特開2015-92497(P2015-92497A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-92497(P2015-92497A)
(43)【公開日】2015年5月14日
(54)【発明の名称】チップヒューズとその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 85/175 20060101AFI20150417BHJP
   H01H 85/143 20060101ALI20150417BHJP
   H01H 85/17 20060101ALI20150417BHJP
【FI】
   H01H85/175
   H01H85/143
   H01H85/17
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-168(P2015-168)
(22)【出願日】2015年1月5日
(62)【分割の表示】特願2011-34260(P2011-34260)の分割
【原出願日】2011年2月21日
(71)【出願人】
【識別番号】591100769
【氏名又は名称】釜屋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081514
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 一
(74)【代理人】
【識別番号】100082692
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵合 正博
(72)【発明者】
【氏名】中西 幸司
(72)【発明者】
【氏名】西村 智
(72)【発明者】
【氏名】平泉 篤
(72)【発明者】
【氏名】平野 立樹
【テーマコード(参考)】
5G502
【Fターム(参考)】
5G502AA01
5G502BA08
5G502BB04
5G502BC04
5G502BD06
5G502BD11
5G502CC03
5G502GG09
5G502JJ01
(57)【要約】
【課題】 ヒューズワイヤ支持体に架設したヒューズワイヤの溶断速度時間の短縮と安定化を図ったチップヒューズを提案する。
【解決手段】 ヒューズワイヤ支持体に貫通穴を設けてヒューズワイヤの周囲の容積を大きくすると共に、ヒューズワイヤのヒューズワイヤ支持体への架設作業を容易にし、そのヒューズワイヤ支持体を用いたヒューズ結合体を断面四角形の筒状体のケースに挿嵌し、そのケースの両側にメタルキャップを設置し、断面四角形の筒状体のケースの長手方向とヒューズワイヤを架設した断面四角形のヒューズワイヤ支持体の長手方向を一致させつつ、前記筒状体のケースの側面と前記ヒューズワイヤ支持体の側面が平行にならないように、前記ヒューズワイヤ支持体を、筒状体のケース内に傾斜して設置したものであるチップヒューズとその製造方法。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に貫通穴を設けたセラミックス製のヒューズワイヤ支持体と、前記貫通穴を跨いで前記ヒューズワイヤ支持体の対向する両端に直線状に架設したヒューズワイヤと、該ヒューズワイヤ付きのヒューズワイヤ支持体としてのヒューズ結合体を挿嵌した断面四角形の筒状体のセラミックス製ケースと、前記ヒューズワイヤ支持体の両端から突出した前記ヒューズワイヤを導通状態にして前記ケースの筒状体の両側に設置したメタルキャップと、から形成し、
断面四角形の筒状体のケースの長手方向とヒューズワイヤを架設した断面四角形のヒューズワイヤ支持体の長手方向を一致させつつ、前記筒状体のケースの側面と前記ヒューズワイヤ支持体の側面が平行にならないように、前記ヒューズワイヤ支持体を、前記筒状体のケース内に傾斜して設置し
前記ヒューズワイヤの両側を、前記ヒューズワイヤ支持体の両端の溝内で接着剤により張架したものであることを特徴とするチップヒューズ。
【請求項2】
前記接着剤としては、少なくともエポキシ接着剤又はクリームハンダのいずれかが含まれることを特徴とする請求項1に記載のチップヒューズ。
【請求項3】
前記ヒューズワイヤを架設した一本のヒューズワイヤ支持体と、ヒューズワイヤを架設しない一本のヒューズワイヤ支持体とを、前記ヒューズワイヤを架設した面を対向して、前記筒状体のケース内に嵌合したことを特徴とする請求項1又は2に記載のチップヒューズ。
【請求項4】
中央に貫通穴およびその貫通穴の両側に溝を設けたセラミックス製のヒューズワイヤ支持体に、前記貫通穴を跨いでヒューズワイヤを架設したヒューズ結合体を用い、
該ヒューズ結合体を断面四角形の筒状体のケース中に挿着すると共に、該ケースの両側にメタルキャップを、前記ヒューズワイヤに導通状態に結合するように、嵌合し、
断面四角形の筒状体のケースの長手方向とヒューズワイヤを架設した断面四角形のヒューズワイヤ支持体の長手方向を一致させつつ、前記筒状体のケースの側面と前記ヒューズワイヤ支持体の側面が平行にならないように、前記ヒューズワイヤ支持体を、前記筒状体のケース内に傾斜して設置し
前記ヒューズワイヤの両側を、前記ヒューズワイヤ支持体の両端の溝内で接着剤により張架し、さらに、前記接着剤としては、少なくともエポキシ接着剤又はクリームハンダのいずれかが含まれる、
ことを特徴とするチップヒューズの製造方法。
【請求項5】
前記ヒューズ結合体のヒューズが、各種遮断電流のものから選ばれるようにした請求項4に記載のチップヒューズの製造方法。
【請求項6】
前記ヒューズ結合体を、前記筒状体のケース内へ密着状態に挿嵌する請求項4又は5に記載のチップヒューズの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型のチップヒューズ、その中でも一般家庭用定格電流と電圧との同等の電源装置に用いる、ケース内にヒューズワイヤを架設しているチップヒューズとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電源装置に適用される変圧器の一次側の保護回路において使用されるヒューズ(一次側ヒューズ)は、一般的にヒューズホールダに装着する管ヒューズが使用されている。しかし、最近、その電源装置の小型化かつ軽量化等の市場要求により配線基板に直接ヒューズを表面実装する形態が用いられている。そのためガラス製の円筒状ケースが適用された管ヒューズではなく、箱形状セラミックス等のケースの中に、線状、帯状等のヒューズエレメントを両電極間に張架してなる角形チップヒューズが多用されはじめている。
前記箱形状ケースの先行技術例として、下記の特許文献に示すものでは、ケース本体(2)の両側にある凹状部(11)と蓋体(3)の両端に前記凹状部と嵌合する凸状部(12)とを備え、その凹状部(11)の両側のくぼみ部(5)間に、ケース内部の中空部分を介して、ヒューズ線(1)を張設したものを用い、これらの両端部をクリームハンダにより金属キャップ(7)を導通状態で嵌着したものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08−222117
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の発明によれば、ケース本体(2)の凹状部(11)のくぼみ部(5)間にヒューズ線(1)を張架する場合、このヒューズ線が軟銅又は鉄・ニッケル合金のような軟線であること、及び底部が閉塞状の凹状部(11)であるために、その上からピーンと張った状態で架設することが困難であることからヒューズ線に弛みが生じ、その緩み具合によってヒューズの遮断時間にばらつきが生じるため、一定の品質を確保することができなかった(後記する図12により、上記従来品と本発明のチップヒューズA,B,及びCとの比較で判明している)。そして、ケース本体(2)の凹状部(11)と蓋体(3)の凸状部(12)の各成形精度の限界により、各部間に隙間が生じて遮断特性を低下することも、前記一定の品質確保が難しいという原因の一つである。
【0005】
また、なによりも上記先行技術である従来品は、上記凹状部(11)と凸状部(12)の中における中空部分のヒューズ線に遮断電流が流れた場合、ケース外形の大きさを一定にするといったことによるケース内部の容積に制約があり、このためにケース内の発熱量が高く、かつケース内部の内圧が高くなって、ケース本体が破壊することで、周囲の電子回路に悪影響を与えるといった不都合が生じた。
【0006】
本発明は、上記従来の欠点を解決せんとしたものであり、ヒューズワイヤのヒューズワイヤ支持体への架設を出来る限り直線状にすることを可能にし、また、このヒューズワイヤを架設したヒューズワイヤ支持体を継ぎ目のない一体物としての筒状体のケース内に挿着して設置することにより、前記ケース内に架設したヒューズワイヤの周囲の容積をより大きくすることにより、短絡時の遮断容量をできるだけ大きくすることで溶断時に生じるアーク放電時間を短くし、かつケース内の発熱量を低くすることによりケース破壊を極力なくするチップヒューズとその製造方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものとして、中央に長手方向に沿った貫通穴を設けた、例えば純度92%アルミナの成形体であるセラミックス製のヒューズワイヤ支持体と、前記貫通穴を跨いで前記ヒューズワイヤ支持体の対向する両端に直線状に架設したヒューズワイヤと、該ヒューズワイヤ付きのヒューズワイヤ支持体としてのヒューズ結合体を挿嵌した断面四角形の筒状体のセラミックス製ケースと、前記ヒューズワイヤ支持体の両端から突出した前記ヒューズワイヤを導通状態にして前記ケースの筒状体の両側に設置したメタルキャップと、から形成し、断面四角形の筒状体のケースの長手方向とヒューズワイヤを架設した断面四角形のヒューズワイヤ支持体の長手方向を一致させつつ、前記筒状体のケースの側面と前記ヒューズワイヤ支持体の側面が平行にならないように、前記ヒューズワイヤ支持体を、前記筒状体のケース内に傾斜して設置したチップヒューズを提供せんとする。
【0008】
また、他の発明として、前記ヒューズワイヤの両側を、前記ヒューズワイヤ支持体の両端の溝内でクリームハンダで張架したものを提供する。
【0009】
さらに、別の発明として、前記ヒューズワイヤを架設したヒューズワイヤ支持体を、前記筒状体のケース内に傾斜して設置したものを提供する。
【0010】
そして、更に別の発明としては、前記貫通穴を設けた二本の同形のヒューズワイヤ支持体が、前記ヒューズワイヤを架設した面を対向して、前記筒状体のケース内に嵌合したものを提供する。
【0011】
本発明の方法としては、中央に貫通穴およびその貫通穴の両側に溝を設けたセラミックス製のヒューズワイヤ支持体に、前記貫通穴を跨いでヒューズワイヤを架設したヒューズ結合体を用い、
該ヒューズ結合体を筒状体のケース中に挿着すると共に、該ケースの両側にメタルキャップを、前記ヒューズワイヤに導通状態に結合するように、嵌合することを特徴とするチップヒューズの製造方法を提供せんとする。
【0012】
この発明方法の他の発明として、前記ヒューズ結合体のヒューズを、各種遮断電流のものから選ばれるようにしたものを提供する。
【0013】
この発明方法の別の発明として、前記ヒューズ結合体の幅を、前記筒状体のケースの幅より大きくすることにより、前記ヒューズ結合体を前記ケース内に傾斜して挿嵌するチップヒューズの製造方法を提供する。
【0014】
さらに、別の方法の発明として、前記ヒューズ結合体を、前記筒状体のケース内へ密着状態に挿嵌するチップヒューズの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のチップヒューズとその製造方法では、ヒューズワイヤをヒューズワイヤ支持体の貫通穴に直線状に跨いで、その両端に架設したもので、同一種のチップヒューズの品質の均等化を図ると共に、そのヒューズワイヤ付きのヒューズワイヤ支持体を筒状体のケース両側に導通状態に設置したことで、筒状体の内側に入るヒューズ結合体の外容積を従来のそれと変わらない大きさに維持しつつ、溶断容量(体積)を大きくして、溶断時間を短縮して品質を一定化させた。
【0016】
本発明の他のチップヒューズとその製造方法は、ヒューズワイヤ支持体の両端にある溝にヒューズワイヤを設けたヒューズ結合体を、例えば1A、2A、5A、10A等、多種類のヒューズワイヤを予め設けておき、必要数に応じてケース中に挿着して、ケース両端にメタルキャップを嵌めてヒューズワイヤと導通状態にしたチップヒューズとその製造方法を提供することができる。
【0017】
本発明のまた他のチップヒューズとその製造方法は、貫通穴を設けた二本の同形のヒューズワイヤ支持体を用いて、その中にヒューズワイヤを架設したヒューズ結合体を、筒状体のケース内に傾斜状態にしたチップヒューズとその製造方法を提供することもできる。
【0018】
そして、本発明のさらに他のチップヒューズとその製造方法は、二本重ねた貫通穴を有するヒューズワイヤ支持体内にヒューズワイヤを架設したものを用いることで、上下のヒューズワイヤ支持体間に位置するヒューズワイヤが筒状体のケース内の上下関係で略中間位置にあり、ヒューズワイヤの溶断時間のばらつきをより小さくしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1(a)】アルミナセラミックス製のヒューズワイヤ支持体の斜視図である。
図1(b)】(a)にエポキシ接着剤を塗布した斜視図である。
図1(c)-1】図1(b)にヒューズワイヤを架設した斜視図である。
図1(c)-2】図1(c)−1の平面図である。
図1(d)】ヒューズ結合体の一態様の斜視図である。
図2図1(d)のヒューズ結合体を筒状体に挿嵌した斜視図である。
図3図2の筒状体の両側にメタルキャップを嵌合した斜視図である。
図4図3のキャップの斜視図である。
図5図1(a)のヒューズワイヤ支持体と同じ斜視図である。
図6図5とは別のヒューズワイヤ支持体の実施態様の斜視図である。
図7図6とは更に別のヒューズワイヤ支持体の実施態様の斜視図である。
図8図5を反転した同型のヒューズワイヤ支持体を図5に重ねてヒューズワイヤを挟持したヒューズ結合体を角筒形の筒状体に挿嵌した状態の斜視図である。
図9図6のヒューズワイヤ支持体を用いたヒューズ結合体を角筒形の筒状体に挿嵌した状態の斜視図である。
図10図7のヒューズワイヤ支持体を用いたヒューズ結合体を角筒形の筒状体に傾斜して挿嵌した状態の斜視図である。
図11図6のヒューズワイヤ支持体を用いたヒューズ結合体を角筒形の筒状体に挿嵌し、その両側からキャップを嵌合することを説明するフロー図である。
図12】本発明のヒューズワイヤ支持体A,B,及びCを用いたチップヒューズと、従来例のチップヒューズとを、それぞれの3種類で計測した結果を表す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、貫通穴を有するヒューズワイヤ支持体内にヒューズワイヤを架設したものを、筒状体のケース内に挿嵌して、その両側に前記ヒューズワイヤを導通状態にしてメタルキャップを被せたものであり、これらの中でヒューズワイヤのみを各種定格電流に応じて作成したヒューズ結合体9を用意しておくだけで、管理がヒューズ結合体の選択のみで、より多品種少量の生産体制を可能にし、生産作業の能率の向上と、在庫管理の効率化を図った。
【実施例】
【0021】
図1(a)は、長方体の中央に横長の貫通穴1と、その貫通穴1を跨いで、軟銅線(又は鉄ニッケル合金線)に銀めっきをしたヒューズワイヤ2を架設するための溝3,3´を有するアルミナセラミックス製のヒューズワイヤ支持体4の斜視図である。前記貫通穴1の中央部延長線上のヒューズワイヤ支持体4の上部両端には、ヒューズワイヤ2を架設する溝3,3´を設けている。
【0022】
図1(b)は、ヒューズワイヤ2の接着剤としてのエポキシ接着剤5、5´を溝3、3´上に塗布したもので、図1(c)−1と(c)−2は、そのエポキシ接着剤の硬化する前に、前記したヒューズワイヤ2の両端を延設した状態で架設したヒューズ結合体6の斜視図と平面図である。
【0023】
図1(d)は、前記エポキシ接着剤の硬化前に、前記したヒューズワイヤ支持体4と同一形状のヒューズワイヤ支持体4´を重ね合わせたものであり、これにより上記とは別の実施形態としてのヒューズ結合体6を形成する。
【0024】
図2は、図1(d)のヒューズ結合体6を、角筒状体のアルミナセラミックス製ケース7の中に挿嵌した状態の斜視図である。
【0025】
図3は、図2の両側に図4の錫・銀・銅の合金製のメタルキャップ8をハンダクリーム9で、前記ヒューズワイヤと導通状態に嵌合したものである。
【0026】
本発明であるヒューズワイヤ支持体4には、図5図6、及び図7の3種類(4−1,4−2,4−3)があり、前記したケース7内に、図1(d)で示す1本のヒューズ結合体6を密着状態に挿嵌できる大きさのもの〈図8〉(ケース7の内径の1/2である外径のヒューズワイヤ支持体4−1,4´―1)、ヒューズ結合体6そのものをケース7の内径に挿嵌したもの〈図9〉、及びヒューズワイヤ支持体の幅がケース7の内径より大きいためにヒューズ結合体6がケース内に傾斜状態にして挿嵌したもの〈図10〉とがある。
もちろん、これらの3種類の両側には、全て図3に示す、メタルキャップ8、8´がクリームハンダによりヒューズワイヤ2と導通状態で嵌合してチップヒューズを形成する。
【0027】
つぎに、本発明の方法を図11により説明する。
予め、横長の貫通穴1とその両側に溝3,3´を有するセラミックス製のヒューズワイヤ支持体4を成形し、貫通穴1を介して各溝3,3´を有する電流値により融断可能な各種のヒューズワイヤ2を、クリームハンダ5により固定したものを用意しておく。ヒューズワイヤ2を固定して筒状体のケース7内に挿嵌するものとしては、既に述べた、図5図8図6図9、及び図7図10とがあるが、図11ではその中の図6を用いたヒューズ結合体6で説明する。
【0028】
各種ヒューズ結合体6から選ばれたものをケース7に挿嵌しておき、つづいてキャップ8の底部にクリームハンダ9を付着して前記ヒューズ結合体6のヒューズワイヤ2をヒューズワイヤ支持体4に沿って折り曲げた筒所と導通するようにしたものに嵌合することで完成品全体の外容積の大きさが変わらないチップヒューズを仕上げる。
【0029】
図12は、図5(ヒューズワイヤ支持体A:すなわちRodA)、図6(ヒューズワイヤ支持体B:すなわちRodB)、及び図7(ヒューズワイヤ支持体C:すなわちRodC)と、本明細書に記載したものと同じ構造の従来例を用い、それぞれに交流125V、50Aを通電した場合のチップヒューズの遮断時間の比較である。
これによると、本発明として、ヒューズワイヤ支持体Aを用いたチップヒューズの溶断時間は3個ともに370μsec〜400μsec、ヒューズワイヤ支持体Bは270μsec〜330μsec、ヒューズワイヤ支持体Cでは250μsec〜350μsecといった極めて狭い範囲内のバラつきであるのに対し、従来例によれば440μsec〜1050μsecといった大きな範囲に拡散されている。
このことは、本発明であるヒューズワイヤ支持体A,B及びCの特性は従来例に対して、非常に短時間でヒューズが溶断することにより、電子回路網をより十分に保護できることが判る。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、家庭用等の比較的高い電圧、電流を用いた配電盤等に用い、そこに使用する電子回路の各要素を守り、火災に対する安全をより確実なものとする。
【符号の説明】
【0031】
1・・・貫通穴
2・・・ヒューズワイヤ
3,3´・・・溝
4・・・ヒューズワイヤ支持体
5・・・接着剤
6・・・ヒューズ結合体
7・・・筒状のセラミックスケース
8・・・メタルキャップ
図1(a)】
図1(b)】
図1(c)-1】
図1(c)-2】
図1(d)】
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12