【解決手段】四方シール包装機1は、物品XA1を挟み込むように互いに重ね合わせられた帯状のフィルムYA1,YA2をシールする枠シール装置11と、フィルムYA1,YA2における長手方向に沿った端縁を残して当該フィルムYA1を幅方向にカットして切断線cu1を形成すると共に、フィルムYA1,YA2における切断線cu1の端部に、少なくとも長手方向に広がりを有する切れ目cu2を形成する横カット装置14と、切れ目cu2間を切断することでフィルムYA1,YA2の端縁を長手方向にカットしてスクラップSC1にする縦カット装置16と、を備えている。
切断線の前記切れ目側の端部又は前記切断線の延長線と前記切れ目との交点を基点として、前記切断線と、前記基点と前記切れ目の端部とを結んだ辺とで成す角度が90度以下であることを特徴とする、
請求項1〜3のいずれかに記載の包装機。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る四方シール包装機1の構成について説明する。
図1は、四方シール包装機1の概略図である。
図2は、上下一対のダイロールカッター14a,14bの外観斜視図である。なお、本図及び以降の各図において、一部の構成を適宜省略して、図面を簡略化する。そして、本図及び以降の各図において、部材の大きさ、形状、厚みなどを適宜誇張して表現する。
【0023】
図1に示される四方シール包装機1は、湿布などのシート状の物品XA1をフィルムYA1,YA2で順次包装するラインで使用される。この四方シール包装機1は、物品供給装置2と、上下一対のフィルム供給装置3a,3bと、包装機本体4と、制御ユニット(図示省略)と、などを備えている。
【0024】
これら四方シール包装機1の各部は、制御ユニットによって統括的に制御される。制御ユニットは、CPU、RAM、及びROMなどから構成され、各種制御を実行する。CPUは、いわゆる中央演算処理装置であり、各種プログラムが実行されて各種機能を実現する。RAMは、CPUの作業領域として使用される。ROMは、CPUで実行される基本OSやプログラムを記憶する。
【0025】
物品供給装置2は、物品XA1を等間隔で搬送すると共に、当該物品XA1を下流の包装機本体4に順次搬送する。この物品供給装置2は、フィンガーコンベアから構成される。具体的に、物品供給装置2は、スリットを有する搬送面(符号省略)と、この搬送面上の物品XA1を側方からガイドするサイドガイド(図示省略)と、駆動用のスプロケット5と、従動用のスプロケット6と、これらスプロケット5,6に架け渡されて走行する環状のチェーン7と、このチェーン7に等間隔のピッチで取り付けられた複数のフィンガー8と、駆動源となるサーボモーター(図示省略)と、などを備えている。
【0026】
駆動用のスプロケット5は、サーボモーターの駆動によって回転する。従動用のスプロケット6は、チェーン7の走行によって、駆動用のスプロケット5に連動して回転する。チェーン7は、駆動用のスプロケット5の回転によって循環するように走行する。複数のフィンガー8は、スリットを介して搬送面の下方から上方に突出する。これら複数のフィンガー8は、チェーン7の走行によって、搬送面上を走行する。これにより、複数のフィンガー8は、搬送面上の物品XA1を押送して包装機本体4に送り出す。
【0027】
フィルム供給装置3a,3bは、帯状のフィルムYA1,YA2を繰り出して、当該フィルムYA1,YA2を下流の包装機本体4に連続的に供給する。具体的に、フィルム供給装置3a,3bは、それぞれ、原反軸9a,9bと、サーボモーター(図示省略)と、ガイドローラー10a,10bと、などを備えている。
【0028】
原反軸9a,9bは、原反ロールYB1,YB2を回転自在に保持する。これら原反軸9a,9bは、サーボモーターに動力が与えられて回転し、保持している原反ロールYB1,YB2を回転させる。これにより、原反ロールYB1,YB2からフィルムYA1,YA2が繰り出される(引き伸ばされる)。ガイドローラー10a,10bは、原反ロールYB1,YB2から繰り出されたフィルムYA1,YA2をガイドして包装機本体4に送り出す。
【0029】
なお、原反ロールYB1,YB2からフィルムYA1,YA2を繰り出す方法として、上述のような原反駆動式の方法を採用する代わりに、フィードローラーを別途設け、当該フィードローラーを動かしてフィルムYA1,YA2を引き出すフィードローラー駆動式の方法を採用してもよい。
【0030】
包装機本体4には、物品供給装置2から物品XA1が順次供給されると共に、上下一対のフィルム供給装置3a,3bの各々から帯状のフィルムYA1,YA2が繰り出される。そして、包装機本体4は、上下一対のフィルムYA1,YA2を、物品XA1を挟み込むように互いに重ね合わせることで包装し、四方シール包装体ZA1を製造する。
【0031】
具体的に、包装機本体4は、枠シール装置11と、上下一対の間欠送りベルト12a,12bと、上下一対の連続送りベルト13a,13bと、横カット装置14と、ピンチローラーユニット15と、縦カット装置16と、スクラップ巻取り装置17と、などを備えている。
【0032】
枠シール装置11は、上下一対の枠シーラー11a,11bを備えている。この枠シール装置11は、物品XA1を挟み込むように互いに重ね合わせられた帯状のフィルムYA1,YA2を、上下一対の枠シーラー11a,11bで挟んで加熱することで、フィルムYA1,YA2に対して枠シールsh1を行う(
図3(B)参照)。
【0033】
上下一対の間欠送りベルト12a,12bは、フィルムYA1,YA2を挟み込むように、枠シール装置11の下流に設けられている。これら上下一対の間欠送りベルト12a,12bは、枠シール装置11に連動するように間欠走行することで、挟み込んでいるフィルムYA1,YA2を間欠的に搬送する。
【0034】
上下一対の連続送りベルト13a,13bは、フィルムYA1,YA2を挟み込むように、間欠送りベルト12a,12bの下流に設けられている。これら上下一対の連続送りベルト13a,13bは、連続走行することで、挟み込んでいるフィルムYA1,YA2を連続的に搬送する。なお、連続送りベルト13a,13bの走行速度は、間欠送りベルト12a,12bの走行時の走行速度よりも遅くなるように設定されている。具体的に、連続送りベルト13a,13bの走行速度は、間欠送りベルト12a,12bの平均走行速度(停止時を含めた平均値)と等しくなるように設定されている。なお、上下一対の間欠送りベルト12a,12bと上下一対の連続送りベルト13a,13bとの間には、手繰り装置(図示省略)が設けられている。
【0035】
図1及び
図2に示されるように、横カット装置14は、連続送りベルト13a,13bの下流に設けられている。この横カット装置14は、上下一対のダイロールカッター14a,14bを備えている。これら上下一対のダイロールカッター14a,14bは、ロールの円周面に、T字状をした互いにかみ合う複数の刃14a1,14b1を有している。具体的に、複数の刃14a1,14b1は、それぞれ、ダイロールカッター14a,14bに着脱可能なブロック(駒)(図示省略)に形成されており、フィルム幅(フィルム長手方向の直角方向長さ)の変更に伴い、複数の刃14a1,14b1を、ブロック(駒)毎交換する。そして、上下一対のダイロールカッター14a,14bには、物品XA1が潰れることを防止する窪み14a2,14b2が設けられている。また、上下一対のダイロールカッター14a,14bは、フィルムYA1,YA2を挟み込むように配置されている。このような横カット装置14は、フィルムYA1,YA2の搬送に伴って回転することで、当該フィルムYA1,YA2に切断線cu1及び切れ目cu2をT字状に形成する(
図3(C)参照)。
【0036】
結果、横カット装置14は、フィルムYA1,YA2における長手方向に沿った端縁を残して当該フィルムYA1,YA2における内側の領域を幅方向にカットして切断線cu1を形成する横カット手段として機能する。すなわち、横カット装置14は、フィルムYA1,YA2における長手方向に沿った端縁がカットされないように、当該フィルムYA1,YA2における内側の領域を幅方向にカットして切断線cu1を形成する横カット手段として機能する。そして、横カット装置14は、フィルムYA1,YA2における切断線cu1の端部、又は当該端部の、フィルムYA1,YA2における長手方向に沿った端縁側に、少なくとも長手方向に広がりを有する切れ目cu2を形成する切れ目形成手段として機能する。つまり、横カット装置14は、横カット手段及び切れ目形成手段を一体に構成したものであり、切断線cu1と共に切れ目cu2を形成する。なお、切れ目cu2は、フィルムYA1,YA2における長手方向に沿った端縁に形成される。
【0037】
図1に戻って説明する。ピンチローラーユニット15は、横カット装置14の下流に設けられている。このピンチローラーユニット15は、上下一対のピンチローラー15a,15bを備えている。上下一対のピンチローラー15a,15bは、フィルムYA1,YA2を挟み込むように配置されている。このようなピンチローラーユニット15は、上下一対のピンチローラー15a,15bを回転させることで、フィルムYA1,YA2に搬送力を付与する。
【0038】
縦カット装置16は、ピンチローラーユニット15の下流に設けられている。この縦カット装置16は、上下二対の切断刃16a,16bを、フィルムYA1,YA2の幅方向の位置を調整可能な構成として備えている。上下二対の切断刃16a,16bは、フィルムYA1,YA2を挟み込むように配置されている。このような縦カット装置16は、上下二対の切断刃16a,16bを回転させることで、切れ目cu2間(切断線cu1の端部同士の間)を切断することでフィルムYA1,YA2における長手方向に沿った端縁を、長手方向にカットしてスクラップSC1にする(
図3(D)参照)。結果、スクラップSC1を除く部分が、四方シール包装体ZA1になる(
図3(D)参照)。
【0039】
スクラップ巻取り装置17は、縦カット装置16の下流に設けられている。このスクラップ巻取り装置17は、左右一対の巻取りロール17aを備えている。このようなスクラップ巻取り装置17は、左右一対の巻取りロール17aを回転させることで、スクラップSC1を巻き取って回収する。
【0040】
次に、
図3及び
図4を用いて、四方シール包装体ZA1の製造過程を説明する。
図3は、四方シール包装体ZA1の製造過程を示す概略図である。
図3(A)は、物品XA1を挟み込むように上下一対のフィルムYA1,YA2を互いに重ね合わせた状態を示す。
図3(B)は、物品XA1の周囲となる領域に枠シールsh1を行った状態を示す。
図3(C)は、横カットされた状態を示す。
図3(D)は、縦カットされて四方シール包装体ZA1となった状態を示す。なお、上下一対のフィルムYA1,YA2は、互いの端縁が揃うように重ね合わせられるが、表現の都合上、互いの端縁をずらして重ね合わせられているように図示する。
図4は、四方シール包装機1で四方シール包装体ZA1を製造する工程を示すフローチャートである。
【0041】
図4に示されるように、供給工程S100において、上下一対のフィルムYA1,YA2は、物品供給装置2から供給された物品XA1を挟み込むように互いに重ね合わせられる(
図3(A)参照)。
【0042】
そして、シール工程S110において、物品XA1を挟み込むように互いに重ね合わせられた上下一対のフィルムYA1,YA2は、物品XA1の周囲となる領域が上下一対の枠シーラー11a,11bで挟み込まれながら加熱されることで、当該領域に枠シールsh1が行われる(
図3(B)参照)。
【0043】
それから、横カット・切れ目形成工程S120において、枠シールsh1されたフィルムYA1,YA2は、上下一対のダイロールカッター14a,14bで、長手方向に沿った端縁を残して当該フィルムYA1,YA2における内側の領域が幅方向にカットされると同時に、切断線cu1の端部又は当該端部の、フィルムYA1,YA2における長手方向(
図3(C)における左右方向)に沿った端縁側(
図3(C)における下側)に、少なくともフィルムYA1,YA2の長手方向に広がりを有する切れ目cu2が形成される。これにより、フィルムYA1,YA2には、切断線cu1及び切れ目cu2が形成される(
図3(C)参照)。切断線cu1の切れ目cu2側の端部と切れ目cu2との交点を基点(符号省略)として考えた場合、切断線cu1と、基点と切れ目cu2の端部とを結んだ辺(本実施形態では、切れ目cu2そのもの)と成す角度が90度以下(本実施形態では、90度)である。
【0044】
その後、縦カット工程S130において、切断線cu1及び切れ目cu2が形成されたフィルムYA1,YA2は、上下二対の切断刃16a,16bで、切れ目cu2間が切断されることで、長手方向に沿った端縁が長手方向にカットされて一対のスクラップSC1になる(
図3(D)参照)。結果、スクラップSC1を除く部分が、四方シール包装体ZA1になる(
図3(D)参照)。
【0045】
一対のスクラップSC1は、左右一対の巻取りロール17aに巻き取られて回収される。
【0046】
このように、四方シール包装機1によれば、スクラップSC1を切らさず安定して稼働させることができる。
【0047】
そして、横カット装置14は、横カット手段及び切れ目形成手段を一体に構成したものであり、切断線cu1と共に切れ目cu2を形成するので、手段の数を減らすことができる。すなわち、工数を減らすことができる。
【0048】
また、横カット装置14のダイロールカッター14a,14bは、複数の刃14a1,14b1が形成されたブロック(駒)(図示省略)が着脱可能な構成になっており、縦カット装置16のフィルム長手方向の直角方向の位置が調整可能な構成になっているため、複数の製品サイズに対応可能である。
【0049】
さらに、横カットを行った後に、スクラップSC1がスクラップ巻取り装置17によって搬送されるフィルムYA1,YA2を、縦カット装置16で縦カットしているため、製品長さの精度を向上させることができる。
【0050】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術思想を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、各変形例は、可能な範囲で他の変形例に適用してもよい。
【0051】
すなわち、上記実施形態において、各構成の位置、大きさ、長さ、形状、材質、向きなどは適宜変更できる。
【0052】
あるいは、上記実施形態において、上下一対のダイロールカッター14a,14bが、ロールの円周面に、T字状をした互いにかみ合う複数の刃14a1,14b1を有している場合を例に説明したが、本発明のダイロールカッターは、フィルムに対して、切断線及び切れ目を形成することができればよく、刃の形状が限定されるものではない。本発明において、切断線の切れ目側の端部又は切断線の延長線と切れ目との交点を基点として考えた場合、切断線と、基点と切れ目の端部とを結んだ辺とで成す角度が90度以下であることがより好ましい。次に説明する
図5(A)、
図5(B)、
図5(C)、
図5(G)、
図5(H)、
図5(I)及び
図5(J)に示す形態が好ましい形態である。
【0053】
次に、
図5を用いて、横カットによる切れ目のバリエーションを説明する。
図5(A)〜
図5(N)は、横カットによる切れ目のバリエーションを示す図であり、
図5(O)は、横カットによる切れ目の比較例を示す図である。なお、いずれの場合についても、上下一対のダイロールカッターの複数の刃(図示省略)は、切断線及び切れ目に対応する形状を有する。
【0054】
図5(A)は、上記実施形態に係る四方シール包装機1のダイロールカッター14a,14bによる切断線cu1及び切れ目cu2を示す。
図5(A)に示されるように、切れ目cu2は、切断線cu1の端部に形成され、少なくともフィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に広がりを有する。具体的に、切れ目cu2は、一直線状に形成される。結果、切れ目cu2は、切断線cu1と一体となってT字状に形成される。
【0055】
図5(B)は、別の形態のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu3を示す。
図5(B)に示されるように、切れ目cu3は、切断線cu1の端部に形成され、少なくともフィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に広がりを有する。具体的に、切れ目cu3は、V字状に形成される。結果、切れ目cu3は、切断線cu1と一体となって矢印状(地図記号のハイマツ地を示す形状)に形成される。
【0056】
図5(C)は、更に別の形態のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu4を示す。
図5(C)に示されるように、切れ目cu4は、切断線cu1の端部に形成され、少なくともフィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に広がりを有する。具体的に、切れ目cu4は、半円弧状に形成される。結果、切れ目cu4は、切断線cu1と一体となって錨状に形成される。
【0057】
図5(D)は、更に別の形態のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu5を示す。
図5(D)に示されるように、切れ目cu5は、切断線cu1の端部に形成され、少なくともフィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に広がりを有する。具体的に、切れ目cu5は、円形状に形成される。結果、切れ目cu5は、切断線cu1と一体となって線香花火の持ち手と火を表す形状(地図記号の果樹園を示す形状)に形成される。
【0058】
図5(E)は、更に別の形態のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu6を示す。
図5(E)に示されるように、切れ目cu6は、切断線cu1の端部に形成され、少なくともフィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に広がりを有する。具体的に、切れ目cu6は、正三角形状に形成される。結果、切れ目cu6は、切断線cu1と一体となってカクテルグラスの台座を除いた形状に形成される。
【0059】
図5(F)は、更に別の形態のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu7を示す。
図5(F)に示されるように、切れ目cu7は、切断線cu1の端部に形成され、少なくともフィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に広がりを有する。具体的に、切れ目cu7は、正方形状に形成される。結果、切れ目cu7は、切断線cu1と一体となって玉子焼き鍋(卵焼き器)の形状に形成される。
【0060】
図5(G)は、更に別の形態のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu8を示す。
図5(G)に示されるように、切れ目cu8は、切断線cu1の端部に形成され、少なくともフィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に広がりを有する。具体的に、切れ目cu8は、U字状に形成される。結果、切れ目cu8は、切断線cu1と一体となってJ字状に形成される。すなわち、切れ目cu8は、切断線cu1に連続する湾曲させた曲線状に形成される。
【0061】
図5(H)は、更に別の形態のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu9を示す。
図5(H)に示されるように、切れ目cu9は、切断線cu1の端部に形成され、少なくともフィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に広がりを有する。具体的に、切れ目cu9は、90度の円弧状に形成される。結果、切れ目cu9は、切断線cu1と一体となって、
図5(G)の場合と異なるJ字状に形成される。すなわち、切れ目cu9は、切断線cu1に連続する湾曲させた曲線状に形成される。
【0062】
図5(I)は、更に別の形状のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu10を示す。
図5(I)に示されるように、切れ目cu10は、切断線cu1の端部の、フィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に沿った端縁側(図面における下側)に形成され、少なくとも長手方向に広がりを有する。具体的に、切れ目cu10は、一直線状に形成される。すなわち、この形態は、切断線cu1及び切れ目cu2が一体となってT字状に形成される形態(
図5(A)参照)を、切断線cu1及び切れ目cu2を互いに離隔したものと同等である。
【0063】
図5(J)は、更に別の形状のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu11を示す。
図5(J)に示されるように、切れ目cu11は、切断線cu1の端部の、フィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に沿った端縁側(図面における下側)に形成され、少なくとも長手方向に広がりを有する。具体的に、切れ目cu11は、V字状に形成される。すなわち、この形態は、切断線cu1及び切れ目cu3が一体となって矢印状に形成される形態(
図5(B)参照)を、切断線cu1及び切れ目cu3を互いに離隔したものと同等である。
【0064】
図5(K)は、更に別の形状のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu12を示す。
図5(K)に示されるように、切れ目cu12は、切断線cu1の端部の、フィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に沿った端縁側(図面における下側)に形成され、少なくとも長手方向に広がりを有する。具体的に、切れ目cu12は、半円弧状に形成される。すなわち、この形態は、切断線cu1及び切れ目cu4が一体となって錨状に形成される形態(
図5(C)参照)を、切断線cu1及び切れ目cu4を互いに離隔したものと同等である。
【0065】
図5(L)は、更に別の形状のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu13を示す。
図5(L)に示されるように、切れ目cu13は、切断線cu1の端部の、フィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に沿った端縁側(図面における下側)に形成され、少なくとも長手方向に広がりを有する。具体的に、切れ目cu13は、円形状に形成される。すなわち、この形態は、切断線cu1及び切れ目cu5が一体となって線香花火の持ち手と火を表す形状に形成される形態(
図5(D)参照)を、切断線cu1及び切れ目cu5を互いに離隔したものと同等である。
【0066】
図5(M)は、更に別の形状のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu14を示す。
図5(M)に示されるように、切れ目cu14は、切断線cu1の端部の、フィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に沿った端縁側(図面における下側)に形成され、少なくとも長手方向に広がりを有する。具体的に、切れ目cu14は、正三角形状に形成される。すなわち、この形態は、切断線cu1及び切れ目cu6が一体となってカクテルグラスの台座を除いた形状に形成される形態(
図5(E)参照)を、切断線cu1及び切れ目cu6を互いに離隔したものと同等である。
【0067】
図5(N)は、更に別の形状のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu15を示す。
図5(N)に示されるように、切れ目cu15は、切断線cu1の端部の、フィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に沿った端縁側(図面における下側)に形成され、少なくとも長手方向に広がりを有する。具体的に、切れ目cu15は、正方形状に形成される。すなわち、この形態は、切断線cu1及び切れ目cu7が一体となって玉子焼き鍋(卵焼き器)の形状に形成される形態(
図5(F)参照)を、切断線cu1及び切れ目cu7を互いに離隔したものと同等である。
【0068】
図5(O)は、比較例の形態のダイロールカッター(図示省略)による切断線cu1及び切れ目cu16を示す。
図5(O)に示されるように、切れ目cu16は、切断線cu1の端部の、フィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)に沿った端縁側(図面における下側)に形成され、少なくとも長手方向に広がりを有する。具体的に、切れ目cu16は、一直線状に形成される。すなわち、この形態は、切断線cu1及び切れ目cu10によって形成される形態(
図5(I)参照)を、切れ目10をフィルムYA1,YA2における長手方向(図面における左右方向)にずらしたものと同等である。この形態のように、切断線cu1の延長線上に切れ目cu16が存在しない形態についは、本発明に含まれない。すなわち、本発明は、
図5(A)〜
図5(N)に示されるように、切断線cu1の延長線上に切れ目が存在することが要件となる。
【0069】
あるいは、上記実施形態において、四方シール包装機1で四方シール包装体ZA1を製造する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されず、スクラップSC1が発生する包装機であればよい。例えば、三方シール包装機で三方シール包装体ZA2(
図6(D)参照)を製造する場合が挙げられる。
【0070】
次に、
図6を用いて、三方シール包装体ZA2の製造過程を説明する。
図6は、三方シール包装体ZA2の製造過程を示す概略図である。
図6(A)は、物品XA1を挟み込むようにフィルムYA3が半分に折り返されて互いに重ね合わせられた状態を示す。
図6(B)は、物品XA1の周囲となる領域に枠シールsh2を行った状態を示す。
図6(C)は、横カットされた状態を示す。
図6(D)は、縦カットされて三方シール包装体ZA2となった状態を示す。なお、半分に折り返されて互いに重ね合わせられたフィルムYA3は、互いの端縁が揃うものであるが、表現の都合上、互いの端縁をずらして図示する。
【0071】
フィルムYA3は、長手方向に沿って半分に折り返されて、物品供給装置(図示省略)から供給された物品XA1を挟み込むように互いに重ね合わせられる(
図6(A)参照)。
【0072】
そして、物品XA1を挟み込むように互いに重ね合わせられたフィルムYA3は、物品XA1の周囲となる領域が上下一対の枠シーラー(図示省略)で挟み込まれながら加熱されることで、当該領域に枠シールsh2が行われる(
図6(B)参照)。
【0073】
それから、枠シールsh2されたフィルムYA3は、上下一対のダイロールカッター(図示省略)で、長手方向に沿った端縁がカットされないように、当該フィルムYA3が幅方向にカットされる。これにより、フィルムYA3には、切断線cv1及び切れ目cv2が形成される(
図6(C)参照)。
【0074】
その後、切断線cv1及び切れ目cv2が形成されたフィルムYA3は、上下一対の切断刃(図示省略)で、長手方向に沿った端縁が長手方向にカットされてスクラップSC2になる(
図6(D)参照)。結果、スクラップSC2を除く部分が、三方シール包装体ZA2になる(
図6(D)参照)。
【0075】
スクラップSC2は、巻取りロール(図示省略)に巻き取られて回収される。
【0076】
あるいは、上記実施形態では、フィルムYA1,YA2,YA3に対して枠シールsh1,sh2を行っているが、本発明はこれに限定されず、フィルムYA1,YA2,YA3に対して縦シールと横シールとを別々に実施しても良い。すなわち、上記実施形態において、枠シールの替わりに、横方向及び縦方向のシールを別工程で行うようにしても良い。
【0077】
次に、
図7を用いて、四方シール包装体ZA1の別の製造工程を説明する。
図7は、四方シール包装機(図示省略)で四方シール包装体ZA1を製造する別の工程を示すフローチャートである。なお、ここでは、特徴部分のみを説明し、
図4に示される工程と同様の構成についての説明は適宜省略する。また、以降に説明する工程についても、特徴部分のみを説明する。
【0078】
図7に示されるように、供給工程S200及びシール工程S210の後に、横カット工程S220において、枠シールsh1されたフィルムYA1,YA2は、横カット手段(図示省略)で、長手方向に沿った端縁を残して当該フィルムYA1,YA2における内側の領域が幅方向にカットされる。これにより、フィルムYA1,YA2には、切断線cu1が形成される。
【0079】
それから、切れ目形成工程S230において、切断線cu1が形成されたフィルムYA1,YA2は、切れ目形成手段(図示省略)で、切断線cu1の端部又は当該端部の、フィルムYA1,YA2における長手方向に沿った端縁側に、少なくとも当該フィルムYA1,YA2の長手方向に広がりを有する切れ目cu2が形成される。
【0080】
その後、縦カット工程S240を経ることで、一対のスクラップSC1を除く部分が、四方シール包装体ZA1になる。
【0081】
次に、
図8を用いて、四方シール包装体ZA1の更に別の製造工程を説明する。
図8は、四方シール包装機(図示省略)で四方シール包装体ZA1を製造する更に別の工程を示すフローチャートである。
【0082】
図8に示されるように、供給工程S300及びシール工程S310の後であって横カット工程S330の前に、切れ目形成工程S320において、枠シールsh1されたフィルムYA1,YA2は、切れ目形成手段(図示省略)で、切断線cu1の端部が形成される部分又は当該部分の、フィルムYA1,YA2における長手方向に沿った端縁側に、少なくとも当該フィルムYA1,YA2の長手方向に広がりを有する切れ目cu2が形成される。
【0083】
それから、横カット工程S330において、切れ目cu2が形成されたフィルムYA1,YA2は、横カット手段(図示省略)で、長手方向に沿った端縁を残して当該フィルムYA1,YA2における内側の領域が幅方向にカットされる。これにより、フィルムYA1,YA2には、切断線cu1が形成される。
【0084】
その後、縦カット工程S340を経ることで、一対のスクラップSC1を除く部分が、四方シール包装体ZA1になる。
【0085】
なお、
図7及び
図8に示されるように、横カット工程とは別の切れ目形成工程で線状の切れ目cu2,cu3,cu4(
図5(A)、
図5(B)及び
図5(C)参照)を形成する場合には、切れ目cu2,cu3,cu4が切断線cu1両端部間に形成されてしまう恐れがあるため、切れ目cu10,cu11,cu12(
図5(I)、
図5(J)及び
図5(K)参照)のように切断線cu1から離隔して形成する方が好ましい。
【0086】
あるいは、本発明は、上記実施形態を変形させて、枠シール装置11を流れ方向に移動させてシールを行う連続式の包装機であっても良い。
【0087】
あるいは、上記実施形態において、上下一対の連続送りベルト13a,13bは、間欠走行する上下一対の間欠送りベルトでも良い。
【0088】
あるいは、本発明の横カット手段は、回転式カッター、又は往復動式のカッター装置でも良い。また、前記回転式カッター、又は前記往復動式のカッター装置のカッター刃は、着脱可能な構造にすると良い。縦カット手段が幅方向の位置を調整可能に構成されているため、多様なサイズの包装体を1台の包装機で兼用して包装することができる。なお、上記包装機(兼用機)の場合、切れ目形成手段を備えていなくても構わない。