【実施例】
【0033】
[実施例における共通事項]
以下、本発明の丁合装置の実施例を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明を適用した丁合装置の実施例の構造関係の説明図である。
図2は、
図1の操作パネル3側の方から、カバーを外して見た正面図である。給紙部2は、左右に10段ずつ設けられており、左右の各段からそれぞれ1枚ずつ給紙された用紙は中央の縦搬送路14で先端(下端)が揃うように丁合され、折り給紙部4から給紙されて折りナイフ17と折りローラ20で折目をつけられた折紙に挟み込まれた状態で排紙搬送路21で排紙口22まで搬送され排紙口22から蓄積部23(移動コンベア8上)へ排出される。
【0034】
図3は給紙部2を示す正面図である。
給紙板37上に用紙束36を斜めにずらして配置する。その用紙束36の先端には、給紙ローラ26とサパキ板32が圧接している。給紙ローラ26の軸は図示しない給紙モータで回転駆動される。
給紙ローラ26の給紙方向上流側に給紙ローラ26と同形状の補助給紙ローラ27が設けられている。補助給紙ローラ27の軸と給紙ローラ26の軸には共に歯つきプーリ28、29が設けられ、歯つきベルト30で駆動が伝達される。
【0035】
給紙モータが回転すると、給紙ローラ26と補助給紙ローラ27が回転する。すると最上位の用紙が補助給紙ローラ27によって給紙ローラ26とサバキ板32の間に送り込まれる。この時2枚同時に通過しようとしても、サバキ板32と用紙との摩擦力によって、2枚目以降の前進が阻止されるので、最上位の1枚だけが送り出されることになる。
【0036】
送り出された1枚は横搬送ローラ対33にくわえられ、矢印方向に送り出される。横搬送ローラ対33はメインモータ(図示せず)により常時回転駆動されている。この時、用紙検知センサ34が用紙の前端と後端を検知することにより、その間の搬送量を検知する。
【0037】
図2に示すように、各給紙部2から送り出された用紙は縦搬送路14へ合流し、重ねられながら、下方へ搬送される。縦搬送路14には所定間隔で縦搬送ローラ対24が設けられ、メインモータ(図示せず)により常時回転されている。
片面側の10段の給紙部2の列の下方には折り給紙部4が設けられている。折り給紙部4には折り用紙が積載され、構成は他の給紙部と同じである。送り出された折り用紙は折り搬送路16を通って折り込板19に入り、先端がストッパ18に当接して、折り用紙が縦搬送路14の下端をふさぐ形で停止する。上方から縦搬送路14を丁合された用紙束が下降してくるタイミングで折りナイフ17が下降する。停止していた折り用紙はその内側に上方から下降してきた用紙束を挟んで折りローラ20で二つ折りされる。こうして折り用紙で他の用紙を挟んだ形の束(配達に供される広告の束)が、その後排紙搬送路21を通って排紙口22から排出される。折り搬送路16、排紙搬送路21もメインモータにより常時駆動されている。
【0038】
図1、
図2に示すように、折り給紙部4の下方に揃え・搬出部10が設けられている。揃え・搬出部10は排紙口22から排出された用紙束を受け入れて、周縁を揃え手段(バックジョガー9、サイドジョガー5)により揃えながら蓄積し、ある程度蓄積されて積み重ね(以下、スタックという)が形成されると、そのスタックを搬出する。
排紙口22から排出された用紙束は、先端ガイド6に当接して、移動コンベア8上に落下する。排出が繰り返されると、その上に順次積載され、スタックを形成する。
【0039】
図4はその揃え・搬出部10を示す上面図である。
丁合機から矢印Aの方向に排出された束は、先端ガイド6のガイド面に当接し、移動コンベア8上に排出される。排出を繰り返している間、揃え手段であるバックジョガー9とサイドジョガー5の可動部が往復動作する。バックジョガー9の可動部と先端ガイド6のガイド面との間で用紙束を挟んで揃える。同様にサイドジョガー5の可動部と揃え位置にある開閉ガイド7のガイド面との間で用紙束を挟んで揃える。開閉ガイドは支点を中心に揃え位置と退避位置とを旋回移動できる。用紙束が排出されている間は、揃え位置に位置している。
【0040】
バックジョガー9は丁合機の架台25(
図2参照)に固定された支持部と、矢印方向に往復動作可能な可動部を有する。支持部の内部には駆動モータとクランク機構が設けられ、モータの回転運動を可動部の往復運動に変換する。
サイドジョガー5は、支持部が揃え・搬出部10のフレームに設けられていること以外は、バックジョガー9と同様である。
【0041】
スタックが所定の高さまで積みあがって、満杯検知センサ(図示せず)により満杯が検知されると(或いは、予め定めた部数のスタックが形成されると)、用紙束の排出を中止し、開閉ガイド7を開いて退避位置にして、移動コンベア8のベルトを周回駆動させてスタックを矢印B方向に移動させ、矢印Cの方向に搬出させる。
【0042】
図1に示すように、移動コンベア8の出口側には昇降可能なエレベータ板11と、このエレベータ板11を昇降させる昇降機構13が設けられている。エレベータ板11は移動コンベア8のベルト面よりも若干低い位置で待機する。搬出されてきたスタックは、エレベータ板11の上に移送される。エレベータ板11の積載センサ12がスタックの到来を検知すると、昇降機構13が動作してエレベータ板11を上昇させ、スタックを持ち上げて停止する。
【0043】
図5は本発明の制御系を示すブロック図である。
丁合装置1本体は、メイン制御部を有し、各給紙部2は個別に給紙制御部、揃え・搬出部は揃え・搬出制御部を有する。給紙制御部は給紙部の数分設けられている。
パルス出力手段は、メインモータで回転される軸のいずれかに、周方向に穴を環状配置した円板を設け、この円板の穴を検出できるように光軸を配置した光センサにより、メインモータ回転中は常時パルスを出力しているものである。このパルスはメイン制御部、給紙制御部に送られており、メインモータ動作中の各動作タイミングは、このパルスを計数することによりタイミングが取られている。以下、パルスと表記する場合は、このパルス出力手段により出力されているパルスを指す。
【0044】
本体の操作パネル3(
図1参照)に設けられたスタート/ストップスイッチを押すと、メインモータが回転開始する。次にメイン制御部は所定のタイミングで給紙トリガ信号を各給紙部2の給紙制御部に一斉に送信する。この給紙トリガ信号は給紙タイミングの基準となるタイミング基準信号である。各給紙部2の給紙制御部は、給紙トリガ信号を受信したタイミングから、所定の遅延パルス分だけ遅らせて、給紙モータを駆動して用紙の送り出しを開始する。この所定の遅延パルス数は、各給紙部によって異なるものであり、縦搬送路14で用紙の先端が揃って重なるように、下方に位置する給紙部2ほど多くなるように各々の給紙制御部に記憶されている。
【0045】
従って、各々のタイミングで送り出された用紙は縦搬送路14で先端の揃った1束になる。折り給紙部4にも給紙制御部が設けられている。折り用紙は、この重なった束が縦搬送路14の最下位に到達するよりも少し前に、折り用紙の先端がストッパ18に当接して待機できるように、遅延パルスが設定されている。
【0046】
こうして、折り用紙が折りナイフ17で折りローラ20間に挟まれて二つ折りすると同時に、上方から降りてきた束がその間に挟まれて束を形成し、その束が更に搬送されて、排紙口22から排紙される。
給紙トリガは所定パルス間隔で繰り返し発信されるので、次々に繰り返し用紙の束(配達に供する広告の束)が形成され、排紙口22から順次排出される。
【0047】
メイン制御部は、スタート後、最初に給紙トリガが発生すると同時に、揃え・搬出制御部にジョグ開始信号を送信する。揃え・搬出制御部はジョグ開始信号を受信すると、パックジョガー駆動モータ、サイドジョガー駆動モータを駆動開始し、各ジョガーは往復動作を開始する。こうして、用紙束が繰り返し排出・蓄積されて形成するスタック38の端縁を各々揃える。
【0048】
満杯検知センサで満杯が検知されると、揃え・搬出制御部は満杯信号をメイン制御部に送る。メイン制御部は満杯信号を受けると給紙トリガの発信を中止し、その時点で丁合が始まっているすべての束の丁合を完了させ、排出させた後、排出完了信号を揃え・搬出制御部へ送る。この排出完了信号を受けると、揃え・搬出制御部はサイドジョガー、バックジョガーの動作を停止させるとともに、開閉ガイド駆動モータを駆動して退避位置とする。更に移動コンベア駆動モータを回転させてコンベアを周回駆動させて、その上のスタックをエレベータ板上に搬出する。
【0049】
載置センサによりエレベータ板上へのスタックの到来が検知されると、揃え・搬出制御部は、エレベータ昇降モータを駆動して、スタックを持ち上げるとともに、開閉ガイド駆動モータを駆動させて開閉ガイド7をガイド位置とする。更にバックジョガー駆動モータ、サイドジョガー駆動モータを駆動開始し、各ジョガーの往復動作を再開する。メイン制御部には搬出完了信号を出し、メイン制御部はこれを受けて給紙トリガ(タイミング基準信号)発信の繰り返しを再開する。
【0050】
エレベータ板11上のスタックをユーザが取り出したことが載置センサにより検知されると、エレベータ板11は下降して、次に送り込まれるスタックを待機する。
満杯検知センサに代えて、予め定めた部数分の束が形成されたら搬出するようにしてもよい。その数値は予め操作パネル3等に入力しておき、メイン制御部あるいは搬出積載制御部に記憶しておく。
【0051】
図6、
図7は、揃え動作を示す図で、
図6は用紙束が排出された状態、複数束重なるとスタックとよんでいる。
図7はバックジョガー9とサイドジョガー5がスタック38側へ進出し、側縁が押されて揃えられている状態である。
【0052】
図8は開閉ガイド7を開き、移動コンベア8を駆動して、スタック38を送り出している状態である。
給紙の際、各給紙部2において、用紙が所定位置を前端から後端まで通過するのに要する搬送量を検出する。この搬送量は、
図3における用紙検知センサ34により、用紙の先端が通過したタイミングから、用紙の後端が通過したタイミングまでのパルス数として検出される。
【0053】
この搬送量が、重送ありと判断する下限値(設定値)未満の場合は、異常なしとして、給紙トリガ送信を継続する。他方、揃え手段による揃えが不能になる上限値(設定値)を越える場合は、重送エラー(第2の重送)として給紙トリガ送信を中止し、その時点で給紙開始されている束をすべて排出してからメインモータを停止させる。その後ユーザがスタートスイッチを押さなければ動作再開しない。
【0054】
下限値以上、上限値以下の場合は、重送エラー(第1の重送)であるが、メインモータは停止させない。その動作は、以下各実施例で説明する。
なお、この搬送量検出手段は、束搬送量検出手段に代えてもよい。この束搬送量検出手段は、例えば、
図2の排紙搬送路21に設けられ、各給紙部から送り出された用紙が重なって束を形成した後の、その束の前端と後端が所定位置を通過する間の束搬送量を、メインパルスを計数することにより検知する。これを検知することにより、束からはみ出した重送用紙が混入している場合は、束搬送量が通常よりも長くなるから、重送ありと判定することができる。
また、搬送量も束搬送量も、パルス信号で計数するのに限らず、例えば、メイン制御部から所定間隔で発信するクロック信号を計数するなどしてもよい。
【0055】
[実施例1]
実施例1は第1の構成および第2の構成に対応する。
いずれかの給紙部で第1の重送が発生した場合、第1の重送が発生したという信号が給紙制御部からメイン制御部へ送られる。メイン制御部は、第1の重送信号とともに、該信号がどの給紙部から送られて来たかを認識する。そして、その時点でタイミング基準信号の発信を中断するとともに、該検出の時点で、丁合が始まっている束をすべて蓄積部に排出した後、そのスタックを蓄積部から搬出するとともに、その後に後続の束を蓄積させる。そして、メイン制御部は、第1の重送信号を検知した用紙が含まれる束(以下、第1の重送束という)よりも1つ前の束の排出が完了してから、第1の重送信号を検知した束が含まれる束が排出されるまでの間に、ジョグ(揃え)動作が停止するように、ジョグ停止信号を揃え・搬出制御部へ送る。揃え・搬出制御部はジョグ停止信号に応じて、バックジョガーとサイドジョガーの各駆動モータを停止させる。
【0056】
第1の重送が検知された給紙部が上方にあるほど、排出までに時間がかかるから、停止信号を送るまでの時間もかかる。
そして、最後の用紙束が排出されたタイミングで、メイン制御部が排出完了信号を揃え・搬出制御部に送り、これを受けて揃え・搬出制御部は、開閉ガイド駆動モータを駆動して退避位置とし、移動コンベア駆動モータを回転させてコンベアを周回駆動させ、スタックをエレベータ板上に搬出する。
搬出後は開閉ガイドが揃え位置に戻り、ジョガーの動作が開始され、給紙トリガの繰り返しが再開し、丁合動作が自動的に再開される。
【0057】
図9はこの再開直後を示す図で、既に積み上げられたスタック38が、エレベータ板11上に移動され、空いたところに次以降の束が排出されている(この後エレベータは上昇して、スタックを持ち上げる)。このエレベータ板11上のスタックの最上位の2〜3部は揃っておらず、それよりも下位は揃っていることになる。その揃っていない部分の最下位に、第1の重送束が存在していることになり、容易に特定できる(第1の重送エラーが検知された時点で、それよりも上流側から最大2セット分の給紙が始まっている可能性があるので、それをすべて丁合、排出した後にスタックが移動・排出されるため、最上位から2〜3部以内となる)。また、第1の重送束からは重送した用紙がスタックからはみ出しているから、容易に重送した用紙を特定することができる。
また、搬出後に丁合動作が再開されるため、エラー処理による作業時間のロスも生じない。
【0058】
なお、「第1の重送束の1つ前の束までは揃えを行い、第1の重送束そのものは揃えを行わない」ということを行わなくとも(例えば、第1の重送が検知された時点で丁合開始していた束をすべて排出するまで、ジョガーの動作を継続させる)、排出されたスタックの最上位の2〜3部以内を探せば第1の重送束を特定することができる。
【0059】
[実施例2]
実施例2は第3の構成および第4の構成に対応する。
実施例2では、第1の重送が発生した場合は、スタックは移動させず、揃え動作を中止する。揃え動作を中止するタイミングは、第1の重送が検出された用紙を含む束が蓄積部に排出される直前とするのが最も好ましいが、第1の重送が検出された用紙を含む束が蓄積部に排出されるよりも前であればいつでもよい。従って、第1の重送が検出されたら直ちにジョガーの各駆動モータを停止させてもよいし、第1の重送が検出された用紙を含む束が蓄積部に排出される直前に揃え動作を中止するようにしてもよい。
【0060】
しかし実施例2では、そのまま給紙トリガの繰り返しを継続し、即ち丁合作業を継続するので、既に揃えられたスタックの上に、揃っていない束が積み上がる。満杯が検知されるか、予め決めた部数に達すると、開閉ガイドを開き、移動コンベアを駆動して、スタックを搬出する。搬出後は開閉ガイドが揃え位置に戻り、ジョガーの動作が開始され、給紙トリガの繰り返しが再開し、丁合動作が自動的に再開され、次のスタックの形成を開始する。
【0061】
図10は搬出されたスタックを示す図である。搬出されたスタックは、下の方が揃っているが、上の方が揃っていない。そして、その揃っていない部分の最下位或いはその近くに第1の重送束が存在していることになり、容易に特定できる。
第1の重送が検出された用紙を含む束が蓄積部に排出される直前に揃え動作を中止した場合は、揃っていない部分の最下位に第1の重送束が存在していることになる。第1の重送が検出されたら直ちにジョガーの各駆動モータを停止させた場合は、揃っていない部分の最下位から3部以内に第1の重送束が存在していることになる。それは、通常、丁合装置では第1の重送が検知された時点で、最大3部の丁合が同時進行しているためである。
また、実施例1と同様に、第1の重送束からは重送した用紙がスタックからはみ出しているから、容易に重送した用紙を特定することができる。
【0062】
また、第4の構成のようにバックジョガーとサイドジョガーを有する場合には、揃え動作を中止させるのはバックジョガーのみとして、サイドジョガーの揃え動作は継続してよい。第1の重送がどこで発生したかは、揃っている部分と揃っていない部分の境界によって特定するため、バックジョガーとサイドジョガーのいずれかの揃え動作を中止するだけで、その機能は果せるからである。加えて、一方だけでも揃っている分だけ、バックジョガー、サイドジョガー共に揃えを中断した場合に比べて、スタック取出し後の揃え作業が楽になる。また、バックジョガーの揃え動作を中止するから、重送した用紙もはみ出したままとなるので、重送用紙の特定も可能である。
【0063】
また、第1の重送が発生した際、揃え動作を完全に止めるのではなく、バックジョガー、或いはサイドジョガーの動作ストロークが短くなるように変更してもよい。或いは揃え動作そのものは継続し、バックジョガー、サイドジョガーの支持部をスタックに対して後退させてもよい。そうすることによって、第1の重送が発生して以降は揃えが甘くなるようにしてもよい。
実施例2では、第1の重送が発生しても丁合が停止しないので、作業時間のロスをより少なくできる。
【0064】
[実施例3]
実施例3は第5の構成に対応する。
実施例3では、第1の重送が発生した場合、スタックをわずかに移動させる。具体的には、第1の重送を検知したら、直ちに開閉ガイド7を開いておき、その後、移動コンベア8をわずかに駆動させ、スタックの位置をずらす。この移動コンベアを駆動させるタイミングは、第1の重送束が排出される直前が最も好ましいが、若干前後してもよい。即ち第1の重送を検知したら直ちにコンベアを駆動してもよいし、第1の重送束が排出された直後、或いはそれよりも1〜2部後に移動してもよい。
【0065】
給紙トリガはそのまま繰り返しを継続し、即ち丁合作業を継続するので、既に揃えられたスタックの上に、移動コンベアで移動した分だけずれた状態で新たな束が積み上がる。
満杯が検知されるか、予め決めた部数に達すると、移動コンベア8を駆動して、スタックを搬出する。搬出後は開閉ガイドが揃え位置に戻って給紙トリガの繰り返しが再開し、丁合動作が自動的に再開され、次のスタックの形成を開始する。
【0066】
図11は搬出されたスタックを示す図である。搬出されたスタックは、下の方と上の方とで位置がずれている。そして、第1の重送束が排出される直前にコンベアを駆動した場合は、その上の方の部分の最下位に第1の重送束が存在していることになり、容易に特定できるので最良であるが、コンベアを移動するタイミングが若干それよりも前後していても、スタックの位置がずれている付近を探せば第1の重送束を見つけることができる。
【0067】
実施例3においては、第1の重送束が排出される前に揃えを中止してもよいし、しなくてもよい。揃えを中止した場合は、第1の重送束からは重送した用紙がスタックからはみ出しているから、重送用紙の特定が容易である。揃えを中止しない場合は、下から上まで束受入方向と直角な前縁と後縁が揃った束を得ることができる。但し、第1の重送以降は開閉ガイドが開いたままとなるので、束受入方向に平行な両側縁は、第1の重送以降は揃っていない束となる(
図11は揃えを中止しない場合の図である)。
【0068】
スタックの移動量(下の方と上の方のずれ量)は、途中からその分だけずれて積載されてもスタックが崩れない程度が望ましく、例えば全幅(受入方向に平行な両側端間)400mmの幅のスタックであれば、50mm前後が望ましい。
【0069】
[実施例4]
実施例4では、第1の重送が発生した場合、スタックをわずかに移動させるとともに、第1の重送が発生した束をその上に排出した直後、スタックを元に戻す。具体的には、第1の重送を検知したら、直ちに開閉ガイドを開いておき、その後、移動コンベアをわずかに駆動させ、スタックの位置をずらす。ここまでは実施例3と同じである。
実施例4では、スタック位置をずらし、その上に第1の重送束を排出した直後に、移動コンベアを逆方向に駆動してスタックを戻す。その後は給紙トリガの繰り返しを継続し、即ち丁合作業を継続する。
【0070】
満杯が検知されるか、予め決めた部数に達すると、移動コンベアを駆動して、スタックを搬出する。搬出後は開閉ガイドが揃え位置に戻って給紙トリガの繰り返しが再開し、丁合動作が自動的に再開され、次のスタックの形成を開始する。
【0071】
図12は搬出されたスタックを示す図である。
第1の重送束のみが、ずらした分だけはみ出した状態である。このはみ出した束を検査すればよい。
実施例4においても、スタックの位置をずらすと同時に揃えを中止してもしなくてもよいこと、中止した場合は第1の重送束から重送した用紙がはみ出した状態となること。中止しない場合は、束受入方向と直角な前縁と後縁が下から上まで揃った束が得られることは、実施例3と同じである。
図12は中止しない場合の図である。