【実施例1】
【0071】
図1は、本発明の開閉弁10の縦断面図、
図2は、
図1の部分拡大断面図、
図3(A)は、本発明の開閉弁10の弁本体52の部分断面斜視図、
図3(B)は、本発明の開閉弁10の弁本体52の部分斜視図、
図4は、本発明の開閉弁10の作動状態を説明する部分拡大断面図、
図5は、本発明の開閉弁10の弁開直後の流れ状態を説明する部分拡大断面図、
図6は、本発明の開閉弁10の全開状態での流れ状態を説明する部分拡大断面図、
図7は、本発明の開閉弁10の弁閉直前の流れ状態を説明する部分拡大断面図である。
【0072】
図1において、符号10は、全体で本発明の開閉弁10を示している。
【0073】
なお、
図1は、本発明の開閉弁10を、パイロット弁を備えたパイロット式の電磁弁に適用した実施例を示している。
【0074】
図1に示したように、本発明の開閉弁10は、主弁12を備えた制御部14を備えている。また、この開閉弁10の制御部14は、駆動部16が挿通された電磁コイル18を備えている。
【0075】
そして、電磁コイル18は、巻線が巻かれたボビン20を備えており、ボビン20の周囲を囲むようにモールド樹脂22でモールドされている。さらに、電磁コイル18は、磁気フレーム24の内部に装着され、磁気フレーム24を介して駆動部16に固定されている。
【0076】
すなわち、磁気フレーム24の底板部26の中央部に形成された駆動部挿通孔28、ボビン20の駆動部挿通孔30に、駆動部16が挿通されている。そして、駆動部16の吸引子32の上部に形成されたメネジ34に、磁気フレーム24の上板部36の中央部に形成されたボルト挿通孔38を介して、締結ボルト40が螺合されている。
【0077】
これにより、電磁コイル18が駆動部16に挿通して固定され、開閉弁10の制御部14が構成されている。
【0078】
また、駆動部16は、プランジャーケース42を備え、このプランジャーケース42内に上下に移動可能なプランジャー44を備えている。そして、吸引子32とプランジャー44との間に、プランジャー44を下方に、すなわち、弁座60の方向に主弁12を付勢するコイルバネ48aが介装されている。
【0079】
すなわち、コイルバネ48aは、プランジャー44の吸引子32の側に形成されたバネ装着孔50と吸引子32との間に介装されている。
【0080】
さらに、開閉弁10は、弁本体52を備えており、弁本体52に形成された弁室56内に主弁12が収容されるとともに、弁本体52に形成された弁座60に、主弁12が離接するように構成されている。
【0081】
また、主弁12の弁座60に当接する部分には、
図2の拡大図に示したように、シール溝12aが形成されており、このシール溝12a内に環状のシール材46が、リング形状の留め具54とともに、主弁12の下端12bをカシメ加工することによって固定されている。
【0082】
さらに、主弁12の上端のフランジ12cと、弁本体52の中央部分の内周側に突設する内周側フランジ52aとの間に、圧縮状態でコイルバネ48bが介装され、主弁12を弁本体52に形成された弁座60から離反する方向に付勢している。
すなわち、
図2に示したように、コイルバネ48bが、後述する拡径流路溝76よりも上方の位置に配置されている。
【0083】
このように構成することによって、コイルバネ48bが、拡径流路溝76よりも上方の位置に配置されているので、高圧側である一次側流路68から、拡径流路溝76、絞り流路78を介して、弁体である主弁12の下端へ至る流れが阻害されず、効率良く流れることになる。
【0084】
また、
図2の拡大図に示したように、この主弁12には、その中央部分に上下に貫通するパイロット通路62が形成され、このパイロット通路62の上部にパイロット弁座64が設けられている。そして、プランジャー44の下端には、このパイロット弁座64に離接する球状のパイロット弁66が設けられており、このパイロット弁66は、主弁12のプランジャー44側の空間であるパイロット弁室56aに配置されている。
【0085】
すなわち、パイロット弁66は、プランジャー44の下端の固定されたパイロット弁取り付け部材58内に、圧縮状態で介装したコイルバネ48cを介して下方に付勢され、パイロット弁取り付け部材58から下方に突出する状態で取り付けられている。また、パイロット弁取り付け部材58には、パイロット弁室56aと連通する連通路58aが形成されている。
【0086】
一方、
図1、
図2に示したように、弁本体52には、例えば、冷媒などの流体を流入させる一次側流路68と、流体を排出するための二次側流路70が形成されている。
【0087】
なお、弁本体52には、弁座60に弁ポート72が形成されている。
【0088】
さらに、主弁12と弁本体52の上部に形成された弁室56の内壁との間のクリアランスにより、環状の副流路74が形成されており、弁本体52のパイロット弁室56aと一次側流路68側が連通するように構成されている。
【0089】
また、弁本体52の内周壁52bには、弁体である主弁12の外周壁12dと弁本体52の内周壁52bとの間に、一次側流路68と連通する拡径流路溝76が形成されている。
【0090】
さらに、
図2、
図3(A)、
図3(B)に示したように、弁本体52の内周壁52bには、拡径流路溝76の弁ポート72側に、後述する
図2、
図4〜
図7で説明するように、弁閉時から弁開途中まで絞り流路78が形成されるように、絞り壁面80が形成されている。
【0091】
すなわち、
図2の拡大図に示したように、拡径流路溝76の弁ポート72側の隅角部76aが、弁閉時の弁体である主弁12の外周面における弁ポート72側の端部(下端12b)の位置よりも、弁開方向に位置するように形成されている。
これにより、弁本体52の内周壁52bには、拡径流路溝76の弁ポート72側に、後述する
図2、
図4〜
図7で説明するように、弁閉時から弁開途中まで絞り流路78が形成されるように構成されている。
【0092】
また、弁本体52の内周壁52bには、拡径流路溝76の弁ポート72側に、弁閉時から弁開途中まで絞り流路78が形成されるように、絞り壁面80が形成されている。
【0093】
このように弁本体52の内周壁52bには、拡径流路溝76の弁ポート72側に、弁閉時から弁開途中まで絞り流路78が形成されるように、絞り壁面80が形成されているので、絞り壁面80を介して流れが緩やかに案内されることになり、弁閉状態から弁開状態に至る際に、高圧側である一次側流路から、拡径流路溝を介して、弁体の下端へ至る流れが急激に生じてしまうことがなく緩やかな流れとなる。
【0094】
なお、この実施例では、
図3(A)、
図3(B)に示したように、絞り壁面80は、弁本体52の内周壁52bの全周(すなわち、一次側流路68以外の部分)に形成されている。
【0095】
このように構成することによって、絞り壁面80が、弁本体52の内周壁52bの全周に形成されているので、弁本体52の内周壁52bの全周にわたって絞り流路78が形成されている状態である。従って、後述するように、弁体である主弁12の下端へ至る流れが、主弁12の下端全周にわたって、絞り流路78を介して流れが一定で緩やかになる。
【0096】
このため、この緩やかな一定の流れによって、主弁12が弁座60に対して急激に接離することなく、衝撃圧力が発生せず、配管、開閉弁自体、ならびに、配管に配設したその他の装置の寿命が長くなるとともに、衝撃音などの異音、ノイズが発生することがない。
【0097】
また、
図2に示したように、この実施例では、絞り壁面80が、弁体である主弁12の外周壁12dと平行な壁面で形成されている。しかしながら、この絞り壁面80は、弁体である主弁12の外周壁12dの形状に応じて適宜変更すれば良く、例えば、
図8(A)に示したように、絞り壁面80が、弁ポート72側に傾斜するように構成しても良く、また、
図8(B)に示したように、主弁12の外周壁12d、絞り壁面80が、弁ポート側に傾斜する場合に、絞り壁面80が、主弁12の外周壁12dと平行な壁面で形成するように構成しても良く、適宜変更可能である。
【0098】
また、
図2の拡大図に示したように、拡径流路溝76の下方の側壁には、絞り壁面80に至るように、弁ポート72側に傾斜する傾斜案内面82が形成されている。このように構成することによって、絞り壁面80に至るように、拡径流路溝76に形成された弁ポート72側に傾斜する傾斜案内面82によって、高圧側である一次側流路68から、拡径流路溝76、絞り流路78を介して、弁体である主弁12の下端へ至る流れが効率よく緩やかに流れることになる。
【0099】
この場合、傾斜案内面82は、
図6の弁開状態の拡大図の点線で示したように、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁開(全開)の状態で、弁体である主弁12の下端12b(すなわち、主弁12の弁ポート72側に鉛直方向下向きに最も突出した部分)よりも下方(弁ポート72側)を通過するように形成するのが望ましい。
【0100】
このように構成することによって、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、主弁12の下端12bよりも下方(弁ポート72側)を通過するので、傾斜案内面82によって案内された流体が、主弁によって邪魔されることがない。
従って、高圧側である一次側流路68から、拡径流路溝76、絞り流路78を介して、主弁12の下端へ至る流れが、さらに効率よく緩やかに流れることになるとともに、弁開時の流量が大きくなる。
【0101】
また、斜案内面82は、
図6の弁開状態の拡大図の点線で示したように、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁ポート72の範囲Mを通過するように形成するのが望ましい。
【0102】
このように構成することによって、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁ポート72の範囲Mを通過するように形成されているので、高圧側である一次側流路68から、拡径流路溝76、絞り流路78を介して、主弁12の下端へ至る流れが、傾斜案内面82によって、弁ポート72の方向に確実に案内されることになる。
これにより、この主弁12の下端へ至る流れが、弁ポート72内に流れ込み易くなり、弁開時の流量が大きくなる。
【0103】
さらに、この実施例の開閉弁10では、
図6に示したように、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁座60の外周壁60aと交差するように形成されているが、後述する
図16に示した実施例のように、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁座60の外周壁60aと交差しないように形成するのが望ましい。
【0104】
このように構成することによって、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁座60の外周壁60aと交差しないように形成されているので、高圧側である一次側流路68から、拡径流路溝76、絞り流路78を介して、主弁12の下端へ至る流れが、傾斜案内面82に案内される際に、弁座60の外周壁60aによって阻害されることがない。
これにより、この主弁12の下端へ至る流れが、弁ポート72内に直接流れ込み易くなり、弁開時の流量がさらに大きくなる。
【0105】
なお、この場合、斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁座60の外周壁60aだけでなく、弁座60と交差することなく直接弁ポート72に至るように形成されているのが好適である。
【0106】
さらに、
図2の拡大図に示したように、弁体である主弁12の外周壁12dには、縮径した段部84が形成されている。
【0107】
このように構成することによって、縮径した段部84によって、拡径流路溝76と主弁12の外周壁12dとで構成される流路の流路断面積が増加することになるので、弁体である主弁12の下端へ至る流れが効率よく流れ、全開時の最大流量を多くすることができる。
【0108】
このように構成される本発明の開閉弁10は、
図2、
図4〜
図7に示したように作動される。
【0109】
すなわち、電磁コイル18への通電を遮断した状態では、プランジャー44が、コイルバネ48aの付勢力により、吸引子32から離反する方向に移動する。
【0110】
これにより、
図2に示したように、プランジャー44の下端に形成されたパイロット弁66が、主弁12のパイロット通路62の上部に形成されたパイロット弁座64に当接する方向に移動して、パイロット通路62が閉止されることになる。
【0111】
また、このプランジャー44の吸引子32から離反する方向への移動によって、弁本体52に形成された弁座60に、主弁12が当接して、弁座60に形成された弁ポート72が閉止される。
【0112】
この状態で、高圧側である一次側流路68の流体が、主弁12の外周に形成された副流路74を介して、弁本体52のパイロット弁室56aに流入して、パイロット弁室56aが高圧になり、主弁12が弁座60に当接する方向に付勢されている状態となる。
【0113】
なお、この際、高圧側である一次側流路68の流体が、パイロット弁取り付け部材58に形成された連通路58aを介して、パイロット弁66の上方の空間に流入して、パイロット弁66を下方に差圧によって付勢されており、この付勢力とコイルバネ48cの付勢力によって、パイロット通路62が閉止された状態が維持されるようになっている。
【0114】
一方、開閉弁10の電磁コイル18に通電することにより、
図4に示したように、プランジャー44が、コイルバネ48aの付勢力に抗して吸引子32方向に移動する。
【0115】
これにより、
図4に示したように、プランジャー44の下端に形成されたパイロット弁66が、主弁12のパイロット通路62の上部に形成されたパイロット弁座64から離反する方向に移動して、パイロット通路62が開かれることになる。
【0116】
その結果、
図5の矢印Aで示したように、弁本体52のパイロット弁室56aの高圧の流体が、パイロット通路62を介して、低圧側である二次側流路70に排出される。これにより、パイロット弁室56a内の圧力が低下して、高圧側である一次側流路68の流体との差圧によって、
図5に示したように、主弁12が弁座60から離反する方向に移動して、弁ポート72が開放されるように構成されている。なお、コイルバネ48bは、無差圧時においても主弁12が弁座60から離反する方向に移動できる程度のバネ力の比較的弱いバネである。
【0117】
なお、この際、高圧側である一次側流路68から、
図5の矢印Bで示したように、一次側流路68と連通する拡径流路溝76を介して、主弁12の下端への流れが生じる。
【0118】
また、前述したように、拡径流路溝76の下方の側壁には、絞り壁面80に至るように、弁ポート72側に傾斜する傾斜案内面82が形成されている。このように構成することによって、絞り壁面80に至るように、拡径流路溝76に形成された弁ポート72側に傾斜する傾斜案内面82によって、高圧側である一次側流路68から、拡径流路溝76、絞り流路78を介して、弁体である主弁12の下端へ至る流れが効率よく緩やかに流れることになる。
【0119】
また、
図5の矢印Cで示したように、本発明の開閉弁10の弁開直後には、一次側流路68と連通する拡径流路溝76、絞り流路78を介して、弁体である主弁12の下端への流れが生じて緩やかになる。これにより、弁閉状態から弁開状態に至る際に、高圧側である一次側流路68から、拡径流路溝76を介して、主弁12の下端へ至る流れが急激に生じてしまうことがなく緩やかな流れとなる。
【0120】
さらに、絞り流路78を介して、主弁12の下端への流れが緩やかな一定の流れとなるので、弁本体52のパイロット弁室56a内の高圧の流体が、パイロット通路62を介して、低圧側である二次側流路70に排出される流れAが阻害されることがなく、主弁12の作動不良もないパイロット式の開閉弁10を提供することができる。
【0121】
その結果、この緩やかな流れによって、主弁12が弁座60に対して急激に離反することなく、緩やかに離反して、衝撃圧力が発生せず、配管、開閉弁10自体、ならびに、配管に配設したその他の装置の寿命が長くなるとともに、衝撃音などの異音、ノイズが発生することがない開閉弁10を提供することができる。なお、
図6は、弁開状態の流れを示しており、この状態では、絞り流路78が存在せず、拡径流路溝76の分、流路断面積が増加し、全開時に最大流量を多くすることができる。
【0122】
さらに、
図7の矢印Dで示したように、本発明の開閉弁10の弁閉直前には、弁半開状態から弁閉時直前まで絞り流路78が形成されている状態であるので、絞り流路78を介して流れが緩やかになり、弁開状態から弁閉状態に至る際に、高圧側である一次側流路68から、拡径流路溝76を介して、弁体である主弁12の下端へ至る流れが急激に生じてしまうことがなく緩やかな流れとなる。
【0123】
その結果、主弁12が弁座60の方向に急激に引き込まれることがなく、主弁12が弁座60に対して急激に当接しないので、衝撃圧力が発生せず、配管、開閉弁10自体、ならびに、配管に配設したその他の装置の寿命が長くなるとともに、衝撃音などの異音、ノイズが発生することのない開閉弁10を提供することができる。
【0124】
図11の流量特性を示すグラフの実線で示したように、本発明の開閉弁10では、
図11の流量特性を示すグラフの一点鎖線で示したように、従来のパイロット式の電磁弁100の場合に比較して、急激な弁開、弁閉状態とならず、流量の増加率が小さい領域を含む流量特性となっている。
【0125】
また、
図11の流量特性を示すグラフの破線で示したような拡径流路溝76、絞り流路78を形成していない電磁弁200(
図12参照)(
図12において、本発明の開閉弁10と同じ構成部材には200を足した符号で示している)と比較して、本発明の開閉弁10にように、拡径流路溝76を形成した開閉弁10は、下記に説明するように、全開時の最大流量が多くなっている。
【0126】
すなわち、
図11の流量特性を示すグラフの実線で示したように、本発明の開閉弁10では、(1)の部分では、プランジャー44が全開している状態を示している。そして、(2)の部分では、十分な差圧がついておらず主弁12が上昇してない状態を示している。
【0127】
また、(3)の部分では、十分な差圧がついた後の、主弁12が上昇中の状態を示しており、絞り流路78による絞り効果が効いているため、従来のパイロット式の電磁弁100(一点鎖線)と比較して流量の増加率が小さいことが分かる。
【0128】
さらに、(4)の部分では、主弁12が(3)の状態よりも、さらに上昇している状態を示しており、主弁12の下端が拡径流路溝76を通過したため、絞り流路78による絞り効果がなくなり、流量が急激に増加している状態である。そして、(5)の部分は、主弁12が、弁座60から完全に離反して、弁ポート72が全開した状態を示している。
【0129】
なお、この実施例では、
図3(A)、
図3(B)に示したように、絞り壁面80が、弁本体52の内周壁52bの全周に形成されているが、
図9(A)、
図9(B)に示したように、絞り壁面80が、弁本体52の内周壁52bの一部に形成されていても良く、また、
図10(A)、
図10(B)に示したように、絞り壁面80が、弁本体52の内周壁52bに一定間隔離間して複数個形成されていても良い。
【0130】
この場合、
図9(A)〜
図10(B)に示したように、傾斜案内面82が、絞り壁面80に対応して形成されているが、図示しないが、傾斜案内面82が、絞り壁面80に対応して形成されていなくても良い。
【実施例3】
【0141】
図15は、本発明の開閉弁10の別の実施例の弁閉状態を示す
図1と同様な縦断面図、
図16は、
図15の開閉弁10の弁開状態を示す縦断面図である。
【0142】
この実施例の開閉弁10は、
図1に示した開閉弁10と基本的には同様な構成であり、同一の構成部材には、同一の参照番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0143】
実施例1では、本発明の開閉弁10を、パイロット弁66と、主弁12が同じ軸線上に配置したパイロット式の電磁弁に適用した実施例を示したが、この実施例の開閉弁10では、
図15、
図16に示したように、パイロット弁66と、主弁12が相互に直行する軸線上に配置したパイロット式の電磁弁に適用した実施例を示している。
【0144】
なお、この実施例の開閉弁10では、パイロット弁取り付け部材58を設けずに、プランジャー44のパイロット弁座64側の端部に、パイロット弁66を直接固定している。
【0145】
また、弁本体52には、弁本体52の弁室56の軸線Xと直行する軸線Yに、主弁12を軸線Y方向に移動可能に収容する主弁室90が形成されている。
【0146】
そして、この主弁室90と、弁室56とが、弁本体52内部に形成した連通路92を介して連通するように構成されている。
【0147】
なお、この実施例の開閉弁10の作動については、パイロット弁66と、主弁12が相互に直行する軸線上に配置した構成が相違するだけであって、その作動原理は、上記実施例1の開閉弁10と同様であるので作動についてその説明は省略する。
【0148】
この実施例の開閉弁10においても、実施例1の開閉弁10と同様に、絞り流路78による絞り効果が得られ、衝撃圧力が発生せず、配管、開閉弁10自体、ならびに、配管に配設したその他の装置の寿命が長くなるとともに、衝撃音などの異音、ノイズが発生することがない開閉弁10を提供することができる。
【0149】
この場合、
図16に示したように、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁座60の外周壁60aと交差しないように形成するのが望ましい。
【0150】
このように構成することによって、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁座60の外周壁60aと交差しないように形成されているので、高圧側である一次側流路68から、拡径流路溝76、絞り流路78を介して、主弁12の下端へ至る流れが、傾斜案内面82に案内される際に、弁座60の外周壁60aによって阻害されることがない。
これにより、この主弁12の下端12bへ至る流れが、弁ポート72内に直接流れ込み易くなり、弁開時の流量がさらに大きくなる。
【0151】
なお、この場合も、斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁座60の外周壁60aだけでなく、弁座60と交差することなく直接弁ポート72に至るように形成されているのが好適である。
【0152】
また、この場合、
図6に示した実施例と同様に、傾斜案内面82は、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁開(全開)の状態で、弁体である主弁12の下端12b(すなわち、主弁12の弁ポート72側に鉛直方向下向きに最も突出する部分)よりも下方(弁ポート72側)を通過するように形成しても良い。
【0153】
また、
図6に示した実施例と同様に、斜案内面82は、傾斜案内面82の弁ポート72側の延長線Lが、弁ポート72の範囲Mを通過するように形成しても良い。
【0154】
以上、本発明の好ましい実施の態様を説明してきたが、本発明はこれに限定されることはなく、例えば、上記実施例では、電磁コイル18への通電・非通電の切換えによって弁体が開閉動作するように作動し、電磁コイル18への通電により弁ポート72を開放状態とする開閉弁としての電磁弁について説明したが、電磁コイル18への通電ではなく、例えば、空気圧などで弁体を上下動させて弁体を開閉動作させる開閉弁にも適用することが可能である。
さらに、本発明の開閉弁は、弁閉状態で完全に流量が遮断されるもの以外にも、弁閉状態で絞り流路(溝)が形成されている開閉弁にも適用可能であるなど本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。