(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-102791(P2016-102791A)
(43)【公開日】2016年6月2日
(54)【発明の名称】ロータリエンコーダシステム
(51)【国際特許分類】
G01D 5/26 20060101AFI20160502BHJP
G01B 11/26 20060101ALI20160502BHJP
【FI】
G01D5/26 K
G01B11/26 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-225878(P2015-225878)
(22)【出願日】2015年11月18日
(31)【優先権主張番号】14193626.0
(32)【優先日】2014年11月18日
(33)【優先権主張国】EP
(71)【出願人】
【識別番号】515321108
【氏名又は名称】エスプロス フォトニックス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ビート デ コイ
【テーマコード(参考)】
2F065
2F103
【Fターム(参考)】
2F065AA17
2F065AA39
2F065BB06
2F065BB16
2F065BB27
2F065BB28
2F065FF04
2F065FF09
2F065FF17
2F065JJ19
2F065JJ26
2F065QQ24
2F065QQ25
2F065QQ31
2F103CA06
2F103DA04
2F103DA13
2F103EA13
2F103EB15
2F103EC01
2F103FA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回転軸に沿って延在する回転シャフトの回転角度位置及び/又は角速度を記録するためのロータリエンコーダシステムを提供する。
【解決手段】回転シャフト1に少なくとも2つの光学マーク5を備え、ピクセル点を有するピクセルマトリクス7を有する光学センサ6を備え、ピクセルマトリクス上で略軸方向において各マークをマーク画像として撮像するための撮像デバイス9を備え、回転角度位置及び/又は角速度に関するデータを確定するために、ピクセルマトリクスを読み取り、評価するための評価デバイス15を備え、マーク、撮像デバイス、及びピクセル点が、ピクセルマトリクス上のマーク画像が少なくとも1ピクセル点のエリアを有するように具現化され、評価デバイスが、ピクセルマトリクス上でマーク画像の重心の位置を確立するように具現化される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリエンコーダシステム(4)であって、
−回転軸(2)に沿って延在する回転シャフト(1)の回転角度位置及び/又は角速度を記録するためのものであって、
−前記回転シャフトにおいて少なくとも2つの光学マーク(5)を備え、
−ピクセル点(8)を有するピクセルマトリクス(7)を有する光学センサ(6)を備え、
−前記ピクセルマトリクス上で略軸方向(11)において各マークをマーク画像(13)として撮像するための撮像デバイス(9)を備え、
−前記回転角度位置及び/又は前記角速度に関してデータを確定するために、前記ピクセルマトリクスを読み取り、評価するための評価デバイスを備え、
−前記マーク、前記撮像デバイス、及び前記ピクセル点は、前記ピクセルマトリクス上の前記マーク画像が少なくとも1ピクセル点のエリアを有するように具現化される、ロータリエンコーダシステム(4)において、
−前記評価デバイスは、サブマトリクス分割を有する前記ピクセルマトリクス上で前記マーク画像の重心(16)の位置を確立するように具現化されることを特徴とする、ロータリエンコーダシステム。
【請求項2】
前記マーク、前記撮像デバイス、及びピクセル点は、前記マーク画像が、
−1ピクセル点のエリアの、最大100倍、特に最大64倍、特に最大36倍、特に最大16倍、特に最大4倍、特に最大1倍のエリアを有し、かつ/又は、
−1ピクセル点のエリアの、少なくとも1倍、特に少なくとも2倍、特に少なくとも4倍、特に少なくとも16倍のエリアを有する
ように具現化されることを特徴とする、請求項1に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項3】
−前記ピクセルマトリクスは、最大128×128ピクセル点、特に最大64×64ピクセル点、特に最大32×32ピクセル点、特に最大16×16ピクセル点、特に最大8×8ピクセル点を有し、かつ/又は、
−前記評価デバイスは、最大128×128ピクセル点に対応する、特に最大64×64ピクセル点に対応する、特に最大32×32ピクセル点に対応する、特に最大16×16ピクセル点に対応する、特に最大8×8ピクセル点に対応する、特に最大4×4ピクセル点に対応する、特に最大2×2ピクセル点に対応する、数を読み取り、かつ/又は、評価するように具現化される
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項4】
各マークは、前記回転軸に対してある角度の表面(3)上に、特に、前記回転軸に垂直な表面(3)上に、特に、前記回転軸の端表面(3)上に配置されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項5】
各マーク、前記ピクセルマトリクス、及び前記撮像デバイスは、可視スペクトルにおいて及び/又はIRスペクトルにおいて及び/又はUVスペクトルにおいて光学的に有効であること、特に、前記マークは黒色背景上の白色マークとして形成される、又は、その逆であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項6】
各マークは丸いことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項7】
前記マークは、補色を有する隣接表面によって、特に、組み合わされると、前記回転軸と実質的に同心の円形表面を形成する白色及び黒色の半円表面によって、形成されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項8】
まさに2つのマークが存在することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項9】
少なくとも2つのマークは、異なるサイズ及び/又は異なる形態の前記少なくとも2つのマークのエリアを有すること、及び/又は、少なくとも3つのマーク、特にまさに3つのマークが存在すること、及び/又は、前記少なくとも3つのマークは、前記回転軸の周りに互いから同じ角度距離に全てが配置されるわけではないことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項10】
前記マークは、前記回転軸に対して、同じ距離にかつ/又は半径方向に対称性を有するように配置されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項11】
前記評価デバイスは、マーク画像によるピクセル点の部分的カバレッジを評価することによって、特に、1つのマーク画像を記述する個々のピクセル点のグレイスケール値を評価することによって、特に、1つのマーク画像を記述する個々のピクセル点の位置を、前記個々のピクセル点のそれぞれの輝度値に基づいて重み付けすることによって、前記ピクセルマトリクス上で前記マーク画像の重心(16)の位置を確立するように具現化されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項12】
前記評価デバイスは、前記ピクセルマトリクス上の前記マーク画像の重心から、前記回転シャフトの、回転角度位置及び/又は回転角度変化及び/又は角速度及び/又は角加速度についての測定値を、特に三角法によって、かつ/又は、特に、1つ又は複数の先行するピクセル画像の測定値又は重心と比較することによって生成するように具現化されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項13】
前記評価デバイスは、
−前記重心の位置、及び/又は、1つ又は複数の時間オフセットが適用されたピクセル画像のマーク画像の画像範囲に関するデータ、及び/又は、前記回転角度位置及び/又は角速度に関する特定のデータから、
−マークの数であって、該マークの数以内で、後続のピクセル画像についてのマーク画像が少なくとも部分的に予想される、該マークの数に特に対応する前記ピクセルマトリクスの1つ又は複数の部分を確定するために、
−また、この後続のピクセル画像についての前記ピクセルマトリクスの前記1つ又は複数の部分を評価するだけのために
具現化されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステム。
【請求項14】
ロータリエンコーダであって、
−請求項1〜13のいずれか1項に記載のロータリエンコーダシステムにおいて使用するための、
−回転軸(2)に沿って延在する回転シャフト(1)の回転角度位置及び/又は角速度を記録するための、そして、
−回転シャフトにおいて少なくとも2つの光学マーク(5)を撮像するためのものであり、
−ピクセル点(8)を有するピクセルマトリクス(7)を有する光学センサ(6)を備え、
−前記ピクセルマトリクス上で略軸方向(11)において各マークをマーク画像(13)として撮像するための撮像デバイス(9)を備え、
−前記回転角度位置及び/又は角速度に関するデータを確定するために、前記ピクセルマトリクスを読み取り、評価するための評価デバイスを備え、
−前記撮像デバイス及びピクセル点は、前記ピクセルマトリクス上の前記マーク画像が少なくとも1ピクセル点のエリアを有するように具現化される、ロータリエンコーダにおいて、
−前記ピクセルマトリクス及び/又は
−前記評価デバイスは、
−請求項1〜13のいずれか1項により具現化される
ことを特徴とする、ロータリエンコーダ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、回転軸を中心に回転する回転シャフトの回転角度位置を記録するためのロータリエンコーダシステムに関する。
従来技術は、光学手段によって、回転シャフト上のマークを追跡するロータリエンコーダシステムを開示している。
【0002】
本発明の目的は、改良型ロータリエンコーダシステムを提供することである。
冒頭で述べたタイプのロータリエンコーダシステムから進展して、この目的は、請求項1に記載のロータリエンコーダシステム及び請求項14に記載のロータリエンコーダによって達成される。有利な実施形態は、更なる従属請求項に記載される。
【0003】
本発明によるロータリエンコーダシステムは、回転軸に沿って延在する回転シャフトの回転角度位置及び/又は角速度を記録するためのロータリエンコーダシステムであり、該ロータリエンコーダシステムは、回転シャフトに少なくとも2つの光学マークを備え、ピクセル点を有するピクセルマトリクスを備える光学センサを備え、ピクセルマトリクス上で略軸方向において各マークをマーク画像として撮像するための撮像デバイスを備え、回転角度位置及び/又は角速度に関するデータを確定するために、ピクセルマトリクスを読み取り、評価するための評価デバイスを備え、マーク、撮像デバイス、及びピクセル点は、ピクセルマトリクス上のマーク画像が少なくとも1ピクセル点のエリアを有するように具現化され、評価デバイスは、ピクセルマトリクス上でマーク画像の重心の位置を確立するように具現化される。特に、ピクセルマトリクス上のマーク画像の重心は、サブマトリクス分類によって確立することができる。
【0004】
ピクセル点のサイズ、マークのエリア、及び撮像デバイスは、上述した最小エリアが、マーク画像によってピクセルマトリクス上に形成されるように互いに対して整合させられる。
【0005】
略軸方向における撮像とは、回転軸に対する観察角度が、特に45°未満、特に10°未満、特に2°未満、特に0°である状態で、実質的に回転軸の延長線に沿って実施されることを意味する。
【0006】
ピクセルマトリクスとは、評価されるべきピクセルマトリクスの最大フィールドを意味する。読み出し及び/又は評価のために使用されない行又は列は、原則として、本発明のピクセルマトリスクの一部とはみなされない。
【0007】
マーク画像について、エリアとは、マーク画像の全体エリアの大きさについての値を意味する。ピクセル点について、エリアとは、直に隣接する4つのピクセル点のエリア重心がまたがる矩形のエリアの大きさについての値を意味する。
【0008】
サブマトリクス分割とは、重心の位置が、ピクセルフィールドの分解能より高い分解能で、特に複数倍の分解能で、すなわち例えば、2倍の、4倍の、又は8倍の分解能で、ピクセルフィールド内に確立されることを意味する。これは、ピクセルポイントの部分的カバレッジによって生じる輝度の制限された変化によってマトリクス画像が検出されることにより、ピクセルポイントの部分的カバレッジに基づいて達成することができる。特に、各マークは暗くてもよく、特に黒色であってもよく、その一方で、マークの背景は明るく、特に、白色、薄灰色、又は銀色である。特に、評価デバイスは、マーク画像による隣接するピクセル点の部分的カバレッジを評価することによって、特に、少なくとも部分的にカバーされるピクセル点のグレイスケール値を判定することによって、また、その後、これらのピクセル点を重み付けすることによって、ピクセルマトリクス上で個々のマーク画像の重心の位置を確立するように具現化することができる。
【0009】
所定の角度分解能の場合、マーク画像の重心のサブマトリクス評価は、制限されたサイズを有するピクセルマトリクスの使用を可能にする。制限されたサイズを有するピクセルマトリクスのこの使用は、データレートが低減され、ピクセルマトリクスがより迅速に読み出される可能性がある点で有利である場合があり、したがって、より高い測定繰返しレートが提供される可能性があり、角度精度が減少する。データレートは、ピクセルマトリクスの行の2乗に比例して増加する。ピクセルマトリクスの、又は、128×128より多いピクセル点に対応する数を有する領域の十分に迅速な評価が、特定の状況において意味のある方法ではもはや可能でないことが見出された。特定の状況下では、読み取り速度と角度分解能との間の非常に良好なバランスが、64×64ピクセルアレイに関して得ることができる。16×16ピクセルアレイの場合、非常に迅速な読み出しによる±0.5°の角度分解能が、特定の状況下でもやはり達成される可能性がある。
【0010】
特に、評価デバイスは、一定の時間間隔でピクセルマトリクスを読み取り、評価するように具現化することができる。これらの一定の時間間隔は、測定値の更新された再製のためのロータリエンコーダシステムの繰返しレートを形成することができる。異なる時刻からのピクセル画像は、時間が一定である読み出しの中間結果であり得る。
【0011】
好ましくは、ロータリエンコーダシステム及び評価デバイスは、1000ヘルツ(1秒あたりの測定値)より大きな、又は10000ヘルツより大きな若しくは100000ヘルツより大きな値の繰返しレートを提供するように具現化することができる。
【0012】
マークの光学的獲得は、角度検出が非接触方式で実施されることができる点、及び/又は、角度検出が、ガラス分離部を介して空間内で分離された方法でも行われ得る点、及び/又は、角度検出が、例えばテレフォトレンズによって、マーク間隔の例えば、少なくとも10倍、100倍、1000倍、10000倍、又は100000倍の比較的長い距離にわたって行われ得る点、において有利である可能性がある。
【0013】
少なくとも2つのマークの使用は、シャフトの振動及び/又は非心出し式(non−centered)撮像に関して、検出が安定している点で有利である可能性がある。
好ましくは、マーク画像は、ピクセル点のエリアの最大でも100倍、特に最大でも64倍、特に最大でも36倍、特に最大でも16倍、特に最大でも4倍、特に最大でも1倍のエリアを有する。
【0014】
ピクセルマトリクス上でのマーク画像のサイズについてのこの制限は、ピクセルマトリクスの低減及び/又はピクセルマトリクス上で読み出される部分の低減を可能にすることができるが、角度分解能は同じ程度に減少させない。したがって、角度分解能と繰返しレートとの間の関係が最適化され得る。
【0015】
好ましくは、マーク画像は、ピクセル点のエリアの、少なくとも1倍、特に少なくとも2倍、特に少なくとも4倍、特に少なくとも16倍のエリアを有する。
これは、より多くのピクセル点を使用して重心を計算することができるため、評価がより正確になる点で有利である可能性がある。
【0016】
好ましくは、ピクセルマトリクスは、最大で128×128ピクセル点、特に最大で64×64ピクセル点、特に最大で32×32ピクセル点、特に最大で16×16ピクセル点、特に最大で8×8ピクセル点を有する。
【0017】
これは、十分に高い角度分解能を提供するのに十分であり得るとともに、本発明の読み取り速度、したがって測定繰返しレートを更に増加させる点で有利である場合がある。
最大でN×Nピクセル点のピクセルマトリクスとは、N×N点を有するピクセルマトリクス、又は、より大きなピクセルマトリクスであって、そのマトリクスの中のN×Nの領域のみが読み取られるものを意味する。
【0018】
好ましくは、評価デバイスは、最大で128×128ピクセル点に対応する数を、特に最大で64×64ピクセル点に対応する数を、特に最大32×32ピクセル点に対応する数を、特に最大16×16ピクセル点に対応する数を、特に最大8×8ピクセル点に対応する数を、特に最大4×4ピクセル点に対応する数を、特に最大2×2ピクセル点に対応する数を、読み取り、かつ/又は、評価するように具現化される。
【0019】
ピクセルマトリクスの残りのピクセル点は、読み取られず、かつ/又は、評価されず、したがって、繰返しレートの低下を意味もなくもたらさない。これは、十分に高い角度分解能を提供するのに十分である場合があり、また、本発明の読み取り速度、したがって測定繰返しレートが更に増加させられる点で有利である場合がある。
【0020】
好ましくは、各マークは、回転軸に対してある角度の仮想の又は現実の表面上に、特に、回転軸に垂直な表面上に、特に、回転軸の端表面上に配置される。これは、撮像が簡単になる点で有利である可能性がある。
【0021】
好ましくは、各マークは、背景に関して、可視スペクトルにおいて及び/又はIRスペクトルにおいて及び/又はUVスペクトルにおいて輝度又は色差を有する光学的マークである。特に、マークは、暗くてもよく、特に黒色であってもよく、その一方で、マークの背景は、明るく、特に、白色、薄灰色、又は銀色である。好ましくは、ピクセルマトリクス及び撮像デバイスは、相応して、同じ光学スペクトルにおいてアクティブである。これにより、マークの簡単な撮像及び検出を簡略化できる。
【0022】
好ましくは、各マークは、塗りつぶされた丸い形態を有する。これにより、マーク画像によるピクセル点の部分的カバレッジの評価及び/又は重心の補間を簡略化できる。
回転軸に対して中心の、マークの円形の線の形態もまた実行可能である。
【0023】
好ましくは、マークは、補色を有する隣接する表面によって、特に白色と黒色の半円表面によって、形成される。白色と黒色の半円表面は組み合わされて、回転軸と略同心の円形表面を形成する。
【0024】
好ましくは、まさに2つのマークが存在する。これは、角度移動が、ほとんど評価費用なしで、かつ、高い繰返しレートで追跡され得る点で有利である可能性がある。
好ましくは、少なくとも2つのマークは、異なるサイズ及び/又は異なる形態の当該マークのエリアを有する。これは、現在の角度の一意的な確定が常に可能である点で有利である可能性がある。
【0025】
好ましくは、少なくとも又はまさに3つのマークが存在する。これは、現在の角度の一意的な確定が常に可能である点で有利である可能性がある。
好ましくは、使用されるときに、該少なくとも3つのマークは、回転軸の周りに互いから同じ角度位置に全てが配置されるわけではない。これは、現在の角度の一意的な確定が常に可能である点で有利である可能性がある。
【0026】
好ましくは、各マークは、回転軸から同じ距離を有する。これは、最大角度分解能が達成される点で有利である可能性がある。
好ましくは、各マークは、回転軸に対して半径方向に対称性を有するように配置される。これは、最大角度分解能が達成される点で有利である可能性がある。
【0027】
好ましくは、評価デバイスは、マーク画像によるピクセル点の部分的カバレッジを評価することによって、特に、1つのマーク画像を記述する複数のピクセル点のグレイスケール値を評価することによって、特に、1つのマーク画像を記述する個々のピクセル点の位置を、個々のピクセル点のそれぞれの輝度値に基づいて重み付けすることによって、ピクセルマトリクス上でマーク画像の重心の位置を確立するように具現化される。
【0028】
これは、重心の位置がサブマトリクス分割において確立されることができ、その結果として、より少数のピクセルが同じ分解能について必要とされる点で有利である可能性がある。
【0029】
原則として、重心は、マーク画像が接触する全てのピクセル点であって、ピクセル点の輝度値がある閾値を超える、全てのピクセル点のx位置及びy位置の単純な平均によって形成され得る。しかしながら、ピクセル画像は、グレイスケール値画像又はカラー画像として便宜上記録される。結果として、マーク画像が接触するピクセル点は、マーク画像の結果としてピクセル点の輝度値の変化に対応する重み係数を割り当てられることができる。重心の更に一層正確な確定は、こうして重み付けされたマーク画像が接触する全てのピクセル点にわたってx位置及びy位置を平均することによって生じ得る。
【0030】
好ましくは、評価デバイスは、ピクセルマトリクス上のマーク画像の重心から、回転シャフトの回転角度位置及び/又は回転角度変化及び/又は角速度及び/又は角加速度についての測定値を、特に三角法によって、かつ/又は、特に、1つ又は複数の先行するピクセル画像の測定値又は重心と比較することによって、生成するように具現化される。
【0031】
好ましくは、評価デバイスは、重心の位置、ならびに/又は、1つ又は複数の時間オフセットを適用したピクセル画像のマーク画像の画像範囲に関するデータ、ならびに/又は、回転角度位置及び/もしくは角速度に関する特定のデータから、マークの数であって、後続のピクセル画像についてのマーク画像が、当該マークの数以内で少なくとも部分的に予想される、当該マークの数に特に対応するピクセルマトリクスの1つ又は複数の部分を確定するために、また、この後続のピクセル画像についてのピクセルマトリクスの該1つ又は複数の部分を評価するだけのために具現化される。
【0032】
関心領域とも呼ばれるこの方法は、データレートが更に低減され得るとともに、繰返しレートが増加され得る点、及び/又は、ほぼ一定のデータレートの場合にピクセルマトリクス内のより多数のピクセルによって分解能が増加され得る点で有利である可能性がある。
【0033】
本発明によるロータリエンコーダは、上述したようにロータリエンコーダシステムにおいて使用するための、回転軸に沿って延在する回転シャフトの回転角度位置及び/又は角速度を記録するための、そして、回転シャフトにおいて少なくとも2つの光学マークを撮像するためのロータリエンコーダであり、ピクセル点を有するピクセルマトリクスを有する光学センサを備え、ピクセルマトリクス上で略軸方向において各マークをマーク画像として撮像するための撮像デバイスを備え、回転角度位置及び/又は角速度に関してデータを確定するために、ピクセルマトリクスを読み取り、評価するための評価デバイスを備え、撮像デバイス及びピクセル点は、ピクセルマトリクス上のマーク画像が少なくとも1ピクセル点のエリアを有するように具現化され、ピクセルマトリクス及び/又は評価デバイスは、上述したように具現化することができる。
【0034】
本発明の更なる特徴は図面に記載される。
それぞれ述べた利点はまた、本明細書では記載されてい特徴の組み合わせについても実現され得る。
【0035】
本発明の例示的な実施形態は、図面において示され、以下でより詳細に説明される。ここで、個々の図面の同じ符合は、互いに対応する要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】回転シャフトを有するロータリエンコーダシステムを示す図である。
【
図2】マーク画像を有するピクセルマトリクスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[図面の詳細な説明]
図1は、回転シャフト1を有するロータリエンコーダシステム4を示す。回転シャフトは、回転シャフトの回転軸2を中心に回転可能な方法で取付けられ、回転軸に垂直に配置された回転軸の明るい端表面3上に2つの丸い黒マーク5を有する。撮像デバイス9は、撮像光線12で示すように、センサ6のピクセルマトリクス7上で軸方向11においてマークを撮像するレンズ要素10を備える。ピクセルマトリクス上の画像は、評価デバイス15によって読み取られ、評価される。
【0038】
図2は、16×16ピクセル点8を有するピクセルマトリクス7を示す。マークのサイズ、撮像デバイス、及びピクセル点のサイズは、マークの撮像された2つのマーク画像13が、回転軸が回転する場合でかつマーク画像13がピクセル点のエリアの約2.5倍のエリアを有する場合に、ピクセルマトリクス上に常に形成されるように互いに対して整合される。仮想の撮像された回転シャフト円周14が例証のために示されている。
【0039】
マーク画像によるピクセル点の部分的カバレッジは、ピクセルマトリクスに接続された評価デバイス15によってグレイスケール値として評価され、各マーク画像の重心座標16が、補間法として、複数の隣接するピクセル点のグレイスケール値から計算される。2つのマーク画像の重心座標から、評価デバイスは、
φ=arctan((y1−y2)/(x1−x2))
によって知られている三角法に従って、回転シャフトの回転軸の周りの回転シャフトの回転角度位置について角度値φを計算する。ここで、x1及びy1は一方のマーク画像の重心座標であり、x2及びy2は他方のマーク画像の重心座標である。
【0040】
よって、回転角度の変化は、角度値の差として計算され、角速度は、単位時間についての角度値の差として計算され、角加速度は、単位時間についての角速度の差として計算される。
【符号の説明】
【0041】
1 回転シャフト
2 回転軸
3 端表面
4 ロータリエンコーダ、ロータリエンコーダシステム
5 光学マーク
6 光学センサ
7 ピクセルマトリクス
8 ピクセル点
9 撮像デバイス
10 レンズ要素
11 軸方向
12 撮像光線
13 マーク画像
14 撮像された回転シャフト円周
15 評価デバイス
16 重心ライン
【外国語明細書】