(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-100507(P2016-100507A)
(43)【公開日】2016年5月30日
(54)【発明の名称】メタル銅箔積層板の製造方法及びこれにより製造されたメタル銅箔積層板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/03 20060101AFI20160425BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20160425BHJP
H05K 1/05 20060101ALI20160425BHJP
【FI】
H05K1/03 630H
B32B15/08 J
H05K1/05 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-237658(P2014-237658)
(22)【出願日】2014年11月25日
(71)【出願人】
【識別番号】514300661
【氏名又は名称】アジュ スチール カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,テ イル
(72)【発明者】
【氏名】リ,キュ チャン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジュン ウン
【テーマコード(参考)】
4F100
5E315
【Fターム(参考)】
4F100AA21D
4F100AB01A
4F100AB17C
4F100AK36D
4F100AK52D
4F100CA19D
4F100CA21D
4F100CA23D
4F100CB00B
4F100DE03D
4F100EC012
4F100EH461
4F100EH46D
4F100EJ301
4F100EJ30A
4F100EJ30B
4F100EJ30C
4F100JG01D
4F100YY00D
5E315AA03
5E315BB02
5E315BB04
5E315CC01
5E315CC15
5E315GG20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】金属層の一面に保護フィルムを付着する必要がないようにして、コストと作業工数を削減するメタル銅箔積層板の製造方法を提供する。
【解決手段】(a)ベースメタルの金属層10をシート状に切断する段階と(b)RCCラインにおいて銅箔層30に絶縁接着層20を形成した後、前記金属層10と同じ大きさに切断する段階と(c)銅箔層30に形成された絶縁接着層20が、前記金属層10を向くように密着させた後、銅箔層30と金属層10を圧着する段階と、(d)銅箔層30と金属層10が圧着されたメタル銅箔積層板を必要な大きさに切断する段階とからなるメタル銅箔積層板の製造方法において、前記(a)段階で、前記金属層10をシート状に切断する前に、コイル状態のメタル一面に塗装層50を形成し、前記(c)段階で、銅箔層30に形成された絶縁接着層20を塗装層50が形成されない金属層10の一面と圧着することを特徴とする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)切断ラインでベースメタルである金属層10をシート状に切断する段階戸、
(b)RCC(Resin Coated Copper Foil)ラインで銅箔層30に絶縁接着層20を形成した後、前記金属層10と同じ大きさに切断する段階と、
(c)銅箔層30に形成された絶縁接着層20が、前記金属層10を向くように密着させた後、ホットプレス(Hot Press)に銅箔層30と金属層10を圧着する段階と、
(d)銅箔層30と金属層10が圧着されたメタル銅箔積層板を必要な大きさに切断してピシビ(PCB)メーカーに供給する段階とを含みからなるメタル銅箔積層板の製造方法において、
前記(a)段階において、
前記金属層10をシート状に切断する前に、表面処理ラインでコイル状態のメタル一面に塗料を塗装して塗装層50を形成し、
前記(c)段階において、
銅箔層30に形成された絶縁接着層20を塗装層50が形成されない金属層10の一面と密着させた後、圧着することを特徴とするメタル銅箔積層板の製造方法。
【請求項2】
前記塗装層50を形成する塗料は、
シリコン変性樹脂が全体塗料組成物に対して40〜65重量%、溶剤が25〜55重量%、伝導性フィラー(Filler)が3〜15重量%、メラミン樹脂が3〜15重量%、触媒が0.1〜5.0重量%、表面調整剤0.1〜5.0重量%で組成されることを特徴とする、請求項1に記載のメタル銅箔積層板の製造方法。
【請求項3】
前記シリコン変性樹脂にシリコンが樹脂固形分基準で20〜50重量%含むことを特徴とする、請求項2に記載のメタル銅箔積層板の製造方法。
【請求項4】
前記伝導性フィラーは、針状酸化チタンの表面に酸化スズ系導電層の処理をして製造されることを特徴とする、請求項2に記載のメタル銅箔積層板の製造方法。
【請求項5】
前記表面調整剤は、非シリコン系であることを特徴とする、請求項2に記載のメタル銅箔積層板の製造方法。
【請求項6】
第1項乃至第5項の内、いずれか一項に記載の方法によって製造されることを特徴とするメタル銅箔積層板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタル(Metal)印刷回路基盤などを製造するために使用されるメタル銅箔積層板の製造方法及びこれにより製造されたメタル銅箔積層板に関し、更に詳細には、銅箔層が積層されるベース金属層の反対面に保護フィルムを付着する代わりに塗装層を形成することにより、保護フィルムを使用する必要がないようにして製造コストを低減し、保護フィルム除去工程が削除され、作業工数を削減することができるメタル銅箔積層板の製造方法及びこれにより製造されたメタル銅箔積層板に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、各種電子装備の制御のために使用される印刷回路基板として、メタル印刷回路基板(Metal Printed Circuit Board)が広く使用されている。
【0003】
前記メタル印刷回路基板は、ベース基材として熱伝導率の高い金属を使用するため、大電力を供給しても熱を容易に放熱させることができ、耐衝撃性があり、外部の衝撃に強いという利点がある。
【0004】
前記メタル印刷回路基板には、メタルベースの一面に銅箔(Copper Foil)を圧着させたメタル銅箔積層板が主に使用されている。
【0005】
つまりメタルベースに銅箔を積層して圧着し、圧着された銅箔層に回路パターンを形成した後、回路パターン以外の部分をエッチングによって腐食させて除去すると、特定の回路基板を製造することができる。
【0006】
ここで、前記メタルには、アルミニウムメッキ鋼板、電解亜鉛メッキ鋼板(EG:Electrolytic Galvanized Iron)、溶融亜鉛メッキ鋼板(GI:Galvanized Sheet Iron)、冷間圧延鋼板(CR:Cold Rolled Iron)などが使用される。
【0007】
このようなメタル銅箔積層板では、回路が形成される銅箔層の電流が伝導性のあるベース金属層に伝達されないようにしなければならない。
【0008】
このため、前記銅箔層とベース金属層を圧着する際に、絶縁接着剤を使用している。
【0009】
前記絶縁接着層は、銅箔層の電流がベース金属層に伝達されないように、十分な絶縁性を持たなければならない。もし、絶縁接着層に絶縁不良が発生すると、メタルピシビ(PCB)の製造後、回路とベース金属層の間でショート(Short)が発生することがあるからである。
【0010】
図1及び
図2は、前記した従来のメタル銅箔積層板を示したものである。
【0011】
従来のメタル銅箔積層板の製造方法を
図1及び
図2を参照して説明すると、まず、切断ラインでベースメタルである金属層10をシート状に切断する。
【0012】
また、RCC(Resin Coated Copper Foil)ラインで銅箔層30に絶縁接着層20をコーティングした後、前記金属層10と同じ大きさに切断する。
【0013】
続いて銅箔層30に形成された絶縁接着層20が、前記金属層10を向くようにした後、ホットプレス(Hot Press)に銅箔層30と金属層10を圧着させる。
【0014】
最後に、銅箔層30が付着されていない金属層10の一面に保護フィルム40を取り付け、必要な大きさに切断してピシビメーカーに供給する。
【0015】
前記保護フィルム40には、PET(Polyethylene Terephthalate)フィルムが主に使用されている。
【0016】
前記保護フィルム40は、銅箔積層板メーカーでピシビメーカーに銅箔積層板が移送される間に金属層10の損傷を防止し、特にピシビメーカーで印刷回基板のエッチング作業時の金属層40が損傷されるのを防止する役割をする。
【0017】
ピシビメーカーからの印刷回路基板の製造が完了したら、保護フィルム40を取り除いた後、これを電子部品メーカーに供給する。
【0018】
ところが、前記した従来のメタル銅箔積層板の製造方法によれば、銅箔積層板メーカーで金属層10の一面に、高価なPET保護フィルム40を取り付けなければならない問題点がある。これは、製造コストの上昇につながることになる。
【0019】
また、従来のメタル銅箔積層板の製造方法によれば、ピシビメーカーで印刷基板の製造を完了した後、金属層10の一面に付着された前記保護フィルム40をいちいち取り外さなければならないという問題点がある。
【0020】
したがって、前記保護フィルム40を除去する工程が追加され、作業工数が増え、小さな部品に付着した保護フィルム40をいちいち剥がす作業が容易でないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2007−39006号
【特許文献2】韓国公開特許第10−2007−0040918号
【特許文献3】韓国登録特許公報第10−1214261号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、前記した従来技術の問題点を解決するためのものであって、メタル銅箔積層板の製造時に金属層の一面に保護フィルムを付着する必要がないようにして、メタル銅箔積層板の製造コストを低減することを目的とする。
【0023】
本発明の他の目的は、金属層の一面に保護フィルムを付着しなくても銅箔積層板の運搬時及び印刷回路基板エッチング作業時に金属層が損傷されることを防止することにある。
【0024】
本発明のまた他の目的は、ピシビメーカーで印刷基板の製造を完了した後、保護フィルムを除去する工程を削除して作業工数を大幅に削減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0025】
前記目的を達成するために、本発明は、(a)切断ラインでベースメタルである金属層をシート状に切断する段階と(b)RCCラインで銅箔層に絶縁接着層を形成した後、前記金属層と同じ大きさに切断する段階と(c)銅箔層に形成された絶縁接着層が、前記金属層を向くように密着させた後、ホットプレスで銅箔層と金属層を圧着する段階と(d)銅箔層と金属層が圧着されたメタル銅箔積層板を必要な大きさに切断してピシビメーカーに供給する段階とを含みからなるメタル銅箔積層板の製造方法において、前記(a)段階で、前記金属層をシート状に切断する前に、表面処理ラインでコイル状態のメタル一面に塗料を塗装して塗装層を形成し、前記(c)段階で、銅箔層に形成された絶縁接着層を塗装層が形成されない金属層の一面と密着させた後、圧着することを特徴とする。
【0026】
また、前記塗装層を形成する塗料は、シリコン変性樹脂が全体塗料組成物に対して40〜65重量%、溶剤が25〜55重量%、伝導性フィラー(Filler)が3〜15重量%、メラミン樹脂が3〜15重量%、触媒が0.1〜5.0重量%、表面調整剤が0.1〜5.0重量%で組成されることを特徴とする。
【0027】
また、前記シリコン変性樹脂にシリコンが樹脂固形分基準で20〜50重量%含むことを特徴とする。
【0028】
また、前記伝導性フィラーは、針状酸化チタンの表面に酸化スズ系導電層の処理をして製造されることを特徴とする。
【0029】
また、前記表面調整剤は、非シリコン系であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係れば、メタル銅箔積層板の製造時に金属層の一面に、高価の保護フィルムを付着する必要がないため、メタル銅箔積層板の製造コストを大幅に削減することができる効果がある。
【0031】
また、金属層の一面に保護フィルムを付着しなくても銅箔積層板の運搬時及び、印刷回路基板エッチング作業時に金属層が損傷されることを効率的に防止することができる効果がある。
【0032】
また、ピシビメーカーで印刷回路基板の製造を完了した後、保護フィルムを除する必要がないため、作業工数を大幅に削減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】従来のメタル銅箔積層板の分解斜視図である。
【
図2】本発明に係るメタル銅箔積層板の分解斜視図である。
【
図3】本発明に係るメタル銅箔積層板の製造工程のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、
図2及び
図3参照しながら、本発明に係るメタル銅箔積層板の好ましい実施の形態を説明する。
【0035】
本発明に係るメタル銅箔積層板の製造方法は、(a)切断ラインでベースメタルである金属層10をシート状に切断する段階と (b)RCC(Resin Coated Copper Foil)ラインで銅箔層30に絶縁接着層20を形成した後、前記金属層10と同じ大きさに切断する段階と、(c)銅箔層30に形成された絶縁接着層20が、前記金属層10を向くように密着させた後、ホットプレス(Hot Press)で銅箔層30と金属層10を圧着する段階と、(d)銅箔層30と金属層10が圧着されたメタル銅箔積層板を必要な大きさに切断してピシビメーカーに供給する段階とを含みからなるメタル銅箔積層板の製造方法において、前記(a)段階で、前記金属層10をシート状に切断する前に、表面処理ラインでコイル状態のメタル一面に塗料を塗装して塗装層50を形成し、前記(c)段階で、銅箔層30に形成された絶縁接着層20を塗装層50が形成されない金属層10の一面と密着させた後、圧着することを特徴とする。
【0036】
従来のメタル銅箔積層板は、金属ベースである金属層10と銅箔層30を絶縁接着層20を介して圧着した後、銅箔層30が付着されない金属層10の他の面にPETフィルム等の保護フィルム40を取り付けて、製造している。
【0037】
これにより、高価な保護フィルム40を使用するため、製造コストが上昇され、印刷回路基板の製造が完了した後は、再度、前記保護フィルム40をいちいち剥がしなければならため、作業工数が増加するという問題点があった。
【0038】
しかし、本発明に係るメタル銅箔積層板の製造方法に係れば、コイルの状態の金属層10の一面に所定の塗料を塗装して塗装層50を形成した後、銅箔を圧着するになるので、金属層10の背面を保護するための別途の保護フィルムが不要となり、印刷回路基板の製造後に保護フィルムを剥がす工程を省略することができる。
【0039】
以下、
図3を参考にして、本発明に係るメタル銅箔積層板の製造方法を詳細に説明する。
【0040】
まず、コイルの状態で巻かれているアルミメッキ鋼板、電解亜鉛メッキ鋼板(EG:Electrolytic Galvanized Iron)溶融亜鉛メッキ鋼板(GI:Galvanized Sheet Iron)、冷間圧延鋼板(CR:Cold Rolled Iron)などのメタル一面に塗料をコーティングして塗装層50を形成する(前記塗装層を形成する塗料の特性に関しては後述する)。
【0041】
つまり、表面処理ラインにおいてコイル状態のメタルベースの一面にコーティングを実施する。
【0042】
続いて切断ラインにおいて、前記メタルベースをシート状に切断する。
【0043】
一方、RCC(Resin Coated Copper Foil)ラインで銅箔層30に絶縁接着層20を形成した後、切断ラインでシート状に切断されたメタルと同じ大きさに切断する。
【0044】
続いて、前記銅箔層30に形成された絶縁接着層20が金属層10を向くように密着させた後、ホットプレス(Hot Press)に銅箔層30と金属層10を圧着する。
【0045】
これにより、金属層10に銅箔層30が圧着されたメタル銅箔積層板が製造が完了する。
【0046】
このように製造されたメタル銅箔積層板は、必要な大きさに再度切断されピシビメーカーに供給される。
【0047】
ピシビメーカーでは、銅箔層に印刷パターンを形成して印刷回路基板を製作した後、電子部品メーカーに供給をすることになる。
【0048】
本発明に係れば、従来のように金属層10を保護するための保護フィルム40を使用しなく、特殊な塗料で形成された塗装層50が、従来の保護フィルム40の役割を代わりにすることになる。
【0049】
これにより、高価な保護フィルム40を取り付ける必要がなく、印刷回路基板の製造が完了した後、保護フィルム40をいちいち剥がす作業が不要となる。
【0050】
以下、本発明の塗装層50に使用される塗料の特性について説明する。
【0051】
本発明に係る塗装層50は、保護フィルム40を使用しなくコーティングするだけで金属層10を保護する役割を実行するため、特殊な塗料を使用しなければならない。
【0052】
すなわち、本発明の塗装層50を形成するための塗料は、まず高温に対する耐久性を持たなければならず、金属層10の接着力が優れていなければならない。
【0053】
また、エッチング作業時の金属層10を保護するためには、耐薬品性、特に耐酸性が優れていなければならず、電気伝導度及び耐熱性にも優れていなければならないことが要求される。
【0054】
本発明者らは数多くの実験と試行錯誤の末、前記のような要件を満たする塗料を開発することになった。
【0055】
本発明に係る塗装層50を形成する塗料は、シリコン変性樹脂が全体塗料組成物に対して40〜65重量%、溶剤が25〜55重量%、伝導性フィラー(Filler)が3〜15重量%、メラミン樹脂が3〜15重量%、触媒が0.1〜5.0重量%、表面調整剤が0.1〜5.0重量%で組成されることを特徴とする。
【0056】
前記シリコン変性樹脂は、メイン樹脂として全塗料組成物に対して40〜65重量%添加することが好ましい。
【0057】
前記シリコン変性樹脂が40重量%以下になると、金属層への接着力及び耐熱性が低下し、65重量%を超えると、塗料のゲル(Gel)化が進み、好ましくない。
【0058】
また、シリコン変性樹脂においてシリコンは、樹脂固形分を基準として20〜50重量%含むことが好ましい。
【0059】
前記溶剤は、全塗料組成物に対して25〜55重量%添加することが好ましい。溶剤が25重量%未満であると金属層との付着力が低下し、55重量%を超えるとゲル化を促進させることになる。
【0060】
前記溶剤としてはアルコール系、ケトン系、エーテル系を使用することが好ましい。
【0061】
また、本発明に係る伝導性フィラーは、針状酸化チタンの表面に酸化スズ系導電層の処理をして製造される。
【0062】
前記伝導性フィラーは、電気伝導性が優れて、一般的な塗膜の実現出来ない耐薬品性、電気伝度性及び耐熱性を実現することができる。
【0063】
前記メラミン樹脂は、架橋剤として添加されるものであり、3〜15重量%含有されることが好ましい。メトキシメラミンまたはブトキシメラミンが単独または混合して使用することができる。
【0064】
前記触媒は、全塗料組成物に対して0.1〜5.0重量%含有されることが好ましく、p−トルエンスルホン酸(p−TSA)、ジナフタレンスルホン酸(DNNDSA)、ディーノニールナフタレンスルホン酸(DNNSA)、ドデシルベンゼンスルホン酸(DDBSA)などが単独または混合して使用することができる。
【0065】
前記表面調整剤は、全塗料組成物に対して0.1〜5.0重量%含むことが好ましい。シリコン系表面調整剤は、金属層との付着力が低下するため、非シリコン系を使用することが好ましい。
【0066】
前記した方法によって製造されるメタル銅箔積層板によれば、特殊な塗料によって形成される塗装層50が、従来の保護フィルム40の機能を実行することになるので、銅箔積層板メーカーでは、金属層10の一面に高価な保護フィルム40を取り付けてピシビメーカーに供給しなくてもよい。
【0067】
これにより、メタル箔積層板の製造コストを大幅に削減することができるようになる。
【0068】
また、ピシビメーカーでは、印刷回路基板の製造を完了した後、保護フィルム40をはがす作業が不要となり、作業工数の削減で生産性を向上させることができる。
【0069】
以上では、本発明の好適な実施の形態を例示的に説明したものであり、本発明の範囲は前記した特定の実施の形態に限定されない。当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想の範囲を逸脱することなく様々な変更及び修正が可能であることが分かる。
【符号の説明】
【0070】
10:金属層
20:絶縁接着層
30:銅箔層
40:保護フィルム
50:塗装層