【0011】
本発明に係るリード留め具取付け構造は、自動車3の車体前部又は車体後部に設けられた牽引フック取付用ねじ部30へ取り付けて使用するリード留め具取付け構造である。
中空筒体2の外周面又は内周面の一部に、自動車3の前記牽引フック取付用ねじ部30へ結合するねじ部21が形成され、同中空部内にリード6を係留させる係留部材5の着脱機構4が設けられている。
前記係留部材5は、リード6を連結するフック部50と、該フック部50と一連の先端部に形成されたねじ軸部53へねじ結合され、且つロックナット51で固定された差し込み軸部52とで構成されている。
前記差し込み軸部52が前記中空筒体2の着脱機構4へ差し込まれて、前記係留部材5と中空筒体2との着脱自在な結合が行われる。
中空筒体2の中空部の内周面の一部に、自動車3の牽引用フックへねじ結合する雌ねじ22が形成されている。
【実施例1】
【0012】
以下に、本発明に係るリード留め具取付け構造を、図示した実施例に基づいて説明する。
本発明に係るリード留め具取付け構造は、
図1及び
図2に示すように、自動車3の車体前部又は車体後部のいずれか(図示例の場合は車体前部)へ設けられた牽引フック取付用ねじ部30へ取り付けて使用する構成である。一般に、自動車3の車体前部又は車体後部の適所(通例はバンパーの奥部位置など。但し、
図1ではフロントグリル3’の片隅位置を示す。)に、牽引車の牽引ワイヤーを繋ぐためフック取付用ねじ部30が、例えば直径約20mm程度で設けられている。同フック取付用ねじ部30に関しては、
図2(A)に拡大して例示したように、直前の連通口部30’が設けられ、この連通口部30’は非使用時にはキャップ(図示することは省略)を取り付けて塞がれている。
本発明のリード留め具取付け構造は、前記キャップを取り外してから、牽引フック取付用ねじ部30へ取り付けて使用する構成である。
【0013】
本発明によるリード留め具取付け構造の具体的な構成を
図2及び3に示した。
長さが6cm程度の中空筒体2をなし基端部から約半分の長さ範囲の外周面に、自動車3の前記牽引フック取付用ねじ部30(
図2A)へねじ結合する雄ねじ部21が形成されている。そして、前記中空筒体2の雄ねじ部21における中空部の内周面には
図2(B)に示したように、前記牽引フック取付用ねじ部30に代わって、牽引自動車の牽引用フックをねじ止めする雌ねじ22が形成されている。そして、同中空部の他端側に、リード6を係留させる係留部材5の差し込み部52を着脱自在に連結する着脱機構4が形成されている。
前記中空筒体2は、自動車3の牽引フック取付用ねじ部30へねじ込んだ後、連結状態が緩まないように糊付けしてしっかりと固定し、使用中に牽引フック取付用ねじ部30から緩み外れる事故を防止する。つまり、前記中空筒体2は、牽引フック取付用ねじ部30へ常時固定状態に設置しておく。仮に、自動車3が故障等して牽引車で牽引する必要が生じた場合には、前記中空筒体2の雌めじ22へ専用の牽引フックをねじ結合で取り付けて、牽引する構成とされる。
【0014】
上記係留部材5は、
図3及び4に示したように、ペットに繋いだリード6の輪部60を連結するのに好都合な上向き湾曲形状のフック部50と、該フック部50の軸先端部に形成されたねじ軸53へロックナット51と共にねじ結合された差し込み部52とで構成されている。
前記フック部50の形状は、一例として見た目を考慮した可愛らしい横長の骨の形を象った形で形成されており、連結したリード6の輪部60がフック部50から外れないように簡単にしっかりと係止させることができる。なお、前記フック部50は、
図5(A)に示した倒立U字状とした構成、或いは
図5(B)に示したフック金具を用いた構成でも実施することができる。図示したフック部50はほんの一例を示したもので、異なる様々なデザイン、意匠の形状で実施することができる。
【0015】
前記係留部材5の差し込み部52は、上述した中空筒体2の着脱機構4へ差し込み着脱自在に連結する構成である。
この差し込み部52の先端部は、
図3に示したように、前記中空筒体2の中空部内面に設けた着脱機構4のキー溝43、44(
図2Bを参照)へ差し込む2本のキー52a、52aが設けられている。前記キー52aは、差し込み部52の先端部へ、直径2mm程度突き出すように鋼棒を直径線方向へ差しこんで固定した構成である。
【0016】
上記係留部材5のフック部50は、
図6(A)に示したように、前記ロックナット51を緩めて、フック部50又は差し込み部52を周方向に回転させることでねじ結合することができる。したがって、前記フック部50は、使い勝手の良い角度に調整し、ロックナット51にて固定することにより使用することができ、使い勝手に優れている。また、
図6(B)に示したように、前記ロックナット51の締結を緩めて、差し込み部52をねじ軸に沿って所望の位置まで回転させてねじ込むことにより、前記フック部50の前方へ突き出し長さを調節することができる。
【0017】
上記中空筒体2の着脱機構4の中空部は、
図2(B)に例示したように、係留部材5の差し込み部52とほぼ同径(15mm程度)に形成された小径の中空部41と、該小径の中空部41よりも少し大径の中空部42とが一連に構成されている。前記小径の中空部41には、その内周面に、端面から軸方向に向かって第一のキー溝43が形成されており、同小径の中空部41の中間部から軸方向へ向かって前記第一のキー溝43とは異なる方向に第二のキー溝44が形成されている。
一方、前記大径の中空部42には、同大径の中空部42と小径の中空部41とで形成される段差部47に突き当たる座金45と、該座金45を前記段差部47へ向かって押し付けるコイルばね46が設けられている。
【0018】
次に、上記構成のリード留め具の使用例を
図2及び
図4に基づいて説明する。
先ず、
図2に示すように、中空筒体2の雄ねじ部21を自動車3の牽引フック取付用ねじ部30へねじ込んで、同中空筒体2と雄ねじ部21とを連結する。前記雄ねじ部21を牽引フック取付用ねじ部30へ糊り付けして、中空筒体2を常時牽引フック取付用ねじ部30へ取り付けておく。但し、糊り付けして連結した中空筒体2は、不要な場合に取り外すことも可能である。
次に、
図4(A)に示すように、係留部材5の差し込み部52に形成されたキー52aを、中空筒体2の第一のキー溝43の位置へ合わせた状態で、
図4(B)に示すように、前記差し込み部52を着脱機構4の中空部内へ差し込む。そして、差し込み部52の先端で座金45を押し込み、同差し込み部52のキー52aが大径の中空部42へ到達した時点で、前記差し込み部52を回転させ、前記キー52aを第一のキー溝43の位置から第二のキー溝44の位置まで移動させる。すると、
図4(C)に示すように、前記コイルばね46のばね作用で、前記座金45が前記キー52aを第二のキー溝44へ押し付けて、同キー52aが第二のキー溝44へ嵌め込まれ、係留部材5の連結が完了する。前記中空筒体2へ取り付けた係留部材5のフック部50には、リード6の輪部60が連結される。
【0019】
リード6の係留が用済みとなった後には、係留部材5の差し込み部52の先端で座金45を一旦押し込み、同差し込み部52のキー52aが大径の中空部42内へ到達した際に、前記差し込み部52を回転させて、前記キー52aを第二のキー溝44の位置から第一のキー溝43の位置まで移動させる。前記コイルばね46のばね作用で、座金45が前記キー52aを第一のキー溝43へ押し出し、前記係留部材5と中空筒体2との連結が解かれ、同係留部材5を取り外すことができる。
【0020】
本発明に係るリード留め具取付け構造によれば、中空筒体2の外周面の一部に形成されたねじ部21を自動車3の車体前部又は車体後部に設けられた牽引フック取付用ねじ部30へねじ込んで取り付け、中空部に形成された着脱機構4を利用してリード6を係留させる係留部材5を差し込むだけで、自動車3へ簡単に且つ迅速に着脱自在に取り付けることができる。したがって、自動車3による移動又は旅行などに際し、犬等のペットを同行させた場合に、その目的地又は休憩地などで一時的にリード6を自動車3へ繋ぎ留めてペットを係留できる。
また、前記中空筒体2は、自動車3の牽引フック取付用ねじ部30へねじ込んでしっかりと結合することができる。そして、前記係留部材5は中空筒体2の着脱機構4へ取り付てしっかりと固定できる。よって、犬等のペット1が大型で激しく動いても、リード6が外れたり、自動車3を損傷させることは皆無であり、軽便に確実に安心してペット1を繋ぎ止めて遊ばせることができる。
【0021】
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。