(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-98319(P2015-98319A)
(43)【公開日】2015年5月28日
(54)【発明の名称】加熱インジケータの設けられた車両の窓用ワイパーシステム
(51)【国際特許分類】
B60S 1/38 20060101AFI20150501BHJP
【FI】
B60S1/38 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-233785(P2014-233785)
(22)【出願日】2014年11月18日
(31)【優先権主張番号】1361362
(32)【優先日】2013年11月19日
(33)【優先権主張国】FR
(71)【出願人】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド、カイユ
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、イザベル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ミシェル、ジャラソン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】作動中にアームによって駆動される少なくとも1つのフロントガラス用ワイパーを含み、そのアームが、少なくとも1つのコネクタ/アダプタ組立体によって前記ワイパーへ関節状に連結されている車両の窓用ワイパーシステムであって、加熱装置が設けられているシステムに関し、加熱装置が作動しているのを使用者に知らせることを可能とするワイパーシステムを提供する。
【解決手段】ワイパーシステムの少なくとも1つの要素が予め規定された閾値よりも高い温度にあることを表示する少なくとも1つの加熱インジケータ10,10a,10b,10cを加熱システムが含んでいる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動中にアームによって駆動される少なくとも1つのフロントガラス用ワイパーを含み、そのアームが、少なくとも1つのコネクタ/アダプタ組立体によって前記ワイパーへ関節状に連結されている車両の窓用ワイパーシステムであって、加熱装置が設けられているシステムにおいて、当該ワイパーシステムの少なくとも1つの要素が予め規定された閾値よりも高い温度にあることを表示する少なくとも1つの加熱インジケータ(10,10a,10b,10c;12,12a,12b,12c;14,14a;16;20)を含んでいることを特徴とする車両の窓用ワイパーシステム。
【請求項2】
前記ワイパー(3)が、ワイパーブレード(4)を保持する少なくとも1つの支持構造(5)と、前記支持構造(5)の上部でその長さ全体に渡るプロファイル(6)とを含むと共に、前記ワイパーが、その両端部で2つの組立体エンドフィッティング(7a,7b)を更に含むこと、並びに、前記加熱インジケータ(10,10a,10b,10c;12,12a,12b,12c)が、前記ワイパーブレード(4)上、および/または前記プロファイル(6)上、および/または組立体エンドフィッティング(7a,7b)上、および/または前記コネクタ(17)上、および/または前記アダプタ(8)上に設置されていること、を特徴とする請求項1記載のワイパーシステム。
【請求項3】
前記ワイパー(3)が、ワイパーブレード(4)を保持する少なくとも1つの支持構造(5)と、前記支持構造(5)の上部でその長さ全体に渡るプロファイル(6)とを含むと共に、前記ワイパーの前記支持構造(5)が、前記ワイパーブレード(4)の縦方向溝内に保持された2つの補剛用バーテブラ(18)と、前記プロファイル(6)へ局所的に被さるアームを有した少なくとも1つの保持要素(19a,19b)とを含み、当該保持要素の2つの端部がそれぞれ前記ワイパーの各バーテブラ(18)を覆って係合していること、および、前記加熱インジケータ(20)が、前記保持要素(19a,19b)上に設置されていること、を特徴とする請求項1または2記載のワイパーシステム。
【請求項4】
前記ワイパーへと統合された液体散布システムを含み、その散布システムが、前記ワイパーの長さを規定する縦軸線に沿って伸びる少なくとも1つのマニホールドと、前記アーム(2)に沿って前記コネクタ(17)まで伸びて前記マニホールドに液体を供給する少なくとも1つの液体供給管とを含んでいる、ことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載のワイパーシステム。
【請求項5】
前記アーム(2)上に配置された液体散布システムを含んでいる、ことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載のワイパーシステム。
【請求項6】
前記加熱装置は、液体を加熱するように適合されると共に、前記ワイパーの前記支持構造(5)上、および/または前記マニホールドに液体を供給する供給管上に配置されている、ことを特徴とする請求項4または5記載のワイパーシステム。
【請求項7】
前記加熱インジケータ(14,14a;16)は、前記アーム(2)上に配置されている、ことを特徴とする請求項4から6のうちのいずれか一項に記載のワイパーシステム。
【請求項8】
前記加熱インジケータ(10,10a,10b,10c;12,12a,12b,12c;14,14a;16;20)は、熱変色性材料を含んでいる、ことを特徴とする請求項1から7のうちのいずれか一項に記載のワイパーシステム。
【請求項9】
前記熱変色性材料が情報伝達事項の形態をとっていること、および、前記熱変色性材料が、当該ワイパーシステムの要素の加熱が何らないときには半透明であるか、または、その材料を支持している部分と同じ色であること、および、前記熱変色性材料が、前記要素が高温であるときに変色すること、を特徴とする請求項8記載のワイパーシステム。
【請求項10】
前記加熱インジケータ(10,10a,10b,10c;12,12a,12b,12c;14,14a;16;20)は、当該ワイパーシステムの要素に施された情報伝達事項を形成する第1層からなり、当該第1層は熱変色性材料によって覆われており、その熱変色性材料は、前記要素の加熱が何らないときには、その要素上の前記情報伝達事項を遮蔽するように色が付いており、前記要素が高温である時には、前記情報伝達事項を顕わとするように半透明である、ことを特徴とする請求項8記載のワイパーシステム。
【請求項11】
前記加熱インジケータ(10,10a,10b,10c;12,12a,12b,12c;14,14a;16;20)の前記熱変色性材料は、熱変色性の顔料、着色剤、または結晶体を含んでいる、ことを特徴とする請求項8から10のうちのいずれか一項に記載のワイパーシステム。
【請求項12】
請求項1から11のうちのいずれか一項に記載の少なくとも1つのワイパーシステムが備え付けられた自動車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として加熱インジケータの設けられた車両の窓用ワイパーシステムに関する。
【0002】
本発明はまた、少なくとも1つの当該システムが備え付けられた自動車両にも関する。
【背景技術】
【0003】
図1を参照すると、既知のやり方で、車両の窓用ワイパーシステム1はアーム2を含んでいる。そのアーム2は、車両の清掃すべき窓を擦り拭うワイパー3を駆動する、角運動的な往復移動をもたらすように企図されている。
【0004】
この目的のために、ワイパー3は、弾性材料のワイパーブレード4と、このブレード4を保持する支持構造5と、この支持構造5の上にその全長に渡って載せられた(通常、デフレクタと呼ばれる)プロファイル6とを含んでいる。ワイパーの各端部には、ワイパーブレード4、支持構造5、およびプロファイル6を一緒に保持するように適合された組立体エンドフィッティング(取付部品)7a,7bがある。
【0005】
アーム2は、その外側端部において、当該アーム2に対して固定された(特に、かしめ付けられた)ヨークで終わっている。或いは、このヨークは、同じくらい適切に、アームの端部を変形させることによってその端部の所に形成されたり、アームと一体の組立体を構成したりしていてもよい。そのヨークの機能は、アダプタ8およびコネクタ17を介してワイパー3を支持することである。
【0006】
コネクタ17は、ワイパー3にかしめ付けられて、そのワイパーへ力を伝達する。またアダプタ8は、種々異なるヨーク形状と、同じワイパーとの間の互換性を確保する媒介部品である。アダプタ8とコネクタ17とは、ワイパー3に垂直な軸線の回りで互いに相対的に回動するよう、関節状に連結されている。
【0007】
この図面では見えていないが、いくつかのタイプのワイパーシステムについては、フロントガラス洗浄液が、リザーバからポンプによって1つないし複数の液体散布マニホールドへと給送される。そして各マニホールドは、ワイパーの長さを規定する縦軸線に沿って伸びている。フロントガラス洗浄液用の1つないし複数の管が、アーム2に沿ってコネクタ17へと通じ、各マニホールドに液体を供給する。例えば、1つないし複数の液体散布マニホールドがプロファイル6の内部にあってもよい。
【0008】
ワイパーシステムのアーム2上に配置された液体散布システムもまた存在する。
【0009】
冬期における低温は、ワイパーシステムに液体散布装置が備え付けられていても、いなくても、そのワイパーシステムの正しい機能性を損なってしまう。
【0010】
ワイパーシステムに液体散布装置が設けられている場合、フロントガラス洗浄液の温度が低い、例えば5℃未満のときには、システムの作動が阻害され得る。ワイパー上に配置された液体散布マニホールドが特に、部分的ないしは全体的に凍結してしまうかもしれず、またワイパーの全体的な可撓性が低下してしまうかもしれない。既知のやり方では、1つないし複数のフロントガラス洗浄液供給管の大半部に埋設された加熱導線を用いる加熱装置によって、或いはワイパーの支持構造5上に配置された適当な加熱装置によって、フロントガラス洗浄液が加熱され得る。
【0011】
同様に、ワイパーシステムのタイプに拘わらず、低温は払拭品質の低下に繋がる。ワイパー3におけるワイパーブレード4の弾性材料を構成するゴムの柔軟性が失われるからである。
【0012】
ワイパー上への雪や氷の蓄積が、特にアームの往復移動間におけるワイパーブレードの正確な戻りを阻害することによって、ワイパーが正確に作動するのを妨げ得る、ということもまた見出されている。
【0013】
そのような影響は、ワイパーの支持構造5上に配置される適当な加熱装置によって是正することができる。
【0014】
ワイパー3の上流側に配置されるフロントガラス洗浄液加熱装置の状況であろうと、加熱式ワイパーの状況であろうと、加熱は、所定の温度基準に従って自動的に制御される。
【0015】
この結果、ワイパーおよび/またはフロントガラス洗浄液がいつ加熱されているかは使用者には知らされないのである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
この状況において、本発明は、ワイパーおよび/またはフロントガラス洗浄液を加熱するための装置が作動しているのを使用者に知らせることを可能とするワイパーシステムを狙いとしている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
この目的のために、車両の窓用ワイパーシステムは、作動中にアームによって駆動される少なくとも1つのフロントガラス用ワイパーを含み、そのアームが、少なくとも1つのコネクタ/アダプタ組立体によって前記ワイパーへ関節状に連結されていて、そのシステムに加熱装置が設けられているものにおいて、当該ワイパーシステムの少なくとも1つの要素が予め規定された閾値よりも高い温度にあることを表示する少なくとも1つの加熱インジケータを含んでいることを特徴とする。
【0018】
本発明のワイパーシステムは、以下の任意選択的な諸特徴を個別に、或いは技術的にあり得る組合わせで有していてもよい:
− ワイパーが、ワイパーブレードを保持する少なくとも1つの支持構造と、支持構造の上部でその長さ全体に渡るプロファイルとを含むと共に、当該ワイパーが、その両端部で2つの組立体エンドフィッティングを更に含むこと、並びに、加熱インジケータが、ワイパーブレード上、および/またはプロファイル上、および/または組立体エンドフィッティング上、および/またはコネクタ上、および/またはアダプタ上に設置されていること;
− ワイパーが、ワイパーブレードを保持する少なくとも1つの支持構造と、支持構造の上部でその長さ全体に渡るプロファイルとを含むと共に、ワイパーの支持構造が、ワイパーブレードの縦方向溝内に保持された2つの補剛用バーテブラ(ブレード状支持部材)と、プロファイルへ局所的に被さるアームを有した少なくとも1つの保持要素とを含み、当該保持要素の2つの端部がそれぞれワイパーの各バーテブラを覆って係合していること、および、加熱インジケータが、当該保持要素上に設置されていること;
− ワイパーシステムが、ワイパーへと統合された液体散布システムを含み、その散布システムが、ワイパーの長さを規定する縦軸線に沿って伸びる少なくとも1つのマニホールドと、アームに沿ってコネクタまで伸びて当該マニホールドに液体を供給する少なくとも1つの液体供給管とを含んでいること;
− ワイパーシステムが、アーム上に配置された液体散布システムを含んでいること;
− 加熱装置は、液体を加熱するように適合されると共に、ワイパーの支持構造上、および/または前記マニホールドに液体を供給する供給管上に配置されていること;
− 加熱インジケータは、アーム上に配置されていること;
− 加熱インジケータは、熱変色性材料を含んでいること;
− 熱変色性材料が情報伝達事項の形態をとっていること、および、熱変色性材料が、当該ワイパーシステムの要素の加熱が何らないときには半透明であるか、または、その材料を支持している部分と同じ色であること、および、熱変色性材料が、当該要素が高温であるときに変色すること;
− 加熱インジケータは、当該ワイパーシステムの要素に施された情報伝達事項を形成する第1層からなり、当該第1層は熱変色性材料によって覆われており、その熱変色性材料は、当該要素の加熱が何らないときには、その要素上の情報伝達事項を遮蔽するように色が付いており、当該要素が高温である時には、情報伝達事項を顕わとするように半透明であること;
− 加熱インジケータの熱変色性材料は、熱変色性の顔料、着色剤、または結晶体を含んでいること。
【0019】
本発明は最後に、上記で規定したような少なくとも1つのワイパーシステムが備え付けられた自動車両に関する。
【0020】
本発明の他の特徴および利点は、非限定邸的な例示によって以下に示された説明から、また添付図面を参照して、明確に現れることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】既に説明した、先行技術のワイパーシステムの斜視による線図的表現。
【
図2】本発明のワイパーシステムにおける第1形式の実施形態によるワイパーの、車両の客室側から見た斜視による線図的表現。
【
図3】本発明のワイパーシステムにおける第2形式の実施形態によるワイパーの、車両の外側から見た斜視による線図的表現。
【
図4】本発明のワイパーシステムにおける第3形式の実施形態によるアームの上面の斜視による線図的表現。
【
図5】本発明のワイパーシステムにおける第4形式の実施形態によるアームの下面の斜視による線図的表現。
【
図6】本発明のワイパーシステムにおける第5形式の実施形態によるワイパーの斜視による線図的表現。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、ワイパーシステムにワイパー加熱装置が設けられる場合には、そのような装置、ワイパーシステムにフロントガラス洗浄液を加熱するための装置が設けられる場合には、その装置のいずれかによって加熱されるべきワイパーシステムの区域に配置される加熱インジケータを提供することにある。
【0023】
その加熱インジケータは、色を変化させることで熱に反応する熱変色性材料を含んでいる。これに関しては、熱変色性の着色剤、顔料、および結晶体が挙げられ得る。
【0024】
図2を参照すると、ワイパーシステム1がワイパー3を加熱するための装置を含んでいるときには、車両の客室の方に面したワイパー3の面9上に設置される加熱インジケータが設けられていてもよい。そして、2つの組立体エンドフィッティング7a,7bの一方の上に加熱インジケータ10があってもよく、同じくらい適切にデフレクタ6上に加熱インジケータ10aがあってもよく、更にワイパーブレード4上に加熱インジケータ10bがあってもよく、或いはアダプタ8ないしコネクタ17上に加熱インジケータ10cがあってもよい。本発明の文脈においては、これらの加熱インジケータ10,10a,10b,10cの複数が、同じくらい適切にワイパー3のこの面9上に設けられ得る。そして、加熱インジケータ10,10a,10b,10cは、車両の客室から見えるのである。
図3を参照すると、加熱インジケータは、ワイパー3の面9とは反対側の面11、即ち車両の乗員には見えないが車両の外側からは見える面上に設置されていてもよい。前記のように、そして2つの組立体エンドフィッティング7a,7bの一方の上に加熱インジケータ12があってもよく、同じくらい適切にデフレクタ6上に加熱インジケータ12aがあってもよく、更にワイパーブレード4上に加熱インジケータ12bがあってもよく、或いはアダプタ8ないしコネクタ17上に加熱インジケータ12cがあってもよい。本発明の文脈においては、これらの加熱インジケータ12,12a,12b,12cの複数が、同じくらい適切にワイパー3のこの面11上に設けられ得る。そして、加熱インジケータ12,12a,12b,12cは、車両の外側から見えるのである。
【0025】
図6を参照すると、ワイパー3の支持構造5は特に、ワイパーブレード4の縦方向溝内に挿入された2本の補剛用バーテブラ18を備えていてもよい。図示の状況においては、プロファイル6がワイパーブレード4と一体に作られている。組立体エンドフィッティング7a,7bとコネクタ/アダプタ組立体との間の中程に配置される保持要素19a,19bが、ワイパー3に取り付けられている。図示の例においては、これらの保持要素19a,19bが2つあって、各要素が、組立体エンドフィッティング7a,7bの一方とコネクタ/アダプタ組立体との間に配置されている。各保持要素19a,19bは、プロファイル6へ局所的に被さるアームと、ワイパーの各バーテブラ18を越えて係合する2つの端部とを有している。そして、この実施形態においては、加熱インジケータ20が、保持要素19a,19bの一方の上、若しくは保持要素19a,19bの両方の上、またはワイパーの適当な任意の他の要素(上記を参照)の上に設置され得る。
【0026】
ワイパー3は、同じくらい適切に、車両の外側から見えるその面11上に設置された1つないし複数の加熱インジケータと、客室側から見えるその面9上に設置された1つないし複数の加熱インジケータとを含み得る。
【0027】
図4を参照すると、ワイパーシステム1は、同じくらい適切に、フロントガラス洗浄液を加熱するための装置を含み得る。上述したけれどもこの図では見えない1つないし複数のフロントガラス洗浄液供給管が、加熱されたフロントガラス洗浄液をアーム2に沿ってコネクタ17へと運ぶ。
【0028】
液体は、1つないし複数の供給管を構成する材料内に配置された加熱手段によって、当該管内で直接的にか、1つないし複数の供給管の上流側に配置された加熱システムによってかのいずれかで加熱される。
【0029】
従って、アーム2とコネクタ17とが、高温のフロントガラス洗浄液の循環によって加熱されるのである。
【0030】
そして本発明によれば、加熱インジケータは、車両のボンネットとは反対側のアーム2の面13上、即ちアーム2の上面の上に設置され得る。この目的のために、アーム2上に加熱インジケータ14が定置されていてもよく、或いはアームの端部の所に位置を占めるヨークの上に加熱インジケータ14aが定置されていてもよい。そして、加熱インジケータ14,14aは、車両の外側から見えるのである。
【0031】
図5を参照すると、同じくらい適切に、車両のボンネットに面したアーム2の面15上、即ちアーム2の下面に加熱インジケータ16が設置され得る。そして加熱インジケータ16は、アーム2に沿って伸びる1つないし複数の供給管上に直接的に、或いは、その(それらの)供給管をアーム2内に保持するコンシーラ(隠し蓋)の外面上に定置され得る。図示しない変形例においては、ワイパーシステムが、アーム2上に定置される複数のノズルを含んだフロントガラス洗浄液散布システムを包含していてもよい。そのような場合、加熱インジケータは、温水を散布するためのノズルの近傍に定置され得る。
【0032】
加熱インジケータ10,10a,10b,10c;12,12a,12b,12c;14,14a;16;20は、次の情報を使用者に伝える。即ち、ワイパーシステムのワイパー3やアーム2が高温である旨の情報、従ってまた、ワイパー3を加熱するための装置やフロントガラス洗浄液を加熱するための装置が作動中である旨の情報である。
【0033】
ここで、これらのワイパー3やフロントガラス洗浄液を加熱するための装置は、あるパラメータがある閾値を横切ったとき、例えば外気温がある閾値温度未満に低下した場合に作動するよう、自動的に制御される。従って、加熱インジケータの色の変化は、環境条件が寒冷であり、運転に特別な注意を要する、ということを表示するのである。
【0034】
加熱インジケータの色の変化はまた、ワイパーやアームが高温であるために、その取扱いを避けるべきである、ということも表示する。
【0035】
本発明によれば、加熱インジケータ10,10a,10b,10c;12,12a,12b,12c;14,14a;16;20は2つの異なる形態をとり得るが、これらの形態は非限定的な実施形態を表しているに過ぎない。
【0036】
初めに、ワイパー3やアーム2が高温であるときに半透明から色付きに変化する熱変色性材料の層からなる加熱インジケータ10,10a,10b,10c;12,12a,12b,12c;14,14a;16;20がもたらされ得る。熱変色性材料の層は、加熱インジケータが色付きとなった場合に、寒冷な状態に対して、或いはワイパーやアームの高温に対して使用者へ注意を喚起する情報伝達事項の形態をとり得る。或いは、熱変色性材料は、その材料を支持している部分と同じ色であって、ワイパー3やアーム2が高温であるときには色が変わるものであってもよい。
【0037】
同じくらい適切に、熱変色性材料の層によって覆われた、情報を提供する非熱変色性材料の第1層からなる加熱インジケータ10,10a,10b,10c;12,12a,12b,12c;14,14a;16;20がもたらされ得る。その熱変色性材料の層は、色付き、特に、その材料を支持している部分と同じ色であって、高温時には半透明になるものである。ワイパー3やアーム2が高温であるときには、その材料の層が半透明になることで、情報を提供する第1層を見ることが可能となる。
【0038】
熱変色性材料は、これらの材料が高温時に色付きである必要があるか、それとも高温時に無色である必要があるかに応じて、既知の熱変色性材料から選ばれる。
【0039】
更に、加熱インジケータがその上に配置される材料に応じて、所与の加熱温度にて反応するように熱変色性材料が選択されることとなる。非限定的な例として、特にワイパーおよび/またはワイパーシステムのアームに触れてしまった場合の火傷の危険性を使用者に警告するのに加熱インジケータが用いられるときには、熱変色性材料は60から65℃の温度で反応するであろう。
【0040】
かくして、本発明によれば、外気温が低い場合に加熱されるワイパーシステムの区域上に配置された熱変色性材料の色の変化によって、運転者が自らの運転をより安全なものに改めるために、危険な環境条件を運転者に警告することを可能とし、またワイパーシステムのこの区域を取り扱うのを避けるように運転者に知らせることも可能とすることができる。
【0041】
本発明は、液体散布マニホールドを何ら伴わないワイパーシステムに対しても、同じくらい適切に当てはまる。この場合、加熱装置は本質的にワイパー上に配置され、寒冷な状況におけるワイパーの正確な作動を確保すること、およびワイパーブレードの弾性的な特性を維持することが目的となる。
【外国語明細書】