【解決手段】薬収容装置10は、一パターン分の薬を収容するピルケース20を複数、所定の循環方向に循環させつつ、並べて保持するための保持機構40を備えている。また、保持機構40によって保持されているピルケース20のうち特定位置に到来したものについては、薬を取り出し可能となるが、特定位置以外の位置に存在するピルケース20については薬の取り出しが制限された状態になる。そのため、循環方向に並べられた各ピルケース20に服用すべき順番に薬を収容させておけば、ピルケース20を順次循環させつつ、特定位置に到来したピルケース20に収容されている薬を取り出して服用することにより、薬を取り違えることなく、処方された通りに服用することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術の収容容器においては、あらかじめ薬局等で購入した薬を一回分ごとに小分けにし収納する必要があったが、この作業に手間がかかり面倒であった。また、薬の小分け作業の回数が多いので、この際の作業ミスが起こる可能性もある。更に、また、上述した従来技術の収納容器においては、各薬剤収容部に収容された薬剤は、結局どの場所のものでもいつでも服用可能で、服用すべきタイミングまで示唆できるものではなく、間違ったタイミングで薬剤を服用してしまう可能性があった。具体的には、従来技術の収納容器においては、例えば朝、昼、晩のそれぞれのタイミングで服用すべき薬剤を各薬剤収容部に準備しておいたとしても、それぞれのタイミングでどの薬剤収容部に収容されている薬剤を服用すれば良いのかが直感的に分かりにくいという問題があった。そのため、従来技術の収容容器においては、誤ったタイミングで薬剤を服用してしまうことや、薬剤の服用忘れ等の事故が生じかねないといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、薬の小分け作業を減らしつつ、繰り返し同じパターンで行われる服薬時に、パターン数に合わせて分けておいた薬を取り違えることなく、服用可能とするための薬収容装置の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決すべく提供される本発明は、
薬を収容するピルケースと、
前記ピルケースを複数、所定の循環方向に循環させつつ、並べて保持可能な保持機構とを備え、
前記ピルケースのうち特定位置に到来したものについて薬を取り出し可能であり、前記特定位置以外の位置に存在する前記ピルケースについて薬の取り出しが制限される、
ことを特徴とする薬収容装置である。
【0007】
上述した本発明の薬収容装置は、
前記特定位置において薬の取り出しを完了した後のピルケースが、前記特定位置に対して前記循環方向の最後尾の位置に配列されるものであることが好ましい。
【0008】
上述した本発明の薬収容装置は、
前記特定位置に到来したピルケースを、前記保持機構から取り外し可能であり、
前記ピルケースが、前記保持機構から取り外されることを条件として薬を取り出し可能となるものであることが望ましい。
【0009】
上述した本発明の薬収容装置は、
前記ピルケースに、薬の服用時期を示す識別子が付されているものであることが好ましい。
【0010】
上述した本発明の薬収容装置は、
前記保持機構により保持される前記ピルケースの個数を変更可能なものとすることも可能である。
【0011】
上述した本発明の薬収容装置は、
各ピルケースについて前記循環方向に隣接する他のピルケースの存在を検知する検知装置と、
前記循環方向に隣接する前記ピルケース同士を連結する連結機構と、
前記検知装置による検知状態に応じて前記連結機構による前記ピルケース同士の連結を電気的に制御可能な制御装置と、
薬の取り出しが不可能となるように前記ピルケースを閉止する閉止機構を有し、
前記連結機構による連結が解除されることを条件として、連結解除された前記ピルケースから薬の取り出しが可能なものであっても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明の薬収容装置は、薬を収容するピルケースを複数、所定の循環方向に循環させつつ、並べて保持するための保持機構を備えている。また、保持機構によって保持されているピルケースのうち特定位置に到来したものについては、薬を取り出し可能となるが、特定位置以外の位置に存在するピルケースについては薬の取り出しが制限された状態になる。そのため、循環方向に並べられた各ピルケースに服用すべき順番に薬を収容させておけば、ピルケースを順次循環させつつ、特定位置に到来したピルケースに収容されている薬を取り出して服用することにより、薬を取り違えることなく、処方された通りに服用することが可能となる。
【0013】
また、本発明の薬収容装置は、特定位置において薬が取り出されたピルケースを特定位置に対して循環方向の最後尾の位置に配列することにより、ピルケースの順序を崩すことなく循環させることが可能となる。これにより、準備しておいた薬を取り違えることなく、正確なタイミングで服用可能とすることができる。
【0014】
本発明の薬収容装置は、特定位置に到来したピルケースを保持機構から取り外すことを条件として薬を取り出し可能となるものとすることにより、特定位置に到来していないピルケースから誤って薬が取り出されるのを防止できる。これにより、服用すべきである薬を確実に服用させることが可能となる。
【0015】
本発明のように、ピルケースに薬の服用時期を示す識別子を付したものとすることにより、服用時期の間違いをより一層防止することができる。
【0016】
本発明の薬収容装置は、保持機構により保持されるピルケースの個数を変更可能なものであるため、薬を服用すべき回数に応じてピルケースの個数を調整して使用することができる。
【0017】
本発明の薬収容装置は、各ピルケースについて循環方向に隣接する他のピルケースの存在を検知する検知装置と、循環方向に隣接する前記ピルケース同士を連結する連結機構と、検知装置による検知状態に応じて連結機構によるピルケース同士の連結を電気的に制御可能な制御装置と、薬の取り出しが不可能となるようにピルケースを閉止する閉止機構とを備えたものである。また、本発明の薬収容装置においては、連結機構による連結が解除されることを条件として、連結解除されたピルケースから薬の取り出しが可能となる。そのため、本発明の薬収容装置においては、連結が解除されたピルケースに収容されている薬だけが服用可能であり、連結状態にある他のピルケースに収容されている薬を誤って服用してしまうことを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
続いて、本発明の薬収容装置の好ましい実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
≪第一実施形態≫
以下、本発明の第一実施形態に係る薬収容装置10について説明する。
図1に示すように、薬収容装置10は、複数のピルケース20と、筐体30と、保持機構40とを備えている。
【0021】
ピルケース20は、薬を一パターン分ずつ収容するためのものである。ピルケース20は、外観が略直方体であって中空の箱体によって構成されている。ピルケース20の側面22には、識別子24が付されている。識別子24は、ピルケース20に収容されている薬の服用時期を示すためのものである。具体的には、朝に服用すべき薬を収容するためのピルケース20(以下、「朝用ピルケース20c」とも称す)には、「朝」等の文字や、朝用の薬であることを示すための記号等が識別子24として付される。同様に、昼や晩に服用すべき薬を収容するためのピルケース20,20(以下、それぞれ「昼用ピルケース20b」,「晩用ピルケース20a」とも称す)には、「昼」あるいは「晩」等の文字や記号等が識別子24として付される。
【0022】
薬収容装置10においては、ピルケース20は、服用すべきタイミングの順番に並べた状態で積層され、筐体30内に収容される。具体的には、
図1に示す例においては、朝用ピルケース20cの上方に昼用ピルケース20bが積層され、昼用ピルケース20bのさらに上方に晩用ピルケース20aが積層される。この状態で、各ピルケース20が筐体30内に収容されている。
【0023】
筐体30は、薬収容装置10の外装をなす箱体である。筐体30の天面32には、ピルケース20を内部に導入するための導入口34が設けられている。また、筐体30の側面30aにおいて底面30b側の位置には、ピルケース20を外部に取り出すための取出口36が設けられている。
【0024】
保持機構40は、上述した筐体30内に設けられている。保持機構40は、上述したように積層された複数(本実施形態では3つ)のピルケース20を所定の循環方向に循環させつつ、並べた状態で保持可能なものであり、保持列とも換言できる。具体的には、本実施形態では、ピルケース20の積層方向である上下方向に各ピルケース20を循環させつつ、各ピルケース20を積層方向(上下方向)に並べた状態で保持することができる。すなわち、薬収容装置10においては、上下方向に積層されているピルケース20を上層側から下層側に向かい、最下層から最上層に戻る経路で移動させる循環経路で各ピルケース20を循環させることができる。
【0025】
保持機構40の構成についてさらに詳細に説明すると、保持機構40は、筐体30内においてピルケース20の積層方向(本実施形態では上下方向)に延びるように立設された支柱42を有する。支柱42は、それぞれ長手方向(軸方向)に伸縮させることができる。保持機構40は、4本の支柱42(以下、必要に応じて各支柱42を「支柱42a,42b,42c,42d」とも称す)を有しており、これらの支柱42によって囲まれた保持領域44内にピルケース20を積層した状態で保持することができる。
【0026】
薬収容装置10においては、保持機構40に保持されているピルケース20のうち、最下層にあるものを、ピルケース20の積層方向に対して交差する方向に引き出すことができる。具体的には、保持機構40において最下層のピルケース20に相当する位置には、保持領域44からピルケース20を取り出すための取出部46が設けられている。取出部46は、ピルケース20の積層方向に対して交差する方向(本実施形態では略水平方向)に向けて開口している。また、取出部46は、上述した筐体30の取出口36と連通している。そのため、保持機構40によって保持されて最下層に位置しているピルケース20を、取出部46及び取出口36を介して取り出し可能とされている。さらに詳細には、
図1に示す例においては、最下層に位置している朝用ピルケース20cを水平方向に移動させることにより、取出部46及び取出口36を介して引っ張り出すことができる。
【0027】
保持機構40には、保持領域44に対してピルケース20を導入するための導入部48が設けられている。
図1に示す例においては、導入部48は、支柱42の上端側において解放された領域によって構成されている。これにより、取出部46から取り出されたピルケース20を、取出部46に対してピルケース20の循環方向上流側に位置している導入部48を介して保持領域44内に戻すことができる。これにより、保持領域44の最下層から取り出したピルケース20を最上層に戻す循環方向でピルケース20を循環させることができる。
【0028】
保持機構40を構成する4本の支柱42のうち、取出部46側にある2本の支柱42(図示例では、支柱42a,42b)は、保持領域44の外側に向けて膨出するように湾曲している。そのため、最下層に位置しているピルケース20の側面と支柱42a,42bとの間に隙間47ができる。従って、取出部46からピルケース20を取り出す際に隙間47に指を差し入れる等すれば、ピルケース20を保持領域44から容易に引き出すことができる。
【0029】
また、各支柱42の上端部には、逆止部45が設けられている。逆止部45は、支柱42の先端側に設けられた内向きの突起であり、保持領域44内に保持されているピルケース20が循環方向とは逆方向に抜けないようにするための抜け止めとして機能する。
【0030】
保持機構40の下端側には、押出装置50が設けられている。押出装置50は、保持機構40において最下層に配置されているピルケース20を取出部46に向けて押し出すためのものである。
【0031】
本実施形態の薬収容装置10は、一パターン分の薬を収容したピルケース20を複数準備し、保持機構40の保持領域44内に服用順にセットすることにより使用可能となる。薬収容装置10を使用する場合には、保持機構40によって保持されているピルケース20のうち、最下層(特定位置)に到来したものについては、取出口36及び取出部46を介してピルケース20を取り出すことによって薬を取り出すことが可能となる。その一方で、最下層(特定位置)以外の位置にある他のピルケース20については、筐体30や保持領域44から取り出すことができず、薬も取り出せない。そのため、ピルケース20を順次循環させつつ、最下層(特定位置)に到来したピルケース20に収容されている薬を取り出して服用することにより、薬を取り違えることなく、処方された通りに服用することが可能となる。
【0032】
また、本実施形態の薬収容装置10では、最下層(特定位置)から取り外されたピルケース20を、循環方向の最後尾である最上層に戻すことにより、ピルケース20を順序を崩すことなく循環させることが可能となる。これにより、各ピルケース20に一パターン分ずつ準備しておいた薬を取り違えることなく、正確なタイミングで服用可能とすることができる。
【0033】
これに加えて、上述した薬収容装置10においては、薬の服用時期を示す識別子24が、ピルケース20に付されている。そのため、服用時期の間違いをより一層確実に防止することができる。
【0034】
上述した薬収容装置10においては、保持機構40を構成する各支柱42を軸方向に伸縮させることができる。そのため、保持機構40によって保持させるピルケース20の個数に応じて各支柱42を伸縮させることにより、薬を服用すべき回数に応じてピルケース20の個数を調整して使用することができる。なお、本実施形態では、各支柱42の長さを適宜調整可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、支柱42の長さは固定であっても良い。
【0035】
≪第二実施形態≫
続いて、本発明の第二実施形態に係る薬収容装置100について説明する。
図2に示すように、薬収容装置100は、複数のピルケース120と、筐体180とを備えている。薬収容装置100は、上述した薬収容装置10と同様にピルケース120を所定方向に積み重ねて一体化されたものであり、循環方向先頭側にあるピルケース120を切り離した後薬を取り出し、循環方向末端側に再接続して使用するものである。本実施形態の薬収容装置100は、上下方向に積層されたピルケース120のうち、最も上層側のものを取り外し、薬を取り出した後最下層側に接続する使用形態で使用する。そのため、薬収容装置100においては、ピルケース120が下層側から上層側に移動し、最上層から最下層に戻る循環経路でピルケース120を循環させる使用形態で使用される。積層されたピルケースが、ピルケース列だけで必要なもののみ取り外し可能となる場合、筐体180はなくても良い。
【0036】
図3に示すように、ピルケース120は、ケース本体130と、検知装置140と、連結機構150と、閉止機構160と、制御装置170とを備えている。
【0037】
ケース本体130は、上述したピルケース20と同様に1パターン分の薬を収容するためのものである。ケース本体130は、外観が略直方体であって中空の箱体によって構成されている。ケース本体130の天面132、及び底面134は、使用時に他のピルケース120の底面134や天面132に面接触する。
【0038】
検知装置140は、隣接する他のピルケース120の存在を検知するためのものである。検知装置140は、ケース本体130の天面132側に設けられた天面側センサ142と、底面134側に設けられた底面側センサ144とを有する。
【0039】
連結機構150は、隣接するピルケース同士を連結するための機構である。連結機構150は、天面132に設けられた天面側連結部152と、底面134側に設けられた底面側連結部155とを有する。天面側連結部152は、天面132から上方に向けて突出した凸部153を有する。また、凸部153には、ピン挿通孔154が凸部153の突出方向に対して交差する方向に形成されている。
【0040】
底面側連結部155は、凹部156と連結ピン158とを有する。凹部156は、他のピルケース120に設けられた凸部153を挿入可能な大きさ及び形状とされている。そのため、ピルケース120を複数重ね合わせた際に、下方に位置するピルケース120の天面132に設けられた凸部153が、凹部156に挿入された状態になる。また、連結ピン158は、制御装置170の制御に基づいて進退可能とされたピンである。連結ピン158は、凹部156内に挿入された凸部153に設けられているピン挿通孔154に対して進入可能とされている。そのため、下層側に配置されるピルケース120の凸部153を上層側に配置されるピルケース120の凹部156に挿入すると共に、連結ピン158をピン挿通孔154内に進入させることにより、上下方向に積層されたピルケース120,120を連結することができる。
【0041】
閉止機構160は、ピルケース120のケース本体130を閉止するための機構である。閉止機構160は、後述の制御装置170によって動作制御される。
【0042】
制御装置170は、スイッチ機能を有するものであり、このスイッチを切ると(電池切れの場合も含む。)、連結機構150がオフになり閉止機構160がオフになり、非常時のピルケース120の取り外しと、薬の取り出しがいつでも可能になる。ピルケース120の列の初期状態を作るときには、制御装置170はスイッチオフ状態から開始し、順番にスイッチをオンにしながら、ピルケース120を積み上げていく。
【0043】
また、制御装置170は、検知装置140による検知状態に応じて連結機構150によるピルケース120,120の連結を電気的に制御することができる。すなわち、ピン挿通孔154に対する連結ピン158の進退を制御装置170によって制御することにより、上下方向に積層されたピルケース120,120の連結状態を制御することができる。また、制御装置170は、閉止機構160を制御することにより、ピルケース120の開閉制御を行うことができる。
【0044】
制御装置170は、上下方向に積層された複数のピルケース120のうち、最上層に位置するピルケース120について他のピルケース120との連結を解除する制御を行う。また、連結機構150による連結が解除されることを条件として、連結解除されたピルケース120について閉止機構160の作動を解除し、薬を取り出し可能とする。一方、最上層のものを除く他のピルケース120については、連結機構150により互いに連結された状態とすると共に、閉止機構160により薬を取り出し不可能な状態とされる。
【0045】
具体的には、制御装置170は、
図4に示した動作テーブルに則って各ピルケース120について連結機構150及び閉止機構160の動作制御を行う。さらに詳細に説明すると、天面側センサ142がオフ状態であり、底面側センサ144がオン状態である場合は、制御対象であるピルケース120が最上層に位置している。この場合には、連結機構150をオフ状態として下方に隣接する他のピルケース120との連結を解除させる。また、この状態においては、未だ最上層のピルケース120が上層側のピルケース120から切り離されていないため、閉止機構160はオン状態のままとされ、薬の取り出しが不可能な状態のままとされる。
【0046】
また、天面側センサ142がオン状態であり、底面側センサ144がオン状態である場合は、制御対象であるピルケース120が中間層に位置している。この場合には、連結機構150をオン状態として隣接する他のピルケース120と連結させると共に、閉止機構160をオン状態として薬を取り出し不可能な状態とする。
【0047】
天面側センサ142がオン状態であり、底面側センサ144がオフ状態である場合は、制御対象であるピルケース120が最下層に位置しており、下層側に他のピルケース120を連結させる必要がない。そのため、連結機構150(連結ピン158)を作動させる必要がなく、連結機構150がオフ状態とされる。また、この状態においては、閉止機構160がオン状態とされ、薬の取り出しが不可能な状態とされる。
【0048】
また、天面側センサ142がオフ状態であり、底面側センサ144もオフ状態である場合は、制御対象であるピルケース120が他のピルケース120から切り離された状態にある。この場合、制御装置170は、直前の状態に基づいて連結機構150及び閉止機構160の動作制御を行う。ピルケース120が3つ以上連結されている場合は、直前の状態は最上層に存在していた場合のみである。しかし、ピルケース120が2つ連結されている場合は、上のピルケース120が外れると、下のピルケース120も一つだけ切り離された状態になるので、直前の状態として、最上層と、最下層、の2通りを考慮する。
【0049】
具体的には、制御対象であるピルケース120が他のピルケース120から切り離される直前において、天面側センサ142がオン状態であり、底面側センサ144がオフ状態である場合、すなわち直前において制御対象のピルケース120が最下層に存在していた場合には、連結機構150がオフ状態とされると共に、閉止機構160がオン状態とされ、薬の取り出しが規制される。一方、天面側センサ142がオフ状態であり、底面側センサ144がオン状態である場合、すなわち直前において制御対象のピルケース120が最上層に存在していた場合には、連結機構150がオン状態とされると共に、閉止機構160がオフ状態とされ、薬を取り出し可能な状態とされる。連結されていない状態で連結機構150がオン状態となると、底面の凹部156がロックされ、そのピルケース120の下には、ほかのピルケース120が連結できない状態となり、ピルケース120の循環が実現できる。ロックされたピルケース120は最下層に回らなくてはならない。
【0050】
上述した第二実施形態の薬収容装置100についても、第一実施形態の薬収容装置10と同様に、特定位置(本実施形態では最上層)に到達し、他のピルケース120から連結が解除されたピルケース120に収容されている薬だけが服用可能とされる。これにより、服用すべき薬のみが服用可能とされ、連結状態にある他のピルケース120に収容されている薬を誤って服用してしまうことを防止できる。
【0051】
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能であり、それらは全て本発明に含まれるものである。