【解決手段】出力圧力を設定制御圧力に無段階で調整する電空レギュレータに、押下式の第1及び第2操作キー4,5と、複数の表示パターンで点灯可能な第1及び第2表示ランプ6,7と、第1及び第2操作キー4,5の操作内容に応じて、第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンを制御し、表示パターンの組合せにより電空レギュレータ1の動作状態を通知する制御手段を設ける。
【背景技術】
【0002】
電空レギュレータは、出力ポートから出力する流体の出力圧力を設定制御圧力に無段階で調整するものである。電空レギュレータは、ディスペンサの吐出量を圧力により制御する装置や、はんだ印刷機のスキージの押し圧やスクラバのブラシ押し圧を圧力により制御する装置や、ボンダやマウンタなどの部品の押し圧を圧力により制御する装置など、様々な装置に使用される。電空レギュレータには、様々な装置に対応させたり、圧力制御精度を維持するための機能が備えられている。
【0003】
例えば、第1従来例の電空レギュレータは、ケースの前面上部に7セグメントLED液晶表示部が設けられ、その7セグメントLED液晶表示部の下に、セットキーとSHIFTキーと選択キーの3つの押下式の操作キーが設けられている。かかる電空レギュレータは、シフトキーと選択キーにより機能を選択した後、シフトキーと選択キーにより設定制御圧力等の各種設定を行い、その後、セットキーにより設定内容を確定させる(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また例えば、第2従来例の電空レギュレータは、デジタル表示部を備えず、前面上部に2個の可変抵抗を設けている。かかる電空レギュレータは、電空レギュレータに通信可能に接続される外部装置に出力圧力等を表示させ、外部装置の表示を見ながら可変抵抗をドライバで回すことにより、設定制御圧力等の各種設定が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年、電空レギュレータの小型化が進み、第1従来例の電空レギュレータは、3つの操作キーの間隔が狭く、操作しにくかった。また、第1従来例の電空レギュレータは、7セグメントLED液晶表示部により詳細な情報をユーザに提供できるものの、コストが高くなってしまっていた。
【0007】
一方、第2従来例の電空レギュレータは、デジタル表示部を備えないため、第1従来例のものより安価であるが、ドライバで可変抵抗を回して各種設定を行わなければならず、手間であった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、動作や機能が設定しやすく、安価な電空レギュレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、次のような構成を有している。
(1)出力圧力を設定制御圧力に無段階で調整する電空レギュレータにおいて、押下式の第1及び第2操作キーと、複数の表示パターンで点灯可能な第1及び第2表示ランプと、前記第1及び第2操作キーの操作内容に応じて、前記第1及び第2表示ランプの表示パターンを制御し、前記表示パターンの組合せにより前記電空レギュレータの動作状態を通知する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
ここで、操作内容には、第1及び第2操作キーの押下、非押下、押下する時間、片方又は両方の押下、押下する順序が含まれる。
また、動作状態には、通常動作、初期設定動作と、調圧動作と、機能設定動作が含まれる。そして、機能設定動作で設定される機能には、ゼロ点やスパン点の調整や、応答時間の選択等の種々の機能が含まれる。
【0011】
(2)(1)に記載の構成において、好ましくは、前記第1及び第2表示ランプが2色で発光可能なものであり、前記制御手段は、発光色と点滅周期の長さ、連続点灯の有無により前記第1及び前記第2表示ランプの表示パターンを変更する。
【0012】
(3)(1)又は(2)に記載の構成において、好ましくは、応答時間が異なる応答時間設定パターンを記憶する記憶手段を有し、前記制御手段は、前記第1及び前記第2操作キーにより選択された前記応答時間設定パターンに応じて前記第1及び前記第2表示ランプの表示パターンを変更し、確定された前記応答時間設定パターンに応じて応答時間を変更する。
【0013】
(4)(1)乃至(3)の何れか1つに記載の構成において、好ましくは、出力圧力を検出する圧力検出手段と、表示機能を有する外部装置に接続され、前記圧力検出手段が検出した圧力検出値を前記外部装置に送信するコネクタと、前記動作状態が、前記外部装置に表示された前記圧力検出値を見ながら、前記操作キーを操作して設定されるゼロ点又はスパン点の調整である。
【0014】
(5)(1)乃至(4)の何れか1つに記載の構成において、好ましくは、前記第1及び前記第2操作キーと前記第1及び前記第2表示ランプを上面に設けている。
【発明の効果】
【0015】
上記電空レギュレータは、操作キーが第1及び第2操作キーの2つなので、第1及び第2操作キーの間隔が広い。そのため、ユーザは、第1及び第2操作キーを指で押しやすく、動作や機能を設定しやすい。そして、上記電空レギュレータは、制御手段が、第1及び第2操作キーの操作内容に応じて、第1及び第2表示ランプの表示パターンを制御し、その表示パターンの組合せにより電空レギュレータの動作を通知するので、安価な表示ランプの表示パターンで電空レギュレータの複雑な動作状態をユーザに知らせることが可能である。よって、上記電空レギュレータによれば、操作や機能が設定しやすく、安価にできる。
【0016】
また、上記電空レギュレータは、7セグメントLEDより安価な2色で発光可能な第1及び第2表示ランプを使用している。この第1及び第2表示ランプの表示パターンを発光色や点滅周期の長さ、連続点灯の有無により変え、それらの表示パターンを組み合わせることで多数の動作状態を通知する。よって、上記電空レギュレータによれば、多数の動作状態を安価な第1及び第2表示ランプだけで区別可能に表示することができる。
【0017】
また、上記電空レギュレータは、応答時間が異なる応答時間設定パターンを記憶手段に記憶している。制御手段が、第1及び第2操作キーにより選択された応答時間設定パターンに応じて第1及び第2表示ランプの表示パターンを変更するので、ユーザは第1及び第2表示ランプの表示パターンからどの応答時間設定パターンを選択しているか認識できる。そして、電空レギュレータは、確定された応答時間設定パターンに応じて応答時間を変更するので、外部要因に合わせて応答時間を任意に設定できる。よって、上記電空レギュレータによれば、出力圧力を設定制御圧力に精度良く調整することができる。
【0018】
また、上記電空レギュレータは、圧力検出手段が検出した圧力検出値をコネクタを介して外部装置に送信し、外部装置に圧力検出値を表示させる。ユーザは外部装置に表示される圧力検出値を見ながら第1及び第2操作キーを操作すれば、ゼロ点又はスパン点を変動させることが可能である。よって、上記電空レギュレータによれば、経年劣化しても、ゼロ点又はスパン点を補正することで、出力圧力の調整精度を維持することができる。
【0019】
また、上記電空レギュレータは、第1及び第2操作キーと第1及び第2表示ランプを上面に設けているので、集積度の高い装置に組み付けられた場合でも、第1及び第2表示ランプの表示パターンを確認しながら第1及び第2操作キーを操作しやすい。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る電空レギュレータの実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電空レギュレータ1の上面図である。
図2は、
図1のAA断面図である。
図3は、
図1のBB断面図である。
図4は、
図1に示す電空レギュレータ1のキー操作及び表示動作の説明図である。以下では、電空レギュレータ1の外観構成を説明した後、電空レギュレータ1の内部構成を説明し、その後、電空レギュレータ1の作用効果を説明する。
【0022】
図1〜
図3に示すように、電空レギュレータ1は、直方体形状のケース2を備える。
図1に示すように、ケース2の上面には、表示機能を備える外部装置(パソコン、圧力表示装置等)に接続し、電源電圧や入力信号や出力信号を送受信するコネクタ3と、押下式の第1及び第2操作キー4,5と、複数の表示パターンで点灯可能な第1及び第2表示ランプ6,7が設けられている。本実施形態では、第1及び第2表示ランプ6,7は、緑色と赤色に発光する2色LEDでそれぞれ構成されている。
【0023】
図2及び
図3に示すように、ケース2は、一次側ポート11(
図2参照)と、二次側ポート12(
図2参照)と、排気ポート13(
図3参照)が側面に開口している。
図2及び
図3に示すように、ケース2は、一次側ポート11と二次側ポート12と排気ポート13の連通状態を切り替えることにより一次側ポート11に供給された流体の圧力を制御するブースタ14を内蔵している。
【0024】
ブースタ14は、一次側ポート11と二次側ポート12の連通状態を制御する給気側弁部15と、一次側ポート11と排気ポート13の連通状態を制御する排気側弁部16を備える。給気側弁部15は、弁体17が圧縮ばね18により弁座19側に向かって常時付勢されている。一方、排気側弁部16は、弁体20が圧縮ばね21により弁座22側に向かって常時付勢されている。駆動軸23は、パイロット室24とフィードバック室25を気密に区画するダイアフラム26に連結している。ダイアフラム26は、パイロット室24とフィードバック室25の差圧により変位し、駆動軸23を上下動させる。
【0025】
駆動軸23は、弁体20に摺動可能に貫き通され、ダイアグラム26が下向きに変位すると、下端部が圧縮ばね18に抗して弁体17を押し下げる。この場合に、一次側ポート11と二次側ポート12が連通して、一次側ポート11に供給された流体が二次側ポート12に流れ、出力圧力が上昇する。一方、駆動軸23は、ダイアフラム26が上向きに変位すると、規制板27を介して弁体20を圧縮ばね21に抗して引き上げる。この場合に、一次側ポート11と排気ポート13が連通し、二次側ポート12に流れる流体の一部を排気し、出力圧力を低下させる。
【0026】
図2に示すように、フィードバック室25は、通路28を介して二次側ポート12に連通し、出力圧力と同圧にされる。二次側ポート12は、図示しない通路を介して、圧力センサ(圧力検出手段の一例)29にも連通している。
【0027】
パイロット室24は、パイロット圧制御回路30によりパイロット圧力を制御される。パイロット圧制御回路30は、給気側電磁弁31と排気側電磁弁32がパイロット室24に連通しており、給気側電磁弁31を弁開させるとパイロット圧力が上昇し、排気側電磁弁32を弁開させるとパイロット圧力が低下する。
【0028】
電空レギュレータ1は、周知のマイクロコンピュータからなる制御手段33により動作を制御される。本実施形態の制御手段33は、応答時間が異なる応答時間設定パターンを記憶するメモリ(記憶手段の一例)を含む。制御手段33は、コネクタ3、第1及び第2操作キー4,5、第1及び第2表示ランプ6,7、圧力センサ29、給気側電磁弁31、排気側電磁弁32に電気制御可能に接続されている。
【0029】
このような電空レギュレータ1は、一次側ポート11と二次側ポート12と排気ポート13に配管が接続され、コネクタ3に外部装置を接続することで、装置に組み付けられる。
【0030】
次に、レギュレータ1の作用効果を
図4を参照して説明する。制御手段33は、第1及び第2表示ランプ6,7の発光色、点灯の仕方(連続点灯の有無、点滅の有無、点滅周期の長さ)により、第1及び第2表示ランプ6,7に複数の表示パターンの点灯をさせる。そして、制御手段33は、第1及び第2操作キー4,5の操作内容に応じて第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンを制御し、第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンの組合せにより、電空レギュレータ1の動作状態を通知する。
【0031】
ここで、
図4では、緑色に点灯する第1及び第2表示ランプ6,7に斜線のハッチングを入れ、赤色に点灯する第1及び第2表示ランプ6,7を塗りつぶしにより示している。また、
図4では、第1及び第2表示ランプ6,7の周りに記載する放射線状の線により、第1及び第2表示ランプ6,7が点滅していることを示している。本実施形態では、短い周期で速く点滅する第1点滅パターンと、長い周期でゆっくり点滅する第2点滅パターンの2種類を有し、図面上では、第1点灯パターンを6本の放射線状の線で表し、第2点滅パターンを4本の放射線状の線で表している。一方、放射線状の線がない第1及び第2表示ランプ6,7は、連続点灯する連続点灯パターンで点灯していることを表す。更に、
図4では、白抜きの第1及び第2操作キー4,5は、通常のボタン押し操作を示し、黒で塗りつぶした第1及び第2操作キー4,5は、通常のボタン押し操作より長時間押下される長押し操作を示し、点線で示す第1及び第2操作キー4,5は、押下が解除されることを示す。
【0032】
電空レギュレータ1は、電源投入後(ステップ1(以下「S1」とする。)、通常動作(S2)又は初期設定動作(S3)を行う。通常動作には、調圧動作(S4)と、機能設定動作(S5)が含まれる。更に、機能設定動作(S5)には、ゼロ点調整機能(S6)の設定動作と、スパン点調整機能(S7)の設定動作と、応答時間選択機能(S8)の設定動作が含まれる。
【0033】
電空レギュレータ1は、S1において、電源が投入されると、制御手段33がコネクタ3を介して電源電圧を印加されて起動する。制御手段33は、S2において、通常動作を実行する。通常動作では、制御手段33は、第1及び第2表示ランプ6,7に緑色の連続点灯パターンの点灯をさせる。これにより、電空レギュレータ1が起動したことが判別できる。
【0034】
工場出荷時や装置組み付け後に初期設定する場合には(S3)、第1及び第2操作キー4,5が同時に長押しされる。この場合、制御手段33は、第1及び第2表示ランプ6,7を赤色の第2点滅パターンで点灯させ、初期設定動作中であることを通知する。制御手段33は、第1及び第2操作キー4,5が押された状態で初期設定時間(例えば5sec)が経過すると、第1及び第2表示ランプ6,7に赤色の連続点灯パターンの点灯をさせ、初期設定が完了したことを通知する。第1及び第2操作キー4,5の押下が初期設定時間経過後に解除されると、制御手段33は、S2に戻って、通常動作を行う。これに対して、初期設定時間が経過する前に第1及び第2操作キー4,5の押下が解除されると、制御手段33は、初期設定を行わない。この場合、制御手段33は、第1及び第2表示ランプ33に赤色の連続点灯パターンの点灯をさせずに、S2に戻って通常動作を行う。よって、ユーザは、第1及び第2表示ランプ6,7が緑色か赤色のどちらで点灯しているかによって、電空レギュレータ1が通常動作しているか、初期設定動作しているかを判別できる。また、第1及び第2表示ランプ6,7が連続点灯パターンと第2点滅パターンのどちらで点灯しているかにより、初期設定が完了したか否かを判別できる。
【0035】
一方、電空レギュレータ1に調圧動作を行わせる場合には(S4)、コネクタ3に入力信号を入力する。すると、制御手段33は、圧力センサ29の圧力検出値が設定制御圧力に一致するように、給気側電磁弁31と排気側電磁弁32の動作を制御する。これにより、一次側ポート11に供給された流体が、ブースタ14により圧力を設定制御圧力に制御され、二次側ポート12から出力される。ここで、設定制御圧力は、外部装置からコネクタ3を介して制御手段33に入力したものであっても良いし、制御手段33に記憶されているものであっても良い。この調圧時に、制御手段33は、入力信号に対して出力圧力が調圧範囲外であると判断した場合には、第1表示ランプ6に緑色の連続点灯パターンの点灯をさせる一方、第2表示ランプ7に赤色の連続点灯パターンの点灯をさせ、調圧に異常があることを通知する。一方、制御手段33は、入力信号に対して出力圧力が調圧範囲内であると判断した場合には、第1及び第2表示ランプ6,7に緑色の連続点灯パターンの点灯をさせ、調圧が正常に行われていることを通知する。よって、ユーザは、連続点灯する第1及び第2表示ランプ6,7の発光色の組合せから調圧が正常に行われているか否かを判別できる。
【0036】
ところで、電空レギュレータ1は、圧力制御精度を維持するための機能を有する。制御手段33は、S2の通常動作後、第1操作キー4だけが長押しされると、S5に示す機能設定動作に入る。本実施形態では、電空レギュレータ1は、ゼロ点調整機能(S6)の設定動作とスパン点調整機能(S7)の設定動作と応答時間選択機能(S8)の設定動作を有する。制御手段33は、第1操作キー4の長押しを維持しながら、第2操作キー5を押下していくと、設定される機能をゼロ点調整機能とスパン点調整機能と応答時間選択機能に順次移行させる。設定される機能は、第1操作キー4の押下を解除した時点のものが選択される。制御手段33は、ゼロ点調整機能の設定が選択されると(S6)、第1表示ランプ6に赤色の連続点灯パターンの点灯をさせ、第2表示ランプ7に緑色の第2点滅パターンの点灯をさせる。また、制御手段33は、スパン点調整機能の設定が選択されると(S7)、第1表示ランプ6に赤色の連続点灯パターンの点灯をさせ、第2表示ランプ7に赤色の第2点滅パターンの点灯をさせる。更に、制御手段33は、応答時間選択機能の設定が選択されると(S8)、第1表示ランプ6に赤色の第2点滅パターンの点灯をさせ、第2表示ランプ7に緑色の連続点灯パターンの点灯をさせる。よって、ユーザは、第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンの組合せにより、ゼロ点調整機能の設定とスパン点調整機能の設定と応答時間選択機能の設定の何れか選択されているかを判別できる。
【0037】
そして、制御手段33は、ゼロ点調整機能の設定が選択された状態で(S6)第1及び第2操作キー4,5が押されると、ゼロ点が移動される。ここで、ゼロ点とは、制御可能な圧力の最下限値をいう。また、スパン点調整機能の設定が選択された状態で(S7)第1及び第2操作キー4,5が押されると、スパン点が移動される。ここで、スパン点とは、制御可能な圧力の上限値をいう。制御手段33は、第1及び第2操作キー4,5が同時に長押しされると、S5の機能設定動作を終了し、S2の通常動作に戻る。
【0038】
また、制御手段33は、応答時間選択機能の設定が選択された状態で(S8)第1又は第2操作キー4,5が押されるのに従って、応答時間設定パターンを順次選択する。ここで、応答時間とは、入力信号を入力してから出力圧力が設定制御圧力に到達するまでの時間をいう。ここでいう「到達」は、出力圧力が設定制御圧力の許容範囲内(例えば±5%以内)に収まることをいう。本実施形態では、制御手段33は、第1応答時間に設定する第1応答時間設定パターンと、第1応答時間より長い第2応答時間に設定する第2応答時間設定パターンと、第2応答時間より長い第3応答時間に設定する第3応答時間設定パターンを記憶している。制御手段33は、第1又は第2操作キー4,5が押されると、第1〜第3応答時間設定パターンを順番に選択する。
【0039】
制御手段33は、第1応答時間設定パターンが選択されている場合には、第1表示ランプ6に赤色の第2点滅パターンの点灯をさせ、第2表示ランプ7に緑色の連続点灯パターンの点灯をさせる。また、制御手段33は、第2応答時間設定パターンが選択されている場合には、第1表示ランプ6に赤色の第2点滅パターンの点灯をさせ、第2表示ランプ7に緑色の第1点滅パターンの点灯をさせる。更に、制御手段33は、第3応答時間設定パターンが選択されている場合には、第1表示ランプ6に赤色の第2点滅パターンの点灯をさせ、第2表示ランプ7に緑色の第2点滅パターンの点灯をさせる。よって、ユーザは、第1表示ランプ6が赤色の第2点滅パターンで点灯していることにより、応答時間選択機能が選択されていることを判別でき、また、第2表示ランプ7が何色で点滅又は連続点灯しているかにより、第1〜第3応答時間設定パターンの何れが選択されているかを判別できる。
【0040】
制御手段33は、第1及び第2操作キー4,5が同時に長押しされると、S8の応答時間選択機能の設定動作を終了し、S2の通常動作に戻る。
尚、第1操作キー4がタイムアウト時間(例えば15sec)が経過するまで押され続けた場合、すなわち、タイムアウト時間内に設定される機能が選択されない場合には、制御手段33は、機能設定動作(S5)を終了して、通常動作に戻る。
【0041】
上記電空レギュレータ1は、操作キーが第1及び第2操作キー4,5の2つなので、操作キーを3つ設ける場合と比べ、第1及び第2操作キー4,5の間隔が広い。そのため、ユーザは、第1及び第2操作キー4,5を指で押しやすく、動作設定や機能設定を行いやすい。そして、上記電空レギュレータ1は、制御手段33が、第1及び第2操作キー4,5の操作内容に応じて、第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンを制御し、その表示パターンの組合せにより電空レギュレータ1の動作を通知するので、7セグメントLEDより安価な第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンで電空レギュレータ1の複雑な動作状態をユーザに知らせることが可能である。よって、上記電空レギュレータ1によれば、動作や機能を設定しやすく、また、安価にできる。
【0042】
特に、電空レギュレータ1は、第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンを、赤色と緑色の発光色や、第1点滅パターンと第2点滅パターンの点滅周期の長短、連続点灯パターンの有無により変え、それらの表示パターンを組み合わせることで、通常動作設定(S2)、初期設定動作(S3)、調圧動作(S4)、機能設定動作(S5)、ゼロ点調整機能(S6)の設定動作、スパン点調整機能(S7)の設定動作、応答時間選択機能(S8)の設定動作の何れが行われているかを通知する。よって、上記電空レギュレータ1によれば、多数の動作状態を安価な第1及び第2表示ランプ6,7だけで区別可能に表示することができる。
【0043】
ところで、応答時間は、電空レギュレータの前後に取り付けられる流体制御弁等の流体機器の動作特性や、流体特性(粘性等)、電空レギュレータに流れる流量等の外部要因によって変動する。よって、外部要因に応じて応答時間を設定することが望ましい。例えば、外部要因によりオーバーシュートが大きい傾向である場合には、応答時間を長く設定してオーバーシュートを抑制することが好ましく、逆に、オーバーシュートが小さい傾向である場合には、応答時間を短く設定してサイクルタイムの短縮を図ることが好ましい。
【0044】
このような場合に対し、電空レギュレータ1は、応答時間が異なる第1〜第3応答時間設定パターンを制御手段33のメモリに記憶しており、制御手段33が、第1及び第2操作キー4,5により選択された応答時間設定パターンに応じて第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンを変更するので、ユーザは第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンから第1〜第3応答時間設定パターンのうちのどれが選択されているか認識できる。そして、電空レギュレータ1は、第1及び第2操作キー4,5で設定された応答時間設定パターンに応じて応答時間を変更するので、外部要因に合わせて応答時間を任意に設定できる。よって、上記電空レギュレータ1によれば、出力圧力を設定制御圧力に精度良く調整することができる。
【0045】
ここで、電空レギュレータ1は、一次側ポート11に供給された流体の圧力を無段階で調整するので、例えば、ダイアフラム26や弁体17,20が劣化したり、弁座19,22が変形したりする。このように電空レギュレータ1が経年劣化を生じると、入力信号に対する給気側弁部15と排気側弁部16の弁開度に誤差が生じ、出力圧力が調圧可能範囲外になることがある。
【0046】
これに対し、電空レギュレータ1は、圧力検出手段が検出した圧力検出値を7セグメントLED等により直接表示できないものの、圧力検出値をコネクタを介して外部装置に送信し、外部装置に圧力検出値を表示させることができる。ユーザは、設定制御圧力をゼロにした状態でゼロ点調整機能(S6)の設定動作を選択した後、外部装置に表示される圧力検出値を見ながら第1及び第2操作キー4,5を操作すれば、ゼロ点を変動させることが可能である。また、ユーザは、設定制御圧力を最大制御圧力にした状態でスパン点調整機能(S7)の設定動作を選択した後、外部装置に表示される圧力検出値を見ながら第1及び第2操作キー4,5を操作すれば、スパン点を変動させることが可能である。よって、上記電空レギュレータ1よれば、経年劣化しても、ゼロ点又はスパン点を補正することで、出力圧力の調整精度を維持することができる。
【0047】
また、上記電空レギュレータ1は、第1及び第2操作キー4,5と第1及び第2表示ランプ6,7を上面2aに設けているので、集積度の高い装置に組み付けられた場合でも、第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンを確認しながら第1及び第2操作キー4,5を操作しやすい。
【0048】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
(1)第1及び第2操作キー4,5と表示ランプ6,7は、ケース2の側面に設けても良い。
(2)ブースタ14は、必ずしも備える必要はない。
(3)第1及び第2表示ランプ6,7の表示パターンの組合せにより、ゼロ点調整機能、スパン点調整機能、応答時間選択機能の他の機能を表示させるようにしても良い。
(4)第1及び第2表示ランプ6,7は、3色以上に発光するものであっても良い。
(5)第1及び第2表示ランプ6,7の発光色は、赤色と緑色以外であっても良い。
(6)点滅周期が異なる3以上の点滅パターンで第1及び第2表示ランプ6,7を点滅させるようにしても良い。
(7)上記実施形態では、第1〜第3応答時間設定パターンを制御手段33のメモリに記憶させた。これに対して、外部装置に第1〜第3応答時間設定パターンを記憶させ、電源投入後に、外部装置からコネクタ3を介して制御手段33に第1〜第3応答時間設定パターンを入力して操作キー4,5で選択できるようにしても良い。また別案として、外部装置に複数の応答時間設定パターンを記憶させてユーザに外部装置上で応答時間設定パターンを数個選択させ、選択された応答時間設定パターンを外部装置からコネクタ3を介して制御手段33に入力して選択させるようにしても良い。この場合、応答時間設定パターンを詳細に設定してユーザの利便性を図ることができる。更に別案として、外部装置に複数の応答時間設定パターンを記憶させて、外部装置上でユーザに応答時間設定パターンを1つ選択させ、選択された応答時間設定パターンのみを制御手段33に記憶させるようにしても良い。この場合、制御手段33のメモリ容量を小さくしてコストダウンを図ることができる。
(8)第1〜第3応答時間パターンは、制御手段33と別個に設けた記憶手段に記憶させても良い。