(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-955(P2015-955A)
(43)【公開日】2015年1月5日
(54)【発明の名称】模様形成用樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 63/00 20060101AFI20141202BHJP
C08L 57/00 20060101ALI20141202BHJP
C08L 23/00 20060101ALI20141202BHJP
C08L 25/04 20060101ALI20141202BHJP
C08L 55/02 20060101ALI20141202BHJP
C08L 33/10 20060101ALI20141202BHJP
C08G 59/02 20060101ALI20141202BHJP
【FI】
C08L63/00 C
C08L57/00
C08L23/00
C08L25/04
C08L55/02
C08L33/10
C08G59/02
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-126822(P2013-126822)
(22)【出願日】2013年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】391034798
【氏名又は名称】オーケー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 和浩
(72)【発明者】
【氏名】小野 比呂樹
(72)【発明者】
【氏名】谷口 和司
(72)【発明者】
【氏名】中須賀 敏和
(72)【発明者】
【氏名】乾 友守
【テーマコード(参考)】
4J002
4J036
【Fターム(参考)】
4J002CD17W
4J002CF05X
4J002CF06X
4J002CF07X
4J002FD096
4J036AK10
4J036AK11
4J036BA02
4J036DB01
4J036DB14
4J036FB11
4J036HA12
4J036JA15
(57)【要約】
【課題】熱可塑性樹脂と混合し、成形することにより、墨絵のような毛足の長い流れ模様や大理石調の流れ模様を有する樹脂成形体を製造可能とする模様形成用樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】熱可塑性ポリエステル樹脂とエポキシ基含有重合体との反応生成物、ならびに染料および顔料からなる群より選択された少なくとも一種の着色成分を含有する模様形成用樹脂組成物。エポキシ基含有重合体は、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレートを含有することが好ましく、そのエポキシ当量は150〜7000であることが好ましい。
【選択図】 なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリエステル樹脂とエポキシ基含有重合体との反応生成物、ならびに染料および顔料からなる群より選択された少なくとも一種の着色成分を含有することを特徴とする模様形成用樹脂組成物。
【請求項2】
前記熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートからなる群より選択された少なくとも一種である請求項1に記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレートである請求項1または2に記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項4】
前記エポキシ基含有重合体のエポキシ当量が、150〜7000である請求項1〜3のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)に基づき算出した末端モノマー単位量をX(mol)、前記エポキシ基含有重合体中のエポキシ基の含有量をY(mol)としたとき、Y/X=0.02〜5.0である請求項1〜4のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項6】
前記エポキシ基含有重合体が、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレートを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項7】
前記エポキシ基含有重合体が、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレート、ならびにスチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項8】
前記エポキシ基含有重合体が、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレン、ならびに酢酸ビニルおよび(メタ)アクリル酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物と、熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成物。
【請求項10】
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂およびその共重合体、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、PMMA樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ナイロン樹脂、ならびにポリエチレンテレフタレート樹脂からなる群より選択された少なくとも一種である請求項9に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
請求項9または10に記載の樹脂組成物を原料として得られることを特徴とする樹脂成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂と混合し、成形することにより、墨絵のような毛足の長い流れ模様や大理石調の流れ模様を有する樹脂成形体を製造することができる模様形成用樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂を着色する方法として、粉末状のドライカラー、ペレット状のマスターバッチ、液状のリキッドカラーなど種々の方法が提案され、目的に応じて使い分けられている。この内、マスターバッチは利便性、コストの点で優れており、幅広く採用されている。
【0003】
マスターバッチは例えばグレース・ラボラトリー社発行「プラスチック用着色剤・カラーコンパウンド」(1990年10月)に記載されている様に、マスターバッチを構成する樹脂(以下、単に「マスターバッチベース樹脂」とも呼ぶ)と染料、顔料などの着色成分、金属石鹸、ワックスなどの分散助剤や各種添加剤をニーダー、バンバリー、ロールなどを使ってバッチ方式で、または、一軸又は二軸の押出機を使って連続生産方式で製造される。この内、押出機を使って連続的に製造する方法は、生産性が良いので広範に採用されている。
【0004】
合成樹脂をマスターバッチによって着色する際には、成形品の主原料に使用する合成樹脂(以下、単に「希釈樹脂」とも呼ぶ)に所定量のマスターバッチを混合、撹拌し、均一に混ぜた後、成形機に投入し、成形する方法が一般的である。通常の着色は成形品を均一に着色することが目的であるために、該マスターバッチは成形機のシリンダーの中で混練される際に、希釈樹脂と完全に混ざり合い、成形品は所定の均一な色相(ソリッド色と呼ぶ)に仕上がる。
【0005】
一方、製品のデザインとして金属光沢、パール感、斑点模様、流れ模様などソリッド色とは別の加飾のジャンルが存在する。流れ模様は加飾のジャンルに位置するソリッド色とは別の発想に立ったもので、意図的にマスターバッチが合成樹脂と均一に混ざらない様にしたものである。
【0006】
下記特許文献1では、基礎となる着色または無着色の熱可塑性樹脂(希釈樹脂)97〜99.9重量%に対し、模様を構成する着色した熱可塑性ポリエステル樹脂またはその変性体(マスターバッチ)0.1〜3重量%を混入し、該混合樹脂を160〜320℃にて成形することにより、木目・石目などの模様を有する樹脂成形体を製造する技術が記載されている。
【0007】
また、本発明者らは、樹脂成形体に流れ模様を付与する技術として、下記特許文献2では、オレフィン系樹脂をベースとした架橋重合体を使用する方法を報告している。さらに、下記特許文献3では、複数の押出機を使って製造する積層構造を有するマスターバッチを使用する方法を報告している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭54−154454号公報
【特許文献2】特許第1931596号公報
【特許文献3】特許第3828742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1に記載の技術では、墨絵のような毛足の長い流れ模様や大理石調の流れ模様を有する樹脂成形体を得ることは困難であるのが実情であった。また、特許文献2に記載の技術では、架橋度を微妙にコントロールするのが難しく、流れ模様が途中でプツンと切れて毛足の長い流れ模様になり難い場合があり、さらなる改良の余地があった。
【0010】
さらに、特許文献3に記載の技術では、流れ模様がプツンと切れる課題は改善可能であり、特許文献2に記載の方法に比べて改善効果は認められるものの、模様材の風合いに関しては、改善の余地があった。
【0011】
なお、複数の成形機から一つの金型に異なる色相の樹脂を注入し毛足の長い流れ模様を有する製品を得る方法は広く知られているが、特殊な成形法であり一般的ではない。マスターバッチ・ベース樹脂としてポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)の様な融点が高い樹脂と染顔料、分散剤を配合して製造したマスターバッチ模様材を希釈樹脂と混ぜて成形すると、確かに、希釈樹脂の成形温度域では通常のマスターバッチの様に均一に混ざらず墨絵の様な模様が一時的に出現する。しかしながら、僅かに温度が上昇するだけで墨絵が消えてソリッド色になってしまったり、何ショットも成形すると成形初期は発現していた墨絵模様が徐々に消え、最後には墨絵模様は消え殆どソリッド色になってしまう。
【0012】
希釈樹脂とマスターバッチ模様材の混ざり具合を緩やかにするために成型温度を下げると、該マスターバッチ模様材の樹脂粘度が急に上昇して流動しなくなり、ペレット状の形が残り流模様にならない。また、分子量を極端に大きくした材料を使用して模様材の流動性を下げても、分子量が高すぎると流動せずペレット状の形が残る。分子量を下げると均一に混ざってしまい、満足すべき結果が得られない。
【0013】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱可塑性樹脂と混合し、成形することにより、墨絵のような毛足の長い流れ模様や大理石調の流れ模様を有する樹脂成形体を製造可能とする模様形成用樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
すなわち、本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂とエポキシ基含有重合体との反応生成物、ならびに染料および顔料からなる群より選択された少なくとも一種の着色成分を含有することを特徴とする模様形成用樹脂組成物に関する。
【0015】
上記模様形成用樹脂組成物において、前記熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートからなる群より選択された少なくとも一種であることが好ましい。
【0016】
上記模様形成用樹脂組成物において、前記熱可塑性ポリエステル樹脂が、とりわけポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
【0017】
上記模様形成用樹脂組成物において、前記エポキシ基含有重合体のエポキシ当量が、150〜7000であることが好ましい。
【0018】
上記模様形成用樹脂組成物において、前記熱可塑性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)に基づき算出した末端モノマー単位量をX(mol)、前記エポキシ基含有重合体中のエポキシ基の含有量をY(mol)としたとき、Y/X=0.02〜5.0であることが好ましい。
【0019】
上記模様形成用樹脂組成物において、前記エポキシ基含有重合体が、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
【0020】
上記模様形成用樹脂組成物において、前記エポキシ基含有重合体が、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレート、ならびにスチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0021】
上記模様形成用樹脂組成物において、前記エポキシ基含有重合体が、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレン、ならびに酢酸ビニルおよび(メタ)アクリル酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0022】
また、本発明は、前記いずれかに記載の模様形成用樹脂組成物と、熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成物、に関する。
【0023】
上記樹脂組成物において、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂およびその共重合体、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、PMMA樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ナイロン樹脂、ならびにポリエチレンテレフタレート樹脂からなる群より選択された少なくとも一種であることが好ましい。
【0024】
また本発明は、前記記載の樹脂組成物を原料として得られることを特徴とする樹脂成形体、に関する。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る模様形成用樹脂組成物(マスターバッチ模様材)は、樹脂成分として、熱可塑性ポリエステル樹脂とエポキシ基含有重合体との反応生成物を使用する。具体的には、熱可塑性ポリエステル樹脂中に残存する酸基またはアルコール基と、エポキシ基含有重合体とが反応することにより得られる反応生成物を使用する。本発明に係る模様形成用樹脂組成物は、かかる樹脂成分と、染料および顔料からなる群より選択された少なくとも一種の着色成分とを含有する。このため、本発明に係る模様形成用樹脂組成物を熱可塑性樹脂などの希釈樹脂に添加し、混合すると、着色された模様形成用樹脂組成物と希釈樹脂とが適度に非相溶となり、完全に均一には混ざらないため、美しい墨絵のような毛足の長い流れ模様や大理石調の流れ模様を有する樹脂成形体を得ることができる。
【0026】
特に、熱可塑性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)に基づき算出した末端モノマー単位量をX(mol)、エポキシ基含有重合体中のエポキシ基の含有量をY(mol)としたとき、Y/X=0.02〜5.0となるように設計された模様形成用樹脂組成物を使用すると、最終的に得られる樹脂成形体において、墨絵のような毛足の長い流れ模様や大理石調の流れ模様が、より鮮明に発現する傾向があるため好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係る模様形成用樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂とエポキシ基含有重合体との反応生成物、ならびに染料および顔料からなる群より選択された少なくとも一種の着色成分を含有することを特徴とする。
【0028】
熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートからなる群より選択された少なくとも一種であることが好ましい。特に、熱可塑性ポリエステル樹脂としては、使用温度範囲が広いことから、ポリエチレンテレフタレートを使用することが好ましい。なお、本発明において、熱可塑性ポリエステル樹脂は、アルコール成分を1種類のみ、酸成分を1種類のみ含むホモポリマーであってもよく、例えば酸成分を2種類以上、アルコール成分を1種類含むコポリマー、あるいはアルコール成分を2種類以上、酸成分を1種類含むコポリマーであってもよく、あるいはアルコール成分を2種類以上、酸成分を2種類以上含むコポリマーであってもよい。
【0029】
エポキシ基含有重合体は、重合体の側鎖にエポキシ基を含有する任意の重合体を使用可能である。重合体中にエポキシ基を導入する方法としては、例えば、エポキシ基含有重合体を製造する際、エポキシ基含有モノマーを共重合させる方法が挙げられる。エポキシ基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。エポキシ基含有重合体中のエポキシ基含有モノマーの含有量は、モノマー単位の全量を100重量%としたとき、2〜90重量%であることが好ましく、3〜60重量%であることがより好ましく、5〜50重量%であることが特に好ましい。なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよび/またはメタクリレートを意味する。
【0030】
エポキシ基含有重合体のエポキシ当量は、150〜7000であることが好ましく、240〜4700であることがより好ましく、280〜2800であることが特に好ましい。
【0031】
エポキシ基含有重合体の種類と配合量は樹脂成型体に使用する熱可塑性樹脂の種類と成形温度を顧慮して任意に選択することができる。エポキシ基含有重合体のエポキシ基の構造や量、添加量によって熱可塑性ポリエステル樹脂の改質効果が異なり、模様形成用樹脂組成物の流動性が成型温度に変わるので、墨絵の様な毛足の長い流れ模様や大理石調の流れ模様が得られ、目的に応じて自由にコントロールすることができる。
【0032】
熱可塑性ポリエステル樹脂の改質効果をより高めて、最終的に得られる樹脂成形体において、墨絵のような毛足の長い流れ模様や大理石調の流れ模様をより美しく発現させるために、前記熱可塑性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)に基づき算出した末端モノマー単位量をX(mol)、前記エポキシ基含有重合体中のエポキシ基の含有量をY(mol)としたとき、Y/X=0.02〜5.0とすることが好ましく、0.1〜3.0とすることがより好ましく、0.2〜2.0とすることが特に好ましい。なお、熱可塑性ポリエステル樹脂の末端モノマー単位量X(mol)は、熱可塑性ポリエステル樹脂が直鎖状と考えられることから、以下の計算式により算出可能である。
X(mol)=((熱可塑性ポリエステル樹脂の配合量(g))/(熱可塑性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)))×2
【0033】
模様形成用樹脂組成物中のエポキシ基含有重合体の好ましい配合量としては、前記Y/Xの割合が、前記好ましい範囲となるように調整することが好ましい。
Y/Xの割合が小さすぎると、墨絵のような毛足の長い流れ模様や大理石調の流れ模様を有する樹脂成形体が得難くなる。
Y/Xの割合が大きすぎると、エポキシ基含有重合体使用量がいたずらに多くなり、コスト面で不利になる。
【0034】
特に本発明においては、エポキシ基含有重合体として、
(i)モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレート、ならびにスチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種を含有する重合体、または
(ii)前記エポキシ基含有重合体が、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレン、ならびに酢酸ビニルおよび(メタ)アクリル酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種を含有する重合体を使用することがより好ましい。
【0035】
前記(i)のエポキシ基含有重合体としては、具体的には例えば、アクリル酸メチル/グリシジルアクリレート、アクリル酸エチル/グリシジルアクリレート、メタクリル酸メチル/グリシジルアクリレート、メタクリル酸エチル/グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート、アクリル酸エチル/グリシジルメタクリレート、メタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート、メタクリル酸エチル/グリシジルメタリレート、スチレン/グリシジルアクリレート、スチレン/グリシジルメタクリレート、スチレン/アクリル酸メチル/グリシジルアクリレート、スチレン/アクリル酸エチル/グリシジルアクリレート、スチレン/メタクリル酸メチル/グリシジルアクリレート、スチレン/メタクリル酸エチル/グリシジルアクリレート、スチレン/アクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート、スチレン/アクリル酸エチル/グリシジルメタクリレート、スチレン/メタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート、スチレン/メタクリル酸エチル/グリシジルメタリレートの共重合物が挙げられる。これらの重合体は1種類を単独で使用しても良く、あるいは2種類以上を混合して使用しても良い。
【0036】
前記(ii)のエポキシ基含有重合体としては、具体的には例えば、エチレン/グリシジルアクリレート、エチレン/グリシジルメタクリレートのコポリマー、エチレン/アクリル酸メチル/グリシジルアクリレート、エチレン/アクリル酸エチル/グリシジルアクリレート、エチレン/メタクリル酸メチル/グリシジルアクリレート、エチレン/メタクリル酸エチル/グリシジルアクリレート、エチレン/アクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート、エチレン/アクリル酸エチル/グリシジルメタクリレート、エチレン/メタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート、エチレン/メタクリル酸エチル/グリシジルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル/グリシジルアクリレート、エチレン/酢酸ビニル/グリシジルメタクリレートの共重合物、が挙げられる。これらの重合体は1種類を単独で使用しても良く、あるいは2種類以上を混合して使用しても良い。
【0037】
本発明に係る模様形成用樹脂組成物においては、着色成分として、染料および顔料からなる群より選択された少なくとも一種の着色成分を使用し、具体的には、公知の染料、顔料などの中から任意に選ぶことができる。顔料は、無機顔料、有機顔料などの中から適宜選択される。具体的には、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ナフトール系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系の有機顔料及び酸化チタン、チタンイェロー、ベンガラ、群青、酸化クロム、モリブデンレッドなどの無機顔料及びカーボンブラックなどがある。模様形成用樹脂組成物中の着色成分の配合量は、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対して0.5〜50重量部が好ましい。
【0038】
本発明に係る模様形成用樹脂組成物においては、熱可塑性ポリエステル樹脂、エポキシ基含有重合体、および着色成分以外に、分散助剤を配合しても良い。分散助剤としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などの金属石鹸類、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの低分子量オレフィン系ワックス、エチレンビスステアリン酸アミドなどが挙げられる。
【0039】
本発明に係る模様形成用樹脂組成物は、熱可塑性ポリエステル樹脂とエポキシ基含有重合体と染料、顔料から選ばれた着色成分と分散剤とをヘンシェルミキサー、Vブレンダー、タンブルミキサーの様な攪拌機に所定量投入し、押し出し機にフィードして熱を掛けてコンパウンドしペレット化することによって得られる。この際、ステアリン酸や低分子量ワックスの様な分散助剤を添加することが望ましい。
【0040】
本発明においては、前記記載の模様形成用樹脂組成物と、熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成物を原料とし、当業者に公知の成形方法により成形することで、墨絵のような毛足の長い流れ模様や大理石調の流れ模様を有する樹脂成形体を製造することができる。
【0041】
模様形成用樹脂組成物と共に使用され、樹脂成型体を構成する熱可塑性樹脂(希釈樹脂)をホワイト、ベージュの様な淡色系のソリッド色にして、模様形成用樹脂組成物は濃色系にするもの、逆に希釈樹脂を濃色系のソリッド色にして、模様形成用樹脂組成物を淡色系にするもの、希釈樹脂は着色せずに模様形成用樹脂組成物のみを着色するものなど、本発明においては、成形品のデザインに応じて様々な組み合わせを選択することができる。
【0042】
希釈樹脂として使用する熱可塑性樹脂としては、目的に応じて、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸メチル共重合体、エチレン/アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン/メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体(ABS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアミド(PA)など種々の熱可塑性樹脂の中から任意に選ぶことができる。
【実施例】
【0043】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明の実施形態はこれらに限定されない。
【0044】
実施例1 模様形成用樹脂組成物1の製造
ポリエチレンフタレート樹脂(数平均分子量(Mn)=40000)25Kgに染料(Solvent Red 135)を1Kg加え、さらにエポキシ基含有重合体として重量平均分子量7000、グリシジルメタクリレート含有量47.3重量%のスチレン・メタクリル酸メチル・グリシジルメタクリレートの三元スチレン系オリゴマー (エポキシ当量300g/mol)を50g加えた混合物をヘンシェルミキサーで3分間撹拌し、これを42ミリ二軸押出造粒機(口径=40ミリ、L/D=32)にて270℃の温度で溶融混練し、ペレタイザーでカッティングして赤色に着色されたペレット状の模様形成用樹脂組成物1を製造した。
ポリエチレンフタレート樹脂の数平均分子量(Mn)に基づき算出した末端モノマー単位量X(mol)は、(25000/40000)×2=1.25(mol)であり、エポキシ基含有重合体中のエポキシ基の含有量Yは、50/300=0.167(mol)である。したがって、Y/Xは0.13となる。
【0045】
なお、本発明において、樹脂の数平均分子量は、JIS K7367に基づいて極限粘度(Intrinsic Viscosity;IV値)を測定し、かかるIV値から、1989年12月22日初版発行の「飽和ポリエステル樹脂ハンドブック」の631頁の
図12.55に記載のPETの重合度とIV値に記載の関係式を用いてPETの重合度を算出し、かかるPETの重合度とPETの単位モノマー分子量との積より算出した。なお、熱可塑性ポリエステルとしてコポリマーを使用する場合は、樹脂の数平均分子量を算出するに際し、PETの平均単位モノマー分子量を使用した。
【0046】
実施例2 模様形成用樹脂組成物2の製造
エポキシ基含有重合体添加量を100g(Y/X=0.27)に代えた以外は実施例1と同じ条件で模様形成用樹脂組成物2を製造した。
【0047】
実施例3 模様形成用樹脂組成物3の製造
エポキシ基含有重合体添加量を150g(Y/X=0.40)に代えた以外は実施例1と同じ条件で模様形成用樹脂組成物3を製造した。
【0048】
実施例4 模様形成用樹脂組成物4の製造
エポキシ基含有重合体添加量を200g(Y/X=0.53)に代えた以外は実施例1と同じ条件で模様形成用樹脂組成物4を製造した。
【0049】
実施例5 模様形成用樹脂組成物5の製造
エポキシ基含有重合体添加量を250g(Y/X=0.67)に代えた以外は実施例1と同じ条件で模様形成用樹脂組成物5を製造した。
【0050】
実施例6 模様形成用樹脂組成物6の製造
エポキシ基含有重合体添加量を500g(Y/X=1.34)に代えた以外は実施例1と同じ条件で模様形成用樹脂組成物6を製造した。
【0051】
実施例7 模様形成用樹脂組成物7の製造
染料としてSolvent Blue 87を、エポキシ基含有重合体として重量平均分子量10000、グリシジルメタクリレート含有量43.0重量%のメチルメタクリレート・グリシジルメタクリレートの二元アクリル系オリゴマー(エポキシ当量330g/mol)を200g加えた以外は実施例1と同じ条件で加工し、青色に着色されたペレット状の模様形成用樹脂組成物7を製造した。なお、Y/Xは0.48となる。
【0052】
実施例8 模様形成用樹脂組成物8の製造
エポキシ基含有重合体として、グリシジルメタクリレート含有量12.0重量%のエチレン・酢酸ビニル・グリシジルメタクリレートのターポリマー(エポキシ当量1200g/mol)を900g加えた以外は実施例7と同じ条件で加工し模様形成用樹脂組成物8を製造した。なお、Y/Xは0.60となる。
【0053】
比較例1 模様形成用樹脂組成物9の製造
エポキシ含有オリゴマーを加えない以外は、実施例1と同じ条件で赤色に着色されたペレット状の模様形成用樹脂組成物9を製造した。
【0054】
比較例2 模様形成用樹脂組成物10の製造
数平均分子量140万の白色のアクリルキャスト板を、カッターナイフで2〜3mm角のサイコロ状に切断して模様形成用樹脂組成物10を製造した。
【0055】
比較例3 模様形成用樹脂組成物11の製造
数平均分子量50万の超高分子ポリエチレン100重量部に対し、酸化チタン(石原産業製R−680)5重量部を加えた混合物50gを90ミリ径の2本ロールを使って180℃でロール練りし、得られた3ミリシートをカッターナイフで2〜3mm角のサイコロ状に切断して模様形成用樹脂組成物11を製造した。
【0056】
比較例4 模様形成用樹脂組成物12の製造
分子量50万の超高分子ポリエチレンを分子量600万の超高分子ポリエチレンに代えた以外は、比較例3と同じ条件で模様形成用樹脂組成物12を製造した。
【0057】
樹脂成形体1A〜5Aの模様評価
希釈樹脂としてダイセル社製のAS樹脂(050CS)を使用し、希釈樹脂100重量部に対し、酸化チタン(石原産業製R−680)を0.7重量部、ステアリン酸マグネシウムを0.3重量部の比率からなる混合物をハンドブレンドし、これに実施例1〜5で製造した模様形成用樹脂組成物1〜5を、各1重量部添加し、型締め圧55トンのインラインスクリュータイプ射出成型機(東芝製IS55FP)を所定温度に保ち、厚さ2ミリ、長さ96ミリ×156ミリのプレートを成形し5ショット〜14ショットのプレートをサンプリングし、得られた樹脂成形体1A〜5Aの模様を評価した。
得られた成形体はいずれも明確な白地に赤筋の模様となった。
模様はエポキシ含有オリゴマーの添加量および成形温度によって変わり、墨絵の様な流れ模様、あるいは墨絵の様な流れ模様に大理石調の模様が混ざったものとなった。墨絵の様な流れ模様をA、墨絵の様な流れ模様に大理石調の模様が混ざったものBと表記して第1表に評価結果を示した。
【0058】
【表1】
【0059】
樹脂成形体9の評価
比較例1で製造した、エポキシ含有重合体を加えない未変性PETである模様形成用樹脂組成物9を使用した以外は、樹脂成形体1と同じ条件で210℃〜280℃で10℃刻みでプレートを成形した。
210〜240℃の成形温度では、最初の3ショット目までは弱い流れ模様が観察されたが、5ショット目以降では希釈樹脂と混ざり合って、全体がピンク色になり流れ模様としては観察されなかった。
250〜280℃では最初から混ざり合って全体がピンク色になり、全く流れ模様としては観察されなかった。
【0060】
樹脂成形体10の評価
ポリスチレン樹脂(DIC製CR3500)100重量部に対し、カーボンブラック(三菱化学製#45)を0.05重量部、ステアリン酸マグネシウムを0.05重量部の比率からなる混合物をハンドブレンドし、これにアクリルキャスト板から得られた比較例2の模様形成用樹脂組成物10を1重量部添加し、インラインスクリュウタイプ射出成型機(東芝製IS55FP)を用いて、200℃、220℃、240℃、260℃、280℃の5段階の温度で2mm厚のプレートを成形し5ショット〜14ショットのプレートをサンプリングし、得られた樹脂成形体10の模様を評価した。
すべての温度で模様形成用樹脂組成物10は全く溶融せず、ポリスチレン樹脂と混ざり合わなかったため、黒字に白色のサイコロ状の物が存在する樹脂成形体10が得られた。
【0061】
樹脂成形体11の評価
比較例3で得られた模様形成用樹脂組成物11を使用した以外は、樹脂成形体10と同じ条件でプレートを成形した。すべての温度で模様形成用樹脂組成物11はポリスチレン樹脂と混ざり合って、得られた樹脂成形体11はグレイ色になり、模様は観察されなかった。
【0062】
樹脂成形体12の評価
比較例4で得られた模様形成用樹脂組成物12を使用した以外は、樹脂成形体10と同じ条件でプレートを成形した。すべての温度で模様形成用樹脂組成物12は全く溶融せず、バラバラに分解したため、ポリスチレン樹脂と混ざり合わない樹脂成形体12が得られた。
【0063】
樹脂成形体1B〜5Bの模様評価
希釈樹脂として大日本インキ社製のポリスチレン樹脂(CR3500)を使用し、希釈樹脂100重量部に対し、酸化チタン(石原産業製R−680)を0.7重量部、ステアリン酸マグネシウムを0.3重量部の比率からなる混合物をハンドブレンドし、これに実施例1〜5で製造した模様形成用樹脂組成物1〜5を、各1重量部添加し、型締め圧55トンのインラインスクリュータイプ射出成型機(東芝製IS55FP)を240℃に保ち、厚さ2ミリ、長さ96ミリ×156ミリのプレートを成形し5ショット〜14ショットのプレートをサンプリングし、得られた樹脂成形体1B〜5Bの模様を評価した。
実施例1および2で製造した模様形成用樹脂組成物1および2を使用した場合、得られた樹脂成形体1Bおよび2Bは、墨絵の様な流れ模様(表1に記載のA評価)となり、実施例3〜5で製造した模様形成用樹脂組成物3〜5を使用した場合、得られた樹脂成形体3B〜5Bは、墨絵の様な流れ模様に大理石調の模様が混ざったもの(表1に記載のB評価)となった。このように、Y/X比の違いにより、風合いの異なる樹脂成形体が得られた。
【0064】
樹脂成形体3C〜5Cの模様評価
希釈樹脂としてテクノポリマー社製のABS樹脂(350)を使用し、実施例3〜5で製造した模様形成用樹脂組成物3〜5を使用して、280℃で成形したこと以外は、樹脂成形体1B〜5Bと同じ条件で樹脂成形体3C〜5Cを製造し、その模様を評価した。
樹脂成形体3C〜5Cのいずれも、高温域で製造されたにもかかわらず、墨絵の様な流れ模様(表1に記載のA評価)が残った。
【0065】
樹脂成形体2Cの模様評価
希釈樹脂として住友化学社製のPMMA樹脂(LG)を使用し、実施例2で製造した模様形成用樹脂組成物2を使用して、230〜260℃で成形したこと以外は、樹脂成形体1B〜5Bと同じ条件で樹脂成形体2Cを製造し、その模様を評価した。
いずれの温度領域で製造されたものであっても、墨絵の様な流れ模様(表1に記載のA評価)を有する樹脂成形体が得られた。
【0066】
樹脂成形体5Dの模様評価
希釈樹脂としてクラレ社製のPET樹脂(KS710B)を使用し、実施例5で製造した模様形成用樹脂組成物5を使用して、260〜280℃で成形したこと以外は、樹脂成形体1B〜5Bと同じ条件で樹脂成形体5Dを製造し、その模様を評価した。
いずれの温度領域で製造されたものであっても、墨絵の様な流れ模様(表1に記載のA評価)を有する樹脂成形体が得られた。
【0067】
樹脂成形体6の模様評価
実施例6で製造した模様形成用樹脂組成物6を使用して、成形温度220℃、240℃、260℃、280℃で成形したこと以外は、樹脂成形体1A〜5Aと同じ条件で樹脂成形体6を製造し、その模様を評価した。
いずれも樹脂成形体1A〜5Aより大きい大理石調の流れ模様になった。
【0068】
樹脂成形体7の模様評価
実施例7で製造した模様形成用樹脂組成物7を使用して、成形温度210℃から280℃まで、10℃刻みで成形したこと以外は、樹脂成形体1B〜5Bと同じ条件で樹脂成形体7を製造し、その模様を評価した。
いずれも綺麗な墨絵模様になった。
【0069】
樹脂成形体8の模様評価
実施例8で製造した模様形成用樹脂組成物8を使用して、成形温度210℃から280℃まで、10℃刻みで成形したこと以外は、樹脂成形体1B〜5Bと同じ条件で樹脂成形体8を製造し、その模様を評価した。
いずれも綺麗な墨絵模様になった。
【手続補正書】
【提出日】2014年8月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性ポリエステル樹脂とエポキシ基含有重合体との反応生成物、ならびに染料および顔料からなる群より選択された少なくとも一種の着色成分を含有し、前記エポキシ基含有重合体が、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレートを含有することを特徴とする模様形成用樹脂組成物。
【請求項2】
前記熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートからなる群より選択された少なくとも一種である請求項1に記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレートである請求項1または2に記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項4】
前記エポキシ基含有重合体のエポキシ当量が、150〜7000である請求項1〜3のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)に基づき算出した末端モノマー単位量をX(mol)、前記エポキシ基含有重合体中のエポキシ基の含有量をY(mol)としたとき、Y/X=0.02〜5.0である請求項1〜4のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項6】
前記エポキシ基含有重合体が、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレート、ならびにスチレンおよび(メタ)アクリル酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項7】
前記エポキシ基含有重合体が、モノマー単位として、グリシジル(メタ)アクリレート、エチレン、ならびに酢酸ビニルおよび(メタ)アクリル酸エステルから成る群より選択される少なくとも1種を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の模様形成用樹脂組成物と、熱可塑性樹脂とを含有する樹脂組成物。
【請求項9】
前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン樹脂およびその共重合体、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、PMMA樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ナイロン樹脂、ならびにポリエチレンテレフタレート樹脂からなる群より選択された少なくとも一種である請求項8に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
請求項8または9に記載の樹脂組成物を原料として得られることを特徴とする樹脂成形体。