【課題】単一の総合評価指標でブランドを評価することを可能とした、ブランド流行度総合評価指標(Brand Power Index)を算出する方法及びそのシステムを提供する。
【解決手段】ユーザ指定のブランド名についてメディア露出の内容とその量を取得し、また、各ブランドについてインターネット上で行われた記事や発言や検索の内容とその量を取得し、ブランドがTVや新聞雑誌ネットなどのメディアにどの程度どのように取り上げられているかを表すブランド露出度、ブランドに対する人々の興味関心を表すブランド関心度、ブランドそのものについて人々がどの程度どのように会話発言しているかを表すブランド話題度を算出し、それらを統合したブランド流行度総合評価指標(Brand Power Index)を算出し、単一の総合評価指標でブランドを評価する。
ユーザ指定のブランド名についてメディア露出の内容とその量を取得する露出情報取得ステップと、各ブランドについてインターネット上で行われた記事や発言や検索の内容とその量を、記事発言検索分析装置に要求して取得する記事発言検索情報取得ステップと、取得したデータから各ブランドに関するメディア露出量を統合したブランド露出度を表すブランド露出値(Exposure Rate)と、各ブランドに対する興味関与検索量を統合したブランド関心度を表すブランド関心値(Expectation Rate)と、各ブランドに対する会話発言表現量を統合したブランド話題度を表すブランド話題値(Expression Rate)を算出する個別指標分析ステップと、前記ブランド露出度、ブランド関心度、ブランド話題度から単一のブランド評価指標(Brand Power Index)を計算するブランド評価ステップと、前記ブランド露出度、ブランド関心度、ブランド話題度のマトリックスでのブランド評価指標(Brand Power Index)の位置をビジュアル出力するレポートステップを有することを特徴とするブランド診断方法。
前記ビジュアル出力するステップは、前記のブランド露出値とブランド関心値とブランド話題値との3軸によるマトリックスでの各ブランドの位置をビジュアル出力するステップからなることにより、任意のブランドと他のブランドとの相対比較により、且つ時系列での各ブランド位置の比較によりそれぞれのブランドを診断することができる請求項1のブランド診断方法。
前記ビジュアル出力するステップでの評価対象をユーザ指定のブランド名に係る各ブランド関連の個別活動やブランド関連の個別話題事象項目とすることにより、他のブランド関連活動やブランド関連の個別話題事象項目との相対比較によるブランド診断が可能となる請求項1又は2のブランド診断方法。
前記のブランド露出値とブランド関心値とブランド話題値を用いて単一のブランド評価指標(Brand Power Index)を算出する事で、ブランド露出度とブランド関心度とブランド話題度を統合したブランド評価指標(Brand Power Index)をそのブランドに対する単一の評価診断指標として提供することをすることを特徴とする請求項1又は2又は3のブランド診断方法。
ユーザ指定のブランド名についてメディア露出の内容とその量を取得する露出情報取得ステップと、各ブランドについてインターネット上で行われた記事や発言や検索の内容とその量を、記事発言検索分析装置に要求して取得する記事発言検索情報取得ステップと、取得したデータから各ブランドに関するメディア露出量を統合したブランド露出度を表すブランド露出値(Exposure Rate)と、各ブランドに対する興味関与検索量を統合したブランド関心度を表すブランド関心値(Expectation Rate)と、各ブランドに対する会話発言表現量を統合したブランド話題度を表すブランド話題値(Expression Rate)を算出する個別指標分析ステップと、前記ブランド露出度、ブランド関心度、ブランド話題度から単一のブランド評価指標(Brand Power Index)を計算するブランド評価ステップと、前記ブランド露出度、ブランド関心度、ブランド話題度のマトリックスでのブランド評価指標(Brand Power Index)の位置をビジュアル出力するレポートステップを有することを特徴とするブランド診断システム。
前記ビジュアル出力するステップは、前記のブランド露出値とブランド関心値とブランド話題値との3軸によるマトリックスでの各ブランドの位置をビジュアル出力するステップからなることにより、任意のブランドと他のブランドとの相対比較により、且つ時系列での各ブランド位置の比較によりそれぞれのブランドを診断することができる請求項5のブランド診断システム。
前記ビジュアル出力するステップでの評価対象をユーザ指定のブランド名に係る各ブランド関連の個別活動やブランド関連の個別話題事象項目とすることにより、他のブランド関連活動やブランド関連の個別話題事象項目との相対比較によるブランド診断が可能となる請求項5又は6のブランド診断システム。
前記のブランド露出値とブランド関心値とブランド話題値を用いて単一のブランド評価指標(Brand Power Index)を算出する事で、ブランド露出度とブランド関心度とブランド話題度を統合したブランド評価指標(Brand Power Index)をそのブランドに対する単一の評価診断指標として提供することをすることを特徴とする請求項5又は6又は7のブランド診断システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のブランド評価方法は、ブランドの評価項目が品質、定評、共感、愛着、識別、話題、印象、興味等のあらかじめアンケート設問等により設定された抽象的な複数の心理指標や、注目、関心、欲求、経験、感動、共有等のあらかじめ消費行動段階別に設定された複数の心理指標に細分化して分析し、数値化して評価するものである。そのため、従来のブランド評価方法では、ブランドの評価項目が複数の抽象的な感情評価項目に分散してしまい、また消費行動といった複数の行動意向段階別に分散してしまい、その結果として1つに絞り込んだ評価指標でブランドの複数の評価項目を加味した総合評価を行い、且つ1つに絞り込んだ総合評価指標を用いて複数の他のブランド及びブランド関連活動やブランドに関連した個別話題事象との相対評価をすることが出来なかった。
【0006】
そこで、本発明は、ブランドがTVや新聞雑誌ネットなどのメディアにどの程度どのように取り上げられているかを表すブランド露出度、ブランドに対する人々の興味関心を表すブランド関心度、ブランドそのものについて人々がどの程度どのように会話発言しているかを表すブランド話題度を算出し、それらを統合したブランド流行度総合評価指標(Brand Power Index)を算出する方法及びそのシステムを提供することで、単一の総合評価指標でブランドを評価することを可能とすることを目的とする。
【0007】
また、本発明は、上記のシステムを用いた、複数のブランド及びブランドに関連した活動やブランドに関連した個別話題の評価比較診断予測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的の達成のため、本発明は、(A)各ブランドのメディア露出の内容とその量を取得する露出情報取得ステップと、(B)各ブランドについてインターネット上で行われた記事や発言や検索の内容とその量を、記事発言検索分析装置に要求して取得する記事発言検索情報取得ステップと、(C)A、Bステップから取得したデータから、各ブランドに関するメディア露出量を統合したブランド露出度を表すブランド露出値(Exposure Rate)と、各ブランドに対する興味関与検索量を統合したブランド関心度を表すブランド関心値(Expectation Rate)と、各ブランドに対する会話発言表現量を統合したブランド話題度を表すブランド話題値(Expression Rate)を算出する個別指標分析ステップと、(D)前記ブランド露出度、ブランド関心度、ブランド話題度から単一のブランド評価指標(Brand Power Index)を計算するブランド評価ステップと、(E)前記ブランド露出度、ブランド関心度、ブランド話題度のマトリックスでのブランド評価指標(Brand Power Index)の位置をビジュアル出力するレポートステップを有することを特徴とする。
【0009】
本発明は、基本的には、そのブランドに対する人々の評価意向が高いブランドとは、そのブランドを報道したい、伝えたい、知らせたいというメディア露出欲求とその結果としてのメディア露出度が高く、そのブランドに対して調べたい、知りたい、関わりたいという興味関与検索欲求とその結果としての関心度が高く、且つそのブランドを話題にしたい、共有したい、自己の体験評価を表現したいという会話発言表現欲求とその結果としての話題度が高いブランドであるという知見に基づく。
【0010】
又、本発明では、前記ビジュアル出力するステップは、前記のブランド露出値とブランド関心値とブランド話題値との3軸によるマトリックスでの各ブランドの位置をビジュアル出力するステップからなることにより、任意のブランドと他のブランドとの相対比較により、且つ時系列での各ブランド位置の比較によりそれぞれのブランドを診断することができる。
【0011】
更に、本発明では、前記ビジュアル出力するステップでの評価対象をユーザ指定のブランド名に係る各ブランド関連の個別活動やブランド関連の個別話題事象項目とすることにより、他のブランド関連活動やブランド関連の個別話題事象項目との相対比較によるブランド診断が可能となる。
【0012】
更に、本発明では、前記のブランド露出値とブランド関心値とブランド話題値を用いて単一のブランド評価指標(Brand Power Index)を算出する事で、ブランド露出度とブランド関心度とブランド話題度を統合したブランド評価指標(Brand Power Index)をそのブランドに対する単一の評価診断指標として提供することを可能とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれぱ、ブランドがTVや新聞雑誌ネットなどのメディアにどの程度どのように取り上げられているかを表すブランド露出度と、ブランドに対する人々の興味関心を表すブランド関心度と、ブランドそのものについて人々がどの程度どのように会話発言しているかを表すブランド話題度を統合したブランド総合評価指標(Brand Power Index)が提供されるので、1つに絞り込んだ総合評価指標でブランドの複数の評価項目を加味した総合評価をすることが可能となる。
【0014】
また、本発明によれば、ブランドに対する露出度と関心度と話題度を統合したブランド評価指標(Brand Power Index)を用いて、複数の他のブランド及びブランド関連活動やブランドに関連した個別話題事象との相対比較により、ブランドを診断することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではない。本発明は、以下に説明する実施形態から当業者に自明な範囲で適宜修正される範囲を含む。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態を示す。本発明は、(A)露出情報取得ステップと、(B)記事発言検索情報取得ステップと、(C)個別指標分析ステップと、(D)ブランド評価ステップと、(E)レポートステップを有する。
【0018】
図2は,本発明の方法を実現するためのシステムの構成図である。
図2に示されるとおり,本発明のシステム1は,コンピュータ2を含む。コンピュータ2は,複数のウェブサイト3とインターネットなどの通信回線を介して接続されている。なお,通常,ウェブサイト3は複数である。
【0019】
そして,コンピュータ2は,入力部11,制御部12,演算部13,記憶部14、出力部15を有しており,それらの要素はバス16などで接続されており,情報の授受を行うことができるようにされている。すなわち,入力部11から所定の情報が入力されると,制御部12は,記憶部14のメインメモリに格納されている制御プログラムを読み出す。そして,制御部12は,制御プログラムの指令に従って,適宜記憶部14に記憶されたデータを読み出し,演算部13にて所定の演算を行う。そして,演算結果を記憶部14に一時的に記憶して,出力部15から出力する。
【0020】
図3は,本発明の(A)露出情報取得ステップに用いられる処理フロー図である。
図3に示されるとおり,露出情報取得ステップは,ブランド名指定21,インターネット22,データ直接入力23,ブランド露出データ24、データ分類25、及び入力レコードファイル26から構成される。
【0021】
ブランド名指定21は,コンピュータ2とインターネットなどの通信回線で接続されたウェブサイト3から,ユーザ指定のブランド名について、発生期間や地域などのユーザ指定の条件内においてユーザ指定ブランドがTVや新聞雑誌ネットなどにどの程度どのように取り上げられているかを取得するための手段である。コンピュータ2の制御部12はブランド名指定21の指示を入力部11から受け取ると、指定されたブランド名を含む記事や発言をインターネット22上のウェブサイト3から取得し、取得したデータを演算部13にてデータ分類25処理したのち、入力レコードファイル26として記憶部14に保管する。任意の語句を指定して、その語句が含まれる記事や発言をウェブサイトから取得する方法は既に知られている。本発明は既に知られた方法を用いてユーザ指定のブランド名を含むブランド露出データをウェブサイトから取得すればよい。
【0022】
データ直接入力23は、ウェブサイトからデータを取得するのではなく、ユーザ指定ブランドがTVや新聞雑誌ネットなどにどの程度どのように取り上げられているかをあらかじめまとめたブランド露出データ24を直接入力するための処理フローである。コンピュータ2の制御部12はデータ直接入力23の指示を入力部11から受け取ると、入力部11から入力されるブランド露出データ24を取得し、取得したデータを演算部13にてデータ分類25処理したのち、入力レコードファイル26として記憶部14に保管する。
【0023】
データ分類25は、ブランド名指定21またはデータ直接入力23により取得したブランド露出データを、後のブランド評価フローにて分析が容易となるように、データを構成要素に分解、分類するための処理である。データ分類25は取得したブランド露出データを露出開始年日時分秒、露出媒体、露出秒数またはページ数またはスペース数、露出内容、TV番組かTVCMであるか又は記事か広告かの露出種別の各要素に分解し、取得したブランド露出データの元データとともに、分解した各要素を含んだデータを入力レコードファイル26として作成する。作成される入力レコードファイル26は、一般的な表形式のレコードファイルでよい。
【0024】
データ直接入力23に直接入力されるブランド露出データ24には、TVや新聞雑誌ネットを通してブランド露出に触れた視聴購読閲覧者の属性情報、行動習慣情報、嗜好情報が含まれる場合がある。属性情報には視聴購読閲覧者の性別、年齢、住所、職業、学歴、年収、家族構成などの情報が含まれる。これらはブランド露出データ取得時にアンケートなどにより収集される。行動習慣情報には視聴購読閲覧者の視聴購読閲覧行動や習慣に関する情報が含まれる。視聴購読閲覧行動や習慣に関する情報とは、視聴購読閲覧日時、同曜日、同開始時間、同終了時間、同回数、同平均時間など視聴購読閲覧行動のパターンや生活習慣を特定分類する情報である。視聴購読閲覧行動のパターンは入力されたブランド露出データ24を元に演算部13にてデータ分類25処理し計算して算出する事も可能である。嗜好情報には視聴購読閲覧する情報や番組、記事、媒体、特集の種類、類似性に関する情報が含まれる。嗜好情報は入力されたブランド露出データ24を元に演算部13にてデータ分類25処理し計算して算出する事も可能である。データ分類25は取得したブランド露出データ24から視聴購読閲覧者の属性情報、行動習慣情報、嗜好情報を抽出し、抽出した個別属性情報内容、個別行動習慣情報内容、個別嗜好情報内容の各要素に分解し、分解した各要素の傾向毎にラベル付けを行い、分解した各要素と各ラベルを含んだデータを入力レコードファイル26として作成する。傾向毎のラベル分けは、数値の分布を10段階に分けて10のラベルを割り当てるデシル法など既知のものでよい。
【0025】
図4は,本発明の(B)記事発言検索情報取得ステップに用いられる処理フロー図である。
図4に示されるとおり,記事発言検索情報取得ステップは,ブランド名指定21,インターネット22,データ直接入力23,記事発言検索データ27、データ分類25、及び入力レコードファイル26から構成される。
【0026】
ブランド名指定21は,コンピュータ2とインターネットなどの通信回線で接続されたウェブサイト3から,ユーザ指定のブランド名について、発生期間や地域などのユーザ指定の条件内においてインターネット上で行われる記事や発言、検索情報を取得するための手段である。コンピュータ2の制御部12はブランド名指定21の指示を入力部11から受け取ると、指定されたブランド名を含む記事や発言、検索情報をインターネット22上のウェブサイト3から取得し、取得したデータを演算部13にてデータ分類25処理したのち、入力レコードファイル26として記憶部14に保管する。任意の語句を指定して、その語句が含まれる記事や発言、検索結果をウェブサイトから取得する方法は既に知られている。本発明は既に知られた方法を用いてユーザ指定のブランド名を含む記事や発言、検索情報をウェブサイトから取得すればよい。
【0027】
データ直接入力23は、ウェブサイトからデータを取得するのではなく、アンケート調査やコールセンターで取得された任意のブランド名を含む発言録等の記事発言検索データ27を直接入力するための処理フローである。コンピュータ2の制御部12はデータ直接入力23の指示を入力部11から受け取ると、入力部11から入力される記事発言検索データ27を取得し、取得したデータを演算部13にてデータ分類25処理したのち、入力レコードファイル26として記憶部14に保管する。
【0028】
データ分類25は、ブランド名指定21またはデータ直接入力23により取得した記事発言検索データを、後のブランド評価フローにて分析が容易となるように、データを構成様子を分解、分類するための処理である。データ分類25は取得した記事発言検索データを公開実施年日時分秒、公開実施媒体、公開実施件数、公開実施内容の各要素に分解し、取得した記事発言検索データの元データとともに、分解した各要素を含んだデータを入力レコードファイル26として作成する。作成される入力レコードファイル26は、一般的な表形式のレコードファイルでよい。
【0029】
図5は,本発明の(C)個別指標分析ステップに用いられる処理フロー図である。
図5に示されるとおり,個別指標分析ステップは,個別指標分析要求31,露出度評価値算出32、関心度評価値算出33、話題度評価値算出34、個別指標評価値ファイル35、及び入力レコードファイル26から構成される。
【0030】
個別指標分析要求31は,露出情報取得ステップ(A)及び記事発言検索情報取得ステップ(B)において作成された入力レコードファイル26に対して、各ブランドに関するメディア露出量を統合したブランド露出度を表すブランド露出値(Exposure Rate)と、各ブランドに対する興味関与検索量を統合したブランド関心度を表すブランド関心値(Expectation Rate)と、各ブランドに対する会話発言表現量を統合したブランド話題度を表すブランド話題値(Expression Rate)を計算するための手段である。コンピュータ2の制御部12は個別指標分析要求31の指示を入力部11から受け取ると、分析要求対象として指定された入力レコードファイル26を演算部13にて露出度評価値算出32を行う。演算部13は個別指標分析要求31の要求指示内容である指定ブランド条件、指定期間条件に基づき、入力レコードファイル26に含まれるユーザ指定条件に当てはまる全レコードを抽出し、露出秒数およびページ数およびスペース数の合計値を算出する。この露出合計値をブランド露出度を表すブランド露出値(Exposure Rate)として扱う。ブランド露出値は個別指標分析要求31のユーザ要求指示内容に応じて露出情報取得ステップ(A)にて分解されたブランド露出データの各要素である露出開始年日時分秒、露出媒体、露出秒数またはページ数またはスペース数、露出内容、TV番組かTVCMであるか又は記事か広告かの露出種別、露出データ視聴購読閲覧者の個別属性情報内容とその分類、個別行動習慣情報内容とその分類、個別嗜好情報内容の各要素とその分類の各要素分類条件ごとに集計単位を分けて扱う事ができる。コンピュータ2の制御部12は、露出度評価値算出32において算出されたブランド露出値(Exposure Rate)を個別指標評価値ファイル35として記憶部14にその結果を保管する。
【0031】
演算部13は露出度評価値算出32に続いて関心度評価値算出33を行う。演算部13は個別指標分析要求31の要求指示内容である指定ブランド条件、指定期間条件に基づき、入力レコードファイル26に含まれるユーザ指定条件に当てはまる全レコードを抽出し、公開実施件数の合計値を算出する。合計値は、公開実施媒体の種別毎に行われ、公開実施媒体が検索であるレコードの公開実施件数の合計値を指定ブランドに対する興味関与検索量を統合したブランド関心度を表すブランド関心値(Expectation Rate)として扱う。ブランド関心値は個別指標分析要求31のユーザ要求指示内容に応じて分解された記事発言検索データの各要素である公開実施年日時分秒、公開実施媒体、公開実施件数、公開実施内容の各要素ごとに集計単位を分けて扱う事ができる。コンピュータ2の制御部12は、関心度評価値算出33において算出されたブランド関心値(Expectation Rate)を個別指標評価値ファイル35として記憶部14にその結果を保管する。
【0032】
演算部13は関心度評価値算出33に続いて話題度評価値算出34を行う。演算部13は個別指標分析要求31の要求指示内容である指定ブランド条件、指定期間条件に基づき、入力レコードファイル26に含まれるユーザ指定条件に当てはまる全レコードを抽出し、公開実施件数の合計値を算出する。合計値は、公開実施媒体の種別毎に行われ、公開実施媒体が発言であるレコードの公開実施件数の合計値を指定ブランドに対する会話発言表現量を統合したブランド話題度を表すブランド話題値(Expression Rate)として扱う。発言とは、TwitterやBlogやFacebookなどを通して消費者がインターネット上に行った発言のことである。ブランド話題値は個別指標分析要求31のユーザ要求指示内容に応じて分解された記事発言検索データの各要素である公開実施年日時分秒、公開実施媒体、公開実施件数、公開実施内容の各要素ごとに集計単位を分けて扱う事ができる。コンピュータ2の制御部12は、話題度評価値算出34において算出されたブランド話題値(Expression Rate)を個別指標評価値ファイル35として記憶部14にその結果を保管する。
【0033】
図6は,本発明の(D)ブランド評価ステップに用いられる処理フロー図である。
図6に示されるとおり,ブランド評価ステップは,ブランド評価要求41,個別指標評価値ファイル35、ブランド評価値算出42,個別指標分析要求31、ブランド評価関連指標算出43,ブランド予測要求44,ブランド予測値算出45、ブランド評価指標データベース46及び外部評価値入力47から構成される。
【0034】
ブランド評価ステップ(D)は、個別指標分析ステップ(C)において算出されたブランド露出値(Exposure Rate)とブランド関心値(Expectation Rate)とブランド話題値(Expression Rate)を用いて、単一のブランド評価指標(Brand Power Index)を計算する。ブランド評価指標は次の式で表す事が出来る。
コンピュータ2の制御部12は、ブランド評価要求41の指示内容である指定ブランド条件、指定期間条件に基づき、個別指標評価値ファイル35に含まれるユーザ指定条件に当てはまるブランド露出値(Exposure Rate)とブランド関心値(Expectation Rate)とブランド話題値(Expression Rate)を使用して演算部13にて前出のブランド評価指標算出式を用いてブランド評価指標(Brand Power Index)を算出するブランド評価値算出42を行い、算出したブランド評価指標(Brand Power Index)を個別指標評価値ファイル35として記憶部14にその結果を保管する。ブランド評価要求41は、ユーザ指定のブランド名、関連ワード、露出年日時分秒、露出媒体、露出内容、TV番組かTVCMであるか又は記事か広告かの露出種別、露出データ視聴購読閲覧者の個別属性情報内容とその分類、個別行動習慣情報内容とその分類、個別嗜好情報内容の各要素とその分類、検索記事発言公開実施年日時分秒、公開実施媒体、公開実施内容の各要素指示条件ごとにブランド評価指標の算出を指示する事が出来る。ブランド評価値算出42は、ブランド評価要求41によるユーザ指示条件に当てはまるブランド露出値(Exposure Rate)、ブランド関心値(Expectation Rate)、ブランド話題値(Expression Rate)が個別指標評価値ファイル35に存在しない場合は、個別指標分析ステップ(C)の個別指標分析要求31に対して要求指示を出し、必要な値を算出させ、個別指標評価値ファイル35に保管させ、その指標を用いてブランド評価指標(Brand Power Index)を算出する事が出来る。
【0035】
ブランド評価関連指標算出43は、個別指標評価値ファイル35を用いてブランド評価指標を補足説明する以下の各関連評価指標を算出する。
ブランド関心度指数(Search Rate、略称S rate)は、指定ブランドに対する関心度を表す。ブランド関心度指数は次のブランド関連評価指標算出式で表す事が出来る。
ブランド関心度指数(S rate)=ブランド関心値(Expectation Rate)÷ブランド露出値(Exposure Rate)
ブランド話題度指数(Buzz Rate、略称B rate、またはConversation Rate、略称C rate)は、指定ブランドに対する話題度を表す。ブランド話題度指数は次のブランド関連評価指標算出式で表す事が出来る。
ブランド話題度指数(C rate)=ブランド話題値(Expression Rate)÷ブランド露出値(Exposure Rate)
Tweer話題度指数(Tweet Rate、略称T rate)は、指定ブランドに対するTwitterによる話題度を表す。
Tweer話題度指数は次のブランド関連評価指標算出式で表す事が出来る。
Tweet話題度指数(T rate)=公開実施媒体がTwitterであるデータを集計したブランド話題値
(Expression Rate)÷ブランド露出値(Exposure Rate)
Blog話題度指数(Blog Rate、略称B rate)は、指定ブランドに対するBlogによる話題度を表す。Blog話題度指数は次のブランド関連評価指標算出式で表す事が出来る。
Blog話題度指数(B rate)=公開実施媒体がBlogであるデータを集計したブランド話題値(Expression Rate)÷ブランド露出値(Exposure Rate)
コンピュータ2の演算部13はブランド評価値算出42に続いてブランド評価関連指標算出43を行う。制御部12は、ブランド評価値算出42が算出したブランド評価指標(Brand Power Index)を個別指標評価値ファイル35として記憶部14にその結果を保管した後、ブランド評価指標(Brand Power Index)算出に使用したブランド露出値(Exposure Rate)とブランド関心値(Expectation Rate)とブランド話題値(Expression Rate)を使用して演算部13にて前出の各ブランド関連評価指標算出式を用いて各関連評価指標を算出するブランド評価関連指標算出43を行い、算出した各ブランド関連評価指標を個別指標評価値ファイル35として記憶部14にその結果を保管する。
【0036】
ブランド予測要求44は,ブランド評価指標、ブランド露出値、ブランド関心値、ブランド話題値及びブランド関連評価指標を用いてブランド予測値算出45により各指標及び関連数値の予測値を算出する。過去10年間に渡り総計200のブランド名、商品名、タレント名を分析した結果、ブランド露出値とブランド関心値、及びブランド露出値とブランド話題値には正の相関がある事が判っている。ブランド露出値、ブランド関心値、ブランド話題値の3指標はそれぞれy=α+βxの回帰式でお互いの相関を表す事が可能で、αの定数項とβの回帰係数は各指標の散布図から近似曲線を求める事で算出する事が可能である。散布図及び近似曲線は、複数の指定ブランドにおけるブランド露出値とブランド関心値またはブランド露出値とブランド話題値の2軸により散布図を作成し、作成した散布図から既知の方法により近似曲線を算出すれば良い。コンピュータ2の制御部12は、ブランド予測要求44が指示する単一又は複数のブランドについてのブランド露出値(Exposure Rate)とブランド関心値(Expectation Rate)とブランド話題値(Expression Rate)を使用して演算部13にて各ブランド関連評価指標毎の回帰式を算出、この式を用いてブランド予測要求44の指定するブランド露出値またはブランド関心値またはブランド話題値に相関する他の指標を予測値として算出し記憶部14にその結果を保管する。また計算に使用された定数項と回帰係数はブランド予測要求44の指示条件とともにブランド評価指標データベース46として記憶部14にその結果を保管する。
【0037】
外部評価値入力47は、ブランド予測要求によって予測を行いたい外部データを直接入力するための処理フローである。ここでの外部データとは、ブランド評価指標、ブランド露出値、ブランド関心値、ブランド話題値及びブランド関連評価指標と関係のあるその他のデータであり、指定するブランドと関係のあるテレビ番組視聴率、商品購買数、キャンペーン応募率、キャンペーン反応率などである。ブランド予測要求44にて指定するブランド名がテレビ番組名であればブランド評価値の結果としてのテレビ番組視聴率の予測が可能であり、同様に指定するブランド名が商品名であれば商品購買数が、キャンペーン名であればキャンペーン応募率またはキャンペーン反応率の予測が可能である。これは、視聴や購買、応募、予測といった消費者のブランドに対する行動数がブランド評価値と相関関係にあるという知見に基づく。ブランド評価値を構成するブランド露出値、ブランド関心値、ブランド話題値のいずれかまたは全てが増加すると、ブランド評価の結果である視聴や購買、応募、予測といった消費者のブランドに対する行動数も増加する。過去5年間に渡り総計100のTV番組名、商品名、キャンペーン名を分析した結果、TV番組名、商品名、キャンペーン名の関心値、話題値と、テレビ番組視聴率、商品購買数、キャンペーン応募率、キャンペーン反応率には指数関数的な関係がある事が判っている。TV番組の場合、番組放映前の関心値、話題値が増加すると、その結果としてTV番組視聴率も増加する。商品購買数、キャンペーン応募率、キャンペーン反応率も同様に、購買前、応募前、反応前の露出値、関心値、話題値が増加すればその結果として購買数、応募数、反応数が増加する。
図7は事前の露出値、関心値、話題値及びその結果としての視聴数、購買数、応募数、反応数の関係を表したグラフである。事前の露出値、関心値、話題値が増加すればその結果として視聴数、購買数、応募数、反応数は増加するが、その増加の仕方は
図7のようにY軸に設定した事前の露出値または関心値または話題値が増加するほど、事前の露出値または関心値または話題値の1単位あたりが持っている視聴数、購買数、応募数、反応数の増加量は指数関数的に減衰する事が判っている。
図7の例示から、Y軸に事前の露出値を設定した場合、事前の話題値が200の時、その話題値の1単位あたりが持っているTV番組視聴率は0.15%であり、事前の話題値が50の時、その話題値の1単位あたりが持っているTV番組視聴率は0.56%である事が判る。このY軸は視聴率を予測したいTV番組の放映前5日間の話題値の総量の60分の1の値を示しており、Y軸の値が200の時の実際の話題値はその60倍である12,000であり、予測されるTV番組視聴率も0.15%の12,000倍である18.0%となる。同様にY軸の値が50の時の実際の話題値はその60倍である3,000であり、予測されるTV番組視聴率も0.56%の3,000倍である16.7%となる。
図7は話題値及びその結果としての視聴率の関係を表しており、ここに図示した2値の近似曲線は以下の式で表す事が出来る。
y=0.2243x−0.945
コンピュータ2の制御部12は、ブランド予測要求44が指示する単一又は複数のブランドについてのブランド露出値(Exposure Rate)とブランド関心値(Expectation Rate)とブランド話題値(Expression Rate)を個別指標評価値ファイル35及びブランド評価指標データベース46から取得し、外部評価値入力47から入力されたブランド予測要求44の指定するブランドと関係のあるテレビ番組視聴数及び視聴率、商品購買数、キャンペーン応募率、キャンペーン反応率のデータを使用して演算部13にてブランド予測要求44が指示する各ブランド関連評価指標毎の回帰式を算出、この式を用いてブランド予測要求44の指定するブランド露出値またはブランド関心値またはブランド話題値がある一定の値をとるときのテレビ番組視聴数及び視聴率、商品購買数、キャンペーン応募率、キャンペーン反応率を予測値として算出し記憶部14にその結果を保管する。また計算に使用された定数項と回帰係数はブランド予測要求44の指示条件とともにブランド評価指標データベース46として記憶部14にその結果を保管する。
【0038】
ブランド予測要求44は,外部評価値入力47から入力されるデータがあらかじめ特定の番組視聴者、特定商品購買数、特定のキャンペーン応募者など任意のデータ抽出条件に基づいたものとする事で、外部入力データのデータ抽出条件ごとのブランド予測要求44を実行する事が可能となる。この結果として、特定の番組視聴者、特定商品購買数、特定のキャンペーン応募者など任意のデータ抽出条件ごとにブランド予測要求44を実行しその結果を比較する事で、特定の番組視聴者、特定商品購買数、特定のキャンペーン応募者など任意のデータ抽出条件ごとにテレビ番組視聴数及び視聴率、商品購買数、キャンペーン応募率、キャンペーン反応率とブランド評価指標、ブランド露出値、ブランド関心値、ブランド話題値の関係を分析する事を可能とする。
【0039】
ブランド予測要求44は,ブランド評価指標、ブランド露出値、ブランド関心値、ブランド話題値及びブランド関連評価指標を用いてブランド予測値算出45により各指標及び関連数値のトレンドの変化を検出する事が可能である。ブランドのメディアへの露出である露出値と、その露出に対する生活者の反応であるその反応であるブランド関心値、ブランド話題値及びブランド関連評価指標の間には、生活者のブランド露出に対する心理的な受容状態と生活者を様々な行動に駆り立てる動機の刺激が存在している。これらの心理受容状況や行動喚起刺激には、露出し接触したブランドを心理的に受け入れ、心理的に評価し、心理的に行動などにを起こす決意をさせる等の生活者の心理的プロセスが大きく影響を及ぼしている。これら心理プロセスの状況には、ブランドの露出に対する人々の記憶と、忘却されるまでの期間に明確な説明性があり、ブランド予測値算出45はブランド露出値とブランド露出値の移動平均値を用いる事で、ブランド関心値、ブランド話題値及びブランド関連評価指標、さらには外部評価値入力47からテレビ番組視聴数及び視聴率、商品購買数、キャンペーン応募率、キャンペーン反応率に対する予測を提供する。コンピュータ2の制御部12は、ブランド予測要求44が指示する単一又は複数のブランドについて、演算部13にて指定週のブランド露出値とその週のブランド露出値の四週移動平均値を比較する事で、指定ブランドの今後のトレンドを予測し、ブランド予測要求44の指示条件とともにブランド評価指標データベース46として記憶部14にその結果を保管する。予測には指定週のブランド露出値とその週のブランド露出値の四週移動平均値の比較とともに、移動平均値と当該週露出値の乖離率、移動平均値の標準偏差値との比較を用い、過去の週と比べた乖離率の増減を予測の判断に用いる。予測単位は週に限る事は無く、日単位、月単位、年単位など、要求に合わせて変化させる事が可能であり、四週以上の週の移動平均を用いれば、三ヶ月、半年、年など、長期のトレンド傾向を判断する事が可能となる。
【0040】
図8は,本発明の(E)レポートステップにてビジュアル出力されるマトリックスチャートの説明図である。本発明はブランド露出値とブランド関心値とブランド話題値を用いて単一のブランド評価指標(Brand Power Index)を提供することを可能とするものである。したがって、ブランド露出値、ブランド関心値、ブランド話題値の三軸で構成された三次元グラフによるブランド評価指標の表示を基本的なビジュアル表現形式とする。
図7はXYの二軸による二次元グラフの表現形式であるが、本発明で取り扱う三軸表現の場合は、さらにもう一軸Z軸を用いて三次元グラフの表記を行えば良い。X、Y、Z軸はそれぞれブランド露出値、ブランド関心値、ブランド話題値のいずれかを任意に設定できる。
図8の象限A、象限B、象限C、象限Dの象限分けは、三軸に設定される各値の平均値または中央値または任意に設定された閾値を象限分けの分割点として設定できる。また分割する象限数も任意に設定できる。コンピュータ2の制御部12は、ブランド評価ステップ(D)にて算出されたブランド評価指標(Brand Power Index)の位置を、個別指標分析ステップ(C)において算出されたブランド露出値(Exposure Rate)とブランド関心値(Expectation Rate)とブランド話題値(Expression Rate)の交点上に表示する。これにより、ブランド評価指標をそのブランドに対する単一の評価指標として利用することが可能となる。たとえば、
図8のY軸がブランド露出値、X軸がブランド関心値、象限A、象限B、象限C、象限Dの象限分けを各値の平均値で行った場合、象限Aに表示されるブランドは他の象限に表示されるブランドと比べてブランド露出値とブランド関心値が平均よりも低いブランドである事が判る。三軸で構成された三次元グラフで表示を行えば各値の象限分けを二分割とした場合合計8象限が表示されるため、複数のブランドの位置を同時に表示する事が可能となる。これにより単一の指標を用いて複数のブランドの絶対位置と相対関係を一目で把握する事が可能となる。この結果として、単一の総合評価指標で複数のブランドを評価することが可能となる。