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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-101939(P2016-101939A)
(43)【公開日】2016年6月2日
(54)【発明の名称】自転車輸送用パレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/68 20060101AFI20160502BHJP
【FI】
   B65D85/68 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-240883(P2014-240883)
(22)【出願日】2014年11月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100098752
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 吏規夫
(72)【発明者】
【氏名】伊東 公明
(72)【発明者】
【氏名】太田 浩司
【テーマコード(参考)】
3E037
【Fターム(参考)】
3E037AA20
3E037BA07
(57)【要約】
【課題】段ボール製よりも耐久性に優れ、従来のパレットよりも軽量で、かつ回収時や保管時には折り畳み可能な自転車輸送用パレットの提供を目的とする。
【解決手段】平面形状が四角形の金属製の第1フレーム11と第2フレーム51が互いに一端で回動可能に連結されて、第1フレーム11の一端で第2フレーム51が起立して側面視形状がL字状となる起立状態と、第1フレーム11上に第2フレーム51が重ねられた折り畳み状態とに変化可能とし、第1フレーム11には自転車の前輪及び後輪の底部を挿入保持する溝状の車輪底部保持部17を設け、第2フレーム51には自転車の前輪前部を挿入保持する溝状の前輪保持部60を設けた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が四角形の第1フレームと第2フレームが互いに一端で回動可能に連結されて、前記第1フレームの一端で前記第2フレームが起立した起立状態と、前記第1フレーム上に前記第2フレームが重ねられた折り畳み状態とに変化可能とされ、
前記第1フレームには、自転車の前輪及び後輪の底部を挿入保持する溝状の車輪底部保持部が前記第2フレームとの連結端に対して直交する方向に設けられ、
前記第2フレームには、前記起立状態時に前記第1フレームの車輪底部保持部に前輪及び後輪の底部が保持された自転車の前輪前部を挿入保持する溝状の前輪保持部が設けられていることを特徴とする自転車輸送用パレット。
【請求項2】
前記車輪底部保持部には、車輪固定手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自転車輸送用パレット。
【請求項3】
前記前輪保持部には、前輪のタイヤ両側を挟む挟持体が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の自転車輸送用パレット。
【請求項4】
前記第1フレームと前記第2フレームの連結端とは反対側となる前記第1フレームの他端または前記第2フレームの他端の少なくとも一方に、他の前記自転車輸送用パレットとの結合用係合部を備え、
前記起立状態とした2つの前記自転車輸送用パレットの一方に他方を上下及び前後が逆となるように被せて前記結合用係合部の係合により2つの前記自転車輸送用パレットを結合可能にしたことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の自転車輸送用パレット。
【請求項5】
一つの前記自転車輸送用パレットは、前記第2フレームの起立状態で前記第1フレームを水平にした横状態と、前記第2フレームを下にして前記第1フレームを立てた縦状態の何れの状態でも前記自転車輸送用パレットが自立し、自転車の輸送が可能なことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の自転車輸送用パレット。
【請求項6】
2つの前記自転車輸送用パレットを結合した状態で前記第1フレームを水平にした横状態と、前記第1フレームを立てた縦状態との何れの状態でも、前記結合した2つの自転車輸送用パレットが自立し、自転車の輸送が可能なことを特徴とする請求項4に記載の自転車輸送用パレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組み立て後の自転車を輸送する際に繰り返し使用可能なパレットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、組み立て後の自転車を販売店等へ輸送する際に、段ボール製の通い箱が用いられている(特許文献1)。
また、台座の四隅に支柱を立てて、該支柱の上端に天板を取り付けた自転車用梱包パレットが提案されている(特許文献2)。
また、複数の自転車が載置される基台部の上面の両側縁に、枠を起立状態と折り畳み状態とに変化可能に設けた自転車輸送用折り畳みパレットが提案されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3090274号公報
【特許文献2】実用新案登録第3087801号公報
【特許文献3】特開2002−308268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の段ボール製の通い箱は、耐久性に劣り、比較的短期間で廃棄されることになるため廃棄処理の問題やコストが嵩む問題がある。
一方、自転車が載置される台座の四隅に支柱を立てて、該支柱の上端に天板を取り付けた自転車用梱包パレットは、全体が重く、しかも回収時に嵩張るため、扱いにくい問題がある。
また、複数の自転車が載置される基台部の上面の両側縁に、枠を起立状態と折り畳み状態とに変化可能に設けた自転車輸送用折り畳みパレットは、基台部の存在や基台部の四隅に枠の柱部分が存在することなどによって全体が重くなり、扱いにくい問題がある。
【0005】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、段ボール製よりも耐久性に優れ、また、従来のパレットよりも軽量で、かつ回収時や保管時には折り畳み可能な自転車輸送用パレットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、平面形状が四角形の第1フレームと第2フレームが互いに一端で回動可能に連結されて、前記第1フレームの一端で前記第2フレームが起立した起立状態と、前記第1フレーム上に前記第2フレームが重ねられた折り畳み状態とに変化可能とされ、前記第1フレームには、自転車の前輪及び後輪の底部を挿入保持する溝状の車輪底部保持部が前記第2フレームとの連結端に対して直交する方向に設けられ、前記第2フレームには、前記起立状態時に前記第1フレームの車輪底部保持部に前輪及び後輪の底部が保持された自転車の前輪前部を挿入保持する溝状の前輪保持部が設けられていることを特徴とする自転車輸送用パレットに係る。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記車輪底部保持部には、車輪固定手段が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記前輪保持部には、前輪のタイヤ両側を挟む挟持体が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記第1フレームと前記第2フレームの連結端とは反対側となる前記第1フレームの他端または前記第2フレームの他端の少なくとも一方に、他の前記自転車輸送用パレットとの結合用係合部を備え、前記起立状態とした2つの前記自転車輸送用パレットの一方に他方を上下及び前後が逆となるように被せて前記結合用係合部の係合により2つの前記自転車輸送用パレットを結合可能にしたことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、一つの前記自転車輸送用パレットは、前記第2フレームの起立状態で前記第1フレームを水平にした横状態と、前記第2フレームを下にして前記第1フレームを立てた縦状態の何れの状態でも前記自転車輸送用パレットが自立し、自転車の輸送が可能なことを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、2つの前記自転車輸送用パレットを結合した状態で前記第1フレームを水平にした横状態と、前記第1フレームを立てた縦状態との何れの状態でも、前記結合した2つの自転車輸送用パレットが自立し、自転車の輸送が可能なことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、平面形状が四角形の第1フレームと第2フレームとからなるため、段ボール製よりも耐久性に優れ、かつ従来の自転車輸送に用いられるパレットよりも軽量にすることができる。また、請求項1の発明によれば、自転車の輸送後のパレット回収やパレットの保管時には、第1フレーム上に第2フレームを重ねた折り畳んだ状態にできるため、嵩張ることがない。
【0013】
請求項2の発明によれば、車輪底部保持部に設けた車輪固定手段により、自転車の両輪を第1フレームに固定することができ、がたつきを抑えて自転車を輸送することができる。
請求項3の発明によれば、前輪保持部に設けた挟持体により、自転車の前輪を第2フレームに固定することができ、がたつきを抑えて自転車を輸送することができる。
【0014】
請求項4の発明によれば、2つの自転車輸送用パレットの結合によって自転車の上下前後を保護することができ、自転車を効果的に保護した状態で輸送することができる。また、自転車上方を覆う自転車輸送用パレット上にも他の物品などを載置することができるため、混載輸送の場合などにおける輸送時のスペースを有効に活用することができる。
【0015】
請求項5及び請求項6の発明によれば、自転車輸送用パレットを水平にした横状態と立てた縦状態の何れの状態でも輸送することができるため、輸送時のスペースを有効に活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例に係る自転車輸送用パレットの使用時の側面図である。
図2】本発明の一実施例に係る自転車輸送用パレットの使用時の平面図である。
図3】本発明の一実施例に係る自転車輸送用パレットの使用時の正面図である。
図4】前輪保持部の挟持体の構造を示す斜視図である。
図5】起立ロック手段の構造を示す斜視図である。
図6】折り畳み時を示す側面図である。
図7】折り畳んだ状態の平面図である。
図8】1つの自転車輸送用パレットの縦状態の側面図である。
図9】2つの自転車輸送用パレットを結合した横状態の側面図である。
図10】2つの自転車輸送用パレットを結合した縦状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1から図3に本発明の1実施例の自転車輸送用パレット10は、組み立て後の1台の自転車100を輸送する際に使用するパレットであり、繰り返し使用が可能で、自転車の輸送に使用した後の回収時や保管図に折り畳み可能なものである。
【0018】
前記自転車輸送用パレット10は、金属製の第1フレーム11と第2フレーム51で構成されている。
前記第1フレーム11は、自転車100の輸送時に自転車100が載置されるフレームであり、平面形状が四角形からなり、輸送する自転車100の平面寸法(長さ×幅)よりも大の寸法となっている。本実施例の第1フレーム11は、自転車100の前後方向に沿って長い長方形をしている。前記第1フレーム11は自転車100の前方側となる前端側部材12と、反対の後方側となる後端側部材13と、両側の側部材14、15とをそれぞれの金属製部材とし、溶接等で連結して長方形とされている。なお、前記金属製部材は中空角柱体や断面L字形の棒状体などが使用される。
【0019】
前記第1フレーム11は、前記前端側部材12と後端側部材13間に車輪底部保持部17が設けられている。前記車輪底部保持部17は、自転車100の前輪101及び後輪102の底部(接地部)が挿入可能な上向きに開口した溝状部材(樋状部材とも称される)からなる。前記車輪底部保持部17は、前記側部材13、14間の中央位置で前記前端側部材12と後端側部材13に直交する方向に設けられ、両端が溶接等で前記前端側部材12と後端側部材13に固定されている。前記車輪底部保持部17の内面には、ゴム等の保護材が貼着されている。また、前記車輪底部保持部17には、自転車の前輪101と後輪102が挿入される位置に、車輪固定手段19、19が設けられている。前記車輪固定手段19、19は、本実施例では、溝状の前記車輪底部保持部17における一側の側部にヒンジで回動可能に取り付けられ、先端に前記車輪底部保持部17における他側の側部への係止部を有する回動片で構成され、前記車輪底部保持部17に挿入した自転車100の前輪101と後輪102のリム内周側に挿入して前記車輪底部保持部17における他側に係止することにより車輪を固定するように構成されている。なお、前記車輪固定手段19、19は、紐状のものやゴムバンド状のものなどでもよい。
【0020】
前記第1フレーム11の前端側部材12には、前記第2フレーム51を連結するための連結部材23、23の一側が固定されている。前記連結部材23、23はヒンジで構成されている。一方、前記第1フレーム11の後端側部材13には、図9に示す他の自転車輸送用パレット10Aとの結合用係合部30、30を備える。他の自転車輸送用パレット10Aは、各構成部を示す番号にAを付記して区別する。図示の例の結合用係合部30、30は、他の自転車輸送用パレット10Aの第2フレーム51Aに解除可能に係合するフックからなる。
【0021】
なお、前記第1フレーム11の側部材14、15間には、棒状の補強部材25、26が所定位置に取り付けられている。
また、前記第1フレーム11の側部材14、15には、前記第2フレーム51を起立状態に固定する起立ロック手段31、31の一端が取り付けられ、さらに前記起立ロック手段31、31をロック状態に維持するためのスプリング部材37、37が前記起立ロック手段31、31と側部材14、15間に設けられている。前記起立ロック手段31、31とスプリング部材37、37については後に詳述する。
【0022】
前記第2フレーム51は、自転車100の輸送時に自転車100の前輪101を保持し、また前記自転車輸送用パレット10を、図8に示す立てた状態(縦状態)とするのを可能にするフレームである。前記第2フレーム51は、平面形状が四角形からなり、輸送する自転車100の正面寸法(高さ×幅)よりも大の寸法の長方形となっている。本実施例の前記第2フレーム51は、図1のような起立状態時に下側となる下端側部材52と、反対の上方側となる上端側部材53と、両側部となる側部材54、55とを構成するぞれぞれの金属製部材を溶接等で連結して長方形とされている。なお、前記金属製部材は中空角柱体や断面L字形の棒状体などが使用される。
【0023】
前記第2フレーム51は、前記下端側部材52に前記連結部材23、23の他側が取り付けられ、前記連結部材23、23によって前記第1フレーム11の前端側部材12に回動可能に連結されている。前記第1フレーム11に連結された第2フレーム51は、図1から図3に示す起立状態と図6の(6−2)及び図7に示す折り畳み状態とに変化可能に構成されている。前記起立状態は、前記第1フレーム11の前端で前記第2フレーム51が垂直に起立して側面視形状がL字状となる状態であり、一方、折り畳み状態は、前記第1フレーム11上に前記第2フレーム51が重ねられた状態である。
【0024】
前記第2フレーム51の側部材54、55間には、所定位置に棒状の補強部材56、57が取り付けられている。
また、前記第2フレーム51には、前記起立状態時に前記第1フレーム11の車輪底部保持部に前輪101及び後輪102の底部が挿入保持された自転車100の前輪101の前部を挿入保持する溝状の前輪保持部60が、前記側部材54、55間の中間位置に、かつ前記下端側部材52と上端側部材53に直交する方向に設けられている。
【0025】
本実施例の前輪保持部60は、図4に示すように、前記補強部材57と前記下端側部材52との間に取り付けた板状の挟持体支持部材61と、該挟持体支持部材61の第1フレーム11を向く側に取り付けた一組の挟持体63、63で構成されている。前記挟持体63、63は、それぞれ基部64と挟持面65とで断面L字状を構成する溝半体からなり、それぞれの基部64、64を前記挟持体支持部材61側とし、挟持面65、65を互いに対向させることにより、コの字状の溝形状を形成するように組み合わされ、かつ前記挟持体63、63が前記挟持面65、65の自由端側(先端側)を拡げる拡開状態(鎖線で示す状態)と狭くする狭小状態(実線で示す状態)とに回動可能に軸部材67、67で取り付けられている。前記挟持体の63、63の内面には、ゴム等の保護材が貼着されている。前記軸部材67、67による前記挟持体支持部材61への挟持体63、63の取り付けは、前記基部64、64と前記挟持面65、65との境界のコーナー部で行われる。前記挟持面65、65の拡開時、前記基部64、64の自由端側(先端側)は第1フレーム11側へ突出した状態となる。
【0026】
前記挟持体63、63には、前記挟持面65、65の拡開状態と狭小状態とにするための挟持操作手段71、71が設けられている。前記挟持操作手段71、71は、前記第2フレーム51の側部材54、55と前記挟持面65、65の外側との間にそれぞれ設けられている。また、それぞれの前記挟持操作手段71、71は、連結部72で折り曲げ可能に連結された第1リンク部材73と第2リンク部材74を上下の位置に一組ずつ有し、前記連結部72とは反対側の前記第1リンク部材73の端部と第2リンク部材74の端部が、前記第2フレーム51の側部材54、55と前記挟持面65、65の外側にそれぞれ回動可能に取り付けられ、上下に位置する前記第2リンク部材74、74間に棒状の操作部75が取り付けられている。
【0027】
前記挟持面65、65は、前記第1リンク部材73と第2リンク部材74の折り曲げ状態で拡開状態となり、前記第1リンク部材73と第2リンク部材74がほぼ一直線になった状態で狭小状態となるように構成され、前記操作部75、75を外方側から押したり引いたりすることにより、前記拡開及び狭小の操作を行うことができる。なお、拡開時に自転車100の前輪101の前部を前記挟持面65、65間に挿入し、その後に狭小状態とすることにより、自転車100の前輪101のタイヤを前記挟持面65、65で挟持して固定する。
【0028】
前記第2フレーム51の両側の側部材54、55には、前記起立ロック手段31、31の他端が取り付けられている。前記起立ロック手段31、31は、その一部を拡大して示す図5のように、それぞれ連結部32で折り曲げ可能に連結されたロック用第1リンク部材33及びロック用第2リンク部材34と、前記ロック用第1リンク部材33の連結側端部における下面側に取り付けられて前記ロック用第2リンク部材34側へ突出した回動停止部材35とを備える。前記起立ロック手段31、31は、それぞれ前記連結部32とは反対側のロック用第1リンク部材33の端部が前記第1フレーム11の両側の側部材14、15に回動可能に軸着され、また、前記連結部32とは反対側のロック用第2リンク部材34の端部が前記第2フレーム21の両側の側部材54、55に回動可能に軸着されている。また、それぞれの前記ロック用第1リンク部材34の両端間の中間位置と前記第1フレーム11の両側部の側部13、14との間に前記スプリング部材37、37が張設されている。
【0029】
前記起立ロック手段31、31は、前記第2フレーム51が第1フレーム11に対して垂直に起立した起立状態のときに、図6の(6―1)の実線のように前記ロック用第1リンク部材33とロック用第2リンク部材34が一直線状態となり、一方、折り曲げにより、図6の(6−2)及び図7のように前記第1フレーム11上に前記第2フレーム51を重ねた折り畳み状態となるように構成されている。
【0030】
前記ロック用第1リンク部材33とロック用第2リンク部材34が一直線状態のときには、前記ロック用第1リンク部材33の連結部32側下面の前記回動停止部材35が前記ロック用第2リンク部材33の転結部32側下面に当接してそれ以上連結部32側が上方へ回動するのが阻止され、かつ前記スプリング部材37によって前記ロック用第1リンク部材33に上方へ引っ張る力が加わるため、すなわち連結部32側を上方へ引っ張る力が働くため、前記連結部32が上方及び下方の何れにも回動するのが阻止され、前記第2フレーム51の起立状態がロックされる。なお、起立ロック状態を解除して前記自転車輸送用パレット10を折り畳むには、前記起立ロック手段31、31の連結部32付近を第1フレーム11側へ又は第1フレーム11と第2フレーム51との境界へ向けて押しながら、前記第2フレーム51の上端側部材53を前記第1フレーム11へ近づけるようして前記第2フレーム51を回動させることにより行うことができる。また、前記第2フレーム51を起立状態とするには、折り畳み状態において前記第2フレーム51の上端側部材53を上方へ持ち上げ、前記第1フレーム11に対して90度の角度まで前記第2フレーム51を回動させることにより行うことができる。
【0031】
前記自転車輸送用パレット10を用いて輸送する際には、図1から図3に示すように前記第2フレーム51を起立状態にし、自転車100を前記第2フレーム51に対し前向きにして前記第1フレーム11の車輪底部保持部17に自転車100の前輪101及び後輪102の底部(接地部)を挿入する。その際、前記自転車100の前輪101の前部を前記第2フレーム51の前輪保持部60に挿入する。そして、前記車輪保持部17に挿入されている前輪101及び後輪102を前記車輪固定手段19、19で固定し、また前記前輪保持部60に挿入されている前輪101のタイヤを前記挟持体63、63の挟持面65、65で挟持固定する。
【0032】
輸送は、図1から図3に示すように前記第1フレーム11を水平にした横状態と、図8に示すように前記第2フレーム51を下にして前記第1フレーム11を立てた縦状態(自転車倒立状態)の何れの状態でも行うことができ、輸送時のスペースに応じて最適な状態で輸送することができる。
【0033】
また、前記自転車輸送用パレット10の2つを結合して自転車の輸送を行うこともできる。すなわち、図9に示すように、一方の自転車輸送用パレット10の上方に他方の自転車輸送用パレット10Aを上下及び前後が逆となるようにして被せ、一方の自転車輸送用パレット11の結合用係合部30を他方の自転車輸送用パレットの第2フレーム10Aの下端に位置する上端側部材53Aに係合させると共に、第2フレーム10Aの結合用係合部30Aを第1フレーム10の上端側部材53に係合させて、前記第1フレーム10と第2フレーム10Aを結合する。前記自転車輸送用パレット10の2つを結合することにより、前記第1フレーム10と前記第2フレーム10Aで自転車100の上下及び前後を包囲することができるため、自転車100をより効果的に保護することができる。また、結合した自転車輸送用パレット10、10Aの上に他の物品を載せて自転車の輸送をすることができ、自転車と他の物品を混載して輸送する場合には、輸送効率を高めることができる。
【0034】
さらに、前記自転車輸送用パレット10の2つを結合して行う自転車の輸送は、図9に示すように前記第1フレーム11、11Aを水平にした横状態と、図10に示すように前記第1フレーム11、11Aを立てた縦状態(自転車倒立状態)の何れの状態でも行うことができ、輸送時のスペースに応じて最適な状態で輸送することができる。
【0035】
このように、実施例の自転車輸送用パレットは、第1フレームと第2フレームとにより構成されるために従来よりも軽量で扱い易く、また自転車輸送後のパレット回収やパレットの保管時には第1フレーム上に第2フレームを重ねた折り畳んだ状態にできるため、嵩張ることがない。また、実施例の自転車輸送用パレットは、一つで使用することも、二つ結合して使用することも何れも可能であり、さらに第1フレームを水平にした横状態でも、第1フレームを立てた縦状態の何れの状態でも使用できるため、トラックや船などの輸送手段や輸送スペース、さらには混載の有無等に応じて、最適な状態で使用することができる。
【符号の説明】
【0036】
10 自転車輸送用パレット
11 第1フレーム
12 第1フレームの前端側部材
13 第1フレームの後端側部材
14、15 第1フレームの側部材
17 車輪底部保持部
19 車輪固定手段
30 結合用係合部
31 起立ロック手段
51 第2フレーム
52 第2フレームの下端側部材
53 第2フレームの上端側部材
54、55 第2フレームの側部材
60 前輪保持部
63 挟持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10