特開2015-96772(P2015-96772A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ベルテックの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-96772(P2015-96772A)
(43)【公開日】2015年5月21日
(54)【発明の名称】固定対象部材の固定部構造
(51)【国際特許分類】
   F16B 5/02 20060101AFI20150424BHJP
【FI】
   F16B5/02 A
   F16B5/02 Q
   F16B5/02 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-22176(P2015-22176)
(22)【出願日】2015年2月6日
(62)【分割の表示】特願2013-136791(P2013-136791)の分割
【原出願日】2013年6月28日
(71)【出願人】
【識別番号】510153113
【氏名又は名称】株式会社ベルテック
(74)【代理人】
【識別番号】100102048
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 光司
(72)【発明者】
【氏名】澤西 良三
【テーマコード(参考)】
3J001
【Fターム(参考)】
3J001FA02
3J001GA01
3J001HA02
3J001HA07
3J001HA09
3J001JA10
3J001KA12
3J001KA16
3J001KB04
(57)【要約】
【課題】第1板状部材と第2板状部材とを連結する際に、スムーズにボルト挿通孔同士の位置合わせ調整ができながら、その位置合わせ後には第1板状部材と第2板状部材とが安定して相対的な連結位置を維持できるようにする。
【解決手段】第1板状部材と第2板状部材夫々に、ボルト及びナットを介して連結自在な連結部を設け、連結部21を構成するのに、第1板状部材と第2板状部材夫々にボルト挿通孔を形成して、第1板状部材と第2板状部材夫々に形成したボルト挿通孔の周縁部を、それらに挿通するボルトとナットとの締め付けによって、表裏少なくともいずれか一方側に同時に突出変形させる変形加圧部Aを、ボルトとナットとの対向面部間に設けてある。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1板状部材と第2板状部材夫々に、ボルト及びナットを介して連結自在な連結部を設け、
前記連結部を構成するのに、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々にボルト挿通孔を形成してある板状部材同士の連結部構造であって、
前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々に形成した前記ボルト挿通孔の周縁部を、それらに挿通する前記ボルトと前記ナットとの締め付けによって、表裏少なくともいずれか一方側に同時に突出変形させる変形加圧部を、前記ボルトと前記ナットとの対向面部間に設けてある板状部材同士の連結部構造。
【請求項2】
前記第1板状部材のボルト挿通孔と前記第2板状部材のボルト挿通孔の内、少なくともいずれか一方を長孔に形成して、その長孔の長手方向に前記第1板状部材と前記第2板状部材とが相対的に連結位置変更自在に構成してある請求項1に記載の板状部材同士の連結部構造。
【請求項3】
前記変形加圧部は、前記ボルトの第1締め付け面部と前記ナットの第2締め付け面部とのいずれか一方側に、突出部を形成するとともに、他方側に前記突出部を受け入れ可能な凹部を形成してある請求項1または2に記載の板状部材同士の連結部構造。
【請求項4】
前記変形加圧部は、前記ボルトの第1締め付け面部と前記ナットの第2締め付け面部とのいずれか一方側に、凹凸部を形成するとともに、他方側に前記凹凸部に沿った面を有し、且つ、その凹凸部と互いに嵌合可能な受入凹凸部を形成してある請求項1または2に記載の板状部材同士の連結部構造。
【請求項5】
前記変形加圧部は、前記ボルトと前記ナットとの間に介在する一対のワッシャを設け、前記一対のワッシャの内のいずれか一方の第1ワッシャに、他方側に突出する突出部を形成するとともに、他方の第2ワッシャに、前記突出部を嵌入可能にする受入凹部を形成してある請求項1または2に記載の板状部材同士の連結部構造。
【請求項6】
第1板状部材と第2板状部材夫々に、ボルト及びナットを介して連結自在な連結部を設け、
前記連結部を構成するのに、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々にボルト挿通孔を形成してある板状部材同士の連結部構造であって、
前記第1板状部材に形成してあるボルト挿通孔を長孔に形成し、
前記第2板状部材に形成してあるボルト挿通孔の周縁部に突出部又は凹部を形成し、
前記ボルトと前記ナットとの締め付けによって、前記第1板状部材を前記突出部又は凹部に沿うように変形させる変形加圧部を、前記ボルトと前記ナットとの対向面部間に設けてある板状部材同士の連結部構造。
【請求項7】
第1板状部材と第2板状部材夫々に、ボルト及びナットを介して連結自在な連結部を設け、
前記連結部を構成するのに、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々にボルト挿通孔を形成してある板状部材同士の連結部構造であって、
前記ボルト挿通孔の周辺部で、且つ、前記第1板状部材と前記第2板状部材の向かい合う対向面夫々に、互いに係合可能な凹凸部を形成し、
前記第1板状部材と前記第2板状部材の対向面間に、前記ボルトの締め付け前は前記凹凸部夫々を離間させておき、且つ、前記ボルトの締め付けに伴って前記凹凸部どうしの係合を可能にする反発部材を介在してある板状部材同士の連結部構造。
【請求項8】
前記第1板状部材のボルト挿通孔と前記第2板状部材のボルト挿通孔の内、少なくともいずれか一方を長孔に形成して、その長孔の長手方向に第1板状部材と第2板状部材とが相対的に連結位置変更自在に構成してある請求項7に記載の板状部材同士の連結部構造。
【請求項9】
前記反発部材は、合成樹脂の発泡体、金属製バネ材、又は、互いに反発し合う一対の磁性体の中から選択された少なくとも1種から構成してある請求項7または8に記載の板状部材同士の連結部構造。
【請求項10】
第1板状部材と第2板状部材夫々に、ボルト及びナットを介して連結自在な連結部を設け、
前記連結部を構成するのに、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々にボルト挿通孔を形成してある板状部材同士の連結部構造であって、
前記第1板状部材のボルト挿通孔を溝状又は長孔に形成して、その溝状又は長孔の長手方向に前記第1板状部材と前記第2板状部材とを相対的に連結固定位置変更自在に構成し、
前記ボルト挿通孔の内周面に凹凸部を形成し、
その凹凸部に係合可能な係合凹凸部を、前記ボルト又は前記ボルトに対する座金に設け、
前記ボルトに対してナットを螺合させるに伴って前記係合凹凸部が前記凹凸部に係合して前記第1板状部材と前記第2板状部材とが相対的に連結固定位置変更不能になるように構成してある板状部材同士の連結部構造。
【請求項11】
前記第1板状部材において、前記第2板状部材とは反対側に、前記ボルト挿通孔と連通する開口を有し、且つ、前記ボルト挿通孔側ほど互いに近接する一対の傾斜補強壁板部を、前記ボルト挿通孔の両側に一体連設したアリ溝形補強部材を設け、
前記ボルトのボルト頭を収容して回り止めをする回り止め部を、前記アリ溝形補強部材に設けてある請求項10に記載の板状部材同士の連結部構造。
【請求項12】
前記第1板状部材に、前記ボルト頭を挿通させて前記アリ溝形補強部材に収容可能なボルト頭挿通孔を、前記ボルト挿通孔に連設してある請求項10または11に記載の板状部材同士の連結部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1板状部材と第2板状部材夫々に、ボルト及びナットを介して連結自在な連結部を設け、前記連結部を構成するのに、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々にボルト挿通孔を形成してある板状部材同士の連結部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1板状部材と第2板状部材とを連結部によって連結するのに、それらのボルト挿通孔同士にボルトを挿通させ、そのボルトの締め付けにより、第1板状部材と第2板状部材との互いの対向面同士を圧接させて連結している。
ところが、第1板状部材と第2板状部材とが、外力や荷重や振動などの作用によって相対的に位置ずれを起こす虞がある。
そこで、第1板状部材と第2板状部材とが相対的に位置ずれしないようにするために、前記ボルト挿通孔の周辺部で、且つ、前記第1板状部材と前記第2板状部材の向かい合う対向面夫々に、互いに係合可能な凹凸部を形成する構造(例えば、特許文献1参照)を採用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−8355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した構造を採用した場合、第1板状部材と第2板状部材とを対向させて夫々に設けたボルト挿通孔同士を位置合わせするまでに、それらの対向する面に形成した凹凸部同士が引っ掛かりあって、スムーズに第1板状部材と第2板状部材とを相対的に位置調整するのに手間取るという問題があった。
【0005】
従って、第1板状部材と第2板状部材とを連結する際に、スムーズにボルト挿通孔同士の位置合わせ調整ができながら、その位置合わせ後には第1板状部材と第2板状部材とが安定して相対的な連結位置を維持できるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、第1板状部材と第2板状部材夫々に、ボルト及びナットを介して連結自在な連結部を設け、前記連結部を構成するのに、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々にボルト挿通孔を形成してある板状部材同士の連結部構造であって、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々に形成した前記ボルト挿通孔の周縁部を、それらに挿通する前記ボルトと前記ナットとの締め付けによって、表裏少なくともいずれか一方側に同時に突出変形させる変形加圧部を、前記ボルトと前記ナットとの対向面部間に設けたところにある。
【0007】
本発明の第1の特徴構成によれば、連結部において第1板状部材と第2板状部材夫々に形成したボルト挿通孔にボルトを挿通させた状態で、ボルトとナットを締め付けるに伴って、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々に形成した前記ボルト挿通孔の周縁部が、前記ボルトと前記ナットとの対向面部間に設けてある変形加圧部によって、表裏少なくともいずれか一方側に同時に突出変形する。そして、その変形した周縁部同士の係合によって、第1板状部材と第2板状部材とが相対的な位置ずれを起こすのを防止できる。
つまり、第1板状部材と第2板状部材とを連結部によって連結する際に、スムーズにボルト挿通孔同士の位置合わせ調整ができながら、その調整後には、第1板状部材に対して第2板状部材の位置や相対姿勢が変化するのを、簡単に防止できる。
【0008】
本発明の第2の特徴構成は、前記第1板状部材のボルト挿通孔と前記第2板状部材のボルト挿通孔の内、少なくともいずれか一方を長孔に形成して、その長孔の長手方向に前記第1板状部材と前記第2板状部材とが相対的に連結位置変更自在に構成したところにある。
【0009】
本発明の第2の特徴構成によれば、前記第1板状部材のボルト挿通孔と前記第2板状部材のボルト挿通孔の内、少なくともいずれか一方に形成した長孔によって、その長孔の長手方向への第1板状部材と第2板状部材との間での相対的でスムーズな移動を許容でき、相対的な連結位置の調整を自在に行えるようになる。
【0010】
本発明の第3の特徴構成は、前記変形加圧部は、前記ボルトの第1締め付け面部と前記ナットの第2締め付け面部とのいずれか一方側に、突出部を形成するとともに、他方側に前記突出部を受け入れ可能な凹部を形成したところにある。
【0011】
本発明の第3の特徴構成によれば、突出部とその突出部を受け入れ可能な凹部を、前記ボルトの第1締め付け面部と前記ナットの第2締め付け面部との一方側に形成することで、変形加圧部が構成されることで、簡単な加工によって、板状部材同士の上下又は左右位置や相対姿勢が変化するのを、簡単に防止できる。
【0012】
本発明の第4の特徴構成は、前記変形加圧部は、前記変形加圧部は、前記ボルトの第1締め付け面部と前記ナットの第2締め付け面部とのいずれか一方側に、凹凸部を形成するとともに、他方側に前記凹凸部に沿った面を有し、且つ、その凹凸部と互いに嵌合可能な受入凹凸部を形成したところにある。
【0013】
本発明の第4の特徴構成によれば、凹凸部とその凹凸部を嵌合可能な受入凹凸部を、前記ボルトの第1締め付け面部と前記ナットの第2締め付け面部とに振り分けて設けて、変形加圧部を形成してあることにより、簡単な加工によって、板状部材同士の上下又は左右位置や相対姿勢が変化するのを、簡単に防止できる。
【0014】
本発明の第5の特徴構成は、前記変形加圧部は、前記ボルトと前記ナットとの間に介在する一対のワッシャを設け、前記一対のワッシャの内のいずれか一方の第1ワッシャに、他方側に突出する突出部を形成するとともに、他方の第2ワッシャに、前記突出部を嵌入可能にする受入凹部を形成したところにある。
【0015】
本発明の第5の特徴構成によれば、一対のワッシャの内の一方の第1ワッシャに、他方側に突出する突出部を形成するとともに、他方の第2ワッシャに、前記突出部を嵌入可能にする受入凹部を形成して、前記ボルトと前記ナットとの間に介在することで、ボルトとナットの締め付けに伴って、簡単に加工できる第1ワッシャと第2ワッシャを準備するだけで、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々に形成した前記ボルト挿通孔の周縁部が、表裏少なくともいずれか一方側に同時に突出変形し、その変形した周縁部同士の係合によって、第1板状部材と第2板状部材とが相対的な位置ずれを起こすのを防止できる。
【0016】
本発明の第6の特徴構成は、第1板状部材と第2板状部材夫々に、ボルト及びナットを介して連結自在な連結部を設け、前記連結部を構成するのに、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々にボルト挿通孔を形成してある板状部材同士の連結部構造であって、前記第1板状部材に形成してあるボルト挿通孔を長孔に形成し、前記第2板状部材に形成してあるボルト挿通孔の周縁部に突出部又は凹部を形成し、前記ボルトと前記ナットとの締め付けによって、前記第1板状部材を前記突出部又は凹部に沿うように変形させる変形加圧部を、前記ボルトと前記ナットとの対向面部間に設けたところにある。
【0017】
本発明の第6の特徴構成によれば、第1板状部材と第2板状部材夫々のボルト挿通孔にボルトを挿通させた状態で、第1板状部材の長孔に形成されたボルト挿通孔に沿って第1、第2板状部材同士を相対的に位置調整できながら、ボルトとナットの締め付けに伴って、前記ボルトと前記ナットとの対向面部間に設けた変形加圧部によって、第2板状部材のボルト挿通孔の周縁部に形成した突出部又は凹部に対し、第1板状部材のボルト挿通孔の周縁部が変形して、第1、第2板状部材同士の相対的な位置ずれを起こすのを防止できる。
【0018】
本発明の第7の特徴構成は、第1板状部材と第2板状部材夫々に、ボルト及びナットを介して連結自在な連結部を設け、前記連結部を構成するのに、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々にボルト挿通孔を形成してある板状部材同士の連結部構造であって、前記ボルト挿通孔の周辺部で、且つ、前記第1板状部材と前記第2板状部材の向かい合う対向面夫々に、互いに係合可能な凹凸部を形成し、前記第1板状部材と前記第2板状部材の対向面間に、前記ボルトの締め付け前は前記凹凸部夫々を離間させておき、且つ、前記ボルトの締め付けに伴って前記凹凸部どうしの係合を可能にする反発部材を介在してあるところにある。
【0019】
本発明の第7の特徴構成によれば、第1板状部材と第2板状部材とを連結するのに、夫々に設けたボルト挿通孔にボルトを挿通させ、そのボルトの締め付けに基づいて、前記ボルト挿通孔の周辺部で、且つ、前記第1板状部材と前記第2板状部材との向かい合う対向面夫々に形成した凹凸部同士が互いに係合し、上下方向の移動を阻止する。
その上、ボルトの締め付けに伴って第1板状部材と第2板状部材との凹凸部夫々が係合するまで、第1板状部材と第2板状部材の対向面間に介在させた反発部材により、凹凸部夫々を離間させておくことによって、第1、第2板状部材同士の相対的な位置を抵抗無く自在に調整できながら、ボルトの締め付けによって凹凸部同士の係合を可能にさせることによって、第1、第2板状部材同士の相対的な位置は、確実に固定される。
【0020】
本発明の第8の特徴構成は、前記第1板状部材のボルト挿通孔と前記第2板状部材のボルト挿通孔の内、少なくともいずれか一方を長孔に形成して、その長孔の長手方向に第1板状部材と第2板状部材とが相対的に連結位置変更自在に構成したところにある。
【0021】
本発明の第8の特徴構成によれば、反発部材の介在によって、特に、前記第1板状部材のボルト挿通孔と前記第2板状部材のボルト挿通孔の内、少なくともいずれか一方に形成した長孔によって、その長孔の長手方向への第1板状部材と第2板状部材との間での相対的でスムーズな移動を許容でき、相対的な位置の調整を自在に行えるようになる。
【0022】
本発明の第9の特徴構成は、前記反発部材は、合成樹脂の発泡体、金属製バネ材、又は、互いに反発し合う一対の磁性体の中から選択された少なくとも1種から構成してあるところにある。
【0023】
本発明の第9の特徴構成によれば、反発部材を合成樹脂の発泡体、金属製バネ材、又は、互いに反発し合う一対の磁性体の中から選択された少なくとも1種から構成することにより、簡単な構成により第1板状部材と第2板状部材との相対位置調整をスムーズに可能にしながら、凹凸部同士の係合をさせることができる。
【0024】
本発明の第10の特徴構成は、第1板状部材と第2板状部材夫々に、ボルト及びナットを介して連結自在な連結部を設け、前記連結部を構成するのに、前記第1板状部材と前記第2板状部材夫々にボルト挿通孔を形成してある板状部材同士の連結部構造であって、前記第1板状部材のボルト挿通孔を溝状又は長孔に形成して、その溝状又は長孔の長手方向に前記第1板状部材と前記第2板状部材とを相対的に連結固定位置変更自在に構成し、前記ボルト挿通孔の内周面に凹凸部を形成し、その凹凸部に係合可能な係合凹凸部を、前記ボルト又は前記ボルトに対する座金に設け、前記ボルトに対してナットを螺合させるに伴って前記係合凹凸部が前記凹凸部に係合して前記第1板状部材と前記第2板状部材とが相対的に連結固定位置変更不能になるように構成したところにある。
【0025】
本発明の第10の特徴構成によれば、前記第1板状部材のボルト挿通孔を溝状又は長孔に形成したボルト挿通孔の内周面に凹凸部を形成し、その凹凸部に係合可能な係合凹凸部を前記ボルト又は前記ボルトに対する座金に設けるだけの簡単な改造によって、前記第1板状部材と前記第2板状部材とが相対的に連結位置変更不能にできる。
【0026】
本発明の第11の特徴構成は、前記第1板状部材において、前記第2板状部材とは反対側に、前記ボルト挿通孔と連通する開口を有し、且つ、前記ボルト挿通孔側ほど互いに近接する一対の傾斜補強壁板部を、前記ボルト挿通孔の両側に一体連設したアリ溝形補強部材を設け、前記ボルトのボルト頭を収容して回り止めをする回り止め部を、前記アリ溝形補強部材に設けたところにある。
【0027】
本発明の第11の特徴構成によれば、前記第1板状部材において、ボルト挿通孔にボルトを挿通させて第2板状部材を固定した後、第1板状部材と第2板状部材とを引き離す力が働いてボルトに引き抜き力が作用した時には、第1板状部材におけるボルト挿通孔の周辺部が第2板状部材側に引っ張られようとするが、同時にその引張力が、ボルト挿通孔の両側に一体に連設した一対の傾斜補強壁板部を介してアリ溝形補強部材全体にも伝わる。
特に、引張力によって長孔の幅が拡がる様に変形し易いボルト挿通孔の長手方向の中間部で、一体に連接しているアリ溝形補強部材の長手方向の中間部も突曲するように湾曲変形しようとする。
しかし、アリ溝形補強部材は、第2板状部材側に湾曲変形しようとすれば、開口部に近い部分ほど互いに近接する一対の傾斜補強壁板部は、アリ溝形補強部材の溝底部の幅が一定幅であるために、ボルト挿通孔とは逆に互いに近づくように変形しようとする。
従って、ボルト挿通孔とアリ溝形補強部材における一対の傾斜補強壁板部との相反する変形挙動のために、ボルト挿通孔の幅の拡がり変形は抑制され、結果的に、ボルト挿通孔に挿通したボルトの抜けを防止できる。
よって、第1、第2板状部材が板金製であっても、それらの軽量化を維持しながら補強できる。
【0028】
本発明の第12の特徴構成は、前記第1板状部材に、前記ボルト頭を挿通させて前記アリ溝形補強部材に収容可能なボルト頭挿通孔を、前記ボルト挿通孔に連設したところにある。
【0029】
本発明の第12の特徴構成によれば、第1板状部材と第2板状部材とを相互に連結固定するのに、ボルト頭をボルト頭挿通孔に通してアリ溝形補強部材に収容させることにより、ボルトをボルト挿通孔に挿通させることができ、簡単な操作のみで第1板状部材と第2板状部材とを連結固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】他物を固定した施工状態の全体斜視図である。
図2】本発明の他物固定具の全体斜視図である。
図3】本発明の他物固定具の分解斜視図である。
図4】縦断面図である。
図5】要部の縦断面図で、(a)は第1ボルトによる締め付け前の状態を示し、(b)は締め付け後の縦断面図である。
図6】別実施形態の要部の縦断面図で、(a)は第1ボルトによる締め付け前の状態を示し、(b)は締め付け後の縦断面図である。
図7】要部の斜視図である。
図8】要部の縦断面図である。
図9】要部の分解斜視図である。
図10】要部の縦断面図で、(a)は第1ボルトによる締め付け前の状態を示す縦断面図、(b)は第1ボルトによる締め付け後の状態を示す縦断面図である。
図11】別実施形態の要部分解斜視図を示す。
図12】別実施形態の要部縦断面図を示し、(a)は第1ボルトによる締め付け前の状態を示し、(b)は締め付け後の状態を示す。
図13】別実施形態の分解斜視図である。
図14】別実施形態の要部縦断面図である。
図15】別実施形態の要部組み立て状態の縦断面図である。
図16】別実施形態の要部斜視図である。
図17】別実施形態の第1分割支持部材の要部斜視図である。
図18】別実施形態の第1分割支持部材の平面図である。
図19】座金を(a)は上方からみた斜視図、(b)は下方からみた斜視図である。
図20】座金の別実施形態を示し、(a)は上方からみた斜視図、(b)は下方からみた斜視図である。
図21】別実施形態の第1分割支持部材の斜視図である。
図22図16における別実施形態の分解斜視図である。
図23図16における別実施形態の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1図4に示すように、本発明の他物固定具の一実施形態品(以後、単に固定台1という)を使用して、屋上のコンクリート床やベランダ等の建築物(取付下地2の一例)の上に、ソーラーパネル4やその固定枠5等の固定対象部材(他物の一例)3を固定してある状況を示している。
【0032】
前記コンクリート床2の上には、防水シート6が敷設してある。
当該実施形態においては、コンクリート床2の全域に防水シート6が敷設してある状態で、その上に、当該固定台1を設置して、固定対象部材3を固定台1に固定してある例を示している。従って、固定台1を設置した後、その周囲に、図4に示すように、防水シート6と固定台1の外周部にわたる状態に立上り防水層7を設置し、その上端部をバンド29で縛ると共に、シール剤30を塗布して雨水の浸入を防止して、固定台設置部分から下方への漏水防止を図っている。
コンクリート床2における固定台設置箇所には、アンカー部材8によって固定台1が固定されている。
【0033】
前記固定対象部材3は、形鋼をトラス構造に組みあげた固定枠5と、固定枠5の上面に沿って取り付けられたソーラーパネル4とを備えて構成してあり、固定枠5が、固定台1に第2ボルト19とナットNとで固定されている。
【0034】
前記固定台1は、図2図4に示すように構成してある。
つまり、下端部にコンクリート床2への第1固定部9を設け、上端部に固定対象部材3の固定枠5を固定する第2固定部10を設け、全体を鉄系材料等の板金製で形成して、第1固定部9を備えた下地側支持部材12と、第2固定部10を備えた他物支持部材13とに上下に分割構成し、下地側支持部材12の上端部と、他物支持部材13の下端部とに、相互に第1ボルト20を介して連結自在な連結部21を設け、連結部21を構成するために、下地側支持部材12の第1周側板(第1板状部材の一例)31に上下長孔状のボルト挿通孔33を形成し、他物支持部材13の第2周側板(第2板状部材の一例)32に、ボルト挿通孔34を形成して、第1ボルト(ボルトの一例)20及びナットNによる締め付けにより、下地側支持部材12に対する他物支持部材13の相対連結姿勢が、上下位置変更自在になるように構成してある。
【0035】
前記第1周側板31と前記第2周側板32夫々に形成した前記ボルト挿通孔33,34の周縁部を、それらに挿通する前記第1ボルト20と前記ナットNとの締め付けによって、表裏少なくともいずれか一方側に同時に突出変形させる変形加圧部Aを、前記第1ボルト20と前記ナットNとの対向面部間に設けてある。
【0036】
前記変形加圧部Aは、図5(a)、(b)に示すように、前記第1ボルト20の第1締め付け面部と前記ナットNの第2締め付け面部との一方側に、突出部Bを形成するとともに、他方側に前記突出部Bを受け入れ可能な凹部Cを形成してある。
つまり、図5(a)では、第1ボルト20の第1締め付け面部を突出部Bに形成し、ナットNの第2締め付け面部を凹部Cに形成してある。そして、第1ボルト20とナットNの締め付けに伴って、第1周側板31と前記第2周側板32夫々に形成した前記ボルト挿通孔33.34の周縁部が塑性変形して(図5(b))、双方の相対的位置ずれが防止されるように構成してある。
【0037】
下地側支持部材12は、図2図4に示すように、アンカーボルト挿通孔35を設けた第1固定部9を、その上方から皿ビスやボルト等からなるアンカー部材8によって固定操作ができるように形成した接地部材36と、上部支持部材38とを互いに溶接により一体に構成してある。
【0038】
上部支持部材38は、図3図4に示すように、上端側に第1周側板31を突出させて、横断面視で略4角形の縦筒形状の筒本体部39と、その筒本体部39の上端部に屋根部37とを組みつけて溶接により一体化してある。
【0039】
前記他物支持部材13は、図2図4に示すように、第2固定部10を上部に形成した第1分割支持部材43と、連結部21を下部に形成した第2分割支持部材44とに互いに第3ボルト45を介して上下連結自在に分割構成し、第1分割支持部材43と第2分割支持部材44の互いに連結する連結部46の一方に、横方向に沿った長孔のボルト挿通孔48を設け、他方に、丸孔のボルト挿通孔49を形成してあり、第3ボルト45をボルト挿通孔48とボルト挿通孔49に挿通させてナットNで締め付ければ、第1分割支持部材43が第2分割支持部材44に対して横方向に移動調整できる。
【0040】
前記他物支持部材13における第2固定部10には、他物3を固定する第2ボルト19の軸部挿通部50を長孔に形成し、第2ボルト19及びナットNを介して他物3を第2固定部10に固定自在に構成してある。
【0041】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記変形加圧部Aは、前記第1ボルト20の第1締め付け面部と前記ナットNの第2締め付け面部との一方側に、凹凸部を形成するとともに、他方側に前記凹凸部に沿った面を有し且つその凹凸部と互いに嵌合可能な受入凹凸部を形成してあってもよい。
〈2〉 前記変形加圧部Aは、前記第1ボルト20と前記ナットNとの間に介在する一対のワッシャ22を設け、前記一対のワッシャ22の内の一方の第1ワッシャ22Aに、他方側に突出する突出部を形成するとともに、他方の第2ワッシャ22Bに、前記突出部Bを嵌入可能にする受入凹部Cを形成してあってもよい。
〈3〉 前記変形加圧部Aは、前記第1ボルト20と前記ナットNとの間に介在するワッシャを設け(図外)、前記ワッシャに締め付け対象側に突出する突出部を形成するとともに、その突出部を嵌入可能にする受入凹部を、前記第1ボルトと前記ナットのいずれか一方に形成してあっても良い。
〈4〉 前記変形加圧部Aは、第1ボルト20とナットNとの締め付けに伴って、第1周側板31と第2周側板32夫々に形成したボルト挿通孔の周縁部が塑性変形する例で示したが、それに代えて、前記周縁部が弾性変形する物であってもよく、この場合には、第1ボルトとナットの締め付けを解除すれば、前記周縁部が元の形状に戻り、第1周側板と第2周側板の相対位置調整が再度容易になるという利点がある。
〈5〉 前記変形加圧部Aは、第1ボルト20による連結部21に限らず、第2ボルト19や第3ボルト45による連結部46にも適用してもよい。
〈6〉 前記第2固定部10の下側には、次の構成を設けてもよい。つまり、図7図8に示すように、上部に軸部挿通部50と連通する開口を有し、且つ、上側ほど互いに近接する一対の傾斜補強壁板部17を、軸部挿通部50の両側に溶接により一体連設したアリ溝形補強部材18を設け、第2ボルト19のボルト頭を収容して回り止めをする回り止め部14を、アリ溝形補強部材18に設けてある。前記第2固定部10には、その上方から第2ボルト19のボルト頭を挿通させてアリ溝形補強部材18のアリ溝空間内に収容可能なボルト頭挿通孔51を、軸部挿通部50の幅よりも大径にして軸部挿通部50に連設してある。前記回り止め部14は、ボルト頭の周側部が接当してボルトの回り止め機能を発揮する一対の立設側壁17Aを、一体にアリ溝形補強部材18の底板部18Aに設けることにより構成してある。
〈7〉 前記第1周側板31に前記第2周側板32を外嵌するように形成してあるのに代えて、第1周側板31に第2周側板32を内嵌させるように形成してあっても良い。
〈8〉 前記第1周側板31に丸孔状のボルト挿通孔33を形成し、第2周側板32に上下方向に長い長孔状のボルト挿通孔34を形成してもよい。また、夫々のボルト挿通孔を上下に長い長孔状に形成してあったり、一方のボルト挿通孔を上下に長い長孔状に形成すると共に、他方のボルト挿通孔を横方向に長い長孔状に形成してあってもよい。また、ボルト挿通孔を、第1ボルトの軸径よりも大径の一般的にバカ孔と呼ばれる大きさの貫通孔で形成してあって、ボルト挿通孔と第1ボルトとの径の差分、上下左右に第1周側板31と第2周側板32とが、連結時に相対的に変位自在になるように構成してあっても良い。
【0042】
[第2実施形態]
図9図10(a)、(b)に示すように、ボルト挿通孔33,34の周辺部で第1周側板(第1板状部材の一例)31と第2周側板(第2板状部材の一例)32の向かい合う互いに接触する対向面夫々には、互いに係合可能な多数の溝状の凹凸部15を形成して滑り止め機能を持たせてある。
つまり、第1周側板31に外嵌する第2周側板32におけるボルト挿通孔34の周辺部と、第1周側板31におけるボルト挿通孔33の周辺部とに、上下に並設した凹凸部15を、図10(a)、(b)に示すように、プレス成形により形成してある。
【0043】
図10(a)→(b)に示すように、互いに嵌合する第1周側板31と第2周側板32との対向面間で、夫々の凹凸部15近傍には、第1ボルト20の締め付け前は凹凸部15夫々を離間させておき(図10(a))、且つ、第1ボルト20の締め付けに伴って凹凸部15どうしの係合(図10(b))を可能にするポリエチレンの独立発泡体からなる反発部材16を介在してあって、第1ボルト20の締め付け操作までには凹凸部15同士が引っ掛からないように、第1周側板31と第2周側板32の上下相対位置変位調整をスムーズに行えるように構成してある。
【0044】
[別実施形態]
〈1〉 前記凹凸部15は、ボルト挿通孔33,34の周辺部で、そのボルト挿通孔33,34の形状が長孔の場合には、長孔の長手方向に対する滑り止めになるような形状であれば、複数の凹凸溝形状以外に、複数の突起とその突起が係合する凹部との組み合わせからなるものでもよい。
〈2〉 前記反発部材16は、発泡樹脂に代えて、図11図12(a)、(b)に示すように、金属製や樹脂製の板バネや、互いに反発し合う一対の磁性体からなるものでもよい。
【0045】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0046】
[第3実施形態]
図13図15に示すように、第1周側板31(第2板状部材の一例)と第2周側板32(第1板状部材の一例)夫々に、ボルト及びナットNを介して連結自在な連結部21を設け、連結部21を構成するのに、第1周側板31と第2周側板32夫々にボルト挿通孔33,34、を形成し、ボルト挿通孔33を長孔に形成し、ボルト挿通孔34の周縁部に突出部Bを形成し、ボルト20とナットNとの締め付けによって、第1周側板31を突出部Bに沿うように変形させる変形加圧部Aを、ボルト20とナットNとの対向面部間に設けて滑り止め機能を備えさせてあっても良い。
図中22は、凹部Cを設けたワッシャで、23は、スプリングワッシャである。
また、第2周側板32に設けたボルト挿通孔49の周縁部を凹部Cに形成し、ボルト挿通孔49に対向する第1分割支持部材43のボルト挿通孔48との関係においても、変形加圧部Aを備えさせてあっても良い。この場合、第2周側板(第1板状部材の一例)32の内側でボルト挿通孔49の周縁部に、ナットNを溶接により一体化してある。
図中22は、扁平なワッシャで、23はスプリングワッシャであり、24は加圧補助ワッシャで、ボルト45とナットNで締め付けた時に、ボルト挿通孔49周辺部が凹部Cに沿って変形しやすいように押しつけるものである。
【0047】
[第4実施形態]
図16〜19に示すように、前記軸部挿通部(ボルト挿通孔の別の例)50をアリ溝状に形成して、そのアリ溝状軸部挿通部50の長手方向に第2固定部10と他物3とを相対的に連結固定位置変更自在に構成するのに、軸部挿通部50の内周面に凹凸部52を形成し、その凹凸部52に係合可能な係合凹凸部53を、第2ボルト(ボルトの別の例)19に対する座金54又は第2ボルト19(第2ボルト19に座金が一体化したもの(図外))に設け、第2ボルト19に対してナットNを螺合させるに伴って係合凹凸部53が凹凸部52に係合して第2固定部10と他物3とが相対的に連結固定位置変更不能になるように構成してある。
図18図19(a)、(b)に示すように、前記凹凸部52のピッチに対して、係合凹凸部53のピッチを2倍に形成して、凹凸部52のピッチに対してその1/2ずつ相対位置調整可能にしてある。
尚、本第4実施形態では、座金54と第2ボルト19とを別部材に設け、座金54の下面側に、第2ボルト19の6角頭部を内嵌させて回り止め可能に構成してある嵌合凹部56を設け、大径のボルトを嵌合させる座金54は、図20(a)、(b)に示し、小径のボルトを嵌合させる座金54は、図19(a),(b)に示す。
また、第2ボルト19に対する座金54の挿通孔55は、横断面を楕円形に形成して第2ボルト19と座金54とが少し相対移動を許容して、組み付け誤差を吸収できるように構成してある。
このように構成することにより、他物支持部材13に対して他物3を確実に位置固定できる。
尚、図22図23に示すように、アリ溝状の軸部挿通部50のアリ溝底部57は、樋状に形成してあって、軸部挿通部50の補強になっていると共に、第1分割支持部材43におけるアリ溝底部57を、第2分割支持部44の上端縁部に載置して、第3ボルト45で抜け止め可能に連結することで、他物3からの荷重を、下方の第1分割支持部材43、第2分割支持部材44、下地側支持部材12を介して取付下地2に伝達支持可能に構成してある。
また、座金54及び第2ボルト19は、軸部挿通部50の横端部の開口58からアリ溝状の軸部挿通部50内に嵌入可能にしてある。
尚、この構成は、第3実施形態との組み合わせであっても良い。
【0048】
[別実施形態]
前記座金54と第2ボルト19とは、別部材に設ける以外に、一体に形成してあっても良い。
図21に示すように、軸部挿通部50を、長孔に形成して、その端部にボルト頭挿通孔51を設けてある場合もよい。
前記第1周側板31のボルト挿通孔33と前記第2周側板32のボルト挿通孔34の内、少なくともいずれか一方を長孔に形成して、その長孔の長手方向に第1周側板31と第2周側板32とが相対的に連結位置変更自在に構成するのに、長孔に形成したボルト挿通孔の内周面に凹凸部52を形成し、その凹凸部52に係合可能な係合凹凸部53を第1ボルト20に設け、ナットNに対して第1ボルト20を螺合させるに伴って係合凹凸部53が凹凸部52に係合して第1周側板31と第2周側板32とが相対的に連結位置変更不能になるように構成してあってもよい。
【符号の説明】
【0049】
17 傾斜補強壁板部
18 アリ溝形補強部材
19 第2ボルト(ボルト)
20 第1ボルト(ボルト)
21 連結部
31 第1周側板(第1板部材)
32 第2周側板(第2板部材)
33 ボルト挿通孔
34 ボルト挿通孔
50 軸部挿通部(ボルト挿通孔)
52 凹凸部
53 係合凹凸部
54 座金
A 変形加圧部
B 突出部
C 凹部
N ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2015年2月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定対象部材を、ボルトおよびナットを介して固定自在にする固定部に、前記ボルトの軸部挿通部を設けると共に、
前記軸部挿通部をアリ溝状の長孔に形成して、その長孔の長手方向に固定対象部材を前記固定部に相対的に連結固定位置変更自在に構成し、
前記軸部挿通部の内周面に凹凸部を形成し、
その凹凸部に係合可能な係合凹凸部を、前記ボルトに対する座金又は前記ボルトに設け、
前記ボルトに対して前記ナットを螺合させるに伴って、前記係合凹凸部が前記凹凸部に係合して前記軸部挿通部の長手方向に前記固定部と固定対象部材とが相対的に連結固定位置変更不能になるように構成してある固定対象部材の固定部構造。
【請求項2】
前記凹凸部のピッチに対して、前記係合凹凸部のピッチを2倍の細かさに形成して、前記凹凸部のピッチに対してその1/2ずつ相対位置調整可能にしてある請求項1に記載の固定対象部材の固定部構造。
【請求項3】
前記座金と前記ボルトとを別部材に設けると共に、
前記座金に前記係合凹凸部を設け、
前記ボルトの角頭部を内嵌させて回り止め可能に構成する嵌合凹部を前記座金に設けてある請求項1または2に記載の固定対象部材の固定部構造。
【請求項4】
前記ボルトに対する前記座金の挿通孔は、横断面を楕円形に形成して、前記ボルトと前記座金との相対移動を許容可能に構成してある請求項3に記載の固定対象部材の固定部構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定対象部材の固定部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1板状部材と第2板状部材とを連結部によって連結するのに、それらのボルト挿通孔同士にボルトを挿通させ、そのボルトの締め付けにより、第1板状部材と第2板状部材との互いの対向面同士を圧接させて連結している。
ところが、第1板状部材と第2板状部材とが、外力や荷重や振動などの作用によって相対的に位置ずれを起こす虞がある。
そこで、第1板状部材と第2板状部材とが相対的に位置ずれしないようにするために、前記ボルト挿通孔の周辺部で、且つ、前記第1板状部材と前記第2板状部材の向かい合う対向面夫々に、互いに係合可能な凹凸部を形成する構造(例えば、特許文献1参照)を採用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−8355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した構造を採用した場合、第1板状部材と第2板状部材とを対向させて夫々に設けたボルト挿通孔同士を位置合わせするまでに、それらの対向する面に形成した凹凸部同士が引っ掛かりあって、スムーズに第1板状部材と第2板状部材とを相対的に位置調整するのに手間取るという問題があった。
【0005】
従って、第1板状部材と第2板状部材とを連結する際に、スムーズにボルト挿通孔同士の位置合わせ調整ができながら、その位置合わせ後には第1板状部材と第2板状部材とが安定して相対的な連結位置を維持できるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴構成は、固定対象部材を、ボルトおよびナットを介して固定自在にする固定部に、前記ボルトの軸部挿通部を設けると共に、前記軸部挿通部をアリ溝状の長孔に形成して、その長孔の長手方向に固定対象部材を前記固定部に相対的に連結固定位置変更自在に構成し、前記軸部挿通部の内周面に凹凸部を形成し、その凹凸部に係合可能な係合凹凸部を、前記ボルトに対する座金又は前記ボルトに設け、前記ボルトに対して前記ナットを螺合させるに伴って、前記係合凹凸部が前記凹凸部に係合して前記軸部挿通部の長手方向に前記固定部と固定対象部材とが相対的に連結固定位置変更不能になるように構成したところにある。
【0007】
本発明の第2の特徴構成は、前記凹凸部のピッチに対して、前記係合凹凸部のピッチを2倍の細かさに形成して、前記凹凸部のピッチに対してその1/2ずつ相対位置調整可能にしたところにある。
【0008】
本発明の第3の特徴構成は、前記座金と前記ボルトとを別部材に設けると共に、前記座金に前記係合凹凸部を設け、前記ボルトの角頭部を内嵌させて回り止め可能に構成する嵌合凹部を前記座金に設けたところにある。
【0009】
本発明の第4の特徴構成は、前記ボルトに対する前記座金の挿通孔は、横断面を楕円形に形成して、前記ボルトと前記座金との相対移動を許容可能に構成したところにある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】他物を固定した施工状態の全体斜視図である。
図2】本発明の他物固定具の全体斜視図である。
図3】本発明の他物固定具の分解斜視図である。
図4】縦断面図である。
図5】要部の縦断面図で、(a)は第1ボルトによる締め付け前の状態を示し、(b)は締め付け後の縦断面図である。
図6】別実施形態の要部の縦断面図で、(a)は第1ボルトによる締め付け前の状態を示し、(b)は締め付け後の縦断面図である。
図7】要部の斜視図である。
図8】要部の縦断面図である。
図9】要部の分解斜視図である。
図10】要部の縦断面図で、(a)は第1ボルトによる締め付け前の状態を示す縦断面図、(b)は第1ボルトによる締め付け後の状態を示す縦断面図である。
図11】別実施形態の要部分解斜視図を示す。
図12】別実施形態の要部縦断面図を示し、(a)は第1ボルトによる締め付け前の状態を示し、(b)は締め付け後の状態を示す。
図13】別実施形態の分解斜視図である。
図14】別実施形態の要部縦断面図である。
図15】別実施形態の要部組み立て状態の縦断面図である。
図16】別実施形態の要部斜視図である。
図17】別実施形態の第1分割支持部材の要部斜視図である。
図18】別実施形態の第1分割支持部材の平面図である。
図19】座金を(a)は上方からみた斜視図、(b)は下方からみた斜視図である。
図20】座金の別実施形態を示し、(a)は上方からみた斜視図、(b)は下方からみた斜視図である。
図21】別実施形態の第1分割支持部材の斜視図である。
図22図16における別実施形態の分解斜視図である。
図23図16における別実施形態の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1図4に示すように、本発明の他物固定具の一実施形態品(以後、単に固定台1という)を使用して、屋上のコンクリート床やベランダ等の建築物(取付下地2の一例)の上に、ソーラーパネル4やその固定枠5等の固定対象部材(他物の一例)3を固定してある状況を示している。
【0012】
前記コンクリート床2の上には、防水シート6が敷設してある。
当該実施形態においては、コンクリート床2の全域に防水シート6が敷設してある状態で、その上に、当該固定台1を設置して、固定対象部材3を固定台1に固定してある例を示している。従って、固定台1を設置した後、その周囲に、図4に示すように、防水シート6と固定台1の外周部にわたる状態に立上り防水層7を設置し、その上端部をバンド29で縛ると共に、シール剤30を塗布して雨水の浸入を防止して、固定台設置部分から下方への漏水防止を図っている。
コンクリート床2における固定台設置箇所には、アンカー部材8によって固定台1が固定されている。
【0013】
前記固定対象部材3は、形鋼をトラス構造に組みあげた固定枠5と、固定枠5の上面に沿って取り付けられたソーラーパネル4とを備えて構成してあり、固定枠5が、固定台1に第2ボルト19とナットNとで固定されている。
【0014】
前記固定台1は、図2図4に示すように構成してある。
つまり、下端部にコンクリート床2への第1固定部9を設け、上端部に固定対象部材3の固定枠5を固定する第2固定部10を設け、全体を鉄系材料等の板金製で形成して、第1固定部9を備えた下地側支持部材12と、第2固定部10を備えた他物支持部材13とに上下に分割構成し、下地側支持部材12の上端部と、他物支持部材13の下端部とに、相互に第1ボルト20を介して連結自在な連結部21を設け、連結部21を構成するために、下地側支持部材12の第1周側板(第1板状部材の一例)31に上下長孔状のボルト挿通孔33を形成し、他物支持部材13の第2周側板(第2板状部材の一例)32に、ボルト挿通孔34を形成して、第1ボルト(ボルトの一例)20及びナットNによる締め付けにより、下地側支持部材12に対する他物支持部材13の相対連結姿勢が、上下位置変更自在になるように構成してある。
【0015】
前記第1周側板31と前記第2周側板32夫々に形成した前記ボルト挿通孔33,34の周縁部を、それらに挿通する前記第1ボルト20と前記ナットNとの締め付けによって、表裏少なくともいずれか一方側に同時に突出変形させる変形加圧部Aを、前記第1ボルト20と前記ナットNとの対向面部間に設けてある。
【0016】
前記変形加圧部Aは、図5(a)、(b)に示すように、前記第1ボルト20の第1締め付け面部と前記ナットNの第2締め付け面部との一方側に、突出部Bを形成するとともに、他方側に前記突出部Bを受け入れ可能な凹部Cを形成してある。
つまり、図5(a)では、第1ボルト20の第1締め付け面部を突出部Bに形成し、ナットNの第2締め付け面部を凹部Cに形成してある。そして、第1ボルト20とナットNの締め付けに伴って、第1周側板31と前記第2周側板32夫々に形成した前記ボルト挿通孔33.34の周縁部が塑性変形して(図5(b))、双方の相対的位置ずれが防止されるように構成してある。
【0017】
下地側支持部材12は、図2図4に示すように、アンカーボルト挿通孔35を設けた第1固定部9を、その上方から皿ビスやボルト等からなるアンカー部材8によって固定操作ができるように形成した接地部材36と、上部支持部材38とを互いに溶接により一体に構成してある。
【0018】
上部支持部材38は、図3図4に示すように、上端側に第1周側板31を突出させて、横断面視で略4角形の縦筒形状の筒本体部39と、その筒本体部39の上端部に屋根部37とを組みつけて溶接により一体化してある。
【0019】
前記他物支持部材13は、図2図4に示すように、第2固定部10を上部に形成した第1分割支持部材43と、連結部21を下部に形成した第2分割支持部材44とに互いに第3ボルト45を介して上下連結自在に分割構成し、第1分割支持部材43と第2分割支持部材44の互いに連結する連結部46の一方に、横方向に沿った長孔のボルト挿通孔48を設け、他方に、丸孔のボルト挿通孔49を形成してあり、第3ボルト45をボルト挿通孔48とボルト挿通孔49に挿通させてナットNで締め付ければ、第1分割支持部材43が第2分割支持部材44に対して横方向に移動調整できる。
【0020】
前記他物支持部材13における第2固定部10には、他物3を固定する第2ボルト19の軸部挿通部50を長孔に形成し、第2ボルト19及びナットNを介して他物3を第2固定部10に固定自在に構成してある。
【0021】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
〈1〉 前記変形加圧部Aは、前記第1ボルト20の第1締め付け面部と前記ナットNの第2締め付け面部との一方側に、凹凸部を形成するとともに、他方側に前記凹凸部に沿った面を有し且つその凹凸部と互いに嵌合可能な受入凹凸部を形成してあってもよい。
〈2〉 前記変形加圧部Aは、前記第1ボルト20と前記ナットNとの間に介在する一対のワッシャ22を設け、前記一対のワッシャ22の内の一方の第1ワッシャ22Aに、他方側に突出する突出部を形成するとともに、他方の第2ワッシャ22Bに、前記突出部Bを嵌入可能にする受入凹部Cを形成してあってもよい。
〈3〉 前記変形加圧部Aは、前記第1ボルト20と前記ナットNとの間に介在するワッシャを設け(図外)、前記ワッシャに締め付け対象側に突出する突出部を形成するとともに、その突出部を嵌入可能にする受入凹部を、前記第1ボルトと前記ナットのいずれか一方に形成してあっても良い。
〈4〉 前記変形加圧部Aは、第1ボルト20とナットNとの締め付けに伴って、第1周側板31と第2周側板32夫々に形成したボルト挿通孔の周縁部が塑性変形する例で示したが、それに代えて、前記周縁部が弾性変形する物であってもよく、この場合には、第1ボルトとナットの締め付けを解除すれば、前記周縁部が元の形状に戻り、第1周側板と第2周側板の相対位置調整が再度容易になるという利点がある。
〈5〉 前記変形加圧部Aは、第1ボルト20による連結部21に限らず、第2ボルト19や第3ボルト45による連結部46にも適用してもよい。
〈6〉 前記第2固定部10の下側には、次の構成を設けてもよい。つまり、図7図8に示すように、上部に軸部挿通部50と連通する開口を有し、且つ、上側ほど互いに近接する一対の傾斜補強壁板部17を、軸部挿通部50の両側に溶接により一体連設したアリ溝形補強部材18を設け、第2ボルト19のボルト頭を収容して回り止めをする回り止め部14を、アリ溝形補強部材18に設けてある。前記第2固定部10には、その上方から第2ボルト19のボルト頭を挿通させてアリ溝形補強部材18のアリ溝空間内に収容可能なボルト頭挿通孔51を、軸部挿通部50の幅よりも大径にして軸部挿通部50に連設してある。前記回り止め部14は、ボルト頭の周側部が接当してボルトの回り止め機能を発揮する一対の立設側壁17Aを、一体にアリ溝形補強部材18の底板部18Aに設けることにより構成してある。
〈7〉 前記第1周側板31に前記第2周側板32を外嵌するように形成してあるのに代えて、第1周側板31に第2周側板32を内嵌させるように形成してあっても良い。
〈8〉 前記第1周側板31に丸孔状のボルト挿通孔33を形成し、第2周側板32に上下方向に長い長孔状のボルト挿通孔34を形成してもよい。また、夫々のボルト挿通孔を上下に長い長孔状に形成してあったり、一方のボルト挿通孔を上下に長い長孔状に形成すると共に、他方のボルト挿通孔を横方向に長い長孔状に形成してあってもよい。また、ボルト挿通孔を、第1ボルトの軸径よりも大径の一般的にバカ孔と呼ばれる大きさの貫通孔で形成してあって、ボルト挿通孔と第1ボルトとの径の差分、上下左右に第1周側板31と第2周側板32とが、連結時に相対的に変位自在になるように構成してあっても良い。
【0022】
[第2実施形態]
図9図10(a)、(b)に示すように、ボルト挿通孔33,34の周辺部で第1周側板(第1板状部材の一例)31と第2周側板(第2板状部材の一例)32の向かい合う互いに接触する対向面夫々には、互いに係合可能な多数の溝状の凹凸部15を形成して滑り止め機能を持たせてある。
つまり、第1周側板31に外嵌する第2周側板32におけるボルト挿通孔34の周辺部と、第1周側板31におけるボルト挿通孔33の周辺部とに、上下に並設した凹凸部15を、図10(a)、(b)に示すように、プレス成形により形成してある。
【0023】
図10(a)→(b)に示すように、互いに嵌合する第1周側板31と第2周側板32との対向面間で、夫々の凹凸部15近傍には、第1ボルト20の締め付け前は凹凸部15夫々を離間させておき(図10(a))、且つ、第1ボルト20の締め付けに伴って凹凸部15どうしの係合(図10(b))を可能にするポリエチレンの独立発泡体からなる反発部材16を介在してあって、第1ボルト20の締め付け操作までには凹凸部15同士が引っ掛からないように、第1周側板31と第2周側板32の上下相対位置変位調整をスムーズに行えるように構成してある。
【0024】
[別実施形態]
〈1〉 前記凹凸部15は、ボルト挿通孔33,34の周辺部で、そのボルト挿通孔33,34の形状が長孔の場合には、長孔の長手方向に対する滑り止めになるような形状であれば、複数の凹凸溝形状以外に、複数の突起とその突起が係合する凹部との組み合わせからなるものでもよい。
〈2〉 前記反発部材16は、発泡樹脂に代えて、図11図12(a)、(b)に示すように、金属製や樹脂製の板バネや、互いに反発し合う一対の磁性体からなるものでもよい。
【0025】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0026】
[第3実施形態]
図13図15に示すように、第1周側板31(第2板状部材の一例)と第2周側板32(第1板状部材の一例)夫々に、ボルト及びナットNを介して連結自在な連結部21を設け、連結部21を構成するのに、第1周側板31と第2周側板32夫々にボルト挿通孔33,34、を形成し、ボルト挿通孔33を長孔に形成し、ボルト挿通孔34の周縁部に突出部Bを形成し、ボルト20とナットNとの締め付けによって、第1周側板31を突出部Bに沿うように変形させる変形加圧部Aを、ボルト20とナットNとの対向面部間に設けて滑り止め機能を備えさせてあっても良い。
図中22は、凹部Cを設けたワッシャで、23は、スプリングワッシャである。
また、第2周側板32に設けたボルト挿通孔49の周縁部を凹部Cに形成し、ボルト挿通孔49に対向する第1分割支持部材43のボルト挿通孔48との関係においても、変形加圧部Aを備えさせてあっても良い。この場合、第2周側板(第1板状部材の一例)32の内側でボルト挿通孔49の周縁部に、ナットNを溶接により一体化してある。
図中22は、扁平なワッシャで、23はスプリングワッシャであり、24は加圧補助ワッシャで、ボルト45とナットNで締め付けた時に、ボルト挿通孔49周辺部が凹部Cに沿って変形しやすいように押しつけるものである。
【0027】
[第4実施形態]
図16〜19に示すように、前記軸部挿通部(ボルト挿通孔の別の例)50をアリ溝状に形成して、そのアリ溝状軸部挿通部50の長手方向に第2固定部10と他物3とを相対的に連結固定位置変更自在に構成するのに、軸部挿通部50の内周面に凹凸部52を形成し、その凹凸部52に係合可能な係合凹凸部53を、第2ボルト(ボルトの別の例)19に対する座金54又は第2ボルト19(第2ボルト19に座金が一体化したもの(図外))に設け、第2ボルト19に対してナットNを螺合させるに伴って係合凹凸部53が凹凸部52に係合して第2固定部10と他物3とが相対的に連結固定位置変更不能になるように構成してある。
図18図19(a)、(b)に示すように、前記凹凸部52のピッチに対して、係合凹凸部53のピッチを2倍の細かさに形成して、凹凸部52のピッチに対してその1/2ずつ相対位置調整可能にしてある。
尚、本第4実施形態では、座金54と第2ボルト19とを別部材に設け、座金54の下面側に、第2ボルト19の6角頭部を内嵌させて回り止め可能に構成してある嵌合凹部56を設け、大径のボルトを嵌合させる座金54は、図20(a)、(b)に示し、小径のボルトを嵌合させる座金54は、図19(a),(b)に示す。
また、第2ボルト19に対する座金54の挿通孔55は、横断面を楕円形に形成して第2ボルト19と座金54とが少し相対移動を許容して、組み付け誤差を吸収できるように構成してある。
このように構成することにより、他物支持部材13に対して他物3を確実に位置固定できる。
尚、図22図23に示すように、アリ溝状の軸部挿通部50のアリ溝底部57は、樋状に形成してあって、軸部挿通部50の補強になっていると共に、第1分割支持部材43におけるアリ溝底部57を、第2分割支持部44の上端縁部に載置して、第3ボルト45で抜け止め可能に連結することで、他物3からの荷重を、下方の第1分割支持部材43、第2分割支持部材44、下地側支持部材12を介して取付下地2に伝達支持可能に構成してある。
また、座金54及び第2ボルト19は、軸部挿通部50の横端部の開口58からアリ溝状の軸部挿通部50内に嵌入可能にしてある。
尚、この構成は、第3実施形態との組み合わせであっても良い。
【0028】
[別実施形態]
前記座金54と第2ボルト19とは、別部材に設ける以外に、一体に形成してあっても良い。
図21に示すように、軸部挿通部50を、長孔に形成して、その端部にボルト頭挿通孔51を設けてある場合もよい。
前記第1周側板31のボルト挿通孔33と前記第2周側板32のボルト挿通孔34の内、少なくともいずれか一方を長孔に形成して、その長孔の長手方向に第1周側板31と第2周側板32とが相対的に連結位置変更自在に構成するのに、長孔に形成したボルト挿通孔の内周面に凹凸部52を形成し、その凹凸部52に係合可能な係合凹凸部53を第1ボルト20に設け、ナットNに対して第1ボルト20を螺合させるに伴って係合凹凸部53が凹凸部52に係合して第1周側板31と第2周側板32とが相対的に連結位置変更不能になるように構成してあってもよい。
【符号の説明】
【0029】
17 傾斜補強壁板部
18 アリ溝形補強部材
19 第2ボルト(ボルト)
20 第1ボルト(ボルト)
21 連結部
31 第1周側板(第1板部材)
32 第2周側板(第2板部材)
33 ボルト挿通孔
34 ボルト挿通孔
50 軸部挿通部(ボルト挿通孔)
52 凹凸部
53 係合凹凸部
54 座金
A 変形加圧部
B 突出部
C 凹部
N ナット