(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-105324(P2016-105324A)
(43)【公開日】2016年6月9日
(54)【発明の名称】データ特徴の触覚表示方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20160513BHJP
G06F 3/0481 20130101ALI20160513BHJP
G06F 3/0488 20130101ALI20160513BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20160513BHJP
【FI】
G06F3/01 560
G06F3/0481 170
G06F3/0488
G06F13/00 520F
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-38542(P2016-38542)
(22)【出願日】2016年3月1日
(62)【分割の表示】特願2012-536869(P2012-536869)の分割
【原出願日】2010年10月18日
(31)【優先権主張番号】12/609,100
(32)【優先日】2009年10月30日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】500390995
【氏名又は名称】イマージョン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】IMMERSION CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(72)【発明者】
【氏名】バーンバウム,デヴィッド,エム.
(72)【発明者】
【氏名】ウルリッヒ,クリストファー,ジェー.
【テーマコード(参考)】
5B084
5E555
【Fターム(参考)】
5B084AA02
5B084BB02
5B084BB14
5B084DB08
5B084DC05
5E555AA08
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA54
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC12
5E555CA12
5E555CB10
5E555CB12
5E555CB16
5E555CB34
5E555CC01
5E555CC03
5E555DA24
5E555DD06
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】デジタル情報を第1の電子装置から第2の電子装置に転送する方法を提供する。
【解決手段】一例では、第1の装置は、タッチスクリーンを有するコンピューターであり、第2の装置は、個人が携帯又は装着するパーソナルメモリ装置である。本方法は、転送すべき情報を第1の電子装置上で選択することを含み、これは、タッチスクリーンに触れ、画面上で事前定義された指のジェスチャーを実行することにより行うことができる。次に、通信が第1の電子装置と第2の電子装置との間に確立される。次に、第1の電子装置から選択された情報を第2の電子装置にアップロードすることが開始される。情報が転送されるにつれて、振動触知感覚が個人の体に与えられ、振動触知感覚は情報のアップロードを示す。例えば、感覚は、個人の腕に沿って一列に順次与えることができ、個人に情報のアップロードの進行を伝えることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル情報を第1の電子装置から第2の電子装置に転送する方法であって、
(a)前記第1の電子装置上で転送すべき情報を選択するステップと、
(b)前記第1の電子装置と前記第2の電子装置との間に通信を確立するステップと、
(c)前記選択された情報を前記第1の電子装置から前記第2の電子装置に転送するステップと、
(d)前記情報が転送されるにつれて、振動触知感覚を個人に与えるステップであって、該振動触知感覚は前記情報の転送を示す、与えるステップと、
を含む、デジタル情報を第1の電子装置から第2の電子装置に転送する方法。
【請求項2】
前記情報又は該情報を表すアイコンは、前記第1の電子装置のタッチスクリーンに表示される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(a)は、前記タッチスクリーンの前記表示されている情報又はアイコンの近傍に触れることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(a)は、前記タッチスクリーン上で手のジェスチャーを実行することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(b)は、前記第1の電子装置と前記第2の電子装置との間に無線通信を確立することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の電子装置はパーソナル記憶装置を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記パーソナル記憶装置は、記憶すべき情報を無線で受信する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(c)は、前記選択された情報を前記第2の電子装置に無線で送信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(d)において、前記振動触知感覚は前記情報の転送の進行を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(d)は、時空的な振動触知感覚を前記個人に与えることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記振動触知感覚は、所定の空間アレイで順次与えられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記空間アレイは一列である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記情報の転送が完了したとき、第2の振動触知感覚を前記個人に与えることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
ステップ(d)は、振動触知感覚を前記個人の腕に与えることを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の電子装置と第2の電子装置との間での情報の転送の指示を提供する方法であって、振動触知感覚を個人の体に与えることを含み、前記振動触知感覚の特徴が、前記情報の転送の対応する特徴を前記個人に通知する、第1の電子装置と第2の電子装置との間での情報の転送の指示を提供する方法。
【請求項16】
前記振動触知感覚の前記特徴は、前記個人に前記情報の転送の進行を通知する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の電子装置はコンピューターであり、前記第2の電子装置はパーソナル記憶装置である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コンピューターはタッチスクリーンディスプレイを含み、前記個人は、前記タッチスクリーンディスプレイに所定の様式で係合することにより、転送すべき情報を選択する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
装着可能な物品に所定のアレイで配置された複数の振動触知アクチュエーターを備える振動触知ディスプレイであって、前記装着可能な物品は、個人によって体の所定の部分に装着されるように構成され、前記振動触知ディスプレイは、前記振動触知アクチュエーターに結合され、前記振動触知アクチュエーターを所定の方法で起動して、情報を前記個人に与えるようにプログラムされるアクチュエーターコントローラーを更に備える、装着可能な物品に所定のアレイで配置された複数の振動触知アクチュエーターを備える振動触知ディスプレイ。
【請求項20】
前記装着可能な物品はアームバンドである、請求項19に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項21】
前記アクチュエーターコントローラーはパーソナル記憶装置と通信し、前記コントローラーは、前記アクチュエーターを起動して、前記パーソナル記憶装置への情報アップロード及び前記パーソナル記憶装置からの情報ダウンロードの進行を前記個人に示す、請求項19に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項22】
前記振動触知アクチュエーターは一列に配置され、前記コントローラーは、前記アクチュエーターを前記一列に沿って順次起動し、前記パーソナル記憶装置への情報アップロードを示すようにプログラムされる、請求項21に記載の振動触知ディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には人間とタッチスクリーンとの相互作用に関し、より詳細には、タッチスクリーンに結合されたコンピューターとユーザーが装着するポータブル装置との間でのデータ交換に関し、データ交換には対応する触覚効果が付随する。
【背景技術】
【0002】
新世代の消費者装置及び商用装置はますます、コンピューターとユーザーとの間で情報を交換する好ましい方法としてタッチスクリーン入力及びタッチスクリーンディスプレイに頼っている。例えば、仮想的なボタン、スライダー等をタッチスクリーンのディスプレイに表示することができ、ユーザーは、これらの仮想的な入力を「押下」又は他の様式で操作することにより、選択肢の中から好みを示し、又は選択することができる。ユーザーと、タッチスクリーンを使用する広範囲の普段使いの装置との相互作用が、日々の生活の単なる一部になるまでますます普及することになることが予想される。個人がUSBフラッシュドライブ、ポータブルハードドライブ、メモリカード等のパーソナルポータブルデータ記憶装置を携帯することも一般的になりつつある。これらの装置は、例えば、金融記録、公文書、医療記録、写真及び映像、並びに音楽ファイル等の広範囲の有用なデータ及び情報を記憶するために人々により使用される。この傾向が、ポータブル記憶装置が個人により腕時計及び宝飾品と全く同じように一般的に装着されるようになるまで続くことも予想される。
【0003】
上記傾向が進むにつれて、データ及び情報をコンピューター及び他の装置と個人のポータブル記憶装置との間で転送する改良されより簡易化された技法が出現するであろう。現在、この種のトランザクションは、個人のUSBフラッシュドライブをコンピューターのUSBポート内に装着することを含む。ドライブの存在の認識は、コンピューターのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)内にドライブを表すアイコンとして表示される。次に、ユーザーは、ファイル、フォルダー、写真、音楽ファイル等を表示されているアイコン上にドラッグして、それらを挿入されたUSBフラッシュドライブにコピー又は移動させることができる。これは、マウスを使用して行うことができ、又はタッチスクリーンを横切って指先を移動させることにより達成することができる。アイコンにドラッグされたアイテム毎に、進行バーが出現し、バーが左から右に進んだ場合、データ転送が完了する。次に、ユーザーは、USBフラッシュドライブをUSBポートから取り外し、転送されたデータが記憶された状態で持ち出すことができる。
【0004】
情報をパーソナル記憶装置に転送する上記プロセスは機能的であるが、それでもやはり面倒で複雑であり、達成するために少なくとも適度のコンピュータースキルを必要とする。したがって、上記傾向に鑑みて、コンピューター又はディスプレイを有する他の装置と、個人のパーソナルポータブル記憶装置との間で情報及びデータを転送するより簡易でより直観的であり、かつよりインタラクティブな方法が現在必要とされており、その必要性は高まりつつある。これに関連して、ファイルがパーソナルポータブル記憶装置に含まれていることを個人に常時通知する必要性もある。本開示が主に対象とするのはこのような方法の提供である。
【発明の概要】
【0005】
タッチスクリーンを有するコンピューター又は他の装置と、個人のパーソナルポータブル記憶装置との間でデータを転送する方法及び装置が開示される。本方法は、特別な振動触知前腕ディスプレイと組み合わせて、個人が装着するBluetooth(登録商標)又は他の無線パーソナルデータ記憶装置の使用を含む。振動触知前腕ディスプレイは、振動効果又は触覚効果をユーザーの前腕に所定のパターン又は順序で与えるように位置決めされた振動触知アクチュエーターの離間アレイを有する前腕帯の形態をとることができる。アクチュエーターはコントローラーにより制御され、コントローラーは装着されるパーソナル記憶装置にも結合される。コンピューターは、ユーザーが表面に加える接触及びジェスチャーに応答するようにプログラムされる。
【0006】
可能な一例では、パーソナル記憶装置と、前腕ディスプレイとを装着した個人は、例えば、ユーザーがパーソナル記憶装置にロードしたい写真を表示したタッチスクリーンに近づくことができる。勿論、この例での写真は、音楽ファイル、ドキュメント等の実質的にあらゆる種類の情報を仮想的に表すアイコンで置き換えることができる。しかし、本例では、個人は、スクリーンの写真の近くを単に触れ、指のジェスチャーを実行することができ、ジェスチャーは、コンピューターにより、写真を個人の無線記憶装置にアップロードする要求を示すものとして解釈される。次に、画面上の写真を個人の手の下に移動させ、縮小させ、消失させて、写真が個人のパーソナル記憶装置に送られたことを示すことができる。その直後、振動触知前腕ディスプレイの個人の手の近くにある触覚アクチュエーターが起動し、データ送出の開始を示す振動を与える。写真の多くの部分がアップロードされるにつれて、個人の前腕のますます高い位置にある触覚アクチュエーターが起動して、データ転送の進行を示す。したがって、個人は、ファイルが自身の腕を上って移動するように感じる。転送が終了すると、異なる触覚効果を個人の前腕に与えて、写真のアップロードが完了したことを示すことができる。その後、個人は、前腕ディスプレイを通じて、アップロードされたファイルがまだ存在することを示す連続又は周期的な触覚効果を受けることができる。
【0007】
このように、コンピューター及び他の装置とのデータ及び情報の交換を大幅に簡易化し、より直観的かつより有用にする方法及び装置が開示される。本方法は、アップロードされたファイルの存在及び恐らくは他の状態情報を示す、パーソナル記憶装置からの触覚メッセージを含むことができる。これらの態様、特徴、及び利点、並びに他の態様、特徴、及び利点は、以下のように概説される添付図面の図とともに取り入れられた後述する詳細な説明の検討からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示による前腕振動触知ディスプレイ及びパーソナル記憶装置を示す図である。
【
図2】本開示による、コンピューターに結合されたタッチスクリーンビデオディスプレイを示す図である。
【
図3】無線パーソナル記憶装置及び前腕振動触知ディスプレイが取り付けられた個人が該個人がアップロードしたいタッチスクリーン上の画像に手を伸ばしているところを示す図である。
【
図4】個人がタッチスクリーンの画像の近傍に触れて画像を選択し、アップロードを要求する指ジェスチャーを実行しているところを示す図である。
【
図5】データ転送が開始する際に個人の手の下で画像が縮小することと、データ転送の開始を触覚で示す振動触知前腕ディスプレイの第1のアクチュエーターの対応する起動とを示す図である。
【
図6】データ転送が続いていることと、データ転送の進行を触覚で示す振動触知前腕ディスプレイの追加のアクチュエーターの順次起動とを示す図である。
【
図7】データ転送が完了間近であることと、振動触知前腕ディスプレイのアクチュエーターの対応する起動とを示す図である。
【
図8】データ転送の完了と、パーソナル記憶装置への写真の転送が完了したことを装着者に示す前腕振動触知ディスプレイを通しての対応する触覚効果の付与とを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
これより、図面の図をより詳細に参照する。図中、同様の参照番号はいくつかの図を通して同様の部分を示す。
図1は、本発明の原理を実施する前腕振動触知ディスプレイを示す。この実施形態での振動触知ディスプレイ11は、個人の前腕12に巻かれて装着されるバンド又はスリーブ13を備える。例えば、Bluetooth(登録商標)対応フラッシュメモリチップ等の無線パーソナルメモリ装置14が、スリーブに配置され、コンピューターと無線でデータを交換することが可能である。アクチュエーターコントローラー16がスリーブ13に配置され、メモリ装置14に動作可能に結合されて、メモリ装置へのデータアップロードの状態又はメモリ装置からのデータダウンロードの状態を監視する。振動触知アクチュエーター18のアレイがスリーブ13に配置され、起動した場合、各アクチュエーターが振動触感覚を個人の前腕12に加えることが可能なように位置決めされている。示される実施形態では、アクチュエーター18は前腕12から上に一列に延びて配置されているが、これは本発明を限定するものではなく、アクチュエーターは、特定の用途に合わせるために望ましい任意のパターン又はアレイに配置することができる。アクチュエーターのアレイの構成にかかわりなく、各アクチュエーター18はアクチュエーターコントローラー16に動作可能に接続されている。アクチュエーターコントローラーは、所望に応じてアクチュエーターを個々に、順次、グループで、又は他の様式で起動するようにプログラムされている。さらに、アクチュエーターコントローラーは、異なる振動触覚効果をアクチュエーターのうちの1つ又は全てに与えることが可能であり、異なる効果は個人により区別可能である。例えば、コントローラーは、触覚感覚をアクチュエーターに短いバーストで、長いバーストで、一連のバーストで、又は独特の振動プロファイルを有する触覚感覚で与えて、様々なメッセージ又は情報を個人に与えることができる。
【0010】
図2は、タッチ対応のディスプレイ24を有するタッチスクリーン22を一般的な形態で示す。タッチスクリーンは、コンピューター21に結合され、コンピューター21により制御され、この実施形態では、コンピューター21は一般的な形態で表される。しかし、コンピューターは、示されるようにスタンドアローンコンピューターとすることができ、又は例えば、キオスク、ATM機、ビデオゲーム、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、若しくは他の電子装置等の装置に埋め込まれたコンピューター若しくはコントローラーとすることができる。コンピューター21は、例えば、背景又はフィールド23に配置されたグラフィック要素26等の画像をタッチスクリーン22に表示するようにプログラムされている。グラフィック要素26については、写真として本明細書において考察するが、それらは、例えば、ファイル、フォルダー、ドキュメント、スプレッドシート、音楽、電子メール、ボイスメール、又はコンピューター画面上に日常的に表示される任意の他の種類の情報を示すアイコン又は表示等の実質的にあらゆる種類のグラフィック要素とすることができることが理解されるであろう。タッチスクリーン22は、ディスプレイ24の上に重なったタッチセンシティブパネルも含み、このパネルは、容量性タッチパネル、抵抗性タッチパネル、又は任意の他の適切な種類のタッチパネルとすることができる。タッチセンシティブパネルは個人による画面の静的な接触及び移動する、すなわち動的な接触を検知し、コンピューター21に、画面への接触位置を示す情報及び画面上の接触の動的な移動についての情報を送信する。このようにして、個人は、接触及び指のジェスチャーを通じて、画面に提示された画像及び情報と相互作用し、コンピューターは、接触及びジェスチャーを要求、コマンド、指示等として解釈するようにプログラムされている。
【0011】
一般に、タッチスクリーン技術、振動触知アクチュエーター及びコントローラー、並びに無線データ転送の詳細は、当業者に既知であるため、本明細書において詳細に説明する必要はない。しかし、次に、これらの技術を利用する本発明について、
図3乃至
図8を参照してより詳細に説明する。これらの図は、好ましい一実施形態での本開示の方法を順次示す。特に、本発明の方法論について、個人がタッチスクリーンと相互作用して、画面上の画像を、個人が装着する無線パーソナル記憶装置にアップロードすることに関して考察する。しかし、本発明が本発明の例として選択される特定の実施形態に限定されないし、そのような実施形態によって限定されることもないことを理解されたい。
【0012】
図3は、画像が表示されるフィールド又は背景24を表示するタッチスクリーンビデオディスプレイ22を示し、この例では、画像は写真20の画像である。画面に向かって伸びる個人の腕が見られる。上述したように構成された振動触知ディスプレイ11が、個人の前腕12に取り付けられている。この例では、個人は、コンピューター画面から無線パーソナル記憶装置にアップロードしたいアイテムとして写真20を特定している。
図4では、個人は、30で示されるように自身の手15を動かし、タッチスクリーンディスプレイ22の写真20又はその近傍に触れる。画面に結合されたコンピューターは、この接触を個人による写真20の選択又は特定として解釈するようにプログラムされている。
【0013】
個人が、選択された写真を使用して何をしてもらいたいかをコンピューターに命令するために、例えば、指の掴む動き等の指のジェスチャーが、タッチスクリーンの表面上で実行される。コンピューターは、写真を具現するデータを個人の無線パーソナル記憶装置にアップロードする命令としてジェスチャーを解釈するようにプログラムされている。次に、コンピューターは、個人の無線パーソナル記憶装置との通信を確立し、データアップロードを開始する。
図5では、写真20に対応するデータのアップロードが、31に示されるように開始されている。アップロードの開始と同時に、振動触知ディスプレイ11の振動触知コントローラーは、32に示されるように、個人の手に最も近い振動触知アクチュエーターを起動する。これは、パーソナル記憶装置への写真20の転送開始を確認する振動触覚フィードバックを個人に提供する。同時に、例えば、個人の手に「吸い込まれる」ように見えるような写真の操作等の視覚的な合図を、
図5に示されるように、タッチスクリーンディスプレイ22に表示することができる。
【0014】
図6では、写真20を具現するデータのアップロードが進行する。同時に、振動触知コントローラーは、アップロードの進行を監視し、32に示されるように振動触知アクチュエーターを順次起動する。このようにして、振動触感覚は個人の前腕を徐々に上に移動し、アップロードの進行を示す。或る意味では、個人は、データが転送されるにつれて、ファイルが自身の前腕を上に移動するように感じる。
図7では、アップロードは完了間近であり、振動触知アクチュエーターの全てが、パーソナル記憶装置への選択された写真のアップロードがほぼ完了したことの個人への指示として、それぞれ順番に起動されている。最後に、
図8において、選択された写真を具現するデータのアップロードは完了し、写真は画面22から消えている。この時点で、振動触知コントローラーは、35に示されるように、異なる区別可能な触覚効果を有する振動触知アクチュエーターのうちの1つ又は複数を起動することにより、完了を信号で通知することができる。例えば、
図8に示されるように、個人の手から最も遠いアクチュエーターは、パルスのように振動することができ、又は区別可能な振動プロファイルで振動することができる。これは、選択された写真がこの時点で、パーソナル記憶装置にアップロードされたことを個人に信号で通知する。
【0015】
写真がアップロードされた後、パーソナル記憶装置を監視する振動触知コントローラーは、個人が、写真を含むファイルが存在することを示す連続又は断続した触覚通知を自身の前腕振動触知ディスプレイで受信するように、振動触知アクチュエーターのうちの1つ又は複数を起動することができる。個人が家に着いたとき、個人は、写真を自身のパーソナル記憶装置から、タッチスクリーンを組み込んだパーソナルホームコンピューター又は他の装置にダウンロードしたい場合がある。その場合、個人は、自身の手をパーソナルホームコンピューターの画面に配置し、コンピューターがパーソナル記憶装置からデータをダウンロードする要求として認識するようにプログラムされている指又は手のジェスチャーを実行することができる。コンピューターは、無線パーソナル記憶装置との通信を確立し、ダウンロードが開始される。同時に、前腕ディスプレイの振動触知アクチュエーターは、データが個人の腕を下って、戻って移動することを暗示し、又はそのように感じるパターンでコントローラーにより起動される。例えば、アクチュエーターは、データアップロード中に起動された順序とは逆の順序に起動することができる。ダウンロードが完了したとき、区別可能な触覚効果が与えられ、写真は、タッチスクリーン上の個人の手の下に出現する。この時点で、写真を具現するデータは、パーソナルコンピューター内部に記憶され、個人のパーソナル記憶装置から出されている。
【0016】
したがって、タッチスクリーンに結合されたコンピューターに対しデータ及び情報を選択し、アップロードし、及びダウンロードする独自の技法及び方法論がここで開示されていることが分かる。本発明を好ましい実施形態及び方法論に関して説明したが、多くの他の実施形態が可能であり、全てが本発明の範囲内であることが理解されよう。例えば、振動触知ディスプレイは、個人の前腕に装着される必要はなく、それに代えて、足、胴周り、腕時計として、又は触覚振動触知効果を与えることができる体の任意の他の場所に装着することができる。さらに、パーソナル記憶装置は、振動触知ディスプレイに一体化する必要はなく、振動触知コントローラーに直接結合する必要はない。例えば、パーソナル記憶装置は、コントローラーとは別個に配置し、コントローラーと無線で通信可能とすることができる。記憶装置は、携帯電話、PDA、又は音楽プレーヤー等の別の装置の一部とすることができる。さらに、振動触知アクチュエーターは、単純な線形パターンに配列して示されたが、振動触知触覚効果を個人に与えるために有用な実質的にあらゆるパターンに配置することもできる。振動触知アクチュエーターは1つのみであってもよく、インターフェース動作を表すために、その1つのみの振動触知アクチュエーター上に複数の触覚パターンが表示される。最後に、本発明が、好ましい実施形態におけるような写真のアップロード及びダウンロードに限定されないことが明らかなはずである。実際には、本願は、ドキュメント、音楽ファイル、フォルダー、スプレッドシートデータ、電子メール、ボイスメール、及び多くの他の情報等の個人がパーソナルメモリ装置にアップロードしたい場合がある任意の電子データ又は情報に適用可能である。これらの代替の形態の大半では、データは、写真の場合のように画像ではなくむしろ適切なアイコンにより画面に表される。最後に、好ましい実施形態では、振動触知感覚は順次与えられるが、それらは時間の経過に伴い他のパターンで与えることも同様に可能である。したがって、「時空的(spatiotemporal)」という言葉は、振動触知感覚を与えることができる広範囲のパターン及び順序を指すために使用することができる。これらの追加、削除、及び変更、並びに他の追加、削除、及び変更は、特許請求の範囲に記載の本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、本明細書に示される好ましい実施形態に対して行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2016年3月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着可能な物品上における振動触知アクチュエーターを備える振動触知ディスプレイであって、
前記装着可能な物品は、個人によって体の所定の部分に装着されるように構成されており、
前記振動触知ディスプレイは、前記振動触知アクチュエーターに結合されているアクチュエーターコントローラーを備えており、
該アクチュエーターコントローラーは、前記振動触知アクチュエーターを、
前記振動触知アクチュエーターを起動することによって、第1の電子装置から第2の電子装置への情報の転送の進行を示す振動触知感覚を前記個人に与え、且つ
前記第1の電子装置から前記第2の電子装置への前記情報の進行の完了を示す振動触知感覚を前記個人に与えるように、作動させるようにプログラムされていることを特徴とする、振動触知ディスプレイ。
【請求項2】
前記アクチュエーターコントローラーは、前記振動触知アクチュエーターを、前記第1の電子装置から前記第2の電子装置への情報の転送の開始を示す振動触知感覚を前記個人に与えるように、作動させるようにさらにプログラムされていることを特徴とする、請求項1に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項3】
前記第1の電子装置から前記第2の電子装置への前記情報の転送の開始を示す前記振動触知感覚は、前記第1の電子装置から前記第2の電子装置への前記情報の転送の完了を示す前記振動触知感覚とは異なることを特徴とする、請求項2に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項4】
前記第1の電子装置から前記第2の電子装置への前記情報の転送の開始を示す前記振動触知感覚及び前記第1の電子装置から前記第2の電子装置への前記情報の転送の完了を示す前記振動触知感覚は、固有の振動プロファイルを備えることを特徴とする、請求項2に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項5】
前記振動触知ディスプレイは、パーソナル記憶装置をさらに備えており、
前記第2の電子装置は、該パーソナル記憶装置であることを特徴とする、請求項1に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項6】
前記装着可能な物品は、腕時計であることを特徴とする、請求項1に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項7】
前記振動触知アクチュエーターは、前記装着可能な物品上において所定のアレイで配置されている複数の振動触知アクチュエーターであることを特徴とする、請求項1に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項8】
前記アクチュエーターコントローラーは、前記複数の振動触知アクチュエーターに結合されており、
前記アクチュエーターコントローラーは、前記複数の振動触知アクチュエーターを、所定の方法で、情報を前記個人に与えるように、作動させるようにプログラムされていることを特徴とする、請求項7に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項9】
前記複数の振動触知アクチュエーターの前記所定のアレイは、直線パターンであることを特徴とする、請求項7に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項10】
前記アクチュエーターコントローラーは、前記複数の振動触知アクチュエーターに結合されており、
前記アクチュエーターコントローラーは、前記複数の振動触知アクチュエーターを順次作動させるようにプログラムされていることを特徴とする、請求項9に記載の振動触知ディスプレイ。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の振動触知ディスプレイと、
前記第1の電子装置を形成するように構成されるコンピューターと、
を備える、システム。
【請求項12】
前記コンピューターは、タッチスクリーンであって、該タッチスクリーンは、前記個人による該タッチスクリーンへの接触を感知するように構成されている、タッチスクリーンを備えており、
前記タッチスクリーンによって感知される前記接触によって、前記第1の電子装置から前記第2の電子装置への前記情報の転送を開始させることを特徴とする、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンピューターは、携帯電話であることを特徴とする、請求項11又は12に記載のシステム。