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特開2016-110237入力装置、そのソフトウェアキーボード表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2016-110237(P2016-110237A)
(43)【公開日】2016年6月20日
(54)【発明の名称】入力装置、そのソフトウェアキーボード表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/048 20130101AFI20160523BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20160523BHJP
【FI】
   G06F3/048 656A
   G06F3/048 620
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-244484(P2014-244484)
(22)【出願日】2014年12月2日
(71)【出願人】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】100132595
【弁理士】
【氏名又は名称】袴田 眞志
(72)【発明者】
【氏名】中尾 竹伸
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA22
5E555AA54
5E555BA02
5E555BA04
5E555BB02
5E555BB04
5E555CA13
5E555CB12
5E555CB33
5E555CC19
5E555DB20
5E555DB56
5E555DC75
5E555FA16
5E555FA19
(57)【要約】
【課題】ソフトウェアキーボードの操作性を向上させることが可能な入力装置、そのソフトウェアキーボード表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】タッチパネル表示部に表示されるソフトウェアキーボードを使用して入力を行う入力装置において、前記タッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、前記ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行うソフトウェアキーボード表示制御手段を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル表示部に表示されるソフトウェアキーボードを使用して入力を行う入力装置において、
前記タッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、前記ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行うソフトウェアキーボード表示制御手段を備えたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記ソフトウェアキーボードはQWERTY配列のキーボードであり、前記特定のキーは、操作者が前記ソフトウェアキーボードのホームポジションに手を置いたときに、左右の人差し指が配置された位置に対応する「F」と「J」のキーであることを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記指示表示は、前記ソフトウェアキーボードの前記特定のキーを含んで水平方向及び垂直方向の少なくとも一方に伸長する帯を識別表示することを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記帯の識別表示は、前記帯をソフトウェアキーボードのキーと異なる色で表示すること、または、前記帯を点滅表示することを含むことを含む請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記指示表示は、前記ソフトウェアキーボードの外部に、水平方向及び垂直方向の少なくとも一方から前記特定キーを指示する指示記号を表示することを含むことを特徴とする特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の入力装置。
【請求項6】
前記指示表示は、所定時間間隔で順次小さくなる円の表示を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の入力装置。
【請求項7】
前記入力装置は、1つの前記タッチパネル表示部を有するタブレット型の携帯型情報処理装置であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の入力装置。
【請求項8】
前記タッチパネル表示部は、第1のタッチパネル表示部と第2のタッチパネル表示部とを備え、
前記入力装置は、前記第1のタッチパネル表示部を備えた第1の筐体と、前記第2のタッチパネル表示部を備えた第2の筐体と、前記第1の筐体に対して前記第2の筐体を少なくとも180度回転可能に支持する連結部と、を備えた携帯型情報処理装置であり、
前記ソフトウェアキーボード表示制御手段は、前記第1のタッチパネル表示部または前記第2のタッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、前記ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行うことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の入力装置。
【請求項9】
前記ソフトウェアキーボード表示制御手段は、前記携帯型情報処理装置がクラムシェル状態の場合に、前記第1のタッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、
前記指示表示は、前記ソフトウェアキーボードの前記特定のキーを含んで水平方向に伸長する帯を識別表示し、かつ、前記第2のタッチパネル表示部に、前記特定キーを垂直方向から指示する指示記号を表示することを含むことを特徴とする請求項8に記載の入力装置。
【請求項10】
タッチパネル表示部に表示されるソフトウェアキーボードを使用して入力を行う入力装置のソフトウェアキーボード表示方法であって、
前記タッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、前記ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行う
工程を含むことを特徴とする入力装置のソフトウェアキーボード表示方法。
【請求項11】
タッチパネル表示部に表示されるソフトウェアキーボードを使用して入力を行う入力装置に搭載されるプログラムであって、
前記タッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、前記ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行う工程をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータが実行可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置、そのソフトウェアキーボード表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ハードウェアキーボードに配列されているキートップの文字や記号などの表示内容を表示画面に表示させ、表示画面上の表示キーを操作することにより入力処理を行うことができるソフトウェアキーボードが知られている。
【0003】
図8は、ハードウェアキーボードのホームキー「F」,「J」の近傍を示す図である。ハードウェアキーボードでは、図8に示すように、文字キーの文字表記に加え、ホームボジションの人差し指のボジションであるホームキー「F」,「J」に突起などを設けて、ホームポジションを分かり易くしている。
【0004】
しかしながら、従来のソフトウェアキーボードでは、物理的な突起などを設けることができず、文字キーの文字表記のみで該当する文字キーを捜す必要がある。例えば、ソフトウェアキーボードでは、ホームキー「F」,「J」を探す場合も文字表記のみを見て捜す必要があるため、ハードウェアキーボードに比べて操作性が悪く、例えば、ブラインドタッチ等が困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−67098号公報
【特許文献2】特開平10−83248号公報
【特許文献3】特開2012−118840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、ソフトウェアキーボードの操作性を向上させることが可能な入力装置、そのソフトウェアキーボード表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、タッチパネル表示部に表示されるソフトウェアキーボードを使用して入力を行う入力装置において、前記タッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、前記ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行うソフトウェアキーボード表示制御手段を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記ソフトウェアキーボードはQWERTY配列のキーボードであり、前記特定のキーは、操作者が前記ソフトウェアキーボードのホームポジションに手を置いたときに、左右の人差し指が配置された位置に対応する「F」と「J」のキーであることが望ましい。
【0009】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記指示表示は、前記ソフトウェアキーボードの前記特定のキーを含んで水平方向及び垂直方向の少なくとも一方に伸長する帯を識別表示することを含むことが望ましい。
【0010】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記帯の識別表示は、前記帯をソフトウェアキーボードのキーと異なる色で表示すること、または、前記帯を点滅表示することを含むことが望ましい。
【0011】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記指示表示は、前記ソフトウェアキーボードの外部に、水平方向及び垂直方向の少なくとも一方から前記特定キーを指示する指示記号を表示することを含むことが望ましい。
【0012】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記指示表示は、所定時間間隔で順次小さくなる円の表示を含むことが望ましい。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記入力装置は、1つの前記タッチパネル表示部を有するタブレット型の携帯型情報処理装置であることが望ましい。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記タッチパネル表示部は、第1のタッチパネル表示部と第2のタッチパネル表示部とを備え、前記入力装置は、前記第1のタッチパネル表示部を備えた第1の筐体と、前記第2のタッチパネル表示部を備えた第2の筐体と、前記第1の筐体に対して前記第2の筐体を少なくとも180度回転可能に支持する連結部と、を備えた携帯型情報処理装置であり、前記ソフトウェアキーボード表示制御手段は、前記第1のタッチパネル表示部または前記第2のタッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、前記ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行うことが望ましい。
【0015】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記ソフトウェアキーボード表示制御手段は、前記携帯型情報処理装置がクラムシェル状態の場合に、前記第1のタッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、前記指示表示は、前記ソフトウェアキーボードの前記特定のキーを含んで水平方向に伸長する帯を識別表示し、かつ、前記第2のタッチパネル表示部に、前記特定キーを垂直方向から指示する指示記号を表示することを含むことが望ましい。
【0016】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、タッチパネル表示部に表示されるソフトウェアキーボードを使用して入力を行う入力装置のソフトウェアキーボード表示方法であって、前記タッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、前記ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行う工程を含むことを特徴とする。
【0017】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、タッチパネル表示部に表示されるソフトウェアキーボードを使用して入力を行う入力装置に搭載されるプログラムであって、前記タッチパネル表示部に前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、前記ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行う工程をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ソフトウェアキーボードの操作性を向上させることが可能な入力装置、そのソフトウェアキーボード表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを提供することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施の形態に係る入力装置の概念図を示す図である。
図2図2は、本実施の形態に係る入力装置を適用したタブレット型の携帯型情報処理装置の概略の外観構成を示す平面図である。
図3図3は、実施例1に係るソフトウェアキーボードの表示例を示す図である。
図4図4は、実施例2に係るソフトウェアキーボードの表示例を示す図である。
図5図5は、実施例3に係るソフトウェアキーボードの表示例を示す図である。
図6図6は、実施例4に係るソフトウェアキーボードの表示例を示す図である。
図7図7は、本実施の形態に係る入力装置を開閉可能な2画面タイプのスマートフォン等の携帯型情報処理装置に適用した場合を説明するための模式図である。
図8図8は、ハードウェアキーボードのホームキー「F」,「J」の近傍を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本実施の形態に係る入力装置、そのソフトウェアキーボード表示方法、及びコンピュータが実行可能なプログラムを適用したコンピュータシステムの実施の形態について説明する。本発明の構成要素は、本明細書の図面に一般に示してあるが、様々な構成で広く多様に配置し設計してもよいことは容易に理解できる。したがって、本発明の装置、方法、及びプログラムの実施の形態についての以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものではなく、単に本発明の選択した実施の形態の一例を示すものであって、本明細書の特許請求の範囲に示す本発明と矛盾無く装置、システム及び方法についての選択した実施の形態を単に示すものである。当業者は、特定の細目の1つ以上が無くても、または他の方法、部品、材料でも本発明を実現できることが理解できる。
【0021】
図1は、本実施の形態に係る入力装置の概念図を示す図である。図1において、入力装置1は、タッチパネル3及び表示部4を備えたタッチパネル表示部2と、ソフトウェアキーボードをタッチパネル表示部2上に表示させると共に、ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行うソフトウェアキーボード表示制御手段5と、タッチパネル表示部2のタッチパネル3の動作及び表示部4の表示動作等を制御し、例えば、ソフトウェアキーボードの操作に応じた表示を行う制御手段6と、を備えている。
【0022】
ソフトウェアキーボード表示制御手段5及び制御手段6は、ソフトウアェア及び/またはハードウェアで構成することができる。コンピュータはプログラムを実行することにより、ソフトウェアキーボード表示制御手段5及び制御手段6の機能を実現することにしてもよい。
【0023】
ソフトウェアキーボードは、ハードウェアキーボードの文字配列と同じ配列で、画面上にソフトウェアキーボードを表示した構成となっている。また、キーボードの文字配列には、一般的には、QWERTY配列(アルファベット配列)と50音配列とがあるが、本発明は、両者を含むものであるが、以下では、QWERTY配列(アルファベット配列)を例示して説明する。
【0024】
本実施の形態では、人間の目の周辺視野に着目して、操作者がソフトウェアキーボードの特定のキーを注視していない場合でも(直接に見なくても)、特定キーを認識し易くなるようにしている。すなわち、ソフトウェアキーボードの特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行うことで、操作者が特定のキーを注視していなくても、操作者の周辺視野により、特定のキーを認識し易くしている。
【0025】
ここで、視野とは、視覚刺激が処理できる視角の大きさであり、中心窩を基準として測定される。ヒト健常者の視野は、垂直方向に上側60度、下側75度程度である。水平方向では、単眼の場合、鼻側60度、耳側100度程度である。両眼で重複する視野が120度程度存在する。中心窩を基準に、左右や上下の領域を、左視野、上視野のように呼ぶ。各眼の耳側15度程度の位置に盲点が存在する。中心窩から20度程度の領域を中心視野と呼ぶ。それ以外の領域を周辺視野と呼ぶ。一般に中心視野ほど空間分解能が高い。周辺視野は中心視野ほど空間分解能は高くないが、操作者の周辺視野を利用してソフトウェアキーボードの特定のキーを認識し易くすることは可能である。
【0026】
ソフトウェアキーボードはQWERTY配列のキーボードとしてもよく、また、特定のキーは、操作者がソフトウェアキーボードのホームポジションに手を置いたときに、左右の人差し指が配置された位置に対応する「F」と「J」のキー(ホームキー)としてもよい。
【0027】
また、指示表示は、ソフトウェアキーボードの特定のキーを含んで水平方向及び垂直方向の少なくとも一方に伸長する帯を識別表示することを含むことにしてもよい。
【0028】
また、帯の識別表示は、帯をソフトウェアキーボードのキーと異なる色で表示すること、または、帯を点滅表示することを含むことにしてもよい。
【0029】
また、指示表示は、ソフトウェアキーボードの外部に表示された水平方向及び垂直方向の少なくとも一方から特定キーを指示する指示記号を含むことにしてもよい。
【0030】
また、指示表示は、所定時間間隔で順次小さくなる円の表示を含むことにしてもよい。
【0031】
図2は、本実施の形態に係る入力装置を適用したタブレット型の携帯型情報処理装置の概略の外観構成を示す平面図である。
【0032】
携帯型情報処理装置1は、図2に示すように、平面視略四角形状を呈する略六面体形状の筐体10を備えている。携帯型情報処理装置1は、筐体10の正面に、タッチパネル3及び表示部4で構成されるタッチパネル表示部2が配置されている。
【0033】
タッチパネル表示部2は、正面の中央の略全域に亘って配置されている。タッチパネル表示部2は、表示部4と、表示部4に重畳されたタッチパネル3とを有する。タッチパネル3は、指やペン等の指示体を用いてタッチパネル3に対して行われた各種操作を、操作が行われた場所のタッチパネル3上での位置とともに検出し、制御手段6に通知する。タッチパネル3が各種操作を検出する方式は、静電容量式、感圧式等の方式を採用することができる。
【0034】
表示部4は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネルなどで構成され、文字や図形等を表示する。
【0035】
図2に示す例では、タッチパネル表示部2に、ソフトウェアキーボード表示制御手段5により、ソフトウェアキーボード20が表示されており、また、制御手段6により、ソフトウェアキーボード20の操作に応じた表示が行われる文章編集エリア30が表示されている。
【0036】
ソフトウェアキーボード20は、上段の左からQ,W,E,R・・・と文字キーが配列され、中段の左からA,S,D,F・・・と文字キーが配列され、下段の左からZ,X,C,V・・・と文字キーが配列されている。ソフトウェアキーボード20のホームキー「F」と「J」を特定のキーとする。
【0037】
以下に、ソフトウェアキーボード表示制御手段6によるソフトウェアキーボード20の表示例について、実施例1〜実施例4を説明する。以下の実施例1〜4では、ホームキー「F」と「J」を水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行うことで、操作者が文章編集エリア30を見ながらソフトウェアキーボード20でキー操作を行う場合(ホームキー「F」,「G」を注視していない場合)でも、操作者の周辺視野を利用して、ホームキー「F」,「G」を認識し易くしている。これにより、ソフトウェアキーボード20に対してブラインドタッチを行うことが容易となる。
【0038】
(実施例1)
図3は、実施例1に係るソフトウェアキーボード20の表示例を示す図である。実施例1では、ソフトウェアキーボード20において、ホームキー「F」とホームキー「J」を含む水平方向に伸長する帯40を識別表示している。識別表示では、帯40をソフトウェアキーボード20のキーと異なる色で表示したり、点滅表示することにしてもよい。また、ソフトウェアキーボード20の外部に、ホームキー「F」とホームキー「J」をそれぞれ垂直方向から指示するための指示記号50F,50Jを表示している。ここでは、指示記号50F,50Jを逆三角形の図形としているが、ホームキー「F」とホームキー「J」を指示できるもの(指し示すことができるもの)であればいかなる記号でもよく、例えば、「↓」等でもよい。
【0039】
これにより、操作者は文章編集エリア30を見ながらソフトウェアキーボード20でキー操作を行う場合(ホームキー「F」、「J」を注視していない場合)でも、操作者の周辺視野により、水平方向の帯40の識別表示と、垂直方向の指示記号50F、50Jが目に入り、ホームキー「F」、「J」を認識し易くすることができる。
【0040】
なお、実施例1では、ソフトウェアキーボード20において、ホームキー「F」とホームキー「J」を含んで水平方向に伸長する帯40を識別表示し、ソフトウェアキーボード20の外部に、ホームキー「F」とホームキー「J」をそれぞれ垂直方向から指示するための指示記号50F,50Jを表示しているが、本発明はこれに限られものではなく、ホームキー「F」とホームキー「J」をそれぞれ含む垂直方向に伸長する帯を識別表示し、ソフトウェアキーボード20の外部に、ホームキー「F」とホームキー「J」をそれぞれ水平方向から指示するための指示記号を表示することにしてもよい。
【0041】
(実施例2)
図4は、実施例2に係るソフトウェアキーボード20の表示例を示す図である。実施例2では、ソフトウェアキーボード20の外部に、ホームキー「F」とホームキー「J」をそれぞれ垂直方向から指示するための指示記号50F,50Jと、ホームキー「F」とホームキー「J」をそれぞれ水平方向から指示するための指示記号60F,60Jを表示している。
【0042】
これにより、操作者は文章編集エリア30を見ながらソフトウェアキーボード20でキー操作を行う場合(ホームキー「F」、「J」を注視していない場合)でも、操作者の周辺視野により、垂直方向の指示記号50F、50Jと水平方向の指示記号60F,60Jが目に入り、ホームキー「F」,「J」を認識し易くすることができる。
【0043】
(実施例3)
図5は、実施例3に係るソフトウェアキーボード20の表示例を示す図である。実施例3では、ソフトウェアキーボード20において、ホームキー「F」とホームキー「J」を含んで水平方向に伸長する帯40を識別表示し、また、ホームキー「F」,ホームキー「J」をそれぞれ含んで垂直方向に伸長する帯40F,40Jを識別表示している。
【0044】
これにより、操作者は文章編集エリア30を見ながらソフトウェアキーボード20でキー操作を行う場合(ホームキー「F」,「J」を注視していない場合)でも、操作者の周辺視野により、水平方向の帯40の識別表示と、垂直方向の帯40F,40Jが目に入り、ホームキー「F」、「J」を認識し易くすることができる。
【0045】
(実施例4)
図6は、実施例4に係るソフトウェアキーボード20の表示例を示す図である。実施例4では、ソフトウェアキーボード20において、ホームキー「F」とホームキー「J」を水平方向及び垂直方向から指示するために、所定時間間隔で順次小さくなる円70F、70Jを表示している。同図に示す例では、円70F,70Jが4段階に小さくなる場合を示している。
【0046】
これにより、操作者は文章編集エリア30を見ながらソフトウェアキーボード20でキー操作を行う場合(ホームキー「F」,「J」を注視していない場合)でも、操作者の周辺視野により、所定時間間隔で順次小さくなる円70F,70Jが目に入り、ホームキー「F」,「J」を認識し易くすることができる。
【0047】
なお、実施例1〜4は、単独で実施してもよいし、組み合わせて実施してもよい。
【0048】
(変形例)
上記図2では、本実施の形態に係る入力装置1をタブレット型の携帯型情報処理装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、開閉可能な2画面タイプのスマートフォン等の携帯型情報処理装置にも適用可能である。図7は、本実施の形態に係る入力装置1を開閉可能な2画面タイプのスマートフォン等の携帯型情報処理装置に適用した場合を説明するための模式図である。
【0049】
携帯型情報処理装置1は、図7に示すように、第1のタッチパネル表示部101が設けられた第1の筐体100と、第2のタッチパネル表示部201が設けられた第2の筐体200と、第1の筐体100と第2の筐体200とを回転可能に連結する一対のヒンジ(連結部)300とを備えている。第1のタッチパネル表示部101は、第1の表示部103と、第1の表示部103に重畳された第1のタッチパネル102とを有する。第2のタッチパネル表示部201は、第2の表示部203と、第2の表示部203に重畳された第2のタッチパネル202とを有する。
【0050】
ヒンジ300は、第1の筐体100に対して第2の筐体200を実質的に360度回転可能に連結する。第1の筐体100と第2の筐体200との角度を「θ」とした場合、(1)角度θ=0度で、第1のタッチパネル表示部101と第2のタッチパネル表示部201が内側を向いて対向する状態をクローズ(Close)状態、(2)0度<θ<180度の状態をクラムシェル(Clamshell)状態、(3)θ=180度の状態をタブレット状態、角度θ=360度で第1のタッチパネル表示部101と第2のタッチパネル表示部201が外側を向いた状態をオープン(Open)状態と称する。なお、ヒンジ300は、第1の筐体100に対して第2の筐体200を180度回転可能に連結してもよい。
【0051】
ソフトウェアキーボード表示制御手段6は、第1のタッチパネル表示部101または第2のタッチパネル表示部201にソフトウェアキーボード20を表示し、かつ、実施例1〜4のような、ソフトウェアキーボード20の特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行う。制御手段6は、第1のタッチパネル表示部101または第2のタッチパネル表示部201に文章編集エリアを表示してもよい。
【0052】
図7に示す例では、携帯型情報処理装置1がクラムシェル状態にある場合を示している。一例では、携帯型情報処理装置1がクラムシェル状態にある場合には、図7に示すように、ソフトウェアキーボード表示制御手段5は、第1のタッチパネル表示部101にソフトウェアキーボード20を表示してもよい。また、制御手段6は、第2のタッチパネル表示部201に文章編集エリアを表示してもよい。また、ソフトウェアキーボード表示制御手段5は、第1のタッチパネル表示部101に表示されるソフトウェアキーボード20において、ホームキー「F」とホームキー「J」を含んで水平方向に伸長する帯40を識別表示してもよい。識別表示では、帯40をソフトウェアキーボード20のキーと異なる色で表示したり、また、点滅表示することにしてもよい。また、ソフトウェアキーボード表示制御手段5は、第2のタッチパネル表示部201に、ソフトウェアキーボード20のホームキー「F」,「J」をそれぞれ垂直方向から指示するための指示記号50F,50Jを表示してもよい。
【0053】
これにより、操作者は第2のタッチパネル表示部201を見ながらソフトウェアキーボード20でキー操作を行う場合(ホームキー「F」,「J」を注視していない場合)でも、操作者の周辺視野により、水平方向の帯40の識別表示と、垂直方向の指示記号50F,50Jが目に入り、ホームキー「F」,「J」を認識し易くすることができる。
【0054】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ソフトウェアキーボード20の特定のキーを水平方向及び垂直方向から指示するための指示表示を行うこととしたので、操作者は特定のキーを注視しなくても、操作者の周辺視野を利用して特定のキーを認識し易くすることができ、ソフトウェアキーボードの操作性を向上させることが可能となる。また、特定のキーを認識し易くすることで、ブラインドタッチが実行し易くなる。
【0055】
なお、上記実施の形態では、本発明に係る入力装置をタブレット型及び2画面タイプの携帯型情報処理装置を例示して説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ノートPC、携帯電話端末、スマートフォン、ファブレット、PDA等の他の携帯型情報処理装置にも適用可能である。
【0056】
また、上記実施の形態では、ソフトウェアキーボードとして、QWERTY配列のキーボードを例示して説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、他のキー配列のキーボードとしてもよい。また、特定のキーは、ホームキー「F」,「J」に限られるものではなく、他のキーを使用してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 入力装置
2 タッチパネル表示部
3 タッチパネル
4 表示部
5 ソフトウェアキーボード表示制御手段
6 制御手段
10 筐体
20 ソフトウェアキーボード
30 文章編集エリア
40,40F,40J 帯
50F,50J,60F,60J 指示記号
70F,70J 円
100 第1の筐体
101 第1のタッチパネル表示部
102 第1のタッチパネル
103 第1の表示部
200 第2の筐体
201 第2のタッチパネル
202 第2のタッチパネル
203 第2の表示部
300 連結部(ヒンジ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8