【解決手段】機器制御手段421と、上記機器情報取得手段422と、外部と近距離無線通信により情報を送受信するクレードル通信部44と、を有し、制御対象である機器に接続されたクレードル部4と、タッチパネル31と、入力制御手段321と、表示制御手段322と、外部と近距離無線通信により情報を送受信するタブレット通信部34と、を有し、上記クレードル部に着脱可能なタブレット部3と、を備え、上記クレードル部と上記タブレット部とは、上記クレードル通信部および上記タブレット通信部を用いて、互いに情報を送受信する。
ユーザの入力操作を受け付けるための操作画像を表示するタッチパネルと、上記操作画像に対する入力操作に基づく処理を特定する入力制御手段と、上記入力制御手段が特定した処理に基づいて機器を制御する機器制御手段と、当該機器に関するデータを取得する機器情報取得手段と、取得した上記データに基づくデータ画像を上記タッチパネルに表示させる表示制御手段と、を備えるプログラマブル表示器であって、
上記機器制御手段と、上記機器情報取得手段と、外部と近距離無線通信により情報を送受信するクレードル通信部と、を有し、制御対象である上記機器に接続されたクレードル部と、
上記タッチパネルと、上記入力制御手段と、上記表示制御手段と、外部と近距離無線通信により情報を送受信するタブレット通信部と、を有し、上記クレードル部に着脱可能なタブレット部と、を備え、
上記クレードル部と上記タブレット部とは、上記クレードル通信部および上記タブレット通信部を用いて、互いに情報を送受信することを特徴とするプログラマブル表示器。
上記タブレット通信部は、上記クレードル通信部から送信される信号を起電力として動作することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラマブル表示器。
外部と情報を送受信するクレードル通信部を有し、制御対象である機器に接続されたクレードル部と、外部と情報を送受信するタブレット通信部を有し、上記クレードル部に着脱可能なタブレット部と、を備えるプログラマブル表示器の制御方法であって、
上記クレードル部が上記タブレット部と接続しているか否かを確認するための近距離無線信号である上記クレードル通信部からの確認信号を、上記タブレット通信部が受信する確認信号受信ステップと、
上記タブレット通信部が、上記確認信号に対して応答するための上記近距離無線信号である応答信号を送信する応答信号送信ステップと、
上記クレードル通信部および上記タブレット通信部が、近距離無線通信を用いて情報の送受信を開始する近距離無線通信開始ステップと、を含むことを特徴とするプログラマブル表示器の制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、プログラマブル表示器は、当該プログラマブル表示器の制御対象であるFA機器・機械ごとに実装されている。このため、複数のFA機器等が配置された工場においては、FA機器等の数だけプログラマブル表示器が必要となり、その結果、工場全体の設備コストが増加するという問題がある。
【0006】
また、外部メモリからプログラマブル表示器にデータを取り込む、またはプログラマブル表示器からデータを取得する際、無線通信や有線通信を介してデータの入出力を行うことが、通信の安定性や信頼性、またはセキュリティの観点から難しい。そのため従来は、USBメモリなどの持ち運び可能なメモリを介して、作成したレシピデータの入出力を行っている。さらに、工場内の各機器の周期的なチェックは、複数の機器にわたるチェックであるため、当該チェックは、プログラマブル表示器に出力、表示した各機器の状態を示すデータなどをユーザが視認することで行われている。そのため、チェック結果に人為的なミスが発生する可能性がある。以上より、従来のプログラマブル表示器は、データの入出力において利便性が低いという問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、設備コストを抑え、かつ、データの入出力における利便性を向上することのできるプログラマブル表示器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明に係るプログラマブル表示器は、ユーザの入力操作を受け付けるための操作画像を表示するタッチパネルと、上記操作画像に対する入力操作に基づく処理を特定する入力制御手段と、上記入力制御手段が特定した処理に基づいて機器を制御する機器制御手段と、当該機器に関するデータを取得する機器情報取得手段と、取得した上記データに基づくデータ画像を上記タッチパネルに表示させる表示制御手段と、を備えるプログラマブル表示器であって、上記機器制御手段と、上記機器情報取得手段と、外部と近距離無線通信により情報を送受信するクレードル通信部と、を有し、制御対象である上記機器に接続されたクレードル部と、上記タッチパネルと、上記入力制御手段と、上記表示制御手段と、外部と近距離無線通信により情報を送受信するタブレット通信部と、を有し、上記クレードル部に着脱可能なタブレット部と、を備え、上記クレードル部と上記タブレット部とは、上記クレードル通信部および上記タブレット通信部を用いて、互いに情報を送受信する。
【0009】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係るプログラマブル表示器の制御方法は、外部と情報を送受信するクレードル通信部を有し、制御対象である上記機器に接続されたクレードル部と、外部と情報を送受信するタブレット通信部を有し、上記クレードル部に着脱可能なタブレット部と、を備えるプログラマブル表示器の制御方法であって、上記クレードル部が上記タブレット部と接続しているか否かを確認するための近距離無線信号である上記クレードル通信部からの確認信号を、上記タブレット通信部が受信する確認信号受信ステップと、上記タブレット通信部が、上記確認信号に対して応答するための上記近距離無線信号である応答信号を送信する応答信号送信ステップと、上記クレードル通信部および上記タブレット通信部が、近距離無線通信を用いて情報の送受信を開始する近距離無線通信開始ステップと、を含む。
【0010】
上記の構成によれば、本発明に係るプログラマブル表示器は、制御対象である機器に接続されたクレードル部と、タブレット部とに分離可能である。そして、クレードル部は主として機器の制御および機器からの情報の取得を行い、タブレット部はタッチパネルを備え、主として入力制御および表示制御を行う。
【0011】
これにより、ユーザは、制御したい機器に接続されたクレードル部に、タブレット部を接続することで、機器を制御することができる。つまり、機器の数だけ必要となるのはクレードル部のみであり、タブレット部は機器の数だけ用意する必要がない。よって、設備コストを抑えることができる。
【0012】
また、上記の構成によれば、タブレット部はクレードル部に着脱可能であるので、取り外して持ち運ぶことができる。これにより、機器が含まれる通信網から独立した情報処理装置と機器との間でデータの送受信を行う場合に、当該データをタブレット部に保存し、情報処理装置または機器(クレードル部)に接続すると自動的に、または、ユーザの操作によってデータの送受信を行うことができる。また、複数の機器にわたるチェックなどを行う場合は、各機器にタブレット部を接続し、必要なデータを出力、表示することでチェックが可能となる。
【0013】
以上より、実装時のコストを抑え、かつ、データの入出力における利便性を向上することのできるプログラマブル表示器を提供することができる。
【0014】
さらに、上記の構成によれば、本発明に係るプログラマブル表示器は、タブレット部およびクレードル部の間において、近距離無線通信を用いて互いに情報を送受信する。換言すれば、タブレット部とクレードル部とが近接していないと、情報の送受信を行えない構成である。これにより、機器から離れた位置からタブレット部を使用して不特定多数の人間が機器を制御することが不可能となるので、タブレット部とクレードル部とが分離可能なプログラマブル表示器において、安全性を高めることができる。
【0015】
本発明に係るプログラマブル表示器は、さらに、上記タブレット部は、外部から電力を取得する電力取得部と、外部からの電力の供給を検出する外部電源検出手段と、をさらに備え、上記タブレット通信部は、上記電力取得部が外部からの電力を取得したことを上記外部電源検出手段が検出したとき、上記近距離無線通信を開始することも可能である。
【0016】
上記の構成によれば、この場合、タブレット通信部は、外部からの電力によって動作し、近距離無線通信を開始する。これにより、タブレット通信部の消費電力を低減することができる。また、上記外部からの電力としては、クレードル部から供給される電力が挙げられる。すなわち、タブレット通信部は、タブレット部とクレードル部とが接続したときに動作する。これにより、クレードル通信部はタブレット通信部からの近距離無線通信を受信することができるので、タブレット部とクレードル部とは互いに情報を送受信することができる。
【0017】
本発明に係るプログラマブル表示器は、さらに、上記クレードル部は、外部に電力を供給する電力供給部と、上記機器の電源から上記電力供給部に供給する電力を制御する電力制御手段と、上記タブレット部との上記近距離無線通信による情報の送受信が可能か否かを判定する通信判定手段と、をさらに備え、上記通信判定手段が上記タブレット部との上記近距離無線通信による情報の送受信が可能であると判定したとき、上記電力制御手段は上記電力供給部に上記機器の電源からの電力を供給することが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、タブレット通信部とクレードル通信部との間の近距離無線通信が実行可能であるとクレードル部によって判定されたときに、電力供給部に上記機器の電源からの電力が供給される。これにより、タブレット部とクレードル部とが接続されているか否か、換言すれば、電力供給部が露出しているか否かを判定することができ、電力供給部が露出している場合には電力供給部に電力が供給されないので、電力供給部に液体が付着する可能性のある場所でも、ショートが発生する可能性を低減することができる。
【0019】
本発明に係るプログラマブル表示器は、さらに、上記タブレット通信部は、上記クレードル通信部から送信される信号を起電力として動作することが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、タブレット通信部は、クレードル通信部から送信される信号をうけたとき起動する。これにより、タブレット部の電源からの電力供給を受けることなく、近距離無線通信を実行することができる。
【0021】
本発明に係るプログラマブル表示器は、さらに、上記タブレット部は、上記タブレット部が有する機能を制限する機能制限手段と、上記ユーザを一意に識別するユーザ情報を記憶する記憶部と、上記記憶部に記憶されているユーザ情報と外部から入力されたユーザ情報とが一致するか否かを判定するユーザ情報判定手段と、をさらに備え、上記機能制限手段は、上記ユーザ情報判定手段が一致すると判定したとき、上記タブレット部が有する機能の制限を解除することが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、タブレット部が有する機能を制限することができ、記憶されているユーザ情報と、外部から入力されたユーザ情報とが一致した場合には、当該制限を解除する。これにより、タブレット部にユーザ情報を記憶しているユーザのみが、機能が制限されていないタブレット部を使用することができる。よって、不特定多数の人間が機器を制御したり、タブレット部を使用したりすることを防ぐことができる。また、登録されていないユーザによるタブレット部の盗難を防ぐことができる。
【0023】
本発明に係るプログラマブル表示器は、さらに、上記タブレット部は、所定の通信網による近距離無線通信以外の無線通信が可能か否かを判定する無線通信判定手段をさらに備え、上記機能制限手段は、上記無線通信判定手段が上記所定の通信網による無線通信が可能であると判定し、かつ上記ユーザ情報判定手段が一致すると判定したとき、上記タブレット部が有する機能の制限を解除することが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、タブレット部が有する機能の制限は、ユーザ情報の一致に加え、所定の通信網による無線通信(近距離無線通信を除く)が可能である場合に解除される。換言すれば、タブレット部が所定の通信網による無線通信が不可能である位置にある場合は、機能制限は解除されない。これにより、ユーザがタブレット部を持ち出したり、盗んだりしても機能制限が解除されたタブレット部を使用することができないので、持ち出しや盗難を防ぐことができる。
【0025】
本発明に係るプログラマブル表示器は、さらに、上記タブレット部は、自端末の位置情報を取得し、取得した上記位置情報が所定の範囲内に含まれるか否かを判定する位置情報判定手段をさらに備え、上記機能制限手段は、上記位置情報判定手段が上記所定の範囲内に含まれると判定し、かつ上記ユーザ情報判定手段が一致すると判定したとき、上記タブレット部が有する機能の制限を解除することが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、タブレット部が有する機能の制限は、ユーザ情報の一致に加え、タブレットの位置情報が所定の範囲内に含まれている場合に解除される。換言すれば、タブレット部が所定の範囲外にある場合は、機能制限は解除されない。これにより、ユーザがタブレット部を持ち出したり、盗んだりしても機能制限が解除されたタブレット部を使用することができないので、持ち出しや盗難を防ぐことができる。
【0027】
本発明に係るプログラマブル表示器は、さらに、上記タブレット部は、上記タッチパネルを有する面の反対側の面である裏面が金属であり、上記裏面に設けられた、鉤形状の第1接続部をさらに備え、上記クレードル部は、上記機器と接続されたとき上側の面となる面に設けられた凹形状の第2接続部と、上記タブレット部が上記クレードル部に装着されるとき、上記タブレット部の上記裏面と接触する面に設けられた磁石である第3接続部と、をさらに備え、上記クレードル部は、上記第2接続部に上記タブレット部の上記第1接続部が挿入され、上記第3接続部が上記タブレット部の上記裏面と接触することで上記タブレット部を固定することが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、第1接続部を第2接続部に挿入することによる固定と、タブレット部の背面と第3接続部とが接触することによる磁力による固定という2種類の固定方法によって固定される。よって、タブレット部とクレードル部とを、簡易かつ強固に接続することができる。また、凸形状を凹形状に挿入するという固定および磁石による固定であるため、簡単に分離することもできる。
【0029】
本発明の各態様に係るプログラマブル表示器は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記プログラマブル表示器が備える各手段として動作させることにより上記プログラマブル表示器をコンピュータにて実現させるプログラマブル表示器の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、実装時のコストを抑え、かつ、データの入出力における利便性を向上することのできるプログラマブル表示器を提供という効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各実施形態に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。また、各図面に記載した構成の形状、並びに、長さ、大きさおよび幅などの寸法は、実際の形状や寸法を反映させたものではなく、図面の明瞭化と簡略化のために適宜変更している。
【0033】
<実施形態1>
本発明の一実施形態において、
図1〜
図6に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0034】
〔制御システムの構成〕
まず、
図1を参照して、本発明に係る制御システム1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るプログラマブル表示器2を含む制御システム1の構成を示すブロック図である。
【0035】
図1に示すように、本実施形態に係る制御システム1は、プログラマブル表示器2と、プログラマブルロジックコントローラ5(以降、「PLC5」と称する)と、デバイス6と、を備えている。なお、デバイス6は複数であってもよい。
【0036】
〔PLCの構成〕
外部機器としてのPLC5は、入力ユニットを介して入力元のデバイス6の状態を取り込むとともに、出力ユニットを介して出力先のデバイス6に制御指示を与える。PLC5は、ユーザが作成したシーケンスプログラム(ラダープログラムなど)にしたがって、例えば、数十msなどの予め定められたスキャンタイムごとに上記の動作を行う。
【0037】
入力元のデバイス6としては、センサ(温度センサ、光センサなど)、スイッチ(押しボタンスイッチ、リミットスイッチ、圧力スイッチなど)のような機器が用いられる。出力先のデバイス6としては、アクチュエータ、リレー、電磁弁、表示器などが用いられる。これらのデバイス6は、製造ラインなどの各種のFA機器などの所要各部に配置されて、制御システム1の一部を構成している。
【0038】
なお、デバイス6は、後述するタッチパネル31からユーザによって入力されたデータを記憶するために設けられたデータメモリ431における特定の領域であってもよい。また、デバイス6は、PLC5内のメモリにおける特定の領域であってもよい。
【0039】
PLC5内のメモリ(デバイスメモリ)は、デバイス6の状態(デバイス6からの出力値やデバイス6への設定値)を示すデータ(ワードデータやビットデータ)を、デバイスアドレスで特定される領域に記憶している。上記メモリにおいて、ワードデバイスとビットデバイスとが設定される。ワードデバイスは、入出力されるデータが数値のようなワードデータを記憶する領域として設定され、ワードアドレス(デバイスアドレス)で指定される。また、ビットデバイスは、オン・オフ状態のようなビットデータを記憶する領域として設定され、ビットアドレス(デバイスアドレス)で指定される。これにより、デバイスアドレスを指定してメモリ内の任意のワードデバイスまたはビットデバイスにアクセスすることで、デバイス6を制御したり、デバイス6の状態に関するデータを個別に取り出したりすることができる。
【0040】
〔プログラマブル表示器の構成〕
(プログラマブル表示器の基本機能)
プログラマブル表示器2は、各機能を実現するHMI制御プログラムの命令を実行するCPU(Central Processing Unit)、HMI制御プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)、HMI制御プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)、HMI制御プログラムおよび各種データを格納するメモリなどの記憶装置(記録媒体)などを備えている。このプログラマブル表示器2は、ユーザが作成した入力操作および表示用の画像データを表示することにより、プログラマブル表示器特有の操作機能および表示機能を実現する専用コンピュータであり、HMI機器として好適に使用される。上記の画像データは、入力操作や表示動作に関する各種の処理を規定する処理規定情報を組み合わせて作成される。プログラマブル表示器2は、このような画像データに基づいて、デバイス6の状態を表示する動作や、入力操作に応じてデバイス6の状態を制御する動作を特定することができる。
【0041】
プログラマブル表示器2は、その通信機能によって、通信ケーブル50を介してPLC5と通信を行って、PLC5のメモリに記憶されている各デバイス6の状態をロギングデータまたはレポートデータとして取得し、例えば、後述の表示部312に各デバイス6の状態を表示する。また、プログラマブル表示器2は、その通信機能によって、後述の入力部311への入力操作に応じて、PLC5へレシピデータを含む制御指示などを送信する。
【0042】
なお、デバイス6の状態の取得/変更については、その都度指示してもよいし、取得/変更時には、プログラマブル表示器2内のメモリ空間(例えば、後述するデータメモリ431)へアクセスするとともに、所定の時間間隔毎や所定のイベント毎にPLC5と通信して、各々のアドレスが割り当てられた実態と同期をとってもよい。
【0043】
(プログラマブル表示器の各部の構成)
本実施形態に係るプログラマブル表示器2は、タブレット部3とクレードル部4とを備えている。すなわち、本実施形態に係るプログラマブル表示器2は、タブレット部3とクレードル部4とに分離可能な構成である。なお、タブレット部3およびクレードル部4の外観構成、また、タブレット部3とクレードル部4との着脱方法については後述する。そして、プログラマブル表示器2は、タブレット部3に、タッチパネル31、制御部32、記憶部33、NFC部34(タブレット通信部)、受電部35(電力取得部)、外部電源検出部36を備えている。また、プログラマブル表示器2は、クレードル部4に、入力部41、制御部42、記憶部43、NFC部44(クレードル通信部)、給電部45(電力供給部)、表示部46、インターフェース(I/F)部47を備えている。以下、プログラマブル表示器2の主要各部について説明する。
【0044】
(タブレット部の各部の構成)
タッチパネル31は、入力部311および表示部312から構成されている。入力部311は、ユーザがプログラマブル表示器2に指示信号を入力する入力デバイスである。入力部311は、指示体(ユーザの指など)の接触(接近も含む)を受け付けるタッチ面と、指示体とタッチ面との間の接触、および、それによる入力位置を検知するためのタッチセンサとで構成されている。タッチセンサは、指示体とタッチ面との接触/非接触を検知できればどのようなセンサで実現されても構わない。例えば、圧力センサ、静電容量センサ、光センサなどで実現される。具体的には、入力部311は、ユーザのタッチ操作によって生じた信号を、後述する入力処理部321に供給する。
【0045】
表示部312は、プログラマブル表示器2が処理する情報を表示する表示デバイスである。表示部312には、後述する表示処理部322によって処理された情報が表示される。例えば、表示部312には、デバイス6を制御するための操作を受け付ける操作画像が表示される。表示部312は、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)などの表示装置で構成される。
【0046】
制御部32は、取得した信号または情報に基づいて、主として入力部311にて入力された指示信号、または、表示部312に表示する情報を処理するものである。制御部32は、入力処理部321(入力制御手段)、表示処理部322(表示制御手段)、およびユーザ認証部323(機能制限手段、ユーザ情報判定手段)を含む。なお、制御部32は、タブレット部3を一般的なタブレット端末として使用するための各種部材を含んでいてもよい。
【0047】
入力処理部321は、入力部311が検出したユーザのタッチ操作に係る信号に基づいて判明した、タッチ操作の有無、および、タッチ位置の座標情報から、予め設定されている処理指定情報を特定する。そして、特定した処理指定情報をNFC部34に供給する。さらに、入力処理部321は、表示処理部322に判明したタッチ操作の有無、および、タッチ位置の座標情報を供給する。また、入力処理部321は、タッチ位置の座標情報を時系列で保持し、一定期間に亘って連続で入力されたタッチ操作の軌跡の座標情報を判別できる構成であってもよい。
【0048】
表示処理部322は、NFC部34または入力処理部321から供給された情報に基づいて、表示部312に表示する画像を生成するものである。具体的には、表示処理部322は、NFC部34または入力処理部321から情報を取得すると、取得した情報に基づいて、後述する記憶部33のデータメモリ331に記憶されているレシピデータ、画像メモリ332に記憶されている画像データ、および/または、NFC部34から供給されたデバイス6の状態を示すデータ(ロギングデータ、レポートデータ)を取得し、表示部312に表示する画像(データ画像)を生成する。そして、生成した画像を表示部312に表示させる。または、表示処理部322は、後述する記憶部33の画像メモリ332に記憶されている画像データを取得し、上記操作画像を生成する。
【0049】
ユーザ認証部323は、タブレット部3の各部の機能を制限するものである。また、ユーザ認証部323は、ユーザが入力した情報に基づいてユーザを特定するものである。具体的には、ユーザ認証部323は、ユーザが認証のためにタブレット部3に入力した情報を取得すると、後述する記憶部のユーザメモリ333において、取得した情報と一致する情報を検索する。そして、一致する情報が取得できた場合、タブレット部3における各部の機能制限を解除する。一方、一致する情報が取得できなかった場合、タブレット部3における各部の機能制限を維持する。また、タブレット部3とクレードル部4が接続されている場合、すなわち、両者がプログラマブル表示器2として機能している場合は、上記一致する情報が取得できたとき、タブレット部3およびクレードル部4における各部の機能制限を解除し、プログラマブル表示器2を使用可能とする。なお、タブレット部3およびクレードル部4における各部の機能制限は具体的に限定されるものではなく、タブレット部3およびプログラマブル表示器2が使用される状況等に応じて、適宜決定されればよい。また、ユーザ認証の情報の入力方法についても、特に限定されるものではない。例えば、タッチパネル31を介したパスワードの入力であってもよいし、図示しない読取部を介したIDの読み取りであってもよい。
【0050】
NFCデータ特定部324は、後述するデータメモリ331に記憶されたデータ(例えばレシピデータ)のうち、タブレット部3が接続されたクレードル部4(デバイス6)に送信するデータを特定するものである。具体的には、NFCデータ特定部324は、NFC部34がクレードル部4から取得した、クレードル部4またはデバイス6を一意に識別するための情報(ID)を供給されると、データメモリ331から、当該IDと一致するIDを有するデータを読み出す。そして、読み出したデータをNFC部34に供給する。これにより、タブレット部3をクレードル部4に接続するだけで、タブレット部3に記憶された複数のデータから、接続されたクレードル部4(デバイス6)に送信すべきデータを自動的に特定することができる。
【0051】
なお、送信するデータの特定は、ユーザがタッチパネル31を操作することで行われてもよい。
【0052】
記憶部33は、各種データを非一時的、または一時的に記憶するものである。記憶部33は、データメモリ331、画像メモリ332、ユーザメモリ333、および作業メモリ334を含む。なお、記憶部33は、タブレット部3を一般的なタブレット端末として使用するための各種データを記憶していてもよい。
【0053】
データメモリ331は、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)によって構成されており、プログラマブル表示器2の外部または内部で発生した各種データを記憶している。データメモリ331は、このように異なる種類のデータを記憶することから、必ずしも単一のメモリで構成される必要はなく、データの種類に応じて異なる種類のメモリで構成されたり、同一のメモリであっても、データの種類に応じて記憶領域を異ならせたりすることが好ましい。
【0054】
上記のデータとしては、ロギングデータ、レポートデータ、およびレシピデータが挙げられる。ロギングデータは、PLC5がデバイス6から得たデータやプログラマブル表示器2の内部で発生したデータであり、発生時間とともにデータメモリ331に蓄えられていく。レポートデータは、ロギングデータに基づいて作成されたデータであり、所定の条件で抽出した結果を表示するものである。レシピデータは、上述したように、プログラマブル表示器2の外部から供給されるデータであり、例えば、USBメモリを介してプログラマブル表示器2に供給される。なお、レシピデータには、どのデバイス6に対するレシピデータかを一意に特定するためのIDが予め付与されている。
【0055】
画像メモリ332は、画像ファイルなどを記憶するためのメモリであり、FEPROM(Flash Erasable and Programmable ROM)が用いられる。画像ファイルは、プログラマブル表示器2に表示される1つ以上の画像(1フレーム分の画像データによって構成される単位画像)のデータをまとめたファイルである。画像ファイルは、通常、デバイス6を含む制御システム1や、制御システム1で製造される製品等に応じた一連の関連する複数の画像データからなる、ひとまとまりのプロジェクトファイルとして用意される。
【0056】
また、画像データは、画像作成ソフトウェアによって作成され、ベース画像上に部品画像が配置されたり、図形が描画されたり、テキストが記載されたりして構成されている。部品画像としては、スイッチ(オン・オフスイッチ、切替スイッチ、押しボタンスイッチなど)、ランプ、テンキー、各種表示部品(例えば、数値表示部品、メータ表示部品、グラフ表示部品、アラーム表示部品など)などが画像作成ソフトウェアに用意されている。部品画像には、その機能を実現するための処理内容が前述の処理規定情報として設定されている。例えば、スイッチの部品画像には、タッチ操作されると、所望のビットアドレスで指定されるビットデバイスの値を“0”と“1”との間で書き換えるという処理内容を規定した処理規定情報が、画像作成ソフトウェアによって予め設定されている。
【0057】
ユーザメモリ333は、プログラマブル表示器2およびタブレット部3を使用するユーザを一義的に特定するための情報を記憶するためのメモリである。また、作業メモリ334は、表示処理などの演算処理時の作業用に用いられる。
【0058】
NFC部34は、近距離無線通信(near field communication、以降、「NFC」と呼称する場合もある)により情報を送受信する通信デバイスである。NFC部34は、後述する給電部45を介して、クレードル部4から供給される電力により動作する。NFC部34は、近距離無線通信により、後述するクレードル部4のNFC部44から、上述したロギングデータやレポートデータなどを受信する。そして、NFC部34は、受信した各種データを制御部32に供給したり、記憶部33に記憶したりする。また、NFC部34は、NFC部44に、上述したレシピデータを送信したり、ユーザのタッチ操作による処理指定情報を送信したりする。
【0059】
受電部35は、タブレット部3の外部から電力を受け取るためのものである。具体的には、受電部35は、後述するクレードル部4の給電部45から電力を受け取り、タブレット部3の各部(例えばNFC部34など)に供給する。なお、受電部35は、給電部45と端子によって接続される構成を想定しているが、この構成に限定されるものではない。
【0060】
外部電源検出部36(外部電源検出手段)は、タブレット部3の外部から電力が供給されたことを検出するためのものである。具体的には、外部電源検出部36は、受電部35が外部から電力を受け取ったことを検出し、その電力をNFC部34に供給する。なお、外部電源検出部36は、例えば、外部電源を検出するための回路として構成される。
【0061】
以上より、タブレット部3は、プログラマブル表示器2の各種機能のうち、主として入力および表示に係る機能を備えている。
【0062】
(クレードル部の各部の構成)
入力部41は、ユーザがプログラマブル表示器2に指示信号を入力する入力デバイスである。入力部41は、デバイス6の簡易的な操作(RUN/STOPなどの単純な操作)を行うためのものであることが好ましい。これにより、タブレット部3が手元にないときに、デバイス6を操作することができる。入力部41は、具体的には、緊急時にデバイス6を停止したり動作させたりすることができる。例えば物理キーであってもよいし、タッチパネルであってもよい。または、その両方を備えていてもよい。なお、クレードル部4は、入力部41を備えない構成としてもよい。
【0063】
制御部42は、主として、タブレット部3から供給された情報に基づいてPLC5にデバイス6の制御指示を与え、また、PLC5からデバイス6の状態に関する情報を取得するものである。制御部42は、デバイス制御部421(機器制御手段)、デバイス情報取得部422(機器情報取得手段)、およびユーザ認証部423を含む。
【0064】
デバイス制御部421は、デバイス6を制御するものである。具体的には、デバイス制御部421は、NFC部44から供給された処理指定情報に基づいて、PLC5と通信することによってデバイス6を制御する。また、デバイス制御部421は、NFC部44から供給されたレシピデータを確認し、必要に応じて確認したレシピデータをPLC5に転送する。このとき、デバイス制御部421は、後述するアドレス設定ファイルを参照して、レシピデータをPLC5に書き込む。具体的には、デバイス制御部421は、アドレス設定ファイルで設定されたデータ形式の複数のデータを、NFC部44から供給されたレシピデータから読み出して、アドレス設定ファイルで設定されたPLC5のアドレス(デバイスアドレス)に書き込む。
【0065】
デバイス情報取得部422は、デバイス6の状態(稼働状況)に関する情報を取得するものである。具体的には、デバイス情報取得部422は、所定の時間間隔毎や所定のイベント毎にPLC5と通信することによって、PLC5のデバイスメモリから、PLC5に接続されたデバイス6の状態を状態データとして取得する。そして、デバイス情報取得部422は、取得した状態データをNFC部44に供給する。なお、デバイス情報取得部422は、取得した状態データを記憶部43に記憶してもよいし、タブレット部3とクレードル部4とが接続されていない場合は、取得した状態データを表示部46に表示させてもよい。
【0066】
ユーザ認証部423は、クレードル部4の各部の機能を制限するものである。また、ユーザ認証部423は、ユーザが入力した情報に基づいてユーザを特定するものである。具体的には、ユーザ認証部423は、ユーザが認証のためにクレードル部4に入力した情報を取得すると、後述する記憶部のユーザメモリ433において、取得した情報と一致する情報を検索する。そして、一致する情報が取得できた場合、クレードル部4における各部の機能制限を解除する。一方、一致する情報が取得できなかった場合、クレードル部4における各部の機能制限を維持する。なお、クレードル部4における各部の機能制限は具体的に限定されるものではなく、クレードル部4およびプログラマブル表示器2が使用される状況等に応じて、適宜決定されればよい。また、ユーザ認証の情報の入力方法についても、特に限定されるものではない。例えば、タッチパネル31を介したパスワードの入力であってもよいし、図示しない読取部を介したユーザIDの読み取りであってもよい。
【0067】
記憶部43は、各種データを非一時的、または一時的に記憶するものである。記憶部43は、データメモリ431、設定メモリ432、ユーザメモリ433、および作業メモリ434を含む。
【0068】
データメモリ431は、SRAMやDRAMによって構成されており、プログラマブル表示器2の外部または内部で発生した各種データを記憶している。データメモリ431は、このように異なる種類のデータを記憶することから、必ずしも単一のメモリで構成される必要はなく、データの種類に応じて異なる種類のメモリで構成されたり、同一のメモリであっても、データの種類に応じて記憶領域を異ならせたりすることが好ましい。上記のデータとしては、上述したロギングデータ、レポートデータ、およびレシピデータが挙げられる。
【0069】
設定メモリ432は、アドレス設定ファイルを記憶している。このアドレス設定ファイルは、デバイス制御部421が、ロギングデータやレポートデータの読み出し、および、レシピデータの書き込みをPLC5に指示するときに参照され、ロギングデータ、レポートデータ、およびレシピデータの読み書きを行うデバイスアドレスや、ロギングデータ、レポートデータ、およびレシピデータに関する各種の情報が設定されている。また、設定メモリ432は、クレードル部4またはデバイス6を一意に識別するための情報(ID)を記憶してもよい。
【0070】
ユーザメモリ433は、クレードル部4を使用するユーザを一義的に特定するための情報を記憶するためのメモリである。また、作業メモリ434は、PLC5との間でやり取りされるデータの一時的な記憶に用いられる。
【0071】
なお、上述した記憶部33および記憶部43の各種メモリに記憶されるデータは一例であり、上述した例に限定されるものではない。例えば、タブレット部3の記憶部33に設定メモリがあってもよいし、クレードル部4の記憶部43に画像メモリがあってもよい。
【0072】
NFC部44は、NFC部34と同様に、近距離無線通信により情報を送受信する通信デバイスである。NFC部44は、クレードル部4に電力を供給する、図示しないFA機器内の電源部からの電力によって動作する。NFC部44は、近距離無線通信により、NFC部34からレシピデータや処理指定情報を受信する。また、NFC部44は、近距離無線通信により、ロギングデータやレポートデータをNFC部34に送信する。さらに、NFC部44は、タブレット部3がクレードル部4に接続されているか否かを確認するために、定期的にポーリング用のNFC信号を出力している。つまり、タブレット部3がクレードル部4に接続されている場合、当該ポーリング用のNFC信号に対して、NFC部34からの応答信号が出力される。これにより、NFC部34とNFC部44との近距離無線通信による情報の送受信を行うことができる。
【0073】
給電部45は、クレードル部4の外部に電力を供給するものである。具体的には、給電部45は、図示しないFA機器内の電源部から電力を受け取り、クレードル部4と接続されているタブレット部3の受電部35に供給する。なお、給電部45は、受電部35と端子によって接続される構成を想定しているが、この構成に限定されるものではない。
【0074】
表示部46は、プログラマブル表示器2が処理する情報を表示する表示デバイスである。具体的には、表示部46は、タブレット部3とクレードル部4とが接続されていない場合に、デバイス情報取得部422が取得したデバイス6の状態データを表示する。なお、クレードル部4は、表示部46を備えない構成としてもよい。
【0075】
インターフェース部47は、プログラマブル表示器2がPLC5との間の通信を行うための通信制御部である。このインターフェース部47は、PLC5のメーカや機種に応じて、シリアル通信、USB通信、またはネットワーク通信を行うように構成されている。
【0076】
〔タブレット部およびクレードル部の外観構成〕
次に、
図2および3を参照して、タブレット部3およびクレードル部4の外観構成について説明する。
図2はタブレット部3の外観を示す概略図であり、
図3はクレードル部4の外観を示す概略図である。
【0077】
まず、タブレット部3の外観について説明する。なお、
図2に示すタブレット部3の外観は一例であり、以下に示す部材以外の部材が備えられていてもよい。例えば、USBコネクタなどが備えられていてもよい。
図2の(a)に示すように、タブレット部3は、その一面にタッチパネル31を備える。なお、以降、タブレット部3におけるタッチパネル31を有する面を、タブレット部3の「正面」と呼称する。
【0078】
また、
図2の(b)に示すように、タブレット部3は、上記正面の反対側の面(裏面)に、受電部35、電源スイッチ37、およびフック38(第1接続部)を備える。なお、以降、タブレット部3における上記正面の反対側の面を、タブレット部3の「背面」と呼称する。
【0079】
受電部35は、
図2の(b)では端子として構成されている。受電部35は、タブレット部3とクレードル部4とを接続したとき、給電部45と接続される位置に配置される。なお、受電部35を端子として示したのは一例であり、この構成に限定されるものではない。また、電源スイッチ37は、タブレット部3に電力を供給し、タブレット部3を動作可能とするためのスイッチである。
【0080】
フック38は、
図2の(c)に示すような鉤形状の部材である。また、フック38は、
図2の(c)に示すようにヒンジを有していてもよい。すなわち、
図2の(c)に示すフック38は、背面と平行な部分がヒンジを中心に回転可能な構成となっている。
【0081】
続いて、クレードル部4の外観について説明する。なお、
図3に示すクレードル部4の外観は一例であり、以下に示す部材以外の部材が備えられていてもよい。例えば、機器を操作するための物理キーなどが備えられていてもよい。
【0082】
図3の(a)に示すように、クレードル部4は、その一面に表示部46を備える。なお、以降、クレードル部4における表示部46を有する面を、クレードル部4の「正面」と呼称する。また、クレードル部4は、その正面に給電部45および磁石49(第3接続部)を備える。
【0083】
給電部45は、
図3の(a)では端子として構成されている。給電部45は、タブレット部3とクレードル部4とを接続したとき、受電部35と接続される位置に配置される。なお、給電部45を端子として示したのは一例であり、この構成に限定されるものではない。
【0084】
磁石49は、タブレット部3の背面と接触したとき、磁力によってタブレット部3とクレードル部4との接続を維持する。すなわち、タブレット部3の背面は、磁石にひきつけられる金属で構成されている。なお、磁石49は、タブレット部3とクレードル部4との着脱が可能となるものであれば、その種類および材質は特に限定されない。
【0085】
また、
図3の(b)に示すように、クレードル部4は、デバイス6に接続されたときに上側の面となる面に、凹部48(第2接続部)を備える。なお、以降、クレードル部4における、デバイス6に接続されたときに上側の面となる面を、クレードル部4の「上面」と呼称する。
【0086】
凹部48は、矩形状の窪みである。具体的には、タブレット部3のフック38が挿入される窪みである。すなわち、
図3の(b)では矩形状であるが、これは一例であり、フック38が挿入可能であればその形状、並びに、大きさおよび深さなどの寸法は特に限定されるものではない。
【0087】
なお、
図3の(a)に示すように、タブレット部3とクレードル部4とが接続されることで、クレードル部4の正面がタブレット部3によって完全に隠れてもよい。例えば、クレードル部4の正面の面積は、タブレット部3が後述の接続方法で接続できる程度であればよく、これにより、デバイス6においてクレードル部4が占める面積を小さくすることができる。
【0088】
〔タブレット部とクレードル部との接続方法〕
次に、
図4を参照して、タブレット部3とクレードル部4との装着方法について説明する。
図4は、タブレット部3とクレードル部4との接続の流れを示す遷移図である。まず、
図4の(a)に示すように、タブレット部3のフック38をクレードル部4の凹部48に挿入する。このとき、フック38を挿入しやすいように、フック38における端部(凹部48に挿入される部分)を、タブレット部3の筐体から離れる方向に回転させておくことが好ましい。次に、
図4の(b)に示すように、タブレット部3の筐体をクレードル部4の方向に押す。これにより、
図4の(c)に示すように、タブレット部3の背面とクレードル部4の磁石49が接触し、磁力によって固定される。
【0089】
以上より、本実施形態に係るタブレット部3とクレードル部4との接続は、フック38を凹部48に挿入することによる固定と、タブレット部3の背面と磁石49とを接触させることによる磁力での固定という、2つの固定方法での接続である。これにより、タブレット部3とクレードル部4とを簡易かつ強固に接続することができる。
【0090】
また、タブレット部3とクレードル部4との分離方法は、まず、タブレット部3の筐体をクレードル部4から離れる方向に引っ張ることでタブレット部3の背面と磁石49との磁力による固定を外す。次に、タブレット部3を上方向に持ち上げることで、凹部48からフック38を抜去する。以上により、簡易な方法でタブレット部3とクレードル部4とを分離することができる。
【0091】
〔タブレット部およびクレードル部単体での使用〕
次に、タブレット部3およびクレードル部4単体での使用について説明する。まず、タブレット部3は、クレードル部4と分離することで、一般的なタブレット端末としての使用が可能である。このとき、タブレット部3は、図示しない電源部(電池)によって動作する。なお、セキュリティの観点から、タブレット部3は限られたユーザ(工場の工員など)のみ使用できることが好ましい。このため、タブレット部3はユーザ認証を行うことができてもよい。ユーザ認証の方法は特に限定されず、例えば、パスワードの入力であってもよいし、近距離無線通信によるユーザIDの読み取りであってもよい。
【0092】
また、クレードル部4がPLC5から取得した情報を、タブレット部3の記憶部33に記憶することで、別の情報処理装置に記憶した情報を移動させることが可能となる。
【0093】
ここで、PLC5から取得した情報を別の情報処理装置に移動させる一例として、事務用のパソコンへ情報を移動させる場合について説明する。一般的に、事務用のパソコンは、FA機器などが設置されている場所(工場など)とは別の場所に設置されていることが多い。また、事務用のパソコンは、セキュリティおよび安全性の観点から、工場内の通信網(LANなど)から独立していることが多い。そのため、従来のようにプログラマブル表示器がFA機器などに設置されていると、プログラマブル表示器から取得した情報を事務用のパソコンで処理する場合、USBメモリなどを介して情報の入出力を行わなければならず、利便性を損なうという問題があった。
【0094】
一方、本実施形態に係るプログラマブル表示器2の場合、タブレット部3の記憶部にロギングデータやレポートデータなどの情報を記憶し、タブレット部3をクレードル部4から分離すれば、事務用のパソコンが設置された場所までタブレット部3を持ち運ぶことができる。そして、タブレット部3を事務用のパソコンに接続すれば、記憶している情報を事務用のパソコンに移動させることができる。
【0095】
図5は、タブレット部3を事務用のパソコンに接続するときに使用する、事務用クレードル40の外観を示す概略図である。
図5の(a)に示すように、事務用クレードル40は、タブレット部3の背面と接触する面に給電部405、磁石409を備えている。なお、以降、事務用クレードル40におけるタブレット部3の背面と接触する面を、事務用クレードル40の「正面」と呼称する。また、給電部405および磁石409はそれぞれ、クレードル部4の給電部45および磁石49と同様であるため、その説明を省略する。
【0096】
また、事務用クレードル40は、設置したときに上側の面となる面(以降、事務用クレードル40の「上面」と呼称する)に、凹部408を備えている。なお、凹部408は、クレードル部4の凹部48と同様であるため、その説明を省略する。
【0097】
つまり、上述したタブレット部3とクレードル部4との接続方法と同様の方法で、タブレット部3とクレードル部4とが
図5の(b)に示すように接続される。これにより、通信ケーブル400を介して、タブレット部3と事務用のパソコンとの通信を行うことができる。よって、タブレット部3からロギングデータやレポートデータを取得したり、事務用のパソコンで作成したレシピデータをタブレット部3に記憶したりすることができる。
【0098】
なお、タブレット部3と事務用のパソコンなどの情報処理装置との接続は、上記の例に限定されるものではない。例えば、タブレット部3と情報処理装置とをUSB接続で直接接続してもよい。ただし、事務用クレードル40を用いることで、事務用のパソコンとタブレット部3とを接続するとき、ユーザがタブレット部3を把持する必要が無くなるというメリットがある。
【0099】
さらに、タブレット部3とクレードル部4とが分離できるので、FA機器などの数だけ必要なクレードル部4に対して、必要なタブレット部3の数は少なくてよい。例えば、1つのタブレット部3を用いて、異なる複数のデバイスに対してそれぞれのデバイスに対応するレシピデータを送信したり、異なる複数のデバイスから取得したロギングデータやレポートデータを1つのタブレット部3に記憶したりすることができる。
【0100】
次に、クレードル部4単体での使用について説明する。クレードル部4は上述したように、単体でデバイス6の簡易的な状態の表示、および、デバイス6の簡易的な操作を行うことができる。簡易的な操作とは、具体的にはデバイス6の停止や起動などである。これにより、緊急時などのデバイス6を停止すべき状況において、タブレット部3が手元にない場合でも、デバイス6を停止させることができる。また、クレードル部4によるデバイス6の操作は、限られたユーザのみ行うことができる構成であることが好ましい。このため、クレードル部4はユーザ認証を行うことができてもよい。ユーザ認証の方法は特に限定されず、例えば、パスワードの入力であってもよいし、近距離無線通信によるユーザIDの読み取りであってもよい。
【0101】
〔プログラマブル表示器における処理の流れ〕
次に、
図6を参照して、本実施形態に係るプログラマブル表示器2における処理の流れについて説明する。
図6は、タブレット部3における接続検出処理の流れを示すフローチャートである。
【0102】
まず、タブレット部3が起動しているとき(S1でYES)、外部電源検出部36は、外部からタブレットへ電力が供給されているか否かを判定する(S2)。具体的には、外部電源検出部36は、給電部45から受電部35への電力の供給を検出する。ここで、外部電源検出部36が給電部45から受電部35への電力の供給を検出したとき(S2でYES)、外部電源検出部36は、NFC部34へ電力を供給する。これにより、NFC部34が起動するとともに、タブレット部3とクレードル部4の接続が検出されたこととなる。
【0103】
次に、起動したNFC部34は、NFC部44から送信される確認信号を受信したとき(S3でYES、確認信号受信ステップ)、上記確認信号に対する応答信号をNFC部44に送信する(S4、応答信号送信ステップ)。ここで、確認信号とはNFC部44が送信する近距離無線信号であり、クレードル部4がタブレット部3と接続しているか否かを確認するために送信される信号である。この確認信号と応答信号の授受によって、クレー―ドル部4は、タブレット部3と接続したことを判断することができる。最後に、NFC部34とNFC部44との間で、情報の送受信が開始される(S5、近距離無線通信開始ステップ)。
【0104】
〔実施形態1に係る発明の作用効果〕
以上より、本実施形態に係るプログラマブル表示器2は、制御対象であるFA機器などに接続されたクレードル部4と、クレードル部4に着脱可能なタブレット部3とを備えている。これにより、FA機器などの数だけ必要なのはクレードル部4のみとなり、タブレット部3は、FA機器などの数だけ用意する必要がない。よって、設備コストを抑えることができる。
【0105】
また、タブレット部3は持ち運ぶことが可能であるので、FA機器などが含まれる通信網から独立した情報処理装置とFA機器などとの間でデータの送受信を行う場合は、当該データを情報処理装置からタブレット部3に送信したのち、タブレット部3をクレードル部4に接続する、または、デバイス6から取得したデータをタブレット部3に記憶したのち、クレードル部4から分離し、情報処理装置に接続するだけでよい。
【0106】
さらに、デバイス6から取得したデータをタブレット部3に記憶して持ち運べるので、複数のFA機器などにわたるチェックを行う場合は、各FA機器などに設置されたクレードル部4にタブレット部3を接続し、必要なデータを取得するだけでよい。これにより、チェックにおける人為的なミスが発生する可能性を低減することができる。以上より、データの入出力における利便性を向上することができる。
【0107】
また、タブレット部3とクレードル部4とは、それぞれNFC部34とNFC部44とによる近距離無線通信によって各種情報の送受信を行う。換言すれば、タブレット部3とクレードル部4とが近接していないと、情報の送受信を行えない構成である。これにより、FA機器などから離れた位置にいるユーザがタブレット部3を使用してデバイス6を制御することが不可能となるので、タブレット部3とクレードル部4とが分離可能なプログラマブル表示器2において、安全性を高めることができる。
【0108】
また、NFC部34は、クレードル部4と接続したとき、タブレット部3の図示しない電源部(内部電池)に代わって、クレードル部4からタブレット部3に供給された電力によって動作する。さらに言えば、外部電源検出部36がクレードル部4から供給された電力を検出することによって、NFC部34に電力が供給され、NFC部44との近距離無線通信が開始される。これにより、NFC部34は、タブレット部3がクレードル部4に接続されたときのみ動作する。そして、クレードル部4から供給した電力でNFC部34が動作し、NFC部44との通信が開始されることで、クレードル部4は、タブレット部3と接続されたことを認識することができる。また、タブレット部3の消費電力を低減することができる。
【0109】
また、ユーザ認証部323は、タブレット部3(タブレット部3とクレードル部4とが接続されている場合は、プログラマブル表示器2)が有する機能を制限することができる。さらに、ユーザ認証部423は、クレードル部4が有する機能を制限することができる。また、ユーザ認証部323およびユーザ認証部423はそれぞれ、外部から入力されたユーザ情報と、ユーザメモリ333およびユーザメモリ433に記憶されているユーザ情報とが一致する場合に、上記制限を解除する。これにより、登録されたユーザのみが、タブレット部3、クレードル部4、およびこれらが接続した場合のプログラマブル表示器2を使用することができる。よって、不特定多数の人間がデバイス6を制御したり、タブレット部3を使用したりすることを防ぐことができる。
【0110】
また、タブレット部3は、その背面が金属であり、背面に鉤形状のフック38を備えている。一方、クレードル部4は、その上面に凹形状の凹部48を備え、その正面に磁石である磁石49を備えている。これにより、フック38を凹部48に挿入することによる固定と、タブレット部3の背面と磁石49とが接触することによる磁力による固定という2種類の固定方法によって固定される。よって、タブレット部3とクレードル部4とを、簡易かつ強固に接続することができる。また、凸形状を凹形状に挿入するという固定および磁石による固定であるため、簡単に分離することもできる。
【0111】
〔実施形態1の変形例〕
次に、実施形態1の変形例について説明する。本変形例では、タブレット部3の受電部35およびクレードル部4の給電部45が、ワイヤレス給電を行うように構成されている。つまり、タブレット部3とクレードル部4とが接続されたとき、クレードル部4からタブレット部3に、無線通信によって電力を供給する。
【0112】
これにより、受電部35および給電部45は、端子が露出しない構成となる。そのため、後述する実施形態2で説明する、実施形態1における「給電部45に、常に電力が供給されている」構成によって生じる問題が発生しないというメリットがある。
【0113】
<実施形態2>
本発明の他の実施形態について、
図7および
図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、給電部45に防滴処理を施したプログラマブル表示器21について説明する。
【0114】
実施形態1における受電部35および給電部45が端子である場合、タブレット部3とクレードル部4とが分離していると、給電部45は露出することとなる。また、実施形態1の構成では、給電部45には常に電力が供給されている。ここで、食品や薬品などの製造工場では、FA機器などに液体が降りかかることが頻繁にあり、その際に、電力が供給されている給電部45に液体が付着すると、ショートの原因となる。
【0115】
そこで、本実施形態のプログラマブル表示器21は、クレードル部8にタブレット部7が接続されたときのみ、給電部45に電力を供給する構成である。これにより、給電部45が露出しているときは給電部45に電力が供給されないので、ショートが発生する可能性を低減することができる。ここで、クレードル部8にタブレット部7が接続されたか否かを判定するために、NFC部34とNFC部44との間の近距離無線通信が実行可能か否かを判定する。なお、この詳細については後述する。
【0116】
〔プログラマブル表示器の構成〕
次に、
図7を参照して、プログラマブル表示器21の構成について説明する。
図7は、本実施形態に係るプログラマブル表示器21を含む制御システム1の構成を示すブロック図である。
【0117】
本実施形態のタブレット部7は、電源部71を含む。電源部71は電池であり、タブレット部7を動作させるための電力を供給する。すなわち、本実施形態のNFC部34は、タブレット部7の電源部71からの電力で起動する構成である。なお、NFC部34は、タブレット部7とクレードル部8との接続後は、給電部45から供給された電力で動作する構成であってもよい。これにより、タブレット部7とクレードル部8との接続を確認するための近距離無線通信以外は、クレードル部8から供給される電力でNFC部34が動作するので、タブレット部7の消費電力を低減することができる。また、本実施形態のタブレット部7は、実施形態1のタブレット部3が備えていた外部電源検出部36を省略することができる。
【0118】
本実施形態のクレードル部8は、給電判定部81(電力制御手段、通信判定手段)を含む。給電判定部81は、タブレット部3との近距離無線通信による情報の送受信が可能か否かを判定し、上記情報の送受信が可能である場合に、給電部45に電力を供給するものである。具体的には、給電判定部81は、NFC部34からの応答信号があった旨を示す情報を、NFC部44から供給されると、図示しないFA機器などの電源部からの電力を給電部45に供給する。これにより、NFC部34とNFC部44との近距離無線通信が実行不可能である場合、すなわち、タブレット部7とクレードル部8とが接続されていない場合は、給電部45に電力が供給されないのでショートが発生する可能性を低減することができる。
【0119】
〔プログラマブル表示器における処理の流れ〕
次に、
図8を参照して、本実施形態に係るプログラマブル表示器21における処理の流れについて説明する。
図8は、クレードル部8における接続検出処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図8は、給電部45への電力供給が停止している状態での接続検出処理の流れを示している。
【0120】
まず、NFC部44は、ポーリングを実施するタイミングとなったとき(S11でYES)、ポーリング信号(近距離無線信号)を送信する(S12)。なお、ポーリングを実施するタイミングか否かは、図示しないタイマで、例えば数msといった所定の周期を測定することで判定してもよい。
【0121】
続いて、NFC部44が、タブレット部7のNFC部34からの応答信号を受信したとき(S13でYES)、その旨を示すNFC可能情報を給電判定部81に供給する。そして、給電判定部81は上記NFC可能情報を供給されると、図示しない電源部から給電部45へ電力を供給する(S14)。
【0122】
続いて、NFC部44は、再びポーリングを実施するタイミングとなったとき(S15でYES)、ポーリング信号(近距離無線信号)を送信する(S16)。そして、NFC部44が、タブレット部7のNFC部34からの応答信号を受信したとき(S17でYES)、ステップS15に戻る。一方、タブレット部7のNFC部34からの応答信号を受信しなかったとき(S17でNO)、換言すれば、タブレット部7がクレードル部8から分離されたとき、その旨を示すNFC不可能情報を給電判定部81に供給する。そして、給電判定部81は上記NFC不可能情報を供給されると、図示しない電源部から給電部45へ電力供給を停止する(S18)。
【0123】
〔実施形態2に係る発明の作用効果〕
以上より、本実施形態に係るプログラマブル表示器21は、NFC部34とNFC部44との間の近距離無線通信が実行可能であると判定されたときに、給電部45に電力が供給される。これにより、タブレット部7とクレードル部8とが接続されているか否か、換言すれば、給電部45が露出しているか否かを判定することができ、給電部45が露出している場合は給電部45に電力が供給されないので、給電部45に液体が付着する可能性のある場所でも、ショートが発生する可能性を低減することができる。
【0124】
〔実施形態2の変形例〕
次に、実施形態2の変形例について、
図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本変形例に係るプログラマブル表示器22のタブレット部70において、NFC部34は、NFC部44が出力する信号を起電力として動作する構成である。すなわち、上述した実施形態2と異なり、NFC部34は、
図9に図示していない電源部(電池)から電力を供給されない。具体的には、NFC部34は、NFC部44が出力するポーリング信号(近距離無線信号)を受信したとき、当該信号によって起動される。そして、NFC部34は、上記ポーリング信号に対する応答信号をNFC部44に送信する。NFC部44が上記応答信号を受信したとき、上述した実施形態2と同様に、その旨を示すNFC可能情報を給電判定部81に供給する。そして、給電判定部81は上記NFC可能情報を供給されると、図示しない電源部から給電部45へ電力を供給する。
【0125】
これにより、タブレット部70の電源部からの電力供給を受けることなく、NFC通信を実行することができる。
【0126】
〔実施形態1および2に共通の変形例〕
次に、実施形態1および2に共通の変形例について、
図10および
図11に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0127】
本発明に係るプログラマブル表示器は、上述した実施形態1および2の構成、すなわち、給電部45に常に電力を供給する構成と、NFC部34とNFC部44との近距離無線通信が実行可能であるときのみ給電部45に電力を供給する構成と、を切り替え可能であってもよい。この切り替えは、例えば、図示しないスイッチによって行われてもよい。
【0128】
また、
図10に示すように、本発明に係るプログラマブル表示器23のタブレット部9は、無線通信部91(無線通信判定手段)を備えていてもよい。無線通信部91は、無線LAN(local area network)を検出して無線通信を実行する通信デバイスである。また、無線通信部91は、所定の無線LAN(例えば、工場の敷地内で使用可能である無線LAN)を検出できるか否かを判定してもよい。そして、検出できない場合は、ユーザ認証部323が、タブレット部9が有する機能を制限してもよい。これにより、ユーザが工場の敷地外にタブレット部9を持ち出し、使用するといった状況や、タブレット部3の盗難を防ぐことができる。また、上記無線LANは、例えばWi−Fi(Wireless Fidelity、登録商標)であってもよい。
【0129】
なお、無線通信部91が所定の無線LANを検出し、かつ、ユーザ認証部323が、ユーザが認証のためにタブレット部9に入力した情報と一致する情報をユーザメモリ333から取得した場合に、ユーザ認証部323は、機能制限を解除してもよい。
【0130】
また、無線通信部91は、無線通信を実行する機能を備えず、所定の無線LANを検出できるか否かを判定する機能のみを備えていてもよい。さらに、無線通信部91が検出するのは無線LANに限定されず、例えば、WAN(wide area network)であってもよい。
【0131】
さらに、
図11に示すように、本発明に係るプログラマブル表示器24のタブレット部90は、GPS92(位置情報判定手段)を備えていてもよい。GPS92は、タブレット部90の位置を示す位置情報を検出するセンサを備える。そして、GPS92は、検出した位置情報が所定の範囲内(例えば、工場の敷地内)を示す位置情報であるか否かを判定してもよい。所定の範囲内でないと判定した場合は、ユーザ認証部323が、タブレット部90が有する機能を制限してもよい。これにより、ユーザが工場の敷地外にタブレット部90を持ち出し、使用するといった状況や、タブレット部3の盗難を防ぐことができる。
【0132】
なお、GPS92が、タブレット部90が所定の範囲内にあると判定し、かつ、ユーザ認証部323が、ユーザが認証のためにタブレット部90に入力した情報と一致する情報をユーザメモリ333から取得した場合に、ユーザ認証部323は、機能制限を解除してもよい。
【0133】
また、本発明に係るプログラマブル表示器は、ワイヤレス給電を行う受電部35および給電部45を備え、かつ、NFC部34とNFC部44との近距離無線通信が実行可能であるときのみ給電部45に電力を供給する構成であってもよい。この場合、NFC部34は、タブレット部の電源部(内部電池)からの電力で起動する構成であってもよいし、NFC部44が出力する信号を起電力として動作する構成であってもよい。
【0134】
〔ソフトウェアによる実現例〕
タブレット部3、タブレット部7、タブレット部70、タブレット部9、およびタブレット部90、並びに、クレードル部4およびクレードル部8の制御ブロック(特に入力処理部321、表示処理部322、ユーザ認証部323、デバイス制御部421、デバイス情報取得部422、およびユーザ認証部423)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0135】
後者の場合、タブレット部3、タブレット部7、タブレット部70、タブレット部9、およびタブレット部90、並びに、クレードル部4およびクレードル部8は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0136】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
ユーザの入力操作を受け付けるための操作画像を表示するタッチパネルと、上記操作画像に対する入力操作に基づく処理を特定する入力制御手段と、上記入力制御手段が特定した処理に基づいて機器を制御する機器制御手段と、当該機器に関するデータを取得する機器情報取得手段と、取得した上記データに基づくデータ画像を上記タッチパネルに表示させる表示制御手段と、を備えるプログラマブル表示器であって、
上記機器制御手段と、上記機器情報取得手段と、外部と近距離無線通信により情報を送受信するクレードル通信部と、を有し、制御対象である上記機器に接続されたクレードル部と、
上記タッチパネルと、上記入力制御手段と、上記表示制御手段と、外部と近距離無線通信により情報を送受信するタブレット通信部と、を有し、上記クレードル部に着脱可能なタブレット部と、を備え、
上記クレードル部と上記タブレット部とは、上記クレードル通信部および上記タブレット通信部を用いて、互いに情報を送受信し、
上記クレードル部は、上記クレードル部に接続された機器と情報をやり取りし、
上記タブレット部は、上記クレードル部を介して、上記クレードル部に接続された機器と情報をやり取りすることを特徴とするプログラマブル表示器。
上記タブレット通信部は、上記クレードル通信部から送信される信号を起電力として動作することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラマブル表示器。
外部と情報を送受信するクレードル通信部を有し、制御対象である機器に接続されたクレードル部と、外部と情報を送受信するタブレット通信部を有し、上記クレードル部に着脱可能なタブレット部と、を備えるプログラマブル表示器の制御方法であって、
上記クレードル部が上記タブレット部と接続しているか否かを確認するための近距離無線信号である上記クレードル通信部からの確認信号を、上記タブレット通信部が受信する確認信号受信ステップと、
上記タブレット通信部が、上記確認信号に対して応答するための上記近距離無線信号である応答信号を送信する応答信号送信ステップと、
上記クレードル通信部および上記タブレット通信部が、近距離無線通信を用いて情報の送受信を開始する近距離無線通信開始ステップと、を含み、
上記クレードル部は、上記クレードル部に接続された機器と情報をやり取りし、
上記タブレット部は、上記クレードル部を介して、上記クレードル部に接続された機器と情報をやり取りすることを特徴とするプログラマブル表示器の制御方法。
ユーザの入力操作を受け付けるための操作画像を表示するタッチパネルと、上記操作画像に対する入力操作に基づく処理を特定する入力制御手段と、上記入力制御手段が特定した処理に基づいて機器を制御する機器制御手段と、当該機器に関するデータを取得する機器情報取得手段と、取得した上記データに基づくデータ画像を上記タッチパネルに表示させる表示制御手段と、を備えるプログラマブル表示器であって、
上記機器制御手段と、上記機器情報取得手段と、外部と近距離無線通信により情報を送受信するクレードル通信部と、を有し、制御対象である上記機器に接続されたクレードル部と、
上記タッチパネルと、上記入力制御手段と、上記表示制御手段と、外部と近距離無線通信により情報を送受信するタブレット通信部と、を有し、上記クレードル部に着脱可能なタブレット部と、を備え、
上記クレードル部と上記タブレット部とは、上記クレードル通信部および上記タブレット通信部を用いて、互いに情報を送受信し、
上記クレードル部は、上記タブレット部の上記タッチパネルに表示された操作画像に対するユーザの入力操作により上記タブレット部に入力された情報を、上記タブレット部から受信し、当該受信した情報を、上記クレードル部に接続された機器とやり取りし、
上記タブレット部は、上記タブレット部の上記タッチパネルに表示された操作画像に対するユーザの入力操作により上記タブレット部に入力された情報を上記クレードル部に送信し、当該送信した情報を、上記クレードル部を介して、上記クレードル部に接続された機器とやり取りすることを特徴とするプログラマブル表示器。
上記タブレット通信部は、上記クレードル通信部から送信される信号を起電力として動作することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプログラマブル表示器。
外部と情報を送受信するクレードル通信部を有し、制御対象である機器に接続されたクレードル部と、外部と情報を送受信するタブレット通信部を有し、上記クレードル部に着脱可能なタブレット部と、を備えるプログラマブル表示器の制御方法であって、
上記クレードル部が上記タブレット部と接続しているか否かを確認するための近距離無線信号である上記クレードル通信部からの確認信号を、上記タブレット通信部が受信する確認信号受信ステップと、
上記タブレット通信部が、上記確認信号に対して応答するための上記近距離無線信号である応答信号を送信する応答信号送信ステップと、
上記クレードル通信部および上記タブレット通信部が、近距離無線通信を用いて情報の送受信を開始する近距離無線通信開始ステップと、を含み、
上記クレードル部は、上記タブレット部のタッチパネルに表示された操作画像に対するユーザの入力操作により上記タブレット部に入力された情報を、上記タブレット部から受信し、当該受信した情報を、上記クレードル部に接続された機器とやり取りし、
上記タブレット部は、上記タブレット部の上記タッチパネルに表示された操作画像に対するユーザの入力操作により上記タブレット部に入力された情報を上記クレードル部に送信し、当該送信した情報を、上記クレードル部を介して、上記クレードル部に接続された機器とやり取りすることを特徴とするプログラマブル表示器の制御方法。