【解決手段】 被収容物を収容した収容部と該収容部の周囲に配されたフランジ部とを有する成型シートと、前記フランジ部に接着されることにより前記収容部を密封した蓋材とを備え、前記フランジ部には、突出部が形成され、前記突出部よりも外側に、前記蓋材と接着されていない非接着領域または他の接着領域よりも弱い接着力で前記蓋材と接着された弱接着領域が形成され、前記突出部よりも外側に位置する前記非接着領域または弱接着領域に、スリットが形成されてなるブリスター包装体。
前記非接着領域または弱接着領域と、前記突出部と、前記スリットとが、前記収容部を囲むように湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブリスター包装体。
前記突出部が、その両端縁が前記スリットの両端縁を結ぶ仮想直線よりも延出しているように形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のブリスター包装体。
前記成型シートには、該成型シートを折れ曲がり易くする第1の易折り曲げ加工部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のブリスター包装体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記したブリスター包装体では、収容部と突出部との間にスリットが形成されているため、バリア性、すなわち密封性が低下するおそれがある。
また、成型シートのフランジ部が比較的薄い場合には、突出部の折れ曲がりに追従して、スリットよりも内側の部分も折れ曲がり、スリットを境界として上記内側の部分と上記外側の部分とが離間せず、開封が困難となり、収容部から被収容物を取り出すことが困難となるおそれもある。
【0007】
上記事情に鑑み、本発明は、密封性の低下が抑制された、収容部から被収容物を取り出し易いブリスター包装体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るブリスター包装体は、
被収容物を収容した収容部と該収容部の周囲に配されたフランジ部とを有する成型シートと、
前記フランジ部に接着されることにより前記収容部を密封した蓋材とを備え、
前記フランジ部には、突出部が形成され、
前記突出部よりも外側に、前記蓋材と接着されていない非接着領域または他の接着領域よりも弱い接着力で前記蓋材と接着された弱接着領域が形成され、
前記突出部よりも外側に位置する前記非接着領域または弱接着領域に、スリットが形成されてなる。
【0009】
ここで、「他の接着領域よりも弱い接着力で前記蓋材と接着された弱接着領域」とは、他の接着領域の任意の4箇所の平均接着力よりも、弱い接着力で蓋材と接着された領域を意味する。
【0010】
かかる構成によれば、スリットよりも外側(収容部と反対側)の部分(外側部分)を一方の手指等で掴み、スリットよりも内側(収容部側)の部分(内側部分)を他方の手指等で掴み、蓋材同士が近づくように成型シートを折り曲げたとき、上記内側部分は突出部によって補強されて折れ曲がらないのに対し、外側部分は上記内側部分から離間するように折れ曲がる。このとき、上記外側部分の折れ曲がりに蓋材が追従するため、上記内側部分に接着された蓋材を剥離させることができ、これにより、収容部を開封して、収容部から被収容物を取り出すことができる。
ここで、スリットが突出部よりも外側に形成されているため、スリットが突出部よりも内側に形成されている場合よりも、バリア性、すなわち密封性の低下を防止することができる。
また、非接着領域または弱接着領域にスリットが形成されているため、接着領域にスリットが形成されている場合よりも、成型シートを上記のように折り曲げたときに上記外側部分が上記内側部分から離間し易くなる。これにより、収容部を開封し易くできる。
従って、密封性の低下が抑制された、収容部から被収容物を取り出し易いブリスター包装体が得られる。
【0011】
また、上記構成のブリスター包装体においては、
前記非接着領域または弱接着領域と、前記突出部と、前記スリットとが、前記収容部を囲むように湾曲して形成されていることが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、突出部とスリットとが収容部を囲むように湾曲して形成されていることによって、スリットのどの位置を境界として(どの位置に力を加えて)成型シートを折り曲げた場合であっても、局所的に上記内側部分から上記外側部分を離間させ易くすることができる。そして、このように局所的に離間させた後、順次、内側部分から外側部分を離間させて、上記内側部分に接着された蓋材の剥離を進めることができる。
また、非接着領域または弱接着領域が収容部を囲むように湾曲して形成されていることによって、非接着領域または弱接着領域よりも内側の接着領域の外周縁も、収容部を囲むように湾曲している形状となる。これにより、上記と同様、上記外周縁のどの位置から接着領域の剥離が開始されたとしても、局所的に上記内側部分から蓋材を剥離させ易くすることができる。そして、その後、順次、上記内側部分に接着された蓋材の剥離を進めることができる。
従って、収容部を、より開封し易くできる。
【0013】
また、上記構成のブリスター包装体においては、
前記スリットが、その両端縁を結ぶ仮想直線が前記収容部を横断するように形成されていることが好ましい。
【0014】
かかる構成によれば、スリットが、その両端縁を結ぶ仮想直線が収容部を横断するように形成されていることによって、成型シートを折り曲げるだけで収容部を開封することができ、しかも、収容部の一部分を開封し、他の部分を開封しないようにすることができる。これにより、収容部から被収容物を取り出すことを可能としつつも、被収容物が不意に飛び出してしまうことを抑制できる。
【0015】
また、上記構成のブリスター包装体においては、
前記突出部が、その両端縁が前記スリットの両端縁を結ぶ仮想直線よりも延出しているように形成されていることが好ましい。
【0016】
かかる構成によれば、突出部が、その両端縁がスリットの両端縁を結ぶ仮想直線よりも延出しているように形成されていることによって、成型シートを折り曲げたとき、突出部がより折れ曲がり難くなる。これにより、突出部が成型シートの折れ曲がりに追従することをより抑制することができるため、収容部を、より開封し易くできる。
【0017】
また、上記構成のブリスター包装体においては、
前記成型シートには、該成型シートを折れ曲がり易くする第1の易折り曲げ加工部が形成されていることが好ましい。
【0018】
かかる構成によれば、成型シートが折り曲がり易くなるため、収容部を、より開封し易くできる。
【0019】
また、上記構成のブリスター包装体においては、
前記フランジ部と前記蓋材とをそれぞれの外側から挟む台紙をさらに備え、
前記台紙は、前記収容部、突出部及びスリットを露出させる開口部を有することが好ましい。
【0020】
かかる構成によれば、上記内側部分を突出部で補強しつつ、上記外側部分を台紙で補強し得る。これにより、成型シートがより確実に折れ曲がり易くなるため、収容部を、より開封し易くできる。
【0021】
前記台紙には、該台紙を折れ曲がり易くする第2の易折り曲げ加工部が形成されていることが好ましい。
【0022】
かかる構成によれば、台紙が折れ曲がり易くなるため、収容部を、より開封し易くできる。
【発明の効果】
【0023】
以上のように、本発明によれば、密封性の低下が抑制された、収容部から被収容物を取り出し易いブリスター包装体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係るブリスター包装体について説明する。
【0026】
まず、本発明の第1実施形態に係るブリスター包装体について説明する。
【0027】
図1、2に示すように、本実施形態のブリスター包装体1は、被収容物30を収容した収容部5と該収容部5の周囲に配されたフランジ部7とを有する成型シート3と、フランジ部7の接着領域9に接着されることにより収容部5を密封した蓋材19とを備えている。
また、ブリスター包装体1は、フランジ部7に突出部13が形成されてなる。
さらに、ブリスター包装体1は、突出部13よりも外側に、蓋材19と接着されていない非接着領域または接着領域9よりも接着力が弱い弱接着領域11が形成され、突出部13の外側に位置する非接着領域または弱接着領域11に、スリット15が形成されてなる。
【0028】
なお、
図1、
図2では、非接着等領域または弱接着領域のうち、非接着領域が形成された態様を示すが、本発明においては、弱接着領域が形成された態様を採用してもよく、かかる態様を採用した場合であっても、非接着領域が形成された態様と同様の作用効果を奏する。このように弱接着領域を採用する場合、該弱接着領域の接着力は、接着領域9の任意の4箇所の平均接着力の1/8以下であることが好ましい。また、弱接着領域自体の接着力が、9N/15mm以下であることが好ましい。
【0029】
また、ブリスター包装体1は、成型シート3に、該成型シート3を折れ曲がり易くする第1の易折り曲げ加工部17が形成されてなる。
【0030】
本実施形態では、被収容物30が固形状である場合、より具体的には円形状の経口固形製剤としての錠剤である場合について説明するが、その他、被収容物30は、ゼリーや軟膏等の半固形状であってもよく、固形状である場合には、楕円形状の錠剤であっても、カプセル等であってもよい。これらのうち、被収容物30は、錠剤またはカプセルが好ましい。また、被収容物30の大きさも、特に限定されるものではなく適宜設定することができる。例えば、被収容物30が経口固形製剤である場合、服用者の喉を通過し得る程度の大きさに適宜設定することができる。
【0031】
成型シート3の形成材料としては、従来公知の樹脂材料を用いて形成された樹脂シートが挙げられる。
かかる成型シート3のフランジ部7の厚みは、100〜1200μmであることが好適であり、200〜400μmであることがより好適である。
かかる厚みが1200μm以下である場合には、成型シート3を折り曲げたときに比較的撓み易くなり、スリット15が成型シート3の折れ曲がりに追従して収容部5が開封し難くなるおそれがあるが、このように撓み易い成型シート3であっても、折り曲げへのスリット15の追従を抑制して、収容部5を開封し易くできる。
一方、かかる厚みが100μm以上であることによって、成型シート3が過度に撓み易くなることを抑制できる。
【0032】
成型シート3には、被収容物30を収容するための収容部5が形成されている。ここでは、収容部5が1個形成されている態様が示されるが、1つの成型シート3に形成される収容部5の数量は、特に限定されるものではなく適宜設定され得る。例えば、収容部5が、成型シート3の長手方向に沿って5個ずつ、短手方向に沿って2個ずつ形成されているような態様を採用することもできる。このような場合、フランジ部7には、長手方向における収容部5の間に、短手方向に沿って延在するように配置されたミシン目やスリットが形成されていてもよい。
【0033】
フランジ部7の接着領域9は、蓋材19が接着されて蓋材19とで収容部5を密封するものである。この接着領域9は、
図1においてハッチングで示すように、収容部5の周囲に形成されている。また、接着領域9は、非接着領域11と収容部5との側に位置する第1の接着領域9aと、残りの第2の接着領域(
図1において非接着領域11よりも左側の領域、及び、非接着領域11よりも外周側の領域)9bと有している。
【0034】
第1の接着領域9aは、その外周縁が収容部5を囲むように湾曲した形状を有している。より具体的には、収容部5側から非接着領域11に向かって幅が狭くなるように湾曲した形状を有している。
【0035】
非接着領域11は、蓋材19と接着されていないフランジ部7の領域であり、第1の接着領域9aの外側に隣接して、突出部13から突出部13よりも外側にわたって形成されている。より具体的には、非接着領域11は、突出部13よりも内側から外側にまでわたって形成されている。換言すれば、非接着領域11内に突出部13が形成されている。
なお、本発明では、突出部13よりも外側に非接着領域11が存在すればよく、非接着領域11が存在する範囲は特に限定されるものではない。
また、本実施形態では、非接着領域11は、収容部5を囲むように湾曲して形成されている。より具体的には、非接着領域11は、半円の円弧状に形成されている。
【0036】
突出部13は、成型シート3を補強するものであり、成型シート3を折り曲げたとき、突出部13が形成されていない場合よりも、フランジ部7におけるスリット15よりも内側に位置する部分(内側部分)21(
図3〜5参照)を撓み難くするものである。かかる突出部13は、非接着領域11内に形成されるようになっている。
本実施形態では、突出部13は、収容部5を囲むように湾曲して形成されている。より具体的には、突出部13は、非接着領域11の外周縁に沿うように湾曲して形成されている。すなわち、非接着領域11と同心な半円の円弧状に形成されている。また、本実施形態では、突出部13は、スリット15に沿って形成されている。
また、本実施形態では、かかる突出部13は、該突出部13の両端縁を結ぶ仮想直線Sが収容部5を横断するように形成されている。なお、本実施形態では、突出部13がこのように形成されている態様を示すが、本発明では、突出部は、この態様に限定されるものではない。
【0037】
スリット15は、該スリット15を境界として、フランジ部7を上記内側部分21と、スリット15よりも外側(収容部5と反対の側)の部分(外側部分)23(
図3〜5参照)とに部分的に分断するものである。かかるスリット15は、非接着領域11内にて、例えばカッター等によってフランジ部7を完全に切り込むことによって形成されるようになっている。
本実施形態では、スリット15は、収容部5を囲むように湾曲して形成されている。より具体的には、スリット15は、突出部13に沿うように湾曲して形成されている。すなわち、突出部13と同心な半円の円弧状に形成されている。また、本実施形態では、スリット15は、非接着領域11の外周縁に沿って形成されている。
また、本実施形態では、かかるスリット15は、該スリット15の両端縁を結ぶ仮想直線Sが収容部5を横断するように形成されている。なお、本実施形態では、スリット15の両端縁を結ぶ仮想直線Sと、突出部13の両端縁を結ぶ仮想直線とが重なるように、スリット15(及び突出部13)が形成されている。なお、本実施形態では、スリット15がこのように形成されている態様を示すが、本発明では、スリットは、この態様に限定されるものではない。
かかるスリット15の突出部13からの距離は、50mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。
【0038】
第1の易折り曲げ加工部17は、スリット15の両端縁の側方であって、成型シート3の両端縁に形成されている。これにより、成型シート3は、仮想直線Sが折り曲げ線となるように折り曲げられるようになっている。本実施形態では、第1の易折り曲げ加工部17が、切り欠き状に形成された態様を示すが、本発明においては、かかる第1の易折り曲げ加工部17が、その他、ノッチ、ミシン目、ハーフスリット、罫線等に形成された態様を採用してもよい。
【0039】
蓋材19は、成型シート3のフランジ部7と接着されて、収容部5を密封するものである。
かかる蓋材19形成材料としては、例えば、蓋材として従来公知の形成材料が挙げられる。また、蓋材19の厚みは、被収容物30等に応じて適宜設定することができる。
【0040】
次に、本実施形態のブリスター包装体1の製造方法について説明する。まず、真空成形等によって収容部5及び突出部13を有するシートを成型(形成)する。次に、得られたシートにカッター等によってスリット15を形成して、成型シート3を形成する。次に、収容部5に被収容物30を収容する。次に、成型シート3のフランジ部7に蓋材19を重ね合わせ、金型等を用いて、スリット15が位置する所定の領域が加熱されないようにしながら、フランジ部7と蓋材19との重ね合わせ部分を加熱及び加圧して、フランジ部7に蓋材19を接着させる。これにより、被収容物30が収容された状態で収容部5を密封する。そして、得られた包装体の成型シート3を、必要に応じて刃物等で所望の形状に切り抜く。このようにして、ブリスター包装体1を製造する。
【0041】
次に、ブリスター包装体1からの被収容物30の取り出し方法の一例について説明する。
図3に示すように、成型シート3におけるスリット15よりも外側(
図3の右側)の部分(外側部分)23を一方の手指等で掴み、スリット15を挟んで当該外側部分23と反対の側(
図3の左側)の部分を他方の手指等で掴み、手指で掴んだ蓋材19同士が近づくように折り曲げることにより、
図4及び
図5に示すように、スリット15を境界として上記内側部分21から離間するように上記外側部分23が折れ曲がり、かかる外側部分23の折れ曲がりに蓋材19が追従する。これにより、上記内側部分21に接着された蓋材19を剥離させることができ、収容部5を開封することができる。
なお、ブリスター包装体1から被収容物30を取り出す際に、成型シート3を掴む手指の位置は、スリット15を挟んで外側と内側であれば、
図3及び
図4で示す位置以外の位置であってもよい。
【0042】
上記の通り、本実施形態のブリスター包装体1は、被収容物30を収容した収容部5と該収容部5の周囲に配されたフランジ部7とを有する成型シート3と、フランジ部7に接着されることにより収容部5を密封した蓋材19とを備え、フランジ部7に、突出部13が形成され、突出部13よりも外側に(ここでは突出部13から該突出部13よりも外側にわたって)、蓋材19と接着されていない非接着領域または他の接着領域9よりも弱い接着力で蓋材19と接着された弱接着領域(ここでは非接着領域)11が形成され、突出部13よりも外側に位置する非接着領域または弱接着領域(ここでは非接着領域)11に、スリット15が形成されてなる。
【0043】
かかる構成によれば、スリット15が突出部13よりも外側に形成されているため、スリット15が突出部13よりも内側に形成されている場合よりも、バリア性、すなわち密封性の低下が防止される。
また、非接着領域11(または弱接着領域)にスリット15が形成されているため、接着領域9にスリットが形成されている場合よりも、
図4に示すように成型シート3を折り曲げたときに上記外側部分23が上記内側部分21から離間し易くなるため、収容部5を開封し易くできる。
従って、密封性の低下が抑制された、収容部5から被収容物30を取り出し易いブリスター包装体1が得られる。
【0044】
また、本実施形態のブリスター包装体1においては、非接着領域または弱接着領域(ここでは非接着領域)11と、突出部13と、スリット15とが、収容部5を囲むように湾曲して形成されている。
【0045】
かかる構成によれば、突出部13とスリット15とが収容部5を囲むように湾曲して形成されていることによって、スリット15のどの位置を境界として(どの位置に力を加えて)成型シート3を折り曲げた場合であっても、比較的局所的に、上記内側部分21から上記外側部分23を離間させ易くすることができる。そして、このように局所的に離間させた後、順次、内側部分21から外側部分23を離間させて、上記内側部分21に接着された蓋材の剥離を進めることができる。
また、非接着領域または弱接着領域(ここでは非接着領域)11が収容部5を囲むように湾曲して形成されていることによって、非接着領域または弱接着領域(ここでは非接着領域)11よりも内側の接着領域(第1の接着領域9a)の外周縁も、収容部5を囲むように湾曲している形状となる。これにより、上記と同様、上記外周縁のどの位置から接着領域(第1の接着領域9a)の剥離が開始されたとしても、比較的局所的に、上記内側部分21から蓋材を剥離させ易くすることができる。そして、その後、順次、上記内側部分21に接着された蓋材の剥離を進めることができる。
従って、収容部5を、より開封し易くできる。
【0046】
さらに、本実施形態では、第1の接着領域9aが、収容部5側から非接着領域11に向かって幅が狭くなるように湾曲した形状を有していることにより、特に
図1の右側から左側に向かって第1の接着領域9aを剥離する場合に、剥離起点を形成し易くなる。
【0047】
また、本実施形態のブリスター包装体1においては、スリット15が、各両端縁を結ぶ仮想直線Sが収容部5を横断するように形成されている。
【0048】
かかる構成によれば、スリット15が、各両端縁を結ぶ仮想直線Sが収容部5を横断するように形成されていることによって、成型シート3を折り曲げるだけで収容部5を開封することができ、しかも、収容部5の一部分を開封し、他の部分を開封しないようにすることができる。これにより、収容部5から被収容物30を取り出すことを可能としつつも、被収容物30が不意に飛び出してしまうことを抑制できる。
【0049】
また、
図1〜
図5の態様に示すように、本実施形態では、突出部13が、その両端縁がスリット15の両端縁を結ぶ仮想直線S上に配されるように形成された態様を示すが、本発明では、かかる突出部3の両端縁の配置は、かかる態様に限定されるものではない。例えば、その他、
図6に示すように、突出部3が、その両端縁がスリット15の両端縁を結ぶ仮想直線Sよりも延出しているように形成されていてもよい。このように、突出部13が、その両端縁がスリット15の両端縁を結ぶ仮想直線Sよりも延出しているように形成されていることによって、成型シート3を折り曲げたとき、突出部13がより折れ曲がり難くなる。これにより、突出部13が成型シート3の折れ曲がりに追従することをより抑制できるため、収容部5を、より開封し易くできる。
【0050】
また、本実施形態のブリスター包装体1においては、成型シート3に、該成型シート3を折れ曲がり易くする第1の易折り曲げ加工部17が形成されている。
【0051】
かかる構成によれば、成型シート3が折り曲がり易くなるため、収容部5を、より開封し易くできる。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態のブリスター包装体について説明する。第1実施形態と共通する部分には同一の符号を付して説明を繰り返さない。
【0053】
図7、
図8に示すように、本実施形態のブリスター包装体1は、フランジ部7と蓋材19とをそれぞれの外側から挟む台紙31をさらに備えており、台紙31は、収容部5、突出部13及びスリット15を露出させる開口部33を有してなる。また、ブリスター包装体1は、台紙31に、該台紙31を折れ曲がり易くする第2の易折り曲げ加工部35が形成されてなる。
その他の構成は第1実施形態と同じであるため、説明を繰り返さない。
【0054】
台紙31は、例えば2枚の紙製シートとして第1の紙製シート31a及び第2の紙製シシート31bを有しており、これらシートによってフランジ部7と蓋材19とをそれぞれの外側から挟むようになっている。より具体的には、第1の紙製シート31aがフランジ部7側、第2の紙製シート31bが蓋材19側に配されて、これらによってフランジ部7及び蓋材19を挟むように構成されている。なお、本発明では、その他、台紙31が、開口部を有する1枚の紙製シートを有し、該1枚の紙製シートを折り曲げて、開口部から収容部5、突出部13及びスリット15を露出させつつ、フランジ部7と蓋材19とをそれぞれの外側から挟むように構成されていてもよい。
【0055】
図7に示すように、第1の紙製シート31aは、ブリスター包装体1の収容部5、突出部13及びスリット15を露出させる半円形状の開口部33を有している。
また、第2の紙製シート31bは、第1の紙製シート31aと同じ大きさに形成されている。
【0056】
また、第2の易折り曲げ加工部35は、突出部13及びスリット15の両端縁の側方であって、台紙31の両端縁に形成されている。本実施形態では、第2の易折り曲げ加工部35は、第1の紙製シート31aに形成された態様を示すが、本発明においては、その他、第2の易折り曲げ加工部が、第2の紙製シート31bに形成された態様を採用しても、第1及び第2の紙製シート31a、31bの両方に形成された態様を採用してもよい。
本実施形態では、第2の易折り曲げ加工部35は、ブリスター包装体1の第1の易折り曲げ加工部17と重なる位置に形成されている。
また、第2の易折り曲げ加工部35は、
図7に示すように、ミシン目であっても、その他、ハーフスリット、罫線等であってもよい。
【0057】
本実施形態のブリスター包装体1は、第1の紙製シート31aの開口部33から収容部5、突出部13及びスリット15を露出させながら、第1の紙製シート31aと第2の紙製シート31bとでブリスター包装体1を挟み、これらを従来公知の接着剤等で貼り合せることによって、製造することができる。
【0058】
本実施形態のブリスター包装体1は、
図8に示す状態から
図9に示す状態となるように折り曲げることによって、上記したのと同様に、フランジ部7における上記スリット15よりも内側の部分(内側部分)21は折れ曲がらないで開口部33から外側に突出する一方、スリット15よりも外側の部分(外側部分23、
図5参照)は台紙31と共に折れ曲がるため、この折れ曲がりに蓋材19が追随して、上記内側部分21に接着された蓋材19が剥離され、収容部5が開封される。
【0059】
本実施形態のブリスター包装体1によれば、収容部5、突出部13及びスリット15を露出させる開口部33を有し、フランジ部7と蓋材19とをそれぞれの外側から挟む台紙31を備えたことによって、上記内側部分21を突出部13で補強しつつ、上記外側部分23を台紙31で補強し得る。これにより、成型シート3がより確実に折れ曲がり易くなるため、収容部5を、より開封し易くできる。
【0060】
また、本実施形態のブリスター包装体1においては、台紙31に、該台紙31を折れ曲がり易くする第2の易折り曲げ加工部35が形成されているため、台紙31が折れ曲がり易くなり、収容部5を、より開封し易くできる。
【0061】
以上のように本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内において適宜設計変更することが可能である。
前記非接着領域または弱接着領域と、前記突出部と、前記スリットとが、前記収容部を囲むように湾曲して形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブリスター包装体。
前記突出部が、その両端縁が前記スリットの両端縁を結ぶ仮想直線よりも延出しているように形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のブリスター包装体。
前記成型シートには、該成型シートを折れ曲がり易くする第1の易折り曲げ加工部が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のブリスター包装体。