【課題】薬剤が混入された水を吐出する構成であっても、薬剤が混入された水を吐出する状態と水を吐出する状態とを切換えることができ、利便性を向上させることができるシャワーヘッドを提供する。
【解決手段】水を吐出するシャワーヘッド1であって、水に薬剤を混入させて薬剤混入水として薬剤混入水を吐出する薬剤混入水吐出部10を備え、薬剤混入水を吐出する状態と、薬剤混入水吐出部10に水を流入させずに水を吐出する状態と、を切換可能に構成されるものとする。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明の実施形態に係るシャワーヘッド1について、
図1から
図7を用いて説明する。なお以下において、図中に示す黒色矢印は水の流通方向を示すものとして説明する。
【0013】
シャワーヘッド1は、ホースに接続されて、ホースからシャワーヘッド1内(ヘッド本体3内)に流入した水を、その流速を増加させて吐出する。
図1乃至
図3に示すように、シャワーヘッド1は、把持部2と、ヘッド本体3と、支持部材4と、分岐部材5と、カバー部材6と、と、外筒部材7と、フェース部材8と、流路切換部材9と、薬剤混入水吐出部10と、を備え、把持部2の一端部にヘッド本体3が設けられて構成される。
【0014】
シャワーヘッド1の支持部材4は、カバー部材6を回転可能に支持する。支持部材4は、ヘッド本体3内に固定して配置される。支持部材4は、略円筒状に構成されて、把持部2内およびヘッド本体3内を流通する水が内部を流通可能に故構される。
【0015】
シャワーヘッド1の分岐部材5は、把持部2内およびヘッド本体3内を流通する水を分岐して下流側に流通させる。
分岐部材5は、略円盤状に構成され、支持部材4内に固定して配置される。
分岐部材5は、二個の流通孔5aを有する。分岐部材5の流通孔5aは、分岐部材5の上流側の面から下流側に貫通するように形成される。分岐部材5の二個の流通孔5aは、分岐部材5の軸心を中心にして対称位置に配置される。
分岐部材5は、把持部2内およびヘッド本体3内から流通する水を、二個の流通孔5aに流通させることによって二つの流路に分岐して下流側に流通させる。
【0016】
シャワーヘッド1のカバー部材6は、支持部材4に回転可能に支持される。カバー部材6は、略円筒状に構成されて、支持部材4の外側を囲むように配置される。
【0017】
シャワーヘッド1の外筒部材7は、略円筒状に構成される。外筒部材7は、カバー部材6の下流側に配置される。外筒部材7は、ヘッド本体3およびカバー部材6から下流側に突出するように配置される。外筒部材7は、カバー部材6に固定されて、カバー部材6とともに回転可能に構成される。
【0018】
シャワーヘッド1のフェース部材8は、薬剤混入水吐出部10の下流側端部が嵌装される嵌装孔8aと、シャワー状に水を吐出するための複数個の吐出孔8bと、を有する。フェース部材8の嵌装孔8aは、フェース部材8の中央部に形成される。フェース部材8の吐出孔8bは嵌装孔8aの周囲に形成される。フェース部材8は、外筒部材7の下流側端部に固定されて、カバー部材6および外筒部材7とともに回転可能に構成される。
【0019】
シャワーヘッド1の流路切換部材9は、支持部材4および分岐部材5の下流側に配置される。
流路切換部材9は、カバー部材6および外筒部材7に固定されて、カバー部材6、外筒部材7、およびフェース部材8とともに回転可能に構成される。流路切換部材9は、略円錐台状に構成される。
流路切換部材9は、二個の第一流通路9aと、二個の第二流通路9bと、を有する。
流路切換部材9の第一流通路9aは、分岐部材5の流通孔5aから流出する水を、薬剤混入水吐出部10に流通する側に流通させる流路である。流路切換部材9の第二流通路9bは、分岐部材5の流通孔5aから流出する水を、薬剤混入水吐出部10に流通しない側に流通させる流路である。
流路切換部材9は、回転することによって、分岐部材5の流通孔5aから流出する水を、第一流通路9aと分岐部材5の流通孔5aとが連通して薬剤混入水吐出部10に流通する側に流通させる状態と、第二流通路9bと分岐部材5の流通孔5aが連通して薬剤混入水吐出部10に流通しない側に流通させる状態と、水の流路を切替え可能に構成される。
流路切換部材9の第一流通路9aは、流路切換部材9の下流側の面の中央部に凹部が形成され、当該凹部に連通するように流路切換部材9の上流側の面から下流側に貫通する貫通孔が形成されて構成される。流路切換部材9の二個の第一流通路9aは、流路切換部材9の軸心を中心にして対称位置に配置される。
流路切換部材9の第二流通路9bは、流路切換部材9の下流側の面の縁部に開口する孔が形成され、当該下流側の孔に連通するように流路切換部の上面と側面が切欠かれて構成される。流路切換部材9の二個の第二流通路9bは、流路切換部材9の軸心を中心にして対称位置に配置される。流路切換部材9の二個の第二流通路9bの上面の切欠きは、第一流通路9aの上面の孔(開口)と90度位相をずらして配置される。
【0020】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10は、薬剤混入水を吐出するノズルである。薬剤混入水吐出部10は、ヘッド本体3から分岐部材5を介して薬剤混入水吐出部10内に流入する水に薬剤を混入させて薬剤混入水として、当該薬剤混入水を吐出する。
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10は、流路切換部材9の下流側に配置される。薬剤混入水吐出部10は、ヘッド本体3およびカバー部材6から下流側に突出するように配置される。流路切換部材9は外筒部材7の内側に配置される。薬剤混入水吐出部10は、流路切換部材9に固定されて、カバー部材6、外筒部材7、フェース部材8、および水流方向変換部材60とともに回転可能に構成される。
【0021】
シャワーヘッド1は、流路切換部材9および薬剤混入水吐出部10を回転させることによって、薬剤混入水を吐出する状態と、水を吐出する状態と、を切換可能に構成される。シャワーヘッド1は、薬剤混入水吐出部10に水を流入させて薬剤混入水を吐出する状態と、薬剤混入水吐出部10に水を流入させずに水を吐出する状態(薬剤混入水吐出部10が薬剤混入水を吐出しない状態)と、を切換可能に構成される(
図4乃至
図7参照)。
【0022】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10は、分岐部材5および流路切換部材9の下流側に配置される。
薬剤混入水吐出部10は、流入部11と、絞り部12と、拡散部14と、溶解部15と、を具備し、全体的に略筒状に形成される。
【0023】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の流入部11は、流路切換部材9の第一流通路9aから流出する水が薬剤混入水吐出部10内に流入する部分である。
【0024】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の絞り部12は、流入部11から薬剤混入水吐出部10内に流入した水の流れを絞って水の流速を増加させる部分である。
絞り部12は、流入部11よりも下流側に配置される。薬剤混入水吐出部10は、絞り部12から下流側へ流出する水の流速が、絞り部12の上流側よりも増加するように構成される。
【0025】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の拡散部14は、水の水勢を弱めるとともに、水を拡散させるものである。
拡散部14は、絞り部12の下流側に配置される。拡散部14は、絞り部12から流出する水が当接するような位置に配置される。
拡散部14は、水が拡散部14に当接することによって、水の水勢が弱まるとともに水が拡散するように構成される。
【0026】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の溶解部15は、薬剤である固形剤56が配置されるように構成される。
溶解部15は、薬剤混入水吐出部10に流入する水によって(水に接触することによって)溶解部15に配置される固形剤56を溶解させて、当該水を薬剤混入水とする。
【0027】
シャワーヘッド1の溶解部15における水の入口の開口15a(以下「入口の開口15a」という)は、絞り部12の下流側の下流側に配置される。
【0028】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の溶解部15は、絞り部12から下流側へ水が流出することによって、薬剤混入水が吸引されて溶解部15の出口の開口15bを介して溶解部15から流出するとともに、水のうち少なくとも一部(または、出口の開口15bから流出した薬剤混入水の一部)が、溶解部15の入口の開口15aを介して溶解部15内に流入するように構成される。
薬剤混入水吐出部10は、前記溶解部15内に流入する水または薬剤混入水によって固形剤56を溶解して所定の溶液として溶解部15から流出させ、薬剤混入水を吐出するように構成される。
【0029】
ここで、シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の溶解部15に配置される固形剤56とは、薬剤であり、水が接触することによって溶解可能なもの(例えば、水が接触することによって溶解可能な、固形洗剤、固形塗料剤、固形薬剤、または、固形炭酸剤等)を示す。
また、薬剤混入水とは、固形剤56(薬剤)が水に混入されたものを示す。
【0030】
以上のように、薬剤混入水を吐出する薬剤混入水吐出部10を備え、薬剤混入水を吐出する状態と、水を吐出する状態と、を切換可能に構成される、シャワーヘッド1では、薬剤混入水(薬剤が混入された水)と、水(通常のシャワーが吐出する水)と、を切替えて吐出することができる。
したがって、シャワーヘッド1によれば、薬剤混入水を吐出する構成であっても、薬剤混入水を吐出する状態と水を吐出する状態とを切換えることができ、利便性を向上させることができる。
【0031】
次に、シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の具体的構成について説明する。
薬剤混入水吐出部10は、水流方向変換部材60と、絞り部材30と、第一筒部材40と、第二筒部材43と、薬剤配置部材50と、固形剤56と、を具備し、薬剤混入水吐出部10内に流入する水に薬剤を混入させて薬剤混入水とし、当該薬剤混入水を吐出する。
【0032】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の水流方向変換部材60は、流路切換部材9の第一流通路9aから流入する水の水流方向を変換する。水流方向変換部材60は、流入部11として構成される。
水流方向変換部材60は、流路切換部材9の下流側に配置される。水流方向変換部材60は、流路切換部材9の底面と当接するように配置される。水流方向変換部材60は、その内部が流路切換部材9の第一流通路9aと連通するように上流側端部が開口され、下流側端部に底部61を有する有底略筒状に形成される。水流方向変換部材60は、流路切換部材9の第一流通路9aから流出した水が上流側端部の開口から水流方向変換部材60内に流入するように構成される。
【0033】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の水流方向変換部材60は凸部65を有する。水流方向変換部材60における凸部65は、底部61の中央部から下流側に突出するように形成される。
水流方向変換部材60は、その下流側部が絞り部材30の上流側端部の開口から絞り部材30内に嵌挿可能に構成される。
【0034】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の水流方向変換部材60は、貫通孔63を有する。
水流方向変換部材60における貫通孔63は、周方向に180度位相をずらすようにして(水流方向変換部材60の軸心を中心に対向する位置に)、その上下中途部(上流側部と下流側部との間)にそれぞれ形成される。
水流方向変換部材60における貫通孔63は、水流方向変換部材60における中途部の外周面から内周面に(半径方向に)貫通するように、それぞれ形成される。
【0035】
シャワーヘッド1の水流方向変換部材60は、切欠き64を有する。
水流方向変換部材60における切欠き64は、周方向に180度位相をずらすようにして(水流方向変換部材60の軸心を中心に対向する位置に)それぞれ形成される。水流方向変換部材60における切欠き64は、底部61の下流側の面および中途部の外周面が切欠かれるように形成される。
水流方向変換部材60における切欠き64は、その底部61から、二個の貫通孔63のうち一方の貫通孔63に亘るように形成される。
【0036】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の絞り部材30は、その上流側端部が開口するとともに下流側端部に底部31を有して、有底略筒状に形成される。
【0037】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の絞り部材30は、凹部33を有する。絞り部材30における凹部33は、底部31の上流側の面の中央部に形成される。絞り部材30における凹部33は、底部31の上流側の面が略半球状に凹むように形成される。
【0038】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の絞り部材30は、複数個の絞り孔34・34・・・を有する。絞り孔34は、絞り部12として構成される。
絞り部材30における絞り孔34は、薬剤混入水吐出部10内に流入した水の流れを絞って水の流速を増加させるものである。絞り部材30における複数個の絞り孔34で、絞り部12が構成される。
絞り部材30における絞り孔34は、絞り部材30内から絞り部材30外に底部31を貫通するように形成される。絞り部材30における絞り孔34は、上流側の開口が凹部33に開口するように形成される。絞り部材30の絞り孔34は、周方向に60度ずつ位相をずらして形成される。
絞り部材30の絞り孔34は、当該絞り孔34におけるそれぞれの下流側の開口から流出する三本の水流が薬剤混入水吐出部10の軸心方向に平行に流出するようにそれぞれ形成される。
なお、絞り部材30における絞り孔34の数は、三個であることに限定するものではない。
【0039】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の第一筒部材40は、その上流側端部および下流側端部が開口する円筒状に形成される。薬剤混入水吐出部10の第一筒部材40は、その外面が流路切換部材9の第二流通路9b(流路切換部材9の下流側の開口)よりも内側に位置するように構成される。薬剤混入水吐出部10の第一筒部材40は、その外面が外筒部材7の内面との間に所定の空間(流路切換部材9の第二流通路9bから流出した水が流通するための空間)が形成されるように構成される。
第一筒部材40は、その上下中途部(上流側部と下流側部との間)から下流側端部にいくに従って次第に縮径されて、上流側端部の開口の内経が下流側端部の開口の内経よりも大きくなるように形成されて、構成される。
第一筒部材40は、その上流側部内に絞り部材30を嵌挿可能に構成される。
【0040】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の第一筒部材40は、第一貫通孔41と第二貫通孔42とを有する。
第一筒部材40の第一貫通孔41は、第一筒部材40の外面から内面に貫通するように形成される。第一筒部材40の第一貫通孔41には、薬剤配置部材50のパイプ53が嵌挿される。
第一筒部材40の第二貫通孔42は、第一筒部材40の外面から内面に貫通するように形成される。第一筒部材40の第二貫通孔43は、第一貫通孔42よりも下流側に配置される。
【0041】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の第二筒部材43は、その上流側端部および下流側端部が開口する円筒状に形成される。
第二筒部材43は、その上流側部が第一筒部材40における下流側端部に嵌挿可能に構成される。
第二筒部材43は、その上流側部を除く部分(中途部および下流側部)の外径が上流側部よりも小さく形成されて構成される。
第二筒部材43は、その上流側端から第二筒部材43の上流側部と中途部との境界部分における内面が下流側に行くに従って縮径されて、その上流側端から第二筒部材43の上流側部と中途部との境界部分における内部に傾斜面を有するように(テーパ状に)構成される。
【0042】
そして、薬剤混入水吐出部10では、絞り部材30内の上流側部内に、絞り部材30の上流側端部の開口から水流方向変換部材60の下流側の部分が嵌挿される。水流方向変換部材60が絞り部材30に嵌挿された状態では、水流方向変換部材60の貫通孔63および切欠き64を介して、水流方向変換部材60内と絞り部材30内とが連通した状態となる。
【0043】
シャワーヘッド1において、分岐部材5の流通孔5aから流出する水を、流路切換部材9の第一流通路9aと分岐部材5の流通孔5aとが連通して薬剤混入水吐出部10に流通する側に流通させる状態について説明する。
図2乃至
図5に示すように、薬剤混入水吐出部10では、流路切換部材9の第一流通路9aを介して水流方向変換部材60の上流側端部の開口から流入した水が、その貫通孔63および切欠き64を通って絞り部材30内に流入して、絞り部材30の絞り孔34におけるそれぞれの下流側の開口から流出する。
接続部材22から水流方向変換部材60内に流入した水が、接続部材22の貫通孔63および切欠き64を流通することにより、水の水流方向が水流方向変換部材60内への流入方向(水流方向変換部材60の軸方向)から周方向となって、絞り部材30内に流入する。
つまり、薬剤混入水吐出部10では、水流方向変換部材60から流出する水の水流方向が変換されて螺旋状の流水(平面視で時計回りの水流)となって絞り部材30に流入する。
【0044】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の第一筒部材40内に、第一筒部材40の上流側端部の開口から絞り部材30が嵌挿される。
第一筒部材40の下流側端部の開口から第二筒部材43の上流側部が、第一筒部材40内に嵌挿される。
【0045】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の回転体70は、絞り部材30の絞り孔34(絞り部12)の上流側の開口の閉鎖と開放とを隣接する絞り孔34ごとに順次おこなうように回転することによって、絞り孔34(絞り部12)への水の流入を断続的に遮断するものである。
【0046】
薬剤混入水吐出部10の回転体70は、棒状の部材の軸心方向中央部に円盤状の部材が互いの軸心を一致させて設けられたような形状に構成される。回転体70における棒状部分の両端部は、それぞれ半球状に構成される。
【0047】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の回転体70は、棒状部分の軸心を傾斜させるようにして絞り部材30内に配置される。回転体70は、棒状部分の上流側部をその下流側部よりも外周側に向けて水流方向変換部材60の凸部65の外側に配置させるとともに、棒状部分の下流側端部を絞り部材30の凹部33に位置させるようにして、配置される。
薬剤混入水吐出部10の回転体70は、棒状部分の軸心の傾斜する向きを変えるように回転可能に構成される。回転体70は、棒状部分の下流側端部が絞り部材30の凹部33に位置した状態で、棒状部分の上流側端部が絞り部材30の内周面に沿って水流方向変換部材60の凸部65の周りを移動するように、回転可能に絞り部材30内に配置される。
【0048】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の回転体70は、絞り部材30内において、前記水流方向変換部材60によって水流方向が変換されて螺旋状の水流を回転体70の円盤状部分で受けることによって、回転するように構成される。
このとき、回転体70が回転して、棒状部分の下流側端部が絞り部材30における絞り孔34の上流側の開口上に位置したときに、当該棒状部分の下流側端部で当該絞り部材30における絞り孔34の上流側の開口を閉鎖する。
回転体70がさらに回転して、前記絞り部材30の絞り孔34の上流側の開口を通過したときに、当該絞り孔34の上流側の開口を開放する。
【0049】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10は、回転体70が回転することによって、回転体70の棒状部分の下流側端部で絞り部材30における絞り孔34の上流側の開口の閉鎖と開放とを隣接する絞り孔34ごとに順次おこなうように構成される。
薬剤混入水吐出部10は、回転体70が回転することによって、絞り部材30における絞り孔34への水の流入を断続的に遮断するように構成される。
このようにして、薬剤混入水吐出部10の、回転体70が回転することによって、絞り部材30における絞り孔34(絞り部12)への水の流入を断続的に遮断し、絞り部材30における複数個の絞り孔34のうち水が流入する絞り孔34を断続的に変更して、絞り孔34の下流側の開口から脈動するような水を流出するように構成される。
【0050】
このように構成されたシャワーヘッド1では、薬剤混入水吐出部10が前記脈動するような水を洗浄対象に吐出すると、当該脈動するような水を洗浄対象に吐出する接触した洗浄対象物は、脈動するような水の振動によっても洗浄されることとなる。
このようにして、シャワーヘッド1では、これから吐出する水の洗浄効果を向上させることができる。
【0051】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の薬剤配置部材50は、溶解部15として構成される。
薬剤配置部材50は、その内部(固形剤配置室55)に固形剤56(薬剤)が配置可能に構成される。薬剤配置部材50は、水によって薬剤配置部材50の固形剤配置室55に配置される固形剤56を溶解させて、薬剤混入水として流出するように構成される。
薬剤配置部材50は、身51と、蓋52と、パイプ53と、を有する。薬剤配置部材50は、その身51に蓋52をすることによって、その内部に固形剤56が配置可能な空間(固形剤配置室55)が形成されるように構成される。
【0052】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の薬剤配置部材50の身51は、流出貫通孔51aと、流入貫通孔51bと、を有して構成される。
薬剤配置部材50の身51の流出貫通孔51aは、身51の底部の外面から内面に貫通するように形成される。薬剤配置部材50の身51の流出貫通孔51aには、パイプ53の一端部が嵌挿される。
薬剤配置部材50の身51の流入貫通孔51bは、身51の側部の外面から内面に貫通するように形成される。
薬剤配置部材50の身51は、その底部が第一筒部材40の当接するように配置される。薬剤配置部材50の身51は、流出貫通孔51aが第一筒部材40の第一貫通孔41と、流入貫通孔51bが第一筒部材40の第二貫通孔42と、それぞれ連通するように配置される。薬剤配置部材5の固形剤配置室55と第一筒部材40内とは、流出貫通孔51aと第一筒部材40の第一貫通孔41とを介して連通し、流入貫通孔51bと第一筒部材40の第二貫通孔42を介して連通する。
【0053】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の薬剤配置部材50のパイプ53は、管状に構成される。薬剤配置部材50のパイプ53の内部は、固形剤配置室55内に水が流入する流路として構成される。
薬剤配置部材50のパイプ53の一端部は、第一筒部材40の第一貫通孔41と薬剤配置部材50の身51の流出貫通孔51aとに嵌挿される。薬剤配置部材50のパイプ53の他端部は、第二筒部材43の内側において第二筒部材43の下流側端部に配置される。薬剤配置部材50の流出パイプ53が嵌挿された状態では、流出パイプ53を介して、固形剤配置室55と第一筒部材40内とが連通する。
【0054】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の薬剤配置部材50のパイプ53の一端部の開口が、溶解部15の出口の開口15bとして構成される。
薬剤配置部材5の固形剤配置室55と第一筒部材40内とは、流出貫通孔51aと第一筒部材40の第一貫通孔41とを介して連通し、流入貫通孔51bと第一筒部材40の第二貫通孔42を介して連通する。
薬剤配置部材50の流入貫通孔51bおよび第一筒部材40の第二貫通孔42は、絞り部12の下流側に配置される。第一筒部材40の第二貫通孔42の開口(内側の開口)が、溶解部15の入口の開口15aとして構成される。
【0055】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の薬剤配置部材50は、薬剤配置部材50の固形剤配置室55内の薬剤混入水が、絞り部材30の絞り孔34における下流側の開口から水が流出することによって吸引されて薬剤配置部材50のパイプ53を介して薬剤配置部材50の固形剤配置室55内から第一筒部材40の内側に流出する。
絞り部材30の絞り孔34における下流側の開口から流出する水のうち少なくとも一部が、薬剤配置部材50の流入貫通孔51bおよび第一筒部材40の第二貫通孔42を介して薬剤配置部材50の固形剤配置室55内に流入する。
薬剤混入水吐出部10の薬剤配置部材50は、固形剤配置室55内に流入する水によって固形剤配置室55内の固形剤56を溶解させて、薬剤混入水として流出する。
そして、薬剤配置部材50の固形剤配置室55内に流入する水によって固形剤56を溶解して薬剤混入水として薬剤配置部材50から流出させ、当該薬剤混入水を第二筒部材43の下流側端部の開口44から吐出する。
【0056】
シャワーヘッド1において、分岐部材5の流通孔5aから流出する水を、流路切換部材9の第二流通路9bと分岐部材5の流通孔5aが連通して薬剤混入水吐出部10に流通しない側に流通させる状態について説明する。
図2、
図3、
図6、または
図7に示すように、薬剤混入水吐出部10では、分岐部材5の流通孔5aから流出する水は、流路切換部材9の第二流通路9bを介して第一筒部材と外筒部材7との間の空間を流通して、フェース部材8の吐出孔8bから吐出される。
【0057】
シャワーヘッド1では、カバー部材6または外筒部材7を把持して回転させることによって、カバー部材6等とともに流路切換部材9および薬剤混入水吐出部10を回転させて、薬剤混入水を吐出する状態と、水を吐出する状態と、を切換る。
【0058】
以上のように、シャワーヘッド1では、カバー部材6または外筒部材7を把持して回転させることによって、カバー部材6等とともに流路切換部材9および薬剤混入水吐出部10を回転させて、薬剤混入水を吐出する状態と、水を吐出する状態と、を切換るシャワーヘッドでは、カバー部材6または外筒部材7を把持して回転させることによって当該カバー部材6等とともに流路切換部材9および薬剤混入水吐出部10を回転させることから、薬剤混入水を吐出する状態と、水を吐出する状態と、の切換えを容易に行うことができる。
【0059】
シャワーヘッド1の外筒部材7は、薬剤混入水吐出部10の薬剤配置部材50の身51が嵌装される嵌装孔7aを有する。
薬剤混入水吐出部10の薬剤配置部材50は、外筒部材7の嵌装孔7aに身51が嵌装されて、身51と蓋52とが外筒部材7の外側に突出するように配置される。薬剤配置部材50の蓋52は、外筒部材7の外側に配置されて、シャワーヘッド1の外側に露出するように配置される。
【0060】
以上のように、薬剤配置部材50の薬剤配置部材50の蓋52が、外側に露出するように配置される、シャワーヘッド1によれば、蓋52が外側に露出することから、蓋52を取外すことによって、外筒部材7の外側から固形剤配置室55への固形剤56(薬剤)の収納または詰替え作業等を行うことができる。
したがって、シャワーヘッド1によれば、薬剤配置部材50の固形剤配置室55への固形剤56(薬剤)の収納または詰替え作業等を容易に行うことができる。
【0061】
シャワーヘッド1の薬剤混入水吐出部10の絞り部材30は、拡散体38を有する。
絞り部材30の拡散体38は、水の水勢を弱めるとともに、水を拡散させるものである。絞り部材30の拡散体38は、拡散部14を構成する。
絞り部材30の拡散体38は、絞り孔34の下流側の開口の近傍に位置するように配置される。絞り部材30の拡散体38は、底部31(絞り孔34の下流側の開口)の下流側に位置するように配置される。絞り部材30の拡散体38は、絞り部材30の底部31の中央部(絞り孔34よりも中央側)から下流側に突出するように配置される。絞り部材30の拡散体38は、水が当接するように配置される。
絞り部材30の拡散体38は、略円錐状に形成される。絞り部材30の拡散体38は、下流側にいくに従って末広がりのテーパ状に形成される。
絞り部材30の拡散体38は、その下流側端(外側端)が絞り孔34よりも外側(第二筒部材43の内周面側)に位置するように、形成される。絞り部材30の拡散体38は、その上流側の斜面が絞り孔34の軸心の延長線上に位置するように、形成される。絞り部材30の拡散体38は、その上流側の斜面が絞り部材30の絞り孔34から流出する水の流出方向の延長線上に位置するように、形成される。
【0062】
このように構成されるシャワーヘッド1では、薬剤混入水吐出部10の絞り部材30が拡散体38(拡散部14)を有するため、薬剤混入水吐出部10の軸心方向に絞り部材30の絞り孔34(絞り部12)から流出する水は、絞り部材30の拡散体38に当接することとなる。
そして、シャワーヘッド1では、薬剤混入水吐出部10の絞り部材30における拡散体38に水が当接することによって水の水勢が弱められることとなる。
【0063】
また、シャワーヘッド1では、薬剤混入水吐出部10の絞り部材30における拡散体38に水が当接することによって水が拡散することとなる。
そして、シャワーヘッド1では、前記水が拡散することによって、水の吐出範囲が広がることとなる。このとき、シャワーヘッド1では、薬剤混入水吐出部10の絞り部材30における拡散体38に当接した水が下流側にいくに従って末広がりに拡散して、その吐出範囲が広がることとなる。
【0064】
シャワーヘッド1の薬剤配置部材50では、固形剤56を縦向きに配置可能に、身51が外筒部材7の外側に突出する方向により長細く固形剤配置室55を構成することもできる。このように構成することによって、シャワーヘッド1を吐水する方向により短く構成することができ、シャワーヘッド1をコンパクトに構成することができる。
【0065】
シャワーヘッド1の薬剤配置部材50は、身51とパイプ53とを一体的に構成することもできる。つまり、薬剤配置部材50は、身51の流出貫通孔51aにパイプ53の一端部が嵌挿された状態で、身51とパイプ53とが一個の部材として構成することもできる。このように構成することにより、シャワーヘッド1の組立て工数を削減することができる。
【0066】
シャワーヘッド1は、切換えレバー(不図示)を備え、切換えレバーを操作することによって、薬剤混入水を吐出する状態と、水を吐出する状態と、を切換可能に構成することもできる。このように構成することにより、薬剤混入水を吐出する状態と、水を吐出する状態と、を切換操作が容易となる。
【0067】
シャワーヘッド1は、浄水カートリッジを備える構成とすることもできる。このとき、シャワーヘッド1は、例えば、ヘッド本体3または把持部2内に浄水カートリッジを着脱可能に構成される。