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特開2015-980コンタクトレンズ製造用フッ素含有エーテルモノマー、コンタクトレンズ材料及びこの材料により製造されたコンタクトレンズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-980(P2015-980A)
(43)【公開日】2015年1月5日
(54)【発明の名称】コンタクトレンズ製造用フッ素含有エーテルモノマー、コンタクトレンズ材料及びこの材料により製造されたコンタクトレンズ
(51)【国際特許分類】
   C08F 20/36 20060101AFI20141202BHJP
   C08F 290/06 20060101ALI20141202BHJP
   G02C 7/04 20060101ALI20141202BHJP
【FI】
   C08F20/36
   C08F290/06
   G02C7/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-253073(P2013-253073)
(22)【出願日】2013年12月6日
(31)【優先権主張番号】102121153
(32)【優先日】2013年6月14日
(33)【優先権主張国】TW
(71)【出願人】
【識別番号】311005301
【氏名又は名称】明基材料股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(74)【代理人】
【識別番号】100107560
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 惣一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲チャン▼ 凡丹
【テーマコード(参考)】
2H006
4J100
4J127
【Fターム(参考)】
2H006BB01
2H006BB03
2H006BB05
2H006BB09
4J100AG04Q
4J100AJ02Q
4J100AL08P
4J100AL08Q
4J100AL08R
4J100AL09Q
4J100AL82R
4J100AM17Q
4J100AM19Q
4J100AM37R
4J100AQ08Q
4J100AQ15Q
4J100BA02R
4J100BA08P
4J100BA08R
4J100BA31Q
4J100BA38P
4J100BA38R
4J100BA51P
4J100BA81R
4J100BB18P
4J100BC04P
4J100BC04R
4J100CA03
4J100CA06
4J100DA49
4J100DA51
4J100JA34
4J127AA03
4J127BB021
4J127BB023
4J127BB032
4J127BB101
4J127BB103
4J127BB112
4J127BB221
4J127BB223
4J127BB252
4J127BC021
4J127BC022
4J127BC023
4J127BC151
4J127BC152
4J127BD291
4J127BD292
4J127BD331
4J127BD332
4J127BD421
4J127BD423
4J127BD431
4J127BD453
4J127BD491
4J127BE25Y
4J127BE251
4J127BE253
4J127BE37Y
4J127BE372
4J127BE59Y
4J127BE591
4J127BF123
4J127BF62X
4J127BF62Z
4J127BF621
4J127BF623
4J127BF66X
4J127BF663
4J127BF77X
4J127BF772
4J127BF78Y
4J127BF78Z
4J127BF781
4J127BF782
4J127BG04X
4J127BG04Z
4J127BG041
4J127BG043
4J127BG07X
4J127BG073
4J127BG08X
4J127BG083
4J127BG13Y
4J127BG133
4J127BG14Y
4J127BG141
4J127BG16Y
4J127BG162
4J127BG17Y
4J127BG171
4J127BG172
4J127BG173
4J127BG25Y
4J127BG252
4J127BG27X
4J127BG27Y
4J127BG27Z
4J127BG271
4J127BG273
4J127BG33X
4J127BG333
4J127BG38X
4J127BG38Y
4J127BG381
4J127BG382
4J127CB152
4J127CB163
4J127CB201
4J127CC092
4J127CC291
4J127FA26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】涙液におけるタンパク質の沈殿を防止し、装着時の快適感を向上させ、好適なコンタクトレンズの酸素透過率を有する材料の提供。
【解決手段】式(I)に示す化学式を有する、コンタクトレンズ製造用フッ素含有エーテルモノマー及びこれを用いたコンタクトレンズ材料。

(R10はフルオロアルキル基C、xは2〜20の整数、yは5〜30の整数、y+z=2x+1、R11は酸素、窒素又は硫黄、R12は炭素数1〜3のアルキレン基、nは3〜40の整数)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式(I)に示す化学式を有する、コンタクトレンズ製造用フッ素含有エーテルモノマー
【化1】
(I)
(ただし、化学式(I)において、R10はフルオロアルキル基Cであり、xは2〜20の整数であり、yは5〜30の整数であり、y+z=2x+1であり、R11は酸素、窒素又は硫黄であり、R12は炭素数1〜3のアルキレン基であり、nは3〜40の整数である)。
【請求項2】
前記フッ素含有エーテルモノマーのフッ素原子と炭素原子とのモル比は、0.032〜0.880に介在する、請求項1に記載のフッ素含有エーテルモノマー。
【請求項3】
前記化学式(I)において、R10はCであり、R11は酸素であり、R12は炭素数2のアルキレン基である、請求項1に記載のフッ素含有エーテルモノマー。
【請求項4】
前記化学式(I)において、R10はC1017であり、R11は酸素であり、R12は炭素数2のアルキレン基である、請求項1に記載のフッ素含有エーテルモノマー。
【請求項5】
前記化学式(I)において、R10はC1017であり、R11は硫黄であり、R12は炭素数2のアルキレン基である、請求項1に記載のフッ素含有エーテルモノマー。
【請求項6】
前記フッ素含有エーテルモノマーの使用量は、コンタクトレンズの総重量の0.07重量%〜0.40重量%を占める、請求項1に記載のフッ素含有エーテルモノマー。
【請求項7】
下記の式(I)に示す化学式を有するフッ素含有エーテルモノマー
【化2】
(ただし、化学式(I)において、R10はフルオロアルキル基Cであり、xは2〜20の整数であり、yは5〜30の整数であり、y+z=2x+1であり、R11は酸素、窒素又は硫黄であり、R12は炭素数1〜3のアルキレン基であり、nは3〜40の整数である)と、
少なくとも1つの親水性モノマーと、
少なくとも1つのシロキサンマクロマと、
開始剤と、
を含む、コンタクトレンズ材料。
【請求項8】
前記シロキサンマクロマは、
下記化学式(II)で示されるシロキサンマクロマ又は下記化学式(III)で示されるシロキサンマクロマを含む第1シロキサンマクロマ
【化3】
(ただし、化学式(II)において、pは4〜80の整数である)
【化4】
(ただし、化学式(III)において、qは4〜80の整数であり、rは3〜40の整数である)と、
数平均分子量が約1,000〜10,000であり、架橋可能な官能基を有する、下記化学式(IV)で示される第2シロキサンマクロマ
【化5】
(ただし、化学式(IV)において、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のアルケニレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又はエーテル官能基含有炭素数1〜6のアルキレン基であり、RはO又はNHであり、Rは炭素数1〜6のアルケニレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又はエーテル官能基含有炭素数1〜6のアルキレン基であり、Rは水素、炭素数1〜6のアルキレン基又はエーテル官能基含有炭素数1〜6のアルキレン基であり、Rは水酸基、酸基、エポキシ基又は酸無水物官能基を有する反応性官能基の残基であり、nは10〜100の整数である)と、
を含む、請求項7に記載のコンタクトレンズ材料。
【請求項9】
前記第1シロキサンマクロマは約30〜60重量部であり、前記第2シロキサンマクロマは約1〜15重量部であり、前記親水性モノマーは約30〜65重量部であり、前記フッ素含有エーテルモノマーは約0.1〜0.3重量部であり、前記開始剤は約0.1〜1重量部である、請求項8に記載のコンタクトレンズ材料。
【請求項10】
前記親水性モノマーは、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N’−ジメチルアクリルアミド(DMA)、メタクリル酸(MAA)、N,N’−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、酢酸ビニル、N−アクリロイルモルホリン、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる1つ以上の親水性モノマーを含む、請求項7に記載のコンタクトレンズ材料。
【請求項11】
前記化学式(I)において、R10はC又はC1017であり、R11はO又はSであり、R12は炭素数2のアルキレン基である、請求項7に記載のコンタクトレンズ材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素含有エーテルモノマーに関し、特に、コンタクトレンズ製造用フッ素含有エーテルモノマーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の硬質のコンタクトレンズは主にガラスのものであり、その後、装着時の不快感という問題を改善するために、軟質のコンタクトレンズが開発された。軟質のコンタクトレンズから、ハイドロゲルコンタクトレンズとシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズに分けることができる。
【0003】
ハイドロゲルコンタクトレンズ(hydrogel contact lenses)の主な材料は、ポリメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(polyHEMA)である。ポリメタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(polyHEMA)は含水率が38.8%にすぎないため、含水率を向上させるために、コンタクトレンズ材料に、例えばN−ビニルピロリドン(NVP)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、メタクリル酸(MAA)等のような親水性モノマーの1種以上を追加する。
【0004】
親水性モノマーを加えると、コンタクトレンズの含水率を38.8%から80%に向上させることができる。しかし、コンタクトレンズの張力、靭性はこれによって低下するため、コンタクトレンズに十分な機械的強度を持たせるために、含水率を制御しなければならない。
【0005】
ハイドロゲルコンタクトレンズの欠点を改善するために、近年、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを開発することにより、酸素透過率(oxygen permeability;DK値)を向上させる。シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズは、親水性のケイ素含有重合材料及び親水性モノマーで共重合反応を行い、シリコーンハイドロゲルコンタクトレンズを形成する。
【0006】
しかしながら、人間の目はタンパク質を分泌してタンパク質の沈殿を生じることにより、コンタクトレンズを装着している時に不快感を生じる。従来の開発において、フルオロシリコーンアクリレート(fluorosilicone acrylate)は酸素透過性が高く、コンタクトレンズの製造に用いることができ、長期の酸欠による角膜病変の問題を低減し、また、装着時の快適感があり、分泌物が付着しにくいことが知られている。しかし、フルオロシリコーンアクリレートをコンタクトレンズ材料とする場合は、変形しやすい欠点がある。
【0007】
本発明は、新規のフッ素含有エーテルモノマー、及びこれを含むコンタクトレンズ材料を提供する。この材料により製造されたコンタクトレンズは、適切な物理的性質及び装着時の快適感を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
涙液におけるタンパク質は、コンタクトレンズの表面に付着しやすいため、タンパク質の沈殿が発生する。本発明は、フッ素含有エーテルモノマーをコンタクトレンズ材料に添加することにより、タンパク質の沈殿を防止し、装着時の快適感を向上させることができるとともに、好適なコンタクトレンズの酸素透過率(DK値)を有する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、下記の式(I)に示す化学式を有する、コンタクトレンズ製造用フッ素含有エーテルモノマーを提供する
【化1】
(ただし、化学式(I)において、R10はフルオロアルキル基Cであり、xは2〜20の整数であり、yは5〜30の整数であり、y+z=2x+1であり、R11は酸素、窒素又は硫黄であり、R12は炭素数1〜3のアルキレン基であり、nは3〜40の整数である)。
【0010】
本発明のフッ素含有エーテルモノマーは、例えばハイドロゲルコンタクトレンズ又はシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズのようなコンタクトレンズの製造に用いることができるため、本発明は別に、下記の式(I)に示す化学式を有するフッ素含有エーテルモノマー
【化2】
(ただし、化学式(I)において、R10はフルオロアルキル基Cであり、xは2〜20の整数であり、yは5〜30の整数であり、y+z=2x+1であり、R11は酸素、窒素又は硫黄であり、R12は炭素数1〜3のアルキレン基であり、nは3〜40の整数である)と、
少なくとも1つのシロキサンマクロマと、少なくとも1つの親水性モノマーと、開始剤と、を含む、コンタクトレンズ材料を提供する。
【0011】
本発明はまた、上記の式(I)に示す化学式を有するフッ素含有エーテルモノマーと、少なくとも1つの親水性モノマーと、開始剤と、を含む、コンタクトレンズ材料を提供する。
【0012】
本発明は別にまた、上記コンタクトレンズ材料により製造された、コンタクトレンズを提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、コンタクトレンズ製造用フッ素含有エーテルモノマー、及びこれを含むコンタクトレンズ材料を提供する。このコンタクトレンズ材料は、涙液におけるタンパク質沈殿の防止、好適な酸素透過率、及び適度な含水率等のメリットを有する。
【0014】
本発明は、下記の式(I)に示す化学式を有する、コンタクトレンズ製造用フッ素含有エーテルモノマーを提供する
【化3】
(ただし、化学式(I)において、R10はフルオロアルキル基Cであり、xは2〜20の整数であり、yは5〜30の整数であり、y+z=2x+1であり、R11は酸素、窒素又は硫黄であり、R12は炭素数1〜3のアルキレン基であり、nは3〜40の整数である)。
【0015】
本発明の一実施例によると、フッ素含有エーテルモノマーにおけるフッ素原子と炭素原子とのモル比は、0.032〜0.880の間に介在する。本発明の別の一実施例によると、フッ素含有エーテルモノマーの使用量は、コンタクトレンズ材料の総重量の0.07重量%〜0.40重量%を占める。
【0016】
本発明のフッ素含有エーテルモノマーの一実施例において、R10はCであり、R11は酸素であり、R12は炭素数2のアルキレン基であり、フッ素含有エーテルモノマーは化学式(I−1)に示す通りである
【化4】
(ただし、nは3〜40の整数である)。
【0017】
本発明のフッ素含有エーテルモノマーの別の一実施例において、R10はC1017であり、R11は酸素であり、R12は炭素数2のアルキレン基であり、フッ素含有エーテルモノマーは化学式(I−2)に示す通りである
【化5】
(ただし、nは3〜40の整数である)。
【0018】
本発明のフッ素含有エーテルモノマーのまた別の一実施例において、R10はC1017であり、R11は硫黄であり、R12は炭素数2のアルキレン基であり、フッ素含有エーテルモノマーは化学式(I−3)に示す通りである
【化6】
(ただし、nは3〜40の整数である)。
【0019】
また、本発明は別に、上記に示す化学式(I)を有するフッ素含有エーテルモノマーと、少なくとも1つのシロキサンマクロマと、少なくとも1つの親水性モノマーと、開始剤と、を含む、コンタクトレンズ材料を提供する。
【0020】
本発明の一実施例によると、上記シロキサンマクロマは、第1シロキサンマクロマと、第2シロキサンマクロマと、を含み、第1シロキサンマクロマは、下記化学式(II)で示されるシロキサンマクロマ又は下記化学式(III)で示されるシロキサンマクロマを含む
【化7】
(ただし、化学式(II)において、pは4〜80の整数である)
【化8】
(ただし、化学式(III)において、qは4〜80の整数であり、rは3〜40の整数である)。
【0021】
上記の第2シロキサンマクロマは、数平均分子量が約1,000〜10,000であり、架橋可能な官能基を有する、下記化学式(IV)で示されるものである
【化9】
(ただし、化学式(IV)において、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは炭素数1〜6のアルケニレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又はエーテル官能基含有炭素数1〜6のアルキレン基であり、RはO又はNHであり、Rは炭素数1〜6のアルケニレン基、炭素数1〜6のアルキレン基又はエーテル官能基含有炭素数1〜6のアルキレン基であり、Rは水素、炭素数1〜6のアルキレン基又はエーテル官能基含有炭素数1〜6のアルキレン基であり、Rは水酸基、酸基、エポキシ基又は酸無水物官能基を有する反応性官能基の残基であり、nは10〜100の整数である)。
【0022】
本発明の一実施例によると、上記第2シロキサンマクロマは、化学式(IV−1)に示す通りであってもよい
【化10】
(ただし、化学式(IV−1)において、sは10〜100の整数である)。
【0023】
本発明の一実施例によると、上記親水性モノマーは、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N’−ジメチルアクリルアミド(DMA)、メタクリル酸(MAA)、N,N’−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、酢酸ビニル、N−アクリロイルモルホリン、アクリル酸2−ジメチルアミノエチル及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる1つ以上の親水性モノマーを含む。
【0024】
本発明の一実施例によると、上記開始剤は、熱開始剤又は光開始剤を含む。熱開始剤は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)又は過酸化ベンゾイルより選ばれるものである。光開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸エチル及び2,2−ジエトキシアセトフェノンからなる群を含むが、これらに限定されない。
【0025】
本発明の一実施例によると、上記コンタクトレンズ材料における第1シロキサンマクロマは約30〜60重量部であってもよく、第2シロキサンマクロマは約1〜15重量部であってもよく、親水性モノマーは約30〜65重量部であってもよく、フッ素含有エーテルモノマーは約0.1〜0.3重量部であってもよく、開始剤は約0.1〜1重量部であってもよい。
【0026】
また、本発明の一実施例で提供されるコンタクトレンズ材料には、必要に応じて架橋剤、顔料、UV遮断剤、溶剤又はそれらの組み合わせを添加することができる。架橋剤は、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、テトラエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TrEGDMA)、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチルプロパントリメタクリレート、メタクリル酸ビニル、エチレンジアミンジメチルアクリルアミド、グリセロールジメタクリレート、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル(triallyl cyanurate)及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれるものであるが、これらに限定されない。また、溶剤は、n−へキサノール又はエタノールであってもよいが、これに限定されない。
【0027】
本発明の一実施例において、コンタクトレンズ材料は、下記化学式(I−1)で示されるフッ素含有エーテルモノマーと、上記化学式(II)で示される第1シロキサンマクロマと、上記化学式(IV−1)で示される第2シロキサンマクロマと、を含む
【化11】
(ただし、nは3〜40の整数である)。
【0028】
この実施例において、上記親水性モノマーは、N−ビニルピロリドン(NVP)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)とN,N’−ジメチルアクリルアミド(DMA)との組み合わせ、又は、N−ビニルピロリドン(NVP)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)との組み合わせであってもよい。
【0029】
本発明の別の一実施例において、コンタクトレンズ材料は、上記化学式(I−1)で示されるフッ素含有エーテルモノマーと、上記化学式(III)で示される第1シロキサンマクロマと、上記化学式(IV−1)で示される第2シロキサンマクロマと、を含む。この実施例において、親水性モノマーは、N−ビニルピロリドン(NVP)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)とN,N’−ジメチルアクリルアミド(DMA)との組み合わせであってもよい。
【0030】
本発明の一実施例において、コンタクトレンズ材料は、下記化学式(I−2)で示されるフッ素含有エーテルモノマーと、上記化学式(II)で示される第1シロキサンマクロマと、上記化学式(IV−1)で示される第2シロキサンマクロマと、を含む
【化12】
(ただし、nは3〜40の整数である)。
【0031】
この実施例において、親水性モノマーは、N−ビニルピロリドン(NVP)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)とN,N’−ジメチルアクリルアミド(DMA)との組み合わせ、又は、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)とN,N’−ジメチルアクリルアミド(DMA)との組み合わせ、又は、N−ビニルピロリドン(NVP)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)との組み合わせであってもよい。
【0032】
本発明の別の一実施例において、コンタクトレンズ材料は、上記化学式(I−2)で示されるフッ素含有エーテルモノマーと、上記化学式(III)で示される第1シロキサンマクロマと、上記化学式(IV−1)で示される第2シロキサンマクロマと、を含む。この実施例において、親水性モノマーは、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)とN,N’−ジメチルアクリルアミド(DMA)との組み合わせであってもよい。
【0033】
本発明の一実施例において、コンタクトレンズ材料は、下記化学式(I−3)で示されるフッ素含有エーテルモノマーと、上記化学式(II)で示される第1シロキサンマクロマと、上記化学式(IV−1)で示される第2シロキサンマクロマと、を含む
【化13】
(ただし、nは3〜40の整数である)。
【0034】
この実施例において、親水性モノマーは、N−ビニルピロリドン(NVP)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)との組み合わせであってもよい。
【0035】
本発明の別の一実施例において、コンタクトレンズ材料は、上記化学式(I−3)で示されるフッ素含有エーテルモノマーと、上記化学式(III)で示される第1シロキサンマクロマと、上記化学式(IV−1)で示される第2シロキサンマクロマと、を含む。この実施例において、親水性モノマーは、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)とN,N’−ジメチルアクリルアミド(DMA)との組み合わせであってもよい。
【0036】
本発明はまた、前記フッ素含有エーテルモノマーと、少なくとも1種類の前記親水性モノマーと、前記開始剤と、前記架橋剤と、を含む、コンタクトレンズ材料を提供する。この実施例において、親水性モノマーは、N−ビニルピロリドン(NVP)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)とメタクリル酸(MAA)との組み合わせであってもよい。
【0037】
上記コンタクトレンズ材料において、親水性モノマーは約100重量部であり、フッ素含有エーテルモノマーは約0.1〜0.3重量部であり、架橋剤は約0.5〜1重量部であり、開始剤は約0.1〜1重量部である。
【0038】
本発明は別にまた、コンタクトレンズの製造方法を提供する。製造方法は、下記工程(a)〜(b)を含むことができるが、これらに限定されない。
【0039】
工程(a)において、第1シロキサンマクロマと、第2シロキサンマクロマと、少なくとも1つの親水性モノマーと、フッ素含有エーテルモノマーと、開始剤とを含む混合物を形成する。第1シロキサンマクロマ、第2シロキサンマクロマ、親水性モノマー、フッ素含有エーテルモノマー及び開始剤は、前記のような材料である。ここで、説明を簡略化するために、繰り返して説明しない。
【0040】
前記混合物において、第1シロキサンマクロマは約30〜60重量部であり、第2シロキサンマクロマは約1〜15重量部であり、親水性モノマーは約30〜65重量部であり、フッ素含有エーテルモノマーは約0.1〜0.3重量部であり、開始剤は約0.1〜1重量部である。
【0041】
また、混合物には、必要に応じて溶剤、架橋剤、顔料、UV遮断剤又は上記の組み合わせを添加することができる。適切な架橋剤は、上記した通りであり、溶剤は、例えばエタノール又はn−へキサノールであってもよいが、これに限定されない。
【0042】
工程(b)において、混合物をコンタクトレンズの金型に入れ、加熱プロセス又はUV光の照射プロセスによって前記混合物に反応させ、コンタクトレンズを形成する。
【0043】
工程(b)において、加熱温度は約60〜120℃であってもよく、総加熱時間は約1〜12時間であってもよい。本発明の一実施例において、加熱温度は約80℃であり、加熱時間は約10時間である。
【0044】
コンタクトレンズを形成した後、上記製造方法は、コンタクトレンズの水和プロセスを更に含む。本発明の一実施例において、水和プロセスの工程は、下記工程を含むことができるが、これに限定されない。
【0045】
まず、コンタクトレンズを溶剤に浸し、溶剤は、イソプロパノール又はエタノールを含むことができるが、これに限定されない。次に、コンタクトレンズを純水に浸す。そして、コンタクトレンズを緩衝溶液に入れて平衡を取り、緩衝溶液は、緩衝塩水を含むことができる。
【0046】
本発明は別にまた、上記コンタクトレンズ材料により製造された、コンタクトレンズを提供する。
【0047】
物理的な試験を経て、実験結果は、本発明のコンタクトレンズの酸素透過率(DK値)が90以上に達することができ、好ましい場合は150以上に達することができることを示す。フッ素含有エーテルモノマーが添加されていないコンタクトレンズに比べて、フッ素含有エーテルモノマーは、確かにコンタクトレンズの酸素透過率(DK値)を向上させることができる。
【0048】
また、本発明のコンタクトレンズの含水率は、約30%以上に達することができ、一実施例において、約30%〜55%である。
【実施例】
【0049】
第1シロキサンマクロマ(A1)
【化14】
【0050】
第1シロキサンマクロマ(A1)は、市場から購入される(Gelest、MCR−M11、数平均分子量Mnが約1,000である)。
【0051】
第1シロキサンマクロマ(A2)
【化15】
【0052】
第1シロキサンマクロマ(A2)の合成機構は、下記フロー1の通りである。
【化16】
【0053】
第1シロキサンマクロマ(A2)の製造工程:
【0054】
4.44gのイソホロンジイソシアネート、触媒としての0.0025gのジラウリン酸ジブチルスズ、及び40mLのジクロロメタンを、丸底フラスコに加え、窒素雰囲気で撹拌した。20gのα−ブチル−Ω−[3−(2’−ヒドロキシエトキシ)プロピル]ポリジメチルシロキサン(Monocarbinol terminated polydimethylsiloxane)(MCR−C12、数平均分子量Mnが約1,000であり、Gelestから購入される)を精確に量り、約1時間をかけてそれを丸底フラスコに滴下した。12時間反応した後、別途、0.0025gのジラウリン酸ジブチルスズと7.2gのポリエチレングリコールモノメタクリレート(数平均分子量Mnが約526である)を量り、約1時間をかけてそれを丸底フラスコに滴下した。更に12時間反応した後、大量の水を加え、形成された生成物を洗浄し、生成物を脱水し濾過した。次に、生成物からジクロロメタン溶剤を取り除いて、数平均分子量Mnが約1,700である第1シロキサンマクロマ(A2)を得た。
【0055】
第2シロキサンマクロマ(B)
【化17】
【0056】
第2シロキサンマクロマ(B)の合成機構は、下記フロー2の通りである。
【化18】
【0057】
第2シロキサンマクロマ(B)の製造工程は、下記の通りである。
【0058】
乾燥した100mLの丸底フラスコに、20g(0.02モル)のジアミノポリジメチルシロキサン(DMS−A12、数平均分子量Mnが約1,000であり、Gelestから購入される)、40mLのジクロロメタン、及び4.5g(0.0401モル)のイタコン酸無水物を加え、室温で上記反応物を撹拌して反応させた。12時間撹拌した後、大量の水を加えて生成物を洗浄し、更に硫酸マグネシウムによって脱水し、濾過した後、ジクロロメタン溶剤を取り除いて、数平均分子量Mnが約1,200である第2シロキサンマクロマ(B)を得た。
【0059】
第2シロキサンマクロマ(B)の分析結果
【0060】
核磁気共鳴分光分析法(NMR):1H−NMR(400MHz、CDCl3)、δ 6.36(s、1H)、5.82(s、1H)、3.39〜3.21(m、4H)、1.62〜1.42(m、2H)、0.62〜0.47(m、2H)、0.19〜0.02(Si−CH)。
【0061】
赤外分光分析法(IR):Si−CHの吸収ピークは802cm−1及び1259cm−1であり、Si−O−Siの吸収ピークは1032cm−1及び1100cm−1である。
【0062】
フッ素含有エーテルモノマー(I−1)
【化19】
【0063】
フッ素含有エーテルモノマー(I−1)の合成機構は、下記フロー3の通りである。
【化20】
【0064】
フッ素含有エーテルモノマー(I−1)の製造
【0065】
窒素条件で、100mLの丸底フラスコに、12gのイソホロンジイソシアネート、0.0012gのジラウリン酸ジブチルスズ、及び40mLのジクロロメタンを順に加えた。
【0066】
10gのフッ素含有化合物である4,4,5,5,5−ペンタフルオロ−1−ペンタノール(4,4,5,5,5−Pentafluoro−1−pentanol)を精確に量り、丸底フラスコに約20分間滴下した。6時間反応した後、別途、0.0012gのジラウリン酸ジブチルスズ及び20gのポリエチレングリコールモノメタクリレート(数平均分子量Mnが約360である)を量り、反応フラスコに約20分間滴下した。12時間撹拌した後、大量の水を加えて化合物を洗浄し、更に脱水し濾過した後、ジクロロメタン溶剤を取り除いて、数平均分子量Mnが約745であるフッ素含有エーテルモノマー(I−1)を得た。
【0067】
フッ素含有エーテルモノマー(I−2)
【化21】
【0068】
フッ素含有エーテルモノマー(I−2)の合成機構は、下記フロー4の通りである。
【化22】
【0069】
窒素条件で、100mLの丸底フラスコに、12gのイソホロンジイソシアネート、0.0012gのジラウリン酸ジブチルスズ、及び40mLのジクロロメタンを加えた。25gのフッ素含有化合物である1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−デカノール(1H,1H,2H,2H−Perfluoro−1−decanol)を取り、丸底フラスコに約20分間滴下した。6時間反応した後、別途、0.0012gのジラウリン酸ジブチルスズ及び20gのポリエチレングリコールモノメタクリレート(数平均分子量Mnが約360である)を量り、反応フラスコに約20分間滴下した。更に12時間撹拌した後、大量の水を加えて化合物を洗浄し、脱水し濾過した後、ジクロロメタン溶剤を取り除いて、数平均分子量Mnが約1046であるフッ素含有エーテルモノマー(I−2)を得た。
【0070】
フッ素含有エーテルモノマー(I−3)
【化23】
【0071】
フッ素含有エーテルモノマー(I−3)の合成機構は、下記フロー5の通りである。
【化24】
【0072】
窒素条件で、100mLの丸底フラスコに、12gのイソホロンジイソシアネート及び40mLのジクロロメタンを順に加えた。26gのフッ素含有化合物である1H,1H,2H,2H−パーフルオロデカンチオール(1H,1H,2H,2H−perfluorodecanethiol)を精確に量り、丸底フラスコに加えた。温度60℃で6時間反応し、次に反応フラスコの温度を室温まで下げ、更に0.0012gのジラウリン酸ジブチルスズ及び20gのポリエチレングリコールモノメタクリレート(数平均分子量Mnが約360である)を取り、反応フラスコに滴下した。更に12時間撹拌した後、大量の水を加えて化合物を洗浄し、更に脱水し濾過した後、ジクロロメタン溶剤を取り除いて、数平均分子量Mnが約1060であるフッ素含有エーテルモノマー(I−3)を得た。
【0073】
フッ素含有エーテルモノマー(I−3)の分析結果
【0074】
核磁気共鳴分光分析法(NMR):イソホロンジイソシアネートのメチルプロトン(−CH)の吸収ピークは0.7〜1.1ppmであり、メタクリロイルのメチルプロトンの吸収ピークは1.88ppmであり、メタクリロイルのビニルプロトンの吸収ピークはそれぞれ5.54ppm及び6.09ppmであり、CHFの吸収ピークは1.60〜1.71ppm、2.20〜2.04ppm及び3.71〜3.65ppmであった。
【0075】
赤外分光分析法(IR):Si−CHの吸収ピークは802cm−1及び1259cm−1であり、Si−O−Siの吸収ピークは1032cm−1及び1100cm−1であり、メタクリロイルのC=Oの吸収ピークは1720cm−1である。
【0076】
コンタクトレンズの製造
【0077】
実施例1の詳しい製造工程
【0078】
第1シロキサンマクロマ(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−1)、及び溶剤としてのn−へキサノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。次に、混合物をPP金型に入れ、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0079】
実施例2の詳しい製造工程
【0080】
第1シロキサンマクロマ(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−1)、及び溶剤としてのn−へキサノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。更にコンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0081】
実施例3の詳しい製造工程
【0082】
シロキサンマクロマ(A2)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−1)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0083】
実施例4の詳しい製造工程
【0084】
第1シロキサンマクロマ(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−2)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。
【0085】
次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0086】
実施例5の詳しい製造工程
【0087】
第1シロキサンマクロマ(A2)、第2シロキサンマクロマ(B)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−2)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。
【0088】
次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0089】
実施例6の詳しい製造工程
第1シロキサンマクロマ(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−2)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。
【0090】
次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0091】
実施例7の詳しい製造工程
第1シロキサンマクロマ(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−3)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0092】
実施例8の詳しい製造工程
【0093】
第1シロキサンマクロマ(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−3)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0094】
実施例9の詳しい製造工程
【0095】
第1シロキサンマクロマ(A2)、第2シロキサンマクロマ(B)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−3)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。
【0096】
次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0097】
実施例10の詳しい製造工程
【0098】
第1シロキサンマクロマ(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−1)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。
【0099】
次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0100】
実施例11の詳しい製造工程
【0101】
第1シロキサンマクロマ(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−2)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合を行い約1時間撹拌して、混合物を形成した。
【0102】
次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0103】
実施例12の詳しい製造工程
【0104】
第1シロキサンマクロマ(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、フッ素含有エーテルモノマー(I−3)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0105】
比較例1の詳しい製造工程
【0106】
第1シロキサン(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、及び溶剤としてのn−へキサノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。
【0107】
次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0108】
比較例2の詳しい製造工程
【0109】
第1シロキサンマクロマ(A1)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、及び溶剤としてのn−へキサノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。
【0110】
次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0111】
比較例3の詳しい製造工程
【0112】
第1シロキサンマクロマ(A2)、第2シロキサンマクロマ(B)、N−ビニルピロリドン(NVP)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、N,N−ジメチルアクリルアミド(DMA)、熱開始剤としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、及び溶剤としてのエタノールを、表1に示す含有量の割合の通りに混合し約1時間撹拌して、混合物を形成した。
【0113】
次に、混合物をPP金型に加え、80℃のオーブンにおいて10時間硬化した。重合反応が完成した後、金型及びコンタクトレンズをイソプロパノールに1時間浸した後、コンタクトレンズを取り出した。そして、コンタクトレンズを水に入れて4時間加熱した後、更にコンタクトレンズを緩衝塩水に入れた。
【0114】
物理特性の試験結果
【0115】
表2は、比較例1〜3及び実施例1〜12の物理特性の試験結果をまとめたものである。
【0116】
表2から分かるように、フッ素含有エーテルモノマーが添加されていない比較例1〜3に比べて、本発明の実施例1〜12の酸素透過率(DK値)は何れも高い。なお、本発明の実施例1〜12は、含水率が約33%〜54%であり、弾性率が約0.35MPa〜0.65MPaであり、引張力が約15g〜83gであり、酸素透過率(DK値)が約93〜166である。
【0117】
本発明には上記のように、いくつの好ましい実施例が開示されているが、それは本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、任意に変更や修飾することができる。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で限定した内容を基準とする。
【表1】
【表2】