【実施例】
【0012】
図1〜
図8は、本発明に係る重量物持ち上げ装置1の実施形態を示している。この重量物持ち上げ装置1は、合成樹脂製の本体2と、金属製のフォーク3と、合成樹脂製のローラ4と、金属製のローラ軸41と、金属管製のハンドル5、合成樹脂製のグリップ51で構成したテコ部と、合成樹脂製のベース台101と、合成樹脂製の連結用台201複数とで構成されたものである。実施例では、一般的な家庭や事務所で使用するほとんどの家具等の重量物に対応して、フォーク3は150キログラムの重量物をおおよそ40ミリメータ持ち上げる能力を持たせているが、対象重量物の大小によっては、より大きくても小さくても良い。
【0013】
テコ部の本体2は、
図1及び
図2に示すように、中央部2aから前後左右側面2b、2c、2dまでローラ4を半分ほど覆う曲面形状の外面と、中央部から後方に向かって、金属管製ハンドル5の一端を覆う円筒を持ち、下部には、ローラ4を3個軸支している。
【0014】
テコ部のフォーク3は、後部が輪状をしており、本体2後方の、ハンドル5を覆う円筒外周に輪状部が沿い、本体2の上部を通り、本体2の前部を覆うように組み込まれている。また、ネジ6によりフォーク3、本体2及びハンドル5が一体となるよう本体2上面から固定されている。このことは、金属製のフォーク3が、樹脂製本体2の後方円筒と、金属管製ハンドル5を補強し、樹脂製本体2に過度な負荷が加わることを防ぐよう構成されている。
【0015】
ベース台101は、
図3、
図4、
図5及び
図6に示すように、左右に弾性体からなるフック102を2個持ち、テコ部のローラ4の側面部4aを左右から挟みこむように保持できる構造をし、一定の力により、テコ部と脱着可能に一体化するように構成されている。また、防護壁103は、フック102を半ば囲むように配置され、テコ部のローラ4をベース台101に一体化するとき、ローラ4をベース台101の中央部101aに誘導するガイドの役割をすると共に、フック102に過度の変位が加わらないように設けられている。実施例では、弾性体からなるフック102は2個で構成しているが、強度が得られれば片側の1個でも良い。
【0016】
また、ベース台101の上面には、弾性体からなるガイド104がベース台101の中央部101aの前後に各2個配置され、テコ部のローラ4の外周底面部が必ずベース台101の中央部101aに誘導されるように形成されている。このことは、重量物からの荷重を、ベース台101及び連結用台201の中心部で支えることになり、荷重の偏重による重量物持ち上げ装置1の転倒や、連結用台201の変形、破損を防止できるよう構成されている。さらに、テコ部の円弧運動によって、作用点となるフォーク3の先端位置と、支点となるローラ軸41の中心との水平距離が変化する現象により、一定の荷重が弾性体からなるガイド104に加わったとき、弾性体からなるガイド104は変形することにより、ローラ4の回転とテコ部の前後方向への移動を妨げないようにしている。さらに、ストッパー105をベース台101の中央部101aの前後に各1個形成し、テコ部の円弧運動によって、作用点となるフォーク3の先端位置と、支点となるローラ軸41の中心との水平距離が変化する量以上にテコ部が前後移動できないようにしている。実施例では、弾性体からなるガイド104は4個、ストッパー105は2個で構成しているが、機能が果たせれば、それぞれ1個でも3個以上でも良い。
【0017】
連結用台201は、
図7及び
図8に示すように、円筒状の形で、筒後端から筒先端にかけておおよそ3度のテーパー角度をもって形成されている。筒先外周部201aと筒後内周部201bもおおよそ3度のテーパー角度をもった同一の形状及び寸法とし、複数の連結が簡便で確実にできるよう構成されている。なお上部には複数の切れ込み201cと、連結される他方の連結用台の筒後端を保持する座201d設け、連結開放が困難にならないようにし、さらに、筒後端には、ツバ201eを備えて、床面との接触面積を多く確保し、床面への負荷を減少させるよう構成されている。実施例では、一般的な家具の殆どに対応できるサイズとして、ベース台の高さは10ミリメータを1個、連結台の高さは10ミリメータを3個と、40ミリメータを3個組合せて、0ミリメータから160ミリメータまでの高さに対応したが、10ミリメータ未満や、40ミリメータ以上の大きさを含めてもかまわない。
【0018】
以下
図1から
図10を用いて本発明の重量物持ち上げ装置の動作を説明する。
重量物移動台車等を、重量物10の底面10aや脚部10bの底面10cにセットするとき、重量物10を床面からおおよそ30ミリメータ持ち上げることにより重量物移動台車等はスムーズにセットすることができるので、本発明の重量物持ち上げ装置1のフォーク3が重量物を持ち上げることのできる高さの固有能力を、おおよそ40ミリメータにしている。このことから、
図9(a)(b)(c)に示すように、底面の形状や 床面からの距離が異なる重量物に、重量物移動台車等をセットしようとするとき、本発明の重量物持ち上げ装置1は、ベース台101及び連結用台201の組合せにより、10ミリメーター刻みに0から160ミリメーターまでの高さに調節することができるので、脚部の高さが0から170ミリメーターまでの重量物を、必ず30ミリメータ以上の高さに持ち上げることができる。例えば、
図9(a)のように重量物の底面全体が床面に接しているときは、本発明の重量物持ち上げ装置1のテコ部をベース台101から離脱させ、テコ部単体の状態でフォーク3を重量物10の底面10aに差し込み、ハンドル5のグリップ51を操作することにより、重量物をおおよそ30ミリメータ以上持ち上げて、重量物移動台車等をスムーズにセットすることができる。また、
図9(b)のように、85ミリメータの脚10bが付いた重量物10を持ち上げる場合には、本発明の重量物持ち上げ装置1の連結用台201の40ミリメータを1個と、10ミリメータを3個連結して、ベース台101の10ミリメータとあわせた80ミリメータの高さにして、フォーク3を重量物10の底面10aに差し込み、ハンドル5のグリップ51を操作することにより、重量物をおおよそ35ミリメータ持ち上げて重量物移動台車等を、脚部10bの底面10cにスムーズにセットすることができる。さらに、
図9(c)のように、155ミリメータの脚が付いた重量物を持ち上げる場合、本発明の重量物持ち上げ装置1の連結用台201の40ミリメータを3個と、10ミリメータを2個連結して、ベース台101の10ミリメータとあわせた150ミリメータの高さにして、フォーク3を重量物の底面に差し込み、ハンドル5のグリップ51を操作することにより、重量物をおおよそ35ミリメータ持ち上げて重量物移動台車等を、脚部10bの底面10cにスムーズにセットすることができる。よって、フォーク3が重量物を持ち上げる高さの固有能力がおおよそ40ミリメータあることから、重量物の脚の長さよりも10ミリメータ低い連結台を使用した場合でも、重量物を30ミリメータ持ち上げることができるので、連結台201の高さは、10ミリメータ刻みで調節できる組合せであれば、ほぼすべての家具等重量物を持ち上げる能力を有することになる。
【0019】
ベース台101に、テコ部のローラ4を保持させるときは、ベース台101の左右にあるフック102に、ローラ4の両側面4aが沿うように、ベース台101の上方向からテコ部のローラ4を押しつけることにより、ローラ4は、防護壁103、フック102及び弾性体によるガイド104によって、ベース台の上面中央部101aに誘導されながら、
図1に示すように、フック102によってローラ4が保持され一体化することになる。このことは、
図10に示すように、重量物を持ち上げるとき、重量物の荷重はローラ4を通してベース台101の中心部で保持して持ち上げすることになり、連結用台201下部の床面への荷重配分も均一化し、連結用台201は安定して重量物を支えることができる。また、
図11に示すように、テコ部の円弧運動によって、作用点となるフォーク3の先端位置と、支点となるローラ軸41の中心との水平距離が変化する現象によって、一定以上の荷重が弾性体からなるガイド104に加わったとき、弾性体からなるガイド104は変形するように形成されており、ローラ4の回転とテコ部の前後方向への移動を妨げないことから、重量物と重量物持上げ装置1間の距離が補正され、重量物持上げ装置1が傾いたり、フォーク3と重量物底面との当接位置が移動するなどの危険がない。なを、ストッパー105は、テコ部が過度にベース台101の中心から離脱することを防ぎ、荷重の偏重によって重量物持上げ装置1の転倒や、連結用台201が変形や破損を起こすことなく安全に使用できる。