【課題】作業者の利便性を向上させることができる、フロート飲料生成用のフロート、フロート飲料生成用のキット、フロート飲料生成用の飲料容器、フロート飲料の提供方法、及びフロート飲料の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明では、液体を通流させるための空隙を少なくとも有し、かつ、冷凍状態である、フロート飲料生成用のフロートを提供する。本発明に係るフロート飲料生成用のフロート、フロート飲料生成用のキット、フロート飲料生成用の飲料容器、フロート飲料の提供方法、及びフロート飲料の製造方法を用いることにより、作業者の利便性を飛躍的に向上させることができる。
少なくとも液体を注入するための注入口を備える装置で用いられ、前記注入口から排出された液体が前記空隙を通流する、請求項1又は2に記載のフロート飲料生成用のフロート。
請求項1から5のいずれか一項に記載のフロート飲料生成用のフロートが収容され、かつ、前記フロートの下部に、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種、が少なくとも収容された、フロート飲料生成用の飲料容器。
アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種、が少なくとも収容された、飲料容器に、請求項1から5のいずれか一項に記載のフロート飲料生成用のフロートを乗せて、フロート飲料を製造してから提供する、フロート飲料の提供方法。
前記フロートと、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種、が少なくとも収容された、飲料容器と、からなる、フロート飲料生成用のキットと、
前記装置と、
を用いてフロート飲料を製造する、請求項9に記載のフロート飲料の製造方法。
前記フロートが収容され、かつ、前記フロートの下部に、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種、が少なくとも収容された、フロート飲料生成用の飲料容器と、
前記装置と、
を用いてフロート飲料を製造する、請求項9に記載のフロート飲料の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】Aは、本発明に係るフロート飲料生成用のフロートの第1実施形態を真上から視た場合の形態を模式的に示す模式図である。Bは、AのX−X’矢視端面図である。
【
図2】本発明に係るフロート飲料生成用のフロートの第2実施形態を模式的に示す端面模式図である。
【
図3】Aは、本発明に係るフロート飲料生成用のフロートの第3実施形態を真上から視た場合の形態を模式的に示す模式図である。Bは、本発明に係るフロート飲料生成用のフロートの第4実施形態を真上から視た場合の形態を模式的に示す模式図である。Cは、本発明に係るフロート飲料生成用のフロートの第5実施形態を真上から視た場合の形態を模式的に示す模式図である。
【
図4】A〜Cは、本発明に係るフロート飲料生成用のフロートの、形成方法の一例を示す概念図である。
【
図5】A〜Cは、本発明に係るフロート飲料生成用のフロートの、
図4とは異なる形成方法の一例を示す概念図である。
【
図6】A及びBは、本発明に係るフロート飲料生成用のフロートの、
図4及び5とは異なる形成方法の一例を示す概念図である。
【
図7】A〜Cは、本発明に係るフロート飲料生成用のフロートの、
図4〜6とは異なる形成方法の一例を示す概念図である。
【
図8】A〜Cは、本発明に係るフロート飲料生成用のフロートの、
図4〜7とは異なる形成方法の一例を示す概念図である。
【
図9】本発明に係るフロート飲料生成用のキットの第1実施形態を模式的に示す端面模式図である。
【
図10】本発明に係るフロート飲料生成用の飲料容器の第1実施形態を模式的に示す端面模式図である。
【
図11】本発明に係るフロート飲料生成用の飲料容器の第2実施形態を模式的に示す端面模式図である。
【
図12】本発明に係るフロート飲料生成用の飲料容器の第3実施形態を模式的に示す端面模式図である。
【
図13】本発明に係るフロート飲料生成用の飲料容器の第4実施形態を模式的に示す端面模式図である。
【
図14】本発明に係るフロート飲料生成用の飲料容器の第5実施形態を模式的に示す端面模式図である。
【0017】
1.フロート飲料生成用のフロート
本発明に係るフロート飲料生成用のフロート1(以下、「フロート1」ともいう)は、液体を通流させるための空隙11を少なくとも有し、かつ、冷凍状態であることを特徴とする。以下、詳述する。
【0018】
本発明において、「フロート」とは、一定時間、飲料の上に存在した状態で食用に供されるものであり、「冷凍状態」とは、冷凍させた状態をいう。
【0019】
図1のAは、フロート1の第1実施形態を真上から視た場合の形態を模式的に示す模式図である。
図1のBは、AのX−X’矢視端面図である。
フロート1は、液体を通流させるため空隙11を有するため、フロート1自体が邪魔にならず、液体を通流させる際に、液体が周囲に飛び散ることなどもない。よって、フロート飲料生成時に作業者(フロート飲料を消費する消費者自らが作業する場合を含む。)が、空隙11を通して液体をスムーズに通流させることが可能である。そのため、フロート1を用いることにより、フロート飲料を簡単に生成することができ、フロート飲料生成時の作業者の利便性を向上させることができる。
【0020】
また、液体は空隙11を通流するため、液体によりフロート1の形状が崩れることがなく、フロート間での個体差も生じにくい。したがって、フロート1を用いることにより、一定の形状を維持した見栄えのよいフロート飲料を消費者に提供することができる。
【0021】
更に、本発明では、フロートを冷凍状態としたことで、空隙11を形成し易くし、また、一定の形状を維持したフロートを消費者に提供することも容易となる。
なお、フロートを冷凍状態にする方法は特に限定されず、冷蔵庫等を用いて従来公知の方法によって冷凍状態にすることができる。
【0022】
本発明において、フロート1は、空隙11を形成することができ、かつ、冷凍状態にすることができるものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、アイスクリーム類、氷菓、その他の食材、或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせた食材などが挙げられる。
【0023】
「アイスクリーム類」とは、食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」により、「アイスクリーム類とは、乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって、乳固形分3.0%以上を含むもの(発酵乳を除く。)をいう。」と規定されている。
【0024】
「アイスクリーム類」は、含まれる乳固形分と乳脂肪分の量によって、アイスクリーム、アイスミルク、及びラクトアイスの3つに分類される。
「アイスクリーム」とは、アイスクリーム類のうちの、乳固形分が15.0%以上(うち乳脂肪分が8.0%以上)のものをいう。「アイスミルク」とは、アイスクリーム類のうちの、乳固形分が10.0%以上(うち乳脂肪分が3.0%以上)のものをいう。「ラクトアイス」とは、アイスクリーム類のうちの、乳固形分が3.0%以上のものをいう。
【0025】
「氷菓」とは、食品衛生法に基づく「食品、添加物等の規格基準」により、「氷菓とは、糖液若しくはこれに他食品を混和した液体を凍結したもの又は食用氷を粉砕し、これに糖液若しくは他食品を混和し再凍結したもので、凍結状のまま食用に供するものをいう。」と規定されている。氷菓は、前述したアイスクリーム類には含まれず、乳固形分3.0%未満のものである。氷菓としては、例えば、シャーベット、かき氷などが挙げられる。
【0026】
その他の食材としては、例えば、生クリーム、ホイップクリーム、豆乳クリーム、カスタードクリーム、あんこクリーム、チーズクリーム、バニラクリーム等のクリーム類;フローズンヨーグルト;果実若しくは果実を細かく砕いて定型性を有するように固めたもの;野菜若しくは野菜を細かく砕いて定型性を有するように固めたもの;或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせたものなどが挙げられる。
【0027】
なお、アイスクリーム類、氷菓、その他の食材などは、従来公知の方法によって製造することができる。
【0028】
本発明において、フロート1の風味は特に限定されない。具体的には、例えば、バニラ;チョコレート;キャラメル;カスタード;ミント;シナモン;ラム;バナナ、グレープ、ブルーベリー、リンゴ、柿、梨、ピーチ、ストロベリー、メロン、スイカ、オレンジ、グレープフルーツ、パイナップル、パパイヤ、マンゴー、イチジク等の果実類;小豆、かぼちゃ、とうもろこし、人参等の野菜類;コーヒー、コーラ、紅茶、抹茶等の飲料類;或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせたものなどが挙げられる。
【0029】
また、空隙11を通流する液体は特に限定されず、水、お湯、炭酸水であってもよいし、コーラ、メロンソーダ等の炭酸飲料;ビール、日本酒、焼酎、ワイン等のアルコール飲料;炭酸入り、アルコール入り、乳製品と混合した、果実飲料;果汁入り若しくは果実入り飲料;牛乳;豆乳;ココア牛乳、フルーツ牛乳、ヨーグルト等の乳酸/乳性飲料;ハーブティー、日本茶、中国茶、紅茶等の茶飲料;コーンスープ、パンプキンスープ、トマトスープ等のスープ類;コーヒーなどの飲料であってもよい。
【0030】
図2は、フロート1の第2実施形態を模式的に示す端面模式図である。本発明では、
図2に示すように、フロート1の内部に、可食性固形物12を含有させることができる。これにより、フロート1に対して、食感や風味を更に付与することが可能となる。
【0031】
本発明において、「可食性固形物」とは、後述するアイス及び飲料原料を除いた、可食性の固体をいう。可食性固形物としては、例えば、タピオカパール、サゴパール等の澱粉加工物;米等の穀物類(加工した物も含む。);マショマロ、キャンディー等のキャンディー類;ビスケット、クラッカー、クッキー、スナック等の焼き菓子類;大豆、アーモンド、マカデミアナッツ、カシューナッツ、胡桃、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、コーヒー豆、カカオ豆、松の実、かぼちゃの種、ピーナッツ、麻の実、ひまわりの種、銀杏、栗、ゴマ等の種実類;甘納豆、乾燥大豆、乾燥納豆等の加工豆類;果肉、フルーツピュレ、乾燥フルーツ、粉末果実等の果実類;野菜ペースト、乾燥野菜、粉末野菜等の野菜類;キャラメル、ファッジ等の砂糖菓子類;チョコレート等の油性菓子類;フルーツゼリー、コンニャクゼリー、ババロア等のゼリー類;ラムネ菓子、サプリメント等の錠菓類;イクラのような食感を与えるように人工的に製造された粒状の固形物(様々な風味のものを含む。);或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせたものなどが挙げられる。
【0032】
本発明において、フロート1は、
図2に示すように、少なくとも液体を注入するための注入口10を備える装置で用いられ、注入口10から排出された液体が空隙11を通流するものとすることができる。これにより、空隙11を通して液体をスムーズに通流させることができ、作業者の利便性がより向上する。
【0033】
本発明では、少なくとも液体を注入するための注入口10を備える装置は特に限定されないが、飲料生成装置とすることができる。なお、「飲料生成装置」とは、飲料を生成することができる装置をいう。具体的には、例えば、特開平5−199936号公報や特開2005−110835号公報に示すような、コーヒー、紅茶等の嗜好品を簡易に抽出することが可能な抽出装置等が挙げられる。
【0034】
前記装置を飲料生成装置とすることにより、風味が良好なフロート飲料を消費者に提供することができる。また、消費者がフロート飲料を飲用する直前に飲料を生成する場合には、衛生的にも安心なフロート飲料を提供することができる。更に、飲料生成装置に対して飲料の入った容器などの保持位置が予め決まっている飲料生成装置であれば、飲料生成装置の所定の位置に飲料の入った容器などをセットする作業だけで空隙11に液体を通流させることができ、簡単にフロート飲料を生成することができる。
【0035】
本発明において、フロート1の形状は、空隙11を有していれば特に限定されず、例えば、
図1に示すようなドーナツ状、
図2に示すようなドーム状、渦巻き状、球状、直方体、立方体、円筒状、多角(三角、四角或いはそれ以上)筒状、円錐状、多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角錐状、或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせた形状などが挙げられる。これらを1種又は2種以上組み合わせた形状としては、例えば、
図3のAに示すような、直方体を4つ組み合わせた形状などが挙げられる。
【0036】
本発明では、この中でも特に、ドーナツ状が好ましい。ドーナツ状を選択することで、フロート1自体の形状が維持され易く、フロート1が飲料の上に留まることも容易となる。そのため、消費者に対して見栄えのよいフロート飲料を提供することができる。
【0037】
図3のAは、フロート1の第3実施形態を真上から視た場合の形態を模式的に示す模式図である。
図3のBは、フロート1の第4実施形態を真上から視た場合の形態を模式的に示す模式図である。
図3のCは、フロート1の第5実施形態を真上から視た場合の形態を模式的に示す模式図である。
本発明において、空隙11の形状は、液体を通流させることができれば特に限定されず、例えば、穴状の形状であれば、
図1に示すような円筒状、
図3のA及びBに示すような四角筒状、その他の多角(三角、五角或いはそれ以上)筒状、更には、
図2に示すような円錐状、多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角錐状、或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせた形状などが挙げられる。その他にも、例えば、
図3のCに示すような亀裂状の形状、隙間状の形状などであってもよい。
【0038】
本発明では、この中でも特に、穴状の形状が好ましく、穴状の形状の中でも、円筒状、四角筒状が好ましく、円筒状が特に好ましい。穴状の形状を選択することで、フロート1の形成時において空隙11を形成し易くなるためである。また、亀裂状の形状、隙間状の形状と比較して、液体を通流させ易く、作業者の利便性も向上するからである。
【0039】
また、空隙11の形状として円筒状を選択した場合、その直径Lは(
図1のA参照)、1〜10cmとすることが好ましい。直径Lを1cm以上とした場合、空隙11から液体を通流させ易くなり、作業者の利便性が向上するからである。また、直径Lを10cm以下とした場合、空隙11が大きくなり過ぎず、フロート1自体の形状が安定になり、フロート1が崩れにくくなるからである。
【0040】
本発明では、空隙11の位置も特に限定されないが、
図1のAや
図2に示すように、中央範囲に位置させることが好ましい。中央範囲に空隙11が存在することで、フロート1の形成時において空隙11を形成することが容易となる。また、
図3のBに示すように、中央範囲以外に空隙11が存在する場合と比較すると、フロート1自体の形状が安定になり、フロート1が崩れにくくなるからである。
【0041】
また、本発明において、フロート1を形成する方法は特に限定されず、例えば、
図4〜8に示すような形成方法により形成することが可能である。
【0042】
図4のA〜Cは、フロート1の、形成方法の一例を示す概念図である。
図4に示す形成方法は、
図4のAに示すような型を作成し、
図4のBに示すようにフロート1を形成するための材料(例えば、アイスクリーム類、氷菓、その他の食材、或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせた食材などを形成することができる材料等)を前記型に流し込み、冷凍して、フロート1を形成する方法である。
【0043】
図5のA〜Cは、フロート1の、
図4とは異なる形成方法の一例を示す概念図である。
図5に示す形成方法は、
図5のAに示すような穴の空いた筒状のノズルにフロート1を形成するための材料を充填して、冷凍したものを、
図5のBに示すように前記筒状のノズルから押し出して、押し出した部分をカットし、フロート1を形成する方法である。
【0044】
図6のA及びBは、フロート1の、
図4及び5とは異なる形成方法の一例を示す概念図である。
図6に示す形成方法は、
図6のAに示すようなノズルから押し出した棒状のフロート1を形成するための材料を、
図6のBに示すように丸めて、冷凍し、フロート1を形成する方法である。なお、
図6のAでは、棒状のフロート1を形成するための材料をノズルから押し出しているが、予め棒状にしておいたフロート1を形成するための材料を丸めて、冷凍し、フロート1を形成してもよい。
【0045】
図7のA〜Cは、フロート1の、
図4〜6とは異なる形成方法の一例を示す概念図である。
図7に示す形成方法は、
図7のAに示すような、予め四角筒状にしておいたフロート1を形成するための材料をカットし、
図7のBに示すようにカットした各材料を組み合わせて、冷凍し、フロート1を形成する方法である。なお、
図7のAでは、予めフロート1を形成するための材料を四角筒状としているが、四角筒状のフロート1を形成するための材料をノズルなどから押し出して、押し出した部分をカットし、カットした各材料を組み合わせて、冷凍し、フロート1を形成してもよい。また、
図7のBでは、カットした各材料を組み合わせているが、カットした各材料を二重、三重或いはそれ以上に重ねて、フロート1を形成することもできる。
【0046】
図8のA〜Cは、フロート1の、
図4〜7とは異なる形成方法の一例を示す概念図である。
図8に示す形成方法は、
図8のAに示すような、市販のカップ入りアイスクリームに、
図8のBに示すような器具を用いて空隙を形成し、フロート1を形成する方法である。なお、
図8のAでは、市販のカップ入りアイスクリームを用いているが、空隙11を形成することができるものであれば、特に限定されない。
【0047】
本発明では、必要に応じて、更にフロート1の内部のみならず、フロート1の上部に、可食性固形物12や、後述するアイスなどをトッピングすることもできる。
【0048】
その他、フロート1には、本発明の効果を損なわない程度に、必要に応じて、保存料、着色料、香料等の食品添加物を適宜選択して添加することもできる。
【0049】
フロート1を用いてフロート飲料を生成する方法は特に限定されず、例えば、飲料を抽出して、容器などに抽出された飲料を入れてから、前記飲料の上にフロート1を乗せて、生成する方法などが挙げられる。この方法であれば、フロート1の下の飲料は予め封入されているものを解凍したものではないため、風味が良好なフロート飲料を消費者に提供することが可能となる。
【0050】
前記飲料は特に限定されず、例えば、コーラ、メロンソーダ等の炭酸飲料;ビール、日本酒、焼酎、ワイン等のアルコール飲料;炭酸入り、アルコール入り、乳製品と混合した、果実飲料;果汁入り若しくは果実入り飲料;牛乳;豆乳;ココア牛乳、フルーツ牛乳、ヨーグルト等の乳酸/乳性飲料;ハーブティー、日本茶、中国茶、紅茶等の茶飲料;コーンスープ、パンプキンスープ、トマトスープ等のスープ類;コーヒーなどが挙げられる。
【0051】
また、前記飲料を生成する方法も特に限定されず、例えば、後述する飲料原料と水、お湯等とを混合して飲料を生成する方法などが挙げられる。
【0052】
2.フロート飲料生成用のキット
本発明に係るフロート飲料生成用のキット2(以下、「キット2」ともいう)は、フロート1と、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211、が少なくとも収容された、飲料容器21と、からなることを特徴とする。以下、詳述する。
なお、フロート1については、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0053】
図9は、キット2の第1実施形態を模式的に示す端面模式図である。
キット2は、フロート1を有するため、フロート飲料生成時に作業者(フロート飲料を消費する消費者自らが作業する場合を含む。)が、空隙11を通して液体をスムーズに通流させることが可能である。そのため、キット2を用いることにより、フロート飲料を簡単に生成することができ、フロート飲料生成時の作業者の利便性を向上させることができる。
【0054】
また、液体は空隙11を通流するため、液体によりフロート1の形状が崩れることがなく、フロート間での個体差も生じにくい。したがって、キット2を用いることにより、一定の形状を維持した見栄えのよいフロート飲料を消費者に提供することができる。
【0055】
更に、キット2は、フロート1と、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211、が収容された、飲料容器21と、からなる。したがって、飲料容器21とフロート1とを組み合わせることで、簡単に作業者(フロート飲料を消費する消費者自らが作業する場合を含む。)がフロート飲料を製造することができる。また、組み合わせる際には、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211の上部にフロート1が乗せられるため、フロート1が定型性を有したまま、飲料の上に留まることが可能となる。そのため、消費者に対して見栄えのよいフロート飲料を提供することができる。
【0056】
本発明において、キット2は、フロート1と飲料容器21とを別々の工場で製造し、別々に流通させた後、コンビニエンスストア等の店頭で組み合わせることで、キット2とすることができる。
【0057】
本発明において、飲料容器21の形状は、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211を収容することができれば、特に限定されない。具体的には、例えば、円筒状、断面が多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角筒状、円錐状、断面が多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角錐状、或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせた形状などが挙げられる。
【0058】
また、飲料容器21の素材も特に限定されず、例えば、紙;天然樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂類;アルミニウム、スチール、ステンレス等の金属;ガラス;陶器などが挙げられる。本発明では、この中でも特に、コストの低減、取り扱いの容易性の観点から、紙、熱可塑性樹脂が好ましい。
【0059】
本発明において、「アイス」とは、氷をいう。アイスの形状は特に限定されず、例えば、ブロックアイス、ロックアイス、キューブアイス、クラッシュアイスなどが挙げられる。
【0060】
また、前記アイスには、風味を付けることもできる。その風味は特に限定されず、例えば、バニラ;チョコレート;キャラメル;カスタード;ミント;シナモン;ラム;バナナ、グレープ、ブルーベリー、リンゴ、柿、梨、ピーチ、ストロベリー、メロン、スイカ、オレンジ、グレープフルーツ、パイナップル、パパイヤ、マンゴー、イチジク等の果実類;小豆、かぼちゃ、とうもろこし、人参等の野菜類;コーヒー、コーラ、紅茶、抹茶等の飲料類;或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせたものなどが挙げられる。
【0061】
本発明において、「飲料原料」とは、水、お湯等の液体と混合されることにより、飲料を生成することが可能な原料をいう。前記飲料原料としては、例えば、砂糖、異性化液糖、ブドウ糖、果糖、D−ソルビトール、サッカリンナトリウム、アスパルテーム等の甘味料;塩、胡椒等の調味料;クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、リン酸等の酸味料;ビタミンC等のビタミン類;みかん、リンゴ、ぶどう等の果汁;或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせたものなどが挙げられる。更に、これらのものに、食物繊維、オリゴ糖、糖アルコール、ミネラル等の機能性素材が混合されたものであってもよい。
【0062】
また、ハーブティー、日本茶、中国茶、紅茶等の茶飲料;コーンスープ、パンプキンスープ、トマトスープ等のスープ類;コーヒーなどの素となる固形物若しくは粉末であってもよい。更に、これらのものに、食物繊維、オリゴ糖、糖アルコール、ミネラル等の機能性素材が混合されたものであってもよい。
【0063】
可食性固形物については、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0064】
また、本発明では、
図9に示すように、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211は、全て同じ種類で構成されていてもよいし、二以上の種類で構成されていてもよい。
【0065】
上述したアイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211は、必要に応じて、冷蔵状態や冷凍状態にすることができる。この場合、飲料容器21ごと、冷蔵状態や冷凍状態とすることも可能である。また、冷蔵状態や冷凍状態とした飲料容器21自体を流通させることもできる。
【0066】
なお、飲料容器21には、本発明の効果を損なわない程度に、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211以外の食材が更に収容されていてもよい。
【0067】
その他、飲料容器21には、本発明の効果を損なわない程度に、必要に応じて、保存料、着色料、香料等の食品添加物を適宜選択して添加、或いは収容することもできる。
【0068】
キット2を用いてフロート飲料を生成する方法は特に限定されず、例えば、飲料を抽出して、飲料容器21に抽出された飲料を入れてから、前記飲料の上にフロート1を乗せて、生成する方法などが挙げられる。この生成方法であれば、容器を電子レンジ等によって加熱する必要がないため、作業者の利便性を向上させることができる。更に、フロート1の下の飲料は、予め封入されているものを解凍したものではないため、風味が良好なフロート飲料を消費者に提供することが可能となる。
【0069】
また、キット2には、その他、ストロー、スプーン、フォーク等のフロート飲料を飲用する際の専用の部材などが含まれていてもよい。
【0070】
3.フロート飲料生成用の飲料容器
本発明に係るフロート飲料生成用の飲料容器3(以下、「飲料容器3」ともいう)は、フロート1が収容され、かつ、フロート1の下部に、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種31、が少なくとも収容されていることを特徴とする。以下、詳述する。
なお、フロート1については、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0071】
図10は、飲料容器3の第1実施形態を模式的に示す端面模式図である。
飲料容器3は、フロート1を有するため、フロート飲料生成時に作業者(フロート飲料を消費する消費者自らが作業する場合を含む。)が、空隙11を通して液体をスムーズに通流させることが可能である。そのため、飲料容器3を用いることにより、フロート飲料を簡単に生成することができ、フロート飲料生成時の作業者の利便性を向上させることができる。
【0072】
また、液体は空隙11を通流するため、液体によりフロート1の形状が崩れることがなく、フロート間での個体差も生じにくい。したがって、飲料容器3を用いることにより、一定の形状を維持した見栄えのよいフロート飲料を消費者に提供することができる。
【0073】
更に、飲料容器3には、フロート1の下部に、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種31、が収容されている。したがって、飲料容器3を用いることにより、飲料容器3内に液体を導入する作業だけで、簡単に作業者(フロート飲料を消費する消費者自らが作業する場合を含む。)がフロート飲料を製造することができる。また、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種31の上部にフロート1が乗せられているため、フロート1が定型性を有したまま、飲料の上に留まることが可能となる。そのため、消費者に対して見栄えのよいフロート飲料を提供することができる。
【0074】
本発明において、飲料容器3の形態はフロート1と、フロート1の下部に、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種31とを収容することができれば、特に限定されない。したがって、フロート1の形状等に応じて適宜設計することができる。具体的には、例えば、円筒状、断面が多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角筒状、円錐状、断面が多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角錐状、或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせた形状などが挙げられる。
【0075】
また、飲料容器3の素材も特に限定されず、例えば、紙;天然樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂類;アルミニウム、スチール、ステンレス等の金属;ガラス;陶器などが挙げられる。本発明では、この中でも特に、コストの低減、取り扱いの容易性の観点から、紙、熱可塑性樹脂が好ましい。
【0076】
アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種31は、フロート1の下部に収容することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、前述したアイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211と同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0077】
図11は、飲料容器3の第2実施形態を模式的に示す端面模式図である。
前述した通り、フロート1は、少なくとも液体を注入するための注入口10を備える装置で用いられ、注入口10から排出された液体が空隙11を通流するものとすることができる。したがって、飲料容器3を少なくとも液体を注入するための注入口10を備える装置で用いた場合、空隙11を通して液体をスムーズに通流させることができ、作業者の利便性がより向上する。
【0078】
図12は、飲料容器3の第3実施形態を模式的に示す端面模式図である。
飲料容器3は、
図12に示すように、必要に応じて、飲料容器3を密閉する封止部32を更に備えることもできる。飲料容器3が封止部32を備えることで、飲料容器3内への虫、ゴミ等の侵入を回避でき、飲料容器3の品質管理が容易となる。また、飲料容器3を運搬、保存等する際の作業者の利便性も向上する。
【0079】
本発明において、封止部32の形態は、飲料容器3の内部を密閉することができれば特に限定されず、
図12に示すようなシール、フタ等の形態、
図13に示すようなキャップ等の形態などが挙げられる。
【0080】
また、封止部32の素材も特に限定されず、例えば、紙;天然樹脂、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の樹脂類;アルミニウム、スチール、ステンレス等の金属;ガラス;陶器などが挙げられる。本発明では、この中でも特に、コストの低減、取り扱いの容易性の観点から、紙、熱可塑性樹脂が好ましい。
【0081】
飲料容器3が封止部32を更に備える場合であって、飲料容器3を少なくとも注入口10を備える装置で用いた場合には、例えば、
図14に示すように、飲料生成時に、注入口10で封止部32を突き破って注入口10から排出された液体を空隙11から通流させることができる。この方法によれば、飲料生成直前まで飲料容器3内への虫、ゴミ等の侵入を回避できるため、衛生管理上の観点から、非常に利便性が高い。
【0082】
なお、飲料容器3には、本発明の効果を損なわない程度に、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211以外の食材が更に収容されていてもよい。
【0083】
その他、飲料容器3には、本発明の効果を損なわない程度に、必要に応じて、保存料、着色料、香料等の食品添加物を適宜選択して添加、或いは収容することもできる。
【0084】
飲料容器3を用いてフロート飲料を生成する方法は特に限定されず、例えば、飲料を抽出して、飲料容器3内に、フロート1の空隙11を通して、抽出された飲料を導入して生成する方法などが挙げられる。この生成方法であれば、容器を電子レンジ等によって加熱する必要がないため、作業者の利便性を向上させることができる。更に、フロート1の下の飲料は、予め封入されているものを解凍したものではないため、風味が良好なフロート飲料を消費者に提供することが可能となる。
【0085】
また、飲料容器3には、その他、ストロー、スプーン、フォーク等のフロート飲料を飲用する際の専用の部材などが備えられていてもよい。
【0086】
4.フロート飲料の提供方法
本発明に係るフロート飲料の提供方法は、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211、が少なくとも収容された、飲料容器21に、フロート1を乗せて、フロート飲料を製造してから提供することを特徴とする。
なお、飲料容器21及びフロート1については、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0087】
本発明に係るフロート飲料の提供方法では、フロート1を用いているため、フロート飲料生成時に提供者が、空隙11を通して液体をスムーズに通流させることが可能である。そのため、本発明に係るフロート飲料の提供方法を用いることにより、フロート飲料を簡単に生成することができ、フロート飲料生成時の作業者の利便性を向上させることができる。したがって、フロート飲料の市場や、消費者向けのフロート飲料提供ビジネスが更に拡大することが期待できる。
【0088】
また、液体は空隙11を通流するため、液体によりフロート1の形状が崩れることがなく、フロート間での個体差も生じにくい。したがって、本発明に係るフロート飲料の提供方法を用いることにより、一定の形状を維持した見栄えのよいフロート飲料を消費者に提供することができる。
【0089】
更に、本発明に係るフロート飲料の提供方法では、飲料容器21に、フロート1を乗せる作業だけで、簡単に作業者がフロート飲料を製造することができる。また、電子レンジ等によって加熱する工程を行う必要もないことから、作業工程の簡素化を図ることもできる。加えて、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211の上部にフロート1が乗せられることとなるため、フロート1が定型性を有したまま、飲料の上に留まることが可能となる。そのため、消費者に対して見栄えのよいフロート飲料を提供することができる。
【0090】
なお、本発明に係るフロート飲料の提供方法では、コンビニエンスストア等の店頭で、容器にアイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211、を収容し、飲料容器21を形成した後に、店頭にある器具、装置等によりフロート1を形成して提供する態様も含む。
【0091】
5.フロート飲料の製造方法
本発明に係るフロート飲料の製造方法は、フロート1と、少なくとも液体を注入するための注入口10を備える装置と、を用いてフロート飲料を製造することを特徴とする。
なお、フロート1及び少なくとも液体を注入するための注入口10を備える装置については、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
【0092】
本発明に係るフロート飲料の製造方法では、フロート1を用いているため、フロート飲料生成時に製造者(フロート飲料を消費する消費者自らが製造する場合を含む。)が、空隙11を通して液体をスムーズに通流させることが可能である。そのため、本発明に係るフロート飲料の製造方法を用いることにより、フロート飲料を簡単に生成することができ、フロート飲料生成時の作業者の利便性を向上させることができる。
【0093】
また、液体は空隙11を通流するため、液体によりフロート1の形状が崩れることがなく、フロート間での個体差も生じにくい。したがって、本発明に係るフロート飲料の製造方法を用いることにより、一定の形状を維持した見栄えのよいフロート飲料を消費者に提供することができる。
【0094】
なお、本発明に係るフロート飲料の製造方法では、コンビニエンスストア等の店頭にある器具、装置等によりフロート1を形成して製造する態様も含む。
【0095】
また、本発明においては、フロート1と、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211、が少なくとも収容された、飲料容器21と、からなる、フロート飲料生成用のキット2と、少なくとも液体を注入するための注入口10を備える装置と、を用いてフロート飲料を製造することができる。
【0096】
キット2は、フロート1と、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211、が収容された、飲料容器21と、からなる。したがって、飲料容器21とフロート1とを組み合わせることで、簡単に製造者(フロート飲料を消費する消費者自らが製造する場合を含む。)がフロート飲料を製造することができる。また、組み合わせる際には、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種211の上部にフロート1が乗せられるため、フロート1が定型性を有したまま、飲料の上に留まることが可能となる。そのため、消費者に対して見栄えのよいフロート飲料を提供することができる。
【0097】
或いは、本発明では、フロート1が収容され、かつ、フロート1の下部に、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種31、が少なくとも収容された、フロート飲料生成用の飲料容器3と、少なくとも液体を注入するための注入口10を備える装置と、を用いてフロート飲料を製造することもできる。
【0098】
飲料容器3には、フロート1の下部に、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種31、が収容されている。したがって、簡単に製造者(フロート飲料を消費する消費者自らが製造する場合を含む。)がフロート飲料を製造することができる。また、アイス、飲料原料、可食性固形物からなる群より選ばれる少なくとも一種31の上部にフロート1が乗せられているため、フロート1が定型性を有したまま、飲料の上に留まることが可能となる。そのため、消費者に対して見栄えのよいフロート飲料を提供することができる。