(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-9356(P2015-9356A)
(43)【公開日】2015年1月19日
(54)【発明の名称】レシプロブレード
(51)【国際特許分類】
B23D 61/12 20060101AFI20141216BHJP
【FI】
B23D61/12 A
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-130200(P2014-130200)
(22)【出願日】2014年6月25日
(31)【優先権主張番号】61/840,219
(32)【優先日】2013年6月27日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】505333849
【氏名又は名称】アーウィン インダストリアル トゥール カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マシュー シー グリーン
(57)【要約】
【課題】先行技術の上述の欠点および/または短所の中の1つ以上を克服する。
【解決手段】レシプロブレードは、切り刃を含むブレード本体と、ブレード本体の一端部に位置する中子とを有する。中子は、弧状断面形状を画定するか、あるいは積層されて、中子の全厚を増大させ、さらにブレードの剛性を強化し、かつ/または切断時のブレードの搖動もしくはホイップを軽減する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切り刃を含むブレード本体と、前記ブレード本体の一端部に配置された中子とを備え、前記中子は、弧状断面形状および積層のうちの少なくとも一方を画定することを特徴とする、レシプロブレード。
【請求項2】
請求項1に記載のレシプロブレードであって、前記中子の前記弧状断面形状は単一の弧を画定することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項3】
請求項1に記載のレシプロブレードであって、前記中子の前記断面形状は複数の弧を画定することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項4】
請求項3に記載のレシプロブレードであって、前記中子の前記断面形状は、側方に離間され、相互に実質的に逆方向に向いた、2つの弧を画定することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項5】
請求項4に記載のレシプロブレードであって、前記中子の前記断面形状は、相互に側方に離間された第1の弧、第2の弧、および第3の弧を画定することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項6】
請求項1に記載のレシプロブレードであって、前記中子は、幅を画定し、前記弧状断面形状は、前記中子の前記幅の実質的部分全体にわたって連続的に延在することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項7】
請求項6に記載のレシプロブレードであって、前記弧状断面形状は、前記中子の前記幅の少なくとも約1/2全体にわたって延在することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項8】
請求項1に記載のレシプロブレードであって、前記中子は、長さを画定し、前記弧状断面形状は、前記中子の前記長さの実質的部分全体にわたって連続的に延在することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項9】
請求項8に記載のレシプロブレードであって、前記弧状断面形状は、前記中子の前記長さの少なくとも約1/2全体にわたって延在することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項10】
請求項1に記載のレシプロブレードであって、前記中子と前記ブレード本体との間の接合部を画定し、(i)前記弧状断面形状は、前記中子および前記ブレード本体の前記接合部を貫通して延在するか、(ii)前記弧状断面形状は、前記中子および前記ブレード本体の前記接合部において弧状形状から実質的に平面状の形状へと移行するか、または(iii)前記弧状断面形状は、前記中子および前記ブレード本体の前記接合部を越えて延在し、前記中子に隣接する前記ブレード本体の一部分において終端することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項11】
請求項1に記載のレシプロブレードであって、前記積層は、2つの異なる材料から形成された2つの層を含むことをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項12】
請求項1に記載のレシプロブレードであって、前記中子の前記弧状断面形状は、中子軸および前記中子のうちの少なくとも一方から離れるように前記レシプロブレードの曲げ面を移動させることをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項13】
請求項1に記載のレシプロブレードであって、前記積層された中子は、それに固定された少なくとも1つの積層層を含み、前記積層層は、銅、ニッケル、および鋼の中の少なくとも1つであることをさらに特徴とするレシプロブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レシプロブレードに関し、より詳細には、弧状断面形状を画定する中子、積層された中子、中子の全厚を増大させる形状または構成を有する中子、ならびに中子および/もしくはブレード本体の剛直性を高める特徴を有し、かつ/または切断時のブレード本体の搖動もしくは振動を軽減する特徴を有する中子を備えたレシプロブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本特許出願は、米国特許法第119条の下において、全体を本開示の一部として本願に引用して援用する2013年6月27日に出願された同様の題名の米国特許仮出願第61/840,219号に基づく利益を主張するものである。
【0003】
通常知られているレシプロブレードは、ブレード本体から延在し線形のクロスキャンバを有する、中子を備える。切断時に、そのようなブレードの遠位部分は、左右にまたは側方に搖動またはホイップする傾向がある。ブレードの搖動部分またはホイップ部分が、工作物に進入すると、歯の側部が、ひき目に係合し、搖動レベルまたはホイップレベルに対応した側方の負荷を被る。線形のクロスキャンバを有する中子を有するブレードのこのタイプの側方歯負荷および/または搖動もしくはホイップは、非生産的となり得ると共に、ブレードの寿命に負の影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、先行技術の上述の欠点および/または短所の中の1つ以上を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、本発明は、切り刃を含むブレード本体と、ブレード本体の一端部に配置され弧状断面形状を画定する中子とを備える、レシプロブレードを対象とする。
【0006】
いくつかの実施形態においては、中子の断面形状は、弓形状の単一の弧を画定する。代替的には、いくつかの実施形態においては、中子の断面形状は、複数の弧を画定する。いくつかのそのような実施形態においては、中子は、側方に離間され、相互に実質的に逆方向に向いた、2つの弧を画定し、これにより、中子はほぼS字型の断面となる。いくつかのそのような実施形態においては、中子の断面形状は、相互に側方に離間された第1の弧、第2の弧、および第3の弧を連続的に画定する。第1の弧および第3の弧は、第1の方向に延在し、第2の弧は、第1の方向とは実質的に逆である第2の方向に延在し、それにより、中子は、波形または波状形状の断面を画定する。
【0007】
いくつかの実施形態においては、中子は、幅を画定し、弧状断面形状は、中子の幅の実質的部分全体にわたって延在し、好ましくは幅のそのような実質的部分全体にわたって連続的に延在する。いくつかのそのような実施形態においては、弧状断面形状は、好ましくは中子の幅の少なくとも約1/3全体にわたって延在し、より好ましくは中子の幅の少なくとも約1/2全体にわたって延在し、さらにより好ましくは中子の幅の少なくとも約2/3全体にわたって延在し、さらにより好ましくは中子の幅の少なくとも約3/4全体にわたって延在する。
【0008】
いくつかの実施形態においては、中子は、長さを画定し、弧状断面形状は、中子の長さの実質的部分全体にわたって延在し、好ましくは長さのそのような実質的部分全体にわたって連続的に延在する。いくつかのそのような実施形態においては、弧状断面形状は、好ましくは中子の長さの少なくとも約1/3全体にわたって延在し、より好ましくは中子の長さの少なくとも約1/2全体にわたって延在し、さらにより好ましくは中子の長さの少なくとも約2/3全体にわたって延在し、さらにより好ましくは中子の長さの少なくとも約3/4全体にわたって延在する。
【0009】
いくつかの実施形態においては、レシプロブレードは、中子とブレード本体との間の接合部を画定し、弧状断面形状は、中子およびブレード本体の接合部を貫通して延在する。いくつかのそのような実施形態においては、弧状断面形状は、中子およびブレード本体の接合部において弧状形状から実質的に平面状の形状へと移行する。代替的には、いくつかのそのような実施形態においては、弧状断面形状は、中子およびブレード本体の接合部を越えて延在し、中子に隣接するブレード本体の一部分において終端する。弧状断面形状が中子およびブレード本体の接合部を越えて延在し、中子に隣接するブレード本体の一部分において終端する実施形態においては、弧状断面形状は、好ましくは中子およびブレード本体の接合部から約1/3インチ(≒0.85cm)以内において終端し、より好ましくは、弧状断面形状は、中子およびブレード本体の接合部から約1/4インチ(≒0.635cm)以内において終端する。
【0010】
いくつかの実施形態においては、レシプロブレードは、ブレード本体に対して中子の対向側に位置する中子軸をさらに備える。いくつかの実施形態においては、中子は、積層であり、または積層される。この積層は、2つの異なる材料から形成された2つの層を含むことが可能であり、この積層は、振動を減衰させるように構成され得る。
【0011】
別の態様によれば、本発明は、切り刃を含むブレード本体と、ブレード本体の一端部に配置された中子とを備える、レシプロブレードを対象とする。中子は、中子の全厚を増大させるための手段を含む。いくつかのそのような実施形態においては、中子の全厚を増大させるための手段は、中子の弧状断面形状である。
【0012】
さらに別の態様によれば、本発明は、切り刃を含み遠位端部を画定するブレード本体と、この遠位端部に対してブレード本体の対向側に位置する中子と、ブレード本体に対して中子の対向側に位置する中子軸と、中子軸および中子のうちの少なくとも一方から離れるようにレシプロブレードの曲げ面を移動させるための手段とを備える、レシプロブレードを対象とする。本発明のいくつかの実施形態においては、中子軸および中子のうちの少なくとも一方から離れるようにレシプロブレードの曲げ面を移動させるための手段は、中子の弧状断面形状である。
【0013】
別の態様によれば、本発明は、切り刃を含むブレード本体と、ブレード本体の一端部に配置された積層された中子とを備える、レシプロブレードを対象とする。本発明のいくつかの実施形態においては、積層された中子は、振動を減衰させるように構成される。いくつかの実施形態においては、少なくとも1つの薄層が、中子に対して固定される。いくつかの実施形態においては、単一の薄層または積層層が、中子に対して固定される。いくつかのそのような実施形態においては、積層された中子は、少なくとも1つの材料から成り、この材料は、銅、ニッケル、および/または鋼である。いくつかのそのような実施形態においては、積層された中子は、それに固定された2つの層または薄層を含む。いくつかのそのような実施形態においては、2つの層は、同一材料または異なる材料のいずれかから成り、1つ以上の材料は、銅、ニッケル、および/または鋼である。いくつかのそのような実施形態においては、積層の層の中の1つが、銅および/またはニッケルであり、積層のこれらの層の中の別のものが、鋼である。
【0014】
本発明の1つの利点は、中子、積層された中子、または他の手段の弧状断面形状が、中子の全厚を増大させる点である。さらに別の利点は、中子、積層された中子、または同様の手段の弧状断面形状が、中子軸および中子のうちの少なくとも一方から離れるようにレシプロブレードの曲げ面を移動させることが可能であり、上述の先行技術のレシプロブレードが直面する搖動もしくはホイップを軽減することが可能であり、および/またはブレードの寿命を延ばすことが可能である点である。
【0015】
本発明の他の目的および利点、ならびに/あるいは本発明の現時点において好ましい実施形態の目的および利点が、現時点において好ましい実施形態の以下の詳細な説明および添付の図面を鑑みることによりさらに容易に明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】知られているレシプロブレードの側面図である。
【
図2】
図1の知られているレシプロブレードの線2−2に沿ったブレードの断面図である。
【
図3】本発明のレシプロブレードの一実施形態の側面図である。
【
図4】
図3のレシプロブレードの線4−4に沿ったブレードの断面図である。
【
図5】本発明のレシプロブレードの別の実施形態の側面図である。
【
図6】
図5のレシプロブレードの線6−6に沿ったブレードの断面図である。
【
図7】本発明のレシプロブレードの中子の別の実施形態の断面図である。
【
図8】本発明のレシプロブレードの中子の別の実施形態の断面図である。
【
図9】本発明のレシプロブレードの中子の別の実施形態の断面図である。
【
図10】本発明のレシプロブレードの中子の別の実施形態の断面図である。
【
図11】レシプロブレード中に弧状形状部を形成するための装置の一実施形態の部分分解概略断面図である。
【
図12】レシプロブレード中に弧状形状部を形成するための装置の別の実施形態の部分分解概略断面図である。
【
図13】
図12の装置内に含まれるダイス型の一部分を形成するために使用される丸棒の断面図である。
【
図14】
図13の棒の所望の平削り盤の高さおよび幅を示す丸棒の別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1においては、知られているレシプロブレードが、参照数字10により全体的に示される。レシプロブレード10は、ブレード本体12と、ブレード本体12の一端部に位置しブレード本体12のその端部にブレード本体12との接合部16を形成する中子14とを備える。中子14は、中子軸18と、中子14を貫通して延在する中子孔20とを含む。
図2からわかるように、中子14は、断面図に見られるように、ブレード本体12から直線状に延在する。中子14は、例えば約0.035インチ(≒0.0889cm)の全厚および約0.500インチ(≒1.27cm)の幅を有することが可能である。
【0018】
図3においては、本発明を表すレシプロブレードの一実施形態が、参照数字100により全体的に示される。このレシプロブレード100は、ブレード本体102と、ブレード本体102の一端部に位置し、ブレード本体102のその一端部にブレード本体102との接合部106を形成する、中子104とを備える。ブレード本体102は、遠位部分108を含み、この遠位部分108は、中子104に対してブレード本体102の対向側の端部に位置し、先端部110を画定する。中子104は、長さLおよび幅Wを画定し、中子軸112と、中子104を貫通して延在する中子孔114とを含む。レシプロブレード100は、中子104と先端部110との間においてブレード本体102に沿って延在する切り刃116を含む。
【0019】
いくつかの実施形態においては、レシプロブレード100は、金属切断レシプロブレードであり、切り刃116は、金属工作物を切断するように構成された、118にて典型的に示される複数の歯を含む。切歯118は、切り刃116の個別の一部分のみにおいて図示されるが、好ましくは切り刃116またはブレード本体102の各側部に沿って延在する。いくつかの実施形態においては、中子軸112は、同一材料もしくは異なる材料からなる2つ以上の層の積層であり、または同一材料もしくは異なる材料の中の1つ以上で積層され、それにより振動を減衰する。この材料は、銅、ニッケル、および/または鋼であってもよい。しかし、本明細書の教示に基づき関連技術の当業者には認識され得るように、これらの層は、知られているまたは知られるようになる可能性がある任意の材料によって画定されてもよい。
【0020】
図4に示すように、中子104は、弧状断面形状を画定する。この弧状形状は、レシプロブレード100の曲げ面P(
図3を参照)を中子104および中子軸112から離れる方向へと効果的に移動させることにより、剛直性を高める、ならびに/あるいは切断時のブレード本体102の振動および/または搖動を軽減する。中子104は、弓形の弧を画定する。曲げられていない線形状態においては(例えば
図2に示す状態と同様の)、中子104は、例えば約0.035インチの厚さTおよび約0.500インチの幅Wなどを有することが可能である。しかし、
図4に示すように、曲げ状態または弧状状態においては、中子104の全厚T2は、厚さTよりも大幅に大きい。この弧状構成により、レシプロブレード100の剛性が強化され、さらに使用時に上述の先行技術のレシプロブレードにおいて直面する搖動またはホイップが軽減され得る。図示する実施形態においては、厚さTは、約0.035インチであり、全厚T2は、約0.048インチ(≒0.122)である。しかし、本明細書の教示に基づき関連技術の当業者には認識され得るように、これらの寸法は、単なる例示に過ぎず、本発明のレシプロブレードの中子は、多数の異なる厚さTおよび/または全厚T2の中の任意のものを採用してもよく、全厚T2と厚さTとの間の差は、既述のものと異なってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態においては、弧状断面形状は、中子104の幅Wの実質的部分全体にわたってある点Aから別の点Bまで延在する、および弧状断面形状内にまたは弧状断面形状間に平坦部分または平面部分を実質的に形成しない、非断続的な、すなわち連続的な曲線である。いくつかのそのような実施形態においては、弧状断面形状は、中子104の幅Wの少なくとも約3分の1(1/3)全体にわたって延在し、より好ましくは、弧状断面形状は、中子104の幅Wの少なくとも約2分の1(1/2)全体にわたって延在し、さらにより好ましくは、弧状断面形状は、中子104の幅Wの少なくとも約3分の2(2/3)全体にわたって延在し、さらにより好ましくは、弧状断面形状は、中子104の幅Wの少なくとも約4分の3(3/4)全体にわたって延在する。
【0022】
いくつかの実施形態においては、弧状断面形状は、中子104の長さLの実質的部分全体にわたってある点Cから別の点Dまで延在する、および弧状断面形状間に、弧状断面形状内に、または弧状断面形状を別の方法で中断させる、平坦部分または平面部分を形成しない、非断続的な、すなわち連続的な曲線である。いくつかのそのような実施形態においては、弧状断面形状は、中子104の長さLの少なくとも約3分の1(1/3)全体にわたって延在し、より好ましくは、弧状断面形状は、中子104の長さLの少なくとも約2分の1(1/2)全体にわたって延在し、より好ましくは、弧状断面形状は、中子104の長さLの少なくとも約3分の2(2/3)全体にわたって延在し、さらにより好ましくは、弧状断面形状は、中子104の長さLの少なくとも約4分の3(3/4)全体にわたって延在する。いくつかの実施形態においては、弧状断面形状は、中子104とブレード本体102との間の接合部106において実質的な平面形状へと移行する。
【0023】
図5および
図6においては、本発明のレシプロブレードの別の実施形態が、参照数字200により全体的に示される。レシプロブレード200は、上述のレシプロブレード100と実質的に同様であり、したがって、数字「1」の代わりに数字「2」が先行する同様の参照数字は、同様の要素を示すために使用される。
図5および
図6においては、弧状断面形状は、中子204およびブレード本体202の接合部206中を延在するか、または接合部206を越えて延在し、中子204に隣接するブレード本体202の一部分にて終端する。いくつかのそのような実施形態においては、弧状断面形状は、好ましくは中子204およびブレード本体202の接合部から約1/3インチ以内において終端し、より好ましくは、弧状断面形状は、中子204およびブレード本体202の接合部206から約1/4インチ以内において終端する。しかし、本明細書の開示に基づき関連技術の当業者には認識され得るように、これらの寸法は、単なる例示に過ぎず、所望に応じてまたは他の所要となり得るものに応じて変更されてもよい。
【0024】
図7においては、本発明のレシプロブレードの別の実施形態が、参照数字300により全体的に示される。このレシプロブレード300は、上述のレシプロブレード100および200と実質的に同様であり、したがって、数字「1」または「2」の代わりに数字「3」が先行する同様の参照数字は、同様の要素を示すために使用される。レシプロブレード300は、中子302の断面形状が複数の弧303、305を画定する点において、レシプロブレード100および200とは異なる。図示する実施形態においては、中子302の断面形状は、相互に側方に離間され、実質的に逆方向に向いた、2つの弧303、305によって画定され、これにより実質的にS字型の断面を形成する。
【0025】
図8においては、本発明のレシプロブレードの別の実施形態が、参照数字400により全体的に示される。このレシプロブレード400は、上述のレシプロブレード100、200、および300と実質的に同様であり、したがって、数字「1」、「2」、または「3」のそれぞれの代わりに数字「4」が先行する同様の参照数字は、同様の要素を示すために使用される。レシプロブレード400は、中子402の断面形状が、一方向に延在する少なくとも2つの弧と、逆方向に延在する少なくとも1つの弧とを有する点において、レシプロブレード100、200、および300とは異なる。図示する実施形態においては、中子402の断面形状は、相互に側方に離間された第1の弧403、第2の弧405、および第3の弧407により画定される。第1の弧403および第3の弧407は、第1の方向に延在し、第2の弧405は、第1の方向とは実質的に逆である第2の方向へと延在することにより、中子402は、波形または波状形状の断面を有する。
【0026】
図9においては、本発明のレシプロブレードの別の実施形態が、参照数字500により全体的に示される。このレシプロブレード500は、上述のレシプロブレード100、200、300、および400と実質的に同様であり、したがって、数字「1」、「2」、「3」、または「4」のそれぞれの代わりに数字「5」が先行する同様の参照数字は、同様の要素を示すために使用される。レシプロブレード500は、中子502が弧状形状を画定せず、中子502の全断面厚さT2が中子502に対する積層薄層または積層層509の接合により増大する点で、レシプロブレード100、200、300、および400とは異なる。積層された中子502の1つの利点は、振動を減衰させ得る点である。積層薄層または積層層509は、単一の材料により、または異なる材料の組合せにより画定される。積層層509を画定する材料は、銅、ニッケル、および/または鋼であってもよい。しかし、本明細書の教示に基づき関連技術の当業者により認識され得るように、積層層509は、知られているまたは後に知られるようになる可能性がある任意の材料または材料の組合せにより画定されてもよい。
【0027】
図10においては、本発明のレシプロブレードの別の実施形態が、参照数字600により全体的に示される。このレシプロブレード600は、上述のレシプロブレード100,200,300,400、および500と実質的に同様であり、したがって、数字「1」、「2」、「3」、「4」、または「5」のそれぞれの代わりに数字「6」が先行する同様の参照数字は、同様の要素を示すために使用される。レシプロブレード600は、中子602の全厚T2が第2の薄層または積層層の追加によって増大する点において、レシプロブレード500とは異なる。図示する実施形態においては、2つの薄層または積層層609,611が、中子602に対して固定される。先述の実施形態と同様に、積層された中子602は、レシプロブレード600の動作時に振動を低減させることが可能である。薄層または積層層609,611は、同一材料からまたは異なる材料から形成される。積層層609,611を形成する材料には、銅、ニッケル、および/または鋼が含まれる。そのような一実施形態においては、積層層609,611は、銅またはニッケルの層が鋼層に対して固定され、2つの積層層609,611が中子602に対して固定されるように、組み合わされる。薄層609,611は、エポキシもしくは接着剤などによる接合、溶接、ろう付け、または現時点において公知であるもしくは後に公知となる採用される材料の多数の種々の積層方法のいずれかによるものを含む、現時点において公知であるまたは後に公知となる多数の様々な方法のいずれかにおいて、相互に対しておよび中子602に対して固定される。加えて、薄層609,611を形成するために使用される材料は、現時点において公知であるまたは後に公知となる、多数の種々の金属もしくは金属の組合せ、または非金属材料もしくは工学設計材料の中の任意のものであってもよい。
【0028】
図11および
図12は、レシプロブレードの中子に弧状形状を形成するための装置701の実施形態を示す。
図11および
図12に示すレシプロブレード700は、上述のレシプロブレード100,200,300,400,500、および600のいずれかと実質的に同一である。装置701は、ダイス型702と、ダイス型702から離間されたゴムブロック704とを含む。以下でより詳細に説明するように、ダイス型702は、レシプロブレード700内において所望の弧状断面形状を形成するように形状設定される。レシプロブレード700の中子、または中子およびブレード本体の弧状断面形状を形成するために、レシプロブレード700は、ダイス型702とゴムブロック704との間に配置される。ゴムブロック704は、レシプロブレード700と係合状態になされて、ダイス型702に対してレシプロブレード700を押圧し、ブレード本体700の中子または中子および隣接部分をダイス型702の形状へと形状合致させる。関連技術の当業者には認識され得るように、ゴムブロック704は、所望の弧状形状を達成するために、レシプロブレード700およびダイス型702へと複数回にわたって駆動されてもよい。所望に応じて、ダイス型702が、ゴムブロック704の方向に駆動されてもよく、またはゴムブロック704およびダイス型702が共に、相互方向に移動されてもよい。
【0029】
図11および
図12に示すように、ダイス型702は、ハウジング703および形状工具705を含む。ダイス型702の形状工具705は、レシプロブレード700を受けることによりブレード本体の中子または中子および隣接部分の弧状断面形状を形成する、湾曲状または弧状の成形表面714を画定する。
図13〜
図15は、直径を画定する金属丸棒706(
図13および
図14を参照)からの
図12のダイス型702の形状工具705の形成を示す。
図15に示すように、丸棒706は、平坦化されて(例えば
図14に示す破線に沿って)、3つの実質的に平面状の側部708,710,712と、一側部716の曲線冠部または成形表面714とを有する、ダイス型702の形状工具705を形成する。
【0030】
本明細書の教示に基づき関連技術の当業者には認識され得るように、多数の変更形態および変形形態が、特許請求の範囲に規定されるような範囲から逸脱することなく、本発明の上述のおよび他の実施形態に対して作成され得る。例えば、他の形状または構造変形が、弧状形状または積層された中子の代わりにまたはそれに追加して形成されることにより、ブレードの減衰を補助する、および/または使用時のブレード本体の搖動もしくはホイップを軽減することが可能である。さらに、一実施形態との関連において開示された1つ以上の特徴を、単独で、あるいは1つ以上の他の実施形態の1つ以上の特徴との組合せにおいて、使用することが可能である。そのような一例としては、中子または複数の中子(例えばブレードが相互に対してブレードの両側端部に位置する2つの中子を備える場合)が、弧状断面形状および積層の一方または両方を画定することが可能であり、この場合に、積層は、同一材料または異なる材料からなる任意の所望の個数の層を含んでもよい。加えて、ブレードまたはその構成要素もしくは特徴の任意のものが、多数の異なる材料または材料の組合せの任意のものから形成されてもよく、切り刃または複数の切り刃(例えばブレードが相互に対してブレードの両側端部に配置された2つの切り刃を含む場合)と、中子または複数の中子が、現時点において公知であるまたは後に公知になる多数の種々の形状または構成のいずれかを採用してもよい。さらに、中子または複数の中子および隣接するブレード本体の弧状形状を形成するために使用される装置は、現時点において公知であるまたは後に公知となる多数の種々の構成のいずれかを採用することが可能である。したがって、実施形態のこの詳細な説明は、限定的な意味とは対照的に例示的なものと解釈されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2014年8月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切り刃を含むブレード本体と、前記ブレード本体の一端部に配置された中子とを備え、前記中子は、弧状断面形状および積層のうちの少なくとも一方を画定することを特徴とする、レシプロブレード。
【請求項2】
請求項1に記載のレシプロブレードであって、前記中子の前記弧状断面形状は単一の弧を画定することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレシプロブレードであって、前記中子の前記断面形状は複数の弧を画定することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項4】
請求項3に記載のレシプロブレードであって、前記中子の前記断面形状は、側方に離間され、相互に実質的に逆方向に向いた、2つの弧を画定することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項5】
請求項4に記載のレシプロブレードであって、前記中子の前記断面形状は、相互に側方に離間された第1の弧、第2の弧、および第3の弧を画定することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のレシプロブレードであって、前記中子は、幅を画定し、前記弧状断面形状は、前記中子の前記幅の実質的部分全体にわたって連続的に延在することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項7】
請求項6に記載のレシプロブレードであって、前記弧状断面形状は、前記中子の前記幅の少なくとも約1/2全体にわたって延在することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載のレシプロブレードであって、前記中子は、長さを画定し、前記弧状断面形状は、前記中子の前記長さの実質的部分全体にわたって連続的に延在することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項9】
請求項8に記載のレシプロブレードであって、前記弧状断面形状は、前記中子の前記長さの少なくとも約1/2全体にわたって延在することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のレシプロブレードであって、前記中子と前記ブレード本体との間の接合部を画定し、(i)前記弧状断面形状は、前記中子および前記ブレード本体の前記接合部を貫通して延在するか、(ii)前記弧状断面形状は、前記中子および前記ブレード本体の前記接合部において弧状形状から実質的に平面状の形状へと移行するか、または(iii)前記弧状断面形状は、前記中子および前記ブレード本体の前記接合部を越えて延在し、前記中子に隣接する前記ブレード本体の一部分において終端することをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のレシプロブレードであって、前記積層は、2つの異なる材料から形成された2つの層を含むことをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のレシプロブレードであって、前記中子の前記弧状断面形状は、中子軸および前記中子のうちの少なくとも一方から離れるように前記レシプロブレードの曲げ面を移動させることをさらに特徴とするレシプロブレード。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載のレシプロブレードであって、前記積層された中子は、それに固定された少なくとも1つの積層層を含み、前記積層層は、銅、ニッケル、および鋼の中の少なくとも1つであることをさらに特徴とするレシプロブレード。
【外国語明細書】