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特開2016-106784遊技機用演出ユニット、遊技機及び遊技機用演出ユニットの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-106784(P2016-106784A)
(43)【公開日】2016年6月20日
(54)【発明の名称】遊技機用演出ユニット、遊技機及び遊技機用演出ユニットの制御方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20160523BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-246124(P2014-246124)
(22)【出願日】2014年12月4日
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591044614
【氏名又は名称】株式会社足立ライト工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】白上 亮治
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 茂幸
(72)【発明者】
【氏名】末廣 義典
(72)【発明者】
【氏名】豊永 和博
(72)【発明者】
【氏名】清水 英明
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088EB78
(57)【要約】      (修正有)
【課題】可動範囲の自由度が高い移動演出役物を有する遊技機用演出ユニット、遊技機及び遊技機用演出ユニットの制御方法を提供する。
【解決手段】遊技機に使用される遊技機用演出ユニット100において、遊技機の遊技領域の外側に配置されたレール10と、レールに取り付けるための取付部材と、駆動力発生手段と、駆動力発生手段によってレールに沿って相対位置を変更させる移動手段と、駆動力発生手段に電力を供給する蓄電池と、非接触電力伝送による電力の受電する受電モジュールと、これらを収容する筐体と、を備えた移動演出役物20と、受電モジュールに電力を給電する給電モジュールを備えた給電装置80と、給電装置から移動演出役物への給電を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に使用される遊技機用演出ユニットにおいて、
前記遊技機に配置されたレールと、
前記レールに取り付けるための取付部材と、駆動力発生手段と、前記駆動力発生手段によって前記レールに沿って相対位置を変更させる移動手段と、前記駆動力発生手段に電力を供給する蓄電池と、非接触電力伝送により電力を受電する受電モジュールと、これらを収容する筐体と、を備えた移動演出役物と、
前記受電モジュールに電力を給電する給電モジュールを備えた給電装置と、
前記給電装置から前記移動演出役物への給電を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機用演出ユニット。
【請求項2】
前記制御手段は、前記移動演出役物が前記給電装置から給電可能な位置にあるか否かを判定し、給電可能な位置にあると判定した場合に、前記給電装置が前記移動演出役物に給電することを特徴とする請求項1記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項3】
前記制御手段は、前記蓄電池の残量が所定の値以下であるか否かを判定し、前記蓄電池の残量が所定の閾値以下である場合に、前記給電装置が前記移動演出役物に給電することを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項4】
前記受電モジュールと前記給電モジュールには、それぞれデータ通信用の受電側データ通信用モジュールと給電側データ通信用モジュールを備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項5】
前記受電モジュールには、受電側フォトセンサを有し、前記給電モジュールには、前記受電側フォトセンサに光を出射する給電側LEDを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項6】
前記給電モジュールには給電側フォトセンサを有し、前記受電モジュールには前記給電側フォトセンサに光を出射する受電側LEDを有することを特徴とする請求項5に記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項7】
前記制御手段は、前記給電側LEDからの光を前記受電側フォトセンサで検知することで前記移動演出役物が前記給電装置から給電可能な位置であると判定し、前記給電装置が前記移動演出役物に給電することを特徴とする、請求項5に記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項8】
前記制御手段は、前記給電側LEDからの光を前記受電側フォトセンサで検知し、かつ、前記受電側LEDの光を前記給電側フォトセンサで検知することで前記移動演出役物が前記給電装置から給電可能な位置であると判定し、前記給電装置が前記移動演出役物に給電することを特徴とする、請求項6記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項9】
前記レールには、噛合歯が形成されており、
前記移動手段は、前記噛合歯と噛合するピニオンギヤであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項10】
前記移動演出役物には、演出効果を付与する演出用LEDを備えていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項11】
前記演出用LEDは、円盤型基板に複数配置されており、前記円盤型基板を回転させる回転手段を有することを特徴とする請求項10に記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項12】
前記レールには、長手方向を軸に捻りが加えられていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項13】
前記レールは、前記噛合歯の両側に長手方向に沿って上平面を有し、
前記ピニオンギヤの両側に前記レールの上面を支持する上面支持部を有し、
前記上面支持部の両側に、前記移動演出役物が前後に傾いた際に前記移動演出役物の傾きを矯正するため、前記上平面に当接して位置を矯正する位置矯正部材を備えたことを特徴とする請求項9記載の遊技機用演出ユニット。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか1項に遊技機用演出ユニットが取り付けられていることを特徴とする遊技機。
【請求項15】
前記レールは、前端と後端とで異なる高さになるように配置されていることを特徴とする請求項14記載の遊技機。
【請求項16】
遊技機に使用される遊技機用演出ユニットにおいて、前記遊技機の遊技領域の外側に略上下方向に配置されたレールと、前記レールに取り付けるための取付部材と、駆動力発生手段と、前記駆動力発生手段によって前記レールとの間で相対位置を変更させる移動手段と、前記駆動力発生手段に電力を供給する蓄電池と、非接触電力伝送により電力を受電する受電モジュールと、これらを収容する筐体と、を備えた移動演出役物と、前記受電モジュールに電力を給電する給電回路を備えた給電装置と、を備えたことを特徴とする遊技機用演出ユニットを制御する遊技機用演出ユニットの制御方法であって、
前記移動演出役物が前記給電装置から給電可能な位置にあるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで給電可能な位置にあると判定した場合に、前記給電装置が前記移動演出役物に給電する給電ステップと、
を含むことを特徴とする、
遊技機用演出ユニットの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、メダル又はパチンコ球を遊技媒体として用いる回胴式遊技機に使用する遊技機用演出ユニット、遊技機及び遊技機用演出ユニットの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ遊技機の遊技盤には可変表示装置が設けられており、複数種類の図柄を変動し表示させ、所定時間後に停止する。このとき、停止した図柄の組み合わせが所定の組み合わせ(例えば、「777」)になると、「大当たり」となり、大量の景品球を獲得する特別遊技状態となるものが主流を占めており、「大当たり」までの過程をいかにして演出するかが、遊技機作りの重要課題となっている。
【0003】
そのため、遊技機の前面枠体や遊技機に可変表示装置と連動して演出を行う装飾部材や可動式の演出装置を配置して、興趣を高めた遊技機が提案されている。特に近年では、他の遊技機との差別化を図るため、演出装置の可動体そのものを発光させるなど様々な工夫を凝らしている。このような演出装置の中でも非接触給電方式による充電手段を有する電池を電源としてLED等を点灯させる可動体が提案されている(特許文献1)。この可動体においては、LED等を点灯させるための電源供給部を配線で接続する必要がないため、配線に起因する様々な問題を回避することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、横駆動部と縦駆動部とからなる駆動機構は駆動源となるモータの出力軸に連結された偏心カムを介してスライド板が可動して、可動体を可動させているに過ぎず、モータは所定位置に固定されており、可動体の可動範囲は依然として所定範囲にとどまるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−28033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、可動範囲の自由度が高い移動演出役物を有する遊技機用演出ユニット、遊技機及び遊技機用演出ユニットの制御方法を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明にかかる遊技機用演出ユニットは、
前記遊技機に配置されたレールと、
前記レールに取り付けるための取付部材と、駆動力発生手段と、前記駆動力発生手段によって前記レールに沿って相対位置を変更させる移動手段と、前記駆動力発生手段に電力を供給する蓄電池と、非接触電力伝送により電力を受電する受電モジュールと、これらを収容する筐体と、を備えた移動演出役物と、
前記受電モジュールに電力を給電する給電モジュールを備えた給電装置と、
前記給電装置から前記移動演出役物への給電を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
非接触電力伝送によって電力を受電する受電モジュールによって得られる電力を、移動演出役物に電力を供給する蓄電池に充電することによって、移動演出役物の可動範囲を長くすることができる。
【0010】
また、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記制御手段は、前記移動演出役物が前記給電装置から給電可能な位置にあるか否かを判定し、給電可能な位置にあると判定した場合に、前記給電装置が前記移動演出役物に給電することを特徴とするものであってもよい。前記給電装置から前記移動演出役物への給電を制御する制御手段を設けたことによって、電力の消費を抑えることができる。
【0011】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記制御手段は、前記蓄電池に残存する残量が所定の値以下であるか否かを判定し、前記蓄電池に残存する残量が所定の閾値以下である場合に、前記給電装置が前記移動演出役物に給電することを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、充電容量を超えて過充電してしまう可能性を未然に低減することができる。
【0012】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記受電モジュールと給電モジュールには、それぞれデータ通信用の受電側データ通信用モジュールと給電側データ通信用モジュールを備えていることを特徴とするものであってもよい。また、演出用制御基板からの信号を受電モジュールに通信することができ、移動演出役物に様々な移動パターンの動きをさせることができる。
【0013】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記受電モジュールには、受電側フォトセンサを有し、前記給電モジュールには、前記受電側フォトセンサに光を出射する給電側LEDを有することを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、受電モジュールに給電モジュールの位置情報を送信することができる。
【0014】
さらに、本発明に係る遊技機用演出ユニットにおいて、前記給電モジュールには給電側フォトセンサを有し、前記受電モジュールには前記給電側フォトセンサに光を出射する受電側LEDを有することを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、給電モジュールに受電モジュールの位置情報を送信することができる。
【0015】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記制御手段は、前記給電側LEDからの光を前記受電側フォトセンサで検知することで前記移動演出役物が前記給電装置から給電可能な位置であると判定し、前記給電装置が前記移動演出役物に給電することを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、移動演出役物が給電装置に給電可能な位置にない場合の給電を停止することができ、省電力に資する。
【0016】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記制御手段は、前記給電側LEDからの光を前記受電側フォトセンサで検知し、かつ、前記受電側LEDの光を前記給電側フォトセンサで検知することで前記移動演出役物が前記給電装置から給電可能な位置であると判定し、前記給電装置が前記移動演出役物に給電することを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、移動演出役物が給電装置に給電可能な位置にない場合の給電を停止することができ、省電力に資する。
【0017】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記レールには、噛合歯が形成されており、前記移動手段は、前記噛合歯と噛合するピニオンギヤであることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、移動演出役物がレール上を滑る可能性を低減でき、常に一定の距離の移動を確保することができる。
【0018】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記移動演出役物には、演出効果を付与する演出用LEDを備えていることを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、より演出効果の高い移動演出役物を提供することができる。
【0019】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記演出用LEDは、円盤型基板に複数配置されており、前記円盤型基板を回転させる回転手段を有することを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、抽選結果に応じて円盤型基板の回転方向や回転速さ等を変化させることにより、より演出効果の高い移動演出役物を提供することができる。
【0020】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記レールは、長手方向を軸に捻りが加えられていることを特徴とするものであってもよい。これにより、遊技者から視た場合に、移動演出役物の向きを変化し、3次元な動きをするためより演出効果の高い移動演出役物を提供することができる。
【0021】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットにおいて、前記レールは、前記噛合歯の両側に長手方向に沿って上平面を有し、前記ピニオンギヤの両側に前記レールの上面を支持する上面支持部を有し、前記上面支持部の両側に、前記移動演出役物が前後に傾いた際に前記移動演出役物の傾きを矯正するため、前記上平面に当接して位置を矯正する位置矯正部材を備えたことを特徴とするものであってもよい。かかる構成を採用することによって、レールの曲がり部や捻り部を通過する際でも移動演出役物のレールに対する位置関係の変化を低減して安定した位置を保持し、滑らかな移動を可能とすることができる。
【0022】
さらに、本発明にかかる遊技機は、前述した遊技機用演出ユニットが取り付けられていることを特徴とするものである。かかる構成を採用することによって、前述した効果を有する遊技機を提供することができる。
【0023】
さらに、本発明にかかる遊技機において、前記レールは、前端と後端とで異なる高さになるように配置されていることを特徴とするものであってもよい。本発明は、非接触電力伝送による電力の受電する受電モジュールによって得られる電力を移動演出役物に電力を供給する蓄電池に充電しているため、高低差があるようなレールであっても十分な移動を確保することができる。
【0024】
さらに、本発明にかかる遊技機用演出ユニットの制御方法は、
遊技機に使用される遊技機用演出ユニットにおいて、前記遊技機の遊技領域の外側に略上下方向に配置されたレールと、前記レールに取り付けるための取付部材と、駆動力発生部材と、前記駆動力発生部材によって前記レールとの間で相対位置を変更させる移動器具と、前記駆動力発生装置に電力を供給する蓄電池と、非接触電力伝送により電力を受電する受電回路と、前記受電回路を制御する受電モジュールと、これらを収容する筐体と、を備えた移動演出役物と、前記受電回路に電力を給電する給電回路を備えた給電装置と、を備えたことを特徴とする遊技機用演出ユニットを制御する遊技機用演出ユニットの制御方法であって、
前記移動演出役物が前記給電装置から給電可能な位置にあるか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップで給電可能な位置にあると判定した場合に、前記給電装置が前記移動演出役物に給電する給電ステップと、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、可動範囲の自由度が高い移動演出役物を有する遊技機用演出ユニット、遊技機及び遊技機用演出ユニットの制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、実施形態にかかる遊技機200の斜視図である。
図2図2は、実施形態にかかる遊技機200の正面図である。
図3図3は、実施形態にかかる遊技機200の背面図である。
図4図4Aは、実施形態にかかる遊技機用演出ユニット100の構成を示す斜視図であり、図4Bは、正面図である。
図5図5Aは、実施形態にかかる移動演出役物20及びレール10の構成を示す斜視図である。第2取付部材32のみ、反対側の面(他方側面側)を表した図を表してある。図5Bは正面図である。
図6図6は、実施形態にかかるレール10を示す上面図及び側面図である。なお、噛合歯11は省略されている。
図7図7は、実施形態にかかる給電装置80の斜視図である。
図8図8Aは、実施形態にかかるレール10に演出用LEDを取り付けた状態を示す斜視図である。図8Bは、実施形態にかかるレール10に演出用LEDを取り付けた状態の別実施形態を示す正面図である。
図9図9は、実施形態にかかる移動演出役物20の分解斜視図である。
図10図10は、実施形態にかかる移動演出役物20底面図及びA−A断面図である。
図11図11は、実施形態にかかる遊技機用演出ユニット100の制御部の内容を示すブロック図である。
図12図12は、起動準備処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
図13図13は、監視処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
図14図14は、給電モジュール動作処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
上記図面に基づいて、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
【0028】
まず、図1図2を用いて、本実施形態の遊技機用演出ユニット100が使用されるパチンコ用の遊技機200の実施形態の一例について構成を詳しく説明する。パチンコ用の遊技機200は、図1に示すように、パチンコホール等の島に上板と下板との間に挟持されて支持される外枠222と、外枠222に軸支される本体枠230と、本体枠230の一側に設けられ図示しない蝶番により開閉可能に軸着される前面枠260と、を備えている。
【0029】
本体枠230は、図2に示すように、遊技領域251を含む遊技盤250と、前面下部の一側方位置に回転可能に設けられた発射ハンドル232と、前面下部に設けられ図示しない遊技球を貯留する球受皿234と、球受皿234の下部であって本体枠230の両側部に設けられ演出音等を放音するスピーカ236と、を備えている。また、本体枠230の裏面側には、図3に示すように、上部に設けられた球タンク238から賞球を供給する球払出装置240と、封入ケースに封入された球払出制御基板248及び主制御基板270と、演出用制御基板290が設けられている。球受皿234内の図示しない遊技球は、図示しない打球供給装置を経由して図示しない打球発射装置に導かれ、発射ハンドル232の回転度に応じた強さで遊技領域251内に発射される。
【0030】
遊技盤250は、図2に示すように、略中央部に位置し入賞等による各種演出を表示する大型の液晶パネルを有する図柄変動表示装置252や図柄変動表示装置252の下方に位置する大入賞口258及び大入賞口258の両側方向に位置する複数の入賞口256を有し、風車や多数の障害釘からなる障害釘群が表面に適宜配置される遊技領域251を有している。球受皿234内の図示しない遊技球は、図示しない打球供給装置を経由して図示しない打球発射装置に導かれ、発射ハンドル232の回転度に応じた強さで遊技領域251内に発射される。図示しない発射装置によって障害釘群や入賞口256等を有する遊技領域251内に射出された遊技球は、風車や障害釘群を通過して入賞口256や大入賞口258に到達すると、入賞口256や大入賞口258に設けられた入賞球スイッチ246(図10参照)によって検出され、主制御基板270が入賞信号を受信することによって入賞として扱われる。この場合には、主制御基板270より球払出制御基板248に球払出信号が発信され、球タンク238から球払出装置240を介して賞球が球受皿234に供給されることにより、遊技者は賞球を得ることができる。
【0031】
次に、実施形態にかかる遊技機用演出ユニット100について説明する。なお、各図面において、各構成部品の組立には、複数の取り付け用ビスを使用しているが、図面が見づらくなることから、適宜省略されている。なお、説明の便宜上、本明細書及び特許請求の範囲において、上面側、底面側、一方側面側、他方側面側、前方側、後方側とは、図5に示す矢印のように、レール10の噛合歯11を有する方を上面とし、レール10の噛合歯がある面と反対側の方を底面とし、レール10の長手方向を前後方向として説明する。
【0032】
遊技機用演出ユニット100は、図4に示すように、レール10と、このレール10を移動する移動演出役物20と、移動演出役物20に電力を供給する給電装置80と、を主として備えている。
【0033】
レール10は、図5に示すように、一般的なラックアンドピニオンのラックに相当する部材であり、ピニオンギヤ41と噛合する噛合歯11を有する長尺の部材である。実施形態においては、レール10は、平板に噛合歯11が設けられた形態を有する歯部材12を、断面が略凹形状に形成された枠部材13に嵌め込んで作製されている。レール10の素材は、特に限定するものではなく、例えばアルミニウム、鉄等の金属製でもよいし、合成樹脂であってもよい。合成樹脂で作製することによって、曲線部や捻れ部を容易に作製することができるという効果がある。レール10は、直線のみではなく、図6に示すように、湾曲した領域10fや捻れた領域10gを有していても良いし、上下方向に垂直又は傾いて配置された領域10hを有していてもよい。また、歯部材12が下方に向いて配置されていてもよい。レール10を作製する場合に、こうした領域を作製する際に、レール10を折り曲げたり、捻ったりすると、正確に加工することが難しく、レール10の一部が変形した領域(例えば10iの部分)が発生する可能性がある。本発明にかかる遊技機用演出ユニット100は、こうしたレール10においても安定した移動を確保することができる点が特徴の一つである。
【0034】
移動演出役物20は、主として、レール10や種々の構成部品を取り付けるための取付部材30と、レール10に取り付けられた移動演出役物20をレール10に沿って移動させるための移動手段40と、給電装置80から電力を受電し制御する受電モジュール50(図11参照)と、これらを収容する分割可能な筐体70と、を備えている。
【0035】
取付部材30は、主として、レール10の他方側面10aに配置される第1取付部材31と、一方側面10bに配置される第2取付部材32と、レール10の底面14を支持する底面等支持部材33と、を備えている。
【0036】
第1取付部材31は、各種構成部品を取り付けることができるように、各構成部品取付部(例えば、モーター取付部31a)を有する。第1取付部材31は、分割された一方の筐体70aに取り付けられることによって、各構成部材を固定することができる。また、底面14側には、底面等支持部材33を取り付けることができる。
【0037】
底面等支持部材33は、レール10の他方側面10aを支持する側面支持部としての2つの第1支持ローラ33bと、レール10の底面14を支持する底面支持部としての第1底面支持ローラ33aを備えている。2つの第1支持ローラ33bは、筐体70a内でレール10に沿って前後に間隔を開けて配置されており、他方側面10aに沿って移動できるようにされている。なお、第1支持ローラ33bの素材にウレタンやシリコン等の弾性部材を使用してレール10と相対位置が変化した場合に緩衝可能となるように形成してもよい。また、第1支持ローラ33bを図5Bの矢印の方向へ移動可能に設けて、ばね部材等により他方側面10aに付勢して設けても良い。かかる構成を採用することによって、レール10が湾曲したり、捻れたりしている場合に他方側面10a側との距離が移動中に変更した場合であって他方側面10aに追従することができる。また、レール10の湾曲又は捻れにより過度に干渉することを抑制してスムーズな移動を可能にすることができる。さらに、底面等支持部材33には、移動演出役物がレール10に沿ってより安定して移動することができるように、レール10への嵌め込み具合又はガタつき具合を調整することができるガイド部材33dがレール10の底面側であって、かつ第1底面支持ローラ33aの両脇に取り付けられている。このガイド部材33dは、弾性力を有する部材、例えば、プラスチック、薄い金属板等で作製されており、移動演出役物がレール10に対して傾いたり、外れる方向へ移動したりした場合に、ガイド部材33dが移動演出役物を元の位置に戻すようにレール10を押圧することで、移動演出役物を元の位置に復帰させることができ、安定した走行を確保することができる。また、レール10の湾曲又は捻れにより過度に干渉している場合に、弾性を有する部材を使用することによって、干渉を和らげてスムーズな移動を可能にすることができる。また、ガイド部材33dは、図4Aに示すように、ビス33eで止められており、ビス33eを中心にレール10の底面14に沿って矢印Bの方向に手で移動させることができる。ガイド部材33dを移動させることで、レール10の底面14の支持する位置を変更して調整することができ、移動演出役物の位置安定性と移動容易性等を考慮して支持位置を決定することができる。
【0038】
第2取付部材32は、図5Aに示すように、各種構成部品を取り付けることができるように、各構成部品取付部(例えば、蓄電池取付部32c)と、レール10の一方側面10bを支持する側面支持部としての第2支持ローラ32aと、レール10の底面14を支持する底面支持部としての第2底面支持ローラ32bと、を有しており、レール10の一方側面10b及び底面14を支持する。第2支持ローラ32aも第1支持ローラ33bと同様に、図5Bに示すように、バネ等の弾性体によって一方側面10bに付勢して設けて、一方側面10bに対する距離を変更できるように形成し、レール10の湾曲又は捻れにより過度に干渉している場合に、干渉を和らげられるようにしてもよい。第2支持ローラ32aを1箇所で支持することによって、レール10の噛合歯11とピニオンギヤ41との相対位置を確保し、第1支持ローラ33bは、反対側の側面で第2支持ローラ32aの前後に配置されるようにすることで、第2支持ローラ32aの前後はある程度レール10側面方向に移動させることができ、レール10の湾曲又は捻れにより過度に干渉している場合に、干渉を和らげることができる。第2底面支持ローラ32bは、主としてレール10の一方側面10b側の底面14を支持するものである。
【0039】
レール10は、底面等支持部材33を取り外した状態で第1取付部材31と第2取付部材32の間に挿入し、底面等支持部材33を第1取付部材31に取り付けてレール10の底面14を支持することで取付部材30内に配置される。取付部材30内に取り付けられた状態で、レール10は、第2側面支持部32aと支持ローラ33bとの間に配置され、レール10の側方方向の移動を規制され、第1底面支持部33aと第2底面支持部32bでそれぞれ底面14の両側が支持され、レール10が外れることが防止される。なお、第2側面支持部32aと支持ローラ33bは、移動中常にレール10に当接している必要はなく、摩擦によって移動が妨げられることを防止するためにわずかに隙間を設けてもよい。
【0040】
移動手段40は、移動演出役物20をレール10上で移動させるための駆動手段であり、主として、ピニオンギヤ41、駆動力発生手段であるモータ42及びモータ42の駆動力及び速さを調整してピニオンギヤ41に伝達するための中間ギヤ43と、を備えている。ピニオンギヤ41が回転することで、レール10の噛合歯11と噛合した状態で回転し、移動演出役物20をレール10上で移動させることができる。ピニオンギヤ41は、ギヤ歯の周囲に、円筒部41aが設けられており、この円筒部41aはピニオンギヤ41の回転時にレール10の噛合歯11両側の上平面10dに当接しつつ回転移動することによって、レール10を所定の位置に保持する機能を有する。モータ42及び中間ギヤ43は、特に限定するものではなく、既知のものを使用することができる。これらの移動手段40は、第1取付部材31又は第2取付部材32に取り付けられている。
【0041】
受電モジュール50は、電磁誘導方式等の非接触電力伝送の二次側モジュールと制御回路を含んでおり、主として、給電装置80から電力を受電する受電回路(図示しない。)と、受電した電力を蓄電してモータ42に電力を供給する蓄電池44(図5参照)と、給電装置80に位置情報を光で報知するための受電側LED55と、給電装置80の給電側LED83からの光を検知する受電側フォトセンサ53、給電装置80とデータ通信を行なう受電側データ通信用モジュール52(例えば IrDAモジュール、Bluetooth(登録商標)等)、蓄電池44の電力量を検出する検流計58、データ信号を変換するトランスミッタ、モータ42やLED等を制御する各種ドライバ、Memory Control Unit(MCU)等を備えた基板(以上図11参照)を備えている。詳細なブロック図及び制御方法については、以下に詳述する。
【0042】
筐体70は、図5に示すように、前述した取付部材30、移動手段40及び受電モジュール50を収容するための部材であり、本実施形態においては、略球体に形成してあるが、特にその形態は限定するものではない。本実施形態にかかる筐体70は、2分割して形成されており、一方の筐体70aには主として、取付部材30と移動手段40とが取り付けられ、他方の筐体70bには、受電モジュール50が取り付けられている。他方の筐体70bには、二次側モジュールのコイルを挿入されている受電コイル部72と、外部と通信可能となるように開口77が設けられ、この開口77に受電側LED55、受電側フォトセンサ53及び受電側データ通信用モジュールが取り付けられている。
【0043】
給電装置80は、図7に示すように、主として、給電モジュール81とこれらを収容する給電側筐体89と、を備えている。給電モジュール81は、図11に示すように、電磁誘導方式等の非接触電力伝送の一次側モジュールであり、受電モジュール50に電力を供給する給電回路と、受電側フォトセンサ53に位置情報を光で報知するための給電側LED83と、移動演出役物20の受電側LED55からの光を検知する給電側フォトセンサ84、受電側データ通信用モジュール52とデータ通信を行なう給電側データ通信用モジュール82、データ信号を変換するトランスミッタ、モータドライバ及びこれらを制御するMemory Control Unit(MCU)等を備えた基板(図示しない。)を備えている。給電側フォトセンサ84、給電側LED83及び給電側データ通信用モジュール82は、それぞれ受電側LED55、受電側フォトセンサ53及び受電側データ通信用モジュール52と対向して配置した場合に、それぞれが対応する位置となるように配置されている。
【0044】
さらに、本発明の遊技機用演出ユニット100においては、以下の構成を任意に追加してもよい。
【0045】
レール10の装飾効果を向上させるために、レール10の底面14には、立体的な装飾部を設けたり、図8Aに示したように、演出用LED16をレール10に沿って複数配置して電飾による装飾効果をもたせたりしてもよい。勿論、演出用LED16の色、点灯方法等は任意に設定することができる。
【0046】
また、図8Bに示したように、レール10の枠部材13に透明又は半透明な素材又は透光性のある素材を使用して、歯部材12の底面に演出用LED16を設けても良い。かかる構成を採用することによって、レール10の透明度、色等によっても演出効果を異なるものとすることができる。
【0047】
また、図8Bに示すように、レール10の底面14にレール10の長手方向に沿って延出部17を形成し、この延出部17の両側に第1底面支持部33aと第2底面支持部32bを配置し、第1底面支持部33aと第2底面支持部32bの先端が延出部17の側面に当接するように又は近傍に設けることによって、レール10の底面14が側方方向に移動することを規制することができる。
【0048】
また、図9に示すように、一方の筐体70aを透明な素材で作製し、その内側に複数の演出用LED71が配置された円盤型基板75を回転可能に配置してもよい。具体的には、円盤型基板75を駆動するための円盤型基板用モータ76を設け、一方、円盤型基板75には、円盤型基板75の中心に円形ギヤ79を有する回転軸78を設け、この円形ギヤ79に中間ギヤを介して駆動力を加えることで円盤型基板75を回転させる。この場合において、円盤型基板用モータ76の電源としては、蓄電池44を使用してもよいし、別途専用の電池を設けても良い。また、この場合に、受電モジュール50に、円盤型基板用モータ76用のモータドライバを設けて、円盤型基板75の回転方向や回転スピードを制御したり、演出用LED71のLEDドライバを設けて、演出用LED71の各LEDの明るさや点滅等を制御したりしてもよい。かかる構成を採用することによって、遊技機200の役物に合わせて異なる演出をすることができる。
【0049】
また、図10に示すように、第1取付部材31、第2取付部材32のいずれか又は両方に上面支持部としての円筒部41aの両側に、移動演出役物20が前後に傾いた(矢印Cの方向)際に移動演出役物20の傾きを矯正するため、上平面10dに当接して位置を矯正する位置矯正部材35を設けても良い。具体的には、円筒部41aの前後両方に、2枚の板状の弾性部材が取付部材31、32から間隔を開けて平行に配置されており、中央側が取付部材31、32に取り付けられ、前後に開放した板バネ状態で取り付けられている。この位置矯正部材35は、ラックの曲がり部やねじり部等でレール10と移動演出役物20が前後に傾いた場合にレール10と接触して、いわゆるバネ機能により本来の位置にレール10を矯正することができる。
【0050】
以上のように作製された遊技機用演出ユニット100は、図2に示すように、遊技機200に取り付けて演出装置として使用することができる。
【0051】
遊技機用演出ユニット100は、例えば、図1に示すように、前面に配置されるガラス面257の背面側であって、サイド装飾体259の間に、遊技機200の左右両側に2つのレール10をそれぞれ始端から後端の位置に高低差があるように略上下方向に配置され、上方では遊技領域に合わせて内側にカーブを描くように配置されている。また、レール10は全体的に捻りが加えられており、移動演出役物20は、上方に移動するに従って、移動演出役物20の一方の筐体70側が正面に向き、演出用LED71が見えやすいように取り付けられる。
【0052】
移動演出役物20は、前述したように、底面等支持部材33を取り外した状態で第1取付部材31と第2取付部材32の間にレール10を挿入して取り付けられる。
【0053】
給電装置80は、左右両側のレール10の上下の始端(下端)から後端(上端)にそれぞれに1つずつ、合計4つ設けられる。移動演出役物20が給電装置80に配置された際には、受電側LED55、受電側フォトセンサ53及び受電側データ通信用モジュール52と対向するように配置される。各フォトセンサとLEDとの間及びデータ通信用モジュールとの間は、1.5mm〜2.0mm程度となるように設けることが好ましい。
【0054】
次に、遊技機200及び遊技機用演出ユニット100の制御部の構成について説明する。
主制御基板270は、図11に示すように、CPU271を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、遊技の入賞を行う遊技プログラム等の各種プログラムを記憶したROM272と、一時的にデータを記憶するRAM273と、がそれぞれ電気的に接続された状態で配設されている。この主制御基板270は、各種スイッチや後述する演出用制御基板290等の各種基板と電気的に接続されており、各種信号の送受信を行っている。図示しない遊技球が始動入賞口254に入賞すると、始動入賞口254に設けられた入賞球スイッチ246から入賞信号がCPU271に入力され、ROM272に予め記憶されている遊技プログラムに従い抽選が行われる。この抽選により所定の確率で大当たりが招来されると、図柄変動表示装置252、スピーカ36及び後述する演出用制御基板290に各種演出を出力する出力信号を出力するとともに、球払出制御基板248を介して球払出装置240に球払出信号を出力し、球払出装置240より賞球が払出される。
【0055】
演出用制御基板290は、図11に示すように、CPU291を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、遊技機200の演出を行う演出プログラム等の各種プログラムを記憶したROM292と、一時的にデータを記憶するRAM293と、がそれぞれ電気的に接続された状態で配設される。この演出用制御基板290は、主制御基板270等の各種基板や、図柄変動表示装置252、スピーカ296、受電モジュール50及び給電モジュール81等と電気的に接続されており、各種信号の送受信を行っている。この演出用制御基板290は、主制御基板270からの信号に従い、図柄変動表示装置252、スピーカ296、移動演出役物20等を制御して、種々の演出を実行する。
【0056】
さらに、演出用制御基板290は、移動演出役物20に設けられた各種演出を実行するためのプログラム等を記憶したROM292と、一時的にデータを記憶するRAM293と、がそれぞれ電気的に接続された状態で配設される。この演出用制御基板290は、蓄電池44の充電状況を検知するための検流計58と、モータ42や、円盤型基板75を回転させるための円盤型基板用モータ76、演出用LED71等と電気的に接続されており、受電側データ通信用モジュール52、給電側データ通信用モジュール82を介して受信した演出用制御基板290からの信号に従い、移動演出役物20を移動させたり、演出用LED16、71による種々の演出を実行したりする。
【0057】
給電装置制御基板90は、CPU86を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、起動準備処理ルーチンや監視処理ルーチン、給電モジュール動作処理ルーチン等の移動演出役物20に給電するための各種プログラム等を記憶したROM88と、一時的にデータを記憶するRAM87と、がそれぞれ電気的に接続された状態で配設される。この給電装置制御基板90は、給電回路85等と電気的に接続されており、給電回路85を用いて移動演出役物20に給電する。
【0058】
続いて、移動演出役物20の受電モジュール50に給電装置80の給電モジュール81が給電する際の制御方法について、図12を用いて説明する。図12は、起動準備処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。この起動準備処理ルーチンは、遊技機用演出ユニット100に電力が供給されると、CPU86によってROM88より読み出され、繰り返し実行される。この起動準備処理ルーチンが実行されると、位置確認済みフラグの値が1であるか否かを判定し(ステップS100)、位置確認済みフラグの値が1である場合には、本ルーチンを終了する。この位置確認済みフラグは、後述するように、移動演出役物20が給電装置80から給電可能な位置であることが確認された際に位置確認済みフラグに値1がセットされるため、このような場合には、本ルーチンを実行する必要がない。
【0059】
一方、ステップS100で位置確認済みフラグの値が1でないと判定した場合には、CPU86は、全ての給電装置80に給電し、全ての給電装置80が給電を開始する(ステップS110)。続いて、CPU86は、給電側フォトセンサ84が受電モジュール50の受電側LED55の光を検知したか否かを判定し(ステップS120)、受電モジュール50の受電側LED55の光を検知できなかった場合には、給電装置80に給電を停止し(ステップS130)、本ルーチンを終了する。給電装置80から給電を開始した後に受電モジュール50の受電側LED55の光を検知できない場合は、移動演出役物20が給電装置80から給電を受けられる位置に存在しないことを意味するため、このような場合に、給電装置80に給電する必要はない。このため、給電装置80に給電を停止することで、電力の消費を抑えることができる。
【0060】
一方、ステップS120で給電側フォトセンサ84が受電モジュール50の受電側LED55の光を検知した場合には、次に、受電側フォトセンサ53が給電装置80の給電側LED83の光を検知できたか否かを判定し(ステップS140)、給電装置80の給電側LED83の光を検知できないと判定した場合には、エラーを報知して(ステップS150)、本ルーチンを終了する。正常であれば、給電側フォトセンサ84が受電モジュール50の受電側LED55の光を検知できる場合には、受電側フォトセンサ53でも給電装置80の給電側LED83の光を検知できるはずであるため、このような場合には、何らかの異常が発生していることが想定されるためである。
【0061】
一方、ステップS140で給電側フォトセンサ84が受電モジュール50の受電側LED55の光を検知した場合には、CPU86は、移動演出役物20に設けられた検流計58の入力電流の値とROM88に予め記憶された閾値の値とを比較する(ステップS160)。このとき、入力電流の値が閾値の値以上であると判定された場合には、受電モジュール50が十分に充電されていない状態であるため、再び、ステップS160を実行する。
【0062】
一方、ステップS160で入力電流の値が閾値の値より小さいと判定された場合には、給電装置80に対する給電を停止する(ステップS170)。このように、入力電流の値が閾値の値よりも小さい場合には、給電装置80に十分給電された状態であるため、これ以上給電する必要がないためである。こうすることにより、過充電の状態となり、受電モジュール50に不具合が生じる可能性を未然に低減することができる。なお、ここで閾値の値は、受電モジュール50が充電可能な充電容量にしてもよいし、充電容量よりも一定の値だけ少ない値にしても良い。閾値の値を充電容量の値とした場合には、充電容量まで充電できるため受電モジュール50の稼働時間を最長にすることができるし、充電容量よりも一定の値だけ小さい値にした場合には、充電容量を超えて過充電してしまう可能性を未然に低減することができる。
【0063】
続いて、CPU86は、給電を停止した給電装置80に関する情報をRAM87に記憶して(ステップS180)、位置確認済みフラグに値1をセットするとともに、監視タイマに値Tをセットして(ステップS190)、本ルーチンを終了する。
【0064】
起動準備処理ルーチンが終了するとCPU86は、連続して監視処理ルーチンを実行する。この監視処理ルーチンは、定期的に受電モジュール50に十分な電力が充電されているか否かを確認するためのルーチンである。この監視処理ルーチンについて、図13を用いて詳しく説明する。ここで、図13は、監視処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【0065】
起動準備処理ルーチンが終了すると、CPU86は、ROM88より監視処理ルーチンを読み出し、実行する。この監視処理ルーチンが実行されると、位置確認済みフラグの値が1であるか否かを判定し(ステップS200)、位置確認フラグの値が1でないと判定した場合には、本ルーチンを終了する。このような場合は、給電装置80から給電される位置に移動演出役物20が位置しないことになるため、受電モジュール50の電力量について監視する必要がない。
【0066】
一方、ステップS200で、CPU86が位置確認済みフラグの値が1であると判定した場合には、監視タイマの値が値ゼロであるか否かを判定し(ステップS210)、値ゼロでない場合には、監視タイマの値を1減算し(ステップS220)、本ルーチンを終了する。このように、監視タイマの値を初期値Tから減算していくことで、以下の処理を行うタイミングをコントロールすることができる。すなわち、初期値Tの値を大きくすることで間隔を長くし、初期値Tの値を小さくすることで間隔を短くすることができるため、所望の間隔で以下の処理を実行することができる。
【0067】
一方、ステップS210で、CPU86が監視タイマの値がゼロであると判定した場合には、RAM87より位置情報を読み込み、給電装置80から給電可能な位置に移動演出役物20が位置する給電装置80に対して給電し、受電モジュール50に給電する(ステップS230)。こうすることにより、移動演出役物20に給電可能な給電装置80にのみ給電することができるため、全ての給電装置80に給電する場合と比較して、省電力に資する。
【0068】
続いて、CPU86は、受電モジュール50に設けられた検流計58の入力電流の値とROM88に予め記憶された閾値の値とを比較する(ステップS240)。このとき、入力電流の値が閾値の値以上であると判定された場合には、受電モジュール50が十分に充電されていない状態であるため、再び、ステップS240を実行する。
【0069】
一方、ステップS240で入力電流の値が閾値の値より小さいと判定された場合には、給電装置80に対する給電を停止し(ステップS250)、監視タイマに値T0をセットして(ステップS260)本ルーチンを終了する。このように、入力電流の値が閾値の値よりも小さい場合には、給電装置80に十分給電された状態であるため、これ以上給電する必要がないためである。こうすることにより、過充電の状態となり、受電モジュール50に不具合が生じる可能性を未然に低減することができる。なお、ここで閾値の値は、受電モジュール50が充電可能な充電容量にしてもよいし、充電容量よりも一定の値だけ少ない値にしても良い。閾値の値を充電容量の値とした場合には、充電容量まで充電できるため受電モジュール50の稼働時間を最長にすることができるし、充電容量よりも一定の値だけ小さい値にした場合には、充電容量を超えて過充電してしまう可能性を未然に低減することができる。
【0070】
次に、図14を用いて、給電モジュール動作処理ルーチンの一例について説明する。ここで、図14は、給電モジュール動作処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。この給電モジュール動作処理ルーチンは、演出用制御基板290からの演出命令を受信した際に、起動準備処理ルーチン及び監視処理ルーチンに対して割り込んで処理され、本ルーチンが終了した後には、再び、起動処理確認ルーチンが実行される。
【0071】
給電モジュール動作処理ルーチンが実行されると、CPU56は、給電側データ通信用モジュール82を介して、受電モジュール50の動作開始信号を発信する(ステップS300)。この動作開始信号をCPU56が受信すると、CPU56がROMに記憶された受電モジュール50の動作パターンを読み出し、駆動モータドライバ、回転モータドライバ、LEDドライバ等に信号を発信し、移動演出役物20を動作パターンに従って動作させる。この動作パターンは、移動演出役物20の移動及び演出について規定されているものであり、最後は、移動演出役物20がいずれかの給電装置80から給電可能な位置に位置するように規定されている。
【0072】
ここで、移動演出役物20の動作パターンの一例について説明する。移動演出役物20の動作パターンとしては、例えば、円盤型基板75を回転させたり、演出用LED16、71を点滅させたりしながら、給電装置80から離れる方向に所定距離移動した後に、再び給電装置80の方向に戻る動きを繰り返す。こうすることにより、移動演出役物20が小刻みに動くことになり、今後の演出の期待感を持たせることができる。また、例えば、円盤型基板75を回転させたり、演出用LED16,71を点滅させたりしながら、給電装置80から離れる方向に移動と停止を繰り返し、所定距離だけ離れた後に、再び給電装置80の方向に戻るように動いても良い。こうすれば、受電モジュール50が段階的に動くことになるため、期待感を段階的に膨らませることができる。さらに、例えば、給電装置80から所定距離だけ離れる方向に移動した後、小刻みに給電装置80に近づいたり離れたりする動きを繰り返し、その後、他方側の給電装置80まで移動するように動いても良い。このように、途中で小刻みに給電装置80に近づいたり離れたりする動きを繰り返すことで、一直線に移動する場合と比較して、移動中の期待感を膨らませることができる。さらにまた、例えば、移動演出役物20を給電装置80から遠ざかる方向に一定距離だけ動かした後、一度停止し、段階的に停止又は移動を繰り返して他方側の給電装置80まで移動するように動いても良い。このように段階的に停止又は移動を繰り返すことで、期待感を段階的に膨らませることができる。
【0073】
さて、受電モジュール50の動作パターンが終了したことを示す動作終了信号をCPU56が受信すると、受電側フォトセンサ53で給電側LED83の光を検出し(ステップS320)、光を検出できなかった場合には、エラーを報知する(ステップS330)。このような場合には、何らかの動作パターンを正常に終了することができず、受電モジュール50が正常に受電することができない位置であるため、エラーを報知する。
【0074】
一方、ステップS320で給電側LED83の光を検出した場合には、位置確認済みフラグの値を値ゼロにセットし(ステップS340)、監視タイマの値を値ゼロにセットして(ステップS350)本ルーチンを終了する。このように、位置確認済みフラグの値を値ゼロにすることで、再び起動準備処理ルーチンが実行された際には、再びステップS120及びステップS140において受電モジュール50が給電装置80から充電可能な位置に位置していることを確認でき、給電装置80を確実に充電することができる。言い換えると、何らかの理由により受電モジュール50が予期しない場所で移動を終了した場合には、ステップS150でエラーが報知されることになるため、不具合が生じる可能性を未然に低減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
上述した実施の形態で示すように、パチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機、メダル又はパチンコ球を遊技媒体として用いる回胴式遊技機に利用することができる。
【符号の説明】
【0076】
10…レール、10a…他方側面、10b…一方側面、11…噛合歯、12…歯部材、13…枠部材、14…底面、16…演出用LED、17…延出部、20…移動演出役物、30…取付部材、31…第1取付部材、31a…モーター取付部、32…第2取付部材、32a…第2側面支持部、32b…第2底面支持部、32c…蓄電池取付部、33…底面等支持部材、33a…第1底面支持部、33b…支持ローラ、33d…ガイド部材、35…レール位置矯正部材、36…スピーカ、40…移動手段、41…ピニオンギヤ、41a…円筒部、42…モータ、43…中間ギヤ、44…蓄電池、50…受電モジュール、52…受電側データ通信用モジュール、53…受電側フォトセンサ、55…受電側LED、56…CPU、58…検流計、70…筐体、70a…筐体、70b…筐体、71…演出用LED、72…受電コイル部、75…円盤型基板、76…円盤型基板用モータ、77…開口、78…回転軸、79…円形ギヤ、80…給電装置、81…給電モジュール、82…給電側データ通信用モジュール、83…給電側LED、84…給電側フォトセンサ、85…給電回路、86…CPU、87…RAM、88…ROM、89…給電側筐体、90…給電装置制御基板、100…遊技機用演出ユニット、200…遊技機、222…外枠、230…本体枠、232…発射ハンドル、234…球受皿、236…スピーカ、238…球タンク、240…球払出装置、246…入賞球スイッチ、248…球払出制御基板、250…遊技盤、251…遊技領域、252…図柄変動表示装置、254…始動入賞口、256…入賞口、258…大入賞口、260…前面枠、270…主制御基板、271…CPU、272…ROM、273…RAM、290…演出用制御基板、291…CPU、292…ROM、293…RAM、296…スピーカ

図1
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