、係員モードにおいて係員が除去した紙幣、顧客返却のために取り忘れ紙幣収納庫220に搬送された紙幣を、それぞれ係員持ち帰り紙幣情報、返却紙幣情報として参照端末53のディスプレイに表示させ、銀行員による、残留紙幣の除去操作の結果と返却操作との結果とを比較することを容易としている。
【0085】
(7)残留紙幣情報を示すレイアウト画面
また、残留紙幣情報を紙幣部13のレイアウト画面として表示することにより、顧客から一次的に預かった紙幣の妥当性を確認することが容易となる。
図11〜
図15に示す紙幣部13のレイアウト画面は、入出金口110、紙幣投入ホッパ112及び紙幣払出スタッカ114に対応する領域510、512及び514と、一時保留部130に対応する領域530と、取り忘れ紙幣収納庫220に対応する領域520と、紙幣搬送部301〜308及び362に対応する領域501〜508及び562と、を備える。
【0086】
図11は、残留紙幣情報800のデータNo.1002の情報と対応するレイアウト画面901である。紙幣枚数511は、入出金口110から分離された紙幣の枚数を示す。また、紙幣枚数515は、入出金口110に搬送された紙幣の枚数を示す。また、紙幣枚数512及び514は、それぞれ、紙幣投入ホッパ112及び紙幣払出スタッカ114に収納された紙幣の枚数を示す。
【0087】
なお、紙幣投入ホッパ112に顧客投入残紙幣(顧客により投入された紙幣であって、紙幣搬送部301に繰出されていない紙幣)が存在する場合、紙幣枚数512が不明である旨を表示する。なお、
図11では、黒い矩形を表示しているが、任意の形状で良い。また、取引で用いられた紙幣搬送部と、一時保留部130等の収納庫は、他の領域に対して配色を変えて紙幣搬送の障害に関連がある部分であることを示す。
【0088】
紙幣搬送の障害が発生し、残留紙幣が存在する場合、領域501〜508のうち、該当する枚数を表示する。また、紙幣枚数531、530及び521は、それぞれ一時保留部130に搬送、収納された紙幣の枚数、取り忘れ紙幣収納庫220に搬送された紙幣の枚数を示す。
【0089】
図12は、残留紙幣情報800のデータNo.1003の情報と対応するレイアウト画面902である。自動復旧処理を実行した結果、入出金部110には、紙幣搬送部から紙幣投入ホッパ112に1枚の紙幣が搬送されたため、紙幣枚数511に「1」と表示される。このとき、紙幣搬送部から紙幣投入ホッパ512に紙幣が搬送されているため、
図9に示した紙幣枚数511とは異なり、矢印を入出金部110に対して内向きに表示する。また、紙幣払出スタッカ114に対して紙幣は搬送されていないため、紙幣枚数515に「0」と表示されるが、紙幣枚数514は「3」と表示されたままである。なお、紙幣投入ホッパ112に顧客投入残紙幣があるため、紙幣枚数512は不明のままである。
【0090】
図13は、残留紙幣情報800のデータNo.1005の情報と対応するレイアウト画面903である。シャッタ111を閉じた後は、入出金部110には紙幣が残留していないため、紙幣枚数512、514に「0」と表示される。また、シャッタ111の動作のみであるため、入出金部110のみ配色を変更している。
【0091】
図14は、残留紙幣情報800のデータNo.1008の情報と対応するレイアウト画面904である。この場合、係員により操作された紙幣搬送部301〜308の配色を変更し、対応する領域501から508の紙幣枚数に「0」と表示される。
【0092】
図15は、残留紙幣情報800のデータNo.1010の情報と対応するレイアウト画面905である。この場合、リセット処理により、一時保留部130の紙幣は、一旦入出金部110に搬送され、その後取り忘れ回収庫220に搬送される。そのため、一時保留部130から放出された紙幣の枚数を示す紙幣枚数531は「50」と表示され、矢印は一時保留部130の外向きに表示している。また、取り忘れ紙幣収納庫220には55枚の紙幣が搬送され、紙幣枚数521は「50」と表示される。また、レイアウト画面905には、紙幣収納庫201に収納された紙幣の枚数が表示されても良い。
【0093】
以上の
図11〜
図15に示すように、残留紙幣情報を紙幣部13のレイアウト画面として表示することにより、銀行員がジャム除去係員の作業が適切であったかを確認することが可能となる。例えば、本実施例の場合では、ジャム除去を行う紙幣は1枚であったことを簡単に確認することができる。
【0094】
なお、残留紙幣情報800を示すレイアウト画面に、紙幣ジャムが検出されてから、紙幣搬送部301〜308に残留した紙幣が除去されるまでの間における、入出金部110、一時保留部130及び紙幣搬送部301〜308に存在する紙幣の枚数の他に、係員によるATM1の操作内容が表示されても良い。
[変形例]
(1)上記実施例では、入金処理において紙幣搬送にジャムが発生した場合について説明したが、出金処理において紙幣搬送にジャムが発生した場合についても、同様の処理が可能である。但し、取引情報画面700に示される内容について、
図16に示す取引情報画面701の通り、以下の内容が追加される。
【0095】
トランザクション金額718:出金処理において顧客に出金する金額である。
トランザクション734:ホストコンピュータ2からの出金指示が記録される。例えば、出金処理における各金種の出金枚数である。
【0096】
なお、紙幣所有者情報716は、
図6に示す取引情報画面700と同様に「顧客」「銀行」のいずれかであるが、紙幣を入出金部110に搬送して、シャッタ111を開けるまでは銀行が所有者であり、シャッタ111を開けるときに顧客が所有者となる。
【0097】
(2)残留紙幣情報800を示すレイアウト画面に、紙幣収納庫201に収納された紙幣の枚数を表示させた場合に、入金処理や出金処理の指令に対応して、紙幣収納庫201に収納される予定の紙幣の枚数や、紙幣収納庫201から放出される紙幣の枚数を表示させても良い。