特開2016-101832(P2016-101832A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イノアックコーポレーションの特許一覧

<>
  • 特開2016101832-車両用成形天井 図000003
  • 特開2016101832-車両用成形天井 図000004
  • 特開2016101832-車両用成形天井 図000005
  • 特開2016101832-車両用成形天井 図000006
  • 特開2016101832-車両用成形天井 図000007
  • 特開2016101832-車両用成形天井 図000008
  • 特開2016101832-車両用成形天井 図000009
  • 特開2016101832-車両用成形天井 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-101832(P2016-101832A)
(43)【公開日】2016年6月2日
(54)【発明の名称】車両用成形天井
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20160502BHJP
【FI】
   B60R13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-240902(P2014-240902)
(22)【出願日】2014年11月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098752
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 吏規夫
(72)【発明者】
【氏名】高橋 和則
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB03
3D023BC01
3D023BD01
3D023BE10
(57)【要約】
【課題】車体外板の車内側に取り付けられる車両用成形天井において、後工程による金属製ブラケットの接着を行うことなく側部の剛性を高めることができ、かつリサイクルや廃棄作業が容易になるようにする。
【解決手段】ウレタンフォームからなる基材11の片側に、ガラス繊維等からなる繊維材15と、不織布等からなる表面材23を積層し、基材11の他側にはガラス繊維等からなる繊維材17と不織布等からなる裏面材25を積層して接着一体にした車両用成形天井10において、成形天井10の車幅方向の側部10a、10bに、成形天井10の前後方向に沿ってウレタンフォーム等からなる補強部材21を埋設し、補強部材21の埋設部位で成形天井10の厚みを他部よりも大にして剛性を高めた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂発泡体からなる基材の片側に繊維材と表面材が積層され、前記基材の他側には繊維材と裏面材が積層されて接着一体とされた車両用成形天井であって、
前記成形天井の側部に成形天井の前後方向に沿って補強部材が埋設され、前記補強部材の埋設部位では成形天井の厚みが他部よりも大になっていることを特徴とする車両用成形天井。
【請求項2】
前記補強部材は前記基材の裏側に設けられ、前記補強部材の埋設部位では成形天井の裏面側が隆起していることを特徴とする請求項1に記載の車両用成形天井。
【請求項3】
前記基材の樹脂発泡体と前記補強部材がウレタンフォームからなり、前記基材に前記補強部材が直接接して積層されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用成形天井。
【請求項4】
前記補強部材がウレタンフォームと補強繊維材との積層からなることを特徴とする請求項3に記載の車両用成形天井。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂発泡体からなる基材に繊維材と表面材及び裏面材が積層されて接着一体にされた車両用成形天井に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の天井内装材には図7に示すような成形天井60が使用されている。従来の成形天井60の構造として、図8に示すように樹脂発泡体61の両側にガラス繊維層62、63を介して表面材65と裏面材67が積層され、接着一体化されたものがある。なお、表面材67は車内側とされる面である。
【0003】
また、成形天井60は、車両への組み付け作業時にフロントガラスまたはリアガラス用開口部から車内へ挿入される際に、成形天井の側部60a、60bでゆがんだり、折れ曲がったりして組み付け不良の原因となり易かった。
その対策として、成形天井60の側部60a、60bに後工程で、金属製あるいは硬質プラスチック製のブラケットを接着して側部を補強することが行われている。
しかし、ブラケットを接着するための後工程が余分に必要となるため、成形天井の製造が煩雑になり、コストが高くなる問題がある。さらに、成形天井に金属製ブラケットを接着したものは、リサイクルや廃棄の際に金属製ブラケットを分離する必要があり、作業が面倒になる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−331673号公報
【特許文献2】特開2002−337160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、後工程による金属製ブラケットの接着を行うことなく側部の剛性を高めることができ、かつリサイクルや廃棄作業が容易になる車両用成形天井の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、樹脂発泡体からなる基材の片側に繊維材と表面材が積層され、前記基材の他側には繊維材と裏面材が積層されて接着一体とされた車両用成形天井であって、前記成形天井の側部に成形天井の前後方向に沿って補強部材が埋設され、前記補強部材の埋設部位では成形天井の厚みが他部よりも大になっていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記補強部材は前記基材の裏側に設けられ、前記補強部材の埋設部位では成形天井の裏面側が隆起していることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記基材の樹脂発泡体と前記補強部材がウレタンフォームからなり、前記基材に前記補強部材が直接接して積層されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3において、前記補強部材がウレタンフォームと補強繊維材との積層からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、成形天井の組み付け等の際にゆがんだり、折れ曲がったりし易い側部に成形天井の前後方向に沿って補強部材を埋設したことにより、側部の剛性を高め、ゆがみや折れ曲がりを生じ難くできる。さらに、側部の厚みを大にしたことによっても剛性を大にすることができ、補強部材の埋設と厚みの増大との相乗効果によって、側部の剛性を効果的に高めることができ、側部のゆがみや折れ曲がりを生じ難くできる。
【0011】
請求項2の発明によれば、補強部材の埋設部位で成形天井の裏面側を隆起させたことにより、補強部材の埋設部の厚みの増大による形状の影響を、成形天井の車内側となる表面側に生じないようにでき、成形天井の車内側デザインの制約及び車内空間の減少を生じないようにできる。
【0012】
請求項3の発明によれば、基材の樹脂発泡体と補強部材が何れもウレタンフォームからなるため、原料の調達準備がし易くなり、また、接着による剛性及び剥離強度を増大させることができる。
【0013】
請求項4の発明によれば、前記補強部材がウレタンフォームと補強繊維材との積層からなるため、補強部材による剛性増大効果をさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例の車両用成形天井を裏側から見た斜視図である。
図2図1の2−2断面図及びA部の拡大図である。
図3】車両用成形天井の製造時における熱プレス前の各部材及び熱プレス型の断面図である。
図4】熱プレス時を示す熱プレス型の断面図である。
図5】熱プレス後の成形品取り出し時を示す熱プレス型の断面図である。
図6】他の実施例に係る車両用成形天井の側部付近を示す断面図である。
図7】従来の車両用成形天井を裏側から見た斜視図である。
図8図7の8−8断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示す一実施例の車両用成形天井10は、車両の車体外板の内側に取り付けられる天井材であり、その2−2断面図である図2に示すように、基材11、繊維材15、17、補強部材21、表面材23、裏面材25が所定位置に積層され、接着一体化されている。前記成形天井10は、車両の側部側と対応する側部10a、10bで湾曲し、車内側へ曲がっている。
【0016】
前記基材11は、前記成形天井10に断熱性及び吸音性を付与するものであって、樹脂発泡体からなる。樹脂発泡体としては、ウレタンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、塩化ビニルフォーム、ポリスチレンフォーム等を使用することができる。特に、断熱性、吸音性、衝撃吸収性の点から、半硬質ウレタンフォームや軟質ウレタンフォーム等のウレタンフォームが好ましい。ウレタンフォームは、前記成形天井10の成形時に70〜220℃の熱プレス成形によって曲面を付与することができ、前記成形天井10の基材11として好適なものである。熱プレス成形としては、成形材を70〜220℃に加熱した後、常温のプレス型で加圧するコールドプレス法、または常温の成形材を70〜220℃に加熱したプレス型で加圧するホットプレス法があり、何れを用いてもよい。
【0017】
前記基材11には、繊維材15、17、補強部材21、表面材23及び裏面材25を接着一体化するためのバインダー(接着剤)が含浸硬化している。前記バインダーの含浸硬化によって前記成形天井10の剛性が増大している。
【0018】
前記バインダーとしては、安価で、しかも良好な接着性が得られる液状イソシアネートが挙げられる。この液状イソシアネートは、湿分硬化型、すなわち、熱及び触媒の存在下で水(空気中の湿分の場合もある)との反応により反応硬化し、その硬化によって接着剤として機能するものであり、特に制限されることなく使用できる。例えば、芳香族系のTDI(トルエンジイソシアネート)、ポリメリックMDI(4,4’ジフェニルメタンジイソシアネート)、NDI(1,5−ナフタレンジイソシアネート)、TODI(トリジンジイソシアネート)、PPDI(パラフェニレンジイソシアネート)、XDI(キシリレンジイソシアネート)、TMXDI(テトラメチルキシレンジイソシアネート)及びそれらの変成体等が挙げられる。好ましくは、ポリメリックMDIや、ウレタン変成,アロファネート変性,ビューレット変性,カルボイミド/ウレトニミン変性等種々の変性がなされた変性TDI、変性MDI等のTDI,MDIの変成体や、それらの混合物の使用が適している。
【0019】
これらのうち、粘度が3〜300cpの液状イソシアネートは、浸透性や塗布性等に優れるため、より好ましいものである。また、これらのうち特にポリメリックMDIは蒸気圧が低く無機繊維としてのガラス繊維との親和性が良好で、反応性・接着性、作業性の面で適している。これら液状イソシアネートの種類は、接着性・積層品の剛性・反応性・作業性等に応じて適宜選択して用いられる。
【0020】
前記基材11の両側に配置された繊維材15、17は、成形天井10の剛性を高めるためのもので、炭素繊維、ガラス繊維等からなるものを使用できる。特にガラス繊維は、安価で剛性が高く、好ましいものであり、ガラス繊維のチョップ(ロービングガラスをカットしたもの)を堆積して層状としたもの、あるいはガラス繊維マット、ガラス繊維クロス等のものが前記繊維材15、17として好適である。前記繊維材15、17の重量は、成形天井10に求められる剛性等によって適宜決定される。
なかでも、柔軟性、及び長さ幅双方向の引張強度をバランスよく両立させたガラスチョップドストランドマットが、優れた成形性を得るのに好ましい。すなわち、ガラスチョップドストランドが適度に配向することで引張強度に異方性がなく、ガラスチョップドストランドマットの厚みが薄く重量が低減されたものが好ましい。目付は50〜150g/mにある。
【0021】
前記繊維材15、17には、前記バインダーが含浸または付着して硬化している。これによって、前記成形天井10の剛性をさらに高めると共に、各部材の接着一体化を良好にすることができる。前記基材11のバインダーと繊維材15、17のバインダーは同一のものが原料管理や装置等の点で経済的であり、より好ましい。
【0022】
補強部材21は、前記成形天井10の湾曲している側部10a、10bに沿って所定幅で成形天井10の前後方向(長手方向)に設けられている。特に、両側部の縁から300mm以内であって、かつ車両前後方向の中間部位、センターピラーの上方を補強する範囲が好ましい。また、前記補強部材21は、前記側部10a、10bにおける前記繊維材15と基材11間に位置して基材11に直接接しているのが、前記基材11と補強部材21との一体化及び剛性増大の点で好ましい。
【0023】
前記補強部材21としては、樹脂発泡体、繊維材、段ボール等の紙材など、剛性増大作用のあるものであれば特に限定されない。特に前記補強部材21は、前記基材11を構成する樹脂発泡体と同一の樹脂発泡体が好ましく、ウレタンフォームが好ましい。前記補強部材21と基材11を同一の樹脂発泡体とすれば、原料の調達準備がし易くなり、また、接着による剛性及び剥離強度を増大させることができる。前記補強部材15として使用されるウレタンフォームとしては、軟質ウレタンフォームまたは半硬質ウレタンフォームが挙げられる。
【0024】
なお、前記補強部材21は、二種類を積層したもので構成して、剛性をさらに高めてもよい。その場合、図6に示すように、前記補強部材21をウレタンフォーム21aと繊維材21bの積層体で構成し、ウレタンフォーム21aをウレタンフォーム製の前記基材11と接するようにするのは、好適な例である。
前記補強部材21の寸法例として、幅200×長さ300〜600mm程度を挙げる。前記補強部材21の厚みは、補強部材21の材質によって異なるが、樹脂発泡体の場合には、5〜50mm程度を挙げる。
前記補強部材21にはバインダーが含浸または付着して硬化しており、これによって前記成形天井10における側部10a、10bの剛性が高められている。バインダーは、前記基材11と繊維材15、17に含浸させたバインダーと同一のものが原料管理や装置等の点で経済的であり、より好ましい。
【0025】
前記表面材23は、前記成形天井10の表面(車内を向く面)を装飾あるいは保護するためのものでポリエステル不織布等の不織布、織布(ニット表布)、ポリエステル繊維等のファブリック、TPO(ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー)やPVC(ポリ塩化ビニル)等のプラスチックシート等が、適宜使用される。
【0026】
前記裏面材25は、前記成形天井10の裏面を保護するためのもので、不織布やプラスチックシート等適宜のシート材からなる。
【0027】
また、前記表面材21と裏面材25の一方または両方には、内面側(基材11を向く側)にプラスチックフィルムが配置あるいは一体とされたものでもよい。前記プラスチックフィルムとしては、表面材21と裏面材25を、前記繊維材15、17に確実に接着するとともに、前記基材11の通気を妨げて該通気に起因する成形天井10の汚れを防ぐためのもので、加熱時に溶融して接着性を発揮する材質のホットメルトフィルムが好ましい。前記ホットメルトフィルムの例として、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)、EAA(エチレンとアクリル酸の共重合体)、EMA(エチレンとアクリル酸メチルの共重合体)、EMMA(エチレンとメタクリル酸メチルの共重合体)、EMAA(エチレンとメタクリル酸との共重合体)とポリオレフィンの共重合体、またはポリマーアロイ等からなる融点70〜100℃の熱可塑性樹脂と、ポリプロピレン、ポリアミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)等からなる融点110〜200℃の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイが挙げられる。
【0028】
前記補強部材21が埋設されている部位(埋設部位)では、前記成形天井10の厚みが他部よりも増大し、成形天井10の裏面側(車体外板側)に隆起した隆起部10c、10dが形成されている。前記側部10a、10bで厚みが増大していることによって側部10a、10bの剛性をより高めることができる。また、前記隆起部10c、10dを成形天井10の裏側に設けたことによって、前記厚みの増大が前記表面材23側の形状に影響を与えないようにし、前記成形天井10の車内側デザインの制約及び車内空間の減少を生じないようにしている。
【0029】
前記成形天井10の製造は、前記基材11、前記繊維材15、17、前記補強部材21等に前記バインダーを含浸させた後、図3に示すように、前記成形天井10における各部材の位置となるように重ね、図3及び図4に示すように、熱プレス用の下型51と上型55で熱プレスし、型面形状に賦形すると共にバインダーを硬化させて各部材を接着一体化し、その後、図5に示すように下型51と上型55を開いて成形天井10を取り出すことにより行うことができる。
【0030】
前記下型51は、前記成形天井10の裏面(車体外板側を向く面)を賦形する型面52を有する。前記型面52には、前記成形天井10の隆起部10c、10dと対応する位置に隆起部形成用凹部53、54が形成されている。
前記上型55は、前記成形天井10の表面(車内を向く面)を賦形する型面56を有する。
【実施例】
【0031】
成形材を次の材質として、前記の下型51と上型55を用い、熱プレス(ホットプレス法、120℃)で実施例の成形天井を製造した。
・基材11:密度37kg/m、アスカーC硬度30度、厚み6mm×幅1400mm×長さ2200mmのウレタンフォーム
・繊維材15、17:幅1400mm×長さ2200mm、チョップドストランドのガラス繊維マット、平均繊維径12μm、目付量:100g/m
・補強部材21:密度40kg/m、アスカーC硬度30度以下、厚み30mm×幅200mm×長さ1600mmのウレタンフォーム、伸び12%以下、引張強度15N/cm(JIS K6400−1:2004、ダンベル2号)
・表面材23:ポリエステル不織布
・裏面材25:ポリプロピレンのホットメルトフィルムとポリプロピレンの不織布の積層体
・バインダー:クルード・メチレンジフェニルジイソシアネート
【0032】
なお、前記バインダーは、前記基材11に450g/m、前記補強部材21に450g/mを含浸させ、熱プレス時の圧縮によって前記基材11及び補強部材21から滲出させて前記繊維材15、17に含浸させた。また、前記表面材23の接着は、前記繊維材15に含浸して繊維材15の表面に浸出したバインダーによって行った。また、前記裏面材25の接着は前記ホットメルトフィルムの溶着によって行った。
【0033】
製造した実施例の成形天井は、側部に補強部材21が存在しない従来の成形天井と比べて、側部の剛性が高く、側部のゆがみや折れ曲がりを生じ難かった。さらに、実施例の成形天井は、後工程によって金属製のブラケットを接着しなくても側部の剛性が高く、製造工程を簡略にできるものである。また、実施例の成形天井は、剛性増大を目的とする金属製のブラケットが接着されていないため、リサイクルや廃棄作業時に金属製のブラケットを外して分別する必要がなく、リサイクルや廃棄作業を容易に行うことができる。実施例の成形天井は、その側部が深くえぐられたハイルーフやワンボックスといった車種に使用されるのが、発明の効果を発揮するのにより好ましい。
【0034】
本実施例では、補強部材を基材に対し車体外板側に位置させて成形天井の裏面側に隆起した隆起部を形成したが、これに限られず、変形例として、補強部材を基材に対して車体内装側(車内を向く面)に位置させて隆起部を形成し、成形天井の裏面側に隆起させることもできる。また、車体内装側(車内を向く側)に隆起部が形成されてもよい。すなわち、変形例は、少なくとも樹脂発泡体と繊維材がバインダーにより積層接合されてなる車両用成形天井において、前記成形天井側部に成形天井の前後方向に沿って位置する補強部材が前記成形天井側部のえぐられたコーナ部を覆って埋設され、前記補強部材は、樹脂発泡体と繊維材の間に隆起するように積層されてなる車両用成形天井である。
【符号の説明】
【0035】
10 成形天井
11 基材
15、17 繊維材
21 補強部材
23 表面材
25 裏面材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8