【解決手段】盤面に打ち込む遊技球の打ち込み強さを調整するための回動リングを有する発射ハンドルと、大当たり時にその旨の表示を行う表示とを備えた遊技機であって、前記回動リングは、その回転操作と共に回転されるボタン部を有する安全ボタンを備え、前記安全ボタンは前記ボタン側へ付勢されており、発射ハンドルの本体側には、前記安全ボタンの回転を規制するためのストップリングが設けられ、前記安全ボタンを押下すると前記ストップリングによる回転規制が解除されて前記回動リングは更に回転可能になるよう構成され、大当たり時に右打ちが必要な場合、前記表示部には、前記安全ボタンを押下して前記回動リングを更に回転するよう表示されることを特徴とする。
前記大当たり時に右打ちが必要な場合、前記表示部には、前記安全ボタンを押下して前記回動リングを更に回転するようアニメーション表示されることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
前記大当たり時に右打ちが必要な場合、前記表示部には、前記安全ボタンを押下して前記回動リングを更に回転するようアニメーション表示されることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
前記ストップリングは、円筒形状を有するリングベースと、前記リングベースの軸方向端面に設けられる略半円弧状のガイドリング部とを備え、前記当たり面は、前記ガイドリング部の周方向端面に設けられる請求項3に記載の遊技機。
前記ガイドリング部は2つの周方向端面を有し、前記2つの周方向端面のうちの1つは、前記ガイドリング部の外周側に設けられる当たり面と、内周側に設けられる当たり面とを有し、前記外周側に設けられる当たり面は、前記内周側に設けられる当たり面よりも前記ガイドリング部から周方向に対して突出する請求項7に記載の遊技機。
前記ガイドリング部は2つの周方向端面を有し、前記2つの周方向端面のうちの1つは、前記ガイドリング部の外周側に設けられる当たり面と、内周側に設けられる当たり面とを有し、前記外周側に設けられる当たり面は、前記内周側に設けられる当たり面よりも前記ガイドリング部から周方向に突出する請求項4から6のいずれかに記載の遊技機。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の発射ハンドルは、コイルバネ等の付勢力により原点位置に戻るように構成された回動リングを備えている。遊技者は、この回動リングを回転させることによりその回転角度に応じた打ち出し強さで遊技球を発射することができ、また、遊技者が回動リングから手を放すことにより、この回動リングが原点位置に即座に戻ると共に遊技球の打ち出しが停止されるものである。
【0003】
また、遊技機は、この発射ハンドルと共に、通常、打ち出し停止ボタンを備えるものもあり、打ち出し停止ボタンが押されている間は、回動リングコイルバネ等の付勢力に抗して回転されている場合であっても遊技球発射装置にストッパーが掛かり遊技球の打ち出しは停止されるよう構成されている。
【0004】
さらに、コインや厚紙等を使って手を触れることなく発射ハンドルの回転位置を固定する行為を防止するために、遊技機の発射ハンドルにはタッチセンサ等のセンサも備えられ、タッチセンサに手が触れた状態で回動リングを回転させなければ遊技球は発射されないように構成されている。
【0005】
上述の状況を踏まえ、遊技機の発射ハンドルについては、その操作性を向上させるために様々な提案が行われてきた。例えば、操作レバーの回転状態によらず、遊技球の発射を一時停止させるための操作が容易である遊技機の打球操作ハンドルが提案されている(特許文献1)。
【0006】
すわなち、特許文献1には、遊技機の前面に突設された突設部材と、前記突設部材に対し回転可能に設けられ、遊技球の発射強度を調整するための操作レバーと、前記操作レバーに設けられ、遊技球の発射を停止させるために操作される操作レバー側操作部と、を備えることを特徴とする遊技機の打球操作ハンドルが開示されている。
【0007】
また、遊技球の左右打ち分けを容易且つ正確に行うことができるようにする弾球遊技機の打球発射装置が提案されている(特許文献2)。
【0008】
すなわち、特許文献2には、方形枠状の外枠と、この外枠の前側開口域に合わせた方形状に形成されて前記外枠に開閉自在に取り付けられた前枠と、前記前枠に取り付けられた遊技盤とを有して構成され、ほぼ立設状態で遊技に供される縦型弾球遊技機の打球発射装置であって、前記前枠の前面を左右に延びて設けられ、中央部に遊技球の受け皿を有した当て板と、前記当て板と一体に形成されて前記受け皿の側方に設けられたベースと、前記ベースにハンドル移動機構を介して取り付けられた打球発射ハンドルと、前記打球発射ハンドルの捻り量に応じた打力で遊技球を叩打し、前記遊技球を前記遊技盤内に発射供給する打球発射機構と、前記ベースに設けられ、前記遊技盤における左方領域又は右方領域を指定可能な領域指定手段と、前記領域指定手段により前記遊技盤の前記左方領域が指定されているときには前記打球発射機構により発射供給された遊技球が常に前記左方領域を落下するように、前記領域指定手段により前記遊技盤の前記右方領域が指定されているときには前記打球発射機構により発射供給された遊技球が常に前記右方領域を落下するように前記打球発射機構による遊技球の打力調節を行う打力調節手段とを有し、前記ハンドル移動機構は、前記ベースの前面から前方に延びたガイド部材と、前端部に前記打球発射ハンドルを保持し、前記ガイド部材に案内されて前記前枠の前後方向にスライド移動可能なスライド部材と、前記スライド部材を前記ガイド部材に固定可能な固定手段とから構成されたことを特徴とする縦型弾球遊技機の打球発射装置が開示されている。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明にかかる遊技機を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1に、本発明の一実施形態における遊技機の外観構成を示す。
図1において、本発明の一実施形態にかかる遊技機1は、例示的に、遊技盤100上に通常の特別図柄始動口(いわゆる「ヘソ」)101と、時短中の特別図柄始動口(いわゆる「電チュー」)102と、大入賞口(いわゆる「アタッカー」)103とを備える。
なお、時短とは、特別図柄や普通図柄の変動時間が短縮される機能を言う。
【0019】
かかる遊技盤100を備えた遊技機1は、一例として、ベース枠に対して回動自在に取り付けられた本体枠を有し、盤面の正面扉には、例えばその上部が開口する略円形状の窓(この窓には、一例としてガラス板等の透明部材が嵌め込まれる)が形成されて、遊技者は、この窓を介して本体枠に取り付けられた遊技盤100を視認することになる。
【0020】
なお、遊技機1前面の遊技盤周辺には、演出効果のためのランプ類やスピーカ類(
図1において不図示)を設置することができる。
【0021】
また、遊技機1の下部には、遊技媒体である遊技球を貯留するための上部球受皿107が配置され、さらに、上部球受皿107の下方には上部球受皿から溢れた遊技球を貯留するための下部球受皿108が配置される。上部球受皿107に貯留された遊技球は、遊技機1の内部に設けられた遊技球発射装置ないし弾球装置(
図1において、不図示)に1球ずつ供給され、上部球受皿107の右側に設けられた発射ハンドル109の回動リング1091を遊技者が軸線回りに回転させることにより、回転させた角度に応じた強度で遊技球発射装置ないし弾球装置から遊技球が遊技盤100に向かって1球ずつ発射される。
【0022】
発射ハンドル109は、適宜指掛け用の突起を1以上有する回動リング1091を備えており、この回動リング1091は、コイルバネ等の付勢力により原点位置へ戻るように構成されている。
【0023】
また、発射ハンドル109は、遊技球の打ち出しを停止するための発射停止スイッチ1092と、過回転防止のための安全ボタン1093と、図示しないタッチセンサとを備える。一実施形態として、タッチセンサに手が触れることを条件に、回動リング1091を図中時計回りに回動すると、操作検出器(
図1において不図示)によって検出された、回動リング1091の回転角度(原点位置からの操作量)に応じた発射強度で遊技球が遊技盤100上に打ち出される。
【0024】
なお、遊技機が封入式の場合には、上述の上部球受皿107や下部球受皿108は設けなくとも良く、遊技機の内部を数十発の遊技球が循環することとなる。ここで、封入式遊技機は、パチンコ機であれば遊技機内に予め数十〜百発程度の遊技球を内蔵し、打ち出された球は球循環装置によって機内を循環するよう構成され、遊技球の補給や出玉の持ち運びが不要となる点で遊技場の負担を軽減するものとして今後導入が進められるものと考えられる。
【0025】
また、
図1には図示しないが、遊技盤100の周縁には、弾球装置から発射された遊技球を遊技盤100の左側上部へ導くための円弧状のガイドレールが配置されている。さらに、遊技盤100には、多数本の障害釘(不図示)が配設され、ガイドレールに沿って遊技盤100の左側上部から右上方に放たれた遊技球は、遊技盤100の盤面に沿って多数本の障害釘の間を通って下方へと落下していく。
【0026】
そして、遊技盤100の中央部には、後述するメイン制御部で実行される大当り抽せんの結果導出演出や大当り遊技演出等を表示するための液晶表示部104が設けられると共に、液晶表示部104の上部には4つの保留ランプ105が設けられる。なお、保留ランプ105の設置位置は、液晶表示部の下部でもよく、或いは、液晶表示部の枠内でも差し支えない。
【0027】
液晶表示部104の下方には、通常の特別図柄始動口101が設けられ、液晶表示部104の右上部には、時短中の特別図柄始動口102が設けられている。この特別図柄始動口102は、特別図柄始動口101の下部(であって、大入賞口103の上部)に設置することもできる。
【0028】
本発明の一実施形態として、通常の特別図柄始動口101に遊技球が入賞すると、所定個数の賞球が払い出されると共に、大当り抽せんに用いる大当り抽せん乱数を含む種々の乱数が一例として最大4個まで取得され(取得された乱数に対する演出処理が未完了の場合の後続の取得乱数の個数は、保留ランプ105の点灯によって示される)、取得した乱数の値に基づく種々の抽せん及び演出処理が実行される。
【0029】
また、時短中の特別図柄始動口102は、
図1に示されるように、一例として、一対の可動羽根を備えた電動式チューリップ(以下、「電チュー」ともいう)を備える。この電チューは、両可動羽根が遊技球の直径よりもやや広い間隔をもって互いに近接した「閉状態」と、両可動羽根が「閉状態」よりも互いに離間した「開状態」とを形成するよう駆動制御される。
一般的に、閉状態となっている電チューが開状態になると、閉状態の場合に比べ時短中の特別図柄始動口102への入賞が容易となる。
【0030】
通常の特別図柄始動口101の下方には、大当り遊技中に複数回開放される矩形状の大入賞口103が設けられている。大入賞口103には、通常開閉板が設けられ、大入賞口103を閉塞する「閉状態」と、大入賞口103を開放すると共に遊技盤100の上方から流れ落ちる遊技球を案内する「開状態」とに遷移可能に駆動制御される。
【0031】
また、
図1に示すように、液晶表示部104の左右にはスルー110a及び110bが配置される。スルーは入賞口ではないので賞球はないが、スルー内に設置されたセンサを遊技球が通過することで、電チューの開放の有無を抽せんしている。一例ではあるが、確率変動中の電チュー開放率は、通常時の開放率に比べて上昇するよう制御される。
さらに、
図1に示すように、大入賞口103の左右部には、合わせて4つの普通入賞口111a〜111dが配置される。一例として、遊技盤には、通常時に入賞可能な入賞口が5つ設けられる。遊技盤100では、特別図柄始動口101、及び普通入賞口111a〜111dがこれに該当する。
なお、
図1には示さないが、液晶表示部104の左側には、遊技球の流れに影響を与えるための風車を配置することもできる。
【0032】
図1において、遊技盤100の最下部には、いずれの始動口にも入らなかった遊技球(アウト球)を回収するためのアウト球回収口106が設けられている。
【0033】
続いて、
図2を参照して、本発明の一実施形態における遊技機の機能ブロックを説明する。
図2において、本発明の一実施形態にかかる遊技機における制御部200は、メイン制御部210とサブ制御部220とからなり、メイン制御部210とサブ制御部220とは、メイン制御部210からサブ制御部220への一方向通信経路によって電気的に接続されている。メイン制御部210は、主として遊技制御を行い、サブ制御部220は、メイン制御部210からの指令に基づき、主に液晶表示部271、音声出力部272、照明部273等の演出制御を行う。
【0034】
さらに、メイン制御部210は、CPU211と、RAM212と、ROM213とを有し、図示しない入力ポート及び出力ポートを備える。また、メイン制御部210は、図示しない接続端子を介し、外部から情報を取得するための外部接続端子290へ接続されている。
【0035】
メイン制御部210の入力ポートには、
図2に示すように、通常の特別図柄(特図)始動口101への入賞を検知する通常の特図始動口センサ231と、時短中の特別図柄(特図)始動口102への入賞を検知する時短中の特図始動口センサ232と、大入賞口103への入賞を検知する大入賞口センサ233と、1以上の普通入賞口(
図2において、不図示)への入賞を検知する1以上の普通入賞口センサ234とが、それぞれ電気的に接続されている。
【0036】
メイン制御部210の出力ポートには、特別図柄(特図)表示部241と、特別図柄(特図)保留表示部242と、時短中の特図始動口102の電チューの可動羽根を開閉駆動するための始動口役物駆動部251と、大入賞口103の開閉板を開閉駆動するための大入賞口役物駆動部252とが、それぞれ電気的に接続されている。
【0037】
また、メイン制御部210のCPU211は、ROM213に格納された遊技プログラムを適宜、RAM212に読み出して、入力ポートに接続された各種センサの検出信号に応じて、出力ポートに接続された各表示部及び駆動部の制御、並びに、サブ制御部220へのコマンド送信を行う。
【0038】
また、RAM212には、遊技プログラムの実行に必要な情報が逐次読み出されて記憶される。また、メイン制御部210には、図示は省略するが、抽せん手段、抽せん結果判断手段、特別遊技開始/終了手段、当せん確率制御手段等のプログラム制御手段が、ソフトウェアとして実装されている。
【0039】
同様に、サブ制御部220は、CPU221と、RAM222と、ROM223とを有し、図示しない入力ポート及び出力ポートを備える。
【0040】
サブ制御部220の入力ポートには、ボタン(
図1において不図示)に対する操作の有無をそれぞれ検出する押しボタン(及びセンサ)261が電気的に接続されている。
【0041】
押しボタン(及びセンサ)261には、これらに限定されるものではないが、遊技者の意思で遊技を中断するための「遊技中断」ボタン、遊技を再開するための「遊技再開」ボタンの他、演出に応じて遊技者が遊技に参加するために使用される「演出」ボタン等から選択された1以上のボタンを備えることができる。
【0042】
なお、押しボタン261は、あくまでも操作手段としての例示であり、必ずしも「押しボタン」である必要なく、レバーやタッチセンサ等様々な入力デバイスを採用することができる。
【0043】
サブ制御部220の出力ポートには、液晶表示部271と、スピーカ等の音声出力部272と、演出ランプ等の照明部273とが、それぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御部220のCPU221は、ROM223に格納された演出プログラムを適宜、RAM222に読み出して、メイン制御部210からのコマンドと入力ポートに接続された各種センサからの検出信号とに応じて、出力ポートに接続された液晶表示部271、音声出力部272,及び照明部273を制御する。また、RAM222には、演出プログラムの実行に必要な情報が逐次読み出されて記憶される。
【0044】
次に、メイン制御部210のCPU211によって実行される基本的な抽せん処理等について、説明する。メイン制御部210のCPU211によって実行される基本的な抽せん処理は、通常の特図始動口への入賞によって実行される抽せん処理であり、具体的には、各種乱数の取得処理、並びに、賞球払出処理である。
【0045】
まず、通常の特図始動口の入賞センサ231が入賞を検知すると、既に入賞センサ231の検知により取得され大当り抽せんを保留している大当り抽せん乱数の数(以下、特図保留数という)が4未満か否かを判断し、YESと判断した場合には、特図保留数をインクリメントする。そして、大当り抽せん乱数R1を取得してRAM212の特図保留記憶領域に記憶する。そして、賞球払出処理を実行する。
【0046】
ここで、大当り抽せん乱数R1は、メイン制御部210のCPU211に内蔵されている乱数発生器によって生成されるハード乱数であって、一例として、0〜700の数値範囲を有する。一方、大当り抽せん乱数R1の他、他の抽せん乱数を上述した遊技プログラム内で逐次発生可能なカウンタ型のソフト乱数によって決定することもできる。
【0047】
本発明の一実施形態にかかる遊技機では、上述の乱数によって、初当たり(初回の大当たり)は下表のように決定される。なお、発明の理解の容易のために、乱数発生器による数値発生の範囲は0〜700としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、実装上は、2バイト幅(0〜65535)の範囲で数値を発生させ、そのうちの特定の範囲の数値を当たりとすることができる。
【0049】
再び
図2を参照し、賞球制御、及び遊技球の発射制御について説明する。
図2において、賞球制御部281は、出力側に、賞球モータ2811、及び外部接続端子290が接続され、入力側に、メイン制御部210、及び賞球払い出しセンサ2812が接続される。
なお、メイン制御部210と賞球制御部281とは、双方向通信可能に接続されている。
【0050】
賞球制御部281は、通常の特図始動口センサ231、時短中の特図始動口センサ232、大入賞口センサ233又は普通入賞口センサ234による遊技球の検出があった場合に、メイン制御部210から送信される賞球コマンドに従って賞球モータ2811を駆動制御して、賞球として設定された遊技球数を遊技者に払い出す。
【0051】
なお、図示していないが、清算装置から球貸要求(コマンド)があった場合には、この球貸要求に従って賞球モータ2811を駆動制御して貸し球として設定された遊技球数を遊技者に貸し出す。
【0052】
また、賞球制御部281は、賞球払い出しセンサ2812による遊技球の検出によって、賞球として設定された遊技球数を払い出したか否かを判定する。代替的に、賞球払い出しセンサ2812による遊技球の検出信号をメイン制御部210に入力する構成とすることもできる。あるいは、メイン制御部210及び賞球制御部281の双方に入力する構成とすることもできる。
【0053】
発射制御部282は、出力側に、発射ユニット2821及びメイン制御部210が接続され、入力側に、発射停止指示部2823、操作検出器2824及びタッチセンサ2825が接続される。
【0054】
発射制御部282の役割は、遊技球を打ち出す発射ユニット2821を駆動制御すると共に、遊技者が操作する回動リング1091の操作量に応じて遊技球を打ち出す発射強度を変化させることである。また、遊技者が発射停止指示部2823より遊技球の発射停止を指示したとき、遊技球の発射を停止させる。
【0055】
図3に、本発明の一実施形態における遊技機の発射ハンドルの外観構成を示す。
図1の発射ハンドル109の拡大図でもある。
図3に示す発射ハンドル109は、遊技者が軸線回りに回動可能な回動リング1091を備えており、図においては、ちょうど原点位置にある。
回動リング1091には、指掛け用の突起1091a、1091b、1091cが設けられており、一例として、突起1091aに右手人指し指、突起1091bに右手薬指、突起1091cに右手小指を掛けるなどするとリングを回動させ易く、また、複数の指を掛けることができるので、回動させたリングの回転角度を維持し易い。
【0056】
また、一例として、発射ハンドル109の左下側面には、遊技球の打ち出しを停止するための発射停止スイッチ1092が設けられており、右手親指で押下し易い設計となっている。発射停止スイッチ1092は、発射停止指示部2823に含まれる指示手段である。
【0057】
また、発射ハンドル109の左側面には、回動リングが過度に回転することを防止するための安全ボタン1093が設けられている(その構造については、後述)。回動リング1091を時計回りに回転させてもこの安全ボタン1093が備える機構により一定回転以上は回転させることができない。一方で、この安全ボタン1093を押下しつつ回動理リングを時計回りに回転させようとすると、安全ボタン1093下部のロック機構が解除されて、回動リング1091を更に回転させることができる。
一例として、通常の遊技では右打ちが不要であるような遊技機においては、回動リング及び安全ボタンを上述のように構成することで、遊技者に無駄な打ち出しをさせてしまうことを効果的に防止することができる。
【0058】
図4に、本発明の一実施形態における遊技機の発射ハンドル部品の外観構成を示す。具体的には、上述の安全ボタンをどのように発射ハンドルに取り付けるかを説明するものである。
図4において、安全ボタン40を回動リング1091(
図4において、不図示)に取り付け、すなわち、回動リング1091の回転操作と共に回転される安全ボタン40を回動リング1091側に取り付けて、安全ボタン40のボタン部42側、すなわち形動リング1091の径方向外側に向けて付勢しておく。
【0059】
一方、発射ハンドル本体側には、安全ボタン40の回転を規制するストップリング46を設けて、ストップリング46のリングベース47の上部に半円弧状に立設されたガイドリング部48の両端部に当たり面50及び56を設ける。リングベース47のガイドリング部48の反対側には、ガイドリング部48よりもやや高さを低くしたガイドリブ49が立設されている。
ガイドリング部48は2つの周方向端面を有し、2つの周方向端面のうちの1つは、ガイドリング部48の外周側に設けられる当たり面52と、内周側に設けられる当たり面56とを有する。外周側に設けられる当たり面52は、内周側に設けられる当たり面56よりもガイドリング部48から周方向に突出する。
【0060】
通常遊技時には、当たり面50から当たり面56までの範囲内で安全ボタン40の当接片部54が移動可能となっており、回動リングの回転操作はこの範囲(後述する「第1の回転角度領域」)内でのみ可能となる。
【0061】
そして、当たり面56に安全ボタン40の当接片部54が当接する際の回転角度以上(後述する「第2の回転角度領域」)に回動リングを回転させたい場合には、安全ボタン40のボタン部42を押し下げて当接片部54をストップリング46の径方向内側に向けて移動させることにより、ガイドリング部48の内壁に沿ってさらに大きな回転領域へと安全ボタン40が移動可能となる(具体的には、当たり面58に至るまで回動リングを回転可能とすることができる)。
【0062】
図5Aに、本発明の一実施形態における遊技機の発射ハンドル部品の断面構造を示す。
ちょうど、
図4に示したハンドル部品の上面図になっている。また、
図5Aにおける部材番号は、
図4における部材番号に対応する。
なお、当たり面50及び56は、ガイドリング部48の両端部に設けられており、ガイドリング部48の一部をなしている点に留意されたい。
【0063】
図5Bに、本発明の他の実施形態における遊技機の発射ハンドル部品の断面構造を示す。
図5Aに示した部品との相違点は、次の2点である。
(1)ガイドリング部48−1は、当たり面70を有するガイドリング部48−2と切り離されている。
(2)ガイドリング部48−1下面とリングベース47上面との境界面は、図中の位置Pからガイドリング部48−2側の端部Qまで切り込みが入れられており可撓性を有する。
なお、図中の二点破線部分は、P−Q間が位置Pから弧の外側に撓んでいる様子を示す。
この時、P−Q間は内側へ戻ろうとする力が働いている。
【0064】
発射ハンドル部品を
図5Bに示すような構成にすることにより、発射ハンドルの回動リングを第2回転角度領域において時計回りに回す場合には、安全ボタン40の当接片部54がガイドリング部48の内壁に沿って進むにつれて増大する、可撓性を有するP−Q間の内側へ戻ろうとする力に抗することになる。つまり、回動リングを第2回転角度領域において時計回りに回そうとすると、遊技者は、その回転角度に応じて次第に強くなる抗力を感じながら回動リングを回すことになるので、不用意に回動リングを大きく回してしまうリスクを軽減することができ、その結果無駄球の打ち込みを減らすことができる。
【0065】
なお、可撓性を有するP−Q間の内側へ戻ろうとする力は、ガイドリング部48の可撓性を有するP−Q間の外側と、回動リング内側との間にバネやゴム等の弾性材料を装填することで、更に固くしたり、回転に応じて強くなる抗力の調整をしたりできる。
【0066】
さらに、
図4、
図5A、及び
図5Bに示したガイドリング部48には、その端部に当たり面52を有する突設部が設けられ、実質的に安全ボタンの押し込みは当たり面52での押し込み及び当たり面56での押し込みの2段階の押し込みが必要になるよう構成されているが、これは誤って安全ボタンを1度押し込んでしまって不用意な回動リングの過回転を防止するために設けられたものであるが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、当たり面52を有する突設部を設けずに、当たり面56での押し込みを1度だけ要する構成にしても良い。
【0067】
図6(a)〜
図6(c)には、遊技機の発射ハンドルの回転角度と遊技球の打ち出し強さとの関係を説明するため、様々な回転角度(回動位置)に回動された発射ハンドルが示されている。
図6(a)に示された発射ハンドルの回転角度は、30°であり、原点位置から30°時計回りに回動リングを回転させた状態である。この状態では、
図6(a)右側の盤面に示される遊技球軌道R1に沿って遊技球が打ち出され、遊技球は盤面の左半分の領域を中心に落下する。
【0068】
また、
図6(b)に示された発射ハンドルの回転角度は、60°であり、原点位置から60°時計回りに回動リングを回転させた状態である。この状態では、
図6(b)右側の盤面に示される遊技球軌道R2に沿って遊技球が打ち出され、遊技球は盤面の中央部の領域を中心に落下する(いわゆる天打ち)。
【0069】
本発明の一実施形態においては、安全ボタン1093が押下されない状態では、
図6(b)に示す回転角度60°の位置で、これ以上回転させることができないように設計することができる(このときの回転角度60°を「ロック解除可能角度」という)。この場合、安全ボタン1093が押下されない状態では、回動リングの回転角度0°〜60°の範囲(この回転角度領域を「第1の回転角度領域」という。)で回転させることができ、遊技球の打ち出しは、左打ちかせいぜい天打ち止まりとなる。そして、安全ボタン1093が押下された状態(ロック解除状態)では、回動リングを更に回転させることができるようになり(この回転角度領域を「第2の回転角度領域」という。)、遊技球の打ち出しとしては、いわゆる右打ちが可能となる。
【0070】
つまり、
図6(c)に示された発射ハンドルの回転角度は、第2の回転角度領域内の120°であり、原点位置から120°時計回りに回動リングを回転させた状態である。この状態では、
図6(c)右側の盤面に示される遊技球軌道R3に沿って遊技球が打ち出され、遊技球は盤面の中央部の領域を中心に落下する(いわゆる右打ち)。
【0071】
なお、
図6中の回動リングの回転角度と遊技球の打ち出し強さとの関係は、相対的な関係を説明するもので具体的数値(例えば、回転角度30°でどの程度の打ち出し強さになるのか)については設計事項である。
【0072】
また、回動リング1091の回転角度に応じた遊技球の打ち出しは、発射制御部282において検出された回動リングの回転角度の検出量を発射ユニット2821の発射モータないし電動発射ハンマーの打ち出しの強さに変換して適切な信号を発射ユニット2821に送信することにより実施される。
【0073】
図7Aに、本発明の一実施形態における遊技機の大当り時のガイド表示を説明する説明図である。通常時には右打ちが不要であっても、大当り時には右打ちが必要となる遊技機種がある。本発明においては、そのような場合(大当り時)に速やかに遊技者に右打ちを促すように表示部104にその旨を表示する。例示的に、
図7Aにおいては、大当り時にハンドルロックを解除して発射ハンドルの回動リングを第2の回転角度領域まで回すように促す表示がなされている。
図7Aにおいては、「大当り!ハンドルロックを解除して右打ちをして下さい」との表示がなされているが、表示すべき文字についてはこれに限定されることはなく、遊技者がどのように右打ちをすれば良いか容易に理解できる表示であれば、他の表示文字を採用することもできる。
【0074】
図7Bに、本発明の一実施形態における遊技機の大当り時の他のガイド表示例を示す。
図7Bにおいて、表示部104には、発射ハンドルの図面を表示しながら右打ちの仕方、すなわち、安全ボタンを解除して回動リングを第2の回転角度領域まで回転させる方法が図示されて説明されている。
図7Bのような詳細な表示は、
図7Aに示された表示の後に表示されるように制御するとより好適であり、必要に応じてアニメーション等を使用して安全ボタンが押下されたまま回動リングが回転される様子を示すと更に好適である。
【0075】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0076】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0077】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。