【解決手段】継手11にベローズ12を接合して継手ユニット1′を構成する。補強板2の底板21に六角形の挿通孔21aを形成し、挿通孔21aに六角部112′を嵌合する。補強板2に作動部4を組み込んで、組込みアッセンブリ10を構成する。補強板2に固定用爪22a,23aを形成する。支持ケース3′の底板31に圧入孔31eを形成する。脊板32に固定用孔32aを形成する。継手11を挿通孔31aに挿通し、継手11を圧入孔31eに圧入する。固定用爪22a,23aを固定用孔32aに差し込んで折り曲げる。継手11の六角部112′の角を支持ケース3′側にかしめる。
前記補強板に、前記継手ユニットと共に、前記ベローズに連動して前記機械スイッチを作動させる作動部を組み込むようにしたことを特徴とする請求項1に記載の圧力応動スイッチ。
前記継手の前記ベローズ側の根元が角柱であり、前記補強板の前記挿通孔が当該角柱に整合する多角形の孔であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧力応動スイッチ。
前記継手ユニットを前記支持ケースに取り付けた状態で、前記継手ユニットの前記継手の角柱の角を前記支持ケース側にかしめたことを特徴とする請求項3に記載の圧力応動スイッチ。
感温筒を備え、前記継手ユニットを前記支持ケースに取り付けた状態で、前記継手ユニットの前記継手に、前記感温筒に連通するキャピラリを接続したことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の圧力応動スイッチ。
前記継手ユニットの前記ベローズの内側及び/または外側に、該ベローズの軸線に対する半径方向への変形を規制するベローズガイドを備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の圧力応動スイッチ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1あるいは
図16に示す従来の圧力応動スイッチでは、継手及びベローズの固定構造として、キャップ(特許文献1のものではベロー筒体)と4つのビスを用いているので、コストがかかるという問題がある。
【0007】
本発明は、圧力応動スイッチにおいて継手及びベローズの固定構造を改良し、コストを低減することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の圧力応動スイッチは、継手にベローズを接合した継手ユニットと、前記継手ユニットを組み込む補強板と、前記補強板及び前記ベローズに連動する機械スイッチを組み付ける支持ケースと、を備えた圧力応動スイッチであって、前記補強板には前記継手ユニットの前記継手を挿通する挿通孔が形成され、前記支持ケースには前記継手ユニットの前記継手を挿通する圧入孔であって、内径が前記継手の外径よりも僅かに小さな圧入孔が形成され、前記補強板の裏側から前記挿通孔に前記継手ユニットの前記継手を挿通するとともに、該補強板が該継手ユニットと前記支持ケースによって挟みこまれるように、前記継手を前記圧入孔に対して軸線方向に圧入して該継手を該支持ケースに圧入固定することで、当該継手ユニットを前記支持ケースに取り付けるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の圧力応動スイッチは、請求項1に記載の圧力応動スイッチであって、前記補強板に、前記継手ユニットと共に、前記ベローズに連動して前記機械スイッチを作動させる作動部を組み込むようにしたことを特徴とする。
【0010】
請求項3の圧力応動スイッチは、請求項1または2に記載の圧力応動スイッチであって、前記継手の前記ベローズ側の根元が角柱であり、前記補強板の前記挿通孔が当該角柱に整合する多角形の孔であることを特徴とする。
【0011】
請求項4の圧力応動スイッチは、請求項3に記載の圧力応動スイッチであって、前記継手ユニットを前記支持ケースに取り付けた状態で、前記継手ユニットの前記継手の角柱の角を前記支持ケース側にかしめたことを特徴とする。
【0012】
請求項5の圧力応動スイッチは、請求項1乃至4の何れか一項に記載の圧力応動スイッチであって、感温筒を備え、前記継手ユニットを前記支持ケースに取り付けた状態で、前記継手ユニットの前記継手に、前記感温筒に連通するキャピラリを接続したことを特徴とする。
【0013】
請求項6の圧力応動スイッチは、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の圧力応動スイッチであって、前記継手ユニットの前記ベローズの内側及び/または外側に、該ベローズの軸線に対する半径方向への変形を規制するベローズガイドを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の圧力応動スイッチによれば、継手に対してベローズが直接接合されており、かつ、継手ユニットを補強板に組み付けるとともに、補強板が継手ユニットと支持ケースによって挟みこまれるように継手を支持ケースに圧入固定するようにしたので、従来のようにキャップやビスが必要なくなり、小型化する。また、支持ケースにおいて継手を挿通する箇所が圧入孔であるため、この継手の周囲全周に支持ケースの例えば底板の部材があるため、支持ケースが開放されることなく支持ケースの強度を保つことができる。また、継手を圧入孔に対して軸線方向に圧入しているため、継手ユニットの組み付けが容易になる。
【0015】
請求項2の圧力応動スイッチによれば、請求項1の効果に加えて、補強板に継手ユニットと共に作動部も組み込んだので、これらの組込みアッセンブリとして一体に扱うことができ、組み立て作業が容易になる。
【0016】
請求項3の圧力応動スイッチによれば、請求項1または2の効果に加え、補強板の多角形の挿通孔に継手の角柱部の部分が嵌合されるので、補強板に対する継手ユニットの回動を防止することができ、確実に固定することができる。
【0017】
請求項4の圧力応動スイッチによれば、請求項3の効果に加え、継手ユニットの取り付け状態で継手の角柱の角を支持ケース側にかしめるようにしたので、継手ユニットを支持ケースに対してさらに確実に固定することができる。
【0018】
請求項5の圧力応動スイッチによれば、請求項1乃至4の何れか一項の効果を有する温度スイッチを構成することができる。
【0019】
請求項6の圧力応動スイッチによれば、請求項1乃至5の何れか一項の効果に加え、ベローズの半径方向の変形が規制されるので、ベローズにかかる負荷は比較的均一になり、ベローズの耐圧性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の参考例の圧力応動スイッチのベローズと継手からなる組込みアッセンブリを支持ケースに取り付ける前の外観斜視図である。
【
図2】本発明の参考例の圧力応動スイッチの組込みアッセンブリを支持ケースの挿通孔に挿通した取り付け途中の外観斜視図である。
【
図3】本発明の参考例の圧力応動スイッチの組込みアッセンブリのスリット部に支持ケースのスリット圧入部を圧入した状態の外観斜視図である。
【
図4】本発明の参考例の圧力応動スイッチの組込みアッセンブリを支持ケースに固定した取り付け状態の外観斜視図である。
【
図5】本発明の参考例における継手ユニットの略正面斜視図である。
【
図6】本発明の参考例における継手ユニットと補強板の斜視図である。
【
図7】本発明の参考例の継手ユニットと作動部を補強板に組み込んだ組込みアッセンブリの斜視図である。
【
図8】本発明の参考例の継手ユニットと作動部を補強板に組み込んだ組込みアッセンブリの側面図である。
【
図9】本発明の参考例の圧力応動スイッチの上面図、正面図、底面図、及び外カバーを外した状態の正面図である。
【
図10】本発明の参考例の温度スイッチを構成する圧力応動スイッチの上面図、正面図、底面図、及び外カバーを外した状態の正面図である。
【
図11】本発明の参考例のベローズの内側にベローズ内ガイドを設けた継手ユニットの縦断面図である。
【
図12】本発明の参考例のベローズの外側にベローズ外ガイドを設けた継手ユニットの縦断面図である。
【
図13】本発明の参考例のベローズの内側にベローズ内ガイドを設けるとともに外側にベローズ外ガイドを設けた継手ユニットの縦断面図である。
【
図14】本発明の実施形態の圧力応動スイッチのベローズと継手からなる組込みアッセンブリを支持ケースに取り付ける前の外観斜視図である。
【
図15】本発明の実施形態の圧力応動スイッチの組込みアッセンブリを支持ケースに固定した取り付け状態の外観斜視図である。
【
図16】従来の圧力応動スイッチの継手及びベローズの固定構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の圧力応動スイッチ及び継手ユニットの参考例及び実施形態を図面を参照して説明する。
図1〜
図4は発明の参考例の組込みアッセンブリを支持ケースに取り付ける過程を示す図であり、
図1は組込みアッセンブリを支持ケースに取り付ける前の外観斜視図、
図2は組込みアッセンブリを支持ケースの挿通孔に挿通した取り付け途中の外観斜視図、
図3は組込みアッセンブリのスリット部に支持ケースのスリット圧入部を圧入した状態の外観斜視図、
図4は組込みアッセンブリを支持ケースに固定した取り付け状態の外観斜視図である。また、
図5は継手ユニットの略正面斜視図、
図6は継手ユニットと補強板の斜視図、
図7は継手ユニットと作動部を補強板に組み込んだ組込みアッセンブリの斜視図、
図8は継手ユニットと作動部を補強板に組み込んだ組込みアッセンブリの側面図、
図9は参考例の圧力応動スイッチの上面図、正面図、底面図、及び外カバーを外した状態の正面図である。
【0022】
図において、1は継手ユニット、2は補強板、3は支持ケース、4は作動部、5は機械スイッチとしてのマイクロスイッチ、6は外カバーである。また、10は補強板2に対して継手ユニット1と作動部4を組み込んだ組込みアッセンブリである。
【0023】
図5に示すように、継手ユニット1は、黄銅製の継手11にベローズ12を半田付け、ろう付け、溶接等の各種接合方法により接合したものである。継手11は、切削加工により形成され、ベローズ12を接合する円柱状の接合部111と、六角柱として形成した「角柱部」としての六角部112と、外周に雄ねじ113aが形成されたフレアー継手部113とで構成されている。そして、六角部112の両側において接合部111に近い側に2つのスリット部112aが形成されている。なお、フレアー継手部113には図示しない配管(流体導入管)を接続するためのフレアーナットが取り付けられる。
【0024】
図6に示すように、補強板2は、金属板の打ち抜き及び曲げ加工により形成され、底板21、2つの側板22、天板23及び前板24を有している。底板21には、継手ユニット1の継手11(六角部112)を挿通するための挿通孔21aが形成されている。この挿通孔21aは、六角部112の六角柱に整合するような六角形の孔である。各側板22と天板23において、前板24とは反対側の端部には、それぞれ2箇所に固定用爪22a,23aが形成されている。また、天板23には、レンジ調整ネジ孔23bと入切圧力差調整ねじ孔23cが形成されている。前板24には、作動範囲規制孔24a、レンジ表示窓24b及び差圧表示窓24cが形成されている。
【0025】
継手ユニット1は、その六角部112を底板21の挿通孔21aに嵌合され、
図7のように補強板2に組み付けられる。また、
図7及び
図8に示すように、補強板2には、継手ユニット1のベローズ12側に作動部4が組み付けられる。これにより、組込みアッセンブリ10が構成される。作動部4は、作動金具41と、マイクロ作動位置調整ネジ42と、作動圧力調整ばね43と、当金44と、レンジ調整ネジ45を有している。作動圧力調整ばね43は、作動金具41と当金44との間に配設され、レンジ調整ネジ45のねじ込み量を調整することにより、作動圧力調整ばね43がベローズ12に与えるばね力が調整される。なお、図示は省略するが、入切圧力差調整ねじにより入切圧力差が設定される。
【0026】
作動金具41は、金属板の打ち抜き及び曲げ加工により形成され、ベローズ12の頂部に当接される基板41aと、基板41aの一方の端部から基板41aに対して略直角に延設された作動レバー41bと、基板41aの他方の端部から立ち上げられた雌ねじ部41cとを有している。そして、作動金具41は補強板2の側板22,22の間で軸41dにより軸支され、作動金具41は補強板2に対して回動可能となっている。なお、基板41aの端部に形成された規制板41e(
図8参照)が補強板2の作動範囲規制孔24aに挿通され、これにより、作動金具41の回動範囲が規制される。
【0027】
また、マイクロ作動位置調整ネジ42は、作動レバー41bを貫通し、作動レバー41bの基板41aに対する弾性力に抗して、雌ねじ部41cの図示しない雌ねじにねじ込まれている。したがって、マイクロ作動位置調整ネジ42の締め具合により、基板41aに対する作動レバー41bの角度を微調整することができる。これにより、設定圧力に対して確実に動作するように、作動レバー41bの角度を微調整し、組み付け誤差等による動作のバラツキを無くすことができる。
【0028】
以上の構成により、作動部4は以下のように動作する。ベローズ12の動きにより、作動金具41が作動圧力調整ばね43のばね力に抗して回動し、この作動金具41の作動レバー41bに連動して、マイクロスイッチ5がオン/オフする。なお、マイクロスイッチ5には、制御線(図示せず)を接続する端子51(
図9、
図10参照)が設けられている。
【0029】
図1に示すように、支持ケース3は、金属板の打ち抜き及び曲げ加工により形成され、底板31、脊板32及び天板33を有している。底板31には、継手ユニット1の継手11(六角部112)を挿通するための円形の挿通孔31aが形成されるとともに、この挿通孔31aから延びる矩形の切り欠き部31bが形成されている。この切り欠き部31bの両側の部分はスリット圧入部31c,31cとして設けられている。スリット圧入部31c,31cの対向間隔は、継手1の2つのスリット部112a,112aの間隔に整合する寸法であり、継手1のスリット部112a,112aに対してスリット圧入部31c,31cを圧入可能となっている。なお、底板31にはマイクロスイッチ5に接続されるリード線を引き出すリード線引き出し孔31dが形成されている。
【0030】
支持ケース3の脊板32には、補強板2の6つの固定用爪22a,23aをそれぞれ嵌め込むための6つの固定用孔32aが形成されている。また、脊板32には、当該圧力応動スイッチを冷凍装置等に固定するための固定用ボス32bが形成されている。さらに、この固定用ボス32bよりも内側にマイクロ作動位置調整ネジ42を臨ませる調整ネジ孔32cが形成されている。
【0031】
図5に示すように、継手11の六角部112において、接合部111側の根元部の高さ(軸線L方向の長さ)D1は補強板2の底板21の厚さと同寸である。また、スリット部112aの幅(軸線L方向の長さ)D2は支持ケース3の底板31の厚さと同寸である。これにより、
図7及び
図8に示すように組込みアッセンブリ10を構成した状態で、継手11の接合部111は底板21に当接され、
図8に示すようにスリット部112a内の上側の内面が底板21の表面と面一になる。
【0032】
組込みアッセンブリ10を支持ケース3に組み付けるには、以下のようにする。まず、
図1のように補強板2の固定用爪22a,23aを支持ケース3の脊板32側に向け、
図2のように支持ケース3の底板31の挿通孔31a内に継手11の六角部112を挿入する。この状態で、スリット部112aはスリット圧入部31cと平行になるので、
図3のように組込みアッセンブリ10を脊板32側に移動し、スリット部112a内にスリット圧入部31cを圧入する。このとき、固定用爪22a,23aを脊板32の固定用孔32a内に嵌め込む。そして、
図4に示すように固定用爪22a,23aを折り曲げて、補強板2自体を支持ケース3に固定する。また、継手11の六角部112の六角柱の角Aの部分を支持ケース3側にかしめる。このかしめにより六角柱の角Aで挟まれた辺面部分が外側に僅かに膨出し、継手11と支持ケース3がさらに強固に固定される。
【0033】
以上のように組み付けると、スリット部112aに圧入固定された支持ケース3の底板31と、継手11の接合部111の下端面とにより、補強板2の底板21が挟持された状態となる。また、補強板2の六角形の挿通孔21aに継手11の六角部112が嵌合されるので、補強板2に対して継手ユニット1の軸線L回りの回動が防止される。これにより、組込みアッセンブリ10が支持ケース3に確実に固定される。
【0034】
なお、マイクロ作動位置調整ネジ42は、脊板32の調整ネジ孔32cの位置になる。すなわち、マイクロ作動位置調整ネジ42が当該圧力応動スイッチの表側にないので、ユーザ等がこのマイクロ作動位置調整ネジ42を不用意に操作するのを防止することができる。
【0035】
以上の圧力応動スイッチは冷凍サイクルの圧縮機の冷媒等、各種流体の圧力を検出するものであるが、この圧力応動スイッチの構造で、
図10に示す温度スイッチを構成することもできる。
図10の温度スイッチは、継手11のフレアー継手部113に対して、ホルダ14により感温筒20に連通するキャピラリ30を接続したものである。なお、
図9と
図10の本体の表示部において、
図9では圧力に関する目盛表示となっており、
図10は温度に関する目盛表示となっている。
【0036】
以上の参考例では、継手ユニット1を一つだけ設けたものであるが、特許文献1のように、高圧側圧力と低圧側圧力とに対して継手ユニットをそれぞれ設け、前記参考例の継手ユニット1、補強板2及び支持ケース3と同様な取り付け構造適用することもできる。
【0037】
図11乃至
図13は、継手ユニットの他の参考例を示す縦断面図であり、
図12及び
図13において、
図11と同様な要素には同符号を付記して詳細な説明は省略する。
【0038】
図11に示す継手ユニット7Aは、黄銅製の継手71にベローズ72を半田付け、ろう付け、溶接等の各種接合方法により接合したものである。継手71は、切削加工により形成され、ベローズ72を接合する円柱状の接合部711と、六角柱として形成した「角柱部」としての六角部712と、外周に雄ねじ713aが形成されたフレアー継手部713と、接合部711からベローズ72の内側に設けられた「ベローズガイド」としてのベローズ内ガイド714とで構成されている。そして、六角部712の両側において接合部711に近い側に2つのスリット部712aが形成されている。なお、継手71の中心には図示しない配管(流体導入管)からの流体をベローズ72内に導入する導入穴71aが形成されている。
【0039】
この継手ユニット7Aにおいても、接合部711側の根元部の高さ(軸線L方向の長さ)D1は前記補強板2の底板21の厚さと同寸であり、また、スリット部712aの幅(軸線L方向の長さ)D2は前記支持ケース3の底板31の厚さと同寸である。そして、この継手ユニット7Aにおいても、前記参考例と同様に、スリット部712aに前記支持ケース3の底板31を圧入固定し、この支持ケース3の底板31と継手71の接合部711の下端面とにより、前記補強板2の底板21を挟持する。また、補強板2の六角形の前記挿通孔21aに継手71の六角部712が嵌合されるので、補強板2に対して継手ユニット7Aの軸線L回りの回動が防止される。これにより、補強板2に継手ユニット7Aと前記作動部を組み込んだ組込みアッセンブリが支持ケース3に確実に固定される。
【0040】
ベローズ内ガイド714は、軸線Lを中心とする円柱形状であり、その外径はベローズ72の内径(谷部の径)より僅かに小さくなっている。これによりベローズ内ガイド714の側面はベローズ72の内側に隣接した状態となる。ベローズ72の頂部72aには作動金具41が当接しており、例えば過度な高圧が加わった時、ベローズ72は作動金具41と継手71とによって軸線L方向の両端部が固定される。したがって、ベローズ72が変形しようとするとき、ベローズ72の蛇腹部の一部は軸線L方向へ変形することもあるが、ベローズ72の軸線Lに対する半径方向への変形が規制される。したがって、ベローズ72にかかる負荷は比較的均一になり、ベローズ72の耐圧性が高くなる。
【0041】
図12に示す継手ユニット7Bは、継手71と、接合部711と、六角部712と、フレアー継手部713と、接合部711の外周端部からベローズ72の外側に設けられた「ベローズガイド」としてのベローズ外ガイド715とで構成されている。この継手ユニット7Bを組み込んだ組込みアッセンブリを支持ケース3に固定する構造及び効果は、
図11の継手ユニット7Aについて説明したとおりである。
【0042】
ベローズ外ガイド715は、軸線Lを中心とする円筒形状であり、その内径はベローズ72の外径(山部の径)より僅かに大きくなっている。これによりベローズ外ガイド715の内面はベローズ72の外面に隣接した状態となる。したがって、前記同様に、例えば過度な高圧が加わった時、ベローズ72が変形しようとするとき、ベローズ72の蛇腹部の一部は軸線L方向へ変形することもあるが、ベローズ72の軸線Lに対する半径方向への変形が規制される。したがって、ベローズ72にかかる負荷は比較的均一になり、ベローズ72の耐圧性が高くなる。
【0043】
図13に示す継手ユニット7Cは、継手71と、接合部711と、六角部712と、フレアー継手部713と、接合部711からベローズ72の内側に設けられたベローズ内ガイド714と、接合部711の外周端部からベローズ72の外側に設けられたベローズ外ガイド715とで構成されている。この継手ユニット7Cを組み込んだ組込みアッセンブリを支持ケース3に固定する構造及び効果は、
図11の継手ユニット7Aについて説明したとおりである。
【0044】
ベローズ内ガイド714とベローズ外ガイド715の作用効果は
図11の継手ユニット7A及び
図12の継手ユニット7Bと同様であり、この継手ユニット7Cは、ベローズ内ガイド714とベローズ外ガイド715の両方の作用により、例えば過度な高圧が加わり、ベローズ72が変形しようとするとき、ベローズ72の軸線Lに対する半径方向への変形がさらに規制され、ベローズ72にかかる負荷が均一になり、ベローズ72の耐圧性が高くなる。
【0045】
以上の参考例では、ベローズ内ガイド714及びベローズ外ガイド715は接合部711(継手11)と一体成形により形成されているが、このベローズ内ガイド714及びベローズ外ガイド715の両方またはいずれか一方が、接合部711に対して、凹部と凸部の嵌合により圧入することで一体に構成してもよい。
【0046】
図14は本発明の実施形態の圧力応動スイッチのベローズと継手からなる組込みアッセンブリを支持ケースに取り付ける前の外観斜視図、
図15は本発明の実施形態の圧力応動スイッチの組込みアッセンブリを支持ケースに固定した取り付け状態の外観斜視図である。なお、実施形態において前記参考例と同様な要素は
図1乃至
図8と同部号を付記して詳細な説明は省略する。
【0047】
この実施形態の継手ユニット1′と参考例の継手ユニット1との違いは、参考例の継手ユニット1の「角柱部」としての六角部112にはスリット部112aが形成されているのに対して、この実施形態の継手ユニット1′の「角柱部」としての六角部112′にはスリット部が形成されていない点である。また、実施形態の支持ケース3′と参考例の支持ケース3との違いは、参考例の支持ケース3の底板31には、挿通孔31aと切り欠き部31bが形成されているのに対して、実施形態の支持ケース3′の底板31には、継手11の六角部112′を挿通するための六角形の圧入孔31eが形成されている点である。
【0048】
圧入孔31eは参考例の切り欠き部31bに対応する位置に形成されている。また、圧入孔31eの内径は、六角部112′の外径よりも僅かに小さく形成されている。そして、継手11の六角部112′を軸線L方向に圧入孔31e内に圧入することにより、継手ユニット1′を組み付けた組込みアッセンブリ10が支持ケース3′に固定される。さらに、継手11の六角部112′の六角柱の角Aの部分を支持ケース3′側にかしめられている。このかしめにより六角柱の角Aで挟まれた辺面部分が外側に僅かに膨出し、継手11と支持ケース3′がさらに強固に固定される。すなわち、支持ケース3′の底板31と、継手11の接合部111の下端面とにより、補強板2の底板21が挟持された状態となる。また、補強板2の六角形の挿通孔21aと支持ケース3′の圧入孔31eに継手11の六角部112′が嵌合されるので、継手ユニット1′の軸線L回りの回動が防止される。これにより、組込みアッセンブリ10が支持ケース3′に確実に固定される。このように、この実施形態の圧力応動スイッチは、 継手にベローズを接合した継手ユニットと、前記継手ユニットを組み込む補強板と、前記補強板及び前記ベローズに連動する機械スイッチを組み付ける支持ケースと、を備えた圧力応動スイッチであって、前記補強板には前記継手ユニットの前記継手を挿通する挿通孔が形成され、前記支持ケースには前記継手ユニットの前記継手を挿通する圧入孔が形成され、前記補強板の裏側から前記挿通孔に前記継手ユニットの前記継手を挿通するとともに、該補強板が該継手ユニットと前記支持ケースによって挟みこまれるように、前記継手を前記圧入孔に対して軸線方向に圧入して該継手を該支持ケースに圧入固定することで、当該継手ユニットを前記支持ケースに取り付けるようにしたことを特徴とする圧力応動スイッチである。また、圧入孔の内径は、六角部112′の外径よりも僅かに小さく形成された圧力応動スイッチである。この実施形態の圧力応動スイッチによれば、請求項1の効果に加えて、支持ケースにおいて継手を挿通する箇所が圧入孔であるため、この継手の周囲全周に支持ケースの例えば底板の部材があるため、支持ケースが開放されることなく支持ケースの強度を保つことができる。また、継手を圧入孔に対して軸線方向に圧入しているため、継手ユニットの組み付けが容易になる。また、実施形態の圧力応動スイッチは、上記の構成に加えて、前記補強板に、前記継手ユニットと共に、前記ベローズに連動して前記機械スイッチを作動させる作動部を組み込むようにしたことを特徴とする圧力応動スイッチである。このように、補強板に継手ユニットと共に作動部も組み込んだので、これらの組込みアッセンブリとして一体に扱うことができ、組み立て作業が容易になる。また、実施形態の圧力応動スイッチは、上記の構成に加えて、前記継手の前記ベローズ側の根元が角柱であり、前記補強板の前記挿通孔が当該角柱に整合する多角形の孔であることを特徴とする圧力応動スイッチである。このように、補強板の多角形の挿通孔に継手の角柱部の部分が嵌合されるので、補強板に対する継手ユニットの回動を防止することができ、確実に固定することができる。また、実施形態の圧力応動スイッチは、上記の構成に加えて、前記継手ユニットを前記支持ケースに取り付けた状態で、前記継手ユニットの前記継手の角柱の角を前記支持ケース側にかしめたことを特徴とする圧力応動スイッチである。このように、継手ユニットの取り付け状態で継手の角柱の角を支持ケース側にかしめるようにしたので、継手ユニットを支持ケースに対してさらに確実に固定することができる。また、実施形態の圧力応動スイッチは、上記の構成に加えて、感温筒を備え、前記継手ユニットを前記支持ケースに取り付けた状態で、前記継手ユニットの前記継手に、前記感温筒に連通するキャピラリを接続したことを特徴とする圧力応動スイッチである。これにより、上記の効果を有する温度スイッチを構成することができる。
【0049】
参考例の継手ユニット1及び実施形態の継手ユニット1′は、
図11のようにベローズ内ガイド714を設けたものでもよいし、
図12のようにベローズ外ガイド715を設けたものでもよいし、
図13のようにベローズ内ガイド714とベローズ外ガイド715を設けたものでもよい。すなわち、実施形態の圧力応動スイッチは、前記の構成に加えて、前記継手ユニットの前記ベローズの内側及び/または外側に、該ベローズの軸線に対する半径方向への変形を規制するベローズガイドを備えたことを特徴とする圧力応動スイッチである。このように、ベローズの半径方向の変形が規制されるので、ベローズにかかる負荷は比較的均一になり、ベローズの耐圧性が高まる。
【0050】
また、参考例及び実施形態では、継手の角柱部が六角柱で補強板の挿通孔が六角形の場合を例として説明したが、この角柱部と挿通孔は継手の回動を防止できる形状であればよく、角柱部が三角柱、四角柱、五角柱、その他の正多角形柱で、補強板の挿通孔がそれぞれの角柱部に整合する多角形であればよい。また、角柱、多角形は、星形のような形状でもよい。また、実施形態における支持ケース3′の圧入孔31と、継手11の角柱部(六角部112′)の形状についても上記同様である。