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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-9305(P2015-9305A)
(43)【公開日】2015年1月19日
(54)【発明の名称】配管挟持装置
(51)【国際特許分類】
   B25B 5/04 20060101AFI20141216BHJP
   B25B 5/10 20060101ALI20141216BHJP
【FI】
   B25B5/04
   B25B5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-135366(P2013-135366)
(22)【出願日】2013年6月27日
(71)【出願人】
【識別番号】507351850
【氏名又は名称】育良精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 清
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 隆三
(72)【発明者】
【氏名】曽根 栄二
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 憲治
【テーマコード(参考)】
3C020
【Fターム(参考)】
3C020CC06
3C020CC10
3C020EE08
(57)【要約】
【課題】二本の配管の芯出しをするために配管を挟持する配管挟持装置を提供する。
【解決手段】本発明の配管挟持装置1は、第1の挟持アーム4と、第2の挟持アーム6と、これらの挟持アームの各上端部を回動可能に支持する支持部8と、一端部が第1の挟持アームに沿って移動可能に設けられると共に、他端部が第2の挟持アームに沿って移動可能に設けられ、支持部に対して上下移動することにより、第1の挟持アームと第2の挟持アームとを開閉する架橋部材10と、雄ねじ12が形成された軸部材14と、を有し、この軸部材の下端が架橋部材に固定されると共に、軸部材を長手方向軸線A1回りに回転させることによって、架橋部材が上下移動するように、雄ねじが支持部に螺合可能であり、支持部には、軸部材との螺合が行われる螺合状態と螺合が解除されている螺合解除状態とを切り替える切替装置16が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二本の配管の芯出しをするために配管を挟持する配管挟持装置であって、
実質的に上下方向に延び、配管の周面を一方の側から保持する第1の挟持アームと、
実質的に上下方向に延び、上記配管の周面を他方の側から保持する第2の挟持アームと、
上記第1の挟持アーム及び上記第2の挟持アームの各上端部を回動可能に支持する支持部と、
一端部が上記第1の挟持アームに沿って移動可能に設けられると共に、他端部が上記第2の挟持アームに沿って移動可能に設けられ、上記支持部に対して上下移動することにより、上記第1の挟持アームと上記第2の挟持アームとを開閉する架橋部材と、
雄ねじが形成された軸部材と、を有し、
この軸部材の下端が上記架橋部材に固定されると共に、上記軸部材を長手方向軸線回りに回転させることによって、上記架橋部材が上下移動するように、上記雄ねじが上記支持部に螺合可能であり、
上記支持部には、上記軸部材との螺合が行われる螺合状態と上記螺合が解除されている螺合解除状態とを切り替える切替手段が設けられていることを特徴とする配管挟持装置。
【請求項2】
上記切替手段は、上記軸部材が貫通して延びる貫通孔が形成され且つこの貫通孔の少なくとも一部の内周面に上記軸部材の雄ねじと螺合可能な雌ねじが形成された移動部材と、この移動部材を、上記雌ねじが上記雄ねじに螺合する螺合位置と、上記雌ねじと上記雄ねじとの間の螺合が解除される螺合解除位置との間で移動するように、使用者が操作するための操作部と、を備えている請求項1記載の配管挟持装置。
【請求項3】
上記切替手段は、更に、上記移動部材を上記螺合位置に付勢、又は上記移動部材を上記螺合解除位置に付勢するための付勢部材と、上記操作部の操作によって、上記移動部材を付勢部材の付勢力に抗して上記螺合位置と上記螺合解除位置との間を移動させるように作動するカム機構と、を備えている請求項2記載の配管挟持装置。
【請求項4】
上記移動部材の貫通孔の横断面は、ほぼ長円形状であり、この長円形状の横断面の貫通孔の内周面は、その長軸方向に対向するほぼ半円弧状の二つの湾曲部を備え、これらの湾曲部のうちの一方には、上記雌ねじが形成されている請求項2又は3に記載の配管挟持装置。
【請求項5】
上記操作部は、上記軸部材とほぼ平行に延びるように配置された操作軸部を備え、上記カム機構は、上記操作部を上記螺合位置に操作した場合には、上記操作軸部がその中心軸線から偏心した軸線回りに所定方向に回動することにより上記移動部材を押圧して上記貫通孔の雌ねじを上記軸部材の雄ねじに係止し、上記操作部を上記螺合解除位置に操作した場合には、上記操作軸部が上記偏心した軸線回りに上記所定方向とは反対方向に回動することにより上記移動部材への押圧力を解放し、上記貫通孔の雌ねじと上記軸部材の雄ねじとの螺合を解除する請求項2乃至4の何れか1項に記載の配管挟持装置。
【請求項6】
上記支持部、上記第1の挟持アーム、上記第2の挟持アーム、及び上記架橋部材は、上下方向中心軸線に対して左右対称に形成され、上記架橋部材の中央下部、上記第1の挟持アームの下部、及び上記第2の挟持アームの下部のそれぞれには、上記配管に接触可能な保持部が設けられており、これらの保持部は、互いに三点で上記配管を保持する請求項1乃至5の何れか1項に記載の配管挟持装置。
【請求項7】
上記架橋部材、上記第1の挟持アーム及び上記第2の挟持アームの各保持部は、これらの保持部によって保持された状態の配管の周面に係合する保持面と、この保持面に対して上記配管の径方向外側に向かって切り欠かれた切欠き部と、を備え、この切欠き部の配管と対向する面には、挟持された状態の配管の径方向に進退移動することにより上記配管と当接可能な調整ねじが設けられている請求項1乃至6の何れか1項に記載の配管挟持装置。
【請求項8】
上記架橋部材の保持部の切欠き部の調整ねじと上記切替手段の操作部の操作軸部とは、上記軸部材に対して同一方向に配置されている請求項6又は7に記載の配管挟持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管挟持装置に係り、特に、二本の配管の芯出しをするために配管を挟持する配管挟持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、互いに接続する二本の配管同士の芯出しをするためには、二本の配管同士の接続部を二つの挟持アームで両側から挟持して固定することは、一般的に知られている。例えば、大口径や小口径の種々の仕様の配管を挟持するために、挟持する配管の寸法に応じて、挟持アーム同士の開閉具合を調整している。
また、挟持アーム同士の開閉具合を調整する手段として、挟持アームに連結されている送りねじ等を採用し、この送りねじの軸回りの回転による送り量によって挟持アーム同士を開閉させることも考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、作業毎に取り扱う配管の大きさが著しく異なる場合には、挟持アーム同士の移動量を短時間により大きく設定する必要があり、送りねじのピッチやリード量を大きく設定した構造や、送りねじの軸回りの回転を高速で回転させる駆動手段等を設けた構造等も想定されるが、その分、装置の構造も複雑になるという問題もある。また、配管の寸法に応じて、簡易な構造で如何に短時間で配管を挟持し、効率よく芯出しを行うことは重要な課題であるにもかかわらず、このような課題を解決した公知公用の技術や先行技術文献は未だ存在していない。
【0004】
そこで、本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、二本の配管の芯出しをする際に、配管の大きさに応じて迅速に挟持することができると共に、挟持した配管同士の芯出しを容易に行うことができ、簡易な構造で使い勝手が良い配管挟持装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、二本の配管の芯出しをするために配管を挟持する配管挟持装置であって、実質的に上下方向に延び、配管の周面を一方の側から保持する第1の挟持アームと、実質的に上下方向に延び、上記配管の周面を他方の側から保持する第2の挟持アームと、上記第1の挟持アーム及び上記第2の挟持アームの各上端部を回動可能に支持する支持部と、一端部が上記第1の挟持アームに沿って移動可能に設けられると共に、他端部が上記第2の挟持アームに沿って移動可能に設けられ、上記支持部に対して上下移動することにより、上記第1の挟持アームと上記第2の挟持アームとを開閉する架橋部材と、雄ねじが形成された軸部材と、を有し、この軸部材の下端が上記架橋部材に固定されると共に、上記軸部材を長手方向軸線回りに回転させることによって、上記架橋部材が上下移動するように、上記雄ねじが上記支持部に螺合可能であり、上記支持部には、上記軸部材との螺合が行われる螺合状態と上記螺合が解除されている螺合解除状態とを切り替える切替手段が設けられていることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、軸部材との螺合が行われる螺合状態とこの螺合が解除されている螺合解除状態とを切り替える切替手段が支持部に設けられていることにより、この切替手段を螺合解除状態に切り替えた場合には、螺合状態に切り替えた場合に比べて、軸部材及び架橋部材を支持部に対して短時間に大きな移動量で上下移動させることができ、第1の挟持アームと第2の挟持アームとの開閉を大きな範囲で迅速に調整して配管を挟持することができるため、簡易な構造で使い勝手がよい。一方、切替手段を螺合状態に切り替えた場合には、軸部材を軸回りに回転させながら、架橋部材を支持部に対して小さな移動量で上下移動させることができ、支持部と架橋部材との相対位置や、第1の挟持アームと第2の挟持アームとの開閉を微調整することができる。また、二本の配管同士を第1の挟持アーム、第2の挟持アーム及び架橋部材で保持して接続させる際に、一方の配管と他方の配管とを確実に保持することができると共に、配管同士の芯出しを容易に行うことができる。
【0006】
本発明において、好ましくは、上記切替手段は、上記軸部材が貫通して延びる貫通孔が形成され且つこの貫通孔の少なくとも一部の内周面に上記軸部材の雄ねじと螺合可能な雌ねじが形成された移動部材と、この移動部材を、上記雌ねじが上記雄ねじに螺合する螺合位置と、上記雌ねじと上記雄ねじとの間の螺合が解除される螺合解除位置との間で移動するように、使用者が操作するための操作部と、を備えている。
このように構成された本発明においては、操作部により移動部材を螺合解除位置に操作した場合には、移動部材が、その貫通孔を貫通する軸部材との螺合を解除する方向に移動しているため、軸部材及び架橋部材を支持部に対して短時間に大きな移動量で上下移動させることができる。したがって、第1の挟持アームと第2の挟持アームとの開閉を大きな範囲で迅速に調整することができるため、使い勝手がよい。一方、操作部により移動部材を螺合位置に操作した場合には、移動部材とその貫通孔を貫通する軸部材とが螺合しているため、軸部材を軸回りに回転させながら、架橋部材を支持部に対して小さな移動量で上下移動させることができる。したがって、支持部と架橋部材との相対位置や、第1の挟持アームと第2の挟持アームとの開閉を微調整することができる。また、移動部材の貫通孔の少なくとも一部の内周面に軸部材の雄ねじと螺合可能な雌ねじが形成されているため、移動部材の雌ねじと軸部材の雄ねじとを螺合状態又は螺合解除状態に容易に切り替えることができる。
【0007】
本発明において、好ましくは、上記切替手段は、更に、上記移動部材を上記螺合位置に付勢、又は上記移動部材を上記螺合解除位置に付勢するための付勢部材と、上記操作部の操作によって、上記移動部材を付勢部材の付勢力に抗して上記螺合位置と上記螺合解除位置との間を移動させるように作動するカム機構と、を備えている。
このように構成された本発明においては、操作部の操作によって、移動部材を付勢部材の付勢力に抗して螺合位置と螺合解除位置との間を移動させるように作動するカム機構により、移動部材を螺合位置や螺合解除位置に容易に設定することができ、使い勝手がよい。
【0008】
本発明において、好ましくは、上記移動部材の貫通孔の横断面は、ほぼ長円形状であり、この長円形状の横断面の貫通孔の内周面は、その長軸方向に対向するほぼ半円弧状の二つの湾曲部を備え、これらの湾曲部のうちの一方には、上記雌ねじが形成されている。
このように構成された本発明においては、移動部材のほぼ長円形状の横断面の貫通孔の内周面が、その長軸方向に対向するほぼ半円弧状の二つの湾曲部を備えており、これらの湾曲部のうちの一方には、雌ねじが形成されているため、移動部材の雌ねじと軸部材の雄ねじとを螺合状態又は螺合解除状態に容易に切り替えることができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、上記操作部は、上記軸部材とほぼ平行に延びるように配置された操作軸部を備え、上記カム機構は、上記操作部を上記螺合位置に操作した場合には、上記操作軸部がその中心軸線から偏心した軸線回りに所定方向に回動することにより上記移動部材を押圧して上記貫通孔の雌ねじを上記軸部材の雄ねじに係止し、上記操作部を上記螺合解除位置に操作した場合には、上記操作軸部が上記偏心した軸線回りに上記所定方向とは反対方向に回動することにより上記移動部材への押圧力を解放し、上記貫通孔の雌ねじと上記軸部材の雄ねじとの螺合を解除する。
このように構成された本発明においては、切替手段のカム機構により、操作部の操作軸部を軸回りに所定方向又はその反対方向回動するだけで、移動部材を押圧して貫通孔の雌ねじを軸部材の雄ねじに係止したり、移動部材への押圧力を解放して貫通孔の雌ねじと軸部材の雄ねじとの螺合を解除したりすることができるため、操作部の操作で移動部材を螺合位置や螺合解除位置に容易に設定することができ、使い勝手がよい。
【0010】
本発明において、好ましくは、上記支持部、上記第1の挟持アーム、上記第2の挟持アーム、及び上記架橋部材は、上下方向中心軸線に対して左右対称に形成され、上記架橋部材の中央下部、上記第1の挟持アームの下部、及び上記第2の挟持アームの下部のそれぞれには、上記配管に接触可能な保持部が設けられており、これらの保持部は、互いに三点で上記配管を保持する。
このように構成された本発明においては、支持部、第1の挟持アーム、第2の挟持アーム、及び架橋部材が、上下方向中心軸線に対して左右対称に形成され、架橋部材の中央下部、第1の挟持アームの下部、及び第2の挟持アームの下部のそれぞれに設けられた保持部により、互いに三点で配管を保持することができるため、配管を安定させた状態で確実に保持することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、上記架橋部材、上記第1の挟持アーム及び上記第2の挟持アームの各保持部は、これらの保持部によって保持された状態の配管の周面に係合する保持面と、この保持面に対して上記配管の径方向外側に向かって切り欠かれた切欠き部と、を備え、この切欠き部の配管と対向する面には、挟持された状態の配管の径方向に進退移動することにより上記配管と当接可能な調整ねじが設けられている。
このように構成された本発明においては、架橋部材、第1の挟持アーム及び第2の挟持アームの各保持部の保持面が、配管の周面に係合して確実に安定的に保持することができる。また、これらの保持面により保持される配管の断面の大きさのばらつきや変形による寸法誤差が生じていた場合であっても、各保持部の切欠き部に設けられた調整ねじを進退移動させることにより調整して配管に当接させて、確実に安定的に保持することができる。さらに、例えば、二本の配管同士を第1の挟持アーム、第2の挟持アーム及び架橋部材の保持部で保持して接続させる際に、一方の配管の接続部と他方の配管の接続部との寸法の誤差が生じていたとしても、架橋部材、第1の挟持アーム及び第2の挟持アームの各保持部の保持部の切欠き部の調整ねじを調整して配管の接続部同士を確実に保持することができると共に、配管同士の芯出しの微調整を容易に行うことができる。
【0012】
本発明において、好ましくは、上記架橋部材の保持部の切欠き部の調整ねじと上記切替手段の操作部の操作軸部とは、上記軸部材に対して同一方向に配置されている。
このように構成された本発明においては、架橋部材の保持部の切欠き部の調整ねじと切替手段の操作部の操作軸部とが、軸部材に対して同一方向に配置されていることにより、架橋部材の保持部の切欠き部の調整ねじを調整する操作や操作部の操作軸部の操作を行う際に、軸部材が干渉することがないため、操作がしやすく、使い勝手がよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の配管挟持装置によれば、二本の配管の芯出しをする際に、配管の大きさに応じて迅速に挟持することができると共に、挟持した配管同士の芯出しを容易に行うことができ、簡易な構造で使い勝手が良い。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態による配管挟持装置を示す全体正面図である。
図2】本発明の一実施形態による配管挟持装置を示す側面図である。
図3図1の線III−IIIに沿って見た本発明の一実施形態による配管挟持装置の螺合解除状態を示す平面断面図である。
図4】本発明の一実施形態による配管挟持装置の切替装置の螺合解除状態を示す部分拡大側面断面図である。
図5】本発明の一実施形態による配管挟持装置の切替装置の移動部材を示す平面図である。
図6図5の線VI−VIに沿って見た断面図である。
図7図3に示す本発明の一実施形態による配管挟持装置の切替装置の螺合解除状態を示す部分拡大断面図である。
図8図1の線III−IIIに沿って見た本発明の一実施形態による配管挟持装置の螺合状態を示す平面断面図である。
図9】本発明の一実施形態による配管挟持装置の切替装置の螺合状態を示す部分拡大側面断面図である。
図10図8に示す本発明の一実施形態による配管挟持装置の切替装置の螺合状態を示す部分拡大断面図である。
図11】本発明の一実施形態による配管挟持装置の動作を示す正面図である。
図12】本発明の一実施形態による配管挟持装置を用いて二本の配管同士を接続する際に、一方の配管を配管挟持装置に挿入した状態を示す概略図である。
図13】本発明の一実施形態による配管挟持装置を用いて二本の配管同士を接続する際に、一方の配管を配管挟持装置に挿入した後、調整ねじで固定した状態を示す概略図である。
図14】本発明の一実施形態による配管挟持装置を用いて二本の配管同士を接続する際に、一方の配管を配管挟持装置に挿入して調整ねじで固定した後、他方の配管を挿入して一方の配管に接続した状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態による配管挟持装置について説明する。
図1は、本発明の一実施形態による配管挟持装置を示す全体正面図であり、図2は、本発明の一実施形態による配管挟持装置を示す側面図である。
まず、図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による配管挟持装置1は、二本の配管同士を溶接加工等により接続したりする前に、配管同士を挟持し、接続して仮付けしたり、固定したりすることにより、配管の中心軸線同士を合わせて芯出しをするためのものである。この配管挟持装置1は、実質的に上下方向に延び、配管2の周面を一方の側から保持する第1の挟持アーム4と、実質的に上下方向に延び、配管2の周面を他方の側から保持する第2の挟持アーム6とを備えている。
【0016】
つぎに、配管挟持装置1は、これらの第1の挟持アーム4及び第2の挟持アーム6の各上端部4a,6aを回動可能に支持する支持部8を備えている。
また、配管挟持装置1は、架橋部材10を備えている。この架橋部材10の一端部は、第1の挟持アーム4のガイド溝4bに沿って摺動可能に連結され、他端部は、第2の挟持アーム6のガイド溝6bに沿って摺動可能に連結されており、架橋部材10が支持部8に対して上下移動することにより、第1の挟持アーム4と第2の挟持アーム6とを開閉することができるようになっている。
さらに、配管挟持装置1は、雄ねじ12が形成された軸部材14を備え、この軸部材14の下端は、架橋部材10に固定されており、軸部材14を長手方向の中心軸線A1回りに回転させることによって架橋部材10が上下移動することができるように、雄ねじ12が支持部8の内部に螺合可能となっている。また、支持部8の内部には、軸部材14の雄ねじ12との螺合が行われる螺合状態と螺合が解除されている螺合解除状態とを切り替える切替装置16が設けられている。
【0017】
つぎに、図3図10を参照し、切替装置16の詳細について説明する。
図3は、図1の線III−IIIに沿って見た本発明の一実施形態による配管挟持装置の螺合解除状態を示す平面断面図である。図4は、本発明の一実施形態による配管挟持装置の切替装置の螺合解除状態を示す部分拡大側面断面図である。
図3及び図4に示すように、切替装置16は、軸部材14が上下方向に貫通して延びる貫通孔18が形成された移動部材20と、この移動部材20の後方側に取り付けられた圧縮コイルばね22と、使用者が移動部材20の前後方向の移動を操作するための切替操作部24とを備えている。
【0018】
また、図5は、本発明の一実施形態による配管挟持装置の切替装置の移動部材を示す平面図であり、図6は、図5の線VI−VIに沿って見た断面図である。
図5に示すように、移動部材20の貫通孔18の横断面は、前後方向が長いほぼ長円形であり、この長円形状の横断面の貫通孔18の内周面における長軸方向に対向する前側と後側には、ほぼ半円弧状の前側湾曲部18aと後側湾曲部18bがそれぞれ形成されている。
さらに、移動部材20の貫通孔18の前側湾曲部18aには、軸部材14の雄ねじ12と螺合可能な雌ねじ26が部分的に形成されており、貫通孔18の内周面における前側湾曲部18a以外の部分については、雌ねじ26が設けられておらず、凹凸のない面となっている。
【0019】
つぎに、図7は、図3に示す本発明の一実施形態による配管挟持装置の切替装置の螺合解除状態を示す部分拡大断面図である。
図3図4及び図7に示すように、圧縮コイルばね22は、支持部8の内部のケーシング28内で圧縮されることにより、移動部材20を前方側へ常時付勢するようになっている。
また、図3図4及び図7に示すように、切替操作部24は、軸部材14とほぼ平行に上下方向に延びるように配置された操作軸部30を備えている。この操作軸部30における移動部材20の前面20aと対向する部分には、操作軸部30をその上下方向に延びる中心軸線A2回りに回動することにより移動部材20の前面20aに当接可能なカム軸部32が設けられている。
【0020】
図7に示すように、カム軸部32の中心軸線A3は、操作軸部30の中心軸線A2に対して前側に偏心しており、切替操作部24を操作して操作軸部30を中心軸線A2回りに回動させると、カム軸部32が操作軸部30の中心軸線A2回りに回動し、移動部材20の前面20に当接可能となっている。
【0021】
ここで、図3図4及び図7に示す螺合解除状態の切替装置16においては、切替操作部24の操作レバー24aが前方に差し向けられており、操作軸部30のカム軸部32が移動部材20の前面20aに接触していない状態となっている。このとき、移動部材20は、圧縮コイルばね22の付勢力により前側に押圧され、移動部材20の貫通孔18の雌ねじ26と軸部材14の雄ねじ12との螺合が解除されている位置(以下「螺合解除位置」)にある。
【0022】
つぎに、図8は、図1の線III−IIIに沿って見た本発明の一実施形態による配管挟持装置の螺合状態を示す平面断面図であり、図9は、本発明の一実施形態による配管挟持装置の切替装置の螺合状態を示す部分拡大側面断面図であり、図10は、図8に示す本発明の一実施形態による配管挟持装置の切替装置の螺合状態を示す部分拡大断面図である。
図8図10に示すように、螺合状態の切替装置16においては、切替操作部24の操作レバー24aが斜め後方に差し向けられており、操作軸部30のカム軸部32が、図7に示す移動部材20の前面20aに接触していない位置から、カム軸部32の中心軸線A3に対して偏心している操作軸部30の中心軸線A2回りに回動し、図10に示す移動部材20の前面20aに当接して後方側へ押圧している状態となっている。このとき、移動部材20は、圧縮コイルばね22の付勢力に抗してカム軸部32により押圧されて後方側へ移動し、移動部材20の貫通孔18の雌ねじ26が軸部材14の雄ねじ12に螺合している位置(以下「螺合位置」)で係止される。
【0023】
すなわち、図3図4図7図10に示すように、切替装置16の切替操作部24の操作軸部30のカム軸部32は、切替操作部24の操作によって、移動部材20を圧縮コイルばね22の付勢力に抗して螺合解除位置(図3図4及び図7参照)と螺合位置(図8図10参照)との間を移動させるように作動するカム機構となっている。
【0024】
再び、図1図4に示すように、支持部8、第1の挟持アーム4、第2の挟持アーム、及び架橋部材10は、上下方向中心軸線A1に対して左右対称に形成され、架橋部材10の中央下部、第1の挟持アーム4の下部、及び第2の挟持アーム6の下部のそれぞれには、配管2の軸方向に延びるほぼ円柱状の保持部材34,36,38が配管2に接触可能に設けられており、これらの保持部材34,36,38は、互いに三点で配管2を保持するようになっている。
【0025】
また、図1及び図4に示すように、架橋部材10の保持部材34は、第1の挟持アーム4と第2の挟持アーム6とにより挟持された状態の配管20の周面に係合する保持面34aと、この保持面34aに対して配管20の径方向外側に向かって切り欠かれた切欠き部34bとが形成され、この切欠き部34bにおける配管2と対向する面Bには、挟持された状態の配管2の径方向に進退移動することにより配管2と当接可能な調整ねじ40が設けられている。
【0026】
さらに、図4に示すように、架橋部材10の保持部材34の切欠き部34bの調整ねじ40と切替装置16の切替操作部24の操作軸部30とは、軸部材14に対して同一方向に配置されており、架橋部材10の保持部材34の切欠き部34bの調整ねじ40を調整する操作や切替操作部24の操作レバー24aによる操作軸部30の操作を行う際に、軸部材14が干渉しないようになっている。
【0027】
さらに、図1図3に示すように、第1の挟持アーム4と第2の挟持アーム6の各保持部材36,38についても、架橋部材10の保持部材34と同様に、挟持された状態の配管20の周面に係合する保持面36a,38aと、これらの保持面36a,38aに対して配管20の径方向外側に向かって切り欠かれた切欠き部36b,38bとがそれぞれ形成され、各切欠き部36b,38bにおける配管2と対向する面には、挟持された状態の配管2の径方向に進退移動することにより配管2と当接可能な調整ねじ42,44がそれぞれ設けられている。
【0028】
つぎに、図1図14を参照して、本実施形態の配管挟持装置1の動作(作用)について説明する。
図11は、本発明の一実施形態による配管挟持装置の動作を示す正面図であり、図12は、本発明の一実施形態による配管挟持装置を用いて二本の配管同士を接続する際に、一方の配管を配管挟持装置に挿入した状態を示す概略図である。
図13は、本発明の一実施形態による配管挟持装置を用いて二本の配管同士を接続する際に、一方の配管を配管挟持装置に挿入した後、調整ねじで固定した状態を示す概略図であり、図14は、本発明の一実施形態による配管挟持装置を用いて二本の配管同士を接続する際に、一方の配管を配管挟持装置に挿入して調整ねじで固定した後、他方の配管を挿入して一方の配管に接続した状態を示す概略図である。
【0029】
まず、図11は、図1と同様に第1の挟持アーム4及び第2の挟持アーム6で大口径の配管2を挟持した状態C1の配管挟持装置1を実線で示しており、小口径の配管2’を挟持した状態C0を鎖線で示している。
例えば、図11に示すように、本実施形態の配管挟持装置1を用いて、小口径の配管2’を挟持した状態C0の後、配管2’の芯出し作業が終了し、次の作業で大口径の配管2を挟持した状態C1で芯出し作業を行う場合、まず、図2図4に示すように、使用者が切替装置16の切替操作部24の操作レバー24aを前方に差し向けるように操作する。これにより、図7に示すように、操作軸部30のカム軸部32が移動部材20の前面20aに接触していない状態となり、移動部材20は、圧縮コイルばね22の付勢力により前側に押圧され、移動部材20の貫通孔18の雌ねじ26と軸部材14の雄ねじ12との螺合が解除されている螺合解除位置に移動する。
このとき、軸部材14は、雄ねじ12が移動部材20の貫通孔18の雌ねじ26との螺合から解放されているため、使用者が軸部材14をその中心軸線A1回りに回動させることなく、引き上げるだけで、軸部材14及びその雄ねじ12を移動部材20及び貫通孔18に対して大きく上昇させることができる。また、この軸部材14の下端に固定されている架橋部材10についても、軸部材14と共に大きく上昇させ、架橋部材10の両側の各端部が、各挟持アーム4,6のガイド溝4b,6bに上昇する程、挟持アーム4,6の双方の間隔も大きく設定することができる。したがって、挟持すべき配管2の大きさが大きく変更される際に、配管2とこれを挟持する挟持アーム4,6及び架橋部材10との位置関係を大きく移動させて調整する場合に有利となる。
【0030】
つぎに、挟持アーム4,6の双方の間隔が、概ね挟持すべき配管2が挿入可能な大きさまで操作すると、図8図10に示すように、使用者が切替装置16の切替操作部24の操作レバー24aを斜め後方に差し向けるように操作する。これにより、図10に示すように、操作軸部30のカム軸部32が、図7に示す移動部材20の前面20aに接触していない位置から、カム軸部32の中心軸線A3に対して偏心している操作軸部30の中心軸線A2回りに回動し、図10に示す移動部材20の前面20aに当接して後方側へ押圧している状態となる。このとき、移動部材20は、圧縮コイルばね22の付勢力に抗してカム軸部32により押圧されて後方側へ移動し、移動部材20の貫通孔18の雌ねじ26が軸部材14の雄ねじ12に螺合している螺合位置で係止される。また、この螺合位置で軸部材14を中心軸線A1回りに回動させると、その回動方向に応じて、移動部材20の貫通孔18の雌ねじ26及び軸部材14の雄ねじ12のピッチやリード量に従って軸部材14が移動部材20に対して上下方向に移動する。しかしながら、このときの軸部材14及び架橋部材10の上下方向の移動量は、螺合解除位置に設定した場合に比べて小さくなるため、配管2とこれを挟持する挟持アーム4,6及び架橋部材10との位置関係を微調整する場合に有利となる。
【0031】
つぎに、図12に示すように、二本の配管同士を接続する際に、配管挟持装置1の挟持アーム4,6及び架橋部材10によって囲まれる領域に一方側の配管2aを配管挟持装置1の後側から挿入すると、配管2aの上端部が架橋部材10の保持部材34の保持面34aに沿って移動させ、配管2aの前端部を架橋部材10の保持部材34の切欠き部34bの先端付近の下方まで移動させる。
【0032】
そして、図13に示すように、配管2aの上面に調整ねじ40の下端が当接するまで架橋部材10の保持部材34の調整ねじ40をその中心軸線回りに回動させる。必要に応じて、挟持アーム4,6の各保持部材36,38の調整ねじ42,44についても、配管2aの外面に当接させるように調整する。
【0033】
つぎに、図14に示すように、配管挟持装置1の全体を一方側の配管2aに対して前方側へ移動させると共に、他方側の配管2bを配管挟持装置1の前方側から配管2aの前端部に突き当てるように挿入する。そして、他方側の配管2bを各保持部材34,36,38の調整ねじ40,42,44で調整して固定することにより、接続する配管2a,2b同士の芯出しが行われる。
【0034】
上述した本発明の一実施形態による配管挟持装置1によれば、軸部材14との螺合が行われる螺合状態とこの螺合が解除されている螺合解除状態とを切り替える切替装置16が支持部8に設けられていることにより、この切替装置16を螺合解除状態に切り替えた場合には、螺合状態に切り替えた場合に比べて、軸部材14及び架橋部材10を支持部8に対して短時間に大きな移動量で上下移動させることができる。この結果、第1の挟持アーム4と第2の挟持アーム6との開閉を大きな範囲で迅速に調整して配管2を挟持することができるため、簡易な構造で使い勝手がよい。一方、切替装置16を螺合状態に切り替えた場合には、軸部材14を中心軸線A1回りに回転させながら、架橋部材10を支持部8に対して小さな移動量で上下移動させることができ、支持部8と架橋部材10との相対位置や、第1の挟持アーム4と第2の挟持アーム6との開閉を微調整することができる。また、二本の配管2a,2b同士を第1の挟持アーム4、第2の挟持アーム6及び架橋部材10で保持して接続させる際に、一方の配管2aと他方の配管2bとを確実に保持することができると共に、配管2a,2b同士の芯出しを容易に行うことができる。
【0035】
また、本実施形態による配管挟持装置1によれば、切替操作部24により移動部材20を螺合解除位置に操作した場合には、移動部材20が、その貫通孔18を貫通する軸部材14との螺合を解除する方向に移動しているため、軸部材14及び架橋部材10を支持部8に対して短時間に大きな移動量で上下移動させることができる。したがって、第1の挟持アーム4と第2の挟持アーム6との開閉を大きな範囲で迅速に調整することができるため、使い勝手がよい。一方、切替操作部24により移動部材20を螺合位置に操作した場合には、移動部材20とその貫通孔18を貫通する軸部材14とが螺合しているため、軸部材14を軸回りに回転させながら、架橋部材10を支持部8に対して小さな移動量で上下移動させることができる。したがって、支持部8と架橋部材10との相対位置や、第1の挟持アーム4と第2の挟持アーム6との開閉を微調整することができる。また、移動部材20の貫通孔18の内周面の一部に軸部材14の雄ねじ12と螺合可能な雌ねじ26が形成されているため、移動部材20の雌ねじ26と軸部材14の雄ねじ12とを螺合状態又は螺合解除状態に容易に切り替えることができる。
【0036】
さらに、本実施形態による配管挟持装置1によれば、切替操作部24の操作によって、移動部材20を圧縮コイルばね20の付勢力に抗して螺合位置と螺合解除位置との間を移動させるように作動するカム軸部32のカム機構により、移動部材20を螺合位置や螺合解除位置に容易に設定することができ、使い勝手がよい。
【0037】
また、本実施形態による配管挟持装置1によれば、移動部材20のほぼ長円形状の横断面の貫通孔18の内周面が、その長軸方向に対向するほぼ半円弧状の二つの湾曲部18a,18bを備えており、これらの湾曲部18a,18bのうちの一方の前側湾曲部18aには、雌ねじ26が形成されているため、移動部材20の雌ねじ26と軸部材14の雄ねじ12とを螺合状態又は螺合解除状態に容易に切り替えることができる。
【0038】
さらに、本実施形態による配管挟持装置1によれば、切替装置16の切替操作部24の操作軸部30におけるカム軸部32のカム機構により、切替操作部24の操作軸部30をその中心軸線A2回りに所定方向又はその反対方向回動するだけで、移動部材20を押圧して貫通孔18の雌ねじ26を軸部材14の雄ねじ12に係止したり、移動部材20への押圧力を解放して貫通孔18の雌ねじ26と軸部材14の雄ねじ12との螺合を解除したりすることができるため、切替操作部24の操作で移動部材20を螺合位置や螺合解除位置に容易に設定することができ、使い勝手がよい。
【0039】
また、本実施形態による配管挟持装置1によれば、支持部8、第1の挟持アーム4、第2の挟持アーム6、及び架橋部材10が、上下方向中心軸線A1に対して左右対称に形成され、架橋部材10の中央下部、第1の挟持アーム4の下部、及び第2の挟持アーム6の下部のそれぞれに設けられた各保持部材34,36,38により、互いに三点で配管2を保持することができるため、配管2を安定させた状態で確実に保持することができる。
【0040】
さらに、本実施形態による配管挟持装置1によれば、架橋部材10、第1の挟持アーム4及び第2の挟持アーム6の各保持部材34,36,38の保持面34a,36a,38aが、配管2の周面に係合して確実に安定的に保持することができる。また、これらの保持面34a,36a,38aにより保持される配管2の断面の大きさのばらつきや変形による寸法誤差が生じていた場合であっても、各保持部材34,36,38の切欠き部34b,36b,38bに設けられた調整ねじ40,42,44を進退移動させることにより調整して配管2に当接させて、確実に安定的に保持することができる。さらに、例えば、二本の配管2a,2b同士を第1の挟持アーム4、第2の挟持アーム6及び架橋部材10の各保持部材34,36,38で保持して接続させる際に、一方側の配管2aの接続部と他方側の配管2bの接続部との寸法の誤差が生じていたとしても、架橋部材10、第1の挟持アーム4及び第2の挟持アーム6の各保持部材34,36,38の切欠き部34b,36b,38bの調整ねじ40,42,44を調整して配管2a,2bの接続部同士を確実に保持することができると共に、配管2a,2b同士の芯出しの微調整を容易に行うことができる。
【0041】
また、本実施形態による配管挟持装置1によれば、架橋部材10の保持部材34の切欠き部34bの調整ねじ40と切替装置16の切替操作部24の操作軸部30とが、軸部材14に対して同一方向に配置されていることにより、架橋部材10の保持部材34の切欠き部34bの調整ねじ40を調整する操作や切替操作部24の操作軸部30の操作を行う際に、軸部材14が干渉することがないため、操作がしやすく、使い勝手がよい。
【0042】
なお、本実施形態の配管挟持装置1においては、切替装置16について、移動部材20の貫通孔18の前側湾曲部18aに軸部材14の雄ねじ12と螺合可能な雌ねじ26を部分的に形成し、貫通孔18の内周面における前側湾曲部18a以外の部分については、雌ねじ26が設けられていない形態について説明したが、このような形態に限られず、他の形態として、移動部材20の貫通孔18の後側湾曲部18bに雌ねじを部分的に形成し、後側湾曲部18b以外の部分については、雌ねじが設けられていない形態で、圧縮コイルばね22が移動部材20を後方側へ常時付勢するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 配管挟持装置
2 配管
2a 一方側の配管
2b 他方側の配管
4 第1の挟持アーム
4a 第1の挟持アームの上端部
4b 第1の挟持アームのガイド溝
6 第2の挟持アーム
6a 第2の挟持アームの上端部
6b 第2の挟持アームのガイド溝
8 支持部
10 架橋部材
12 雄ねじ
14 軸部材
16 切替装置(切替手段)
18 貫通孔
18a 前側湾曲部
18b 後側湾曲部
20 移動部材
20a 移動部材の前面
22 圧縮コイルばね(付勢部材)
24 切替操作部(操作部)
24a 操作レバー
26 雌ねじ
28 ケーシング
30 切替操作部の操作軸部
32 切替操作部の操作軸部のカム軸部(カム機構)
34 保持部材(保持部)
34a 保持面
34b 切欠き部
36 保持部材(保持部)
36a 保持面
36b 切欠き部
38 保持部材(保持部)
38a 保持面
38b 切欠き部
40 調整ねじ
42 調整ねじ
44 調整ねじ
A1 軸部材の長手方向の中心軸線
A2 切替操作部の操作軸部の中心軸線
A3 切替操作部の操作軸部のカム軸部の中心軸線
B 架橋部材の保持部材における切欠き部の配管と対向する面
C0 小口径の配管を挟持した配管挟持装置の状態
C1 大口径の配管を挟持した配管挟持装置の状態
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14