(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-9810(P2015-9810A)
(43)【公開日】2015年1月19日
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/42 20060101AFI20141216BHJP
B65D 51/18 20060101ALI20141216BHJP
B65D 51/16 20060101ALI20141216BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20141216BHJP
B65D 47/32 20060101ALI20141216BHJP
【FI】
B65D47/42 K
B65D51/18 Z
B65D51/16 Z
A45D34/04 525B
B65D47/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-133880(P2013-133880)
(22)【出願日】2013年6月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000190068
【氏名又は名称】伸晃化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090712
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 忠秋
(72)【発明者】
【氏名】北野 裕美子
(72)【発明者】
【氏名】今西 康暢
(72)【発明者】
【氏名】山田 秀樹
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB05
3E084BA03
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB13
3E084EA04
3E084FA09
3E084FB01
3E084FC07
3E084GA01
3E084GA08
3E084GB01
3E084GB12
3E084KA01
3E084KB02
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD08
3E084LG06
(57)【要約】
【課題】容器本体10の内圧を自動的に外部に解放させる。
【解決手段】容器本体10と、容器本体10の口部12に装着する開口部25付きのガイド部材20と、開口部25から突出するようにしてガイド部材20に組み込む軟質材料の塗布体30とを設け、塗布体30は、胴部31の中間部の環状溝32にガイド部材20の環状の係合リブ26を係合させて開口部25内に上下動自在に保持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、該容器本体の口部に装着し、先端面に開口部を形成するガイド部材と、前記開口部から突出するようにして前記ガイド部材に組み込む軟質材料の塗布体とを備えてなり、前記ガイド部材は、前記開口部の内面に環状の係合リブを形成し、前記塗布体は、円柱状の胴部の中間部に周方向の環状溝を形成し、前記環状溝に前記係合リブを係合させることにより前記開口部内に上下動自在に保持することを特徴とする塗布容器。
【請求項2】
前記係合リブは、下面側を斜面に形成することを特徴とする請求項1記載の塗布容器。
【請求項3】
前記ガイド部材は、前記係合リブの下方の内面に複数の軸方向のガイドリブを形成することを特徴とする請求項1または請求項2記載の塗布容器。
【請求項4】
前記容器本体には、前記塗布体を介して前記開口部を閉じるキャップを付設することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか記載の塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薬液を皮膚に塗布するために使用する塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
連続気泡構造の軟質のスポンジを塗布体とする塗布容器は、古くから実用されている。しかし、軟質のスポンジの塗布体は、使用によって汚れが蓄積するため、薬液の塗布用として必ずしも適切ではない。
【0003】
そこで、軟質の中実の塗布体を採用し、塗布体の表面に沿って流下する薬液を皮膚に塗布する塗布容器が知られている。薬液は、塗布体の先端を皮膚に押し付けて塗布体を軸方向に後退させることにより、塗布体と一体の弁体が開放されて一定量が外部に流出する。ただし、このときの弁体は、ばねを介して常時閉方向に付勢されており、容器内の薬液とエアとが円滑に置換せず、薬液の流出が中断することがあり得る。また、容器の内圧が高くなっているときに弁体を開放すると、大量の薬液が一挙に噴出してしまうことがあるため、キャップの開放時に塗布体を一時的に押し下げて容器の内圧を自動的に解放させる塗布容器が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−269394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
かかる従来技術によるときは、塗布容器は、容器の口部に装着する中栓と、中栓に組み込むばね付きの弁体と、内キャップ、外キャップとを一体に組み立て、外キャップを介してねじ式の内キャップを開放させるとき、外キャップが軸方向に移動して塗布体と一体のばね付きの弁体を押し下げて内圧を解放させる構造であるから、全体構成が複雑で部品点数が多い上、開放操作の開始時に外キャップが下向きに移動するため、使用者に違和感を生じがちであるという問題があった。
【0006】
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、薬液容器の口部に装着するガイド部材にフリーの塗布体を上下動自在に組み込むことによって、ばね付きの弁体を使用することなく、一連の問題を一掃することができる塗布容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためのこの発明の構成は、容器本体と、容器本体の口部に装着し、先端面に開口部を形成するガイド部材と、開口部から突出するようにしてガイド部材に組み込む軟質材料の塗布体とを備えてなり、ガイド部材は、開口部の内面に環状の係合リブを形成し、塗布体は、円柱状の胴部の中間部に周方向の環状溝を形成し、環状溝に係合リブを係合させることにより開口部内に上下動自在に保持することをその要旨とする。
【0008】
なお、係合リブは、下面側を斜面に形成することができ、ガイド部材は、係合リブの下方の内面に複数の軸方向のガイドリブを形成することができる。
【0009】
また、容器本体には、塗布体を介して開口部を閉じるキャップを付設してもよい。
【発明の効果】
【0010】
かかる発明の構成によるときは、軟質材料の塗布体は、開口部の内面の係合リブを環状溝に係合させることにより、開口部から突出するようにして開口部内に上下動自在に保持されている。そこで、塗布体は、全体を正立状態、倒立状態のいずれかにすると、自重により上下に移動し、環状溝の上下の側壁の一方が係合リブの上面側または下面側に係合して容器本体内の薬液の流出を妨げ、倒立状態にして僅かに押し上げて係合リブの上面側、下面側の双方に隙間を形成すると、薬液の流出を許容することができ、薬液の流出をコントロールする弁体として作用させることができる。なお、塗布体は、容器本体内の内圧が過大であると、正立状態において上方に押し上げられ、内圧を自動的に解放することができる。
【0011】
ただし、塗布体は、ガイド部材に対してフリーの状態に組み込まれており、環状溝の上下方向の幅は、係合リブの上下方向の厚さより十分大きいものとする。また、塗布体は、中実体であり、シリコーンゴムを含む各種のゴム質の弾性材料や、スチレン系(TPS)、オレフィン系(TPO)等の熱可塑性エラストマー(TPE)などの軟質材料により、一体成形するものとする。
【0012】
下面側を斜面に形成する係合リブは、軟質材料の塗布体を弾性変形させながらガイド部材の内部側から開口部に向けて軸方向に円滑に押し出し、環状溝に係合リブを係合させて塗布体を開口部に正しく保持することができる。なお、ガイド部材は、容器本体の口部から先端面の開口部に向けて先細の中空円錐台状に形成することが好ましい。
【0013】
ガイド部材の内面に形成する複数のガイドリブは、塗布体を開口部に押し出して開口部に保持させる際に塗布体を正しく軸方向にガイドするとともに、隣接するガイドリブの間に生じる隙間を薬液の流出用や内圧の解放用の通路として利用することができる。
【0014】
容器本体に付設するキャップは、塗布体を下向きに押して係合リブ上に拘束し、塗布体を介して開口部を閉じることにより薬液の漏れを確実に阻止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0017】
塗布容器は、容器本体10、ガイド部材20、塗布体30を主要部材としてなる(
図1、
図2)。ただし、容器本体10には、キャップ40が付設されている。
【0018】
容器本体10は、たとえば有底円筒状の本体部11の上端に口部12を形成して構成されている。口部12の外周には、キャップ40用の雄ねじ13が形成され、口部12の外周上端部には、段部14aを介し、環状リブ14b付きの小径部14が形成されている。なお、本体部11は、所定量の薬液が収納可能であれば、その外形形状を問わない。
【0019】
ガイド部材20は、上向き先細のノズル部21の基部にフランジ部22を形成し、フランジ部22の外周に下向きの係合部23を形成するとともに、フランジ部22の下面にスカート部24を一体に垂設する中空体である。ノズル部21の先端には、円形の開口部25が形成されており、開口部25の内面には、環状の係合リブ26が形成されている。なお、係合リブ26の下面側は、斜面26aに形成され、ノズル部21の内面には、複数の軸方向のガイドリブ27、27…が周方向に等配して形成されている。ただし、各ガイドリブ27の上端は、斜面26aにまで到達している。
【0020】
フランジ部22の外周の係合部23は、容器本体10の口部12の上端部の小径部14に適合している。また、係合部23の内面下端部には、小径部14上の環状リブ14bに対応する環状の係合突部23aが形成されている。一方、スカート部24の外径は、容器本体10の口部12の内径に適合するものとし、スカート部24の外周下半部は、下向きのテーパ状に形成されている。
【0021】
そこで、ガイド部材20は、スカート部24を容器本体10の口部12に圧入して口部12に装着されている。また、ガイド部材20は、互いに乗り越えるようにして上下に係合する環状リブ14b、係合突部23aを介して抜止めされている。
【0022】
塗布体30は、円柱状の胴部31の中間部に周方向の環状溝32が形成されている。なお、胴部31の上下両端部は、それぞれ半球形のドーム状に形成されている。塗布体30は、軟質材料により一体成形され、全体として上下対称に形成されている。
【0023】
塗布体30は、たとえばガイド部材20を容器本体10の口部12に装着するに先き立って、スカート部24側からガイド部材20のノズル部21内に挿入し、開口部25に向けて軸方向に押し出すことにより、胴部31の環状溝32より上方の部分が弾性変形して開口部25の内面の係合リブ26を下から上に乗り越え、環状溝32に係合リブ26を係合させて開口部25内に上下動自在に保持することができる(
図1、
図3(A))。ただし、環状溝32の上下方向の幅は、係合リブ26の斜面26aを含む上下方向の厚さより十分広く形成されている。
【0024】
また、このようにして開口部25内に保持されている塗布体30は、ノズル部21の内面のガイドリブ27、27…により径方向にほぼ拘束されている他(
図3(B))、環状溝32の上下の側壁32a、32bが係合リブ26に係合しない限り、上下方向に完全にフリーである(同図(A))。ただし、
図3(A)、(B)は、それぞれ
図1の要部拡大図、同図(A)のX−X線矢視相当断面図である。また、ノズル部21の内面の各ガイドリブ27は、
図3(B)のように断面三角形とするに代えて、断面台形状や、断面かまぼこ状などとしてもよい。
【0025】
キャップ40は、容器本体10側の雄ねじ13に適合する雌ねじ41を下端部内面に有するねじ式である(
図1、
図2)。
【0026】
キャップ40の天面中央部には、ガイド部材20上の塗布体30の上部を収納する凹部42が形成され、凹部42の周縁には、ガイド部材20の先端面に対応するリング状の押圧部43が形成され、キャップ40の内面中間部には、ガイド部材20のフランジ部22に対応するリング状の押圧部44が形成されている。ただし、凹部42の天面は、塗布体30の上端部のドーム形状に適合する浅い球面状に形成されている。そこで、キャップ40は、雌ねじ41、雄ねじ13を介して容器本体10の口部12に装着すると、押圧部43、44を介してガイド部材20を下向きに押圧するとともに、凹部42の天面が塗布体30の上端に当接して塗布体30の環状溝32の上の側壁32aを係合リブ26の上面側に着地させ(
図1、
図3(A))、塗布体30を係合リブ26上に拘束し、塗布体30を介してガイド部材20の開口部25を閉じ、容器本体10を封止することができる。
【0027】
塗布容器は、容器本体10内の薬液を使用するに際し、まず、全体を正立状態にしたままキャップ40を開放方向に回転させて緩める。このとき、容器本体10内の内圧が上昇していると、キャップ40を緩めると同時に内圧により塗布体30が上向きに押し上げられ(
図4(A)、(B)の各矢印方向)、塗布体30の環状溝32の上の側壁32aが係合リブ26の上面側から離れて開口部25が開放され、容器本体10内の内圧を自動的に外部に解放することができる。なお、このとき、環状溝32の下の側壁32bは、係合リブ26の下面側の斜面26aに係合するまでに至らず、塗布体30の環状溝32より下の胴部31の周囲には、ノズル部21の内面との間にガイドリブ27、27…による均一な隙間d、d…が形成されている(
図3(B))。そこで、その後、キャップ40を取り外しても、容器本体10内の内圧が解放されているため、大量の薬液が不用意に噴出したりすることがなく、塗布体30は、
図3(A)のように自重により係合リブ26上に戻っている。
【0028】
なお、
図1において、塗布体30の上部をキャップ40の凹部42に軽く嵌合させると、容器本体10の内圧の有無に拘らず、キャップ40を緩めると同時にキャップ40とともに塗布体30を上昇させ、内圧の解放動作を一層確実にすることができる。
【0029】
キャップ40を外して全体を倒立状態にすると、塗布体30が自重によって下降し(
図5(A)の矢印方向)、塗布体30の環状溝32の下の側壁32bが係合リブ26の下面側の斜面26aに係合する。したがって、容器本体10内の薬液が開口部25から流出することがない。
【0030】
そこで、塗布体30を皮膚Fに押し当てて塗布体30をガイド部材20内に後退させると(
図5(B)の矢印方向)、環状溝32の下の側壁32bが係合リブ26の下面側の斜面26aから離れて開口部25が開放され、容器本体10内の薬液を皮膚F上に流下させることができる。したがって、全体を上下に移動させて
図5(A)、(B)の状態を交互に繰り返せば、皮膚F上に薬液を点状に塗布することができる。
【0031】
つづいて、塗布体30を皮膚Fに強く押し当てて塗布体30をさらに後退させると(
図5(C)の矢印方向)、塗布体30は、環状溝32の上の側壁32aが係合リブ26の上面側に着地して開口部25を閉じ、薬液の流下を停止させることができる。そこで、そのまま全体を皮膚Fに沿って横移動させると(
図5(D)の矢印方向)、塗布体30を介して皮膚F上に薬液を塗布することができる。なお、このとき、開口部25から突出する塗布体30の一部が全体の横移動方向と逆方向に弾性変形するため、上の側壁32aが部分的に係合リブ26から離れ、容器本体10からの薬液を皮膚F上に連続的に流下させることができる。
【0032】
したがって、以後、必要に応じて横移動を停止して
図5(C)の状態に戻し、塗布体30を皮膚Fから離して
図5(A)の状態に戻し、さらに
図5(B)以降の状態を適宜繰り返すことにより、皮膚F上の任意の範囲に薬液を塗布することができる。また、全体を倒立させて塗布体30を皮膚Fに向けたまま全体を上下に振ると、塗布体30が上下に往復移動して薬液を皮膚F上に断続的に流下させることも可能である。
【0033】
薬液の塗布が終了したら、全体を正立状態に戻してキャップ40を再装着し、塗布体30を介して開口部25を閉じ、容器本体10を封止する。
【0034】
塗布体30は、環状溝32を形成する胴部31の上端面に旗状の舌片33を立設することができる(
図6)。舌片33は、左右に湾曲し易く、薬液を皮膚F上の大面積に塗布する際に殊に便利である。ただし、
図6(A)、(B)は、それぞれ要部斜視図、同図(A)の縦断面図である。
【0035】
塗布体30は、胴部31の上端面に小突起34、34…を形成することができる(
図7)。小突起34、34…は、皮膚F上に薬液を塗布する際に、皮膚Fを局部的に押圧して快適な指圧効果を実現することができる。ただし、
図7(A)、(B)は、それぞれ要部斜視図、同図(A)の縦断面図である。
【0036】
塗布体30は、胴部31の上端面に小径の柱体35を立設してもよい(
図8)。柱体35は、上向きにやや先細に形成され、上端がドーム状に丸められている。柱体35は、たとえば手足の指の間などの狭い部位に対し、薬液を適切に塗布することができる。ただし、
図8(A)、(B)は、それぞれ要部斜視図、同図(A)の縦断面図である。
【0037】
なお、
図6〜
図8において、塗布体30の胴部31の上端面は、ガイド部材20のノズル部21の先端より僅かに高く膨出して開口部25から突出している。そこで、この場合のキャップ40は、
図1の凹部42の天面を舌片33、小突起34、34…、柱体35の先端に当接させることなく、
図1の押圧部43が胴部31の膨出部分、ノズル部21の先端面の双方に対応するように形成することが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明は、各種の殺菌剤や消炎剤、消毒薬などの任意の塗布用の液剤に対し、広く、好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0039】
10…容器本体
12…口部
20…ガイド部材
25…開口部
26…係合リブ
26a…斜面
27…ガイドリブ
30…塗布体
31…胴部
32…環状溝
40…キャップ
特許出願人 伸晃化学株式会社